JPH1175911A - 靴の甲被の保形材および保形材の成型組付方法 - Google Patents

靴の甲被の保形材および保形材の成型組付方法

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JPH1175911A
JPH1175911A JP25436297A JP25436297A JPH1175911A JP H1175911 A JPH1175911 A JP H1175911A JP 25436297 A JP25436297 A JP 25436297A JP 25436297 A JP25436297 A JP 25436297A JP H1175911 A JPH1175911 A JP H1175911A
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JP
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shape
thermoplastic resin
retaining material
additive
electromagnetic induction
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JP25436297A
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English (en)
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Masaru Inoue
賢 井上
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Asics Corp
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Asics Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造性が良く、かつ、甲被が熱による変形や
劣化を生じない靴の甲被の保形材の成型組付方法を提供
する。 【解決手段】 たとえば酸化鉄の粉体6を内部に含んだ
保形材4,5を甲被本体1に装着した状態で、電磁誘導
により加熱して軟化させた後、前記保形材4,5を成型
すると共に甲被本体1に粘着ないし接着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は靴の甲被の保形材お
よび保形材の成型組付方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、靴の甲被の踵部には、月型芯
と呼ばれる保形材が装着され、一方、爪先部には爪先芯
と呼ばれる保形材が装着された靴がある。かかる保形材
は、平板状の芯材を予め甲被に装着し、加熱して軟化さ
せた後、ラストと呼ばれる足のような形状をした型にセ
ットして成型されると共に、甲被に接着ないし粘着され
る。前記芯材の加熱は、たとえば、踵部は熱風を吹き付
けることによりなされ、一方、爪先部はアクチベータと
呼ばれる一対の加熱板で挟んで行なわれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来技術
では、芯材の加熱時間が長く、たとえば月形芯を軟化さ
せる熱風加熱では40秒程度かかり、爪先芯を軟化させ
るアクチベータ加熱では15秒程度かかる。しかも、踵
部と爪先部の双方に保形材を有する場合は、別々に加熱
行程を行なうので、合計1分程度の時間がかかり、生産
性が今一つ良くない。また、芯材を加熱する際に甲被自
体も加熱してしまうので、甲被自体の劣化や変形も生じ
易い。さらに、熱風加熱等では、不均一な加熱状態にな
り、成形性ないし接着性が今一つ良くない。
【0004】したがって、本発明の目的は、かかる問題
を解決するための靴の甲被の保形材および保形材の成型
組付方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の靴の甲被の保形材は、靴の踵部または爪先
部に設けられた熱可塑性の板状の甲被の保形材であっ
て、該保形材を構成する主成分よりも電磁誘導加熱によ
って発熱し易い添加材を内部に含んでいる。
【0006】前記添加材は、粉体、粒体、粉粒体、繊維
質または網状物としたものを主成分に添加する。また、
添加材の材質としては、一般に、磁性体ないし導電体を
用いることができ、たとえば、カーボン、酸化鉄、鉄合
金、アルミニウム、ステンレス、銅、黄銅または真鍮等
を用いることができるが、これらの中でもカーボンまた
は酸化鉄を用いるのが好ましい。また、添加材の添加量
は、一般に、主成分の10〜20%程度が好ましい。
【0007】本発明において、「熱可塑性の板状の保形
材」とは、熱によって保形材そのものが軟化して形状を
変えるものであって、かつ、粘着ないし接着し得るもの
をいう。また、保形材を構成する主成分としては、一般
に、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂と織布を積層した
ようなもの、あるいは、熱可塑性樹脂と不織布を積層し
たようなものを用いることができる。
【0008】本発明の保形材を甲被本体に成型して組付
けるには、まず、前述のような保形材を靴の甲被本体に
装着した状態で、電磁誘導により加熱して軟化させた
後、前記保形材を成型すると共に、軟化した保形材を甲
被本体に粘着ないし接着させる。
【0009】なお、本発明において「粉粒体」とは、粉
体および粒体の双方を含み、保形材を均等に加熱し得る
程度の小さな粒径を有するものをいう。「甲被本体」と
は、前記保形材を含まない甲被の部分をいう。電磁誘導
に用いる周波数としては、一般に、1KHz 〜400KHz
程度が好ましい。また、「粘着ないし接着」とは、接合
面が弱い力で比較的簡単に引き剥がされる程度に粘着さ
れているものや、あるいは、引き剥がしたときに材料破
壊が生じるほど強く接着されているものを含む。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
にしたがって説明する。図1(a)〜(c)は靴の甲被
部分を示す。図1(a)および(b)において、甲被本
体1は甲被の外側部分を構成する本甲11と、甲被の踵
部2の内側部分を構成する腰裏12と、甲被の爪先部3
の内側部分を構成する本甲裏13とを有している。甲被
本体1の踵部2には、踵部2のほぼ全面に渡って、本甲
11と腰裏12との間に月形芯(保形材)4が挿入され
ている。また、図1(a)および(c)に示すように、
甲被本体1の爪先部3には、爪先部3のほぼ全面に渡っ
て、本甲11と本甲裏13との間に爪先芯(保形材)5
が挿入されている。
【0011】前記月形芯4は、踵部2の形状を保持し
て、足のねじれ等を未然に防止するためのものである。
成型前の月形芯4は、図2(a)に示すように月形の平
板状であり、成型後には図2(b)に示すように、靴の
踵部2の背面に沿って湾曲したような形状に成型され、
図1(a)の甲被本体1の本甲11と腰裏12との間に
装着された状態で接着されている。
【0012】前記月形芯4は、図2(c)に示すよう
に、たとえば、熱可塑性樹脂板41の表裏に一対の織布
40,40を積層した板状物からなる。熱可塑性樹脂板
41には、月形芯4の主成分である熱可塑性樹脂や織布
40よりも電磁誘導加熱によって発熱し易い添加材(磁
性体)として、たとえば酸化鉄の粉体6を内部に含んで
いる。
【0013】図1(c)の爪先芯5は、爪先部3の形状
を保持するもので、たとえば略扇形で、かつ、靴の爪先
部3に沿って湾曲したような形状に成型され、甲被本体
1の本甲11と本甲裏13との間に装着された状態で接
着されている。
【0014】爪先芯5は、たとえば、熱可塑性樹脂のシ
ート状物または該シート状物の表面に不織布を一体に成
型したシート状物からなり、一般に、前記月形芯4より
も軟質である。前記熱可塑性樹脂の中には、主成分であ
る熱可塑性樹脂や不織布よりも電磁誘導加熱によって発
熱し易い添加材(磁性体)として、たとえば酸化鉄の粉
体を内部に含んでいる。
【0015】つぎに、月形芯4および爪先芯5の成型組
付方法について説明する。図3(a),(b)は成型前
の甲被を示す。甲被本体1の踵部2および爪先部3に、
各々、月形芯4および爪先芯5を予め装着する。つい
で、甲被本体1の内側の周縁部10に糊付けを行なう。
この糊付けは、後の吊り込み作業時に中底と甲被本体1
とを接着するための工程である。この糊付け工程の後に
甲被を電磁誘導加熱装置に投入し、月形芯4および爪先
芯5を10秒程度加熱して軟化させる。この軟化後、ラ
ストと呼ばれる型に甲被を装着して、図3(c)のよう
に成型すると共に、前記加熱により軟化させた月形芯4
および爪先芯5を甲被本体1に接着させる。この後、周
知の吊り込み作業を行ない、甲被本体1と図示しない中
底とを接着する。
【0016】このように、本月形芯4および爪先芯5は
電磁誘導によって加熱できるから、短時間で加熱でき、
かつ、月形芯4および爪先芯5の軟化状態も均一になる
ので、成型性や接着性も向上する。しかも、電磁誘導加
熱では、従来の熱風やアクチベータによる加熱と異な
り、甲被本体1自体は殆ど昇温しないから、甲被本体1
の熱による変形や劣化も生じにくい。
【0017】なお、本実施形態においては、添加材とし
て酸化鉄の粉体6を用いたが、本発明では粉粒体、粒
体、繊維質または網状物などの他の導電性ないし磁性を
有する添加物を用いてもよい。
【0018】また、前記実施形態では、吊り込み式の製
造方法について説明したが、本発明は吊り込み式以外
の、たとえば袋縫い式(フルモカ式)やカリフォルニア
方式などにも適用することができる。袋縫い式の場合に
は、甲被本体1を袋状に縫製し、この袋状に縫製した甲
被本体1に月形芯4や爪先芯5を予め挿入しておき、該
甲被本体1を電磁誘導加熱装置に投入して、月形芯4お
よび爪先芯5を加熱して軟化させる。その後、袋状の甲
被本体1にラストと呼ばれる型を挿入して、月形芯4お
よび爪先芯5を成型すると共に加熱によって軟化した芯
材4,5を成型時の圧接力で甲被本体1に粘着ないし接
着させる。
【0019】本発明に適用する電磁誘導加熱装置として
は、図4(a)のような電子レンジに似た構造を持つも
のや、図4(b)のようなベルトコンベア73で搬送し
ながら加熱するものを用いることができる。なお、図4
(a)において、70は発振器、71は反射板、72は
回転テーブルである。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
磁性体や導電体の材料からなる添加材を保形材の内部に
含んでいるから、電磁誘導によって添加材が発熱するこ
とで保形材を迅速に加熱させると共に軟化させることが
できる。したがって、保形材が軟化するまでの時間を大
幅に短縮することができる。
【0021】また、熱風などにより加熱させる場合とは
異なり、添加材が発熱するので保形材を満遍なく加熱す
ることができるから、成形性および接着性が向上する。
しかも、加熱時に本甲と腰裏を広げて加熱するなどの手
間を必要としないので製造性も良い。さらには、添加材
を含んだ保形材が主に加熱されるので、甲被自体は殆ど
昇温しないから甲被が熱によって変形したり劣化したり
するおそれもない。
【0022】また、月形保形材と爪先保形材の2つの保
形材を有する靴においては、同時に2つの保形材の加熱
を行なうことができるから、生産性が更に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態を示す靴の甲被の
側面断面図であり、(b)は同背面図、(c)は爪先部
の平面図である。
【図2】(a)は成型前の月形芯を示す正面図であり、
(b)は成型後の月形芯を示す斜視図、(c)は月形芯
の拡大断面図である。
【図3】(a)は成型前の甲被の斜視図であり、(b)
は成型前の甲被を裏面から見た斜視図、(c)は成型後
の靴の斜視図である。
【図4】本発明に用いることのできる電磁誘導加熱装置
の例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1:甲被本体 2:踵部 3:爪先部 4:月形芯(保形材) 5:爪先芯(保形材) 6:添加材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 靴の踵部または爪先部に設けられた熱可
    塑性の板状の甲被の保形材であって、 該保形材を構成する主成分よりも電磁誘導加熱によって
    発熱し易い添加材を内部に含んだ靴の甲被の保形材。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記添加材が粉体、粒体、粉粒体または繊維質である靴
    の甲被の保形材。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記添加材が網状物である靴の甲被の保形材。
  4. 【請求項4】 請求項1、2もしくは3の保形材を靴の
    甲被本体に装着した状態で、電磁誘導により加熱して軟
    化させた後、前記保形材を成型すると共に、軟化した保
    形材を甲被本体に粘着ないし接着させる保形材の成型組
    立方法。
JP25436297A 1997-09-02 1997-09-02 靴の甲被の保形材および保形材の成型組付方法 Pending JPH1175911A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105996294A (zh) * 2012-06-29 2016-10-12 耐克创新有限合伙公司 用于鞋类制造的感应加热装置和工艺

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105996294A (zh) * 2012-06-29 2016-10-12 耐克创新有限合伙公司 用于鞋类制造的感应加热装置和工艺
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