JPH1174165A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

Info

Publication number
JPH1174165A
JPH1174165A JP23140897A JP23140897A JPH1174165A JP H1174165 A JPH1174165 A JP H1174165A JP 23140897 A JP23140897 A JP 23140897A JP 23140897 A JP23140897 A JP 23140897A JP H1174165 A JPH1174165 A JP H1174165A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor wafer
thermal oxide
film
thin film
dielectric thin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23140897A
Other languages
English (en)
Inventor
Shunsaku Karakama
俊作 唐鎌
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP23140897A priority Critical patent/JPH1174165A/ja
Publication of JPH1174165A publication Critical patent/JPH1174165A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Formation Of Insulating Films (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、半導体ウェーハ裏面の誘電体膜を
除去する際の半導体ウェーハの反りの急変によるパッシ
ベーション膜におけるクラックの発生、更にはこのクラ
ックの発生によって誘発される電極配線層の断線を防止
して、半導体装置の製造歩留まりの低下や信頼性の低下
を防止することができる半導体装置の製造方法を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 半導体ウェーハ10表面の熱酸化膜12
をシリコン窒化膜16により被覆した後、次の工程の半
導体ウェーハ10表面の熱酸化膜12のパターニングと
同一パターンに半導体ウェーハ10裏面の熱酸化膜14
をパターニングして熱酸化膜14aに加工する。このた
め、体積が減少し、半導体ウェーハ10裏面に対する引
っ張り張力が減少する。シリコン窒化膜16を除去した
後、半導体ウェーハ10表面の熱酸化膜12をパターニ
ングして熱酸化膜12aとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置の製造方
法に係り、特に半導体ウェーハプロセスにおいて発生す
る半導体ウェーハの反りを抑制する半導体装置の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体装置の製造方法を、図13
〜図17を用いて説明する。従来の半導体ウェーハプロ
セスにおいては、先ず、半導体ウェーハ10を酸素雰囲
気中において熱処理し、その表面及び裏面にそれぞれ熱
酸化膜12、14を形成する。このとき、熱処理中の高
温状態から室温状態になる段階において、表面及び裏面
の熱酸化膜12、14は半導体ウェーハ10に対して引
っ張り張力を生じるが、こうした引っ張り張力は半導体
ウェーハ10の表面及び裏面に同等に働くため、半導体
ウェーハ10はフラットな形状を保持する(図13参
照)。
【0003】次いで、例えばフォトリソグラフィ技術を
用いて、半導体ウェーハ10表面の熱酸化膜12を所定
のパターンにパターニングし、熱酸化膜12aに加工す
る。このとき、所定のパターンにパターニングされた熱
酸化膜12a全体の体積は、半導体ウェーハ10表面の
全体に形成されていた熱酸化膜12の体積と比べて減少
し、それに伴って半導体ウェーハ10表面に対する引っ
張り張力の減少する。従って、半導体ウェーハ10表面
の熱酸化膜12aの引っ張り張力は、半導体ウェーハ1
0裏面の熱酸化膜14の引っ張り張力より小さくなるた
め、半導体ウェーハ10は凸形状に反る(図14参
照)。
【0004】次いで、半導体ウェーハ10表面に素子を
形成するための種々の工程を行う。例えば、所定のパタ
ーンにパターニングされた熱酸化膜12aを選択拡散マ
スクとして、半導体ウェーハ10表面層に不純物を添加
して不純物領域を形成したり、この不純物領域を接続す
る電極配線層を形成したり、電極配線層と層間絶縁膜を
交互に積層して多層配線構造を形成したり、これらの電
極配線層等を保護するパッシベーション膜を形成したり
するが、ここでは説明の便宜上、電極配線層18及びパ
ッシベーション膜20のみを図示する(図15参照)。
【0005】次いで、半導体ウェーハ10裏面の熱酸化
膜14を除去する。なお、この工程は、例えばLCDに
用いるTFTにおいては、光の透過率を確保するために
必要なものであり、例えば通常のICにおいては、半導
体ウェーハ10をダイシングした後、各チップをパッケ
ージングする際に、チップとパッケージとの良好な密着
性や良好なコンタクトを確保するために必要なものであ
る。
【0006】ここで、半導体ウェーハ10裏面の熱酸化
膜14が一挙に除去され、半導体ウェーハ10の裏面に
働いていた引っ張り張力が消滅することから、半導体ウ
ェーハ10の反りは凸形状から凹形状に急変する。この
ため、図中に矢印で示すように、半導体ウェーハ10表
面側のパッシベーション膜20にクラックが発生する
(図16参照)。従って、その後の工程において薬品処
理やガス処理を行う場合、薬品やガスがクラックを介し
て侵入し、電極配線層18をエッチングしたり、腐食し
たりすることにより、図中に矢印で示すように、電極配
線層18が断線するに至る場合が生じる(図17参
照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、半導体
ウェーハ10の表面及び裏面に熱酸化膜12、14を形
成し、半導体ウェーハ10表面の熱酸化膜12を所定の
パターンにパターニングした後、半導体ウェーハ10表
面に素子を形成するために例えば電極配線層18やパッ
シベーション膜20を形成し、更にその後、半導体ウェ
ーハ10裏面の熱酸化膜14を除去するという半導体ウ
ェーハプロセスを有する従来の半導体装置の製造方法に
おいては、半導体ウェーハ10裏面の熱酸化膜14を除
去することにより、半導体ウェーハ10の裏面に働いて
いた引っ張り張力が消滅することから、半導体ウェーハ
10の反りはそれまでの凸形状から凹形状に急変すると
いう事態が生じた。そして、このために、半導体ウェー
ハ10表面側のパッシベーション膜20に、肉眼や顕微
鏡で観察されるクラックが発生した。
【0008】その結果、その後の薬品処理やガス処理を
行う工程において、このクラックを介して侵入した薬品
やガスによって電極配線層18がアタックされて、エッ
チングや腐食により断線を生じる恐れがあり、半導体装
置の製造歩留まりの低下を招くという問題があった。
【0009】また、半導体ウェーハ10の反りに起因し
て、製造処理上のトラブル、例えば円滑な搬送が阻害さ
れたり、リソグラフィ工程におけるフォーカスずれが発
生したりする等のトラブルが発生するという問題もあっ
た。
【0010】更に、半導体ウェーハ10をダイシング
し、各チップをパッケージングした後においても、製品
使用上の環境等によっては、パッシベーション膜20に
発生したクラックを介して侵入した湿気やガス等の影響
が電極配線層18に及んで断線を生じる恐れがあり、半
導体装置の信頼性の低下を招くという問題があった。
【0011】そこで本発明は、上記問題点を鑑みてなさ
れたものであり、半導体ウェーハ裏面の誘電体膜を除去
する際の半導体ウェーハの反りの急変によるパッシベー
ション膜におけるクラックの発生、更にはこのクラック
の発生によって誘発される電極配線層の断線を防止し
て、半導体装置の製造歩留まりの低下や信頼性の低下を
防止することができる半導体装置の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の本発
明に係る半導体装置の製造方法により達成される。即
ち、請求項1に係る半導体装置の製造方法は、半導体ウ
ェーハの表面及び裏面に誘電体薄膜を形成した後、この
半導体ウェーハ表面に素子を形成する半導体装置の製造
方法であって、半導体ウェーハ表面に素子を形成する前
に、半導体ウェーハ裏面の前記誘電体薄膜に対する加工
を施し、半導体ウェーハ表面に素子を形成する途中又は
素子を形成した後において、半導体ウェーハ裏面の加工
を施された誘電体薄膜を除去することを特徴とする。
【0013】このように請求項1に係る半導体装置の製
造方法においては、半導体ウェーハ表面に素子を形成す
る前に、半導体ウェーハ裏面の誘電体薄膜の加工を行う
ことにより、半導体ウェーハ裏面の誘電体薄膜の体積を
減少させ、それに伴い半導体ウェーハ裏面に対する引っ
張り張力も減少させることが可能となる。このため、そ
の後の半導体ウェーハ表面に素子を形成する途中又は素
子を形成した後において、素子としては本来的に不要な
半導体ウェーハ裏面の誘電体薄膜を除去する際に、この
半導体ウェーハ裏面の誘電体薄膜の除去に伴い半導体ウ
ェーハ裏面に働いていた引っ張り張力が消滅しても、半
導体ウェーハの反りが急変することがなくなる。従っ
て、従来のように半導体ウェーハ裏面の誘電体薄膜を除
去する際の半導体ウェーハの反りの急変によって半導体
ウェーハ表面側のパッシベーション膜にクラックが発生
することが防止される。
【0014】なお、このとき、半導体ウェーハの表面及
び裏面に形成した誘電体薄膜が、酸素雰囲気中における
熱処理により、半導体ウェーハの表面及び裏面に形成し
た熱酸化膜であることが一般的である。但し、必ずしも
熱酸化膜に限定されるわけではなく、半導体装置の種類
によっては、熱酸化膜の代わりに、半導体ウェーハの表
面及び裏面にそれぞれ例えば窒化膜等の他の誘電体膜を
形成する場合もあり、そうした場合であっても、本発明
を適用することは可能である。
【0015】また、請求項2に係る半導体装置の製造方
法は、上記請求項1に係る半導体装置の製造方法におい
て、半導体ウェーハ裏面の誘電体薄膜に対して施す加工
が、半導体ウェーハ表面の誘電体薄膜を所定のパターン
にパターニングする前に、半導体ウェーハ裏面の誘電体
薄膜を所定のパターンにパターニングすることである構
成とすることにより、半導体ウェーハ表面の誘電体薄膜
のパターニングによるこの誘電体薄膜の体積の減少とそ
れに伴う引っ張り張力の減少に対応させて、半導体ウェ
ーハ裏面の誘電体薄膜のパターニングによるこの誘電体
薄膜の体積の減少とそれに伴う引っ張り張力の減少が可
能になる。このため、その後の工程において半導体ウェ
ーハ裏面の誘電体薄膜を除去する際に、この半導体ウェ
ーハ裏面の誘電体薄膜の除去に伴い半導体ウェーハ裏面
に働いていた引っ張り張力が消滅しても、半導体ウェー
ハの反りが急変することがなくなり、パッシベーション
膜にクラックが発生することが防止される。
【0016】なお、このとき、半導体ウェーハ裏面の誘
電体薄膜を所定のパターニングする際の所定のパターン
としては、半導体ウェーハ表面の誘電体薄膜をパターニ
ングする際の所定のパターンと同一又は類似であること
が望ましい。この場合、半導体ウェーハ裏面の誘電体薄
膜の体積が半導体ウェーハ表面の所定のパターンにパタ
ーニングする誘電体薄膜の体積と同一又は同程度にな
り、また半導体ウェーハの表面及び裏面に対する引っ張
り張力も同一又は同程度になる。
【0017】また、このとき、半導体ウェーハ裏面の誘
電体薄膜を所定のパターニングする際の所定のパターン
としては、格子状のパターンであってもよい。但し、こ
の場合、この格子状のパターンにパターニングした半導
体ウェーハ裏面の誘電体薄膜の体積が所定のパターンパ
ターニングする半導体ウェーハ表面の誘電体薄膜の体積
と同一若しくは同程度又はその10倍程度以内である必
要がある。格子状のパターンにパターニングした半導体
ウェーハ裏面の誘電体薄膜の体積がこの範囲内であれ
ば、半導体ウェーハ裏面の誘電体薄膜を除去する際に半
導体ウェーハ裏面に働いていた引っ張り張力が消滅して
も、半導体ウェーハの反りが急変することがなくなり、
パッシベーション膜にクラックが発生することが防止さ
れるからである。
【0018】また、請求項3に係る半導体装置の製造方
法は、上記請求項1に係る半導体装置の製造方法におい
て、半導体ウェーハ裏面の誘電体薄膜に対して施す加工
が、半導体ウェーハ表面の誘電体薄膜を所定のパターン
にパターニングする前に、半導体ウェーハ裏面の誘電体
薄膜を所定の厚さに薄膜化することである構成とするこ
とにより、半導体ウェーハ表面の誘電体薄膜のパターニ
ングによるこの誘電体薄膜の体積の減少とそれに伴う引
っ張り張力の減少に対応させて、半導体ウェーハ裏面の
誘電体薄膜の薄膜化によるこの誘電体薄膜の体積の減少
とそれに伴う引っ張り張力の減少が可能になる。このた
め、その後の工程において半導体ウェーハ裏面の誘電体
薄膜を除去する際に、この半導体ウェーハ裏面の誘電体
薄膜の除去に伴い半導体ウェーハ裏面に働いていた引っ
張り張力が消滅しても、半導体ウェーハの反りが急変す
ることがなくなり、パッシベーション膜にクラックが発
生することが防止される。
【0019】なお、このとき、半導体ウェーハ裏面の誘
電体薄膜を1/10の厚さに薄膜化することが好適であ
る。この場合、その後の工程において半導体ウェーハ裏
面の誘電体薄膜を除去する際に、パッシベーション膜に
クラックが発生する程の半導体ウェーハの反りの急変を
生じない程度に、既に半導体ウェーハ裏面の引っ張り張
力が減少しているからである。但し、パッシベーション
膜にクラックが発生する程の半導体ウェーハの反りの急
変がない程度に半導体ウェーハ裏面の引っ張り張力が減
少する範囲であれば、半導体ウェーハ裏面の誘電体薄膜
の薄膜化の程度は1/10に限定されるものではない。
【0020】また、請求項4に係る半導体装置の製造方
法は、上記請求項1に係る半導体装置の製造方法におい
て、半導体ウェーハ裏面の誘電体薄膜の加工を行う際
に、半導体ウェーハ表面の誘電体薄膜を保護膜によって
被覆する構成とすることにより、半導体ウェーハ表面の
誘電体薄膜は物理的にも化学的にもなんらダメージを受
けることがないように保護されるため、その後の半導体
ウェーハ表面に素子を形成する際に特性劣化等の支障を
生じることはない。
【0021】なお、このとき、半導体ウェーハ表面の誘
電体薄膜を被覆する保護膜としては、シリコン酸化膜、
シリコン窒化膜、ポリシリコン膜、金属膜、又は有機膜
が好適ある。但し、いずれの場合においても、半導体ウ
ェーハ裏面の誘電体薄膜に対して加工を施す際に、この
誘電体薄膜とのエッチング選択比が大きくて、半導体ウ
ェーハ表面の誘電体薄膜を物理的、化学的に保護すると
共に、半導体ウェーハ裏面の誘電体薄膜を加工した後に
は容易に除去できることが必要がある。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、
本発明の実施の形態を説明する。 (第1の実施形態)図1〜図6は、それぞれ本発明の第
1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するた
めの工程断面図である。先ず、半導体ウェーハ10を酸
素雰囲気中において熱処理し、その表面及び裏面にそれ
ぞれ熱酸化膜12、14を形成する。なお、この工程に
おいて、半導体ウェーハ10を熱処理中の高温状態から
室温状態に戻す際に、表面及び裏面の熱酸化膜12、1
4が半導体ウェーハ10に対して引っ張り張力を生じる
が、こうした引っ張り張力は表面及び裏面に同等に働く
ため、半導体ウェーハ10はフラットな形状を保持して
いる(図1参照)。
【0023】次いで、例えばCVD法を用いて、半導体
ウェーハ10表面の熱酸化膜12上に保護膜としてのシ
リコン窒化膜16を形成し、熱酸化膜12全面を被覆す
る。続いて、半導体ウェーハ10を反転させた後、例え
ばフォトリソグラフィ技術を用いて、半導体ウェーハ1
0裏面の熱酸化膜14に対する加工を施す。即ち、次の
工程において半導体ウェーハ10表面の熱酸化膜12を
所定のパターンにパターニングする際に使用するマスク
と同一パターンのマスクを使用し、半導体ウェーハ10
裏面の熱酸化膜14をパターニングして熱酸化膜14a
に加工する。
【0024】なお、このとき、熱酸化膜14を選択的に
エッチングする際のエッチング液としては、シリコン窒
化膜16との選択比が大きいものを使用することによ
り、半導体ウェーハ10表面の熱酸化膜12は保護膜と
してのシリコン窒化膜16によって全面的に被覆された
ままの状態が保持されるため、物理的にも化学的にも、
なんらダメージを受けることはない(図2参照)。
【0025】次いで、半導体ウェーハ10を正転させた
後、半導体ウェーハ10表面の熱酸化膜12を全面的に
被覆しているシリコン窒化膜16を除去する。こうし
て、半導体ウェーハ10表面には熱酸化膜12をそのま
ま残存しつつ、裏面の熱酸化膜14のみを所定のパター
ンにパターニングして熱酸化膜14aに加工した半導体
ウェーハ10が得られる(図3参照)。
【0026】次いで、再びフォトリソグラフィ技術を用
いて、半導体ウェーハ10表面の熱酸化膜12を所定の
パターンにパターニングし、熱酸化膜12aとする。こ
のとき、半導体ウェーハ10表面の熱酸化膜12aのな
すパターンと半導体ウェーハ10裏面の熱酸化膜14a
のなすパターンとが同一であるため、半導体ウェーハ1
0の表面及び裏面における熱酸化膜12a、14aは上
記図1に示される熱酸化膜12、14に比べてその体積
が等しく減少し、従って半導体ウェーハ10の表面及び
裏面に対する熱酸化膜12a、14aの引っ張り張力も
共に等しく減少する。即ち、熱酸化膜12a、14aの
体積が等しく小さくなり、従って半導体ウェーハ10の
表面及び裏面に対する熱酸化膜12a、14aの引っ張
り張力も等しく小さくなる。このため、その表面及び裏
面にそれぞれ熱酸化膜12a、14aが形成されている
半導体ウェーハ10はフラットな形状に保持される(図
4参照)。
【0027】次いで、このように半導体ウェーハ10が
フラットな形状を保持された状態において、半導体ウェ
ーハ10表面に素子を形成するための種々の工程を行
う。例えば、熱酸化膜12aを選択拡散マスクとして、
半導体ウェーハ10表面層に不純物を添加して不純物領
域を形成したり、この不純物領域を接続する電極配線層
を形成したり、電極配線層と層間絶縁膜を交互に積層し
て多層配線構造を形成したり、これらの電極配線層等を
保護するパッシベーション膜を形成したりするが、ここ
では説明の便宜上、電極配線層18及びパッシベーショ
ン膜20のみを図示する(図5参照)。
【0028】次いで、半導体ウェーハ10裏面の熱酸化
膜14aを除去する。なお、この工程は、例えばLCD
に用いるTFTにおいては、光の透過率を確保するため
に行うものであり、例えば通常のICにおいては、半導
体ウェーハ10をダイシングした後、各チップをパッケ
ージングする際に、チップとパッケージとの良好な密着
性や良好なコンタクトを確保するために行うものであ
る。
【0029】ここで、半導体ウェーハ10裏面の熱酸化
膜14aが除去され、半導体ウェーハ10の裏面に働い
ていた引っ張り張力は消滅することになる。但し、上記
図4に示す工程において、既に半導体ウェーハ10の表
面及び裏面の熱酸化膜12a、14aによる引っ張り張
力は共に小さいものとなっていることから、半導体ウェ
ーハ10裏面の熱酸化膜14aの除去に伴って半導体ウ
ェーハ10裏面に働いていた引っ張り張力が消滅して
も、半導体ウェーハ10の反りが急変することはない。
このため、従来のように半導体ウェーハ10表面側のパ
ッシベーション膜20にクラックが発生することもなく
なる(図6参照)。
【0030】以上のように本実施形態によれば、半導体
ウェーハ10の表面及び裏面にそれぞれ熱酸化膜12、
14を形成した後、半導体ウェーハ10表面の熱酸化膜
12のパターニングに使用するマスクと同一パターンの
マスクを使用して、半導体ウェーハ10裏面の熱酸化膜
14をパターニングし、更に半導体ウェーハ10表面の
熱酸化膜12をパターニングすることにより、半導体ウ
ェーハ10の表面及び裏面の熱酸化膜12、14がそれ
ぞれ熱酸化膜12a、14aとなって体積が等しく減少
し、半導体ウェーハ10の表面及び裏面に対する熱酸化
膜12a、14aの引っ張り張力も共に等しく減少する
ことから、半導体ウェーハ10表面に素子を形成するた
めの種々の工程を行った後、素子としては本来的に不要
な半導体ウェーハ10裏面の熱酸化膜14aを除去し
て、半導体ウェーハ10裏面に働いていた引っ張り張力
が消滅しても、半導体ウェーハ10の反りが急変するこ
とがなくなるため、従来のように半導体ウェーハ10表
面側のパッシベーション膜20にクラックが発生するこ
とを防止することができる。
【0031】従って、その後の工程において薬品処理や
ガス処理を行う際にも、クラックを介して侵入した薬品
やガスによって電極配線層16がアタックされることも
なくなり、エッチングや腐食によって電極配線層18が
断線することを防止することができるため、半導体装置
の製造歩留まりを向上させることができる。
【0032】また、半導体ウェーハ10の反りに起因し
て、製造処理上のトラブル、例えば円滑な搬送が阻害さ
れたり、リソグラフィ工程におけるフォーカスずれが生
じたりする等のトラブルの発生を防止することができる
ため、生産性の向上を実現することができる。
【0033】更に、半導体ウェーハ10をダイシング
し、各チップをパッケージングした後においても、クラ
ックを介して侵入した湿気やガス等によって電極配線層
16が断線するような製品使用上の環境等の影響を受け
ることを防止することができるため、半導体装置の信頼
性を向上させることができる。
【0034】なお、上記第1の実施形態においては、先
ず半導体ウェーハ10を酸素雰囲気中において熱処理
し、その表面及び裏面にそれぞれ熱酸化膜12、14を
形成しており、これが通常の半導体ウェーハプロセスの
一般的な工程であるが、半導体装置の種類によっては、
熱酸化膜12、14の代わりに、半導体ウェーハ10の
表面及び裏面にそれぞれ例えば窒化膜等の他の誘電体膜
を形成する場合があり、そうした場合であっても、本発
明を適用することは可能である。
【0035】また、上記第1の実施形態においては、半
導体ウェーハ10裏面の熱酸化膜14をパターニングし
て熱酸化膜14aとする工程を、上記図5に示す半導体
ウェーハ10表面に素子を形成するための種々の工程を
行った後に設けているが、例えば例えばLCDに用いる
TFTを作製する場合のように、半導体ウェーハ10表
面に素子を形成する工程の途中に設けてもよい。この場
合も、上記第1の実施形態の場合と同様の効果を奏する
ことができる。
【0036】また、上記第1の実施形態においては、半
導体ウェーハ10裏面の熱酸化膜14をパターニングし
て熱酸化膜14aとする際に、熱酸化膜14とのエッチ
ング選択比の大きいシリコン窒化膜16によって半導体
ウェーハ10表面の熱酸化膜12を全面的に被覆してい
るが、この半導体ウェーハ10表面の熱酸化膜12の保
護膜としては、シリコン窒化膜16に限定されるもので
はなく、例えばCVD酸化膜やポリシリコン膜や金属膜
や有機膜等であってもよい。いずれの場合においても、
熱酸化膜14を選択的にエッチングする際に熱酸化膜1
4とのエッチング選択比が大きくて、半導体ウェーハ1
0表面の熱酸化膜12を物理的、化学的に保護すると共
に、熱酸化膜14を選択的にエッチングした後には容易
に除去することができるものであればよい。
【0037】また、半導体ウェーハ10裏面の熱酸化膜
14をパターニングして熱酸化膜14aとする際に、そ
の次の工程において半導体ウェーハ10表面の熱酸化膜
12をパターニングする際に使用するマスクと同一パタ
ーンのマスクを使用しているが、この同一パターンのマ
スクの代わりに、半導体ウェーハ10表面の熱酸化膜1
2をパターニングする際に使用するマスクと類似するパ
ターンのマスクを使用してもよい。この場合において
も、類似するパターンのマスクを使用してパターニング
した半導体ウェーハ10裏面の熱酸化膜の体積が上記実
施形態の半導体ウェーハ10表面の熱酸化膜12aの体
積と同程度になり、その熱酸化膜の半導体ウェーハ10
裏面に対する引っ張り張力も上記実施形態の半導体ウェ
ーハ10表面に対する熱酸化膜12aの引っ張り張力と
同程度になるため、上記実施形態の場合とほぼ同様の効
果を奏することができる。
【0038】また、上記同一パターンのマスクの代わり
に、格子状のパターンのマスクを使用してもよい。但
し、このとき、この格子状のパターンのマスクを使用し
てパターニングした半導体ウェーハ10裏面の熱酸化膜
の体積が、上記実施形態の半導体ウェーハ10表面の熱
酸化膜12aの体積と同一ないしはその体積の10倍以
内であることが望ましい。
【0039】この場合、格子状のパターンのマスクを使
用してパターニングした半導体ウェーハ10裏面の熱酸
化膜の体積が上記実施形態の半導体ウェーハ10表面の
熱酸化膜12aの体積と同一、若しくは同程度、又はそ
の10倍程度以内になるが、これらの範囲内であれば、
その熱酸化膜の半導体ウェーハ10裏面に対する引っ張
り張力が上記実施形態の半導体ウェーハ10表面に対す
る熱酸化膜12aの引っ張り張力と同一若しくは同程度
になっても、又はそれよりかなり大きくなっても、半導
体ウェーハ10裏面の熱酸化膜の除去に伴って半導体ウ
ェーハ10の反りが急変することはないため、上記実施
形態の場合とほぼ同様の効果を奏することができる。
【0040】また、格子状のパターンのマスクとして、
スクライブパターニングのマスクを使用することが可能
であるため、半導体ウェーハ10表面の熱酸化膜12を
パターニングする際と同一パターンのマスクを使用する
場合と同様、新たなパターンのマスクを特別に作製する
必要がないことから、製造コストの上昇を抑制すること
ができる。
【0041】(第2の実施形態)図7〜図12は、それ
ぞれ本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方
法を説明するための工程断面図である。なお、上記図1
〜図6に示す第1の実施形態の場合と同一の構成要素に
は同一の符号を付して説明を省略する。先ず、上記図1
に示す工程と同様に、半導体ウェーハ10を酸素雰囲気
中において熱処理し、その表面及び裏面にそれぞれ熱酸
化膜12、14を形成する。このとき、半導体ウェーハ
10の表面及び裏面の熱酸化膜12、14の半導体ウェ
ーハ10に対して引っ張り張力は表面及び裏面に同等に
働くため、半導体ウェーハ10はフラットな形状を保持
している(図7参照)。
【0042】次いで、例えばCVD法を用いて、半導体
ウェーハ10表面の熱酸化膜12上に保護膜としてのポ
リシリコン膜22を形成し、熱酸化膜12全面を被覆す
る。続いて、半導体ウェーハ10を反転させた後、例え
ばエッチング技術を用いて、半導体ウェーハ10裏面の
熱酸化膜14に対する加工、即ち熱酸化膜14の薄膜化
を行い、熱酸化膜14の例えば1/10程度の厚さの熱
酸化膜14bとする。このように、半導体ウェーハ10
裏面の薄膜化された熱酸化膜14bは上記図7に示され
る熱酸化膜14に比べてその体積が1/10程度に減少
するため、この熱酸化膜14bによる引っ張り張力はそ
れまでの熱酸化膜14による引っ張り張力よりも小さく
なる。
【0043】なお、このとき、熱酸化膜14をスライト
エッチングする際のエッチング液としては、ポリシリコ
ン膜22との選択比が大きいものを使用することによ
り、半導体ウェーハ10表面の熱酸化膜12は保護膜と
してのポリシリコン膜22によって全面的に被覆された
ままの状態が保持されるため、上記第1の実施形態の場
合と同様に、物理的にも化学的にもなんらダメージを受
けることはない(図8参照)。
【0044】次いで、半導体ウェーハ10を正転させた
後、半導体ウェーハ10表面の熱酸化膜12を全面的に
被覆しているポリシリコン膜22を除去する。こうし
て、半導体ウェーハ10表面には熱酸化膜12をそのま
ま残存しつつ、裏面の熱酸化膜14のみを1/10程度
の厚さに薄膜化して熱酸化膜14bに加工した半導体ウ
ェーハ10が得られる(図9参照)。
【0045】次いで、フォトリソグラフィ技術を用い
て、半導体ウェーハ10表面の熱酸化膜12を所定のパ
ターンにパターニングし、熱酸化膜12aとする。この
とき、半導体ウェーハ10表面のパターニングされた熱
酸化膜12aは上記図7に示される熱酸化膜12に比べ
てその体積が減少するため、この熱酸化膜12aによる
引っ張り張力はそれまでの熱酸化膜12による引っ張り
張力よりも小さくなる。従って、半導体ウェーハ10の
表面及び裏面に対する熱酸化膜12a、14bの引っ張
り張力は上記図7に示される熱酸化膜12、14の引っ
張り張力よりも共に減少するため、半導体ウェーハ10
の表面及び裏面に対する熱酸化膜12a、14bの引っ
張り張力はバランスが取れるようになる。このため、そ
の表面及び裏面にそれぞれ熱酸化膜12a、14bが形
成されている半導体ウェーハ10はフラットな形状に保
持される(図10参照)。
【0046】次いで、このように半導体ウェーハ10が
フラットな形状を保持された状態において、半導体ウェ
ーハ10表面に素子を形成するための種々の工程を行
う。例えば、熱酸化膜12aを選択拡散マスクとして、
半導体ウェーハ10表面層に不純物を添加して不純物領
域を形成したり、この不純物領域を接続する電極配線層
を形成したり、電極配線層と層間絶縁膜を交互に積層し
て多層配線構造を形成したり、これらの電極配線層を保
護するパッシベーション膜を形成したりするが、上記図
5に示す工程の場合と同様に、電極配線層18及びパッ
シベーション膜20のみを図示する(図11参照)。
【0047】次いで、半導体ウェーハ10裏面の熱酸化
膜14bを除去する。なお、この工程は、例えばLCD
に用いるTFTにおいては、光の透過率を確保するため
に行うものであり、例えば通常のICにおいては、半導
体ウェーハ10をダイシングした後、各チップをパッケ
ージングする際に、チップとパッケージとの良好な密着
性や良好なコンタクトを確保するために行うものであ
る。
【0048】ここで、半導体ウェーハ10裏面の熱酸化
膜14bが除去され、半導体ウェーハ10の裏面に働い
ていた引っ張り張力は消滅することになる。但し、上記
図10に示す工程において、既に半導体ウェーハ10の
表面及び裏面の熱酸化膜12a、14bによる引っ張り
張力は共に小さいものとなっていることから、半導体ウ
ェーハ10裏面の熱酸化膜14bの除去に伴って半導体
ウェーハ10裏面に働いていた引っ張り張力が消滅して
も、半導体ウェーハ10の反りが急変することはない。
このため、従来のように半導体ウェーハ10表面側のパ
ッシベーション膜20にクラックが発生することもなく
なる(図12参照)。
【0049】以上のように本実施形態によれば、半導体
ウェーハ10の表面及び裏面にそれぞれ熱酸化膜12、
14を形成した後、半導体ウェーハ10裏面の熱酸化膜
14を1/10程度に薄膜化し、更に半導体ウェーハ1
0表面の熱酸化膜12を所定のパターンにパターニング
することにより、半導体ウェーハ10の表面及び裏面の
熱酸化膜12、14がそれぞれ熱酸化膜12a、14b
となって共に体積が減少し、半導体ウェーハ10の表面
及び裏面に対する熱酸化膜12a、14bの引っ張り張
力も共に減少して小さくなることから、半導体ウェーハ
10表面に素子を形成するための種々の工程を行った
後、素子としては本来的に不要な半導体ウェーハ10裏
面の熱酸化膜14bを除去して、半導体ウェーハ10裏
面に働いていた引っ張り張力が消滅しても、半導体ウェ
ーハ10の反りが急変することがなくなるため、従来の
ように半導体ウェーハ10表面側のパッシベーション膜
20にクラックが発生することを防止することができ
る。従って、上記第1の実施形態の場合と同様の効果を
奏することができる。
【0050】なお、上記第2の実施形態においては、上
記第1の実施形態の場合と同様に、先ず半導体ウェーハ
10を酸素雰囲気中において熱処理してその表面及び裏
面にそれぞれ熱酸化膜12、14を形成しているが、熱
酸化膜12、14の代わりに、半導体ウェーハ10の表
面及び裏面にそれぞれ例えば窒化膜等の他の誘電体膜を
形成する場合であっても、本発明を適用することは可能
である。
【0051】また、上記第2の実施形態においては、半
導体ウェーハ10裏面の熱酸化膜14を薄膜化して熱酸
化膜14bとする工程を、上記図11に示す半導体ウェ
ーハ10表面に素子を形成するための種々の工程を行っ
た後に設けているが、例えば例えばLCDに用いるTF
Tを作製する場合のように、半導体ウェーハ10表面に
素子を形成する工程の途中に設けてもよい。この場合
も、上記第2の実施形態の場合と同様の効果を奏するこ
とができる。
【0052】また、上記第2の実施形態においては、半
導体ウェーハ10裏面の熱酸化膜14を薄膜化して熱酸
化膜14bとする際に、熱酸化膜14とのエッチング選
択比の大きいポリシリコン膜22によって半導体ウェー
ハ10表面の熱酸化膜12を全面的に被覆しているが、
この半導体ウェーハ10表面の熱酸化膜12の保護膜と
してはポリシリコン膜22に限定されるものではなく、
例えばCVD酸化膜やシリコン窒化膜や金属膜や有機膜
等であってもよい。いずれの場合においても、熱酸化膜
14を薄膜化する際に熱酸化膜14とのエッチング選択
比が大きくて、半導体ウェーハ10表面の熱酸化膜12
を物理的、化学的に保護すると共に、熱酸化膜14を薄
膜化した後に容易に除去することができるものであれば
よい。
【0053】また、上記第2の実施形態においては、半
導体ウェーハ10裏面の熱酸化膜14を薄膜化して熱酸
化膜14bとする際に、1/10程度の厚さに薄膜化し
ているが、この薄膜化の程度は1/10程度に限定され
るものではない。この半導体ウェーハ10裏面の熱酸化
膜14の薄膜化により半導体ウェーハ10裏面に対する
引っ張り張力が減少して、上記図12に示す工程におい
て半導体ウェーハ10裏面の薄膜化された熱酸化膜を除
去する際に、この熱酸化膜の除去に伴って半導体ウェー
ハ10裏面に働いていた引っ張り張力が消滅しても、半
導体ウェーハ10表面側のパッシベーション膜20にク
ラックが発生する程の半導体ウェーハ10の反りの急変
がなければよいため、半導体ウェーハ10裏面に対する
引っ張り張力の減少がこうした範囲になるように薄膜化
の程度を設定すればよい。
【0054】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明に係
る半導体装置の製造方法によれば、次のような効果を奏
することができる。即ち、請求項1に係る半導体装置の
製造方法によれば、半導体ウェーハ表面に素子を形成す
る前に、半導体ウェーハ裏面の誘電体薄膜に対する加工
を施すことにより、半導体ウェーハ裏面の誘電体薄膜の
体積を減少させ、それに伴い半導体ウェーハ裏面に対す
る引っ張り張力も減少させることが可能となるため、そ
の後の半導体ウェーハ表面に素子を形成する途中又は素
子を形成した後において、半導体ウェーハ裏面の誘電体
薄膜を除去する際に、この半導体ウェーハ裏面の誘電体
薄膜の除去に伴い半導体ウェーハ裏面に働いていた引っ
張り張力が消滅しても、半導体ウェーハの反りが急変し
ないようにすることができる。従って、半導体ウェーハ
裏面の誘電体薄膜を除去する際の半導体ウェーハの反り
の急変によって半導体ウェーハ表面側のパッシベーショ
ン膜にクラックが発生することが防止され、その後の工
程においてクラックを介して侵入した薬品やガスによっ
て電極配線層がアタックされることもなくなるため、電
極配線層が断線することを防止することができ、半導体
装置の製造歩留まりを向上させることができる。
【0055】また、半導体ウェーハの反りに起因して発
生する製造処理上のトラブル、例えば円滑な搬送が阻害
されたり、リソグラフィ工程におけるフォーカスずれが
生じたりする等のトラブルの発生を防止することができ
るため、生産性の向上を実現することができる。
【0056】更に、半導体ウェーハをダイシングし、各
チップをパッケージングした後においても、クラックを
介して侵入した湿気やガス等によって電極配線層が断線
するような製品使用上の環境等の影響を受けることを防
止することができるため、半導体装置の信頼性を向上さ
せることができる。
【0057】また、請求項2に係る半導体装置の製造方
法によれば、上記請求項1に係る半導体装置の製造方法
において、半導体ウェーハ表面の誘電体薄膜を所定のパ
ターンにパターニングする前に、半導体ウェーハ裏面の
誘電体薄膜を所定のパターンにパターニングすることに
より、半導体ウェーハ表面の誘電体薄膜のパターニング
によるこの誘電体薄膜の体積の減少とそれに伴う引っ張
り張力の減少に対応させて、半導体ウェーハ裏面の誘電
体薄膜のパターニングによるこの誘電体薄膜の体積の減
少とそれに伴う引っ張り張力の減少が可能になるため、
その後の工程において半導体ウェーハ裏面の誘電体薄膜
を除去する際に、この半導体ウェーハ裏面の誘電体薄膜
の除去に伴い半導体ウェーハ裏面に働いていた引っ張り
張力が消滅しても、半導体ウェーハの反りが急変するこ
とがなくなり、パッシベーション膜にクラックが発生す
ることが防止されることから、その後の工程における薬
品やガスのアタックによる電極配線層の断線を防止して
半導体装置の製造歩留まりを向上し、半導体ウェーハの
反りに起因して発生する製造処理上のトラブルを防止し
て生産性を向上し、製品使用上の環境等の影響による電
極配線層の断線を防止して半導体装置の信頼性を向上す
るなどの効果を奏することができる。
【0058】また、請求項3に係る半導体装置の製造方
法によれば、上記請求項1に係る半導体装置の製造方法
において、半導体ウェーハ表面の誘電体薄膜を所定のパ
ターンにパターニングする前に、半導体ウェーハ裏面の
誘電体薄膜を所定の厚さに薄膜化することにより、半導
体ウェーハ表面の誘電体薄膜のパターニングによるこの
誘電体薄膜の体積の減少とそれに伴う引っ張り張力の減
少に対応させて、半導体ウェーハ裏面の誘電体薄膜の薄
膜化によるこの誘電体薄膜の体積の減少とそれに伴う引
っ張り張力の減少が可能になるため、その後の工程にお
いて半導体ウェーハ裏面の誘電体薄膜を除去する際に、
この半導体ウェーハ裏面の誘電体薄膜の除去に伴い半導
体ウェーハ裏面に働いていた引っ張り張力が消滅して
も、半導体ウェーハの反りが急変することがなくなり、
パッシベーション膜にクラックが発生することが防止さ
れることから、上記請求項2に係る半導体装置の製造方
法の場合と同様の効果を奏することができる。
【0059】また、請求項4に係る半導体装置の製造方
法によれば、上記請求項1に係る半導体装置の製造方法
において、半導体ウェーハ裏面の誘電体薄膜に対する加
工を施す際に、半導体ウェーハ表面の誘電体薄膜を保護
膜によって被覆することにより、半導体ウェーハ表面の
誘電体薄膜は物理的にも化学的にもなんらダメージを受
けることがないように保護されるため、その後の半導体
ウェーハ表面に素子を形成する際に半導体装置の特性劣
化等が生じることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製
造方法を説明するための工程断面図(その1)である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製
造方法を説明するための工程断面図(その2)である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製
造方法を説明するための工程断面図(その3)である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製
造方法を説明するための工程断面図(その4)である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製
造方法を説明するための工程断面図(その5)である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製
造方法を説明するための工程断面図(その6)である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製
造方法を説明するための工程断面図(その1)である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製
造方法を説明するための工程断面図(その2)である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製
造方法を説明するための工程断面図(その3)である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の
製造方法を説明するための工程断面図(その4)であ
る。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の
製造方法を説明するための工程断面図(その5)であ
る。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の
製造方法を説明するための工程断面図(その6)であ
る。
【図13】従来の半導体装置の製造方法を説明するため
の工程断面図(その1)である。
【図14】従来の半導体装置の製造方法を説明するため
の工程断面図(その2)である。
【図15】従来の半導体装置の製造方法を説明するため
の工程断面図(その3)である。
【図16】従来の半導体装置の製造方法を説明するため
の工程断面図(その4)である。
【図17】従来の半導体装置の製造方法を説明するため
の工程断面図(その5)である。
【符号の説明】
10…半導体ウェーハ、12、14…熱酸化膜、12
a、14a…パターニングされた熱酸化膜、14b…薄
膜化された熱酸化膜、16…保護膜としてのシリコン窒
化膜、18…電極配線層、20…パッシベーション膜、
22…保護膜としてのポリシリコン膜。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウェーハの表面及び裏面に誘電体
    薄膜を形成した後、前記半導体ウェーハ表面に素子を形
    成する半導体装置の製造方法であって、 前記半導体ウェーハ表面に素子を形成する前に、前記半
    導体ウェーハ裏面の前記誘電体薄膜に対する加工を施
    し、 前記半導体ウェーハ表面に素子を形成する途中又は素子
    を形成した後において、前記半導体ウェーハ裏面の加工
    を施された前記誘電体薄膜を除去することを特徴とする
    半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 前記半導体ウェーハ裏面の前記誘電体薄膜に対して施す
    加工が、前記半導体ウェーハ表面の前記誘電体薄膜を所
    定のパターンにパターニングする前に、前記半導体ウェ
    ーハ裏面の前記誘電体薄膜を所定のパターンにパターニ
    ングすることであることを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 前記半導体ウェーハ裏面の前記誘電体薄膜に対して施す
    加工が、前記半導体ウェーハ表面の前記誘電体薄膜を所
    定のパターンにパターニングする前に、前記半導体ウェ
    ーハ裏面の前記誘電体薄膜を所定の厚さに薄膜化するこ
    とであることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載の半導体装置の製
    造方法において、 前記半導体ウェーハ裏面の前記誘電体薄膜の加工を行う
    際に、前記半導体ウェーハ表面の前記誘電体薄膜を保護
    膜によって被覆することを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 前記半導体ウェーハの表面及び裏面に形成した前記誘電
    体薄膜が、酸素雰囲気中における熱処理により、前記半
    導体ウェーハの表面及び裏面に形成した熱酸化膜である
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 前記半導体ウェーハ裏面の前記誘電体薄膜をパターニン
    グする際の所定のパターンが、前記半導体ウェーハ表面
    の前記誘電体薄膜をパターニングする際の所定のパター
    ンと同一又は類似であることを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 前記半導体ウェーハ裏面の前記誘電体薄膜をパターニン
    グする際の所定のパターンが、格子状のパターンであ
    り、 前記格子状のパターンにパターニングした前記半導体ウ
    ェーハ裏面の前記誘電体薄膜の体積が、所定のパターン
    パターニングした前記半導体ウェーハ表面の前記誘電体
    薄膜の体積と同一ないしはその体積の10倍以内である
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項3記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 前記半導体ウェーハ裏面の前記誘電体薄膜を1/10の
    厚さに薄膜化することを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項4記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 前記半導体ウェーハ表面の前記誘電体薄膜を被覆する保
    護膜が、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、ポリシリコ
    ン膜、金属膜、又は有機膜であることを特徴とする半導
    体装置の製造方法。
JP23140897A 1997-08-27 1997-08-27 半導体装置の製造方法 Pending JPH1174165A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23140897A JPH1174165A (ja) 1997-08-27 1997-08-27 半導体装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23140897A JPH1174165A (ja) 1997-08-27 1997-08-27 半導体装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1174165A true JPH1174165A (ja) 1999-03-16

Family

ID=16923141

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23140897A Pending JPH1174165A (ja) 1997-08-27 1997-08-27 半導体装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1174165A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100324570B1 (ko) * 1999-08-13 2002-02-16 곽정소 반도체 소자의 제조방법
US10191215B2 (en) 2015-05-05 2019-01-29 Ecole Polytechnique Federale De Lausanne (Epfl) Waveguide fabrication method
CN112582284A (zh) * 2019-09-30 2021-03-30 中芯长电半导体(江阴)有限公司 晶圆级芯片封装结构及封装方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100324570B1 (ko) * 1999-08-13 2002-02-16 곽정소 반도체 소자의 제조방법
US10191215B2 (en) 2015-05-05 2019-01-29 Ecole Polytechnique Federale De Lausanne (Epfl) Waveguide fabrication method
CN112582284A (zh) * 2019-09-30 2021-03-30 中芯长电半导体(江阴)有限公司 晶圆级芯片封装结构及封装方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7843041B2 (en) Thin-film circuit device having a low strength region, method for manufacturing the thin-film circuit device, and electronic apparatus
US20070004211A1 (en) Methods of fabricating a semiconductor substrate for reducing wafer warpage
JP2004172150A (ja) 積層構造配線の製造方法
JPH1174165A (ja) 半導体装置の製造方法
JP4902953B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP5051409B2 (ja) 半導体素子の製造方法
JP3994856B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JPS6226839A (ja) 半導体基板
US6288450B1 (en) Wiring structure for semiconductor device
JP2007035904A (ja) アクティブ基板の製造方法
JP3182891B2 (ja) 半導体装置
US20040099949A1 (en) Semiconductor device and fabrication method thereof
JP3541811B2 (ja) 半導体装置
KR100943495B1 (ko) 반도체 소자의 제조 방법
JPH02122653A (ja) 半導体素子用層間膜
JP3510235B2 (ja) 半導体装置の製造方法
WO2024069800A1 (ja) ジョセフソン接合素子の製造方法および量子ビットデバイスの製造方法
JP2006148007A (ja) 半導体装置の製造方法とその製造方法によって製造された半導体装置
JP2001015599A (ja) 半導体装置及びその製造方法
JPH05190533A (ja) 半導体素子の表面保護膜およびその製造方法
KR100790268B1 (ko) 금속 패드의 부식 방지를 위한 반도체 소자의 제조 방법
JPH04214630A (ja) 半導体装置の製造方法
JPH05267293A (ja) 半導体装置
JPH07201842A (ja) 半導体装置の製造方法
KR19980029255A (ko) 반도체 메모리 장치의 전극배선방법