JP3541811B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は半導体装置に関する。特に高信頼性を必要とする半導体装置において有効である。
【0002】
【従来の技術】
従来、ICチップの周辺、すなわちスクライブライン領域はシリコン窒化膜又はシリコン酸化膜からなる保護膜により囲まれていた。
すなわち、図3に示すように、ICが形成されたSi基板21のスクライブライン領域25の周辺構造が、種々の工程における絶縁膜22、その上に形成されたAlパッド26の電極23及びSi保護膜24から構成されていた。この構成ではSi基板21とSi膜24の界面及び段差の激しい部分のSi膜の薄くなったところ27から水分や不純物が侵入しやすい。Alパッド26及びAl配線下の絶縁膜には吸湿性の高いBPSGや無機SOGが用いられる。このため、デバイス特性が不安定になり、また、Al腐食による断線不良を生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、次の二つの課題を持っていた。一つは、外部からの水分や不純物の進入に対するバリア効果が悪いこと。特に、シリコン基板表面(Si34/SiO2,Si34/Si,SiO2/Si界面)からの不純物進入に弱い。このため、デバイス特性が不安定になり、またAl腐食による断線不良を生じる。もう一つは、機械的強度が弱く、これらの保護膜では封止樹脂ストレスによりICチップ周辺にクラックが発生する。また、IC周辺のAl配線のずれやクラックが発生する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体装置は、基板と、前記基板上方に形成された第1の絶縁膜と、前記基板の上方であって、前記第1の絶縁膜の側面に形成された側壁物と、前記第1の絶縁膜と前記側壁物との表面に形成され、スクライブライン領域付近まで延在して形成された第2の絶縁膜と、を含み、前記側壁物は、少なくとも、金属、金属の窒化物及び金属シリサイドのうちのいずれか一つを含むものであり、さらに、前記側壁物は、前記基板の上方と前記第1の絶縁膜の側面に形成された第1の金属層と、該第1の金属層の側方及び上方に形成された第2の金属層と、を含む。
また、本発明の半導体装置は、前記半導体装置において、前記第1の金属層は、金属、金属の窒化物又は金属シリサイドのうちのいずれか一つを含むものである。
また、本発明の半導体装置は、前記半導体装置において、前記第2の金属層はW層である。
また、本発明の半導体装置は、前記半導体装置において、前記第1の絶縁膜は、シリコン酸化膜である。
さらに、本発明の半導体装置は、前記半導体装置において、前記第2の絶縁膜は、シリコン窒化膜である。
【0005】
【作用】
本発明による半導体装置では、ICチップ周辺、すなわちスクライブ領域が水分や不純物のバリア効果が大きく機械強度に優れた金属、金属シリサイド、または金属の窒化物の側壁で囲まれているため、外部から側面を通って水分や不純物が進入せず、樹脂ストレスも回避できる。
【0006】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
【0007】
図1と図2は、本発明による半導体装置の断面構造を示している。図3は従来の半導体装置の断面図を示している。
【0008】
図3の従来構造では、ICが形成されたSi基板21のスクライブ領域25の周辺構造が、種々の工程における絶縁膜22、その上に形成されたAlパッド26の電極23及びSi34保護膜24から構成されていた。この構造ではSi基板21とSi34膜24の界面及び段差の厳しい部分のSi34膜の薄くなった所27から水分や不純物が進入しやすい。Alパッド26及びAl配線下の絶縁膜には吸湿性の高いBPSGや無機SOGが用いられる。このため、デバイス特性が不安定になり、またAl腐食による断線不良を生じる。
【0009】
図1には、ICが形成されたSi基板1のスクライブ領域6の周辺構造が、金属の側壁4で支えられた種々の工程における絶縁膜2、その上に形成されたAlパッド7の電極3及びSi34保護膜5から構成された本発明による半導体装置を示す。
【0010】
図2には、ICが形成されたSi基板11のスクライブ領域19の周辺構造が、Siと金属との反応により形成した金属シリサイド14と金属15の側壁で支えられかつ金属16で覆われた種々の工程における絶縁膜12、その上に形成されたAlパッド18の電極13及びSi34保護膜17から構成された本発明による半導体装置を示す。
【0011】
本発明による半導体装置は下記の製造方法で製造できる。図2を用いて説明する。Si基板11にはICが形成され、配線層下地の層間膜12を形成後、コンタクト穴形成の時、スクライブライン領域19の層間膜を除去する。次にTi,TiN,Wを積層し配線のパタ−ンニング、すなわち、コンタクト穴をTi,TiNおよびWで埋め込む処理をする。この時、全面エッチングをRIEやイオンエッチングなどの方向性をもつエッチングで行うと、スクライブライン領域の層間絶縁膜12の周辺には、Ti,TiN層14とW層15からなる側壁が形成できる。次に400−800℃で熱処理すると、TiとSiが反応しTiSi2が形成する。この後、配線の層間膜、多層の配線16及びAlパッド13を形成、最終保護膜Si3416を蓄積し、パッド18を開孔する。
【0012】
図1の場合も、同様にして製造できる。
【0013】
本発明の半導体装置では、ICチップ周辺、すなわちスクライブ領域が、水分や不純物のバリア効果が大きく機械強度に優れた金属、金属シリサイド、または金属の窒化物の側壁で囲まれている。さらに、TiSi2を形成した場合には金属側壁とSi基板の密着性が高く、界面のバリア性が特に優れている。さらに、吸湿性の高いBPSGやSOGが用いられる絶縁膜12と直接接触する金属は腐食しにくいシリサイドやWのためAl16の腐食が回避できる。また、Si34保護膜の段差も緩和されている。
【0014】
【発明の効果】
本発明は、実施例に対応させて説明すると、層間絶縁膜の側面にバリア効果が高く、かつ、機械強度の高い金属等からなる側壁物を設けることによって、不純物等の侵入を防ぐことができ、かつ、封止樹脂ストレスからICチップを保護することができる。従って、本発明は、効果的に、デバイス特性の劣化や配線金属の腐食による断線不良を防ぎ、機械強度樹脂ストレスによるICの故障を回避できる。
さらに、本発明は、実施例に対応させて説明すると、層間絶縁膜の側面に金属等からなる側壁物を形成し、その上にSi保護膜を形成しており、層間絶縁膜による段差を緩和できるため、Si保護膜に薄い部分が形成されにくい。従って、保護膜からの水分や不純物の侵入をより効果的に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体装置の構造断面図。
【図2】本発明による半導体装置の構造断面図。
【図3】従来の半導体装置の構造断面図。
【符号の説明】
1,11,21・・・・Si基板
2,12,22・・・・層間絶縁膜
3,13,23・・・・Alパッド
4,15・・・・W
16・・・・Al
14・・・・Ti,TiN,TiSi2
5,17,24・・・・Si34保護膜
6,19,25・・・・スクライブライン
7,18,26・・・・パッド開孔部

Claims (5)

  1. 基板と、前記基板上方に形成された1の絶縁膜と、前記基板の上方であって、前記第1の絶縁膜の側面に形成された側壁物と、前記第1の絶縁膜と前記側壁物との表面に形成され、スクライブライン領域付近まで延在して形成された第2の絶縁膜と、を含み、前記側壁物は、少なくとも、金属、金属の窒化物及び金属シリサイドのうちのいずれか一つを含むものであり、さらに、前記側壁物は、前記基板の上方と前記第1の絶縁膜の側面に形成された第1の金属層と、該第1の金属層の側方及び上方に形成された第2の金属層と、を含む、半導体装置。
  2. 請求項1において、前記第1の金属層は、金属、金属の窒化物又は金属シリサイドのうちのいずれか一つを含むものである、半導体装置。
  3. 請求項1又は2において、前記第2の金属層はW層である、半導体装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記第1の絶縁膜は、シリコン酸化膜である、半導体装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記第2の絶縁膜は、シリコン窒化膜である、半導体装置。
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