JPH117313A - 数値制御装置 - Google Patents

数値制御装置

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JPH117313A
JPH117313A JP17659997A JP17659997A JPH117313A JP H117313 A JPH117313 A JP H117313A JP 17659997 A JP17659997 A JP 17659997A JP 17659997 A JP17659997 A JP 17659997A JP H117313 A JPH117313 A JP H117313A
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axis
speed
acceleration
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JP17659997A
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Inventor
Hidehiro Miyajima
英博 宮嶋
Teruo Baida
照生 倍田
Ken Yasuda
研 安田
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Fanuc Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工作機械や産業用ロボットの全体的な加工時
間や作業時間を短縮することのできる数値制御装置を提
供すること。 【解決手段】 早送り速度,加減速の時定数またはサー
ボループゲインやクランプ速度を軸の移動方向毎に設定
したデータファイルを設け、軸の移動方向に応じて常に
最適の早送り速度と加減速特性またはサーボループゲイ
ンとクランプ速度を選択して各軸を駆動制御するように
する。重力や弾性部材等の外力を原因とする各軸の負荷
の変化を相殺し、軸の移動方向に関わらず常に最適の速
度と加減速特性で各軸を駆動制御できるので、工作機械
や産業用ロボットの全体的な加工時間や作業時間を短縮
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、数値制御装置の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械や産業用ロボット等には、重い
テーブルを上下動させるための駆動軸やバネ等の弾性部
材を圧縮または伸長させる駆動軸のように、軸の移動方
向によって軸に作用する負荷が変化するものがある。
【0003】従来の数値制御装置の場合、各軸の速度ま
たは加減速に関連するデータ、例えば、早送り速度や早
送りの加減速の時定数またはサーボループゲイン、およ
び、各軸のクランプ速度等は、軸の移動方向には関わり
なく、あくまで各軸毎に決められていた。
【0004】この結果、例えば、重いテーブルを円滑に
下降させることはできるが、これを円滑に上昇させるこ
とはできない等といった問題が生じる。
【0005】無論、早送り速度を速めに設定したり加減
速の時定数を短めに設定したりサーボループゲインを大
きめに設定したりすれば、重いテーブルを円滑に上昇さ
せることはできるようになるが、同じ設定条件でテーブ
ルを下降させたときに過度の送り速度や加速特性によっ
て、テーブルが必要以上に速く下降するといった弊害が
生じてしまう。
【0006】結果的に、作業者や機械およびワークの安
全を確保するためには、早送り速度や加減速の時定数お
よびサーボループゲインは、軸の移動速度が重力や外力
の影響で速くなったときでも安全性が保証されるような
方向で設定しなければならず、これと同じ早送り速度や
加減速の時定数およびサーボループゲインを逆方向の送
りにそのまま適用すると、逆方向の送りに対して十分な
パフォーマンスを発揮できなくなるといった欠点があ
る。
【0007】つまり、前述の例でいえば、重いテーブル
を安全な速度で下降させたり、バネ等の復帰する方向に
向けて安全な速度で軸を移動させられるように速度や加
減速の時定数およびサーボループゲインを設定すると、
テーブルの上昇速度や弾性力に抗して移動する軸の移動
速度が必要以上に遅くなり、工作機械や産業用ロボット
の全体的な加工時間や作業時間が増長されてしまうとい
った点で問題がある。
【0008】従来の数値制御装置の場合、各軸のクラン
プ速度も早送り速度や加減速の時定数およびサーボルー
プゲインの場合と同様、軸の移動方向とは関わりなく各
軸毎に決められていたので、実際には工作機械や産業用
ロボットを高速で動作させても構わないような場合であ
っても各軸の移動速度が必要以上に制限されてしまい、
前記と同様、工作機械や産業用ロボットの全体的な加工
時間や作業時間が増長されてしまうといった問題が発生
する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題
は、前記従来技術の欠点を解消し、工作機械や産業用ロ
ボットの全体的な加工時間や作業時間を短縮することの
できる数値制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、速度,加減速
またはサーボループゲインに関連するデータを軸の移動
方向毎に記憶する記憶手段と、軸の移動方向を判別する
判別手段と、前記判別手段によって判別された移動方向
に応じて前記記憶手段からデータを選択する選択手段
と、前記選択手段によって選択されたデータに基いて速
度,加減速またはサーボループゲインを制御する制御手
段とを備えたことを特徴とする構成により前記課題を達
成した。
【0011】速度,加減速またはサーボループゲインに
関連するデータを軸の移動方向に応じて最適な値に設定
することができるので、軸の移動方向によって作用する
負荷が変化する場合であっても、軸の移動方向に応じて
常に最適の速度と加減速特性で軸を駆動制御することが
でき、工作機械や産業用ロボットの全体的な加工時間や
作業時間を短縮することができる。
【0012】速度,加減速またはサーボループゲインに
関連するデータとしては、例えば、早送り速度や加減速
の時定数およびサーボループゲインがある。早送り速度
や加減速の時定数またはサーボループゲインを軸の移動
方向に応じて選択する場合には、軸の送り速度の種別を
判別する送り速度判別手段を設け、軸の送り速度の種別
が早送りである場合にだけ、軸の移動方向に応じて早送
り速度や加減速の時定数またはサーボループゲインを選
択するようにする。
【0013】更に、各軸毎かつ軸の移動方向毎にクラン
プ速度を記憶する記憶手段と、軸の送り速度の種別を判
別する送り速度判別手段と、前記送り速度判別手段によ
って軸の送り速度の種別が切削送りであると判別された
とき、各軸の移動方向を判別し、前記記憶手段から各軸
の移動方向に応じて各軸のクランプ速度を選択する選択
手段と、選択されたクランプ速度を越える軸の有無を判
別する速度超過軸検出手段と、前記速度超過軸検出手段
によってクランプ速度を越える軸の存在が検出される
と、該軸を対応するクランプ速度にすると共に他の軸の
送り速度を調整する調整手段とを備えたことを特徴とす
る構成により、軸の移動方向に応じて各軸の移動速度を
制限できるようにした。
【0014】クランプ速度を軸の移動方向毎に設定する
ことができ、無意味な制限がなくなるので、工作機械や
産業用ロボットの全体的な加工時間や作業時間を短縮す
ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。図1は本発明を適用した一実施形態
の数値制御装置10と該数値制御装置10によって駆動
制御される工作機械、例えば、フライス盤等の要部を示
すブロック図である。
【0016】プロセッサ11は数値制御装置10を全体
的に制御するプロセッサであり、バス21を介してRO
M12に格納されたシステムプログラムを読み出し、こ
のシステムプログラムに従って、数値制御装置10を全
体的に制御する。RAM13には一時的な計算データ、
表示データ等が格納される。CMOSメモリ14は図示
しないバッテリでバックアップされ、数値制御装置10
の電源がオフにされても記憶状態が保持される不揮発性
メモリとして構成されている。
【0017】インターフェイス15は外部機器用のイン
ターフェイスであり、紙テープリーダ,紙テープパンチ
ャー等の外部機器72が接続される。紙テープリーダか
らは加工プログラムが読み込まれ、また、数値制御装置
10内で編集された加工プログラムを紙テープパンチャ
ーに出力することもできる。
【0018】PMC(プログラマブル・マシン・コント
ローラ)16は数値制御装置10に内蔵されたシーケン
スプログラムで工作機械を制御する。即ち、加工プログ
ラムで指令された機能に従って、これらシーケンスプロ
グラムで工作機械側で必要な信号に変換し、I/Oユニ
ット17から工作機械側に出力する。この出力信号によ
り工作機械側の各種アクチュエータが作動する。また、
工作機械側のリミットスイッチおよび機械操作盤の各種
スイッチ等の信号を受けて、必要な処理をしてプロセッ
サ11に渡す。
【0019】各軸の現在位置、アラーム、パラメータ、
画像データ等の画像信号はCRT/MDIユニット70
の表示装置に送られ、表示装置に表示される。インター
フェイス18はCRT/MDIユニット70のキーボー
ドからのデータを受けてプロセッサ11に渡す。インタ
ーフェイス19は手動パルス発生器71に接続され、手
動パルス発生器71からのパルスを受ける。手動パルス
発生器71は工作機械側の機械操作盤に実装され、手動
で機械可動部を精密に位置決めするために使用される。
【0020】軸制御回路30〜32はプロセッサ11か
らの各軸の移動指令を受けて、各軸の指令をサーボアン
プ40〜42に出力する。サーボアンプ40〜42はこ
の指令を受けて各軸のサーボモータ50〜52を駆動す
る。X,Y,Z各軸のサーボモータ50〜52には位置
速度検出用のパルスコーダが内蔵されており、このパル
スコーダからのフィードバック信号が軸制御回路30〜
32にフィードバックされる。軸制御回路30〜32に
内蔵されたサーボ制御CPUの各々はこれらのフィード
バック信号と前述の移動指令とに基いて位置ループ、速
度ループ、電流ループの各処理を行い、最終的な駆動制
御のためのトルク指令を各軸毎に求めて各軸のサーボモ
ータ50〜52の位置、速度を制御する。
【0021】スピンドル制御回路60はスピンドル回転
指令およびスピンドルのオリエンテーション等の指令を
受けて、スピンドルアンプ61にスピンドル速度信号を
出力する。スピンドルアンプ61はこのスピンドル速度
信号を受けて、スピンドルモータ62を指令された回転
速度で回転させる。また、オリエンテーション指令によ
って、所定の位置にスピンドルモータ62の回転位置を
位置決めする。
【0022】CMOSメモリ14は、早送り速度および
早送りの加減速制御の時定数を各軸毎かつ軸の移動方向
毎に記憶する記憶手段と、切削送りのクランプ速度を各
軸毎かつ軸の移動方向毎に記憶する記憶手段としての機
能を有し、図4および図5に示すようなデータファイル
を備える。
【0023】図4に示すデータファイルは早送り速度お
よび早送りの加減速制御の時定数を各軸毎かつ軸の移動
方向毎に記憶するためのものである。軸の移動方向が正
方向であっても負の方向であっても重力の影響による負
荷の変化が発生しない水平面内のテーブル移動に関連し
たX軸の早送り速度Vfx1 と加減速制御の時定数Tx1、
および、Y軸の早送り速度Vfy1 と加減速制御の時定数
Ty1は軸の移動方向に関係なく共通に設定され、また、
軸の移動方向が正方向であるか負の方向であるかによっ
て重力の影響による負荷の変化が発生するテーブルの上
下運動に関連したZ軸の早送り速度VfZ1 と加減速制御
の時定数Tz1、および、早送り速度VfZ2 と加減速制御
の時定数Tz2は軸の移動方向に応じて各々異なる値に設
定されている。
【0024】この実施形態においては工作機械のテーブ
ルを上昇させる方向を正の向き、テーブルを下降させる
方向を負の向きとして定義しているので、早送り速度V
fZ1の値は早送り速度VfZ2 の値よりもある程度大き
く、また、時定数Tz1の値は時定数Tz2の値よりもある
程度小さい。つまり、テーブルを上昇させるときも下降
させるときも、ほぼ同じ速度、要するに、作業者や工作
機械およびワークの安全を確保できる最大の速さでテー
ブルを実際に上下動させられるように、VfZ1 ,Tz1,
VfZ2 ,Tz2の値が設定されているということである。
【0025】また、図5に示すデータファイルは切削送
りのクランプ速度を各軸毎かつ軸の移動方向毎に記憶す
るためのものである。水平面内のテーブル移動に関連し
たX軸のクランプ速度Vcx1 とY軸のクランプ速度Vcy
1 は軸の移動方向に関係なく共通に設定され、また、テ
ーブルの上下運動に関連したZ軸のクランプ速度Vcz1
とVcz2は軸の移動方向に応じて、各々異なる値に設定さ
ている。
【0026】既に述べた通り、この実施形態においては
工作機械のテーブルを上昇させる方向、つまり、工具を
ワークに接近させる方向を正の向き、また、テーブルを
下降させる方向、つまり、工具をワークから離間させる
方向を負の向きとして定義しているので、クランプ速度
Vcz2 の値はクランプ速度Vcz1 の値よりもある程度大
きい。つまり、一般に、工具をワークに接近させて切り
込みを入れる場合には、安全な限界速度を守って工具を
突入させる必要があるが、工具をワークから退避させる
場合には、それよりも速い速度で工具を退避させても支
障がないので、クランプ速度Vcz2 の値をクランプ速度
Vcz1 の値よりもある程度大きく設定するということで
ある。
【0027】図2および図3は数値制御装置10によっ
て加工プログラムを実行する場合の処理の概略を示すフ
ローチャートである。
【0028】プロセッサ11は、まず、インターフェイ
ス15を介して1ブロック分の加工プログラムを読み込
み(ステップS1)、この加工プログラムが早送りに関
する指令であるのか(ステップS2)、切削送りに関す
る指令であるのか(ステップS3)、それとも、プログ
ラムエンドを示すものであるのか(ステップS4)を判
別し、その判別結果に応じた処理を開始する。
【0029】ステップS2の判別結果が真となった場
合、つまり、この1ブロック分の加工プログラムが早送
りに関する指令であった場合、プロセッサ11は、次い
で、X,Y,Zの各軸軸毎に軸の送り方向を判別し(ス
テップS6)、その送り方向が正方向であれば、図4に
示すようなデータファイルの左列からその軸の正方向の
早送り速度Vfx1 もしくはVfy1 もしくはVfz1 を選択
し(ステップS7)、また、その送り方向が負の方向で
あれば、図4に示すようなデータファイルの右列からそ
の軸の負の方向の早送り速度Vfx1 もしくはVfy1 もし
くはVfz2 を選択して(ステップS8)、各軸毎の早送
り速度を達成するための単位時間当たりの移動量、つま
り、パルス分配周期毎に各軸の軸制御回路30,31,
32に渡すべき移動指令を各軸毎に算出する(ステップ
S9)。
【0030】プロセッサ11は、更に、X,Y,Zの各
軸毎に軸の送り方向を判別し(ステップS10)、その
送り方向が正方向であれば、図4に示すようなデータフ
ァイルの左列からその軸の正方向への早送りの時定数T
x1もしくはTy1もしくはTz1を選択し(ステップS1
1)、また、その送り方向が負の方向であれば、図4に
示すようなデータファイルの右列からその軸の負の方向
の早送りの時定数Tx1もしくはTy1もしくはTz2を選択
する(ステップS12)。
【0031】そして、プロセッサ11は、ステップS9
の処理で算出したX,Y,Zの各軸毎の移動指令と、ス
テップS11もしくはステップS12の処理で選択した
X,Y,Zの各軸毎の早送りの時定数、および、加工プ
ログラムで指定された目標位置までの各軸毎の移動量と
に基いて、所定周期毎のパルス分配処理を繰り返し実行
し、1ブロック分の加工プログラムを実行した後(ステ
ップS13)、改めて次の1ブロック分の加工プログラ
ムを読み込む(ステップS1)。
【0032】テーブルを上昇させる方向とテーブルを下
降させる方向とで早送り速度および加減速制御の時定数
を切り替えることによって重力等による外力の影響を相
殺し、常に、作業者や工作機械およびワークの安全を確
保できる最大の速さでテーブルに早送り動作を行わせる
ようにしているので、テーブルの下降速度を安全な状態
に維持するためにテーブルの上昇速度が鈍くなったり、
また、テーブルの適当な上昇速度を維持するためにテー
ブルの下降速度が必要以上に速くなったりするという問
題を生じることなく、作業者や工作機械およびワークの
安全を確保して、かつ、全体としての加工所要時間を短
縮することができる。
【0033】なお、この実施形態においては、ステップ
S7,S8,S11,S12の各処理で早送り速度や時
定数の設定値を直接データファイルから読み込むように
しているが、早送り速度や時定数の規準値を予め決めて
おくと共に、図4に示すようなデータファイルに早送り
速度や時定数の係数をパラメータとして記憶させてお
き、ステップS7,S8,S11,S12の各処理で対
応する係数をデータファイルから読み込んで規準値に乗
じることで各軸の移動方向に対応する早送り速度や時定
数を算出するようにしてもよい。
【0034】また、ステップS3の判別結果が真となっ
た場合、つまり、1ブロック分の加工プログラムが切削
送りに関する指令であった場合、プロセッサ11は、ま
ず、加工プログラムで指令された送り速度に基いて各軸
毎の切削送り速度を達成するための単位時間当たりの移
動量、つまり、パルス(移動指令)分配周期毎に各軸の
軸制御回路30,31,32に渡すべき移動指令を各軸
毎に算出し(ステップS14)、X,Y,Zの各軸毎に
軸の送り方向を判別して(ステップS15)、その送り
方向が正方向であれば、図5に示すようなデータファイ
ルの左列からその軸の正方向への送りに対して設定され
たクランプ速度Vcx1 もしくはVcy1 もしくはVcz1 を
選択し(ステップS16)、また、その送り方向が負の
方向であれば、図5に示すようなデータファイルの右列
からその軸の負の方向への送りに対して設定されたクラ
ンプ速度Vcx1 もしくはVcy1 もしくはVcz2 を選択す
る(ステップS17)。
【0035】次いで、プロセッサ11は、X,Y,Zの
各軸毎にステップS14の処理で算出された移動指令の
うち、ステップS16もしくはステップS17の処理で
選択された各々の軸のクランプ速度を越える軸があるか
否かを判別する(ステップS18)。
【0036】そして、クランプ速度を越える軸が皆無で
あれば、プロセッサ11は、ステップS14の処理で算
出された各軸毎の移動指令をそのまま保持し、また、ク
ランプ速度を越える軸が1つでもあれば、プロセッサ1
1は、移動指令がクランプ速度を越える割合が最も大き
な軸をその軸のクランプ速度に合わせ、該軸の移動指令
を規制した割合に合わせて他の全ての軸の移動指令を比
例的に補正し、改めて新たな移動指令を各軸毎に算出す
る(ステップS19)。
【0037】そして、プロセッサ11は、ステップS1
4の処理で算出したX,Y,Zの各軸毎の移動指令(ク
ランプ速度を越える軸が皆無の場合)、もしくは、ステ
ップS19の処理で算出したX,Y,Zの各軸毎の移動
指令(クランプ速度を越える軸があった場合)と、加工
プログラムで指定された目標位置までの各軸毎の移動量
とに基いて、所定周期毎のパルス分配処理を繰り返し実
行して1ブロック分の加工プログラムを実行した後(ス
テップS20)、改めて次の1ブロック分の加工プログ
ラムを読み込む(ステップS1)。
【0038】テーブルを上昇させる方向とテーブルを下
降させる方向とで切削速度のクランプ速度を切り替える
ことにより、安全な限界速度を守って工具をワークに接
近させる一方、加工精度や安全性には格別影響のない工
具の退避速度に関してはそれよりも速い送り速度を許容
するようにしているので、加工精度の劣化を招くことな
く全体としての加工所要時間を短縮することができる。
【0039】この実施形態においては、ステップS1
6,S17の各処理でクランプ速度の設定値を直接デー
タファイルから読み込むようにしているが、クランプ速
度の規準値を予め決めておくと共に、図5に示すような
データファイルにクランプ速度の係数をパラメータとし
て記憶させておき、ステップS16,S17の各処理で
対応する係数をデータファイルから読み込んで規準値に
乗じることで各軸の移動方向に対応するクランプ速度を
算出するようにしてもよい。
【0040】また、ステップS4の判別結果が偽となっ
た場合、つまり、早送りでも切削送りでもない指令、例
えば、工具交換や工作機械側の各種アクチュエータの作
動指令等が読み込まれた場合には、プロセッサ11は従
来と同様にしてこれらの処理を実行した後(ステップS
5)、改めて次の1ブロック分の加工プログラムを読み
込む(ステップS1)。
【0041】そして、最終的に、現在選択されている加
工プログラムの処理が全て完了し、加工プログラムの最
後に書き込まれているプログラムエンドコードが検出さ
れてステップS4の判別結果が真となると、数値制御装
置側の処理が完了する。
【0042】以上に述べたフライス盤等の工作機械の実
施形態においては、軸の移動方向によって軸に作用する
負荷が変化するのはZ軸のみであるから、早送り速度や
加減速制御の時定数およびクランプ速度を軸の移動方向
を考慮して設定するのはZ軸のみでよい。
【0043】前記実施形態では、ステップS7,S8,
S11,S12で移動方向に応じて早送り速度および時
定数を共に変えたが、どちらか一方だけを変えるように
してもよい。また、移動方向に応じてサーボループゲイ
ンを変えるようにしてもよい。即ち、正,負方向の移動
に対するサーボループゲインのパラメータを記憶させて
おき、例えば、ステップS11,S12で時定数の代わ
りにこのサーボループゲインを読み出し、読み出したサ
ーボループゲインによってサーボループ処理を行わせる
ようにしてもよい。
【0044】なお、産業用ロボットにおいてアームを垂
直面内で揺動させるショルダー軸等の場合もカウンター
ウェイトやバランスバネ等の構成によってはアームの上
昇や下降によって作用する負荷が変化する場合があり、
また、プレス機械等の場合はポンチセットの上昇や下降
によって作用する負荷が変化するので、前述したフライ
ス盤のZ軸の場合と同様、軸の移動方向に応じて送り速
度や加減速の時定数またはサーボループゲインやクラン
プ速度(またはその係数)を個別に設定した方がよい場
合がある。
【0045】
【発明の効果】本発明の数値制御装置は、早送り速度,
加減速の時定数またはサーボループゲインやクランプ速
度を軸の移動方向毎に設定して速度,加減速またはサー
ボループゲインの制御やクランプ速度の制御を行うこと
ができるので、重力や弾性部材等の影響のために軸の移
動方向によって作用する負荷が変化するような場合であ
っても、軸の移動方向に応じて常に最適の速度と加減速
特性で各軸を駆動制御することができ、工作機械や産業
用ロボットの全体的な加工時間や作業時間を短縮するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施形態の数値制御装置と
該数値制御装置によって駆動制御される工作機械の要部
を示すブロック図である。
【図2】同実施形態の数値制御装置によって加工プログ
ラムを実行する場合の処理の概略を示すフローチャート
である。
【図3】同実施形態の数値制御装置によって加工プログ
ラムを実行する場合の処理の概略を示すフローチャート
の続きである。
【図4】早送り速度および早送りの加減速制御の時定数
を各軸毎かつ軸の移動方向毎に記憶したデータファイル
の一例を示す概念図である。
【図5】切削送りのクランプ速度を各軸毎かつ軸の移動
方向毎に記憶したデータファイルの一例を示す概念図で
ある。
【符号の説明】
10 数値制御装置 11 プロセッサ 12 ROM 13 RAM 14 CMOSメモリ 15 インターフェイス 16 プログラマブル・マシン・コントローラ 17 I/Oユニット 18 インターフェイス 19 インターフェイス 21 バス 30〜32 軸制御回路 40〜42 サーボアンプ 50〜52 サーボモータ 60 スピンドル制御回路 61 スピンドルアンプ 62 スピンドルモータ 70 CRT/MDIユニット 71 手動パルス発生器 72 外部機器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 速度,加減速またはサーボループゲイン
    に関連するデータを軸の移動方向毎に記憶する記憶手段
    と、軸の移動方向を判別する判別手段と、前記判別手段
    によって判別された移動方向に応じて前記記憶手段から
    データを選択する選択手段と、前記選択手段によって選
    択されたデータに基いて速度,加減速またはサーボルー
    プゲインを制御する制御手段とを備えたことを特徴とす
    る数値制御装置。
  2. 【請求項2】 早送り速度,加減速の時定数またはサー
    ボループゲインを軸の移動方向毎に記憶する記憶手段
    と、軸の送り速度の種別を判別する送り速度判別手段
    と、軸の移動方向を判別する移動方向判別手段と、前記
    送り速度判別手段によって軸の送り速度の種別が早送り
    であると判別されたとき、前記移動方向判別手段によっ
    て判別された移動方向に応じて前記記憶手段から早送り
    速度,加減速の時定数またはサーボループゲインを選択
    する選択手段と、前記選択手段によって選択された早送
    り速度,加減速の時定数またはサーボループゲインに基
    いて早送り速度,加減速の時定数またはサーボループゲ
    インを制御する制御手段とを備えたことを特徴とする数
    値制御装置。
  3. 【請求項3】 各軸毎かつ軸の移動方向毎にクランプ速
    度を記憶する記憶手段と、軸の送り速度の種別を判別す
    る送り速度判別手段と、前記送り速度判別手段によって
    軸の送り速度の種別が切削送りであると判別されたと
    き、各軸の移動方向を判別し、前記記憶手段から各軸の
    移動方向に応じて各軸のクランプ速度を選択する選択手
    段と、選択されたクランプ速度を越える軸の有無を判別
    する速度超過軸検出手段と、前記速度超過軸検出手段に
    よってクランプ速度を越える軸の存在が検出されると、
    該軸を対応するクランプ速度にすると共に他の軸の送り
    速度を調整する調整手段とを備えたことを特徴とする数
    値制御装置。
JP17659997A 1997-06-18 1997-06-18 数値制御装置 Pending JPH117313A (ja)

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JP17659997A JPH117313A (ja) 1997-06-18 1997-06-18 数値制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AT507257B1 (de) * 2008-09-10 2011-08-15 Engel Austria Gmbh Handlingteil für spritzgiessmaschine mit aktiver dämpfung
JP5132842B1 (ja) * 2011-10-27 2013-01-30 三菱電機株式会社 数値制御装置
DE102017124182B4 (de) 2016-10-18 2019-09-19 Engel Austria Gmbh Regelvorrichtung für ein Handlinggerät

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