JP2546393B2 - Nc切削装置 - Google Patents

Nc切削装置

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JP2546393B2 JP1301010A JP30101089A JP2546393B2 JP 2546393 B2 JP2546393 B2 JP 2546393B2 JP 1301010 A JP1301010 A JP 1301010A JP 30101089 A JP30101089 A JP 30101089A JP 2546393 B2 JP2546393 B2 JP 2546393B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、NC切削装置に関し、特に、NC型彫機等に
好適に適用され、オーバライド機能を有する切削装置に
関する。
(従来の技術) 例えば、自動車のドアパネルのフェンダパネル等の外
板はプレス加工され、このプレス加工には、形状変化に
富んだプレス金型が必要となる。プレス金形は、NC型彫
機を使用して鋳物型を荒加工し、曲面形状が付与された
後、型用モデルを基準に細部の仕上げがなされる。
NC型彫機による荒加工は、予め記憶されているNCデー
タに従い、スピンドルに取り付けたボールエンドミルを
ワークに対し相対的にX,Y,Z等の方向(多軸方向)に所
要の速度で所要量だけ順次移動させると共に、スピンド
ルの回転速度が制御されて所要の形状に成形される。そ
して、X,Y,Z方向の工具送り速度や、スピンドルの回転
速度は、工具折損や切削時間の短縮等を考慮して最適値
に設定される。
(発明が解決すべき課題) 従来のNC型彫機による荒加工においては、鋳造時の製
造誤差に起因して、個々のワークの外形寸法の正確に把
握することが困難であり、ワークの外形寸法を正確に把
握できない場合に、数値制御データにより指定される切
削条件で切削すると、予め設定された最適切込み量や切
込み幅から大きく逸脱して工具に大きな負荷が掛かり、
工具の折損事故が生じる等の問題があった。特に、加工
開始時や断続的に切削が繰り返される切削部での切削開
始時には、工具切削負荷の急変が生じ、工具折損事故が
生じ易い。そのため、切削開始時においては、作業者が
工具の送り量や送り速度を手操作により調整する必要が
あり、作業者の負担が大きく、又、作業者の経験や熟練
が必要であった。
本発明は、このような課題を解説するためになされた
もので、被削材の外形形状が充分に把握されていない場
合であっても、切削開始時の工具送り速度を最適値に調
節して工具折損事故の防止を図ったNC切削装置を提供す
ることを目的とする。
(課題を解決する手段) 上述の目的を達成するために本発明に依れば、外部デ
ータ読込装置からNC演算装置に読み込まれた数値制御デ
ータに基づき、切削工具を、被切削物に対して相対的
に、多軸方向の所要の位置に、所要の速度で順次移動さ
せ、被切削物を所要の形状に切削するNC切削装置であっ
て、前記切削工具により切削開始を検出する切削開始検
出手段と、前記切削工具の工具送り速度を増減させるオ
ーバライド量を設定してこれを前記NC演算装置に出力す
るオーバライド演算装置とを備え、前記オーバライド演
算装置は、前記切削開始検出手段が切削工具の切削開始
を検出したとき、オーバライド量を、工具送り速度が所
定値に減速する値に設定した後、工具送り速度が漸増す
る値に順次設定し、NC演算装置は、オーバライド量に応
じて前記数値制御データが指定する工具送り速度を修正
し、この修正した工具送り速度で前記切削工具を相対移
動させるNC切削装置において、前記オーバライド演算装
置は、オーバライド量を、前記工具送り速度が漸増する
値に順次設定する際に、オーバライド量により修正され
た工具送り速度が、前記数値制御データが指定する工具
送り速度に対して減速側の所定値に到達したとき、到達
後のオーバライド量の変化度合を、到達前の変化度合よ
り大に設定することを特徴とするNC切削装置が提供され
る。
(作用) オーバライド演算装置は、切削開始検出手段が切削工
具の切削開始を検出したとき、オーバライド量を、工具
送り速度が所定値に減速する値に設定した後、工具送り
速度が漸増する値に順次設定してこれをNC演算装置に出
力しており、NC演算装置が、このオーバライド量に応
じ、数値制御データが指定する工具送り速度を修正する
ことにより、切削開始時の工具切削負荷の急変に自動的
に対処することが可能になる。
(実施例) 以下本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。尚、本発明は種々のNC切削装置に適用可能である
が、この実施例では、ボールエンドミルによりプレス金
型を荒加工するNC型彫機に適用したものを例に説明す
る。
NC型彫機の構成 先ず、第1図を参照してNC型彫機1の概略構成を示
す。NC型彫機1のテーブル10は、ワークWを載置固定
し、X軸モータ(サーボモータ)11によりX軸方向に移
動可能である。左右のコラム12には、クロスビーム14が
架け渡され、このクロスビーム14は、Z軸モータ(サー
ボモータ)15により、X軸方向に直交する上下方向(Z
軸方向)に移動可能である。クロスビーム14には主軸ヘ
ッド16が取り付けられ、この主軸ヘッド16は、Y軸モー
タ(サーボモータ)17によりクロスビーム14の長手方
向、即ち、X軸及びZ軸に直交する方向(Y軸方向)に
沿って移動可能である。
主軸ヘッド16には、主軸モータ18によって回転駆動さ
れる主軸(図示せず)がZ軸方向に回転自在に軸支さ
れ、主軸にはカッタ(ボールエンドミル)20が取り付け
られている。そして、主軸ヘッド16の下端面のカッタ20
近傍には、カッタ20の切削時に発生する振動音を検出す
るAEセンサ40が取り付けられている。このAEセンサ40は
入力装置34を介して後述する速度制御装置32に電気的に
接続されて、検出信号をこの速度制御装置32に供給す
る。
制御装置の構成 型彫機1の作動制御は、NC制御装置30、前述した速度
制御装置32、入力装置34、NCデータ読取装置36、マニア
ル操作盤39等によって行なわれる。入力装置34の入力側
には前述のAEセンサ40の他に、前述した各モータの負荷
(電流値)を検出するX軸モータ負荷センサ41、Y軸モ
ータ負荷センサ42、Z軸モータ負荷センサ43、主軸モー
タ負荷センサ44がそれぞれ接続され、これらの負荷セン
サは各モータの負荷検出信号を入力装置34を介して速度
制御装置32に供給する。入力装置34は、増幅回路、フィ
ルタ回路、A/D変換回路等により構成されている。
NCデータ読取装置36は、NCテープ等により外部からNC
データ(数値制御データ)を読み取り、これをNC制御装
置30のNC演算部30a及び速度制御装置32に供給する。速
度制御装置32の出力側は切換スイッチ38を介してNC制御
装置30の演算部30aに接続されている。速度制御装置32
は、後述するようにオーバライド量演算プログラムを有
しており、この演算プログラムにより、NCデータが指定
する位置・速度指令値、工具径、被削材の種類による工
具送り速度、及び各サーボモータの電流データと、前述
の負荷センサ41〜44が検出する各モータの負荷とから、
カッタ20の工具送り速度が、目標速度(この場合、X,Y,
Z軸方向の送り速度及主軸の回転速度が含まれる)にな
るように、オーバライド量を演算してこれをNC演算部30
aに供給する。
切換スイッチ38の入力側にはマニアル操作盤39が接続
され、マニアル操作盤39の盤面の操作キー(図示せず)
を操作することによりオーバライド量を設定し、これを
マニアル操作盤39側に切り換えられた切換スイッチ38を
介してNC演算部30aに供給する。切換スイッチ38の切り
換えは、通常マニアル操作盤39の特定のキー操作により
切り換えられると共に、速度制御装置32やNC演算部30a
からの切換指令によっても切り換えられる。また、マニ
アル操作盤39の出力側は速度制御装置32にも接続され、
マニアル操作盤39から作業者によってイップットされる
作業指令信号を速度制御装置32にも供給できるようにな
っている。
NC演算部30aは、詳細は後述するように、NCデータ読
取装置36からのNCデータにより指定される、カッタ20の
移動位置、工具送り速度、並びに速度制御装置32が出力
するオーバライド量あるいはマニアル操作盤39が出力す
るオーバライド量を基に、各軸モータ11,15,17,18の駆
動量を演算し、演算した駆動量に応じた制御信号をサー
ボモータ駆動制御部30bに供給する。サーボモータ駆動
制御部30bは、制御信号に応じて各軸モータ11,15,17,18
を駆動する。
速度制御装置によるオーバライド量の生成手順 次に、速度制御装置32によりオーバライド量を自動生
成する手順を、第2A図ないし第2G図を参照して説明す
る。
速度制御装置32は、先ず、ステップS10において、各
種の制御変数、定数、等の記憶値のイニシャライズ(初
期化)を行なう。これらの記憶値には、工具刃長、工具
径、被削材の種類、各軸モータの電流データ、種々の判
別値等が含まれる。又、レジスタのクリアもこのステッ
プで行なわれる。
次に、ステップS12に進み、運転条件入力ルーチンが
実行され、NCデータ読取装置36から型彫機1の運転条件
を入力する。そして、各負荷センサからの入力信号の有
無を判別し(ステップS14)、どのセンサからも入力信
号がなければ、ステップS15を実行してステップS12に戻
る。前述のステップS15では、オーバライド量KORを100
%に設定し、これをNC演算部30aに出力する。このオー
バライド量100%の信号は、NC演算部30aにおいて、NCデ
ータにより演算された工具送り速度VTLになんら修正を
加えずに、各モータを駆動することを意味する。尚、オ
ーバライド量KORが100%以下の値に設定されること
は、送り速度VTLを送り速度VTLにオーバライド量KOR
を掛け合わせた値(VTL×KOR÷100)に修正して減速
させることを意味する。例えば、オーバライド量50%
は、NCデータで指定される送り速度の50%に減速し、オ
ーバライド量0%の場合には、送り速度を0%、即ち、
停止させることを意味する。逆に、オーバライド量が10
0%を超える値の場合には、送り速度をその値に修正し
て加速させることを意味する。
負荷センサからの入力がある場合には、ステップS16
に進み、AE信号入力ルーチンが実行され、AEセンサ40か
らのAE信号を取り込む。AE信号入力ルーチンでは、AEセ
ンサ40から出力される信号を増幅、フィルタリング等が
行なわれる。そして、AE信号の有無を判別、即ち、カッ
タ20による切削が開始されたか否かを判別する(ステッ
プS18)。この判別は、ステップS16で読み込んだAE信号
が所定の閾値より大であるか否かにより行なわれる。
ステップS18において、AE信号が検出されなかった場
合、ステップS20に進み、切削フラグCFLが値1であるか
否かを判別する。この切削フラグCFLは、前回ループで
切削を行っていたことを記憶するためのプログラム制御
変数であり、この切削フラグCFLが値1である場合には
値0にリセットし(ステップS22)、レジスタをクリア
して(ステップS24)、前述のステップS15を経由してス
テップS12に戻る。一方、切削フラグCFLが値1でない場
合にはそのままステップS15を経由してステップS12に戻
る。
切削開始時の制御 前回ループで切削が行われておらず、今回ループでAE
信号を検出して切削が開始されたことを検出した場合、
即ち、ステップS18において、AE信号を検出した場合、
ステップS26に進む。この切削開始が検出されるのは、
加工開始時の場合もあるし、断続的な切削が繰り返さ
れ、ワークの非切削部から切削部に移行した時点の場合
もある。
ステップS26では、AE信号により工具異常が発生した
か否かを判別する。AEセンサ40は、工具に異常な負荷が
掛かった場合や工具が折損した場合に発生する異常振動
信号や異常音響信号を検出することができ、AE信号に異
常がなければ、第2B図のステップS30に進む。
ステップS30では、切削フラグCFLがセット(CFL=
1)されているか否かを判別する。切削開始時(第4図
のt0時点)にはこの判別は否定であるから、ステップS3
2に進み、切削開始減速処理ルーチンが実行される。
第3図は、切削開始減速処理ルーチンのフローチャー
トを示し、速度制御装置32はオーバライド量KORを所定
値Xinに設定してこれをNC演算部30aに出力する(ステッ
プS321)。そして、ステップS322に進みで所定時間Tin
の経過を待ち(第4図(b)参照)、当該ルーチンを終
了する。尚、オーバライド量KORを入力したNC演算部30
aは、NCデータの指令により設定した工具送り速度VTL
にオーバライド量KORを乗算し、修正した値(VTL×K
OR÷100)を制御信号として、これを所定期間Tinに亘っ
て駆動制御部30bに供給することになる(第4図(b)
のt0時点からt1時点間の期間参照)。
このように、切削開始減速処理ルーチンでは、AEせ40
によりカッタ20がワークに接触して切削開始を検出する
と工具送り速度を一旦減速して所定期間Tinに亘りその
値に保持するのである。
次に、第2B図のステップS34に進み、速度制御装置32
は、減速させた工具送り速度を元の指令速度VTLに戻す
に必要な立上げ量HX(%)を次式(A1)により演算
し、これを記憶しておく。
HX=100−KOR ……(A1) そして、ステップS36及びS38において、後述する減速
フラグDFL及び切削フラグCFLを値1にセットして、ステ
ップS12に戻る。
ワークWの正常な切削が開始されると、前述のステッ
プS12,S18,S26等が順次実行され、ステップS30における
判別結果が、今度は肯定となり、後続のステップS40〜S
49が順次実行され、工具切削負荷TAが検出される。こ
の工具切削負荷TAの検出方法についての詳細は後述す
る。そして、ステップS50において、工具切削負荷TAを
所定判別値XMAXと比較することにより過大な負荷がカ
ッタ20に掛かっていないことを確認した後、第2D図のス
テップS52に進む。
ステップS52では、工具切削負荷TAが所定の基準値Xs
tより大であるか否かが判別され、判別結果が肯定の場
合には後述する減速演算処理が実行される。一方、ステ
ップS52の判別結果が否定の場合には、ステップS54に進
み、工具切削負荷TAが所定の基準値Xstより小であるか
否かが判別される。そして、この判別結果が肯定の場合
には前述した減速フラグDFLが値1であるか否かを判別
する(ステップS56)。このフラグDFLは、前述した切削
開始減速処理ルーチンの実行により値1に設定されてお
り、切削開始減速処理が実行された直後ではこの判別結
果は肯定となり、後述のステップS84に進み、減速処理
後の復帰処理が実行される。尚、減速フラグDFLが値1
にセットされていなければ、ステップS56の判別結果は
否定となり、ステップS70に進んで、後述の加速演算処
理ルーチンが実施される。
一方、ステップS54の判別結果が否定の場合、即ち、
工具切削負荷TAが所定の基準値Xstと等しく、減速演算
処理でもなく加速演算処理でもない場合、ステップS58
に進み、このステップにおいても減速フラグDFLが値1
であるか否かが判別される。そして減速フラグDFLが値
1に設定されている場合には、ステップS84に進んで減
速処理後の復帰処理が実行され、値1に設定されていな
ければ、ステップS80に進み、後述する速度維持処理が
実行される。
このように、切削開始減速処理ルーチンが実行された
直後では、工具切削負荷TAが所定の基準値Xstより大で
切削速度を減速すべき場合には、この減速処理が優先さ
れるが、工具切削負荷TAが所定の基準値Xstより小、な
いしは等しく、加速演算処理なしいは速度維持処理を実
行すべき場合であっても、減速フラグDFLのセットによ
り、これらの処理が無視されて、後述するステップS84
以降の復帰処理が優先して実行されることになる。
尚、減速フラグDFLが値1にセットされるのは、上述
した切削開始減速処理ルーチンの他に、後述する減速演
算処理ルーチンの実行直後にもセットされ、このような
場合にも後述のステップS84に進んで、復帰処理が実行
される。
復帰処理のステップS84では、立上げ量HXが0である
か否か、即ち、前回ループにおいて設定されたオーバラ
イド量KORが既に100%に復帰しているか否かを判別す
る。切削開始減速処理が実行された直後(第4図のt0時
点直後)では、この立上げ量HXは0でないから、ステ
ップS85が実行され、立上げ量HXが所定値XHX(例え
ば、40%)より大であるか否かが判別される。切削開始
減速処理が実行された直後では、この判別結果は肯定の
筈であり、ステップS86の立上げ処理が実行される。
第5図は、10%立上げ処理ルーチンのフローチャート
を示し、先ず、ダウンカウンタが計数するカウント値N
UPが0であるか否かを判別する(ステップS860)。この
ダウンカウンタは、セットないしはリセットされると、
カウント値が初期値に戻され、所定時間毎にカウント値
を、その値が0になるまで減じていくものであり、所定
時間TUP(第4図(b)参照)を計時するタイマであ
る。切削開始減速処理ルーチンが実行された直後、この
10%立上げ処理ルーチンが実行された場合には、ダウン
カウンタのカウント値NUPは0である筈であり、ステッ
プS860の判別結果は肯定となり、ステップS861に進む。
ステップS861では、前回設定したオーバライド量KOR
に第1の所定値ΔK1(例えば、10%)が加算され、この
加算値を新たなオーバライド量KOR(=KOR+ΔK1)と
して記憶する。そして、前述の式(A1)により立上げ量
HXを演算し(ステップS862)、ダウンカウンタをセッ
トして当該ルーチンを終了する(ステップS863)。
このルーチンは、復帰処理が実行され、前述のステッ
プS85の判別結果が肯定である限り繰り返し実行され
る。そして、ステップS860の判別結果が肯定になるま
で、即ち、ダウンカウンタが初期値にセットされ、カウ
ントダウンし終え、所定時間TUPが経過する迄は、同じ
オーバライド量KORが保持され、所定時間TUPが経過す
る毎にオーバライド量KORはその値を所定値ΔK1宛増加
させると共に、立上げ量HXを所定値ΔK1宛減少させて
いく(第4図(b)のt1時点からt2時点間)。
立上げ量HXが所定値XHX以下になると、ステップS85
の判別結果が否定となり、ステップS87に進み、今度は2
0%立上げ処理ルーチンが実行される。
第6図は、20%立上げ処理ルーチンのフローチャート
を示し、先ず、ダウンカウンタが計数するカウント値N
UPが0であるか否かを判別する(ステップS870)。この
ダウンカウンタは、前述の10%立上げ処理ルーチンで使
用したものと同じダウンカウンタを用いてもよいし、初
期値が異なる値に設定される、即ち、計時時間の異なる
別のダウンカウンタを使用してもよい。そして、カウン
ト値NUPが0でなければ、オーバライド量KORおよび立
上げ量HXに変更を加えずに当該ルーチンを終了する
が、所定時間TUPが経過してカウント値NUPが0になる
と、即ち、所定時間TUP経過毎に次ステップS871以降の
各ステップが実行される。
ステップS871では、前回設定したオーバライド量KOR
に、前述の第1の所定値ΔK1(10%)より大きい値に設
定されている第2の所定値ΔK2(例えば、20%)が加算
され、この加算値を新たなオーバライド量KOR(=KOR
+ΔK2)として記憶する。そして、新たに設定したオー
バライド量KORが100%以下であるか否かを判別し、以
下であればそのままステップS874に進むが、100%より
大であれば、オーバライド量KORを100%に設定し直し
て(ステップS873)、ステップS874に進む。即ち、この
20%立上げ処理ルーチンにおいて、オーバライド量KOR
が100%より大きい値に設定されることはない。
次に、立上げ量HXを前述の式(A)により演算し
(ステップS874)、ステップS875に進む。
ステップS875ではダウンカウンタをセットしてカウン
ト値を初期値に戻し、当該ルーチンを終了する。
この20%立上げ処理ルーチンは、復帰処理が実行さ
れ、前述のステップS84の判別結果が肯定である限り繰
り返し実行され、所定時間TUPが経過する毎にオーバラ
イド量KORはその値を所定値ΔK2宛増加させると共に、
立上げ量HXは所定値ΔK2宛減少させる(第4図(b)
のt2時点からt3時点間)。
立上げ量HXが0に到達し、ステップS84において、判
別結果が肯定になると、ステップS88に進み、減速フラ
グDFLを1にリセットして復帰処理が終了する。尚、上
述のように設定さたオーバライド量KORは、後述するス
テップS90およびS91において上限値及び下限値のチェッ
クが行われた後、NC演算部30aに出力されるが、この処
理については、通常の工具切削負荷に応じたオーバライ
ド量制御と同じであるから、その詳細は後述する。
このように、切削開始時において工具送り速度を一旦
減速させた後、これを漸増させるようにしたので、切削
開始時に切削を滑らかに進行させることが出来、工具負
荷の急変による工具折損事故を未然に防止することが出
来る。しかも、従来、切削開始時に作業者がマニアル操
作によって行っていた工具送り速度の減速を自動的に行
うことが出来る。
尚、第2E図に示す復帰処理において、立上げ量HXが
所定値XHXに到達した後、20%立上げ処理を実行してオ
ーバライド量KORを第2の所定値ΔK2宛漸増させるよう
にしたが、本発明はこの実施例に限定されず、立上げ量
HXが所定値XHXに到達したとき、オーバライド量KOR
を100%まで一気に立ち上げるようにしてもよい。
又、この実施例ではAEセンサ40により切削開始を検出
するようにしたが、切削開始検出手段としては、このAE
センサに限定されず、イメージセンサや振動を検出して
切削開始を検出するセンサ等であってもよい。
切削が開始され、AEセンサ40により切削異常が検出さ
れない限り(ステップS26の判別結果により異常信号が
検出されない場合)、後述するように、工具切削負荷に
応じたオーバライド量KORが設定され、NCデータが設定
する工具送り速度をオーバライド量KORで修正すること
により工具送り速度が制御される。ここで、工具切削負
荷の検出方法について説明する。
本発明に依れば、外乱や測定誤差等による制御ミスを
最小限に抑制するため、各軸モータに供給される電流値
を夫々所定サンプリング回数XN1だけ検出してこれらの
総和を求め、この総和から工具切削負荷の大きさが判定
される。より具体的に説明すると、速度制御装置32は、
第2B図のステップS40ないしS43において、各軸モータ負
荷センサ41〜44が検出した電流値AS,AX,AZ,AYINをサン
プリングして取り込む。
次いで、ステップS44ないしS46において、Y軸モータ
17の電流値AYINに対して基準モータ換算処理を行う。
この換算処理を行うのは、下記の理由による。無負荷状
態において、各軸モータを駆動すると、無負荷であるに
も拘ず各軸モータに供給される電流値が異なる。第7図
は、無負荷状態(非切削状態)において、X軸モータ11
およびY軸モータ17に供給される各電流値Aと、送り速
度VFとの関係を示し、図から明白なように、電流比率
(AX/AY)が略7倍から40倍程度もある。また、第8図
は、X軸モータ11およびY軸モータ17の送り速度VFを
それぞれ700mm/minに設定して被削材を切削したとき
の、切込み量と各モータの電流値Aとの関係を示したも
ので、図から明白なように、この場合の電流比率(AX/
AY)も略1.2倍から1.4倍程度もある。これらの供給電流
値の相違は、テーブル10や主軸ヘッド16の摺動抵抗、重
量の相違、モータの容量の相違等によるものであり、こ
れらの相違を考慮に入れずに各軸方向の工具切削負荷を
求めることは出来ない。そこで、上述した摺動抵抗等の
影響が無視できない軸モータに対しては、基準となる軸
モータの電流値に換算することにより工具切削負荷を正
確に把握しようとするものである。
実施例では、Y軸モータ17の実電流値AYINをX軸モ
ータ11を基準モータとしてこの基準モータの電流値に換
算することにより、電流検出条件を揃えるようにしてい
る。そこで、Y軸モータ17の実電流値AYINが所定判別
値XAYより小であるか否かを判別する(ステップS4
4)。この判別値XAYは、Y軸モータ17が無負荷で駆動
されているか、即ち、空切削中であるか、或いは切削中
であるかを判別することが出来る値、例えば、20Aに設
定される。そして、実電流値AYINが所定判別値XAYよ
り小である場合には、空切削中と判定し、ステップS45
に進み、Y軸モータ17の基準換算電流値AYを次式(B
1)により演算する。
AY=AYIN+XK1 ……(B1) ここに、XK1は補正定数であり、例えば、15Aに設定
される。
ステップS44の判別結果が否定、即ち、実電流値AYIN
が所定判別値XAYより大である場合には、切削中と判定
し、ステップS46に進み、Y軸モータ17の基準変換電流
値AYを次式(B2)により演算する。
AY=AYIN×K1 ……(B2) ここに、K1は補正係数であり、例えば、値1.4に設定
される。第9図は、上述のよう換算された基準換算電流
値AYと実電流値AYINとの関係を示す。
このように、基準電流値換算の必要な電流値の換算が
終わると、ステップS47に進み、前回ループで演算した
電流値の総和TAに、今回ループで得た各軸モータの電
流値を加算して今回値TAを次式(B3)により演算す
る。
TA=TA+AS+AX+AY+AZ ……(B3) そして、第2C図のステップS48に進み、サンプリング
回数N1が所定値XN1に到達したか否かを判別する。到達
していなければ、サンプリング回数N1に値1を加算した
後(ステップS49)、ステップS12に戻り、各軸モータの
電流値の検出を繰り返す。そして、サンプリング回数N1
が所定値XN1に到達したら、上述のようにして加算した
各軸モータのXN1回のサンプリング値の総和を工具切削
負荷TAとしてこれを記憶し、前述のステップS50に進
む。
減速演算処理 次に、上述のようにして求めた工具切削負荷TAに応
じて実行される減速演算処理について説明する。
減速制御装置32は、ステップS52において、上述のよ
うにして求めた工具切削負荷TAが所定基準値Xstより大
であるか否かを判別する。この工具切削負荷TAと基準
値Xstとの関係は、第10図に示される。工具切削負荷TA
は、XN1回のサンプリングにより各軸モータの電流値を
総和した値であり、同図中斜線で示す部分の面積が工具
切削負荷TAに相当する。これに対して、基準値Xstは、
基準電流値AstをXN1回加算した値であり、同図中、点
O−XN1−D−Ast−Oで囲まれる面積に対応する。こ
のように、工具切削負荷TAは、各サンプリング毎の電
流検出値を基準値と比較するのではなく、第10図に示す
ような面積比較により工具切削負荷TAの大きさを基準
値と比較するので、外乱の影響や検出誤差を最小値に抑
えることが出来る。
ステップS52の判別結果が肯定、即ち、工具切削負荷
TAが所定基準値Xstより大であれば、ステップS60に進
み、減速演算処理ルーチンが実行される。
第11A図及び第11B図は、この減速演算処理ルーチンの
フローチャートを示し、速度制御装置32は、先ず、工具
切削負荷TAに応じたオーバライド量KORを設定する
(ステップS601)。第12図は工具切削負荷TAと、この
工具切削負荷TAに応じて設定されるオーバライド量KO
Rとの関係を示し、工具切削負荷TAが所定基準値Xstで
ある場合にはオーバライド量KORは値100%に設定さ
れ、この基準値Xstより大の場合には、工具切削負荷TA
の増加に伴って減少する値に、工具切削負荷TAが切削
最大値XMAXに到達すると、0%に設定される。ここ
で、基準値Xstはカッタ20による切込み量を所定値に設
定し、このときの切削負荷に対応する値である。又、切
削最大値XMAXは、切込み量が工具刃長に到達したとき
の最大許容切込み量に対応する切削負荷電流値であり、
工具切削負荷TAの最大値をこの値に制限することで工
具折損を防止している。第12図に示す関係は工具1刃当
りの取り代を略一定にするように設定されており、切込
み量が増加するとこれに反比例して工具送り速度を遅く
設定している。このとき、工具送り速度に比例して主軸
の回転速度も遅くした方が工具寿命上好ましい。
次に、速度制御装置32は、減速フラグDFLが値1にセ
ットされているか否かを判別する。この減速演算処理ル
ーチンが初めて実行された場合には、通常このフラグは
セットされていないから、後続のステップをスキップし
て当該ルーチンを終了する。即ち、この場合、オーバラ
イド量KORは、工具切削負荷TAに対応した値にそのま
ま設定されて当該ルーチンを終了することになる。
減速演算処理ルーチンが終了すると、ステップS62に
おいて、減速フラグDFLを値1にセットした後、ステッ
プS64において、立上げ量HX(=100−KOR)が前述の
式(A1)により演算される。
次に、第2F図のステップS90に進み、オーバライド量
KORが上限値MAXより大であるか否かを判別し、大であ
れば、この上限値MAXにオーバライド量KORを設定し直
してステップS96に進む。一方、オーバライド量KORが
上限値MAX以下であれば、ステップS91に進み、今度は下
限値MINと比較し、下限値MINより小であれば、この下限
値MINに設定し直し、下限値MIN以上であれば、オーバラ
イド量KORに変更を加えずにステップS96に進む。
尚、この実施例では、下限値MINは0%に、上限値MAX
は、例えば120%に設定されており、許容範囲以外の値
で送り速度が制御されることを防止している。これらの
上下限値の設定は、型彫機の性能等により適宜値に設定
出来ることは勿論のことである。
ステップS96では、上述のようにして設定したオーバ
ライド量KORをNC演算部30aに出力して、NCデータによ
り指定されるカッタ20の送り速度をこのオーバライド量
KORで減速修正し、工具切削負荷TAの急変に対処され
る。
減速演算処理ルーチンのステップN602において、減速
フラグDFLが値1にセットされている場合、即ち、前回
ループにおいて減速演算処理が実行され、今回ループに
おいても引続き減速演算処理が実行されると、ステップ
S603に進み、今回ループのステップS601において設定さ
れたオーバライド量KORnと前回NC演算部30aに出力され
たオーバライド量KORn-1の偏差Δkを演算する。
Δk=KORn−KORn-1 ……(C1) 次いで、この偏差Δkが負値であるか否か、即ち、今
回設定されたオーバライド量KORnは、前回NC演算部30a
に出力されたオーバライド量KORn-1より小であるか否
かを判別する。判別結果が肯定である場合、即ち、前回
より大きい工具切削負荷TAが検出された場合には、ス
テップS601で設定されたオーバライド量KORに変更を加
えずにこれをNC演算部30aに出力することになる。
一方、ステップS604の判別結果が否定の場合、第11B
図のステップS606に進み、ダウンカウンタが計数するカ
ウント値NUPが0であるか否かを判別する。このダウン
カウンタも、前述の10%立上げ処理ルーチンで使用たも
のと同じダウンカウンタを用いてもよいし、初期値が異
なる値に設定される別のダウンカウンタを使用してもよ
い。そして、カウント値NUPが0でなければ、オーバラ
イド量KORを前回NC演算部30aに出力した値と同じ値KO
Rn-1に設定し(ステップS607)、当該減速演算処理ルー
チンを終了する。そして、ステップS601で演算したオー
バライド量KORが前回NC演算部30aに出力した値以上で
ある限り、上述したダウンカウンタのカウント値NUPが
0になるまで、繰り返しステップS607が実行され、オー
バライド量KORが一定値に保持される。
ダウンカウンタのカウント値NUPが0に到達すると、
ステップS606の判別結果が肯定となり、ステップS608に
進む。立上げ量HXが所定値XHX(40%)より大である
か否かが判別される。この判別は前述した復帰処理の判
別と同じであり、この判別結果が肯定であれば、ステッ
プS609に進み、前述の偏差Δkが、前述の第1の所定値
ΔK1(10%)より大きいか否かを判別する。即ち、前回
と今回のオーバライド量KORの差が所定値ΔK1より大き
いか否かを判別し、大きければ、前記ステップS601で演
算したオーバライド量KORをそのまま用いずに、前記NC
演算部30aに出力したオーバライド量KORn-1に前記所定
値ΔK1を加算し、これを今回ループでのオーバライド量
KORとする(ステップS610)。そして、後述のステップ
S616に進む。
一方、ステップS609において、判別結果が否定、即
ち、偏差Δkが所定値ΔK1以下の場合、前記ステップS6
01で演算したオーバライド量KORに変更を加えずにステ
ップS616に進む。
即ち、第11A図のステップS601で演算したオーバライ
ド量KORに対して、工具送り速度を増速すべきとき、所
定時間の経過毎に所定値を加算して、工具送り速度を漸
増させるのである。
ステップS608において、判別結果が否定の場合、即
ち、立上げ量HXが所定値XHXより小である場合、ステ
ップS612に進み、前述の偏差Δkが、前述の第2の所定
値ΔK2(20%)より大きいか否かを判別する。即ち、前
回と今回のオーバライド量KORの差が所定値ΔK2より大
きいか否かを判別し、大きければ、前記ステップS601で
演算したオーバライド量KORをそのまま用いずに、前記
NC演算部30aに出力したオーバライド量KORn-1に前記所
定値ΔK2を加算し、これを今回ループでのオーバライド
量KOR(=KORn-1+ΔK2)とする(ステップS614)。
一方、ステップS612において、判別結果が否定、即
ち、偏差Δkが所定値ΔK2以下の場合、前記ステップS6
01で演算したオーバライド量KORに変更を加えずにステ
ップS616に進む。このように、立上げ量HXが所定値XH
X以下になると、基準切削負荷に到達するまで、工具送
り速度が加速され、切削時間の短縮が図られる。
尚、立上げ量HXが所定値XHXに到達したとき、オー
バライド量KORを100%まで一気に立ち上げるようにし
てもよい。前述した通り、工具送り速度は工具の切込み
量に比例しており、減速演算処理の実施により、切削負
荷が工具の刃先近傍にだけ掛かっていたが、オーバライ
ド量KORの増加により、工具に掛かる負荷の位置が所定
値XHXに対応する位置まで上昇し、切込み量を一気に増
加させても工具折損の虞はない。
第13A図及び第13B図は、カッタ20の切込み量と、NC演
算部30aに出力されるオーバライド量KORの変化の例を
示す。第13A図では、t10,t11,t12の各時点で、切込み量
の急変に伴う工具切削負荷TAの増大が生じ、オーバラ
イド量KORは、工具切削負荷TAの変化を検出した時点
で、その工具切削負荷TAに応じた値に設定され、工具
送り速度を減速させるようにしている。そして、t13時
点で工具切削負荷TAの減少を検出すると、オーバライ
ド量KORをその工具切削負荷TAに対応する値にまで一
気に増加させず、所定時間TUP(例えば、1sec)が経過
する毎に所定値ΔK1宛漸増させている(t13時点からt14
時点間)。このように負荷の急増に対しては工具送り速
度を直ちに減速し、急減に対しては漸増させることによ
り工具の折損を未然に防止している。
第13B図において、t20時点で工具切込み量の急変によ
り工具切削負荷TAが増加した後、t21時点で工具切削負
荷TAの減少によりオーバライド量KORが漸増してい
る。そして、t22時点で再び工具切削負荷TAが急増し、
その負荷の大きさに応じたオーバライド量KORに急減さ
せている。t23時点でふたたび負荷が軽減し、オーバラ
イド量KORがその時点から漸増するが、t24時点で立上
げ量HXが所定値XHXに到達したため、オーバライド量
KORの増加量をその時点から第2の所定量ΔK2で漸増さ
せている。
工具切削負荷TAが基準値Xstより大で減速演算処理が
実行され、その後、工具切削負荷TAが前述の基準値Xst
より小となったとき、工具送り速度をNCデータで指定さ
れる値より加速させるべきであるが、立上げ量HXが未
だ0%に戻っていない場合には、前述のステップS54及
びステップS56の判別結果が肯定となり、加速演算処理
が無視されて、前述した、第2E図の復帰処理が実行され
る。そして、立上げ量HXが一旦0に戻り、ステップS88
において減速フラグDFLが0にリセットされた後、加速
演算処理(ステップS70)が実行されることになる。
又、工具切削負荷TAが基準値Xstより大で減速演算処
理が実行され、その後、工具切削負荷TAが基準値Xstに
等しくなったとき、工具送り速度をNCデータで指定され
る値に保持させるべきであるが、立上げ量HXが未だ0
%に戻っていない場合には、前述のステップS52及びス
テップS54の判別結果がいずれも否定となり、且つ、ス
テップS58の判別結果が肯定となって速度維持処理が無
視され、前述した、第2E図の復帰処理が実行される。そ
して、立上げ量HXが一旦0に戻り、ステップS88におい
て減速フラグDFLが0にリセットされた後、速度維持処
理(ステップS80)が実行されることになる。
加速演算処理 加速演算処理が実行される場合は、工具切削負荷TA
が基準値Xstより小であり、切削時間の短縮のため、工
具送り速度を加速させる。この場合、速度制御装置32
は、ステップS70において、工具切削負荷TAに応じた目
標オーバライド量KORを、第12図に示すテーブルから演
算する。この場合、テーブルから読み出した値をそのま
まNC演算部30aに出力するようにしてもよいし、目標オ
ーバライド量に至るまで、実際に出力する値を漸増させ
るようにしてもよい。尚、加速演算処理で設定されたオ
ーバライド量KORは、後述の上下限値をチェックを受け
た後(ステップS90〜ステップS94)、NC演算部30aに出
力される。
速度維持処理 速度維持処理が実行される場合は、工具切削負荷TA
が基準値Xstと等しい場合であり、この場合にはオーバ
ライド量KORは100%に設定され、工具送り速度がNCデ
ータで指示された値に保持されることになる。
異常処理 ステップS26において、切削中にAEセンサ40により異
常振動や異常音響を検出した場合、あるいは、ステップ
S50において、工具切削負荷TAが切削最大値XMAX以上
であることが検出された場合、第2G図のステップS27に
進み、異常処理ルーチンが実行される。この異常処理ル
ーチンで実行される異常処理としては、種々の処理方法
は考えられ、例えば、NC演算装置の自動運転を休止さ
せ、主軸の回転を停止させ、オーバライド量KORを0%
に設定し、ショップエアや切削油の供給を停止し、作業
者に警報を発する、等の処理が実行される。
上述の異常時の処理が終わると、速度制御装置32は、
マニアル操作盤39の特定のキーの信号レベルを入力し
(ステップS28)、この特定のキーから復帰信号が出力
されているか否かを判別する(ステップS29)。そし
て、この復帰信号が入力するまで、ステップS28及びS29
を繰り返し実行する。即ち、速度制御装置32は、上述の
異常発生後に、作業者による異常処理が完了するまで待
機するのである。
作業者による、カッタの取り替え等の異常処理が完了
し、復帰信号が入力されると、速度制御装置32は、第2A
図のステップS10に戻り、記憶値のイニシャライズを再
度実行して前述した工具送り速度の制御等を再開させ
る。
尚、上述の実施例では、NC型彫機のテーブル10は切削
工具(カッタ)20に対してX軸方向に移動したが、この
テーブル10を固定して、切削工具20がテーブル10に対し
て移動するものであってもよい。即ち、本発明は、切削
工具とワークとの間の相対移動速度をオーバライド量で
修正するものであり、切削工具及びワークのいずれが移
動してもよい。
(発明の効果) 以上詳細に説明したように、本発明のNC切削装置に依
れば、切削工具による切削開始を検出する切削開始検出
手段と、切削工具の工具送り速度を増減させるオーバラ
イド量を設定してこれをNC演算装置に出力するオーバラ
イド演算装置とを備え、オーバライド演算装置は、切削
開始検出手段が切削工具の切削開始を検出したとき、オ
ーバライド量を、工具送り速度が所定値に減速する値に
設定した後、工具送り速度が漸増する値に順次設定し、
NC演算装置は、オーバライド量に応じて数値制御データ
が指定する工具送り速度を修正し、この修正した工具送
り速度で前記切削工具を相対移動させるようにし、そし
て、オーバライド量により修正された工具送り速度が、
数値制御データが指定する工具送り速度に対して減速側
の所定値に到達したとき、到達後のオーバライド量の変
化度合を、到達前の変化度合より大に設定するようにし
たので、被削材の外形形状が充分に把握されていない場
合であっても、切削開始時の工具切削負荷の急変に自動
的に対処して、工具送り速度を工具折損が生じる虞のな
い値に自動的に調節することができ、切削開始時の工具
折損事故を、人手を掛けずに確実に防止することがで
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係るNC型彫機の全体構成を示すブロ
ック図、第2A図ないし第2G図は、オーバライド量KORが
生成される手順を説明するためのフローチャート、第3
図は、切削開始減速処理ルーチンのフローチャート、第
4図は、ワーク外形形状と工具送り速度との関係を示す
タイミングチャート、第5図は、10%立上げ処理ルーチ
ンのフローチャート、第6図は、20%立上げ処理ルーチ
ンのフローチャート、第7図は、工具送り速度VFと軸
モータの負荷(電流値A)との関係を示すグラフ、第8
図は、切込み量と軸モータの負荷(電流値A)との関係
を示すグラフ、第9図は、Y軸モータの実電流値と基準
換算電流値との関係を示すグラフ、第10図は、所定回数
サンプリングされた各軸モータの電流値の総和TAと、
基準値Xstとの関係を示すためのグラフ、第11A図及び第
11B図は、減速演算処理ルーチンのフローチャート、第1
2図は、工具切削負荷TAと、それによって設定されるオ
ーバライド量KORとの関係を示すグラフ、第13A図及び
第13B図は、それぞれ工具切込み量とオーバライド量KO
Rとの関係の一例を示すタイミングチャートである。 1……NC型彫機、10……テーブル、11……X軸モータ、
12……コラム、14……クロスビーム、15……Z軸モー
タ、16……主軸ヘッド、17……Y軸モータ、18……主軸
モータ、20……カッタ(切削工具)、30……NC演算装
置、30a……NC演算部、30b……サーボモータ駆動制御
部、32……速度制御装置(オーバライド演算装置)、36
……NCデータ読取装置、38……切換スイッチ、39……マ
ニアル操作盤、40……AEセンサ、41〜44……軸モータ負
荷センサ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外部データ読込装置からNC演算装置に読み
    込まれた数値制御データに基づき、切削工具を、被切削
    物に対して相対的に、多軸方向の所要の位置に、所要の
    速度で順次移動させ、被切削物を所要の形状に切削する
    NC切削装置であって、 前記切削工具による切削開始を検出する切削開始検出手
    段と、 前記切削工具の工具送り速度を増減させるオーバライド
    量を設定してこれを前記NC演算装置に出力するオーバラ
    イド演算装置とを備え、 前記オーバライド演算装置は、前記切削開始検出手段が
    切削工具の切削開始を検出したとき、オーバライド量
    を、工具送り速度が所定値に減速する値に設定した後、
    工具送り速度が漸増する値に順次設定し、 前記NC演算装置は、オーバライド量に応じて前記数値制
    御データが指定する工具送り速度を修正し、この修正し
    た工具送り速度で前記切削工具を相対移動させるNC切削
    装置において、 前記オーバライド演算装置は、オーバライド量を、前記
    工具送り速度が漸増する値に順次設定する際に、オーバ
    ライド量により修正された工具送り速度が、前記数値制
    御データが指定する工具送り速度に対して減速側の所定
    値に到達したとき、到達後のオーバライド量の変化度合
    を、到達前の変化度合より大に設定することを特徴とす
    るNC切削装置。
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