JPH1172356A - 変位情報検出装置 - Google Patents

変位情報検出装置

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JPH1172356A
JPH1172356A JP8281298A JP8281298A JPH1172356A JP H1172356 A JPH1172356 A JP H1172356A JP 8281298 A JP8281298 A JP 8281298A JP 8281298 A JP8281298 A JP 8281298A JP H1172356 A JPH1172356 A JP H1172356A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一定周期の波面分割機能を有する格子部を設
けた光学スケールの変位情報を高精度に検出することが
できる変位情報検出装置を得ること。 【解決手段】 配列方向に波面分割機能を有する格子部
を設けたスケール手段の第1領域に光束を入射させ、該
第1領域からの光を反射部材で反射させて前記スケール
手段の前記第1領域に対して格子配列に概略垂直な方向
にある第2領域に再入射させ、該第2領域からの波面分
割で発生した複数光束をそれぞれ受光することによって
前記スケール手段との間の相対変位情報を得ること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は変位情報検出装置に
関し、特に物体の移動量や移動速度などの変位情報を光
学的に測定する変位測定の分野に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から物体の移動量や移動速度などを
測定するためにエンコーダが広く用いられている。光学
的に測定する方法の大半は可動格子と参照格子を用いて
おり、 (ア-1) 一般的には、その参照格子は光源及び受光部と一
体的に設けられており、固定格子とも呼ばれている。
【0003】(ア-2) 一方、特殊な検出方式として、古く
は特開昭36−11793号公報で開示されているよう
な参照格子として移動格子の一部を用いているような構
成、いわゆる自己投射型の構成による検出光学系を有し
た変位測定装置が提案されている。
【0004】特にエンコーダは簡易な構成でありながら
高精度で角度変位量や移動量等を検出できるので工作機
械や計測装置に広く使用されている。
【0005】図5は特公昭36−11793号公報で提
案されているエンコーダの要部概略図である。同図にお
いて光源201からの光束は、基板202に設けた開口
202aを通過した後にレンズ系203で略平行光束と
して放射格子(直線状格子)を設けた変位物体としての
光学スケール204の第1領域204aに入射してい
る。
【0006】光学スケール204の第1領域204aの
格子で回折した±n次の回折光はレンズ系205,コー
ナーキューブ206、そしてレンズ系207を介して光
学スケール204の第2領域204bに導光され、その
面上に干渉パターンを形成する。第2領域204bを通
過した干渉パターンに基づく光束をレンズ系208で集
光して受光素子209で検出している。
【0007】このとき光学スケール204が矢印204
cの方向に移動すると、光学スケール204上に形成さ
れる干渉パターンは逆方向に変位するので受光素子20
9では格子分解能(格子ピッチ)の2倍の周期の信号が
得られる。
【0008】同図に示すエンコーダは受光素子209で
得られる周期信号を利用して光学スケール204の変位
情報を得ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この自己投射型の検出
光学系を用いた方式は以下の特徴を有している。
【0010】(イ-1) 格子ピッチに依存しない検出ヘッド
が実現可能である。
【0011】(イ-2) 格子分解能の2倍の周期信号が得ら
れる。 などのメリットがあり、産業的には(イ-1) の特徴はさま
ざまな分解能が求められるエンコーダ市場においては大
きなメリットで、汎用性の高い分解の依存性のない検出
ヘッドが提供可能となり、大量生産によるローコスト化
が可能である。また(イ-2) の特徴では高分解能検出も可
能である。
【0012】上記のように多くの優れた特徴を有するこ
の自己投射型の構成による検出光学系を有した位置検出
方式であるので、エンコーダとして必要な2CH以上の
位相差信号を、より小型構成で得る方法が求められてい
る。
【0013】本発明の第1の目的は上記、従来の自己投
射型の検出光学系をする変位測定装置において、より小
型化が可能な位相差検出方式を用いた情報検出装置を提
供することにある。
【0014】図5に示すエンコーダでは光源201から
の光束の光学スケール204への入射領域(第1領域2
04a)と光学スケール204で回折した回折光束を光
学部材205,206,207を介して該光学スケール
204へ再入射させるときの再入射領域(第2領域20
4b)が光学スケール204上の変位方向204cに位
置するように設定している。
【0015】この構成ではスケール204とコーナーキ
ューブ206との相対的アジムスズレ(光軸回りのスケ
ールの回転)により、最終的に得られる信号のS/Nが
低下する。
【0016】又、光学スケール204への入射光束及び
再入射光束がいずれも光学スケール204面に対して垂
直となるようにしている。この為、光源,複数のレンズ
系,そして受光素子等の各要素の配置に大きな空間を必
要とし、又光学スケールからの回折光を該光学スケール
に再入射させる為に多くの光学部材を必要とし、装置全
体が複雑化及び大型化する傾向があった。
【0017】この他光学スケールに対して略垂直に入出
射する光束(回折光)を用いている為に受光素子の左右
に射出する回折光が迷光となりやすく、装置全体の小型
化,簡素化を図りつつ、高精度の変位情報を得るのが難
しいという問題点があった。又、光学スケールと複数の
レンズ系との間隔が設計値よりずれていると(ギャップ
変化があると)受光手段で得られる信号のS/N比が低
下してくるという問題点があった。特にこのギャップの
設計値からの許容値は格子ピッチが微細化してくるにつ
れて厳しいものとなってくる。
【0018】本発明の第2の目的は、各部材の配置上の
空間を少なくすると共に装置全体の簡素化を図りつつ、
又各部材の配置上の許容誤差を緩和しつつ変位物体の変
位情報を検出することができるリニアエンコーダ等に好
適な変位情報検出装置の提供にある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の変位情報検出装
置は、 (1-1) 配列方向に波面分割機能を有する格子部を設けた
スケール手段の第1領域に光束を入射させ、該第1領域
からの光を反射部材で反射させて前記スケール手段の前
記第1領域に対して格子配列に概略垂直な方向にある第
2領域に再入射させ、該第2領域からの波面分割で発生
した複数光束をそれぞれ受光することによって前記スケ
ール手段との間の相対変位情報を得ることを特徴として
いる。
【0020】特に、 (1-1-1) 前記格子部は平坦部位とV溝形状部位の周期的
な構造を有し、各部位の各面から異なる方向に光束を出
射することで波面分割を実行すること。
【0021】(1-1-2) 前記格子部は前記第1領域では振
幅格子として作用すること。
【0022】(1-1-3) 前記スケール手段との間の相対変
位情報は相対的直動変位情報であること。
【0023】(1-1-4) 前記スケール手段との間の相対変
位情報は相対的回転変位情報であること。 等を特徴としている。
【0024】(1-2) 光照射手段からの光束をレンズ系で
集光性の光束とし、一定周期に配設した格子部を基板上
に設けた移動可能な光学スケール上の第1領域に入射さ
せ、該第1領域の格子部で回折した回折光を凹面ミラー
で反射させて該光学スケールの第2領域に入射させ、該
第2領域の格子部を介した光束を受光手段で受光するこ
とにより、該光学スケールの変位情報を検出する変位情
報検出装置において、該第1領域と第2領域は該光学ス
ケールの移動方向に対して直交する方向の異なった領域
に位置しており、該第1領域の格子部からの±n次回折
光は該凹面ミラーの面又はその近傍に集光しており、該
凹面ミラーは該光学スケールの第1領域を第2領域に同
心系で等倍で結像していることを特徴としている。
【0025】特に、 (1-2-1) 前記光学スケールの第1領域の格子部で回折し
た±n次回折光の複数の回折光は、前記凹面ミラーで反
射して該光学スケールの第2領域で重ね合わされて干渉
パターンを形成していること。
【0026】(1-2-2) 前記格子部は直線状のV溝より成
っていること。
【0027】(1-2-3) 前記受光手段は複数の受光素子を
有し、前記光学スケールの第2領域で重ね合わせされた
干渉パターンに基づく光束は該第2領域の格子部のV溝
で複数の方向に分離されて該複数の受光素子に各々入射
していること。
【0028】(1-2-4) 前記光源と前記凹面ミラーの反射
面は前記レンズ系によって略共役関係となっているこ
と。
【0029】(1-2-5) 前記光学スケールの一部は前記凹
面ミラーの曲率中心に位置していること。 等を特徴としている。
【0030】
【発明の実施の形態】図1,図2は本発明の実施形態1
の要部斜視図、図3は本発明の実施形態1の一部分の説
明図、図4は本発明の実施形態1の一部分の説明図であ
る。
【0031】図中1は光源であり、例えばLEDや半導
体レーザで構成し、波長λ(632.8nm)の可干渉
性光束を発している。2はレンズ系であり、球面レンズ
又は非球面レンズより成り、光源1からの光束を集光し
て、後述する光学スケール31に導光している。
【0032】光源1とレンズ系2等は光照射手段LRの
一要素を構成している。31は位相差検出機能と振幅型
の回折格子機能とを有する光学スケールである。
【0033】31は光学スケールであり、移動物体(不
図示)に対して固定されており、矢印31eに示す方向
に移動している。光学スケール31は基板31c上に移
動方向と直交する方向に白黒パターンやV溝等を所定の
ピッチで形成した格子部31dを設けて構成している。
【0034】本実施形態ではV溝を用いた場合を示して
いる。図4(A),(B)は光学スケール31の格子部
31dの詳細図であり、直線状のV溝部を構成する2つ
の傾斜面31b−1,31b−2と1つの平面部31a
が所定のピッチPで交互に配列されて格子部31dを形
成している。V溝幅は(1/2)P、又V溝を形成する
2つの傾斜面31b−1,31b−2は各々(1/4)
Pの幅を有し、各々の傾斜面31b−1,31b−2は
平坦部31aに対し各々臨界角以上、本実施形態ではθ
=45°で傾いている。
【0035】本実施形態では光学スケール31からの回
折光のうち0次回折光と±1次回折光の3つの光束を利
用している。ここで、この格子部31dの溝は光学スケ
ール31の移動方向に対して直線状に構成されている。
【0036】尚、本実施形態では光学スケール31の材
質をポリカーボやアクリル等のプラスチックとし、射出
成形もしくは圧縮成形,シート成形,レプリカ等の製法
によって作成している。4は凹面ミラーであり、球面ミ
ラー,楕円ミラー,放物ミラー,非球面ミラー等から成
っている。凹面ミラー4は格子部3dのフーリエ変換面
に一致している。
【0037】本実施形態では図1,図2に示すようにレ
ンズ系2で集光され、光学スケール31の第1領域31
aに入射した光束101が光学スケール31で回折し、
このときn次の回折光(0次と±1次の回折光L
(0),L(+1),L(−1))が凹面ミラー4の面
4b又はその近傍(凹面ミラー4の瞳位置又はその近
傍)に集光するように各要素を設定している。
【0038】図3に示すように凹面ミラー4の光軸4a
に対して入射光束101の主光線101aと凹面ミラー
4で反射し、光学スケール31への再入射光束102の
主光線102aは対称になっている。又、凹面ミラー4
は光学スケール31から透過した収束光束(3つの回折
光束)を反射させ、光学スケール31面上の第2領域3
1bに3つの像を再結像させている(即ち、3つの回折
光を重ね合わせて干渉縞を形成している)。このとき光
学スケール31が矢印方向31eに移動すると再結像し
た像は矢印方向31eとは反対の方向に移動する。即
ち、格子部と干渉パターン像は相対的に光学スケール3
1の移動量の2倍の値で相対変位する。
【0039】本実施形態ではこれにより光学スケール3
1に構成されている格子部の2倍の分解能の移動情報を
得ている。
【0040】5は受光手段であり、光学スケール31の
格子部31dの第2領域31b近傍に形成した干渉パタ
ーンと格子部のV溝との位相関係に基づく光束が第2領
域31bで幾何学的に屈折され、射出した3つの光束を
各々受光する為の3つのフォトディテクタ(受光素子)
5a,5b,5cを有している。この受光手段5からの
信号をパルスカウント回路や移動方向の判別回路を有す
る信号処理103によって処理し、これより移動情報を
得ている。尚、光源1,レンズ系2,そして受光手段5
は筐体PK内に固定保持されている。
【0041】次に本実施形態における光学スケール(移
動体)31の移動情報の検出方法について説明する。光
照射手段の一要素であるLED1からの光束をレンズ系
2により凹面ミラー面上4の反射面4b又はその近傍に
集光するようにしている。この収束光を光学スケール3
1の格子部31d上の第1領域31aに入射させる。第
1領域31aに入射した収束光のうち図4に示す格子部
31dの平面部31aに到達した光線は該平面部31a
を通過して凹面ミラー4に進み、その面上に結像する。
またV溝を構成する傾斜面31b−1に到達した光線
は、傾斜面31b−1の傾斜角が臨界角以上に設定され
ている為、図に示すように全反射してV溝を構成する他
方の傾斜面31b−2に向けられ、傾斜面31b−2に
おいても全反射する。
【0042】これによって最終的に格子部31dの傾斜
面31b−1へ到達した光線は、凹面ミラーに進入する
ことなく、入射方向に戻されることになる。同様にV溝
を構成する他方の傾斜面31b−2に到達した光線も全
反射を繰り返して戻される。従って第1領域31aにお
いてV溝を形成する2つの傾斜面31b−1,31b−
2の範囲に到達する光束は、凹面ミラーに進入すること
なく反射され、平面部31aに到達した光線のみが光学
スケール31を進み、凹面ミラー4に進むことになる。
【0043】即ち、第1領域31aにおいてV溝型の格
子部31dは透過型の振幅回折格子と同様の光学作用を
有する。この第1領域31aの格子部31dで光束は回
折され、格子部の作用により0次,±1次,±2次‥‥
の回折光が生じ、凹面ミラー4の面上にその回折光が集
光する。集光した回折光は、図3に示すように光軸4a
に対して対称に反射し、光学スケール31の第2領域3
1b部で再結像し、光学スケール31面上に等倍の像を
再結像させる。
【0044】ここで第1領域31aと第2領域31bは
光学スケール31面の移動方向と直交する直線状格子の
格子部31dに対して異なった(一部が重複していても
良い)領域である。このとき、光学スケール31は直線
状の格子部31dを有するため、第1領域31aと第2
領域31bの格子ピッチは同じである。
【0045】本実施形態では、格子部31d上の第2領
域31bに第1領域31aの格子部31dを等倍投影
し、光学スケール31の格子部31dのピッチと同様の
像(反転像)を形成するようにしている。そのために本
実施形態では凹面ミラー4を所望の曲率半径Rに設定
し、入射光束101の主光線101aと再入射光束10
2の主光線102aが光軸4aに対して対称となるよう
にしている。
【0046】これによって第1領域31aの格子部の像
が凹面ミラー4によって第2領域31b面上に再結像す
るとき放射状格子の一部のピッチが合致するようにして
S/N比の良い検出信号を得ている。
【0047】第2領域31bにおいて平面部31aに入
射した光束は、図4(B)に示すように直線透過し、受
光手段5の中央部のフォトディテクタ5cに到着する。
また、V溝面を形成する2つの傾斜面31b−1及び3
1b−2に到達した光線は、各々の面に45°の入射角
を持って入射するため、それぞれ異なる方向に大きく屈
折して受光手段5の両側のフォトディテクタ5a及び5
bに到達する。
【0048】このように第2領域31bにおいて、入射
光束に対して異なる方向に傾斜した2つの傾斜面31b
−1,31b−2及びV溝の間の平面部31aの合計3
種の傾き方向の異なる面により、光束は3つの方向に別
れて進み、各々の面に対応した位置に設けられた各フォ
トディテクタ5a,5b,5cに到達する。即ち第2領
域31bにおいてV溝の格子部31dは光波波面分割素
子として機能する。
【0049】即ち第2領域31bの格子部と、その面上
に結像した干渉パターン像との位相関係に基づく光束が
3方向に偏向され、各フォトディテクタ5a,5b,5
cに入射している。
【0050】ここで光学スケール31が移動すると、各
フォトディテクタ5a,5b,5cで検出される光量が
変化する。格子部31dの位置と像の位置の相対的変位
に応じ、各フォトディテクタに入射する光量バランスが
変化し、その結果、光学スケール31が移動方向31e
方向に移動したとすると、図4(C)に示すような光学
スケール31の移動に伴う光量変化が得られる。ここで
横軸は光学スケール3の移動量、縦軸は受光光量であ
る。
【0051】信号a,b,cはそれぞれフォトディテク
タ5a,5b,5cに対応している。尚、逆に光学スケ
ール31が逆方向に移動した場合は、信号aはフォトデ
ィテクタ5b、信号bはフォトディテクタ5a、信号c
はフォトディテクタ5cの出力となる。これらの信号を
基に光学スケール31の移動速度や移動方向等の移動情
報を得ている。
【0052】尚、本実施形態においてLED1からの光
束をレンズ系2で平行光束として光学スケール31の第
1領域31aに入射させ、光学スケール31からの±n
次回折光と0次光を各々平面ミラーで反射させて光学ス
ケール31の第2領域31bに入射させ、その面上に3
つの回折光による像(干渉縞)を形成し、そして第2領
域31bからの3つの光を各々受光素子5a,5b,5
cで受光するようにしても良い。
【0053】図6,図7は本発明の実施形態2の一部分
の要部斜視図、図8は本発明の実施形態2の一部分の要
部断面図、図9は本発明の実施形態2の一部分の光学ス
ケールと凹面ミラーとの説明図、図10は本発明の実施
形態2の一部分の光学スケールの説明図、図11は本発
明の実施形態2の一部分の光学スケールの格子部と受光
手段からの信号の説明図、図12は本発明の実施形態2
の光学スケール上の再結像した像の説明図、図13は本
発明の実施形態2における凹面ミラーの偏心量に対する
スケールピッチと重ね合わせピッチの説明図、図14は
本発明の実施形態2における凹面ミラーの偏心量に対す
るスケールピッチと重ね合わせピッチの説明図、図15
は本発明の実施形態2の一部分の要部断面図、図16は
本発明の実施形態2における光学スケールへの光束の入
射状態を示す他の実施形態の説明図、図17は本発明の
実施形態2における光学スケールへの光束の入射状態を
示す他の実施形態の説明図である。
【0054】図中1は光源であり、例えばLEDや半導
体レーザで構成し、波長λ(632.8nm)の可干渉
性光束を発している。2はレンズ系であり、球面レンズ
又は非球面レンズより成り、光源1からの光束を集光し
て、後述する光学スケール3に導光している。
【0055】光源1とレンズ系2等は光照射手段LRの
一要素を構成している。3は位相差検出機能と振幅型の
回折格子機能とを有する光学スケールであり、図10,
図11に示すように円板状の基板3cの表面上に一定周
期の複数の放射状格子(スリット数2500又は500
0のV溝格子)より成る格子部3dを設けて構成してい
る。光学スケール3の基板3cは透孔性の光学材料、例
えばポリカーボやプラスチックより成り、回転体(不図
示)の一部に取り付けており、回転体と一体的に回転軸
3eを中心に矢印6方向に回転している。
【0056】図11(A),(B)は光学スケール3の
格子部3dの詳細図であり、V溝部を構成する2つの傾
斜面30b−1,30b−2と1つの平面部30aが所
定のピッチPで交互に配列されて格子部3dを形成して
いる。V溝幅は(1/2)P、又V溝を形成する2つの
傾斜面30b−1,30b−2は各々(1/4)Pの幅
を有し、各々の傾斜面30b−1,30b−2はV溝の
底部と平坦部30aの垂線とを結ぶ直線に対し各々臨界
角以上、本実施形態ではθ=45°で傾いている。
【0057】本実施形態では光学スケール3からの回折
光のうち0次回折光と±1次回折光の3つの光束を利用
している。ここで、この格子部3dのV溝は光学スケー
ル3に対して放射状に構成されている為、光学スケール
3の内周側と外周側ではピッチが異なっている。ここで
ピッチとは周方向の平坦部30aの幅と2つの傾斜面3
0b−1,30b−2の幅との合計した値をいう。
【0058】本実施形態では光学スケール3の材質をポ
リカーボやプラスチックとし、射出成形もしくは圧縮成
形当の製法によって作成している。4は凹面ミラーであ
り、球面ミラー,楕円ミラー,放物ミラー,非球面ミラ
ー等から成っている。凹面ミラー4は格子部3dのフー
リエ変換面に一致している。
【0059】本実施形態では図8,図9に示すようにレ
ンズ系2で集光され、光学スケール3の第1領域3aに
入射した光束101が光学スケール3の格子部で回折
し、このときn次の回折光(0次と±1次の回折光L
(0),L(+1),L(−1))が凹面ミラー4の面
4b又はその近傍(凹面ミラー4の瞳位置又はその近
傍)に集光するように各要素を設定している。
【0060】凹面ミラー4の光軸4aと入射光束101
の中心光線(主光線)101aは図4に示すように偏心
量Δだけ偏心している。凹面ミラー4は光学スケール3
で回折し、集光してきた収束光束(3つの回折光束L
(0),L(+1),L(−1))を反射させ、光学ス
ケール3面上の第2領域3bに図12に示すような3つ
の回折光に基づく干渉パターン像(像)を再結像させて
いる。このとき光学スケール3が回転方向6に移動する
と再結像した像は回転方向6とは反対の方向に移動す
る。即ち、格子部と干渉パターン像は相対的に光学スケ
ール3の移動量の2倍の値で相対変位する。
【0061】本実施形態ではこれにより光学スケール3
に構成されている格子部の2倍の分解能の回転情報を得
ている。
【0062】5は受光手段であり、光学スケール3の格
子部3dの第2領域3b近傍に形成した図11に示すよ
うな干渉パターンと格子部のV溝との位相関係に基づく
光束が第2領域3bで幾何学的に屈折され、射出した3
つの光束を各々受光する為の3つのフォトディテクタ
(受光素子)5a,5b,5cを有している。この受光
手段5からの信号をパルスカウント回路や回転方向の判
別回路を有する信号処理回路103によって処理し、こ
れより回転情報を得ている。尚、光源1,レンズ系2,
そして受光手段5は筐体PK内に固定保持されている。
【0063】次に本実施形態における光学スケール(回
転体)3の回転情報の検出方法について説明する。光照
射手段の一要素であるLED1からの光束をレンズ系2
により凹面ミラー面上4の反射面4b又はその近傍に集
光するようにしている。この収束光を図8,図9に示す
ように光学スケール3の格子部3d上の第1領域3aに
入射させる。第1領域3aに入射した収束光のうち図1
1に示す格子部3dの平面部30aに到達した光線は該
平面部30aを通過して凹面ミラー4に進み、その面上
に結像する。またV溝を構成する傾斜面30b−1に到
達した光線は、傾斜面30b−1の傾斜角が臨界角以上
に設定されている為、図11に示すように全反射してV
溝を構成する他方の傾斜面30b−2に向けられ、傾斜
面30b−2においても全反射する。
【0064】このように最終的に格子部3dの傾斜面3
0b−1へ到達した光線は、凹面ミラーに進入すること
なく、入射方向に戻されることになる。同様にV溝を構
成する他方の傾斜面30b−2に到達した光線も全反射
を繰り返して戻される。従って第1領域3aにおいてV
溝を形成する2つの傾斜面30b−1,30b−2の範
囲に到達する光束は、光学スケール3内に進入すること
なく反射され、平面部30aに到達した光線のみが光学
スケール3を進むことになる。
【0065】即ち、第1領域3aにおいてV溝型の格子
部3dは透過型の振幅回折格子と同様の光学作用を有す
る。この第1領域3aの格子部3dで光束は回折され、
格子部の作用により0次,±1次,±2次‥‥の回折光
が生じ、凹面ミラー4の面上にその回折光が集光する。
集光した回折光は、主光線101aに対して偏芯してい
る凹面ミラー4によって反射し、光学スケール3の第2
領域3b部で再結像し、光学スケール3面上に像(放射
状の溝の像)を再結像する。
【0066】ここで第1領域3aと第2領域3bは光学
スケール3面の放射状格子の格子部3dに対して半径方
向に異なった(一部が重複していても良い)領域であ
る。このとき、光学スケール3は放射状の格子部3dを
有するため、第1領域3aと第2領域3bの格子ピッチ
が異なる。さらに、第2領域3bの照射領域においても
光学スケール3の内周側と外周側のピッチが異なってい
る。
【0067】そこで本実施形態では、格子部3d上の第
2領域3bに第1領域3aの格子部を拡大投影し、光学
スケール3の放射状の格子部3dのピッチと同様の像
(反転像)を形成するようにしている。そのために本実
施形態では凹面ミラー4を所望の曲率半径Rに設定し、
入射光束の主光線101aに対して偏心配置するととも
に入射光軸に対するずれ量Δも最適な値にしている。
【0068】これによって第1領域3aの格子部の像が
凹面ミラー4によって第2領域3b面上に再結像すると
き放射状格子の一部のピッチが合致するようにしてS/
N比の良い検出信号を得ている。
【0069】第2領域3bにおいて平面部30aに入射
した光束は、図11(B)に示すように直線透過し、受
光手段5の中央部のフォトディテクタ5cに到着する。
また、V溝面を形成する2つの傾斜面30b−1及び3
0b−2に到達した光線は、各々の面に45°の入射角
を持って入射するため、それぞれ異なる方向に大きく屈
折して受光手段5の両側のフォトディテクタ5a及び5
bに到達する。
【0070】このように第2領域3bにおいて、入射光
束に対して異なる方向に傾斜した2つの傾斜面30b−
1,30b−2及びV溝の間の平面部30aの合計3種
の傾き方向の異なる面により、光束は3つの方向に別れ
て進み、各々の面に対応した位置に設けられた各フォト
ディテクタ5a,5b,5cに到達する。即ち第2領域
3bにおいてV溝の格子部3dは光波波面分割素子とし
て機能する。
【0071】即ち第2領域3bの格子部と、その面上に
結像した干渉パターン像との位相関係に基づく光束が3
方向に偏向され、各フォトディテクタ5a,5b,5c
に入射している。
【0072】ここで光学スケール3が回転すると、各フ
ォトディテクタ5a,5b,5cで検出される光量が変
化する。格子部3dの位置と像の位置の相対的変位に応
じ、各フォトディテクタに入射する光量バランスが変化
し、その結果、光学スケール3が反時計廻りに回転した
とすると、図11(C)に示すような光学スケール3の
回転に伴う光量変化が得られる。ここで横軸は光学スケ
ール3の回転量、縦軸は受光光量である。
【0073】信号a,b,cはそれぞれフォトディテク
タ5a,5b,5cに対応している。尚、逆に光学スケ
ール3が時計廻りに回転した場合は、信号aはフォトデ
ィテクタ5b、信号bはフォトディテクタ5a、信号c
はフォトディテクタ5cの出力となる。これらの信号を
基に光学スケール3の回転角度や回転量あるいは回転速
度や回転加速度等の回転情報を得ている。
【0074】尚、図11(C)は第2領域3bに形成さ
れる像のコントラストが非常に高く理想に近い場合の理
論的な光量変化の様子を示している。
【0075】図13,図14は本実施形態において光学
スケール3上の格子部として1周当り2500パルス
(2500P/R)と5000パルス(5000P/
R)のとき、光学スケール3の第1領域3aに入射する
光束101の主光線101aが凹面ミラー4で反射して
第2領域3bに入射するときの凹面ミラー4の光軸4a
に対してΔだけ偏心したとき(偏心量Δのとき)の第2
領域3bでの入射主光線からの距離に対する格子部のス
ケールピッチを示している。
【0076】又偏心量Δのときに凹面ミラー4によって
第1領域3aの格子部が第2領域3bに形成されるとき
の格子部の像の入射主光線からの距離に対する重ね合わ
せピッチを示している。
【0077】図13,図14に示すように偏心量Δが
Δ:0.62(nm)のとき第2領域3bの入射主光線
からの距離が1.8mm近傍でスケールピッチと重ね合
わせピッチが略一致している。
【0078】本実施形態では入射主光線101aからの
距離が1.8mm近傍の領域を利用している。
【0079】本実施形態ではレンズ系2によって光源1
と凹面ミラー4の反射面4aとが略共役関係となるよう
にし、光学スケール3からの±n次回折光が凹面ミラー
4の反射面4a上又はその近傍に集光するようにしてい
る。又光学スケール3の一部が凹面ミラー4の曲率中心
に合致するようにしている。
【0080】これによって光学スケール3と凹面ミラー
4との間隔(ギャップ)が多少設定値から変位しても受
光手段5で得られる変位情報の誤差を少なくしている。
即ち、ギャップ特性の許容値を緩和させている。
【0081】図15(A),(B)は光学スケール3と
凹面ミラー4とのギャップに誤差があったときの入射光
と反射光の説明図である。
【0082】図15(A)のように光学スケール3が凹
面ミラー4の曲率半径の位置、即ちベストギャップの位
置にある場合は、V溝によって回折した回折光が凹面ミ
ラー4で反射して光学スケール面3の面上に集光するた
め、干渉縞のコントスラトが最大値を示す。
【0083】しかし、図15(B)のように光学スケー
ル3がベストギャップの位置からずれた場合には、光学
スケール3の面上で回折光が凹面ミラー4で反射した後
に光学スケール3上に集光しないため干渉パターンのコ
ントラストが低下する。
【0084】このような干渉パターンのコントラストの
低下は、受光手段で検出される出力信号の低下と連動し
ているため、光学スケールがベストギャップからずれる
ことにより、どの程度コントラストが低下するかは重要
な値となる。
【0085】そこで本実施形態では光学スケール3の一
点近傍に凹面ミラー4の曲率中心が位置するようにし、
又光源1と凹面ミラー4とがレンズ系2によって略共役
関係となるようにして光学スケール3がベストギャップ
からずれた場合のコントラストの低下を少なくし、S/
N比の良い信号を得ている。
【0086】本実施形態では以上のように光学スケール
に入射し、凹面ミラーで反射して光学スケールに再入射
するときの主光線の入射位置が半径方向に異なるように
設定することによって、光源,光学スケール,受光手段
等の配置の自由度を増し、装置全体の小型化を図りつ
つ、回転物体(光学スケール)の回転情報を高精度に検
出している。
【0087】又、光源と凹面ミラーとがレンズ系によっ
て略共役関係となるようにし、更に光学スケールの一部
が凹面ミラーの略曲率半径の位置となるように設定する
ことによって光学スケールと凹面ミラーとの間隔(ギャ
ップ)の設計値からの許容値の緩和を図っている。
【0088】図16,図17は各々本実施形態において
光源から射出し、レンズ系を介した光束101が光学ス
ケール3の第1領域3aに入射した後に回折し、凹面ミ
ラー4面上に結像し,凹面ミラー4で反射して光学スケ
ール3の第2領域3bを通過する光束102の他の実施
形態の光路を示す説明図である。
【0089】図16(A),(B),(C)はレンズ系
を介した光束101が光学スケール3の格子部上の回転
軸3eに近い方の第1領域3aから入射し、凹面ミラー
4で反射して回転軸3eの遠い方の第2領域3bに再入
射する場合を示している。
【0090】即ち凹面ミラー4により第1領域3aの格
子部を第2領域3bに拡大結像する場合を示している。
このうち、図16(A)では光束101が第1領域3a
に垂直に入射し、凹面ミラー4で反射した後に第2領域
3bに斜入射する場合、図16(B),(C)では光束
101が第1領域3aと第2領域3bに各々斜入射する
場合を示している。
【0091】図17(A),(B),(C)はレンズ系
を介した光束101が光学スケール3の格子部上の回転
軸3eに遠い方の第1領域3aから入射し、凹面ミラー
4で反射して、回転軸3eの近い方の第2領域3bに再
入射する場合を示している。即ち凹面ミラー4によって
第1領域3aの格子部を第2領域3bに縮小結像する場
合を示している。このうち、図17(A)は光束101
が第1領域3aに斜入射し、凹面ミラー4で反射した後
に第2領域3bに垂直に入射する場合、図17(B),
(C)は光束101が第1領域3aと第2領域3bに各
々斜入射する場合を示している。図16,図17の各構
成においても前述の実施形態2と同様の効果を得てい
る。
【0092】図18は本発明の実施形態3の要部概略図
である。本実施形態は図6〜図17に示した実施形態2
に比べて、 ・光照射手段1からの光束をレンズ系2によって平行光
束として光学スケール3の第1領域3aに入射させてい
ること。
【0093】・光学スケール3の第1領域3aからの0
次光と±n次回折光を凹面ミラー4によってその焦点位
置4cに集光した後に発散光として光学スケール3の第
2領域3bに入射させて、その面上に干渉縞を形成して
いること。 の点が異なっているだけであり、その他の構成は同じで
ある。
【0094】即ち本実施形態では図18に示すように、
光照射手段1からの光束をレンズ系で平行光束として放
射状のV溝を一定周期に配設した格子部を円板上の周上
に設けた回転可能な光学スケール3上の第1領域3aに
入射させ、第1領域3aの格子部で回折した回折光を凹
面ミラー4で反射させ焦点位置4cに集光させた後に発
散光として光学スケールの第2領域3bに入射させ、第
2領域3bの格子部を介した光束を受光手段5で受光す
ることにより、該光学スケール3の変位情報を検出して
いる。
【0095】このとき第1領域3aと第2領域3bは該
光学スケール3の回転軸3eの半径方向に対して異なっ
た領域に位置しており、凹面ミラー4は該光学スケール
3の第1領域3aを第2領域3bに偏心系で結像してい
る。
【0096】図19は本発明の実施形態4の要部概略図
である。本実施形態は図6〜図17に示した実施形態2
に比べて、 ・光照射手段1からの光束をレンズ系2によって集光さ
せて光学スケール3の第1領域3aに入射させるとき凹
面ミラー4の焦点位置4cに集光するようにしているこ
と。
【0097】・光学スケール3の第1領域3aからの回
折光が焦点位置4cで集光した後に、発散光となって凹
面ミラー4で反射した後に平行光束となって光学スケー
ル3の第2領域3bに入射して、その面上に干渉縞を形
成していること。 の点が異なっているだけであり、その他の構成は同じで
ある。
【0098】即ち本実施形態では図19に示すように、
光照射手段1からの光束をレンズ系2で集光して放射状
のV溝を一定周期に配設した格子部を円板上の周上に設
けた回転可能な光学スケール3上の第1領域3aに入射
させ、第1領域3aの格子部で回折した回折光を凹面ミ
ラー4の焦点位置4cに集光した後に発散光束として凹
面ミラー4で反射させて平行光束とした後に光学スケー
ル3の第2領域3bに入射させ、該第2領域3bの格子
部を介した光束を受光手段5で受光することにより、光
学スケール3の変位情報を検出している。
【0099】このとき、第1領域3aと第2領域3bは
該光学スケール3の回転軸3eの半径方向に対して異な
った領域に位置しており、凹面ミラー4は光学スケール
3の第1領域3aを第2領域3bに偏心系で結像してい
る。
【0100】図20は本発明の実施形態5の要部概略
図、図21は図20の一部分の拡大斜視図である。本実
施形態は図6〜図17に示した実施形態2に比べて ・光照射手段1からの光束をレンズ系2によって平行光
束として光学スケール3の第1領域3aに入射させてい
ること。
【0101】・第1領域3aの格子部で回折された0次
光と±n次回折光の平行光を各々平面ミラー41,4
2,43で反射させて、光学スケール3の第2領域3に
入射させて、その面上に干渉縞を形成していること。 の点が異なっているだけであり、その他の構成は同じで
ある。
【0102】即ち本実施形態では図20,図21に示す
ように、光照射手段1からの光束をレンズ系2で平行光
束101として直線状のV溝を一定周期に配設した格子
部を基板上に設けた移動可能な光学スケール3上の第1
領域3aに入射させ、第1領域3aの格子部で回折した
0次光L(0)と±n次(n=1)回折光L(+),L
(−1)の平行光を平面ミラー41,42,43で各々
反射させて光学スケール3の第2領域3bに入射させ、
第2領域3bの格子部を介した光束を受光手段5で受光
することにより、光学スケール3の変位情報を検出して
いる。
【0103】ここで第1領域3aと第2領域3bは該光
学スケール3の回転軸3eの半径方向に対して異なった
領域に位置している。
【0104】尚、各実施形態において光学スケール3の
第1領域を透過した回折光は、3光束以上であっても良
い。
【0105】尚、本発明において光学スケールの位相差
の検出する為の格子部として断面形状がV形状のV溝格
子を用いたが、他の形状で同様の機能を有するものであ
れば同様に適用可能である。
【0106】例えば図22〜図26に示すような格子部
を有する光学スケールを用いても良い。
【0107】図22(A),(B)は本発明に係る光学
スケール3の格子部3dの他の実施形態の要部断面図で
ある。本実施形態は図11に示した格子部3dを構成す
る平面より成る傾斜面の代わりに曲率を有した曲面より
構成した点が異なっており、その他の構成は同じであ
る。
【0108】即ち円板状の基板3cの表面上に一定周期
の複数の放射格子より成る格子部3dを設けている。こ
の格子部3dは1つの平面部30aと曲率を有した2つ
の曲面30b−1,30b−2が所定のピッチPで交互
に配列して構成している。
【0109】図22(A)は第1領域3aに相当し、格
子部3dの平面部30aに入射した光束のみが光学スケ
ール3を通過し、曲面30b−1(30b−2)に入射
した光束は曲面30b−1(30b−2)及び平面部3
0aで全反射し、入射方向に戻されている状態を示して
いる。
【0110】図22(B)は光学スケールの第2領域3
bに入射した光束の光路を示している。このように格子
部3dは図11(A),(B)で示したのと同様に、透
過型の振幅回折格子と同様の光学作用を有している。
【0111】図23(A),(B)は本発明に係る光学
スケール3の格子部3dの他の実施形態の要部断面図で
ある。本実施形態は図11に示した格子部3dを構成す
る平面より成る傾斜面の代わりに曲率を有した曲面30
b−1,30b−2とし、かつ曲面と曲面との間に平面
部30b−3より構成した点が異なっており、その他の
構成は同じである。
【0112】即ち円板状の基板3cの表面上に一定周期
の複数の放射格子より成る格子部3dを設けている。こ
の格子部3dは1つの平面部30aと曲率を有した2つ
の曲面30b−1,30b−2、そして平面部30b−
3が所定のピッチPで交互に配列して構成している。
【0113】図23(A)は第1領域3aに相当し、格
子部3dの平面部30aと平面部30b−3に入射した
光束のみが光学スケール3を通過し、曲面30b−1
(30b−2)に入射した光束は曲面30b−1(30
b−2)及び平面部30aで全反射し、入射方向に戻さ
れている状態を示している。
【0114】図23(B)は光学スケールの第2領域3
bに入射した光束の光路を示している。このように格子
部3dは図11(A),(B)で示したのと同様に、透
過型の振幅回折格子と同様の光学作用を有している。
【0115】図24(A),(B)は本発明に係る光学
スケール3の格子部3dの他の実施形態の要部断面図で
ある。本実施形態は図6のV溝の代わりに3角形状の突
出部(30b−1,30b−2)より構成した点が異な
っており、その他の構成は同じである。
【0116】即ち円板状の基板3cの表面上に一定周期
の複数の放射格子より成る格子部3dを設けている。こ
の格子部3dは1つの平面部30aと平面より成る2つ
の平面部30b−1,30b−2が所定のピッチPで交
互に配列して構成している。
【0117】図24(A)は第1領域3aに相当し、格
子部3dの平面部30aに入射した光束のみが光学スケ
ール3を通過し、平面部30b−1(30b−2)に入
射した光束は他の平面部30b−2(30b−1)で全
反射し、入射方向に戻されている状態を示している。
【0118】図24(B)は光学スケールの第2領域3
bに入射した光束の光路を示している。このように格子
部3dは図11(A),(B)で示したのと同様に、透
過型の振幅回折格子と同様の光学作用を有している。
【0119】図25(A),(B)は本発明に係る光学
スケール3の格子部3dの他の実施形態の要部断面図で
ある。本実施形態は図11のV溝の代わりに曲率を有し
た2つの曲面30b−b,30b−2より成る突出部を
形成した点が異なっており、その他の構成は同じであ
る。
【0120】即ち円板状の基板3cの表面上に一定周期
の複数の放射格子より成る格子部3dを設けている。こ
の格子部3dは1つの平面部30aと曲率を有し、突出
した2つの曲面30b−1,30b−2が所定のピッチ
Pで交互に配列して構成している。
【0121】図25(A)は第1領域3aに相当し、格
子部3dの平面部30aに入射した光束のみが光学スケ
ール3を通過し、曲面30b−1(30b−2)に入射
した光束は曲面30b−1(30b−2)で全反射し、
入射方向に戻されている状態を示している。
【0122】図25(B)は光学スケールの第2領域3
bに入射した光束の光路を示している。このように格子
部3dは図11(A),(B)で示したのと同様に、透
過型の振幅回折格子と同様の光学作用を有している。
【0123】図26(A),(B)は本発明に係る光学
スケール3の格子部3dの他の実施形態の要部断面図で
ある。本実施形態は図11に示した格子部3dを構成す
る平面より成る傾斜面の代わりに曲率を有した曲面30
b−1,30b−2とし、曲面と曲面との間に平面部3
0b−3より構成した点が異なっており、その他の構成
は同じである。
【0124】即ち円板状の基板3cの表面上に一定周期
の複数の放射格子より成る格子部3dを設けている。こ
の格子部3dは1つの平面部30aと曲率を有した2つ
の曲面30b−1,30b−2が所定のピッチPで交互
に配列して構成している。
【0125】図26(A)は第1領域3aに相当し、格
子部3dの平面部30aと平面部30b−3に入射した
光束のみが光学スケール3を通過し、曲面30b−1
(30b−2)に入射した光束は曲面30b−1(30
b−2)及び曲面30b−2(30b−1)で全反射
し、入射方向に戻されている状態を示している。
【0126】図26(B)は光学スケールの第2領域3
bに入射した光束の光路を示している。このように格子
部3dは図11(A),(B)で示したのと同様に、透
過型の振幅回折格子と同様の光学作用を有している。
【0127】
【発明の効果】本発明によれば、従来、複雑な構成に成
りがちな自己投射型の検出方式での位相差検出が容易に
実現可能となり、さらに、小型ながら、より高分解能な
位置を検出可能とする自己投射型の検出装置が提供でき
るようになった。
【0128】特に波面分割により光束が互いに広がって
いく方向である格子配列方向に垂直な方向に第1,第2
領域を配置したことにより、スケールへの光束照射手段
と受光手段とを空間的に間をそれ程あけずに配置する事
が可能となり、より小型化した構成が実現される。
【0129】又、本発明によれば、第1領域の格子部か
らの回折光を凹面ミラー近傍で集光させて反射させて、
第1領域の移動に垂直な方向にある第2領域に等倍結像
し、第2領域からの光を受光する構成により各部材の配
置上の空間を少なくすると共に装置全体の簡素化を図り
つつ、又各部材の配置上の許容誤差を緩和しつつ変位物
体の変位情報を高精度に検出するリニアエンコーダに好
適な変位情報検出装置を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の要部斜視図
【図2】本発明の実施形態1の要部斜視図
【図3】本発明の実施形態1の一部分の説明図
【図4】本発明の実施形態1の一部分の説明図
【図5】従来のエンコーダの要部概略図
【図6】本発明の実施形態2の一部分の要部斜視図
【図7】本発明の実施形態2の一部分の要部斜視図
【図8】本発明の実施形態2の一部分の要部断面図
【図9】本発明の実施形態2の一部分の光学スケールと
凹面ミラーとの説明図
【図10】本発明の実施形態2の一部分の光学スケール
の説明図
【図11】本発明の実施形態2の一部分の光学スケール
の格子部と受光手段からの信号の説明図
【図12】本発明の実施形態2の光学スケール上の再結
像した像の説明図
【図13】本発明の実施形態2における凹面ミラーの偏
心量に対するスケールピッチと重ね合わせピッチの説明
【図14】本発明の実施形態2における凹面ミラーの偏
心量に対するスケールピッチと重ね合わせピッチの説明
【図15】本発明の実施形態2の一部分の要部断面図
【図16】本発明の実施形態2における光学スケールへ
の光束の入射状態を示す他の実施形態の説明図
【図17】本発明の実施形態2における光学スケールへ
の光束の入射状態を示す他の実施形態の説明図
【図18】本発明の実施形態3の一部分の要部断面図
【図19】本発明の実施形態4の一部分の要部断面図
【図20】本発明の実施形態5の一部分の要部断面図
【図21】図20の一部分の拡大斜視図
【図22】本発明に係る光学スケールの他の実施形態の
説明図
【図23】本発明に係る光学スケールの他の実施形態の
説明図
【図24】本発明に係る光学スケールの他の実施形態の
説明図
【図25】本発明に係る光学スケールの他の実施形態の
説明図
【図26】本発明に係る光学スケールの他の実施形態の
説明図
【符号の説明】
1 光源 2 レンズ系 3,31 光学スケール 3a,31a 第1領域 3b,31b 第2領域 3c,31c 基板 3d,31d 格子部 3e 回転軸 4 凹面ミラー 4a 光軸 41,42,43 平面ミラー 5 受光手段 101,102 入射光束 101a,102a 主光線 103 信号処理回路

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列方向に波面分割機能を有する格子部
    を設けたスケール手段の第1領域に光束を入射させ、該
    第1領域からの光を反射部材で反射させて前記スケール
    手段の前記第1領域に対して格子配列に概略垂直な方向
    にある第2領域に再入射させ、該第2領域からの波面分
    割で発生した複数光束をそれぞれ受光することによって
    前記スケール手段との間の相対変位情報を得ることを特
    徴とする変位情報検出装置。
  2. 【請求項2】 前記格子部は平坦部位とV溝形状部位の
    周期的な構造を有し、各部位の各面から異なる方向に光
    束を出射することで波面分割を実行することを特徴とす
    る請求項1に記載の変位情報検出装置。
  3. 【請求項3】 前記格子部は前記第1領域では振幅格子
    として作用することを特徴とする請求項1に記載の変位
    情報検出装置。
  4. 【請求項4】 前記スケール手段との間の相対変位情報
    は相対的直動変位情報であることを特徴とする請求項1
    に記載の変位情報検出装置。
  5. 【請求項5】 前記スケール手段との間の相対変位情報
    は相対的回転変位情報であることを特徴とする請求項1
    に記載の変位情報検出装置。
  6. 【請求項6】 光照射手段からの光束をレンズ系で集光
    性の光束とし、一定周期に配設した格子部を基板上に設
    けた移動可能な光学スケール上の第1領域に入射させ、
    該第1領域の格子部で回折した回折光を凹面ミラーで反
    射させて該光学スケールの第2領域に入射させ、該第2
    領域の格子部を介した光束を受光手段で受光することに
    より、該光学スケールの変位情報を検出する変位情報検
    出装置において、該第1領域と第2領域は該光学スケー
    ルの移動方向に対して直交する方向の異なった領域に位
    置しており、該第1領域の格子部からの±n次回折光は
    該凹面ミラーの面又はその近傍に集光しており、該凹面
    ミラーは該光学スケールの第1領域を第2領域に同心系
    で等倍で結像していることを特徴とする変位情報検出装
    置。
  7. 【請求項7】 前記光学スケールの第1領域の格子部で
    回折した±n次回折光の複数の回折光は、前記凹面ミラ
    ーで反射して該光学スケールの第2領域で重ね合わされ
    て干渉パターンを形成していることを特徴とする請求項
    6の変位情報検出装置。
  8. 【請求項8】 前記格子部は直線状のV溝より成ってい
    ることを特徴とする請求項6の変位情報検出装置。
  9. 【請求項9】 前記受光手段は複数の受光素子を有し、
    前記光学スケールの第2領域で重ね合わせされた干渉パ
    ターンに基づく光束は該第2領域の格子部のV溝で複数
    の方向に分離されて該複数の受光素子に各々入射してい
    ることを特徴とする請求項8の変位情報検出装置。
  10. 【請求項10】 前記光源と前記凹面ミラーの反射面は
    前記レンズ系によって略共役関係となっていることを特
    徴とする請求項6,7,8又は9の変位情報検出装置。
  11. 【請求項11】 前記光学スケールの一部は前記凹面ミ
    ラーの曲率中心に位置していることを特徴とする請求項
    6から10のいずれか1項記載の変位情報検出装置。
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