JPH116930A - 高分子光導波路 - Google Patents

高分子光導波路

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JPH116930A
JPH116930A JP9175138A JP17513897A JPH116930A JP H116930 A JPH116930 A JP H116930A JP 9175138 A JP9175138 A JP 9175138A JP 17513897 A JP17513897 A JP 17513897A JP H116930 A JPH116930 A JP H116930A
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formula
group
optical
optical waveguide
polyimide
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Application number
JP9175138A
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English (en)
Inventor
Takashi Kurihara
栗原  隆
Akira Tomaru
暁 都丸
Saburo Imamura
三郎 今村
Wataru Yamashita
渉 山下
Tomomi Yoshimura
知美 吉村
Atsushi Shibuya
篤 渋谷
Yoshihiro Sakata
佳広 坂田
Hideaki Oikawa
英明 及川
Hirosuke Takuma
啓輔 詫摩
Masahiro Ota
正博 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性・耐熱性を満足した上で、加工性と光
学等方性をも同時に満足する高分子光導波路を提供す
る。 【解決手段】 一般式(化1): 【化1】 〔式中Aは不斉スピロビインダン環含有基、又はトリフ
ルオロメチル置換フェニレンジオキシ環含有基、Rは通
常のベンゼン環又はナフタレン環含有基を示す〕の構造
単位を必須成分とするポリイミドを用いるシングル又は
マルチモードの高分子光導波路。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子材料を用い
た光導波路に関するものであり、光通信、光情報処理、
微小光学あるいはその他の一般光学の分野で広く用いら
れる種々の光導波路、光導波路デバイス、光集積回路又
は光配線板に利用できる。
【0002】
【従来の技術】光導波路は、基板の表面若しくは基板表
面直下に、周囲よりわずかに屈折率の高い部分を作るこ
とにより光を閉じ込め、光の合波・分波やスイッチング
などを行う特殊な光部品である。具体的には、通信や光
情報処理の分野で有用な光合分波回路、周波数フィル
タ、光スイッチ又は光インターコネクション部品等が挙
げられる。光導波路デバイスの特長は、基本的には1本
1本の光ファイバを加工して作る光ファイバ部品と比較
して、精密に設計された導波回路を基に高機能をコンパ
クトに実現できること、量産が可能であること、多種類
の光導波路を1つのチップに集積可能であること等にあ
る。光導波路の開発の歴史を簡単に振り返ると、光導波
路デバイスは光ファイバ通信システムへの導入を想定し
て発達してきたといえる。光ファイバ通信の初期に当る
1970年代には、マルチモードファイバに対応したマ
ルチモード光導波路の研究が主であったが、1980年
代になると、シングルモードファイバを使った光通信シ
ステムが主流となったため、ここへの導入に合せてシン
グルモード光導波路の研究開発が活発化した。シングル
モード光導波路の利点は、導波光制御が容易であるこ
と、デバイスの小型化に有利であること、光パワー密度
が大きいこと、高速動作に適すること等である。一方、
マルチメディアの急速な立ち上りによって、高度なコン
ピュータ通信ばかりでなくオフィスや家庭にも光による
高速信号の配信の気運が高まる中、低コストの光部品と
してマルチモード光導波路部品が注目され始めている。
マルチモード光導波路はシングルモード光導波路に比べ
量産に適していることと接続等の取り扱いが格段に容易
なことに利点がある。従来、光導波路材料としては、透
明性に優れ光学異方性の小さい無機ガラスが主に用いら
れてきた。しかしながら、無機ガラスは、重く破損しや
すいこと、生産コストが高いこと等の問題を有してお
り、最近では、無機ガラスの代りに、可視域で極めて透
明であり通信波長でも1.3μm、1.55μmに窓の
ある透明性高分子を使って、光導波路部品を製造しよう
という動きが活発化してきている。高分子材料はスピン
コート法やディップ法等による薄膜形成が容易であり、
大面積の光導波路を作製するのに適している。また、石
英等の無機ガラス材料を用いる場合に比べて、成膜に際
して高温での熱処理工程を含まないことから、プラスチ
ック基板などの高温処理に適さない基板上にも光導波路
を作製できるという利点がある。更に、高分子の柔軟性
や強じん性を活かした基板フリーの光導波路フィルムの
作製も可能である。また、製造が基本的に低温プロセス
であること、金型を用いた量産など複製化への展開が容
易であること等により、ガラス系や半導体系の光導波路
に比べて低コスト化に対するポテンシャルが高い。こう
したことから、光通信の分野で用いられる光集積回路
や、光情報処理の分野で用いられる光配線板等の光導波
路部品を、高分子光学材料を用いて大量・安価に製造で
きることが期待されている。光導波路用高分子として
は、ポリメチルメタクリレートやポリイミドなど各種の
透明性高分子が提案され精力的に光導波路化の研究開発
が進められている。これら高分子光導波路の一部は、既
に、ファイバ部品に対しては圧倒的にコンパクトな、ま
た、ガラス系光導波路部品に対してはより低価格な代替
部品として実用化され始めている。高分子光導波路の開
発動向については、高分子、1994年、4月号、第2
71頁などに詳しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高分子光導波路が満た
すべき課題、すなわち、加工性・光学特性(透明性・光
学等方性)・耐熱性のうち、市場ニーズを考慮すると、
最も優先すべき透明性に次いで重要な特性は、耐熱性で
ある。しかし、例えば、現状で代表的な耐熱性光導波路
であるポリイミド光導波路は、芳香族主鎖の剛直性故
に、分子鎖に柔軟性がなく必要十分な導波路加工性を与
えない。更に、従来からのポリイミド光導波路は、芳香
族基の配向に起因する複屈折のため偏波依存性を有する
こととなり、入射光の強度が一定であったとしても偏波
面の変動によりその出力特性が変動してしまい実際に光
導波路として用いる場合には極端に用途が限られてしま
うという問題があった。このように、耐熱性を考慮した
従来のポリイミド光導波路は、剛直な芳香族鎖故に、光
導波路として必須の加工性及び光学等方性が十分に得ら
れないという大きな問題を有していた。本発明はこのよ
うな現状にかんがみてなされたものであり、その目的
は、透明性・耐熱性を満足した上で、従来は耐熱性の実
現と両立することが困難であった加工性と光学等方性を
も同時に満足する高分子光導波路を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明は、下記一般式(化1)で表される繰り返し構造単
位を必須成分とするポリイミドを光学コア及び/あるい
は光学クラッドとして用いることを特徴とするシングル
モードあるいはマルチモードの高分子光導波路に関す
る。
【0005】
【化1】
【0006】〔式中、Aは一般式(化2)又は一般式
(化3)で表される2価の基:
【0007】
【化2】
【0008】
【化3】
【0009】{式中、Xは炭素数1〜3のアルキル基、
炭素数1〜3のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ
基、ベンジル基、ナフチル基、あるいは、一般式(A)
又は(B)からなる式(化4)で表される1価の基:
【0010】
【化4】
【0011】(式中、Zはハロゲン、炭素数1〜3のア
ルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、あるいは水素
の一部又は全部がハロゲンで置換されたハロゲン化アル
キル基又はハロゲン化アルコキシ基を示し、Zは同種で
も異種でもよく、pは1〜5の整数である)を示し、X
は同種でも異種でもよく、m及びnは0〜4の整数であ
り、k及びiは0〜3の整数を示す}を示し、Rは一般
式(a)、(b)又は(c)からなる式(化5)で表さ
れる4価の基:
【0012】
【化5】
【0013】式中、Wはハロゲン、炭素数1〜3のアル
キル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、あるいは水素の
一部又は全部がハロゲンで置換されたハロゲン化アルキ
ル基又はハロゲン化アルコキシ基を示し、Wは同種でも
異種でもよく、sは0〜2の整数であり、qは0〜3の
整数であり、Vは直接結合、−CO−、−S−、−O
−、−SO2 −、−CH2 −、−C(CH3 2 −、−
C(CF3 2 −、あるいは、一般式(d)又は(e)
からなる式(化6)で表される2価の基を示す:
【0014】
【化6】
【0015】(式中、Gはハロゲン、炭素数1〜3のア
ルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、あるいは水素
の一部又は全部がハロゲンで置換されたハロゲン化アル
キル基又はハロゲン化アルコキシ基を示し、Gは同種で
も異種でもよく、rは0〜4の整数であり、Lは直接結
合、−CO−、−S−又は−O−で表される2価の基を
示し、Zは直接結合、−CO−、−S−、−O−、−S
2 −、−CH2 −、−C(CH3 2 −又は−C(C
3 2 −で表される2価の基を示す)を示す〕
【0016】本発明者らは、一般式(化2)で表される
不斉スピロ環、あるいは、一般式(化3)で表されるト
リフルオロメチル置換フェニレンジオキシ環を含有して
なるポリイミドが可視域から近赤外域にわたって光学的
に極めて透明であると共に十分な耐熱性を有しており、
高分子光導波路材料として有用であることを見出した。
更に、不斉スピロ環においては2つのベンゼン環が互い
に直交する構造であることにより、またトリフルオロメ
チル置換フェニレンジオキシ環においては対称性の低い
置換構造と屈曲性に富む2つのエーテル結合の存在によ
り、共に分子鎖の剛直性や分子間のスタッキングが抑制
され、光導波路作製に十分な加工性が得られることを見
出した。ここでいう光導波路作製に十分な加工性とは、
積層化に際してインターミキシングを回避できること、
スピンコート法等の簡便な方法で容易に厚膜化できドラ
イエッチングによるシングルモード光導波路の作製が容
易に行えること、金型加工によるマルチモード光導波路
の作製が容易に行えることなどをさす。また、耐熱性確
保のために芳香環分率が非常に高いにもかかわらず、複
屈折率は、上述した分子鎖の程好い屈曲性や分子間スタ
ッキング抑制効果によって従来のポリイミドに比べ十分
に低減され、当該材料を用いて作製した光導波路の偏波
依存性を許容値以下に抑止することに成功した。以上、
説明したように、新規な構造のポリイミドを用いた本発
明の光導波路において、これまで耐熱性の実現と両立し
難かった導波路加工性や光学等方性が、同時に満たされ
ることを見出し、本発明に至った。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。以下は、本発明のポリイミド光導波路の作製工程を
詳細に説明するものである。実際にポリイミド光導波路
を作製するに当っては、ポリイミド〔前記一般式(化
1)〕の前駆体であるポリアミック酸〔下記一般式(化
7)〕を用いて成膜し、膜化後ポリイミド化して導波路
加工を施すのが一般的である。
【0018】
【化7】
【0019】したがって、ポリイミド化された段階で所
望の屈折率が実現されるように予め調製されたポリアミ
ック酸を用いて、光導波路の作製を行うことが多い。膜
形成にはスピンコート法が最も一般的である。この際に
用いられる溶媒としては、トリクロロエタン、クロロホ
ルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、N−メチル
ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、m−クレゾール等が挙げられる。ポリイミド前駆
体ポリアミック酸は、溶媒の種類の選択と溶液濃度の調
整により、薄膜の形成工程に対応した適当な粘性、重ね
塗り特性を得ることができる。
【0020】本発明に従って、実際にポリイミド光導波
路を作製する場合は、まず、光導波路に要求される導波
モード条件に応じて屈折率調整を行う必要がある。すな
わち、コア材及びクラッド材として精密に制御された屈
折率差を有する少なくとも2種のポリイミドを準備しな
ければならない。屈折率は、不斉スピロ環とトリフルオ
ロメチル置換フェニレンジオキシ環の違いに代表される
芳香族分子骨格の構造により、またm−結合やp−結合
に代表される主鎖結合様式により、制御可能である。比
屈折率差の大きさは導波すべき光のモードとコアの寸法
に応じて決定されるが、一般的には0.1%〜5%の範
囲である。例えば、シングルモード光ファイバと導波光
のモード径を合せる場合、コア部の形状は8μm角の正
方形、比屈折率差は0.3%であることが望ましい。ま
た、40μm角程度のマルチモード光導波路の場合、マ
ルチモード光ファイバとのモード径を合せるには、比屈
折率差1%程度が一般的である。このような考え方に基
づいて所望の比屈折率差に調整されたコア用/クラッド
用ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を用意した後、
図1に模式的に示されるようなチャネル型の埋め込み光
導波路を作製するには、以下のような手順によるのが一
般的である。なお、図1は、高分子光導波路の断面構造
の概略を含む模式図である。図1において、符号1はコ
ア、2はクラッドを意味する。まず、スピンコート法に
よりクラッド用ポリアミック酸溶液から基板にクラッド
膜を作製する。200℃以上で1時間以上加熱処理する
ことにより硬化しポリイミド下層クラッドを形成する
(ポリイミド化は、溶媒に対する不溶性を増強させ、光
導波路作製プロセスにおけるインターミキシングの問題
を回避させる方向に有利に働く)。次いで、この上にコ
ア用ポリアミック酸を塗布し加熱ポリイミド化する。こ
のような積層工程において、通常は、インターミキシン
グを防止する手だてとしては、下層を加熱キュアするこ
とによって上層用溶剤に対する対溶剤性を確保する方法
と、上層には、より溶解性の劣る溶剤を用いる方法、更
にその両者を併用する方法がある。本発明においては、
3つ目の方法を用いているが、前述したとおり加熱キュ
ア時に溶剤耐性が増す方向への分子構造変化を伴ってい
るため、通常よりも、より効果的なインターミキシング
の防止が実現されている。インターミキシングが発生し
た場合、導波路形状が設計寸法より小さくなったり、コ
アとクラッドとの間の屈折率差に変化が生じ、光導波路
としての所望の機能の発現が困難となるため、このよう
なインターミキシング防止の工程は決して省略してはな
らない。次に、コア層の上にエッチングマスクとなる層
を形成し、フォトリソグラフィー等により導波路パタン
に加工する。エッチングマスクの材料としては、有機フ
ォトレジスト又は金属等が用いられる。次に、エッチン
グマスク越しにコア層を反応性イオンエッチングするこ
とにより所望の導波路パターンを形成することができ
る。この方法は、特に、シングルモード光導波路の作製
に有効であり、作製時間を十分確保できる場合にはマル
チモード光導波路の作製にも有効である。
【0021】本発明のポリイミド光導波路は、以上説明
したようなフォトリソグラフィーと反応性イオンエッチ
ングを利用する方法のほかに、フォトロッキング法や金
型法を利用して作製することもできる。ここでは、金型
法によるマルチモード光導波路の作製について説明す
る。マルチモード光導波路のクラッド用としては市販ポ
リイミドを使用する。ただし、加熱成形温度が、本発明
のコア用ポリイミドに比し十分に高いことが条件であ
る。屈折率はコア用ポリイミドより低く、コアに対する
比屈折率差が1%程度であることが望ましい。クラッド
への光のしみだしは無視できるので極限透明性及び光学
等方性は、コア用ポリイミドより若干劣っても問題はな
い。まず、クラッド用市販ポリイミド膜に凸形状を有す
る金型を押し付け凹形状に加熱成形後、徐冷して金型を
離型し、ポリイミドレプリカを作製する。このレプリカ
の溝部にコア用ポリイミドを埋め込みコア部を形成す
る。最後にクラッド用市販ポリイミドフィルムを加熱圧
着して、埋め込み光導波路を形成する。
【0022】以上、説明した特徴を有しかつ説明した方
法により作製された光導波路は、加工性・光学特性(透
明性・光学等方性)・耐熱性をすべて満足する理想的な
高分子光導波路である。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。下記
表1に本発明の代表的ポリイミド光導波路材料の組成を
示す。すべての材料は、ジアミン由来の構造単位と酸二
無水物由来の構造単位が交互に結合して存在する。ジア
ミン由来の構造単位、酸二無水物由来の構造単位が、そ
れぞれ複数種あっても、上述した基本構造は変らない。
表1における構造表現を、より一般的な繰り返し構造単
位で記せば、例えば、ポリイミド光導波路材料(6)及
び(8)は、下記のように式(化8)〔(6)に相当〕
と式(化9)〔(8)に相当〕と表現し直すことも可能
であり、他の(5)(7)(9)(10)についても同
様に記すことができる。以下に、表1記載のポリイミド
光導波路材料を屈折率に従って組合せ、シングルモード
あるいはマルチモードの光導波路を作製し、その光学特
性を評価した結果を記すが、本発明は、これら実施例の
みで限定されるものではない。
【0024】
【化8】
【0025】
【化9】
【0026】
【表1】
【0027】実施例1 当モル量の1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)−4
−トリフルオロメチルベンゼンと2,2−ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−
ヘキサフルオロプロパン二無水物をN,N−ジメチルア
セトアミド中・室温・窒素雰囲気下で溶液の温度が上昇
しないように注意しながら、上記構造式(化8)のポリ
イミドの前駆体であるポリアミド酸〔下記構造式(化1
0)〕ワニスAを得た。
【0028】
【化10】
【0029】同様の調製法によって、表1記載のポリイ
ミド光導波路材料(5)の前駆体ポリアミド酸ワニスB
を得た。上記のワニスA、Bは共に250℃で2時間加
熱処理することにより硬化し、それぞれ構造式(化8)
の(6)、(5)に示されるポリイミドとなる。両者の
比屈折率差は0.35%であり、屈折率の高い(5)が
コアとなる。したがって、以下に示す光導波路作製プロ
セスにおいては、ポリアミド酸ワニスAがクラッド材、
ポリアミド酸ワニスBがコア材として使用される。ま
ず、ポリアミド酸ワニスAをスピンコート法によりシリ
コン基板上に塗布して成膜した。この際、膜厚が15μ
mとなるようにスピンコータの回転数を調整した。形成
した薄膜は、250℃で2時間加熱することにより硬化
し、下部クラッド層とした。次いで、この上にポリアミ
ド酸ワニスBを用いて、コア層をスピンコート法により
形成した。スピンコータの回転数は、コア層の膜厚が8
μmとなるように調整した。この際、下部クラッド膜と
コア膜との間でインターミキシングは全く見られなかっ
た。形成したコア層は、250℃で2時間加熱すること
により硬化した。続いてフォトリソグラフィーとエッチ
ングにより直線状の導波路マスクパターンを形成した。
更に、反応性イオンエッチングにより、マスクパターン
以外の部分のコア層を除去し、幅8μm、高さ8μmの
矩形のコアリッジを形成した。この上にポリアミド酸ワ
ニスAを塗布し、下部クラッドを形成した場合と同様に
硬化して、コア/クラッド構造からなる埋め込み型チャ
ネル光導波路を作製した。上部クラッドの厚さはコアの
上面から8μmとなるようにした。この際、コアリッジ
及び下部クラッド層と上部クラッド層との間でインター
ミキシングは全く見られなかった。この光導波路をダイ
シングソーによって5cmの長さに切り出し、挿入損失
を測定したところ、波長1.3μmで1.5dB/cm
以下、波長1.55μmで4dB/cm以下であった。
また、挿入損失の偏波依存性は波長1.3μmでも波長
1.55μmでも0.5dB/cm以下であった。更
に、この光導波路の損失は75℃/90%RHの条件下
においても1箇月以上変動しなかった。
【0030】実施例2 実施例1に従って、表1のポリイミド(7)をコア、式
(化8)である(6)をクラッドとするシングルモード
光導波路を作製した。この光導波路をダイシングソーに
よって5cmの長さに切り出し、挿入損失を測定したと
ころ、波長1.3μmで1.5dB/cm以下、波長
1.55μmで4dB/cm以下であった。また、挿入
損失の偏波依存性は波長1.3μmでも波長1.55μ
mでも0.5dB/cm以下であった。更に、この光導
波路の損失は75℃/90%RHの条件下においても1
箇月以上変動しなかった。
【0031】実施例3 表1記載のポリイミド式(化9)である(8)をコア、
(9)をクラッドとするマルチモード光導波路を作製し
た。コア材(8)とクラッド材(9)の波長850nm
での比屈折率差は約1%となるよう調製した。マルチモ
ード光導波路作製プロセスは実施例1と同様にフォトリ
ソグラフィーと反応性イオンエッチングを用いた。ただ
しコア口径が、40μm×40μmとなるようにした。
長さ5cmのマルチモード直線光導波路について、波長
850nmの光透過モードでニアフィールドパターンを
観察したところ、コア部分のみがマルチモード導波特有
のパターンで明るく光ることを確認した。更に、この波
長での光伝搬損失を測定したところ、0.8dB/cm
であった。更に、この導波路の損失は200℃において
も、また、75℃/90%RHの条件下においても1箇
月以上変動しなかった。
【0032】実施例4 表1記載のポリイミド(10)をコア、(9)をクラッ
ドとするマルチモード光導波路を作製した。コア材(1
0)とクラッド材(9)の波長850nmでの比屈折率
差は約1%となるよう調製した。マルチモード光導波路
作製プロセスは実施例1と同様にフォトリソグラフィー
と反応性イオンエッチングを用いた。ただしコア口径
が、40μm×40μmとなるようにした。長さ5cm
のマルチモード直線光導波路について、波長850nm
の光透過モードでニアフィールドパターンを観察したと
ころ、コア部分のみがマルチモード導波特有のパターン
で明るく光ることを確認した。更に、この波長での光伝
搬損失を測定したところ、0.4dB/cmと非常に低
損失であった。更に、この導波路の損失は150℃にお
いても、また、75℃/90%RHの条件下においても
1箇月以上変動しなかった。
【0033】実施例5 表1記載のポリイミド(10)をコア、前記ポリイミド
(10)より比屈折率差は約1%屈折率が低く250℃
以上のガラス転移温度の市販のポリイミドをクラッドと
するマルチモード光導波路は、以下に具体的に示す金型
法によって簡便に量産することができた。平滑基板に厚
さ200μmのクラッド用市販ポリイミドを圧着し、こ
こに、凸状金型(凸部の高さ40μm、幅40μm、長
さ6cm)を圧力をかけながら加熱成形後、徐冷して金
型を離型し、ポリイミドレプリカを作製した。このレプ
リカの溝部に、コア用ポリイミドを注入しコア部を形成
した。最後に厚さ200μmのクラッド用市販ポリイミ
ドフィルムを加熱圧着して、埋め込み光導波路を形成し
た。この光導波路をダイシングソーによって5cmの長
さに切り出し、波長850nmの光透過モードでニアフ
ィールドパターンを観察したところ、コア部分のみがマ
ルチモード導波特有のパターンで明るく光ることを確認
した。更に、この波長での光伝搬損失を測定したとこ
ろ、0.5dB/cmであった。更に、この導波路の損
失は150℃においても、また、75℃/90%RHの
条件下においても1箇月以上変動しなかった。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のポリイミ
ド光導波路は、加工性・光学特性(透明性・光学等方
性)・耐熱性をすべて満足する理想的な高分子光導波路
である。また、本発明で説明した光導波路の作製方法を
用いれば、所望の光導波路を低コストで大量に生産する
ことが可能である。したがって、本発明は、光通信、光
情報処理、微小光学あるいはその他の一般光学の分野で
用いられる種々の光導波路デバイス(光スイッチ、光フ
ィルタなど)、光集積回路、又は、光配線板等に広く適
用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高分子光導波路の断面構造の概略を含む模式図
である。
【符号の説明】
1:コア、2:クラッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今村 三郎 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 山下 渉 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井東圧 化学株式会社内 (72)発明者 吉村 知美 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 渋谷 篤 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 坂田 佳広 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 及川 英明 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 詫摩 啓輔 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 太田 正博 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(化1)で表される繰り返し
    構造単位を必須成分とするポリイミドを光学コア及び/
    あるいは光学クラッドとして用いることを特徴とするシ
    ングルモードあるいはマルチモードの高分子光導波路。 【化1】 〔式中、Aは一般式(化2)又は一般式(化3)で表さ
    れる2価の基: 【化2】 【化3】 {式中、Xは炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3
    のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ベンジル
    基、ナフチル基、あるいは、一般式(A)又は(B)か
    らなる式(化4)で表される1価の基: 【化4】 (式中、Zはハロゲン、炭素数1〜3のアルキル基、炭
    素数1〜3のアルコキシ基、あるいは水素の一部又は全
    部がハロゲンで置換されたハロゲン化アルキル基又はハ
    ロゲン化アルコキシ基を示し、Zは同種でも異種でもよ
    く、pは1〜5の整数である)を示し、Xは同種でも異
    種でもよく、m及びnは0〜4の整数であり、k及びi
    は0〜3の整数を示す}を示し、Rは一般式(a)、
    (b)又は(c)からなる式(化5)で表される4価の
    基: 【化5】 式中、Wはハロゲン、炭素数1〜3のアルキル基、炭素
    数1〜3のアルコキシ基、あるいは水素の一部又は全部
    がハロゲンで置換されたハロゲン化アルキル基又はハロ
    ゲン化アルコキシ基を示し、Wは同種でも異種でもよ
    く、sは0〜2の整数であり、qは0〜3の整数であ
    り、Vは直接結合、−CO−、−S−、−O−、−SO
    2 −、−CH2 −、−C(CH3 2 −、−C(C
    3 2 −、あるいは、一般式(d)又は(e)からな
    る式(化6)で表される2価の基を示す: 【化6】 (式中、Gはハロゲン、炭素数1〜3のアルキル基、炭
    素数1〜3のアルコキシ基、あるいは水素の一部又は全
    部がハロゲンで置換されたハロゲン化アルキル基又はハ
    ロゲン化アルコキシ基を示し、Gは同種でも異種でもよ
    く、rは0〜4の整数であり、Lは直接結合、−CO
    −、−S−又は−O−で表される2価の基を示し、Zは
    直接結合、−CO−、−S−、−O−、−SO2 −、−
    CH2 −、−C(CH3 2 −又は−C(CF3 2
    で表される2価の基を示す)を示す〕
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