JP3943862B2 - 光導波路素子およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば光集積回路、光インターコネクション、光合分波等の光学部品に適用可能な光導波路素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光部品、あるいは光ファイバの基材としては、光伝搬損失が小さく、伝送帯域が広いという特徴を有する石英ガラスや多成分ガラス等の無機系の材料が広く使用されている。
【0003】
最近では高分子系の材料も開発され、無機系材料に比べて加工性や価格の点で優れていることから、光導波路用材料として注目されている。例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、あるいは、ポリスチレンのような透明性に優れた高分子をコアとし、そのコア材料よりも屈折率の低い高分子をクラッド材料としたコア−クラッド構造からなる平板型光導波路が作製されている(特開平3−188402号)。また、松浦らにより耐熱性の高い透明性高分子であるポリイミドを用い低損失の平板型光導波路が実現されている(特開平2−110500号)。
【0004】
しかし、これらの方法はいずれにおいても、クラッド層の表面にコア構造を形成するに際して、一枚毎にフォトレジストを用いたコアパターンの形成やこれに引き続いての反応性イオンエッチングなどによる凹凸加工が必要であり、量産性や低価格化の点で課題があった。
【0005】
そこで、導波路のコアパターン上に表面を凹凸加工した金型を、溶融状態や溶液状態の高分子に押し当てそのまま高分子を硬化させ凹凸の転写を高分子表面に行う方法により量産性を向上しようとする検討が行われている。微細な溝が表面に形成された高分子クラッド基板表面に、硬化させると基板よりも屈折率が高くなるコア材料をモノマー状態で滴下した後、スキージなどを使って表面を掃くことによって、溝の中にだけモノマー材料を充填した後、重合、硬化させることによって、ポリマー光導波路を製造する方法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらスキージでモノマー材料を溝に埋め込む方法では、スキージする方向が溝を横切る方向かそれと直角方向かによって埋め込み量が異なるので、溝が互いに平行でない箇所では埋め込み量が異なる。
【0007】
その対策として、まずコア材料を厚目に埋め込み、その後プラズマエッチング等でエッチバックし、余分なコアを除去している。この方法では、プラズマエッチング装置が必要となり、製造コストも高くなってしまう。
【0008】
本発明の目的は、上記従来の問題点を解消すべくなされたものであり、工程数を増やすことなくコア材の埋め込み後の断面形状に窪みがあっても低い光伝搬損失を示す光導波路素子およびその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討した結果、コア窪み深さとコア膜厚を最適化することにより前記課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
[1]本発明は、表面に凹溝を有するクラッド部材と、凹溝および凹溝周辺を覆うように配置されたコア部材とを備え、コア部材の表面は、凹溝周辺よりも凹溝で低くなる窪みが存在し、窪み深さは、凹溝周辺でのコア部材の厚さと比べて同等もしくは大きく、凹溝周辺のコア部材と凹溝のコア部材とが連続して形成されていることを特徴とする光導波路素子である。
【0011】
[2]また本発明は、コア部材は高分子材料で形成されることが好ましい。
[3]また本発明は、コア部材の表面を覆うように配置された第2のクラッド部材を備えることが好ましい。
【0012】
[4]また本発明は、表面に凹溝を有する第1のクラッド部材を用意する工程と、第1のクラッド部材の上に第1の液状高分子材料を塗布し、凹溝および凹溝周辺を覆う工程と、塗布した第1の液状高分子材料を熱処理して、表面に凹溝周辺よりも凹溝で低くなる窪みを有し、かつ、窪み深さが凹溝周辺での厚さと比べて同等もしくは大きく、凹溝周辺のコア部材と凹溝のコア部材とが連続しているコア部材を形成する工程と、第1のクラッド部材およびコア部材の上に第2の液状高分子材料を塗布する工程と、塗布した第2の液状高分子材料を熱処理して、第2のクラッド部材を形成する工程とを含むことを特徴とする光導波路素子の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。ここでは、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸溶液を用いたポリイミド光導波路の作製を例に挙げて説明するが、光導波路の材料としてポリアミド酸溶液以外の光学用材料の樹脂溶液などを用いて作製することももちろん可能である。
【0014】
図1は、本発明の光導波路製造工程の一例を工程図として示す。図1の符号1は溝加工下部クラッド、符号2はコア材料、符号3は上部クラッドである。図2は、コアの埋め込み断面形状の一例を示す部分拡大図である。図2の符号11は凹溝周辺でのコア膜厚、符号12は凹溝での窪み深さである。
【0015】
まず、射出成形などにより幅10μm、深さ12μmの凹溝加工を施したクラッド1を形成する。次にその溝にコア材料2としてポリイミドの前駆体である樹脂濃度15wt%ポリアミド酸溶液を溝部にスピンコートし、その後熱処理によってイミド化させる。このとき溝部以外に形成されたコア膜厚11は2μmである。この膜厚はスピンコートの回転数を変えるだけで調整することが出来る。窪み深さ12は溝部以外に形成されたコア膜厚よりも大きい5μmである。
【0016】
次に、上部クラッドとなるポリアミド酸溶液をスピンコート等の方法でコートし、加熱イミド化させる。このとき、幅10μm、高さ7μmのコアが擬似的に形成できていることになる。このようにして、溶液状態の高分子についても溝部への埋め込み方法を用いて、高分子光導波路が作製できる。
【0017】
【実施例】
引き続いて、いくつかの実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。なお、分子構造の異なる種々の高分子の溶液を用いることにより数限りない本発明の高分子光導波路が得られることは明らかである。したがって、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0018】
(実施例1)
射出成形により形成した2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)と2,2−ビス(トリフルオロメチル)−4, 4' −ジアミノビフェニル(TFDB)の幅10μm×深さ12μm×長さ5cm×100本の溝加工ポリイミド上にコア材料となる6FDAと4, 4' −オキシジアニリン(ODA)の15wt%ポリアミド酸溶液をスピンコートし、加熱イミド化させた。コアはみ出し厚さ11は1.5μm、溝部の窪み深さ12は5μmであった。
【0019】
次にその上から、6FDA/TFDBの15wt%ポリアミド酸溶液をスピンコートにより塗布し、加熱イミド化させ上部クラッドを形成した。
【0020】
このようにして擬似的にコア径10μm×7μmの埋込型ポリイミド光導波路が作製できた。
【0021】
モードフィールド径9.5μmの光ファイバとこの光導波路の結合損失は、両端で約0.4dBであり、光伝搬損失は0.5dB/cmであった。また、はみ出し部への光の漏洩は無かった。これは次の述べるコア部以外のコア材を除去した場合と同等の性能であり、煩雑な除去工程を用いなくてもよいことがわかる。
【0022】
(比較例1)
射出成形により形成した6FDA/TFDBの幅10μm×深さ7μm×長さ5cm×100本の溝加工ポリイミド上にコア材料となる6FDA/ODAの20wt%ポリアミド酸溶液を厚さ10μmの条件で滴下し、加熱イミド化させた。
【0023】
次に、溝からはみ出た余分なコア材をドライエッチングによって除去した。
次にその上から、6FDA/TFDBの15wt%ポリアミド酸溶液をスピンコートにより塗布し、加熱イミド化させ上部クラッドを形成した。
【0024】
モードフィールド径9.5μmの光ファイバとこの光導波路の結合損失は、両端で約0.4dBであり、光伝搬損失は0.5dB/cmであった。しかしながら、量産性などに不向きなドライエッチング工程が増えてしまう。
【0025】
(比較例2)
射出成形により形成した6FDA/TFDBの幅10μm×深さ7μm×長さ5cm×100本の溝加工ポリイミド上にコア材料となる6FDA/ODAの20wt%ポリアミド酸溶液を厚さ7μmの条件で滴下し、加熱イミド化させた。コアはみ出し厚さ11は7μm、溝部の窪み深さ12は4μmであった。
【0026】
次にその上から、6FDA/TFDBの15wt%ポリアミド酸溶液をスピンコートにより塗布し、加熱イミド化させ上部クラッドを形成した。
【0027】
このとき、光はコアのはみ出し部に漏洩してしまった。そのため、光伝搬損失は、10dB/cm以上となってしまった。
【0028】
【発明の効果】
以上詳説したように本発明によれば、コア部材の表面に存在する窪み深さと凹溝周辺でのコア部材の厚さとの関係を最適化することによって、凹溝周辺にコア部材が残っていても光伝搬損失の低減化が図られる。そのため、溶液状態の高分子材料の塗布によって光導波路素子を製造できるようになり、種々の材料の高分子光導波路が安価に量産できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるコア材料の埋め込み工程を含む光導波路作製の一例を示す工程図である。
【図2】コアの埋め込み断面形状の一例を示す部分拡大図である。
【符号の説明】
1 溝加工下部クラッド
2 コア
3 上部クラッド
11 凹溝周辺でのコア膜厚
12 凹溝での窪み深さ
Claims (4)
- 表面に凹溝を有するクラッド部材と、
凹溝および凹溝周辺を覆うように配置されたコア部材とを備え、
コア部材の表面は、凹溝周辺よりも凹溝で低くなる窪みが存在し、
窪み深さは、凹溝周辺でのコア部材の厚さと比べて同等もしくは大きく、
凹溝周辺のコア部材と凹溝のコア部材とが連続して形成されていることを特徴とする光導波路素子。 - コア部材は高分子材料で形成されることを特徴とする請求項1記載の光導波路素子。
- コア部材の表面を覆うように配置された第2のクラッド部材を備えることを特徴とする請求項1記載の光導波路素子。
- 表面に凹溝を有する第1のクラッド部材を用意する工程と、
第1のクラッド部材の上に第1の液状高分子材料を塗布し、凹溝および凹溝周辺を覆う工程と、
塗布した第1の液状高分子材料を熱処理して、表面に凹溝周辺よりも凹溝で低くなる窪みを有し、かつ、窪み深さが凹溝周辺での厚さと比べて同等もしくは大きく、凹溝周辺のコア部材と凹溝のコア部材とが連続しているコア部材を形成する工程と、
第1のクラッド部材およびコア部材の上に第2の液状高分子材料を塗布する工程と、
塗布した第2の液状高分子材料を熱処理して、第2のクラッド部材を形成する工程とを含むことを特徴とする光導波路素子の製造方法。
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