JPH116929A - 高分子光導波路 - Google Patents

高分子光導波路

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JPH116929A
JPH116929A JP9175137A JP17513797A JPH116929A JP H116929 A JPH116929 A JP H116929A JP 9175137 A JP9175137 A JP 9175137A JP 17513797 A JP17513797 A JP 17513797A JP H116929 A JPH116929 A JP H116929A
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group
optical
optical waveguide
carbon atoms
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JP9175137A
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English (en)
Inventor
Takashi Kurihara
栗原  隆
Akira Tomaru
暁 都丸
Saburo Imamura
三郎 今村
Atsushi Shibuya
篤 渋谷
Tomomi Yoshimura
知美 吉村
Yoshihiro Sakata
佳広 坂田
Wataru Yamashita
渉 山下
Hideaki Oikawa
英明 及川
Hirosuke Takuma
啓輔 詫摩
Masahiro Ota
正博 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性・耐熱性を満足した上で、加工性と光
学等方性をも同時に満足する高分子光導波路を提供す
る。 【解決手段】 一般式(化1): 【化1】 〔式中Aは不斉スピロビインダン環含有基、又はトリフ
ルオロメチル置換フェニレンジオキシ環含有基、Rは通
常のベンゼン環又はナフタレン環含有基を示す〕の構造
単位を必須成分とするポリアミドを用いるシングル又は
マルチモードの高分子光導波路。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子材料を用い
た光導波路に関するものであり、光通信、光情報処理、
微小光学あるいはその他の一般光学の分野で広く用いら
れる種々の光導波路、光導波路デバイス、光集積回路又
は光配線板に利用できる。
【0002】
【従来の技術】光導波路は、基板の表面若しくは基板表
面直下に、周囲よりわずかに屈折率の高い部分を作るこ
とにより光を閉じ込め、光の合波・分波やスイッチング
などを行う特殊な光部品である。具体的には、通信や光
情報処理の分野で有用な光合分波回路、周波数フィル
タ、光スイッチ又は光インターコネクション部品等が挙
げられる。光導波路デバイスの特長は、基本的には1本
1本の光ファイバを加工して作る光ファイバ部品と比較
して、精密に設計された導波回路を基に高機能をコンパ
クトに実現できること、量産が可能であること、多種類
の光導波路を1つのチップに集積可能であること等にあ
る。光導波路の開発の歴史を簡単に振り返ると、光導波
路デバイスは光ファイバ通信システムへの導入を想定し
て発達してきたといえる。光ファイバ通信の初期に当る
1970年代には、マルチモードファイバに対応したマ
ルチモード光導波路の研究が主であったが、1980年
代になると、シングルモードファイバを使った光通信シ
ステムが主流となったため、ここへの導入に合せてシン
グルモード光導波路の研究開発が活発化した。シングル
モード光導波路の利点は、導波光制御が容易であるこ
と、デバイスの小型化に有利であること、光パワー密度
が大きいこと、高速動作に適すること等である。一方、
マルチメディアの急速な立ち上りによって、高度なコン
ピュータ通信ばかりでなくオフィスや家庭にも光による
高速信号の配信の気運が高まる中、低コストの光部品と
してマルチモード光導波路部品が注目され始めている。
マルチモード光導波路はシングルモード光導波路に比べ
量産に適していることと接続等の取り扱いが格段に容易
なことに利点がある。従来、光導波路材料としては、透
明性に優れ光学異方性の小さい無機ガラスが主に用いら
れてきた。しかしながら、無機ガラスは、重く破損しや
すいこと、生産コストが高いこと等の問題を有してお
り、最近では、無機ガラスの代りに、可視域で極めて透
明であり通信波長でも1.3μm、1.55μmに窓の
ある透明性高分子を使って、光導波路部品を製造しよう
という動きが活発化してきている。高分子材料はスピン
コート法やディップ法等による薄膜形成が容易であり、
大面積の光導波路を作製するのに適している。また、石
英等の無機ガラス材料を用いる場合に比べて、成膜に際
して高温での熱処理工程を含まないことから、プラスチ
ック基板などの高温処理に適さない基板上にも光導波路
を作製できるという利点がある。更に、高分子の柔軟性
や強じん性を活かした基板フリーの光導波路フィルムの
作製も可能である。また、製造が基本的に低温プロセス
であること、金型を用いた量産など複製化への展開が容
易であること等により、ガラス系や半導体系の光導波路
に比べて低コスト化に対するポテンシャルが高い。こう
したことから、光通信の分野で用いられる光集積回路
や、光情報処理の分野で用いられる光配線板等の光導波
路部品を、高分子光学材料を用いて大量・安価に製造で
きることが期待されている。光導波路用高分子として
は、ポリメチルメタクリレートやポリイミドなど各種の
透明性高分子が提案され精力的に光導波路化の研究開発
が進められている。これら高分子光導波路の一部は、既
に、ファイバ部品に対しては圧倒的にコンパクトな、ま
た、ガラス系光導波路部品に対してはより低価格な代替
部品として実用化され始めている。高分子光導波路の開
発動向については、高分子、1994年、4月号、第2
17頁などに詳しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高分子光導波路が満た
すべき課題、すなわち、加工性・光学特性(透明性・光
学等方性)・耐熱性のうち、市場ニーズを考慮すると、
最も優先すべき透明性に次いで重要な特性は、耐熱性で
ある。しかし、例えば代表的な耐熱性光導波路であるポ
リイミド光導波路は、芳香族主鎖の剛直性故に、分子鎖
に柔軟性がなく必要十分な導波路加工性を与えない。更
に、従来からのポリイミド光導波路は、芳香族基の配向
に起因する複屈折のため偏波依存性を有することとな
り、入射光の強度が一定であったとしても偏波面の変動
によりその出力特性が変動してしまい実際に光導波路と
して用いる場合には極端に用途が限られてしまうという
問題があった。このように、耐熱性を考慮した従来のポ
リイミド光導波路は、剛直な芳香族鎖故に、光導波路と
して必須の加工性及び光学等方性が十分に得られないと
いう大きな問題を有していた。本発明はこのような現状
にかんがみてなされたものであり、その目的は、透明性
・耐熱性を満足した上で、従来は耐熱性の実現と両立す
ることが困難であった加工性と光学等方性をも同時に満
足する高分子光導波路を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明は、下記一般式(化1)で表される繰り返し構造単
位を必須成分とするポリアミドを光学コア及び/あるい
は光学クラッドとして用いるシングルモードあるいはマ
ルチモードの高分子光導波路に関する。
【0005】
【化1】
【0006】〔式中、Aは一般式(化2)又は一般式
(化3)で表される2価の基:
【0007】
【化2】
【0008】
【化3】
【0009】{式中、Xは炭素数1〜3のアルキル基、
炭素数1〜3のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ
基、ベンジル基、ナフチル基、あるいは、一般式(A)
又は(B)からなる式(化4)で表される1価の基:
【0010】
【化4】
【0011】(式中、Zはハロゲン、炭素数1〜3のア
ルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、あるいは水素
の一部又は全部がハロゲンで置換されたハロゲン化アル
キル基又はハロゲン化アルコキシ基を示し、Zは同種で
も異種でもよく、pは1〜5の整数である)を示し、X
は同種でも異種でもよく、m及びnは0〜4の整数であ
り、k及びiは0〜3の整数を示す}を示し、Rは一般
式(a)、(b)又は(c)からなる式(化5)で表さ
れる2価の基:
【0012】
【化5】
【0013】式中、Wはハロゲン、炭素数1〜3のアル
キル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、あるいは水素の
一部又は全部がハロゲンで置換されたハロゲン化アルキ
ル基又はハロゲン化アルコキシ基を示し、Wは同種でも
異種でもよく、qは0〜4の整数であり、sは0〜3の
整数であり、Vは直接結合、−CO−、−S−、−O
−、−SO2 −、−CH2 −、−C(CH3 2 −、−
C(CF3 2 −、あるいは一般式(d)(e)(f)
又は(g)からなる式(化6)で表される2価の基を示
す:
【0014】
【化6】
【0015】(式中、Gはハロゲン、炭素数1〜3のア
ルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、あるいは水素
の一部又は全部がハロゲンで置換されたハロゲン化アル
キル基又はハロゲン化アルコキシ基を示し、Gは同種で
も異種でもよく、rは0〜4の整数であり、Lは直接結
合、−CO−、−S−又は−O−で表される2価の基を
示し、Zは直接結合、−CO−、−S−、−O−、−S
2 −、−CH2 −、−C(CH3 2 −又は−C(C
3 2 −で表される2価の基を示す)を示す〕
【0016】本発明者らは、一般式(化2)で表される
不斉スピロ環あるいは一般式(化3)で表されるトリフ
ルオロメチル置換フェニレンジオキシ環を含有してなる
ポリアミドが可視域から近紫外域にわたって光学的に極
めて透明であると共に十分な耐熱性を有しており、高分
子光導波路材料として有用であることを見出した。更
に、不斉スピロ環においては2つのベンゼン環が互いに
直交する構造であることにより、またトリフルオロメチ
ル置換フェニレンジオキシ環においては対称性の低い置
換構造と屈曲性に富む2つのエーテル結合の存在によ
り、共に分子鎖の剛直性や分子間のスタッキングが抑制
され、光導波路作製に十分な加工性が得られることを見
出した。ここでいう光導波路作製に十分な加工性とは、
積層化に際してインターミキシングを回避できること、
スピンコート法等の簡便な方法で容易に厚膜化できドラ
イエッチングによるシングルモード光導波路の作製が容
易に行えること、金型加工によるマルチモード光導波路
の作製が容易に行えることなどをさす。また、耐熱性確
保のために芳香環分率が非常に高いにもかかわらず、複
屈折率は、上述した分子鎖の程好い屈曲性や分子間スタ
ッキング抑制効果によって従来のポリアミドに比べ十分
に低減され、当該材料を用いて作製した光導波路の偏波
依存性を許容値以下に抑止することに成功した。以上、
説明したように、本発明のポリアミドを用いた光導波路
において、これまで耐熱性の実現に伴って達成が困難と
なっていた導波路加工性や光学等方性も同時に満たされ
ることを見出し、本発明に至った。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。以下は、本発明のポリアミド光導波路の作製工程を
詳細に説明するものである。膜形成にはスピンコート法
が最も一般的である。この際に用いられる溶媒として
は、トリクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼ
ン、ジクロロベンゼン、N−メチルピロリドン、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、m−クレゾー
ル等が挙げられる。該ポリアミドは、溶媒の種類の選択
と溶液濃度の調整により、薄膜の形成工程に対応した適
当な粘性、重ね塗り特性を得ることができる。本発明に
従って、実際に該ポリアミドを用いて光導波路を作製す
る場合は、まず、光導波路に要求される導波モード条件
に応じて屈折率調整を行う必要がある。すなわち、コア
材及びクラッド材として精密に制御された屈折率差を有
する少なくとも2種のポリアミドを準備しなければなら
ない。屈折率は、不斉スピロ環とトリフルオロメチル置
換フェニレンジオキシ環の違いに代表される芳香族分子
骨格の構造により、またm−結合やp−結合に代表され
る主鎖結合様式により、制御可能である。比屈折率差の
大きさは導波すべき光のモードとコアの寸法に応じて決
定されるが、一般的には0.1%〜5%の範囲である。
例えば、シングルモード光ファイバと導波光のモード径
を合せる場合、コア部の形状は8μm角の正方形、比屈
折率差は0.3%であることが望ましい。また、40μ
m角程度のマルチモード光導波路の場合、マルチモード
光ファイバとのモード径を合せるには、比屈折率差1%
程度が一般的である。このようにして、所望の比屈折率
差に調整されたコア用/クラッド用ポリアミドを用意し
た後、図1に模式的に示されるようなチャネル型の埋め
込み光導波路を作製するには、以下のような手順による
のが一般的である。なお、図1は、高分子光導波路の断
面構造の概略を含む模式図である。図1において、符号
1はコア、2はクラッドを意味する。まず、スピンコー
ト法によりクラッド用ポリアミド溶液から基板にクラッ
ド膜を作製する。次いで、この上にコア用ポリアミドを
塗布する。このような積層工程においてインターミキシ
ングを防止する手だてとしては、下層を加熱キュアする
ことによって上層用溶剤に対する対溶剤性を確保する方
法と、上層には、より溶解性の劣る溶剤を用いる方法、
更にその両者を併用する方法がある。本発明において
は、3つ目の方法を用いている。インターミキシングが
発生した場合、導波路形状が設計寸法より小さくなった
り、コアとクラッドとの間の屈折率差に変化が生じ、光
導波路としての所望の機能の発現が困難となるため、こ
のようなインターミキシング防止の工程は決して省略し
てはならない。次に、コア層の上にエッチングマスクと
なる層を形成し、フォトリソグラフィー等により導波路
パターンに加工する。エッチングマスクの材料として
は、有機フォトレジスト又は金属等が用いられる。次
に、エッチングマスク越しにコア層を反応性イオンエッ
チングすることにより所望の導波路パターンを形成する
ことができる。この方法は、特に、シングルモード光導
波路の作製に有効であり、作製時間を十分確保できる場
合にはマルチモード光導波路の作製にも有効である。
【0018】本発明のポリアミド光導波路は、以上説明
したようなフォトリソグラフィーと反応性イオンエッチ
ングを利用する方法のほかに、フォトロッキング法や金
型法を利用して作製することもできる。ここでは、金型
法によるマルチモード光導波路の作製について説明す
る。マルチモード光導波路のクラッド用としては市販ポ
リアミドを使用する。ただし、加熱成形温度が、本発明
のコア用ポリアミドに比し十分に高いことが条件であ
る。屈折率はコア用ポリアミドより低く、コアに対する
比屈折率差が1%程度であることが望ましい。クラッド
への光のしみだしは無視できるので極限透明性及び光学
等方性は、コア用ポリアミドより若干劣っても問題はな
い。まず、クラッド用市販ポリアミド膜に凸形状を有す
る金型を押し付け凹形状に加熱成形後、徐冷して金型を
離型し、ポリアミドレプリカを作製する。このレプリカ
の溝部に、コア用ポリアミド膜を注入しコア部を形成す
る。最後にクラッド用市販ポリアミドフィルムを加熱圧
着して、埋め込み光導波路を形成する。
【0019】以上、説明した特徴を有しかつ説明した方
法により作製された光導波路は、加工性・光学特性(透
明性・光学等方性)・耐熱性をすべて満足する理想的な
高分子光導波路である。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0021】実施例1 下記構造式(化7)で表される繰り返し単位からなる不
斉スピロ環含有ポリアミド(ガラス転移温度:202
℃、1.3μm帯でのTEモード屈折率:1.597
7)をコアとし、下記構造式(化8)で表される繰り返
し単位からなる不斉スピロ環含有ポリアミド(ガラス転
移温度:225℃、1.3μm帯でのTEモード屈折
率:1.5923)をクラッドとするシングルモード光
導波路は下記のようにして作製した。
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】必要量の下層クラッドのN−メチルピロリ
ドン溶液をシリコン基板に滴下し、スピンコート法によ
り薄膜化した。これを加熱乾燥キュアし、厚さ18μm
の下層クラッド膜を得た。次に、コアのトリクロロエタ
ン/N−メチルピロリドン/イソプロピルアルコール混
合溶液を下層クラッド膜上に滴下し滴下と同時にスピン
コート法により塗膜した。この際、下層クラッド膜とコ
ア膜との間にインターミキシングは全く見られなかっ
た。これを加熱乾燥キュア後の膜厚は、設定通り8μm
となった。次に、フォトリソグラフィーにより、幅7μ
mから1μm置きに11μmまでの直線状マスクパター
ンを形成した。次いで、反応性イオンエッチングによ
り、マスクパターン以外のコア層をエッチングし、コア
リッジを形成した。この一部を取り出し、電子顕微鏡で
断面形状構造を確認したところ、エッチングはほぼ垂直
に実現しており、高さ8μm、幅5μmから10μmの
コアリッジが形成されていることを確認した。このよう
にして作製したコアリッジをもう一度加熱乾燥キュア
後、上部クラッド用トリクロロエタン/N−メチルピロ
リドン/イソプロピルアルコール混合溶液を塗布した。
これを乾燥して、埋め込み型チャネル構造からなる光導
波路を形成した。このようにして作製した光導波路の両
端をダイシングソーで切り落とし、長さ5cmの直線光
導波路を得た。断面を光透過モードで顕微鏡観察したと
ころ、コアのみが明るく光ることを確認した。コア径が
8μm×8μmの光導波路を選び、伝搬損失を測定した
ところ、波長1.3μmで0.3dB/cm、1.55
μmで0.8dB/cmであった。両通信波長におい
て、TEモードとTMモードの損失差(偏波依存損失)
は非常に小さかった。また導波は完全なシングルモード
であった。更に、この導波路の損失は150℃において
も、また、75℃/90%RHの条件下においても1箇
月以上変動しなかった。
【0025】また、コアとして下記構造式(化9)で表
される繰り返し単位からなるトリフルオロメチル置換フ
ェニレンジオキシ環含有ポリアミド(ガラス転移温度:
203℃、1.3μm帯でのTEモード屈折率:1.5
979)、クラッドとして上記同様に構造式(化8)か
らなるポリアミドを用いて作製した光導波路も、上記と
同等の光透過特性、偏波無依存性を示した。
【0026】
【化9】
【0027】実施例2 構造式(化9)からなるトリフルオロメチル置換フェニ
レンジオキシ環含有ポリアミド(ガラス転移温度:20
3℃、0.85μm帯でのTEモード屈折率:1.60
9)をコアとし、0.85μm帯でのTEモード屈折
率:1.593の市販のポリアミドをクラッドとするマ
ルチモード光導波路は下記のようにして作製した。プロ
セスは実施例1と同様にフォトリソグラフィーと反応性
イオンエッチングを用いた。ただしコア口径が、40μ
m×40μmとなるようにした。長さ5cmのマルチモ
ード直線光導波路について、波長850nmの光透過モ
ードでニアフィールドパターンを観察したところ、コア
部分のみがマルチモード導波特有のパターンで明るく光
ることを確認した。更に、この波長での光伝搬損失を測
定したところ、0.3dB/cmであった。更に、この
導波路の損失は150℃においても、また、75℃/9
0%RHの条件下においても1箇月以上変動しなかっ
た。
【0028】実施例3 実施例2において得られたようなマルチモード光導波路
は、以下に具体的に示す金型法によって、更に簡便に量
産することができた。平滑基板に厚さ200μmのクラ
ッド用市販ポリアミドを圧着し、ここに、凸状金型(凸
部の高さ40μm、幅40μm、長さ6cm)を圧力を
かけながら加熱成形後、徐冷して金型を離型し、ポリア
ミドレプリカを作製した。このレプリカの溝部に、コア
用ポリアミド膜を注入しコア部を形成した。最後に厚さ
200μmのクラッド用市販ポリアミドフィルムを加熱
圧着して、埋め込み光導波路を形成した。この光導波路
をダイシングソーによって5cmの長さに切り出し、波
長850nmの光透過モードでニアフィールドパターン
を観察したところ、コア部分のみがマルチモード導波特
有のパターンで明るく光ることを確認した。更に、この
波長での光伝搬損失を測定したところ、0.3dB/c
mであった。更に、この導波路の損失は150℃におい
ても、また、75℃/90%RHの条件下においても1
箇月以上変動しなかった。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のポリアミ
ド光導波路は、加工性・光学特性(透明性・光学等方
性)・耐熱性をすべて満足する理想的な高分子光導波路
である。また、本発明で説明した光導波路の作製方法を
用いれば、所望の光導波路を低コストで大量に生産する
ことが可能である。したがって、本発明は、光通信、光
情報処理、微小光学あるいはその他の一般光学の分野で
用いられる種々の光導波路デバイス(光スイッチ、光フ
ィルタなど)、光集積回路、又は、光配線板等に広く適
用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高分子光導波路の断面構造の概略を含む模式図
である。
【符号の説明】
1:コア、2:クラッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今村 三郎 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 渋谷 篤 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 吉村 知美 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 坂田 佳広 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 山下 渉 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井東圧 化学株式会社内 (72)発明者 及川 英明 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 詫摩 啓輔 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 太田 正博 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(化1)で表される繰り返し
    構造単位を必須成分とするポリアミドを光学コア及び/
    あるいは光学クラッドとして用いることを特徴とするシ
    ングルモードあるいはマルチモードの高分子光導波路。 【化1】 〔式中、Aは一般式(化2)又は一般式(化3)で表さ
    れる2価の基: 【化2】 【化3】 {式中、Xは炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3
    のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ベンジル
    基、ナフチル基、あるいは、一般式(A)又は(B)か
    らなる式(化4)で表される1価の基: 【化4】 (式中、Zはハロゲン、炭素数1〜3のアルキル基、炭
    素数1〜3のアルコキシ基、あるいは水素の一部又は全
    部がハロゲンで置換されたハロゲン化アルキル基又はハ
    ロゲン化アルコキシ基を示し、Zは同種でも異種でもよ
    く、pは1〜5の整数である)を示し、Xは同種でも異
    種でもよく、m及びnは0〜4の整数であり、k及びi
    は0〜3の整数を示す}を示し、Rは一般式(a)、
    (b)又は(c)からなる式(化5)で表される2価の
    基: 【化5】 式中、Wはハロゲン、炭素数1〜3のアルキル基、炭素
    数1〜3のアルコキシ基、あるいは水素の一部又は全部
    がハロゲンで置換されたハロゲン化アルキル基又はハロ
    ゲン化アルコキシ基を示し、Wは同種でも異種でもよ
    く、qは0〜4の整数であり、sは0〜3の整数であ
    り、Vは直接結合、−CO−、−S−、−O−、−SO
    2 −、−CH2 −、−C(CH3 2 −、−C(C
    3 2 −、あるいは一般式(d)(e)(f)又は
    (g)からなる式(化6)で表される2価の基を示す: 【化6】 (式中、Gはハロゲン、炭素数1〜3のアルキル基、炭
    素数1〜3のアルコキシ基、あるいは水素の一部又は全
    部がハロゲンで置換されたハロゲン化アルキル基又はハ
    ロゲン化アルコキシ基を示し、Gは同種でも異種でもよ
    く、rは0〜4の整数であり、Lは直接結合、−CO
    −、−S−又は−O−で表される2価の基を示し、Zは
    直接結合、−CO−、−S−、−O−、−SO2 −、−
    CH2 −、−C(CH3 2 −又は−C(CF3 2
    で表される2価の基を示す)を示す〕
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