JPH10332960A - 高分子光導波路 - Google Patents

高分子光導波路

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JPH10332960A
JPH10332960A JP15306197A JP15306197A JPH10332960A JP H10332960 A JPH10332960 A JP H10332960A JP 15306197 A JP15306197 A JP 15306197A JP 15306197 A JP15306197 A JP 15306197A JP H10332960 A JPH10332960 A JP H10332960A
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JP
Japan
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optical
optical waveguide
mode
integer
polycarbonate
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Application number
JP15306197A
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English (en)
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Takashi Kurihara
栗原  隆
Akira Tomaru
暁 都丸
Saburo Imamura
三郎 今村
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来は耐熱性の実現と両立することが困難で
あった加工性と光学等方性をも同時に満足し、かつ広範
な屈折率制御の可能な高分子光導波路を提供する。 【解決手段】 一般式(化1)、又は(化1)でp=q
=1のものの20以上のポリマーなる共重合ポリカーボ
ネートを用いるシングルモード又はマルチモードの高分
子光導波路。 【化1】 式中、R1 はアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基又は
ハロゲン、R2 はアルキル基、R3 は水素又はメチル基
を表し、kとfは0〜3の整数、mとnは0〜20の整
数、pとqは1〜20の整数を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子材料を用い
た光導波路に関するものであり、光通信、光情報処理、
微小光学あるいはその他の一般光学の分野で広く用いら
れる種々の光導波路、光導波路デバイス、光集積回路又
は光配線板に利用できる。
【0002】
【従来の技術】光導波路は、基板の表面若しくは基板表
面直下に、周囲よりわずかに屈折率の高い部分を作るこ
とにより光を閉じ込め、光の合波・分波やスイッチング
などを行う特殊な光部品である。具体的には、通信や光
情報処理の分野で有用な光合分波回路、周波数フィル
タ、光スイッチ又は光インターコネクション部品等が挙
げられる。光導波路デバイスの特長は、基本的には1本
1本の光ファイバを加工して作る光ファイバ部品と比較
して、精密に設計された導波回路を基に高機能をコンパ
クトに実現できること、量産が可能であること、多種類
の光導波路を1つのチップに集積可能であること等にあ
る。光導波路の開発の歴史を簡単に振り返ると、光導波
路デバイスは光ファイバ通信システムへの導入を想定し
て発達してきたといえる。光ファイバ通信の初期に当る
1970年代には、マルチモードファイバに対応したマ
ルチモード光導波路の研究が主であったが、1980年
代になると、シングルモードファイバを使った光通信シ
ステムが主流となったため、ここへの導入に合せてシン
グルモード光導波路の研究開発が活発化した。シングル
モード光導波路の利点は、導波光制御が容易であるこ
と、デバイスの小型化に有利であること、光パワー密度
が大きいこと、高速動作に適すること等である。一方、
マルチメディアの急速な立ち上りによって、高度なコン
ピュータ通信ばかりでなくオフィスや家庭にも光による
高速信号の配信の気運が高まる中、低コストの光部品と
してマルチモード光導波路部品が注目され始めている。
マルチモード光導波路はシングルモード光導波路に比べ
量産に適していることと接続等の取り扱いが格段に容易
なことに利点がある。従来、光導波路材料としては、透
明性に優れ光学異方性の小さい無機ガラスが主に用いら
れてきた。しかしながら、無機ガラスは、重く破損しや
すいこと、生産コストが高いこと等の問題を有してお
り、最近では、無機ガラスの代りに、可視域で極めて透
明であり通信波長でも1.3μm、1.55μmに窓の
ある透明性高分子を使って、光導波路部品を製造しよう
という動きが活発化してきている。高分子材料はスピン
コート法やディップ法等による薄膜形成が容易であり、
大面積の光導波路を作製するのに適している。また、石
英等の無機ガラス材料を用いる場合に比べて、成膜に際
して高温の熱処理工程を含まないことから、プラスチッ
ク基板などの高温処理に適さない基板上にも光導波路を
作製できるという利点がある。更に、高分子の柔軟性や
強じん性を活かした基板フリーの光導波路フィルムの作
製も可能である。また、製造が基本的に低温プロセスで
あること、金型を用いた量産など複製化への展開が容易
であること等により、ガラス系や半導体系の光導波路に
比べて低コスト化に対するポテンシャルが高い。こうし
たことから、光通信の分野で用いられる光集積回路や、
光情報処理の分野で用いられる光配線板等の光導波路部
品を、高分子光学材料を用いて大量・安価に製造できる
ことが期待されている。光導波路用高分子としては、ポ
リメチルメタクリレートやポリイミドなど各種の透明性
高分子が提案され精力的に光導波路化の研究開発が進め
られている。これら高分子光導波路の一部は、既に、フ
ァイバ部品に対しては圧倒的にコンパクトな、また、ガ
ラス系光導波路部品に対してはより低価格な代替部品と
して実用化され始めている。高分子光導波路の開発動向
については、高分子、1994年4月号、第271頁な
どに詳しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高分子光導波路が満た
すべき課題、すなわち、加工性・光学特性(透明性・光
学等方性)・耐熱性のうち、市場ニーズを考慮すると、
最も優先すべき透明性に次いで重要な特性は、耐熱性で
ある。しかし、例えば、現状で代表的な耐熱性光導波路
であるポリイミド光導波路は、芳香族主鎖の剛直性故
に、分子鎖に柔軟性がなく必要十分な導波路加工性を与
えない。更に、従来からのポリイミド光導波路は、芳香
族基の配向に起因する複屈折のため偏波依存性を有する
こととなり、入射光の強度が一定であったとしても偏波
面の変動によりその出力特性が変動してしまい実際に光
導波路として用いる場合には極端に用途が限られてしま
うという問題があった。このように、耐熱性を考慮した
従来のポリイミド光導波路は、剛直な芳香族鎖故に、光
導波路として必須の加工性及び光学等方性が十分に得ら
れないという大きな問題を有していた。更に、光導波路
構造を形成するためには、精密に屈折率制御されたコア
材、クラッド材が任意に得られることが重要である。一
般には、芳香環の脂環化やハイドロカーボン鎖のフルオ
ロカーボン化などによって、クラッド材の屈折率を下げ
る方法がとられている。しかしながら、芳香環の安易な
脂環化は耐熱性を低下させることが多く、また、近赤外
域にブロードな吸収帯を生む原因ともなる。また、ハイ
ドロカーボン鎖のフルオロカーボン化は非常に優れた方
法ではあるが、高価であること、密着性が顕著に低下す
ることなどの欠点を有していた。本発明はこのような現
状にかんがみてなされたものであり、その目的は、透明
性・耐熱性を満足した上で、従来は耐熱性の実現と両立
することが困難であった加工性と光学等方性をも同時に
満足し、かつ広範な屈折率制御の可能な高分子光導波路
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第1の発明は、下記一般式(化1)で表される繰
り返し構造単位からなる共重合ポリカーボネートを光学
コア及び/あるいは光学クラッドとして用いることを特
徴とするシングルモードあるいはマルチモードの高分子
光導波路に関する。
【0005】
【化1】
【0006】(式中、R1 はアルキル基、アルコキシ
基、ニトロ基あるいはハロゲンを表し、R2 はアルキル
基を表し、R3 は水素又はメチル基を表し、k及びfは
それぞれ独立に0〜3の整数を表し、m及びnはそれぞ
れ独立に0〜20の整数を表し、p及びqはそれぞれ1
〜20の整数を表す) また、本発明の第2の発明は、下記一般式(化2)で表
される繰り返し構造単位からなる完全交互共重合ポリカ
ーボネートを光学コア及び/あるいは光学クラッドとし
て用いることを特徴とするシングルモードあるいはマル
チモードの高分子光導波路に関する。
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1 はアルキル基、アルコキシ
基、ニトロ基あるいはハロゲンを表し、R2 はアルキル
基を表し、R3 は水素又はメチル基を表し、k及びfは
それぞれ独立に0〜3の整数を表し、zは20以上の整
数を表す)
【0009】本発明者らは、高分子鎖中にスピロビイン
ダン環及び9,9−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)
−フルオレン環を含有してなるポリカーボネートが可視
域から近赤外域にわたって光学的に極めて透明であると
共に十分な耐熱性を有しており、高分子光導波路材料と
して有用であることを見出した。更に、スピロビインダ
ン環及び9,9−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−
フルオレン環においてはベンゼン環を直交配置するスピ
ロ構造により、分子鎖の剛直性や分子間のスタッキング
が抑制され光導波路作製に十分な加工性が得られること
を見出した。ここでいう光導波路作製に十分な加工性と
は、積層化に際してインターミキシングを回避できるこ
と、スピンコート法等の簡便な方法で容易に厚膜化でき
ドライエッチングによるシングルモード光導波路の作製
が容易に行えること、金型加工によるマルチモード光導
波路の作製が容易に行えることなどをさす。また、耐熱
性確保のために芳香環分率が非常に高いにもかかわら
ず、複屈折率は、上述したベンゼン環を直交配置するス
ピロ構造によって、従来のポリカーボネートに比べ十分
に低減され、当該材料を用いて作製した光導波路の偏波
依存性を許容値以下に抑止することに成功した。更に、
高分子光導波路の発明として本発明のもう1つの特徴
は、屈折率の制御性に優れる点である。本発明の分子構
造的特徴であるスピロビインダン環及び9,9−ビス−
(4−ヒドロキシフェニル)−フルオレン環は、共にス
ピロ構造の芳香族であり、共に優れた耐熱性ユニット・
低複屈折ユニットであるにも関わらず、その占有体積当
りのπ電子密度の違いから、一般式(化1)あるいは
(化2)のポリカーボネートにおいて、両者の配分を変
えることにより可視近赤外域の屈折率を0.03前後は
優に変化させることが可能であることを見出した。この
ような特徴は、耐熱性や複屈折性を劣化させることなく
屈折率を自在に設定して所望の光導波路を作製すること
を大いに助けるものである。以上、説明したように、本
発明のポリカーボネートを用いた光導波路において、こ
れまで耐熱性の実現に伴って達成が困難となっていた導
波路加工性や光学等方性も同時に満たされ、かつ広範な
屈折率制御が可能なことを見出し、本発明に至った。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。すなわち、本発明は、一般式(化1)で表される繰
り返し構造単位、あるいは、特に規則的な繰り返し構造
式(化2)を有するポリカーボネートにおいて、ポリカ
ーボネート主鎖中のスピロビインダン環と9,9−ビス
−(4−ヒドロキシフェニル)−フルオレン環との配分
を変化させた種々のポリカーボネートから、所望の組合
せでコア材及びクラッド材を選び、これらを用いて作製
することを特徴とする、従来にない耐熱性と低複屈折性
を有する高分子光導波路を提供するものである。
【0011】以下は、本発明のポリカーボネート光導波
路の作製工程を詳細に説明するものである。膜形成には
スピンコート法が最も一般的である。この際に用いられ
る溶媒としては、トリクロロエタン、クロロホルム、ク
ロロベンゼン、ジクロロベンゼン、N−メチルピロリド
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、m
−クレゾール等が挙げられる。本発明のポリカーボネー
トは、溶媒の種類の選択と溶液濃度の調整により、薄膜
の形成工程に対応した適当な粘性、重ね塗り特性を得る
ことができる。本発明に従って、実際にポリカーボネー
ト光導波路を作製する場合は、まず、光導波路に要求さ
れる導波モード条件に応じて屈折率調整を行う必要があ
る。すなわち、コア材及びクラッド材として精密に制御
された屈折率差を有する少なくとも2種のポリカーボネ
ートを準備しなければならない。ここに本発明の特徴の
1つが活用されることは前述のとおりである。すなわ
ち、本発明のポリカーボネートにおいては、9,9−ビ
ス−(4−ヒドロキシフェニル)−フルオレン環の分率
が多いほど屈折率が高く、コアに適している。同じ理由
からスピロビインダン環の分率が多いほど低屈折率で、
クラッドに適している。コアとクラッドの比屈折率差の
大きさは導波すべき光のモードとコアの寸法に応じて決
定されるが、一般的には0.1%〜5%の範囲であり、
本発明の材料群はほぼこの領域を満たすことができる。
具体的に言えば、シングルモード光ファイバと導波光の
モード径を合せる場合、コア部の形状は8μm角の正方
形、比屈折率差は0.3%であることが望ましい。ま
た、40μm角程度のマルチモード光導波路の場合、マ
ルチモード光ファイバとのモード径を合せるには、比屈
折率差1%程度が一般的である。所望の比屈折率差に調
整されたコア用/クラッド用ポリカーボネートを用意し
た後、図1に模式的に示されるようなチャネル型の埋め
込み光導波路を作製するには、以下のような手順による
のが一般的である。なお、図1は、高分子光導波路の断
面構造の概略を含む模式図である。図1において、符号
1はコア、2はクラッドを意味する。
【0012】まず、スピンコート法によりクラッド用ポ
リカーボネート溶液から基板にクラッド膜を作製する。
次いで、この上にコア用ポリカーボネートを塗布する。
このような積層工程においてインターミキシングを防止
する手立てとしては、下層を加熱キュアすることによっ
て上層用溶剤に対する対溶剤性を確保する方法と、上層
には、より溶解性の劣る溶剤を用いる方法、更にその両
者を併用する方法がある。本発明においては、3つ目の
方法を用いている。インターミキシングが発生した場
合、導波路形状が設計寸法より小さくなったり、コアと
クラッドとの間の屈折率差に変化が生じ、光導波路とし
ての所望の機能の発現が困難となるため、このようなイ
ンターミキシング防止の工程は決して省略してはならな
い。次に、コア層の上にエッチングマスクとなる層を形
成し、フォトリソグラフィー等により導波路パターンに
加工する。エッチングマスクの材料としては、有機フォ
トレジスト又は金属等が用いられる。次に、エッチング
マスク越しにコア層を反応性イオンエッチングすること
により所望の導波路パターンを形成することができる。
この方法は、特に、シングルモード光導波路の作製に有
効であり、作製時間を十分確保できる場合にはマルチモ
ード光導波路の作製にも有効である。
【0013】以上、説明した特徴を有しかつ説明した方
法により作製された光導波路は、加工性・光学特性(透
明性・光学等方性)・耐熱性をすべて満足する理想的な
高分子光導波路である。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。下記
表1に本発明の光導波路用の代表的ポリカーボネート材
料〔(3)〜(8)〕の組合せを示す。これら材料はす
べて、ガラス転移温度≧240℃、複屈折率≦10-4
ベルであった。(3)と(4)、(5)と(6)の各ペ
アはシングルモード光導波路の例、(7)と(8)のペ
アはマルチモード光導波路の例である。なお、表1にお
いて、各記号は、下記一般式(化3)に対応するもので
ある。
【0015】
【化3】
【0016】
【表1】
【0017】実施例1 表1に記載の、ポリカーボネート(3)をコア、(4)
をクラッドとするシングルモード光導波路は以下のよう
にして作製した。必要量の下層クラッドのトリクロロエ
タン溶液をシリコン基板に滴下し、スピンコート法によ
り薄膜化した。これを加熱乾燥キュアし、厚さ18μm
の下層クラッド膜を得た。次に、コアのトリクロロエタ
ン/キシレン混合溶液を下層クラッド膜上に滴下し滴下
と同時にスピンコート法により塗膜した。この際、下層
クラッド膜とコア膜との間にインターミキシングは全く
見られなかった。これを加熱乾燥キュア後の膜厚は、設
定通り8μmとなった。次に、フォトリソグラフィ−に
より、幅7μmから1μm置きに11μmまでの直線状
マスクパターンを形成した。次いで、反応性イオンエッ
チングにより、マスクパターン以外のコア層をエッチン
グし、コアリッジを形成した。この一部を取り出し、電
子顕微鏡で断面形状構造を確認したところ、エッチング
はほぼ垂直に実現しており、高さ8μm、幅5μmから
10μmのコアリッジが形成されていることを確認し
た。このように作製したコアリッジをもう一度加熱乾燥
キュア後、上部クラッド用トリクロロエタン/N−メチ
ルピロリドン/イソプロピルアルコール混合溶液を塗布
した。これを乾燥して、埋め込み型チャネル構造からな
る光導波路を形成した。このようにして作製した光導波
路の両端をダイシングソーで切り落とし、長さ5cmの
直線光導波路を得た。断面を光透過モードで顕微鏡観察
したところ、コアのみが明るく光ることを確認した。コ
ア径が8μm×8μmの光導波路を選び、伝搬損失を測
定したところ、波長1.3μmで0.3dB/cm、
1.55μmで0.5dB/cmであった。両通信波長
において、TEモードとTMモードの損失差(偏波依存
損失)は非常に小さかった。また導波は完全なシングル
モードであった。更に、この導波路の損失は180℃に
おいても、また、75℃/90%RHの条件下において
も1箇月以上変動しなかった。更に、方向性結合器用マ
スクパターンを用い上記直線導波路と同様な工程で作製
した方向性結合器において、TEモードとTMモードで
の結合長がほぼ一致することを確認し、光導波路として
使用した場合にも複屈折率はないか非常に小さいことが
明らかになった。
【0018】実施例2 表1に記載の、ポリカーボネート(5)をコア、(6)
をクラッドとするシングルモード光導波路を作製し、光
導波特性を評価した。コア材のポリカーボネート(5)
は、実施例1におけるクラッド材(4)と同一組成であ
るが、高分子一次構造上、若干異なっていることを明言
しておかなければならない。すなわち、実施例1のクラ
ッド材(4)が、スピロビインダン環ユニットと9,9
−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−フルオレン環ユ
ニットの1:1ランダム共重合体であるのに対して、本
実施例のコア材は、両ユニットの1:1完全交互共重合
体〔下記構造式(化4)〕である。
【0019】
【化4】
【0020】スラブ光導波路の光学特性評価によって、
成膜性と透明性の両方において、完全交互共重合体
(5)がランダム共重合体(4)よりも優れていること
が確認された。光導波路の作製は、実施例1と同様にフ
ォトリソグラフィ−と反応性イオンエッチングを用いて
行った。作製したコア径が8μm×8μm、光導波路長
さ5cmの直線光導波路の光導波特性は以下のとおりで
あった。波長1.3μmで0.2dB/cm、1.55
μmで0.4dB/cmであった。両通信波長におい
て、TEモードとTMモードの損失差(偏波依存損失)
は非常に小さかった。また導波は完全なシングルモード
であった。更に、この導波路の損失は180℃において
も、また、75℃/90%RHの条件下においても1箇
月以上変動しなかった。更に、方向性結合器用マスクパ
ターンを用い上記直線導波路と同様な工程で作製した方
向性結合器において、TEモードとTMモードでの結合
長がほぼ一致することを確認し、光導波路として使用し
た場合にも複屈折率はないか非常に小さいことが明らか
になった。
【0021】実施例3 表1に記載の、ポリカーボネート(7)をコア、(8)
をクラッドとするマルチモード光導波路を作製し、光導
波特性を評価した。マルチモード光導波路の作製プロセ
スは実施例1、2と同様にフォトリソグラフィ−と反応
性イオンエッチングを用いた。ただしコア口径が、40
μm×40μmとなるようにした。長さ5cmのマルチ
モード直線光導波路について、波長850nmの光透過
モードでニアフィールドパターンを観察したところ、コ
ア部分のみがマルチモード導波特有のパターンで明るく
光ることを確認した。更に、この波長での光伝搬損失を
測定したところ、0.3dB/cmであった。更に、こ
の導波路の損失は180℃においても、また、75℃/
90%RHの条件下においても1箇月以上変動しなかっ
た。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のポリカー
ボネート光導波路は、加工性・光学特性(透明性・光学
等方性)・耐熱性をすべて満足する理想的な高分子光導
波路である。また、本発明で説明した光導波路の作製方
法を用いれば、所望の光導波路を低コストで大量に生産
することが可能である。したがって、本発明は、光通
信、光情報処理、微小光学あるいはその他の一般光学の
分野で用いられる種々の光導波路デバイス(光スイッ
チ、光フィルタなど)、光集積回路、又は、光配線板等
に広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高分子光導波路の断面構造の概略を含む模式図
である。
【符号の説明】
1:コア、2:クラッド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(化1)で表される繰り返し
    構造単位からなる共重合ポリカーボネートを光学コア及
    び/あるいは光学クラッドとして用いることを特徴とす
    るシングルモードあるいはマルチモードの高分子光導波
    路。 【化1】 (式中、R1 はアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基あ
    るいはハロゲンを表し、R2 はアルキル基を表し、R3
    は水素又はメチル基を表し、k及びfはそれぞれ独立に
    0〜3の整数を表し、m及びnはそれぞれ独立に0〜2
    0の整数を表し、p及びqはそれぞれ1〜20の整数を
    表す)
  2. 【請求項2】 下記一般式(化2)で表される繰り返し
    構造単位からなる完全交互共重合ポリカーボネートを光
    学コア及び/あるいは光学クラッドとして用いることを
    特徴とするシングルモードあるいはマルチモードの高分
    子光導波路。 【化2】 (式中、R1 はアルキル基、アルコキシ基、ニトロ基あ
    るいはハロゲンを表し、R2 はアルキル基を表し、R3
    は水素又はメチル基を表し、k及びfはそれぞれ独立に
    0〜3の整数を表し、zは20以上の整数を表す)
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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