JPH116575A - 弁装置及びその製造方法 - Google Patents

弁装置及びその製造方法

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Publication number
JPH116575A
JPH116575A JP10099653A JP9965398A JPH116575A JP H116575 A JPH116575 A JP H116575A JP 10099653 A JP10099653 A JP 10099653A JP 9965398 A JP9965398 A JP 9965398A JP H116575 A JPH116575 A JP H116575A
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JP
Japan
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partition member
relief valve
valve
passage
outside
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Application number
JP10099653A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuyoshi Suzuki
康義 鈴木
Keizo Funae
敬三 船江
Shuji Yamaguchi
修司 山口
Koichi Tomitaka
貢市 富高
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 逃がし弁機構を有する弁体構成が簡単で、周
囲の材質や形状に左右されることなく所望の開弁特性を
得ること。 【解決手段】 エレメント組立体のプロテクタ32の円
筒端部33が弁体40の溝部45の奥端の方向に挿入さ
れ組付けられる。この際、先端部43からガイド部44
を介してシール部42が弾性変形され、プロテクタ32
の円筒端部33の通路35を通過したのちの壁面に到達
されることで、プロテクタ32の円筒端部33の通路3
5が覆われ弁体40の逃がし弁部41が構成される。こ
のため、弁体40の逃がし弁部41は型構成が容易で組
付に無理がなく所望の開弁特性を安定して得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内外を連通する通
路を覆って流体の流れを阻止または許容する弁装置に関
し、特に、その弁装置の弁体に関するものであってフィ
ルタ装置に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】従来、内外を連通する通路を覆って流体
の流れを阻止または許容する弁装置を用いたフィルタ装
置として、例えば、内蔵されているフィルタエレメント
が目詰まり等を起こし劣化したときにバイパスしてオイ
ルを通過させる逃がし弁(リリーフバルブ)機構を設け
たオイルフィルタが知られている。
【0003】これに関連する先行技術文献としては、実
公平1−35215号公報にて開示されたものが知られ
ている。このものでは、オイルフィルタ内に装着された
フィルタエレメント下部のエンドプレートに設けられた
透孔を利用して逃がし弁機構を構成する技術が示されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のよう
にエンドプレートに透孔を設けて逃がし弁機構を構成す
ることは、エンドプレートの材質や形状によっては難し
いという不具合があった。
【0005】従来技術では、弁体が相応の弾性力を有し
ていること、弁体を傷つけるとシール性が損なわれて不
良品となることから、エンドプレートに対して弁体を装
着することが困難で、作業性が極めて悪かった。
【0006】しかも従来技術では、エンドプレートとリ
インフォースプレートの筒状部との間に弁体としてのゴ
ム部材を径方向に挟持しており、この挟持に伴う応力
と、弁体としての変形に伴う応力とが同じ場所に集中
し、破損し易いという問題点があった。
【0007】また、弁体を径方向に挟持することに伴う
応力は、ハウジングとしてのリインフォースプレートの
取付寸法誤差等によりばらつき、このばらつきが逃がし
弁(リリーフバルブ)としての開弁圧にも影響を与える
ため、慎重に正確な組付作業を行う必要があり、ここで
も装着作業性が悪いという問題点があった。
【0008】本発明は、逃がし弁の弁体の装着性を改善
することを目的とする。
【0009】また、本発明は、弁座から受ける応力と、
弁体としての変形に伴う応力との集中を緩和することを
目的とする。
【0010】更に、本発明は、逃がし弁機構を備えた小
型化されたフィルタ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の弁体によれ
ば、仕切部材と遊嵌する先端部を利用してシール部が仕
切部材の端部の壁面に対して弾性変形され組付けられ
る。このため、弁体を無理に変形させることがなく、仕
切部材の装着性に優れた弁体が得られる。例えば、仕切
部材の内側に弁体を装着する場合には、シール部は仕切
部材の端部より大きい直径をもって形成され、一方、先
端部は仕切部材の端部より小さい直径をもって形成され
る。また、仕切部材の外側に弁体を装着する場合には、
シール部は仕切部材の端部より小さい直径をもって形成
され、一方、先端部は仕切部材の端部より大きい直径を
もって形成される。これにより、弁体の逃がし弁部は型
構成が容易で組付に無理がなく所望の開弁特性を安定し
て得ることができる。
【0012】請求項2の弁体によれば、ガイド部の案内
斜面が仕切部材と遊嵌する先端部とシール部との間に位
置しているので、仕切部材を組付ける際には案内斜面に
よって仕切部材が案内される。このため、弁体を無理に
変形させることがなく、仕切部材の装着性に優れた弁体
が得られる。例えば、仕切部材の内側に弁体を装着する
場合には、シール部は仕切部材の端部より大きい直径を
もって形成されており、一方、先端部は仕切部材の端部
より小さい直径を有し、ガイド部は先端部からシール部
へ向け末広がりに広がった部分円錐面としての案内斜面
を形成する。また、仕切部材の外側に弁体を装着する場
合には、シール部は仕切部材の端部より小さい直径をも
って形成されており、一方、先端部は仕切部材の端部よ
り大きい直径を有し、ガイド部は先端部からシール部へ
向けて徐々に窄まる漏斗状の案内斜面を形成する。これ
により、弁体の逃がし弁部は型構成が容易で組付に無理
がなく所望の開弁特性を安定して得ることができる。
【0013】請求項3の弁体では、仕切部材の端部の内
壁面を利用し、その内径よりも大きな径寸法にて形成さ
れたシール部が弾性変形により仕切部材の端部の通路を
通過したのちの内壁面に到達され、仕切部材の端部の通
路を覆う逃がし弁部が構成されている。これにより、弁
体の逃がし弁部は型構成が容易で組付に無理がなく所望
の開弁特性を安定して得ることができる。
【0014】請求項4の弁体では、環状の溝部を利用し
てその奥端まで仕切部材の端部が挿入されるだけで逃が
し弁部が組付けられる。これにより、弁体の逃がし弁部
は組付における簡素化が達成できる。
【0015】請求項5の弁体では、逃がし弁部が主とし
て、くびれ部から先端側で弾性変形される。これによ
り、弁体の逃がし弁部は溝部の奥端に大きな集中応力が
かからないため耐久信頼性を向上することができる。な
お、このくびれ部は厚さが薄くされていることが重要で
あって、弁体としての外観においてくびれ部の外径が大
きくなっていたり、くびれ部の内径が小さくなっていて
もよいが、肉厚が薄くされていることが重要である。
【0016】請求項6の弁体によれば、仕切部材の端部
からその壁面に沿って延在され、一端側に仕切部材の端
部を固定する溝部、他端側に仕切部材の端部の壁面に対
して弾性変形するシール部がそれぞれ形成され、その間
にくびれ部が形成されて仕切部材の端部の通路を覆う逃
がし弁部が構成されている。これにより、弁体の逃がし
弁部は型構成が容易で組付に無理がなく所望の開弁特性
を安定して得ることができ、また、溝部の奥端に大きな
集中応力がかからないため耐久信頼性を向上することが
できる。
【0017】請求項7の弁体では、逃がし弁部が環状
で、その溝部、シール部及びくびれ部も環状に形成され
ている。これにより、弁体の逃がし弁部は型構成が容易
で安価なものとすることができる。
【0018】請求項8の弁装置によれば、仕切部材の直
管状または外開き状の端部に対して、逃がし弁部が装着
され仕切部材の通路を覆うことで内外の連通が阻止さ
れ、その圧力差が所定圧以上になると内外の連通が許容
される。このように、弁装置は逃がし弁部が仕切部材の
端部の直管状または外開き状に対処して通路の連通の阻
止/許容ができるため、組付に無理がなく所望の開弁特
性を安定して得ることができる。
【0019】請求項9の弁装置では、逃がし弁部のシー
ル部が弾性変形により仕切部材の壁面に到達され、同時
に仕切部材の端面が逃がし弁部の溝部に挿入され固定さ
れ、そして、逃がし弁部がシール部と溝部との間のくび
れ部から先端側で弾性変形される。これにより、弁装置
の逃がし弁部は仕切部材との組付における簡素化が達成
されると共に、溝部の奥端に大きな集中応力がかからな
いため耐久信頼性を向上することができる。
【0020】請求項10の弁装置では、仕切部材の端部
がテーパ面とされていることで逃がし弁部のシール部や
溝部への挿入が容易で組付に無理がなく所望の開弁特性
を安定して得ることができる。
【0021】請求項11の弁装置を用いたフィルタ装置
によれば、仕切部材に支持されたフィルタエレメントを
有するエレメント組立体の上流側と下流側との圧力差が
所定圧以上となると逃がし弁部が作動され仕切部材の通
路の連通が許容される。これにより、フィルタ装置は例
えば、エレメント組立体が劣化したり、流体の粘性が大
きくなったときには逃がし弁部が仕切部材の通路を連通
させることで、所望の開弁特性を安定して得ることがで
きる。
【0022】請求項12の弁装置を用いたフィルタ装置
では、逃がし弁部が溝部の奥端を着座部として仕切部材
とエレメント組立体が収容されるケーシングとの間に挟
持され保持されることで逃がし弁部の近傍のシール性が
確保される。このように、フィルタ装置は弁装置の逃が
し弁部がケーシング内で溝部の奥端の着座部を介して確
実に固定され、その際に逃がし弁部の作動方向に無理が
かからないため組付後に所望の開弁特性を安定して得る
ことができる。
【0023】請求項13の弁装置を用いたフィルタ装置
では、ケーシングに設けられた流体入口が逃がし弁部と
一体成形された逆止弁部により覆われる。これにより、
フィルタ装置における弁装置の弁体構成が簡素化され型
構成が容易で安価なものにでき、かつ所望の開弁特性を
安定して得ることができる。
【0024】請求項14の弁装置の製造方法によれば、
仕切部材と組合わせる際にまず仕切部材の端部を、先端
部に遊嵌させ挿入することで、仕切部材と弁装置とを無
理なく組立てることができる。このような弁装置の製造
方法による逃がし弁部は型構成が容易で組付に無理がな
く所望の開弁特性を安定して得ることができる。
【0025】請求項15の弁装置の製造方法では、仕切
部材の端部の内壁面を利用し、その内径よりも大きな径
寸法にて形成されたシール部が弾性変形により仕切部材
の端部の通路を通過したのちの内壁面に到達され、逃が
し弁部が仕切部材の端部の通路を覆うこととなる。この
ような弁装置の製造方法による逃がし弁部は型構成が容
易で組付に無理がなく所望の開弁特性を安定して得るこ
とができる。
【0026】請求項16の弁装置の製造方法によれば、
仕切部材と組合わせる際にまず仕切部材の端部を、先端
部に遊嵌させ、そこからガイド部の案内斜面に沿って挿
入することで、仕切部材と弁装置とを無理なく組立てる
ことができる。このような弁装置の製造方法による逃が
し弁部は型構成が容易で組付に無理がなく所望の開弁特
性を安定して得ることができる。
【0027】請求項17の弁装置の製造方法では、仕切
部材の端部の内壁面を利用し、その内径よりも大きな径
寸法にて形成されたガイド部を有するシール部が弾性変
形により仕切部材の端部の通路を通過したのちの内壁面
に到達され、逃がし弁部が仕切部材の端部の通路を覆う
こととなる。このような弁装置の製造方法による逃がし
弁部は型構成が容易で組付に無理がなく所望の開弁特性
を安定して得ることができる。
【0028】請求項18の弁装置の製造方法では、逃が
し弁部が環状の溝部を利用してその奥端まで仕切部材の
端部が挿入されるだけで組付けられる。このような弁装
置の製造方法による逃がし弁部は組付における簡素化が
達成できる。
【0029】請求項19の弁装置の製造方法では、逃が
し弁部が溝部の奥端を着座部として仕切部材とケーシン
グとの間に挟持され保持される。このような弁装置の製
造方法による弁装置の逃がし弁部はケーシング内で溝部
の奥端の着座部を介して確実に固定され、その際に逃が
し弁部の作動方向に無理がかからないため所望の開弁特
性を安定して得ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。
【0031】図1は本発明の実施の形態の一実施例にか
かる弁装置を用いたフィルタ装置として具体的なオイル
フィルタを示す断面図である。
【0032】図1において、100は内燃機関用スピン
オン式オイルフィルタであり、オイルフィルタ100は
有底円筒状で、その外周面にフィルタ着脱工具が取付け
られる多角部11を有する金属製のフィルタケース10
と、このフィルタケース10の開口端縁に外周縁が巻締
めされて一体化された金属製の底板12と、その底板1
2の内面に嵌着された金属製の補強板20とでケーシン
グが構成されている。フィルタケース10内には、上下
に櫛歯形状で略円筒状のプラスチック樹脂製の仕切部材
としてのプロテクタ32を芯材とする成形吸引型にて、
この外周囲に所定厚さの不織布にて成形されたフィルタ
エレメント31を有する成形濾過体としてのエレメント
組立体30が装着されている。なお、以下では、エレメ
ント組立体30を『エレメントS/A(Sub-Assembly:
サブアッセンブリ)30』と記す。
【0033】エレメントS/A30のフィルタエレメン
ト31から下側に突出されたプロテクタ32の円筒端部
33の先端部分には、後述のガイド部44と対向する内
面をテーパ面とした挿入部34が形成されている。この
テーパ面は後述の逃がし弁部一体型逆止弁部を備えたゴ
ム製の弁体40のガイド部44の案内斜面に沿う方向に
傾斜している。この挿入部34を利用してプロテクタ3
2の円筒端部33が弁体40の環状の溝部45に挿嵌さ
れている。なお、挿入部34のテーパ面はR面であって
もよい。また、プロテクタ32の円筒端部33の全周に
は櫛歯形状のスリット部分を利用してオイルの通路35
が形成されている。なお、通路35はプロテクタ32の
円筒端部33の壁面に穿たれた孔形状であってもよい。
これらプロテクタ32の円筒端部33と弁体40とによ
り弁装置が構成されている。
【0034】弁体40は、エレメントS/A30のフィ
ルタエレメント31自身の弾性力及びプロテクタ32か
ら一部突出された部分(図示略)の弾性力を利用したフ
ィルタケース10内面からの付勢力により溝部45の奥
端を後述の着座部48として補強板20の内面に着座さ
れ所定寸法だけ弾性変形されている。この結果、エレメ
ントS/A30の内外が液密状態とされている。また、
補強板20の内周側には複数のオイル入口21が穿設さ
れ、このオイル入口21を利用して底板12が嵌着さ
れ、中央にはバーリング加工により内側に突形状のオイ
ル出口22が形成されている。このオイル出口22の内
周面はねじ加工されスピンオン式の固定用ねじ部を兼ね
ている。そして、底板12に形成された爪部12aを利
用してゴム製のガスケット13が保持されている。な
お、本実施例におけるオイル出口22は、補強板20を
内側に突形状として形成されているが外側に突形状であ
ってもよい。
【0035】次に、図1のオイルフィルタ100におけ
る弁体40の詳細な形状を示す図2の断面図について説
明する。
【0036】弁体40は溝部45から内周側に逃がし弁
部41、この溝部45の奥端の着座部48に続いて外周
側に逆止弁部47が一体成形されている。そして、逃が
し弁部41には、外周側に向けて凸形で環状のシール部
42、このシール部42より先端側に小さな径寸法で環
状の先端部43、この先端部43からシール部42に向
けて傾斜した案内斜面としてのガイド部44が形成され
ている。また、弁体40の逃がし弁部41のシール部4
2と溝部45の奥端との間には部分的に厚みが薄い環状
のくびれ部46が形成されている。このくびれ部46は
逃がし弁部41の中でも肉厚が部分的に薄くされている
部分であって、変形し易くされていることが重要であ
る。
【0037】次に、本発明の実施の形態の一実施例にか
かるオイルフィルタ100におけるプロテクタ32と弁
体40との組付工程について図3を参照して説明する。
なお、図3(a)は組付前の状態、図3(b)は組付後
の状態を示している。
【0038】図3(a)に示すように、プロテクタ32
の円筒端部33を弁体40の先端部43に臨ませる。こ
こで、弁体40の先端部43はプロテクタ32の円筒端
部33の挿入部34の内径よりも小さな径寸法にて形成
されている。また、プロテクタ32の挿入部34はテー
パ面とされ、弁体40の先端部43に続くガイド部44
の案内斜面との傾斜方向が一致されている。
【0039】この位置から弁体40に対してプロテクタ
32が挿入開始されると、まず、プロテクタ32の挿入
部34が弁体40の先端部43に遊嵌され、次に、プロ
テクタ32の挿入部34のテーパ面が弁体40のガイド
部44の案内斜面に接触しながら挿入される。このた
め、プロテクタ32の挿入部34のテーパ面に沿うよう
に弁体40のガイド部44の案内斜面を介してシール部
42が内側に弾性変形され移動される。
【0040】そして、図3(b)に示すように、プロテ
クタ32の円筒端部33の先端部分が弁体40の溝部4
5の奥端に当接される。この状態において、弁体40の
シール部42がプロテクタ32の円筒端部33に形成さ
れた通路35を通過した内壁面に到達される。即ち、弁
体40の逃がし弁部41によりプロテクタ32の円筒端
部33の通路35が覆われ内外の連通が阻止状態とされ
る。このとき、弁体40の逃がし弁部41はそのシール
部42と溝部45の奥端との間に形成されたくびれ部4
6を支点として先端側が主として弾性変形を受ける。
【0041】このように、組付けられたプロテクタ32
と弁体40とが、図1に示すように、フィルタケース1
0内に収容され、補強板20と嵌着された底板12の外
周縁がフィルタケース10の開口端縁と巻締めされ、底
板12の爪部12aにガスケット13が保持されること
でオイルフィルタ100が構成される。このとき、弁体
40の溝部45の奥端の着座部48が補強板20の内面
に着座されることで、オイルフィルタ100内でエレメ
ントS/A30の内外が液密状態となる。
【0042】次に、本発明の実施の形態の一実施例にか
かるオイルフィルタ100における弁体40の作動につ
いて図4を参照して説明する。なお、図4(a)はエレ
メントS/A30の前後差圧が所定の開弁圧未満の状
態、図4(b)はエレメントS/A30の前後差圧が所
定の開弁圧以上の状態を示している。
【0043】エレメントS/A30のフィルタエレメン
ト31をオイルが通過可能でエレメントS/A30の前
後差圧が所定の開弁圧未満の状態においては、図4
(a)に矢印にて示すように、内燃機関側からの汚オイ
ルはオイル入口21から弁体40の逆止弁部47の通過
が許容されオイルフィルタ100内に導入される。そし
て、この汚オイルはエレメントS/A30のフィルタエ
レメント31を通過し浄オイルとされオイル出口22側
から内燃機関側に戻される。
【0044】一方、例えば、エレメントS/A30のフ
ィルタエレメント31が目詰まり等で劣化したり、オイ
ルの粘性が極端に高くなったときにも、図4(b)に矢
印にて示すように、内燃機関側からの汚オイルはオイル
入口21から弁体40の逆止弁部47の通過が許容され
オイルフィルタ100内に導入される。しかし、この汚
オイルはエレメントS/A30のフィルタエレメント3
1を通過し難くいため、エレメントS/A30の前後差
圧が上昇し所定圧以上となると、エレメントS/A30
のプロテクタ32の円筒端部33に形成された通路35
を通って弁体40の逃がし弁部41のシール部42を内
側に弾性変形させる。このため、内燃機関側からの汚オ
イルはエレメントS/A30を通過することなくオイル
出口22側から内燃機関側に戻される。
【0045】このように、本実施例の弁体40は、端部
に内外を連通する通路35が形成された略円筒状の仕切
部材としてのプロテクタ32の円筒端部33に装着さ
れ、通路35を覆って内外の連通を阻止すると共に、プ
ロテクタ32の内外の圧力差が所定圧以上となると内外
の連通を許容する逃がし弁部41を有するものであっ
て、逃がし弁部41がプロテクタ32の円筒端部33の
壁面に対して弾性変形して接触する環状のシール部42
と、シール部42より先端側に設けられ、プロテクタ3
2の円筒端部33に遊嵌する環状の先端部43と、先端
部43からシール部42へ向けて傾斜した案内斜面を形
成したガイド部44とを具備するものである。
【0046】したがって、先端部43からガイド部44
を介してシール部42が弾性変形によりプロテクタ32
の円筒端部33の通路35を通過したのちの壁面に到達
され、プロテクタ32の円筒端部33の通路35を覆う
弁体40の逃がし弁部41が構成されている。このた
め、弁体40の逃がし弁部41は型構成が容易で組付に
無理がなく所望の開弁特性を安定して得ることができ
る。
【0047】また、本実施例の弁体40は、逃がし弁部
41がプロテクタ32の内壁面に沿って延在され、シー
ル部42をプロテクタ32の円筒端部33の内径よりも
大きな径寸法にて形成すると共に、先端部43をプロテ
クタ32の円筒端部33の内径よりも小さな径寸法にて
形成するものである。したがって、プロテクタ32の円
筒端部33の内壁面を利用し、その内径よりも大きな径
寸法にて形成されたシール部42が弾性変形によりプロ
テクタ32の円筒端部33の通路35を通過したのちの
内壁面に到達され、プロテクタ32の円筒端部33の通
路35を覆う弁体40の逃がし弁部41が構成されてい
る。このため、弁体40の逃がし弁部41は型構成が容
易で組付に無理がなく所望の開弁特性を安定して得るこ
とができる。
【0048】そして、本実施例の弁体40は、逃がし弁
部41にプロテクタ32の円筒端部33がその奥端まで
挿入され固定される環状の溝部45が形成されているも
のである。したがって、弁体40の逃がし弁部41は溝
部45を利用してその奥端までプロテクタ32の円筒端
部33が挿入されるだけで組付けられる。これにより、
弁体40の逃がし弁部41は組付における簡素化が達成
できる。
【0049】更に、本実施例の弁体40は、逃がし弁部
41がシール部42と溝部45の奥端との間に部分的に
厚みが薄い環状のくびれ部46を有するものである。し
たがって、弁体40の逃がし弁部41は主として、くび
れ部46から先端側でシール部42が弾性変形される。
このため、弁体40の逃がし弁部41は溝部45の奥端
に大きな集中応力がかからないため耐久信頼性を向上す
ることができる。
【0050】更にまた、本実施例の弁体40は、端部に
内外を連通する通路35が形成された略円筒状の仕切部
材としてのプロテクタ32の円筒端部33に装着され、
通路35を覆って内外の連通を阻止すると共に、プロテ
クタ32の内外の圧力差が所定圧以上となると内外の連
通を許容する逃がし弁部41を有するものであって、逃
がし弁部41は、プロテクタ32の円筒端部33からそ
の壁面に沿って延在され、一端側にはプロテクタ32の
円筒端部33がその奥端まで挿入され固定される溝部4
5が形成され、他端にはプロテクタ32の円筒端部33
の壁面に対して弾性変形して接触するシール部42が形
成され、シール部42と溝部45との間に部分的に厚み
が薄いくびれ部46が形成されたものである。
【0051】したがって、プロテクタ32の円筒端部3
3からその壁面に沿って延在され、一端側にプロテクタ
32の円筒端部33を固定する溝部45、他端側にプロ
テクタ32の円筒端部33の壁面に対して弾性変形する
シール部42がそれぞれ形成され、その間にくびれ部4
6が形成されてプロテクタ32の円筒端部33の通路3
5を覆う逃がし弁部41が構成されている。このため、
弁体40の逃がし弁部41は型構成が容易で組付に無理
がなく所望の開弁特性を安定して得ることができ、ま
た、溝部45の奥端に大きな集中応力がかからないため
耐久信頼性を向上することができる。
【0052】そして、本実施例の弁体40は、逃がし弁
部41は、環状に形成され、溝部45、シール部42及
びくびれ部46も環状に形成されているものである。こ
れにより、弁体40の逃がし弁部41は型構成が容易で
安価なものとすることができる。
【0053】また、本実施例の弁体40を含む弁装置
は、ほぼ直管状または外開き状の円筒端部33に内外を
連通する通路35が形成された略円筒状のプロテクタ3
2と、プロテクタ32の円筒端部33に装着され、プロ
テクタ32の円筒端部33からプロテクタ32の内壁面
に沿って延在され通路35を覆って内外の連通を阻止す
ると共に、プロテクタ32の内外の圧力差が所定圧以上
となると内外の連通を許容する逃がし弁部41とを具備
するものである。したがって、プロテクタ32の直管状
または外開き状の円筒端部33に対して、逃がし弁部4
1が装着されプロテクタ32の通路35を覆うことで内
外の連通が阻止され、その圧力差が所定圧以上になると
内外の連通が許容される。このため、弁体40を含む弁
装置は逃がし弁部41がプロテクタ32の円筒端部33
の直管状または外開き状に対処して通路35の連通の阻
止/許容ができるため、組付に無理がなく所望の開弁特
性を安定して得ることができる。
【0054】また、本実施例の弁体40を含む弁装置
は、逃がし弁部41がプロテクタ32の円筒端部33の
壁面に対して弾性変形して接触する環状のシール部42
と、プロテクタ32の円筒端部33がその奥端まで挿入
され固定される環状の溝部45とを有し、シール部42
と溝部45の奥端との間に部分的に厚みが薄い環状のく
びれ部46を有するものである。したがって、逃がし弁
部41のシール部42が弾性変形によりプロテクタ32
の壁面に到達され、同時にプロテクタ32の円筒端部3
3が逃がし弁部41の溝部45に挿入され固定され、そ
して、逃がし弁部41がシール部42と溝部45との間
のくびれ部46から先端側で弾性変形される。これによ
り、弁体40を含む弁装置の逃がし弁部41はプロテク
タ32との組付における簡素化が達成されると共に、溝
部45の奥端に大きな集中応力がかからないため耐久信
頼性を向上することができる。
【0055】そして、本実施例の弁体40を含む弁装置
は、プロテクタ32の円筒端部33にテーパ面が形成さ
れているものである。このように、プロテクタ32の円
筒端部33がテーパ面とされていることで逃がし弁部4
1のシール部42や溝部45への挿入が容易で組付に無
理がなく所望の開弁特性を安定して得ることができる。
【0056】このように、本実施例の弁体40を含む弁
装置を用いたオイルフィルタ100は、更に、プロテク
タ32に支持され、オイルを濾過するフィルタエレメン
ト31を有するエレメントS/A30を備え、エレメン
トS/A30の上流側と下流側との圧力差が所定圧以上
となると、逃がし弁部41がプロテクタ32の円筒端部
33の通路35の上流側から下流側へのオイルの流れを
許容するものである。したがって、エレメントS/A3
0が目詰まり等して劣化、またはオイルの粘性が極端に
高くなって、エレメントS/A30の上流側と下流側と
の圧力差が所定圧以上に上昇すると、逃がし弁部41が
作動されプロテクタ32の円筒端部33の通路35を通
ってオイルがバイパスされる。このように、逃がし弁部
41は構成が簡単であり、弁体40を含む弁装置を用い
たオイルフィルタ100は所望の開弁特性を安定して得
ることができる。
【0057】また、本実施例の弁体40を含む弁装置を
用いたオイルフィルタ100は、更に、エレメントS/
A30が収容されるフィルタケース10、底板12及び
補強板20からなるケーシングを備え、逃がし弁部41
が溝部45の奥端を着座部48としてプロテクタ32と
前記ケーシングとの間に挟持されるものである。つま
り、逃がし弁部41は溝部45の奥端を着座部48とし
てプロテクタ32とケーシング側の補強板20との間に
挟持され保持されることで逃がし弁部41の近傍のシー
ル性が確保される。このように、オイルフィルタ100
における弁体40を含む弁装置の逃がし弁部41がケー
シング内で溝部45の奥端の着座部48を介して確実に
固定され、その際に逃がし弁部41のシール部42の作
動方向である円周方向への弾性変形を伴わず無理がかか
らないため、オイルフィルタ100の逃がし弁部41は
組付後に所望の開弁特性を安定して得ることができる。
【0058】更に、本実施例の弁体40を含む弁装置を
用いたオイルフィルタ100は、フィルタケース10、
底板12及び補強板20からなるケーシングにオイル入
口21が設けられ、前記ケーシング内でオイル入口21
を覆って内部から外部へのオイルの通過を阻止すると共
に、オイル入口21の外部から内部へのオイルの通過を
許容する弾性体の逆止弁部47が逃がし弁部41と一体
成形されているものである。即ち、弁体40を含む弁装
置は逃がし弁部41と逆止弁部47とが一体成形された
ものであり、逆止弁部47がオイルフィルタ100のケ
ーシング内のオイル入口21を覆うように組付けられ
る。このため、弁体40を含む弁装置を用いたオイルフ
ィルタ100は弁体構成が簡素化され型構成が容易で安
価なものにでき、かつ所望の開弁特性を安定して得るこ
とができる。
【0059】このように、本実施例の弁体40を含む弁
装置の製造方法は、端部に内外を連通する通路35が形
成された略円筒状の仕切部材としてのプロテクタ32の
円筒端部33に装着され、通路35を覆って内外の連通
を阻止すると共に、プロテクタ32の内外の圧力差が所
定圧以上となると内外の連通を許容する逃がし弁部41
を有するものであって、逃がし弁部41がプロテクタ3
2の円筒端部33の壁面に対して弾性変形して接触する
環状のシール部42と、シール部42より先端側に設け
られ、プロテクタ32の円筒端部33に遊嵌する環状の
先端部43と、先端部43からシール部42へ向けて傾
斜した案内斜面を形成したガイド部44とを備え、プロ
テクタ32の円筒端部33に逃がし弁部41の先端部4
3を遊嵌させたのち、ガイド部44に沿って徐々に移動
させながら逃がし弁部41を徐々に弾性変形させ、シー
ル部42をプロテクタ32の通路35を通過したのちの
壁面に到達させるものである。
【0060】したがって、先端部43からガイド部44
を介してシール部42が弾性変形によりプロテクタ32
の円筒端部33の通路35を通過したのちの壁面に到達
され、プロテクタ32の円筒端部33の通路35を覆う
ように弁体40を含む弁装置の逃がし弁部41が構成さ
れており、プロテクタ32の円筒端部33の壁面に対し
て逃がし弁部41が先端部43からガイド部44を介し
てシール部42が無理なく弾性変形されつつプロテクタ
32の通路35に到達される。このような弁体40を含
む弁装置の製造方法による逃がし弁部41とプロテクタ
32との組付には無理がなく所望の開弁特性を安定して
得ることができる。
【0061】また、本実施例の弁体40を含む弁装置の
製造方法は、逃がし弁部41がシール部42をプロテク
タ32の円筒端部33の内径よりも大きな径寸法にて形
成すると共に、先端部43をプロテクタ32の円筒端部
33の内径よりも小さな径寸法にて形成し、プロテクタ
32の円筒端部33に逃がし弁部41の先端部43を遊
嵌させたのち、ガイド部44に沿って徐々に移動させな
がら逃がし弁部41を徐々に内側へ弾性変形させ、シー
ル部42をプロテクタ32の通路35を通過したのちの
内壁面に到達させるものである。したがって、プロテク
タ32の円筒端部33の内壁面を利用し、その内径より
も大きな径寸法にて形成されたシール部42が弾性変形
によりプロテクタ32の円筒端部33の通路35を通過
したのちの内壁面に到達され、逃がし弁部41がプロテ
クタ32の円筒端部33の通路35を覆うこととなる。
このような弁体40を含む弁装置の製造方法による逃が
し弁部41は型構成が容易で組付に無理がなく所望の開
弁特性を安定して得ることができる。
【0062】そして、本実施例の弁体40を含む弁装置
の製造方法は、逃がし弁部41にプロテクタ32の円筒
端部33を受入れる環状の溝部45が形成され、プロテ
クタ32の円筒端部33が溝部45の奥端まで挿入され
固定されるものである。したがって、逃がし弁部41が
環状の溝部45を利用してその奥端までプロテクタ32
の円筒端部33が挿入されるだけで組付けられる。この
ような弁体40を含む弁装置の製造方法による逃がし弁
部41は組付における簡素化が達成できる。
【0063】更に、本実施例の弁体40を含む弁装置の
製造方法は、逃がし弁部41がフィルタケース10、底
板12及び補強板20からなるケーシング内に収容さ
れ、溝部45の奥端を着座部48としてプロテクタ32
と前記ケーシングとの間に挟持されるものである。即
ち、逃がし弁部41が溝部45の奥端を着座部48とし
てプロテクタ32とケーシングとの間に挟持され保持さ
れる。このような弁体40を含む弁装置の製造方法によ
る逃がし弁部41はケーシング内で溝部45の奥端の着
座部48を介して確実に固定され、その際に逃がし弁部
41の作動方向に無理がかからないため所望の開弁特性
を安定して得ることができる。
【0064】次に、本発明の実施の形態の一実施例にか
かるオイルフィルタ100の変形例におけるプロテクタ
32と弁体40′との組付工程について図5を参照して
説明する。なお、図5(a)は組付前の状態、図5
(b)は組付後の状態を示しており、上述の実施例と同
様の構成または相当部分からなるものについては同一符
号及び同一記号を付し、その詳細な説明を省略する。こ
こで、図5(a)及び図5(b)に示すように、本変形
例の弁体40′のシール部42′は先端部を兼ねて形成
されており、上述の実施例におけるシール部42に続く
ガイド部44を完全になくした形状である。
【0065】図5(a)に示すように、プロテクタ32
の円筒端部33を弁体40′の先端部を兼ねたシール部
42′に臨ませる。ここで、弁体40′のシール部4
2′はプロテクタ32の円筒端部33の挿入部34の内
径よりも小さな径寸法にて形成されている。また、プロ
テクタ32の挿入部34はテーパ面とされ、弁体40′
のシール部42′に挿入され易くなっている。
【0066】この位置から弁体40′に対してプロテク
タ32が挿入開始されると、まず、プロテクタ32の挿
入部34が弁体40′のシール部42′に遊嵌され、次
に、プロテクタ32の挿入部34のテーパ面が弁体4
0′のシール部42′に接触しながら挿入される。この
ため、プロテクタ32の挿入部34のテーパ面に沿うよ
うに弁体40′のシール部42′が内側に弾性変形され
移動される。
【0067】また、図5(b)に示すように、プロテク
タ32の円筒端部33の先端部分が弁体40′の溝部4
5の奥端に当接される。この状態において、弁体40′
のシール部42′がプロテクタ32の円筒端部33に形
成された通路35を通過した内壁面に到達される。即
ち、弁体40′の逃がし弁部41′によりプロテクタ3
2の円筒端部33の通路35が覆われ内外の連通が阻止
状態とされる。このとき、弁体40′の逃がし弁部4
1′はそのシール部42′と溝部45の奥端との中間を
支点として先端側のシール部42′が主として弾性変形
を受ける。
【0068】そして、組付けられたプロテクタ32と弁
体40′とが、図1と同様、フィルタケース10内に収
容され、補強板20と嵌着された底板12の外周縁がフ
ィルタケース10の開口端縁と巻締めされ、底板12の
爪部12aにガスケット13が保持されることでオイル
フィルタ100が構成される。このとき、弁体40′の
溝部45の奥端の着座部48が補強板20の内面に着座
されることで、オイルフィルタ100内でエレメントS
/A30の内外が液密状態となる。
【0069】このように、本変形例の弁体40′は、端
部に内外を連通する通路35が形成された略円筒状の仕
切部材としてのプロテクタ32の円筒端部33に装着さ
れ、通路35を覆って内外の連通を阻止すると共に、プ
ロテクタ32の内外の圧力差が所定圧以上となると内外
の連通を許容する逃がし弁部41′を有するものであっ
て、逃がし弁部41′がプロテクタ32の円筒端部33
の壁面に対して弾性変形して接触する環状のシール部4
2′と、シール部42′より先端側に設けられ、プロテ
クタ32の円筒端部33に遊嵌する環状の先端部を兼ね
たシール部42′とを具備するものである。
【0070】したがって、先端部を兼ねたシール部4
2′が弾性変形によりプロテクタ32の円筒端部33の
通路35を通過したのちの壁面に到達され、プロテクタ
32の円筒端部33の通路35を覆う弁体40′の逃が
し弁部41′が構成されている。このため、弁体40′
の逃がし弁部41′は型構成が容易で組付に無理がなく
所望の開弁特性を安定して得ることができる。
【0071】また、本変形例の弁体40′を含む弁装置
の製造方法は、端部に内外を連通する通路35が形成さ
れた略円筒状の仕切部材としてのプロテクタ32の円筒
端部33に装着され、通路35を覆って内外の連通を阻
止すると共に、プロテクタ32の内外の圧力差が所定圧
以上となると内外の連通を許容する逃がし弁部41′を
有するものであって、逃がし弁部41′がプロテクタ3
2の円筒端部33の壁面に対して弾性変形して接触する
環状のシール部42′と、シール部42′より先端側に
設けられ、プロテクタ32の円筒端部33に遊嵌する環
状の先端部を兼ねたシール部42′とを備え、プロテク
タ32の円筒端部33に逃がし弁部41′の先端部とし
てのシール部42′を遊嵌させたのち、逃がし弁部4
1′を徐々に弾性変形させ、シール部42′をプロテク
タ32の通路35を通過したのちの壁面に到達させるも
のである。
【0072】したがって、先端部を兼ねたシール部4
2′が弾性変形によりプロテクタ32の円筒端部33の
通路35を通過したのちの壁面に到達され、プロテクタ
32の円筒端部33の通路35を覆うように弁体40′
を含む弁装置の逃がし弁部41′が構成されており、プ
ロテクタ32の円筒端部33の壁面に対して逃がし弁部
41′が先端部を兼ねたシール部42′が無理なく弾性
変形されつつプロテクタ32の通路35に到達される。
このような弁体40′を含む弁装置の製造方法による逃
がし弁部41′とプロテクタ32との組付には無理がな
く所望の開弁特性を安定して得ることができる。
【0073】そして、本変形例の弁体40′を含む弁装
置の製造方法は、逃がし弁部41′がシール部42′を
プロテクタ32の円筒端部33の内径よりも大きな径寸
法にて形成すると共に、先端部43をプロテクタ32の
円筒端部33の内径よりも小さな径寸法にて形成し、プ
ロテクタ32の円筒端部33に逃がし弁部41′の先端
部を兼ねたシール部42′を遊嵌させたのち、逃がし弁
部41′を徐々に内側へ弾性変形させ、シール部42′
をプロテクタ32の通路35を通過したのちの内壁面に
到達させるものである。したがって、プロテクタ32の
円筒端部33の内壁面を利用し、その内径よりも大きな
径寸法にて形成されたシール部42′が弾性変形により
プロテクタ32の円筒端部33の通路35を通過したの
ちの内壁面に到達され、逃がし弁部41′がプロテクタ
32の円筒端部33の通路35を覆うこととなる。この
ような弁体40′を含む弁装置の製造方法による逃がし
弁部41′は型構成が容易で組付に無理がなく所望の開
弁特性を安定して得ることができる。
【0074】ところで、上記実施例では、プロテクタ3
2の円筒端部33を利用して逃がし弁部41,41′の
壁面や通路35を形成しているが、本発明を実施する場
合には、これに限定されるものではなく、逃がし弁部4
1,41′が接触される壁面等はエレメントS/A30
のプロテクタ32とは別体であってもよく、例えば、エ
レメントS/Aがエンドプレートを有しておれば、その
エンドプレートを利用してもよい。
【0075】また、上記実施例では、エレメントS/A
30のフィルタエレメント31がプロテクタ32を成形
吸引型とした成形濾過体としているが、本発明を実施す
る場合には、これに限定されるものではなく、濾紙を折
って形成してもよい。また、プロテクタ32は樹脂製に
限らず、金属製でもよく、例えば、鉄板を円筒状に加工
して得ることができる。
【0076】そして、上記実施例では、プロテクタ32
の円筒端部33を直管としているが、本発明を実施する
場合には、これに限定されるものではなく、プロテクタ
32の円筒端部33をテーパ管としてもよく、この場合
にはそのテーパ面に沿うように逃がし弁部41,41′
の溝部45等を傾斜させればよい。
【0077】更に、上記実施例では、オイルフィルタ1
00の補強板20の中央にオイル出口22、その周囲に
オイル入口21が形成されているが、本発明を実施する
場合には、これに限定されるものではなく、オイル入口
とオイル出口との配置関係を逆に形成する場合には、逃
がし弁体が接触される壁面をプロテクタの外壁面とすれ
ばよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施の形態の一実施例にかか
るオイルフィルタを示す断面図である。
【図2】 図2は図1の弁体の詳細な形状を示す断面図
である。
【図3】 図3は本発明の実施の形態の一実施例にかか
るオイルフィルタにおけるプロテクタと弁体との組付工
程を示す説明図である。
【図4】 図4は本発明の実施の形態の一実施例にかか
るオイルフィルタにおける弁体を含む弁装置の作動状態
を示す部分断面図である。
【図5】 図5は本発明の実施の形態の一実施例にかか
るオイルフィルタの変形例におけるプロテクタと弁体と
の組付工程を示す説明図である。
【符号の説明】
10 フィルタケース(ケーシング) 12 底板(ケーシング) 20 補強板(ケーシング) 21 オイル入口 30 エレメントS/A(エレメント組立体) 31 フィルタエレメント 32 プロテクタ(仕切部材) 33 円筒端部 35 通路 40 弁体 41 逃がし弁部 42 シール部 43 先端部 44 ガイド部 45 溝部 46 くびれ部 47 逆止弁部 48 着座部 100 オイルフィルタ(フィルタ装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富高 貢市 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端部に内外を連通する通路が形成された
    略円筒状の仕切部材に装着され、前記通路を覆って内外
    の連通を阻止すると共に、前記仕切部材の内外の圧力差
    が所定圧以上となると内外の連通を許容する逃がし弁部
    を有する弁体であって、 前記逃がし弁部は、 前記仕切部材の端部の壁面に対して弾性変形して接触す
    る環状のシール部と、 前記シール部より先端側に設けられ、前記仕切部材の端
    部に遊嵌する環状の先端部とを具備することを特徴とす
    る弁体。
  2. 【請求項2】 端部に内外を連通する通路が形成された
    略円筒状の仕切部材に装着され、前記通路を覆って内外
    の連通を阻止すると共に、前記仕切部材の内外の圧力差
    が所定圧以上となると内外の連通を許容する逃がし弁部
    を有する弁体であって、 前記逃がし弁部は、 前記仕切部材の端部の壁面に対して弾性変形して接触す
    る環状のシール部と、 前記シール部より先端側に設けられ、前記仕切部材の端
    部に遊嵌する環状の先端部と、 前記先端部から前記シール部へ向けて傾斜した案内斜面
    を形成したガイド部とを具備することを特徴とする弁
    体。
  3. 【請求項3】 前記逃がし弁部は、前記仕切部材の内壁
    面に沿って延在され、前記シール部を前記仕切部材の端
    部の内径よりも大きな径寸法にて形成すると共に、前記
    先端部を前記仕切部材の端部の内径よりも小さな径寸法
    にて形成することを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の弁体。
  4. 【請求項4】 前記逃がし弁部には、前記仕切部材の端
    部がその奥端まで挿入され固定される環状の溝部が形成
    されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何
    れか1つに記載の弁体。
  5. 【請求項5】 前記逃がし弁部は、前記シール部と前記
    溝部の奥端との間に部分的に厚みが薄い環状のくびれ部
    を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れ
    か1つに記載の弁体。
  6. 【請求項6】 端部に内外を連通する通路が形成された
    略円筒状の仕切部材に装着され、前記通路を覆って内外
    の連通を阻止すると共に、前記仕切部材の内外の圧力差
    が所定圧以上となると内外の連通を許容する逃がし弁部
    を有する弁体であって、 前記逃がし弁部には、前記仕切部材の端部からその壁面
    に沿って延在され、一端側には前記仕切部材の端部がそ
    の奥端まで挿入され固定される溝部が形成され、他端側
    には前記仕切部材の端部の壁面に対して弾性変形して接
    触するシール部が形成され、前記シール部と前記溝部と
    の間に部分的に厚みが薄いくびれ部が形成されたことを
    特徴とする弁体。
  7. 【請求項7】 前記逃がし弁部は、環状に形成され、前
    記溝部、前記シール部及び前記くびれ部も環状に形成さ
    れていることを特徴とする請求項6に記載の弁体。
  8. 【請求項8】 ほぼ直管状または外開き状の端部に内外
    を連通する通路が形成された略円筒状の仕切部材と、 前記仕切部材の端部に装着され、前記仕切部材の端部か
    ら前記仕切部材の内壁面に沿って延在され前記通路を覆
    って内外の連通を阻止すると共に、前記仕切部材の内外
    の圧力差が所定圧以上となると内外の連通を許容する逃
    がし弁部とを具備することを特徴とする弁装置。
  9. 【請求項9】 前記逃がし弁部は、前記仕切部材の端部
    の壁面に対して弾性変形して接触する環状のシール部
    と、前記仕切部材の端部がその奥端まで挿入され固定さ
    れる環状の溝部とを有し、前記シール部と前記溝部の奥
    端との間に部分的に厚みが薄い環状のくびれ部を有する
    ことを特徴とする請求項8に記載の弁装置。
  10. 【請求項10】 前記仕切部材の端部には、テーパ面が
    形成されていることを特徴とする請求項8または請求項
    9に記載の弁装置。
  11. 【請求項11】 更に、前記仕切部材に支持され、流体
    を濾過するフィルタエレメントを有するエレメント組立
    体を備え、 前記エレメント組立体の上流側と下流側との圧力差が所
    定圧以上となると、前記逃がし弁部が前記仕切部材の端
    部の前記通路の上流側から下流側への流体の流れを許容
    することを特徴とする請求項8乃至請求項10の何れか
    1つに記載の弁装置を用いたフィルタ装置。
  12. 【請求項12】 更に、前記エレメント組立体が収容さ
    れるケーシングを備え、 前記逃がし弁部は、前記溝部の奥端を着座部として前記
    仕切部材と前記ケーシングとの間に挟持されることを特
    徴とする請求項11に記載の弁装置を用いたフィルタ装
    置。
  13. 【請求項13】 前記ケーシングには、流体入口が設け
    られ、 前記ケーシング内で前記流体入口を覆って内部から外部
    への流体の通過を阻止すると共に、前記流体入口の外部
    から内部への流体の通過を許容する弾性体の逆止弁部が
    前記逃がし弁部と一体成形されていることを特徴とする
    請求項12に記載の弁装置を用いたフィルタ装置。
  14. 【請求項14】 端部に内外を連通する通路が形成され
    た略円筒状の仕切部材に対して前記仕切部材の端部から
    その壁面に沿って延在され、前記通路を覆って内外の連
    通を阻止すると共に、内外の圧力差が所定圧以上となる
    と内外の連通を許容する逃がし弁部を有する弁装置の製
    造方法において、 前記逃がし弁部は、前記仕切部材の端部の壁面に対して
    弾性変形して接触する環状のシール部と、前記シール部
    より先端側に設けられ、前記仕切部材の端部に遊嵌する
    環状の先端部とを備え、 前記仕切部材の端部に前記逃がし弁部の前記先端部を遊
    嵌させたのち、前記逃がし弁部を徐々に弾性変形させ、
    前記シール部を前記仕切部材の前記通路を通過したのち
    の壁面に到達させることを特徴とする弁装置の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 前記逃がし弁部は、前記シール部を前
    記仕切部材の端部の内径よりも大きな径寸法にて形成す
    ると共に、前記先端部を前記仕切部材の端部の内径より
    も小さな径寸法にて形成し、 前記仕切部材の端部に前記逃がし弁部の前記先端部を遊
    嵌させたのち、前記逃がし弁部を徐々に内側へ弾性変形
    させ、前記シール部を前記仕切部材の前記通路を通過し
    たのちの内壁面に到達させることを特徴とする請求項1
    4に記載の弁装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 端部に内外を連通する通路が形成され
    た略円筒状の仕切部材に対して前記仕切部材の端部から
    その壁面に沿って延在され、前記通路を覆って内外の連
    通を阻止すると共に、内外の圧力差が所定圧以上となる
    と内外の連通を許容する逃がし弁部を有する弁装置の製
    造方法において、 前記逃がし弁部は、前記仕切部材の端部の壁面に対して
    弾性変形して接触する環状のシール部と、前記シール部
    より先端側に設けられ、前記仕切部材の端部に遊嵌する
    環状の先端部と、前記先端部から前記シール部へ向けて
    傾斜した案内斜面を形成したガイド部とを備え、 前記仕切部材の端部に前記逃がし弁部の前記先端部を遊
    嵌させたのち、前記ガイド部に沿って徐々に移動させな
    がら前記逃がし弁部を徐々に弾性変形させ、前記シール
    部を前記仕切部材の前記通路を通過したのちの壁面に到
    達させることを特徴とする弁装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記逃がし弁部は、前記シール部を前
    記仕切部材の端部の内径よりも大きな径寸法にて形成す
    ると共に、前記先端部を前記仕切部材の端部の内径より
    も小さな径寸法にて形成し、 前記仕切部材の端部に前記逃がし弁部の前記先端部を遊
    嵌させたのち、前記ガイド部に沿って徐々に移動させな
    がら前記逃がし弁部を徐々に内側へ弾性変形させ、前記
    シール部を前記仕切部材の前記通路を通過したのちの内
    壁面に到達させることを特徴とする請求項16に記載の
    弁装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記逃がし弁部には、前記仕切部材の
    端部を受入れる環状の溝部が形成され、前記仕切部材の
    端部が前記溝部の奥端まで挿入され固定されることを特
    徴とする請求項14乃至請求項17の何れか1つに記載
    の弁装置の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記逃がし弁部は、ケーシング内に収
    容され、前記溝部の奥端を着座部として前記仕切部材と
    前記ケーシングとの間に挟持されることを特徴とする請
    求項18に記載の弁装置の製造方法。
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