JP2008545519A - 特に内燃機関において流体をろ過するためのろ過装置 - Google Patents

特に内燃機関において流体をろ過するためのろ過装置 Download PDF

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Abstract

特に内燃機関において液体をろ過するためのろ過装置において、放射状に流体が通過しフィルタハウジングに設置されるフィルタエレメントを備えて、フィルタハウジングはカバーディスクで閉鎖される。カバーディスクは流路連結部により相互に連結される2枚のディスクで構成され、その2枚のディスク及び流路連結部は1つのプラスティック部材として形成される。

Description

本発明は、請求項1項の前段部分(フィルタハウジング(2)に挿入可能なフィルタエレメント(4)と、前記ハウジングを閉じるカバーディスク(3)を備えた、特に内燃機関において流体をろ過するためのろ過装置において、)に記載の、特に内燃機関において流体をろ過するためのろ過装置に関する。
前記ろ過装置はオイルや燃料をろ過するために内燃機関において用いられ、フィルタハウジングに挿入され外側から内側に向けて放射状に流体が流れる中空円筒状のフィルタエレメントを備える。被ろ過流体はフィルタハウジングにおいて入口側となるフィルタエレメント外側部分に注入口から導入され、ろ過後に中央の空洞部分から軸方向に排出される。フィルタハウジングはフィルタエレメントを受けるため略カップ形状に形成されており、フィルタエレメントを挿入してからカバーディスクで閉じる。このカバーディスクは安定性が要求されるので一般的には金属製である。
本発明が解決しようとする課題は安定性のある設計で同時に軽量な一般的な種類のろ過装置を開発することである。また、好ましくは容易に廃棄可能なろ過装置とする。
この問題は、請求項1の特性を備えた発明によって解決される。従属請求項は更に好ましい開発を示す。
本発明による、特に内燃機関において例えばオイル又は燃料のろ過に使用されるフィルタ装置は、フィルタハウジングに取り付けられるカバーディスクを備え、このカバーディスクは2枚の平行なディスクを中央流路連結部を介して連結して構成され、2枚のディスク及び流路連結部は1つのプラスティック部材として構成される。カバーディスクを二重のプラスティック製ディスクで構成することで先行例と比較して少なくとも先行技術と同等の軽量かつ高い安定性を得られると共に、完全にプラスティック製なのでリサイクル可能性が飛躍的に向上し、また使用後に環境に大きく影響を与えることなく通常プラスティック製であるフィルタハウジングと一緒に焼却処分することができる。2枚のディスクからなるカバーディスクは例えば射出成型部材として簡単に製造することが出来るし、その他深絞りなどのプラスティック部材製造方法によっても製造できる。必要であればプラスティック製のカバーディスクを金属製容器と共に使用してもよい。
カバーディスクにおける中が空洞の円筒状の流路連結部には2つの機能がある。1つ目は2枚のディスクを相互に連結することで、2つ目は流体が流路連結部の内部を通ってフィルタハウジングに導入される、若しくはフィルタハウジングから排出されることである。更に好ましくは流路連結部には雌ねじを備えてカバーディスク若しくはろ過装置全体を内燃機関の部材と連結させる。必要に応じて雄ネジを使ってフィルタと例えばモーターフランジを繋げるようにしても良い。このような雄ネジは別の部材としてカバーに挿入されてもよく、好ましくは流路を繋ぐように射出成形若しくは切削加工にて成形する。
各ディスク間の流路連結部の直径を比較的大きくすることにより流体が流路連結部を容易に流れることができ、またカバーディスクの安定性を向上できる。流路連結部に加えて2枚のディスクを連結する連結バーを半径方向外側に設けてもよく、それによってカバーディスクを非常に強固に固定することができる。
好ましい実施例によるとディスクの1枚はフロントディスクとしてフィルタエレメントの軸端面側に接触して取り付けられ、例えば溶接や接着剤によりフィルタエレメント軸端面側にしっかりと連結される。フロントディスクとなるディスクはフィルタエレメントの入口側と清浄側の流体を確実に隔ててフィルタエレメントの安定性を高める。
一般的にはカバーディスクの2枚のディスクを連結する中央流路連結部は、ろ過された流体を清浄側であるフィルタエレメントの内部から軸方向に排出するための流出連結部である。未ろ過流体の供給もカバーディスクを介して行うと利便性が良い。このためにフィルタエレメントに離れて面する外側のディスクにフィルタエレメントの方向に開口するアンチドレーン弁を少なくとも1つ設けて未ろ過流体をろ過装置に導入する。このアンチドレーン弁はろ過装置内の入口側の流体圧がフィルタ装置に導入される流体の圧力よりも低いときは開位置となっている。このアンチドレーン弁によってフィルタエレメントが外れている時に流体が漏出したり、モーター停止時のフィルタのアイドリングを防止できる。
簡単な例としてはこのアンチドレーン弁はダックビル弁として形成して、弁の流入側と流出側の圧力差に対応して流出側の圧力が閾値を越えた場合に自動的に閉位置へと移動するようにする。
フィルタエレメントに隣接する方のディスクには円周方向に延びる長孔を設けて、外側ディスクのアンチドレーン弁から導入された流体が2枚のディスク間の空間からフィルタエレメントの入口側に流れるようにすることが好ましい。長孔を規定するディスクの外縁はフィルタハウジングの内側面に接して位置規定されることによりまた安定性が高まる。必要に応じて外縁もまた溶接若しくは接着剤等により側面に連結させてもよい。
円周方向に延びる長孔の代わりに、フィルタエレメントに直に接するディスクの外縁部に半径方向に突出するリブと半径方向に奥まった凹部を設けて、凹部を通ってフィルタエレメントの入口側に流体が導入されるようにしてもよい。突出するリブはフィルタハウジングの内側面に接するようにする。
フィルタエレメントの入口側と清浄側を直接連通させるオーバーフロー穴をフィルタエレメントの軸端に配置されるフロントディスクに設けてもよく、フロントディスクは好ましくはカバーディスクの2枚のうちの1枚とする。オーバーフロー開口は通常閉状態であるオーバーフロー開口によって閉じられて入口側と清浄側を隔てている。例えばフィルタエレメントの詰まり等によって入口側の圧力が閾値を越えると、オーバーフロー弁が開き、入口側から清浄側へ直接流体を流すことにより超過した圧力が減少する。圧力が減少するとオーバーフロー弁は自動的に閉位置へと移動する。
ろ過装置と内燃機関の構成部材とを連結する中央流路連結部における連結用の雌ネジのネジ底は鋸歯状ではなく、楕円形状とすることが好ましく、そうすることによりネジの応力負荷を非常に軽減できる。よってカバーディスクにプラスティックを使用したとしても、流路連結部のネジ部分に比較的強い負荷がかけることができ、特にろ過装置の重量負担を雌ねじ部分(ネジ底)で支えることが可能となる。
更なる利点及び好ましい実施例が請求項、詳細な説明、及び以下の図面から得ることができる。
図中は、同一構成部材には同一の符号を付することとする。
図1、2に代表されるろ過装置1は主にオイル若しくは燃料のような流体をろ過するために内燃機関で使用されている。ろ過装置1にはほぼカップ形状でカバーディスク3によって閉塞するプラスティック製のフィルタハウジング2を備える。フィルタハウジング2の内部に挿入されるフィルタエレメント4は中が空洞の円筒形状で、フィルタエレメント4の内部に設けられたプラスティック製の中央支持部材5で支持されている。フィルタエレメント4は外部が入口側12、内部が清浄側13となるように外から中に向って放射状半径中心に向けて流体が流れるようになっている。
カバーディスク3は完全プラスチック製で、空洞を有する流路連結部8で連結されたほぼ半径が同一の2枚のディスク6,7を平行に配置して構成される。2枚のディスク6、7と流路連結部8は、プラスティック製の1つの部材として、例えば射出形成若しくは深絞り等の方法で製造される。必要であれば更なる連結バーを二枚のディスク6、7間の空間に配置し、相互に支持し合いカバーディスク3の安定度が大幅に増すように構成してもよい。
カバーディスク3の一部として2枚のディスク6、7を連結する中央連結部材は、連結雌ネジ9が特色であり、雌ネジ9を介してカバーディスク3及びそれに連結されるろ過装置1全体が内燃機関のサブアッセンブリーと繋がれる。同時に流路連結部8はフィルタエレメント4の清浄側13に連通して、ろ過された流体をろ過装置1から軸方向に排出するための流出(off flow)開口として機能する。流路連結部8はフィルタエレメント4に当接する方の下側ディスク7の底部から軸の上方向に向って突出すると同時にフィルタエレメント4の清浄側13である円筒内部へも突出している。
下側ディスク7は、個別に例えば溶接若しくは接着剤によりフィルタエレメント4の軸端部に直接連結させるほうが都合がよい。そうすることにより、下側ディスク7がフィルタエレメントの端面を形成するので、フィルタエレメントの安定性が確保される上に清浄側と入口側を確実に分離することができる。
流体入口(inflow openings)は、フィルタエレメント4に離間して面する上側ディスク6に設けられており、上側ディスク6にはアンチドレーン弁10が挿入されている。アンチドレーン弁10は例えば図8、9に詳細に示されるダックビル弁として形成される。まず、被ろ過流体がアンチドレーン弁10を通過して2枚のディスク6、7間の空間に導入される。アンチドレーン弁10によりフィルタエレメント上部が取り外されてモーターが停止している時に流体が流出したりフィルタエレメントがアイドル運転されることがなくなる。流体はディスク6、7間の空間からフィルタエレメント4に当接する下側ディスク7の貫通孔11を通って、フィルタハウジング2の内壁とフィルタハウジング4の外壁の間に環状の間隙として形成される入口側12へと流れる。フィルタエレメント4を外側から内側に向って放射状に半径中心側に流れると、ろ過された流体は中央円筒状内部(清浄側13)に集められてカバーディスク3の流路連結部8を通って軸方向上端側に排出される。
上側ディスク6の上部ではガスケット14がガスケットの挿入用溝に挿入されている。ガスケット14によって、ろ過装置1が内燃機関のサブアッセンブリに流体漏れのないよう確実に連結することができる。
フィルタハウジング2の底に面するろ過装置の下方部分においてフィルタエレメント4は(図1に示すように)底側エンドプレート15で密閉されている。このエンドプレート15はカバーディスク3の反対側のフィルタエレメント底側に設けられ、フィルタエレメント4の清浄側13に下から突出する凸状のカップ形状の固定結合部16を備える。エンドプレート15から突出する固定結合部16の外側はオーバーフロー弁としてのチューブ状シール部材17で囲まれている。固定結合部16の軸方向に延びる壁にはチューブ状シール部材(短手長さの円筒状ホースからなるシール部材)17で覆われた流体開口18が設けられて、通常時は流体が漏れないようにチューブ状シール部材17で閉じている。しかし、入口側12の圧力が閾値を越えた場合、特に清浄側13の圧力を超えた場合には、被ろ過流体はフィルタハウジングの底部を通って下から固定結合部16の流体開口へと流れて流体開口18を通ってチューブ状シール部材17の内面に衝突する。そうするとチューブ状シール部材は半径方向に拡張して未ろ過の流体が流体開口18を通って入口側12から清浄側13へと直接流れる。圧力が減少すると流体開口18は再びチューブ状シール部材17の内圧で流体漏れのないように閉鎖される。チューブ状シール部材17は1部材で弁体の機能と、閉位置にある時は弁体に衝突する力を与える弁バネの機能をする。
図3はカバーディスク3のみを示した図である。流体貫通孔11が下側ディスク7中にカバーディスクの円周方向に延びる長孔として設けられる。流体貫通孔11はカバーディスク3が直接フィルタエレメントに取り付けられると入口側12に繋がるように下側ディスク7の半径方向外側に配置されている。
上側ディスク6の上部にはガスケットを挿入するためのカバーディスクと一体とした溝部19が設けられている。
図4は、流路連結部8に貫通して設けられた雌ネジ9の拡大図である。ネジの隣接する2つの歯の間は断面図において楕円状であり実線21で示す。一方、従来技術で用いられるのこ歯は点線21´で示す。実線21のような楕円形状にすると張力が低減されるのでプラスティックのように比較的柔らかい素材を使用することができるという利点がある。
図5〜7は、流体をろ過するためのろ過装置1の別の実施例を示す。本実施例におけるろ過装置は、カバーディスク3に面するフィルタエレメント4の上側に設けられたオーバーフロー弁22が特徴であり、通常の状態ではフィルタエレメントの入口側12と清浄側13間のオーバーフロー間隙部23を閉じるように構成している。このオーバーフロー間隙部23はフィルタエレメント4の上端面にしっかりと接続するフロントディスク26に現れる。フロントディスク26はカバーディスク3とは別の部材であるが繋がれていることとする。発明の範囲においてカバーディスク3の下側ディスク7とフィルタエレメント4の端面が直接つながれていてもよいが、その場合はオーバーフロー間隙部23は下側ディスク7に現れることとする。またフロントディスク26とカバーディスク3をプラスティックの1部品として形成してもよい。
オーバーフロー弁22は弁体の機能を確実にするシールワッシャ24を備え、フィルタエレメントの清浄側13に軸方向に摺動するように構成されて、シールワッシャ24がフロントディスク26のオーバーフロー間隙部23に密閉状態で接触する閉状態ではバルブスプリング25からの衝撃を受ける。バルブスプリング25はフィルタエレメント4の支持部材5で支持される。
被ろ過流体はアンチドレーン弁10を通ってろ過装置の内部に導入される。カバーディスク3には全部で4つのアンチドレーン弁10が配置される。導入された流体の圧力が閾値を越えるとシールワッシャ24が閉位置からバルブスプリング25の力に対抗して軸方向下に移動し、オーバーフロー穴23を通って入口側12から清浄側13へと直接流れる流路ができる。圧力が下がればバルブスプリング25により再びシールワッシャ24が入口側12の圧力に対抗して上に移動して閉位置となりオーバーフロー穴23が流体漏れのないよう閉鎖される。オーバーフロー弁22の構成部材は全てプラスティック製であることが好ましいが、特にシールワッシャ24とバルブスプリング25はプラスティック製とする。
図8と9はダックビル弁として形成されたアンチドレーン弁10の1実施例を示し、カバーディスク3の穴に挿入されて被ろ過流体をろ過装置1へと導入する。ダックビル弁10もまた全プラスティック製とする。ダックビル弁10の出口側には十字状の2本の流体スリット27があることが特徴であり、通常時は被ろ過流体が流れるように開いている。ダックビル弁10はプラスティック材という柔軟な素材であることによって流体スリット27を規定するアンチドレーン弁の壁部28は外から閾値以上の圧力がかかることにより流体スリット27が閉じて流体がアンチドレーン弁10を通過できなくなる。外からの圧力が減少されるとアンチドレーン弁10の材質特有の弾性力により流体スリット27が再度開いてアンチドレーン弁を通って流体が流れるようになる。
図10〜12はフィルタエレメントの底近くの下部に位置する入口側と清浄側間のオーバーフロー弁の一実施例を示す。フィルタハウジング2の容器の底付近に配置されるエンドプレート15から中央固定結合部16が立ち上げられその周りには弁体としての円筒状のチューブ状シール部材17が配置される。中央固定部16には中央突出部31の周りに円周方向に互いに分離された垂直に立ち上がる壁部30が備えられている。壁部30はそれぞれプラスティック製のエンドプレート15と一体として形成されて弾性力を持つ。このように構成することによりガスケット29が壁部30の外側に設けられた環状溝32に挿入される。
弁体を形成するチューブ状シール部材17は、中央のカップ形状の突出部31とそれを囲む壁部30との間に挿入される。こうしてチューブ状シール部材は中央突出部31の壁に表れる流体開口18を閉鎖する。
フィルタエレメント入口側の未ろ過流体が軸方向下部から中央突出部31の内部に入り内部から外部に向かって放射状にチューブ状シール部材に圧力を加える。入口側の圧力が閾値を越えた場合、チューブ状シール部材17が拡張して入口側と清浄側の間に流体開口18を経由する流体連通路が形成されて未ろ過流体が直接清浄側に流出可能となる。入口側の圧力が減少するとオーバーフロー弁はチューブ状シール部材に圧力がかかることにより自動的に閉じられる。
オーバーフロー弁の部材は全て(チューブ状シール部材以外は)プラスティック製でリサイクルの可能性を大幅に高めることとする。
図13aは他の実施例におけるフィルタエレメントの底部に位置するオーバーフロー弁を示す。本実施例においてもフィルタエレメントの部材は全てプラスティック製とする。支持部材の固定穴により内部に無駄なく軸方向に取外し可能に固定されるスナップインフック33と一体に構成されたシールワッシャ24でオーバーフロー弁22の弁体が形成される。このようにしてシールワッシャ24は、エンドプレート15の底のオーバーフロー開口23が流体漏れのないように閉鎖された閉位置と、開位置の間を軸方向に移動可能となる。シールワッシャ24は閉位置ではバルブスプリング25の力を受けている。
固定結合部16の壁部30で囲まれるオーバーフロー開口23は通常シールワッシャ24で流体漏れのないように閉鎖されている。入口側の圧力が閾値を越えると未ろ過流体が下からシールワッシャ24に当接するオーバーフロー開口23に流れ込んでバルブスプリング25の力に対して開方向への圧力をかけるようシールワッシャ24に衝突する。そうするとシールワッシャ24は吊り上げられ入口側と清浄側の間に流体連通路が現れる。圧力が減少するとバルブスプリング25の力によってシールワッシャ24がオーバーフロー開口23が閉じた閉位置に戻る。
図13bでは図13aのオーバーフロー弁22と基礎構造は対応するが、バルブスプリング25とスナップインフック33がフィルタエレメントの支持部5ではなく固定結合部16において弁体で支持される構造となってる。支持部5は固定部材16の上に位置して、固定部材は好ましくはエンドプレート15と同一部材として連結されることとするが個々に独立した別部材として形成してもよい。
図14a〜16bはオーバーフロー弁22の様々な実施例を簡単な構造で示したものであり、閉位置にある時はフィルタエレメントの清浄側と入口側が隔てられ、開位置では未ろ過流体が直接流入可能となる。バルブハウジング34にはシールワッシャ24として形成された軸方向に取り外し可能な弁体がバルブスプリング25に閉位置の状態で配置されている。外側からシールワッシャ24方向へバルブスプリング25のばね力に対抗する力が加わると、シールワッシャ24はバルブハウジング34の内部に向けて移動してバルブハウジング34の壁のオーバーフロー穴23が開放され、フィルタエレメントの入口側と清浄側の間に直通の流体連通路が形成される。図示した3実施例において、バルブスプリング25は弾性力でバウンスするブロックとして形成され、図14a、bではエラストマーブロック、図15a、bではエラストマーベロー、図16a、bにおいてはPUR発泡体又はシリコン発泡体からなる発泡スプリングブロックの例を示す。
図17〜図21は流体をろ過するろ過装置の別の実施例を示す。本ろ過装置1は内部を被ろ過流体が放射状に流れる環状のフィルタエレメント4が挿入される円筒状のフィルタハウジング2を特徴としている。そのために被ろ過流体は図18に示すようにフィルタハウジング2に正面(フィルタハウジング2である筒体上端開口側)から導入される。ろ過を行うためには外側から内側に向けて放射状にフィルタエレメント中を通るように流体を流して、清浄側とされる内側部分を通過してフィルタハウジングの外に軸方向に放出する。フィルタエレメント4はその支持構造5を特徴として備える。流体が導入及び/又は放出される軸方向端部には清浄室と入口側とを隔てる連結リング40、41が同軸上に配置されている。連結リング40と41の間の空間が入口側を示し、小さいほうの連結リング41の内部が清浄側を示す。
詳細に描かれた図20、21から分かるように、流体が導入及び/又は放出される軸方向端部には半径方向外側の支持リング43がフィルタエレメント4に設けられ、支持リングの外周には流体を放射状に流出させる開口27が一定間隔で設けられている。半径方向外側では、弾性力のある材質のチューブ状シール部材42が支持リング43の半径方向外側に対して内側方向への圧力を受けることにより流体の開口27を覆う。チューブ状シール部材42と支持リング43とによりホースバルブとしてのアンチドレーン弁10が形成され、内側と外側の圧力差に対応して図21に示す開位置へと移動し、チューブ状シール部材42が少なくとも部分的に流出開口27に密閉状態で接触している固定位置から上に吊り上げられて流体が放射状に流出開口27を通り抜けるようにする。軸方向に導入された被ろ過流体からの内側への圧力によりチューブ状シール部材42が密閉位置から半径方向に上げられて流出開口27が開放される。チューブ状シール部材の内側と外側の圧力差がチューブ状シール部材の内側弾力により決定される閾値より下になるとチューブ状シール部材は流出開口を閉じて密閉位置に戻る。
図22は流体をろ過するろ過装置の別の実施例を示す。フィルタエレメントが挿入されるカップ形状のフィルタハウジング2は、雌ねじ9を有する中央流路連結部8が一体化された外側カバー6により軸端部で閉鎖される。流路連結部8とディスク6の半径方向外縁の間に放射状スポーク50が延在している。このようなスポークをディスク6の円周上に一定間隔を置いて、複数配置することとする。スポーク50は直線形状で好ましくは放射状にのみに延びる。ドットで示す実施例のように、放射状(半径方向)に弾性変形可能に伸張するという要素だけではなく周方向に弾性変形可能に伸張するという要素も持つ湾曲スポーク50´を使用することが好ましい。さらに、直線形状のスポークは半径方向に角度が傾斜して延びていてもよい。
図23〜25は流体をろ過するろ過装置の別の実施例を示す。フィルタエレメント4は環状で内側が清浄側で半径方向外側が入口側とする。フィルタエレメント4の軸端側には好ましくは全プラスティック製のオーバーフロー又はバイパス弁22が設けられ、フィルタエレメントの軸端側から内部へ軸方向に挿入可能なバルブハウジング34を特徴として有する。バルブハウジング34は螺旋バネとして形成され圧力をかけるバルブスプリング25を備える。このバルブスプリング25により弁体であるシールワッシャ24が閉位置へと押される。入口側の流体圧が閾値を越えた場合、シールワッシャ24はバルブスプリング25の力に対抗して開放し入口側と清浄側の間に直通の連通流路が形成される。
フィルタエレメントの軸方向端部から複数の支持脚60が突出するように配置されており、好ましくはバルブハウジング34と同一の部材として構成される。これらの支持脚60は弾性力によりバウンスする支持手段であり、フィルタエレメント4をフィルタハウジング2に挿入する際に軸方向の公差を補正してフィルタハウジングの底部にフィルタエレメントを配置する。更に、支持脚60によってフィルタエレメントはガイドされて中心に配置される。また、フィルタエレメントが不注意により誤って挿入されないようにできる。
好ましくは、3、4本の支持脚60をバルブハウジング34端部の円周上に等間隔で配置する。図25からわかるように支持脚の代わりに支持リング61をバルブハウジング34の軸方向軸端側に固定してもよい。この支持リング61は支持リング61の平面に半径方向内側に向かって軸対称に設けれた舌片形状の支持バネを間隔を空けて複数備えた支持部品62であることを特徴としており、これは軸方向に移動可能である。
図26はバイパス弁22がカップ形状のフィルタハウジング2の底におけるマンドレル70と連動する他の実施例を示したものである。フィルタハウジングに挿入されるフィルタエレメントの入口側と出口側間のバイパス弁22は、弁体であるシールワッシャ24がバルブハウジング34の密閉位置でバルブスプリング25の力を受けることを特徴としている。バルブハウジング34は略カップ形状に形成されてカップの開放側がフィルタハウジングの底に面している。シールワッシャ24はフィルタハウジングの底からは離れていて、ハブルハウジングの側壁とシールワッシャ24とで、フィルタハウジングの底にしっかりと固定されて突出するピン若しくはマンドレル70を受ける凹部を規定する。
このマンドレル70の役割は、フィルタハウジングに挿入されたバイパス弁を有するフィルタエレメントが不適当なものであった場合でもバイパス弁の弁体を開位置に移動させて、入口側と清浄側とを直接的に繋ぐ連通路が形成されて、確実に流体がろ過装置を貫通して流れることができる。特に、燃料フィルタとして使用する際不注意により誤ったフィルタエレメントが挿入されたとしても内燃機関に燃料を緊急供給することができる。
しかしながら、フィルタエレメントとバイパス弁が正しく使用された場合にはマンドレルはフィルタエレメントを中心に定める機能を持つだけでバイパス弁を開く機能はない。この場合マンドレルはバルブハウジング34の凹部に向って突出していてもシールワッシャ24に衝突して開位置へと移動させることはない。正しく挿入された、つまり適切なフィルタエレメントが挿入された場合には、シールワッシャ24は閉位置の状態でマンドレルの先端部と十分な間隔を空けて配置されることになる。
このマンドレルの更なる利点は適切なフィルタエレメントを使用した場合にもフィルタエレメントが不注意によって間違って挿入されることを防ぐことができる。フィルタエレメントがフィルタカップ内に誤って挿入されると、フィルタエレメントの前面カバーディスクがマンドレル70と接触してフィルタエレメントが完全にフィルタカップに挿入できず、組み立て中に即座に感知できる。
図27はフィルタエレメント4´の平面図である。フィルタエレメント4´は熱可塑性プラスティックで形成される上端プレート15´を備える。上端プレート15´は基本的に円形環状ディスクで形成され、中央の開口81を設けて流体が通ることができるようにする。他の実施例においては上端プレート15´はただの円形ディスクに形成してもよい。その場合流体の開口81は別の側に設ける。上端プレート15´は円形や円形リング形状のほかにも、例えば正方形や長方形、若しくは多角形、特に六角形といった幾何学上基本的な図形であれば他の形状でもよい。上端プレート15´は外周に3つの鍵構造80が配置されている。尚、外周の鍵構造80の数及び配置については任意とする。よって鍵構造80は外周に1つだけ配置しても良いしそれ以上でもよい。鍵構造80は上端プレート15´の外周の幾何学上の上部に突出していて、鍵構造80は異なる幅のバーと間隙83を有する。
本実施例では鍵構造80は「M+H」という文字の形をしているが、どの文字を如何なる順番で何個組み合わせて鍵構造80を形成してもよいことは言うまでもない。文字は例えば会社のロゴ、会社や製品名の略を表すように選択することが好ましい。また、鍵構造はひらがな、漢字、アラビア語、ローマ数字のような他の文字で形成してもよい。
図28はフィルタエレメント4´の側面図である。図27の同一部材には同一の符号を付してある。フィルタエレメント4は上端プレート15´と下端プレート15の他にジグザグのプリーツの環状密閉ろ過媒体84を備える。ろ過媒体84はエンドプレート15、15´に密着して連結されている。本実施例においては、鍵構造80がエンドプレート15´の円形の部分から突出してその表面方向に「X」字状に傾斜、若しくは「H」状に突出している。本実施例では鍵構造の傾斜角度αは略45°であるが、0°から90°の間であればどのような値でもよく、好ましくは30°〜60°とする。図29にフィルタハウジング2´の詳細な斜視図で示したように、鍵構造80は錠前構造85に係合する。
錠前構造85はフィルタエレメント4を受けるに適したカップ形状のフィルタハウジング2に設ける。この場合錠前構造85は鍵構造80のバー82が錠前構造85のギャップ83に係合するような形をしている。錠前構造85のバー82は鍵構造80のギャップ83に係合する。本実施例ではフィルタハウジング2´の錠前構造85はフィルタハウジングの壁86にノッチとして設けられる。ノッチはフィルタハウジングの壁86と全く同じ厚さの凹部でも壁の厚さよりも薄い凹部であってもよい。壁の厚さより薄い凹部にする場合は鍵構造80を構成するフィルタハウジングの壁86の一部を残すようにする。他の実施例においては錠前構造85がフィルタハウジングの壁86に対して斜めに配置してエンドプレート15´のノッチに係合するようにしてもよい。鍵‐錠前構造80、85が相互に組み合わさって1つのユニットとなる。このようにして適切な位置にあるフィルタエレメント4´のみがフィルタハウジングに挿入できる。フィルタエレメント4´が正しく組み立てられないとすぐに間違ったフィルタエレメントを挿入したと認識でき排除することができる。もちろん、適切な錠前構造85がフィルタエレメント4に設けられていれば鍵構造80をフィルタハウジング2´に配置することができる。
図30は図29のフィルタハウジング2´に図28のフィルタエレメント4´が組み込まれた状態を示す。フィルタエレメント4´とフィルタハウジング2´の各構造80、85は、フィルタエレメント4´がフィルタハウジング2´の中で変形せず正確な位置に置かれるように互いに補完し合っている。フィルタエレメント4´とフィルタハウジング2´よりなるプリアッセンブルユニットは例えばフィルタヘッド(不図示)やカバー(不図示)などのそれぞれの固定部にねじ込まれる。上述した鍵‐錠前構造80、85は道理に適った実施形態になるように上述の実施例と如何なる方法で組み合わせてもよい。
内燃機関において流体をろ過するためのろ過装置で、カップ状フィルタハウジングとそれに挿入される中空円筒状のフィルタエレメントと、流路連結部を介して結合される2枚のディスクから成るカバーディスクを備えたろ過装置の断面図である。 ろ過装置の一部断面斜視図である。 カバーディスクの一部断面斜視図である。 流路連結部の雌ネジ部分で、ネジ底の形状を断面楕円にした詳細図である。 他の実施例におけるろ過装置の一部断面図である。 図5のろ過装置を上から見た図である。 図5においてVIIで囲んだ部分の拡大図である。 ダックビル弁として形成されたオーバーフロー弁の斜視図である。 ダックビル弁を下から見た図である。 中空円筒状フィルタエレメントの支持部材の斜視図で、一方が下端ディスクに載置され、ディスクの上には固定又は連結部材が、周りにはオーバーフロー弁としてのチューブ状シール部材が置かれている。 下端ディスクのみの斜視図である。 下端ディスクを含む支持部材の断面図である。 別の実施例のオーバーフロー弁を備えた下端ディスクの一部断面斜視図である。 別の実施例のオーバーフロー弁を備えた図13aと同様の図である。 フィルタエレメントの入口側と清浄側の間で使用するオーバーフロー又はバイパス弁で、弾性的に圧縮される弁体としてエラストマーブロックを使用したものであり、(a)は閉位置、(b)は開位置にある状態を示す。 弁体としてエラストマーベローを使用したオーバーフロー又はバイパス弁で、(a)は閉位置、(b)は開位置にある状態を示す。 弁体として発泡スチロールブロックを使用したオーバーフロー又はバイパス弁で、(a)は閉位置、(b)は開位置にある状態を示す。 被ろ過流体がアンチドレーン弁を通過して供給される、円筒状フィルタハウジングとそこに挿入されるリング形状のフィルタエレメントを備えたろ過装置の斜視図である。 正面から挿入される連結リングを備えた図17に記載のろ過装置の長手方向断面図である。 連結リングを個々に描いた図である。 図17のろ過装置の拡大図であり、ホースバルブとして形成したアンチドレーン弁を固定位置に置いた状態を示す。 図20と同様の図であるが、ホースバルブが開位置にある状態を示す。 ろ過装置の別の実施例における斜視図であって、放射状に延在するスポークを有するカバーディスクを備えている。 軸方向に突出する支持脚を備えた入口側と清浄側間のオーバーフロー弁を特徴とする別のろ過装置の斜視図である。 図23からオーバーフロー弁のみを取り出した図である。 オーバーフロー弁の軸上の先端部に取り付ける支持リングの図である。 バルブハウジングで規定されたオーバーフロー弁の窪みに向ってハウジングの底から突出するマンドレルをカップ形状のろ過装置に備えた図である。 フィルタエレメントの平面図である。 図27のフィルタエレメントの側面図である。 フィルタハウジングの細部の斜視図である。 フィルタハウジングにフィルタエレメントを組み込んだ状態の図である。

Claims (17)

  1. フィルタハウジング(2)に挿入可能なフィルタエレメント(4)と、前記ハウジングを閉じるカバーディスク(3)を備えた、特に内燃機関において流体をろ過するためのろ過装置において、前記カバーディスク(3)は流路連結部(8)により連結される2枚のディスク(6、7)から成り、前記2枚のディスク(6、7)と前記流路連結部(8)は1つのプラスティック部材として形成されることを特徴とするろ過装置。
  2. 前記カバーディスク(3)と各ディスク(6、7)は、カバーディスク(3)と共に1部品として形成される連結バーで連結されることを特徴とする請求項1記載のろ過装置。
  3. 前記各ディスク(6、7)のうちの1枚が前記フィルタエレメント(4)の軸端面側に直接取り付けられるフロントディスクであることを特徴とする請求項1又は2に記載のろ過装置。
  4. 前記ディスク(6)は例えば溶接や接着剤によって前記フィルタエレメント(4)の軸端面側に固定して連結されることを特徴とする請求項3に記載のろ過装置。
  5. 前記カバーディスク(3)のうち前記フィルタエレメント(4)に離れて面するほうのディスク(7)に、少なくとも1のフィルタエレメント(4)の方向に開口するアンチドレーン弁(10)が挿設されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のろ過装置。
  6. 前記アンチドレーン弁(10)はダックビル弁として形成することを特徴とする請求項5に記載のろ過装置。
  7. 前記フィルタエレメント(4)に隣接した前記ディスク(6)に周方向に延びる長孔として形成された流体貫通孔(11)が設けられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のろ過装置。
  8. 前記フィルタエレメント(4)の軸端面に設置されるフロントディスク(26)にはフィルタエレメント(4)の入口側と清浄側(12、13)の間のオーバーフロー開口(23)が設けられ、該オーバーフロー開口(23)を閉じるオーバーフロー弁(22)は前記入口側(12)の圧力が閾値を越えた場合に開位置へと移動することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のろ過装置。
  9. 前記カバーディスク(3)の流路連結部(8)には連結雌ネジ(9)が備えられることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のろ過装置。
  10. 前記連結雌ネジ(9)のネジ底は楕円形状であることを特徴とする請求項9に記載のろ過装置。
  11. 前記フィルタエレメント(4)は中空円筒状で放射状に流体が通過するように形成され、前記カバーディスク(3)の流路連結部(8)は前記フィルタエレメント(4)の内部に連通することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のろ過装置。
  12. 前記フィルタエレメント(4)の入口側と清浄側の間にオーバーフロー弁が配置されて前記フィルタエレメント(4)の入口側の流体圧が閾値を越えると開位置へと移動することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載のろ過装置。
  13. 前記オーバーフロー弁の弁体はチューブ状シール部材(17)として設計して、流体開口(18)を備えた入口側と清浄側の間に配置される円筒状支持体の前記清浄側に取り付けられることを特徴とする請求項12記載のろ過装置。
  14. 前記オーバーフロー弁(22)はバルブスプリング(25)により弁座に向けて押圧される調整可能な弁体(24)より成り、前記弁体(24)及び前記バルブスプリング(25)はプラスティック製であることを特徴とする請求項12に記載のろ過装置。
  15. 前記弁体(24)を閉方向に押す力を加える前記オーバーフロー弁(22)の前記バルブスプリング(25)は弾性的にバウンスするブロックとして形成し、好ましくはエラストマーブロック、エラストマーベロー、PUR発泡体又はシリコン発泡体からなる発泡スプリングブロックであることを特徴とする請求項12に記載のろ過装置。
  16. ディスク(6)は前記流路連結部(8)から半径方向外側に延びる複数のスポーク(50、50´)を備えることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載のろ過装置。
  17. 前記スポーク(50)は前記ディスク(6)の平面に曲線を描き、放射状に弾性変形可能に伸張するという要素だけではなく周方向に弾性変形可能に伸張するという要素も持つことを特徴とする請求項16に記載のろ過装置。
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