JP4136093B2 - フィルタ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部に収容された濾材すなわちフィルタエレメントにより液体を濾過するフィルタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特にフィルタエレメントを交換可能なフィルタ装置として同じ出願人に係る特開平7−100310号公報に記載された例があり、図6に図示する。
【0003】
有底円筒状のケース01の内部にカートリッジ式のフィルタエレメント02が収容され、ケース01の開口を蓋部材であるセットプレート03がシール材であるOリング04を介装して覆蓋し、リング状の締結具であるリングナット05がセットプレート03の外周雄ネジ部に螺合してセットプレート03をケース01に固定する構造である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここにケース01とセットプレート03に挟まれたOリング04は、軸方向に圧縮されて軸方向にシールしているが、径方向にはシールしていない。
したがってリングナット05の螺合が完全に行われないと、リングナット05の締め付けによるケース01とセットプレート03のOリング04の圧縮がなされなかったり圧縮が不十分となってシールが確実になされないおそれがある。
【0005】
特にリングナット05のセットプレート03との螺合部分に異物が挟まったり、塵埃がネジ溝を詰まらせていたりすると、螺合が完全に行われないことがあり、このような場合にシールが不完全となることがある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、ケース部材と蓋部材の締結が多少不十分であってもシールが確実に行われるフィルタ装置を供する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用効果】
上記目的を達成するために、本発明は、胴部の先端における開口端を当該胴部よりも段部を介して拡径した大径部とした有底筒状のケース部材と、このケース部材内に収容される濾材と、上記胴部の開口端を覆蓋しつつ上記ケース部材の内外を連通する連通孔を備える蓋部材と、前記ケース部材と前記蓋部材を締結する締結具とを備えたフィルタ装置において、前記蓋部材は、前記ケース部材の段部に軸方向に対向し外周面に雄ネジが形成された周縁部と前記大径部に径方向に対向した内周壁を有して同ケース部材の段部および大径部との間に空隙を形成し、前記締結具が、前記ケース部材の大径部より大きく内周面に前記蓋部材の周縁部外周の雄ネジに螺合する雌ネジが形成された円筒部と、同円筒部の一端に内径を小さくした段部と、同段部の内端から軸方向へ延出した前記ケース部材の胴部外径より大きい筒部とからなり、前記ケース部材の開口端部の周壁の開口縁は前記蓋部材の周面に嵌合したシール部材を避けて外側に曲げられて湾曲部が形成され、同湾曲部から係合突起部が開口方向に突出し、前記蓋部材の雄ネジが形成された外周面に前記係合突起が挿入可能な切欠きが形成され、前記内周壁外周に環状の弾性シール部材が嵌合された蓋部材で前記ケース部材の開口を覆蓋し、前記締結具を前記ケース部材に嵌挿し、前記円筒部を前記大径部の外側に被せ、前記雌ネジを前記蓋部材の雄ネジに螺合していくことで、前記空隙に介装される環状の弾性シール部材が、前記ケース部材の段部と前記蓋部材の周縁部との間に挟まれて軸方向に圧縮されることで径方向に膨張変形して前記ケース部材の大径部と前記蓋部材の対向周壁との間を径方向に液密に閉塞するフィルタ装置とした。
【0010】
締結具によるケース部材と蓋部材の締結時、ケース部材の段部と蓋部材の周縁部とによる軸方向の圧縮が弾性シール部材を径方向に膨張変形してケース部材の異径部と蓋部材の対向周壁との間を径方向に液密に閉塞するので、締結により軸方向の圧縮がある程度なされれば、多少締結が不十分であってもシールを確実に行うことができる。
【0012】
組付け時に弾性シール部材は径方向の空隙に挟まれて挿入されるので、空隙を形成するケース部材の周壁の開口縁を曲げて組付け時にシール部材を避けるようにすることで、シール部材に損傷を与えることなく空隙にシール部材を介入することができ、シール性を良好に維持することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る一実施の形態について図1ないし図5に図示し説明する。
図1は本実施の形態に係る自動車用エレメント交換型のオイルフィルタ装置1の断面図であり、図2はその一部分解断面図、図3は分解斜視図である。
【0014】
有底円筒状のケース10の内部にカートリッジ式のフィルタエレメント20が収容され、ケース10の開口を蓋部材としてのセットプレート30が弾性シール材であるOリング18を介装して覆蓋し、リング状の締結具であるリングナット50がセットプレート30をケース10に固定する構造である。
【0015】
ケース10は、その胴部11の一端部を底部12が塞ぎ、他方の開口端は胴部11よりも僅かに拡径して胴部11とは径を異ならせた異径部としての大径部14を形成しており、胴部11から大径部14にかけて段部13を有し周壁の断面はクランク状となっている。
【0016】
該大径部14の端縁は、外側に曲げられて湾曲しており(図2および図5参照)、同湾曲部14aから図2に示すように等間隔に4箇所係合突起部15が開口方向に突出している。
なお胴部11の上部(底部12の周縁部分)は複数の平面で多角形面11aが形成されている。
【0017】
ケース10の内側には、図1および図2に示すように、底部12の内面に中心の基部より斜め放射状に延出した板バネ16が嵌挿される。
板バネ16には支持アーム16aがやはり放射状に延出していて、同支持アーム16aはケース10の底部12から胴部11にかけて内面に沿って撓みながら弾性力で板バネ16を保持することができる。
【0018】
交換可能なカートリッジ式のフィルタエレメント20は、濾紙をコルゲート状に折り曲げ全体を円筒状に形成したフィルタ21の上端面にエレメントプレート22を当てがうとともに内周面を多数の孔の設けられたホルダープレート24で覆いかつフィルタ21を保持している(図3参照)。
【0019】
円筒状のホルダープレート24の上端開口はリリーフバルブ25で閉塞される。
ホルダープレート24の下側はフランジ23が形成され、内周縁が波状に屈曲しながら内側へ延出して開口部23aを形成しており、同開口部23aは若干下方へ突出している。
【0020】
一方セットプレート30は、図3および図4に図示するように概ね中空の円盤状をなし、周縁部31より内側に内周壁32が形成され、内周壁32の下部からさらに内側に水平底部33aを経て上方へ緩やかに傾斜したテーパ部33が形成され、テーパ部33の内周に円筒状の流出口34が形成されている。
【0021】
セットプレート30の外径はケース10の大径部14の径より僅かに大きく周縁部31の外周面には雄ネジ35が刻設されている。
そして雄ネジ35が刻設された外周面の互いに等間隔に離れた4箇所に前記ケース10の係合突起部15が挿入可能な切欠き36が形成されている。
【0022】
セットプレート30のテーパ部33には、中心より等しい距離に8個の流入口37が等しい間隔で穿設されている。
円筒状の流出口34は、テーパ部33より上方へ突出しており、その外径はフィルタエレメント20の下側のフランジ23のガイド部23aの内径と略等しく、内周面には雌ネジ38が刻設されている。
【0023】
この突出した流出口34の外周に図2に示すようにゴム材のバルブ40が嵌合保持され、同バルブ40は、流出口34への嵌合部40aからテーパ部33に沿って遠心方向に展開しており、同展開部40bが流入口37を上方より塞いでいる。
【0024】
すなわち流入口37からのオイルの流入は展開部40bの変形で可能であるが、その反対の流れは阻止する一方向バルブを構成している。
なおバルブ40の嵌合部40aには前記ホルダープレート24の下側フランジ23のガイド部23aを受ける凹部40cが形成されている。
セットプレート30の水平底部33a下面に沿って円環状のシール部材42が嵌着されている。
【0025】
リングナット50は、大径の偏平円筒部51の一端に内径を小さくした段部52を有し、同段部52の内端から軸方向へ偏平多角形筒部53が延出している。
したがってリングナット50は、多角形筒部53に回転工具を係合して回転させることができ、別途工具係合用の突起等を有しない簡単な形状であり、プレス加工により容易に製造できる。
【0026】
円筒部51の内径はケース10の大径部14の外径より僅かに大きく、多角形筒部53の内接円の直径はケース10の胴部11の外径より若干大きく胴部11を貫通可能であるが大径部14を貫通させることはできない。
円筒部51の内周面には、セットプレート30の外周に設けられた雄ネジ35に螺合する雌ネジ54が形成されている。
【0027】
以上の構成からなる本実施例のオイルフィルタ装置1の組付方法を以下説明する。
まずケース10の内部に板バネ16を挿入して底部12に支持アーム16aを撓めて所定位置に保持させ、そしてフィルタエレメント20をケース10内にリリーフバルブ25側を先にして挿入するとエレメントプレート22が板バネ16の先端に当接して板バネ16を弾性変形し、フィルタエレメント20を取出し方向に付勢することになる。
【0028】
一方セットプレート30の流出口34にバルブ40を嵌合させるとともに、内周壁32の外周の周縁部31にOリング18を嵌めておく。
図5を参照してOリング18の径方向のシール幅wは、ケース10の大径部14とセットプレート30の内周壁32との間の径方向空隙幅dより大きい。
【0029】
したがってケース10の開口を該セットプレート30で覆蓋するときに、セットプレート30の内周壁32の外周に嵌合されたOリング18の外径が、ケース10の大径部14の内径より幾らか大きいため、Oリング18を内周壁32と大径部14との間で径方向に圧縮変形して組付けることになる。
【0030】
ここでケース10の大径部14の端縁は外側に曲げられた湾曲部14aを形成しているので、組付けに際してOリング18を湾曲部14aの滑らかな湾曲面で捉えて無理なく圧縮変形していくので、Oリング18を傷つけることはなく、Oリング18の損傷のためにシール性が低下するのを防止することができる。
【0031】
こうして組付け時に圧縮変形されたOリング18が内周壁32と大径部14との間を径方向にシールすることができる。
なおケース10の大径部14の端縁は外側に曲げられていればOリング18を傷つけることはないが、本実施の形態のように湾曲していると、その湾曲部14aの湾曲面は組付け時にOリング18を案内する案内面として作用して組付けを容易にする。
【0032】
そしてセットプレート30の周縁部31に形成された4箇所の切欠き36をケース10の大径部14の4個の係合突起部15に位置合わせし、切欠き36に係合突起部15が入り込むようにすることで径方向の位置合わせをすることができる。
セットプレート30の中央に突出した流出口34が、フィルタエレメント20のフランジ23の開口部23aに挿入される。
【0033】
流出口34が開口部23aに挿入されてバルブ40の流出口34に沿った凹部40cに開口部23aが嵌合すると、フィルタエレメント20はケース10内に板バネ16に抗して押し込まれていき、次いでセットプレート30の切欠き36にケース10の係合突起部14が入り込む。
【0034】
前記Oリング18による径方向のシールによりケース10とセットプレート30とで囲まれた空間を外部から画成し、またフィルタエレメント20の下側のフランジ23の開口部23aがバルブ40の凹部40cに嵌合しセットプレート30のテーパ部33との間でバルブ40の基端嵌合部40aを挟着して流入口37に通ずるフィルタ21の外側と流出口34に通ずるフィルタ21の内側とを遮断する。
【0035】
次にリングナット50をケース10にその底部12側から嵌挿すると、大径部13の外側に被せられ、円筒部51内周の雌ネジ54をセットプレート30側の雄ネジ35に合わせ、ケース10を固定支持してリングナット50を回転させて雌ネジ54と雄ネジ35を螺合していく。
その際リングナット50は、回転工具を多角形筒部53に係合させて回転させることができる。
【0036】
ケース10が固定されると係合突起部14と切欠き36との係合によりセットプレート30も一体に固定されるので、リングナット50の回転に対してもセットプレート30は空回りすることなく固定され螺合が円滑に行われる。
【0037】
セットプレート30の雄ネジ35とリングナット50の雌ネジ54の螺合によりセットプレート30はリングナット50内に螺入していき、一方でケース10は、その段部13がリングナット50の段部52に当接されて軸方向の動きを押えられているので、セットプレート30はフィルタエレメント20をケース10内に押し込むようにしてリングナット50に螺合する。
【0038】
したがってバルブ40の嵌合部40aの挟圧は強くなりフィルタ21の外側と内側との遮断を確実にし、またこの係合状態においてセットプレート30の内周壁32外側に嵌合されたOリング18は、セットプレート30の周縁部31とケース10の段部13とに挟まれて軸方向の押圧を受ける。
【0039】
そこでOリング18は軸方向の圧縮により径方向に膨張しようとし、内周壁32と大径部14との間を径方向に一応シールしているOリング18の径方向の挟圧力を増しシール性をより一層確実にすることができる。
内周壁32はセットプレート30に一体に成形されているので、両者間のシール対策は不要であるとともに、部品点数を削減することができる。
【0040】
異物等がネジ部に挟まる等してリングナット50による締結が、多少不十分でも一応径方向のシールがなされ液密に閉塞され、軸方向のある程度の押圧で径方向のシールが強化されるので、必要なシール性は容易に確保される。
【0041】
こうして組付けられたオイルフィルタ装置1は、自動車のエンジンに取付けられる。
エンジン側の取付面からは筒状の雄ネジが突出しており、セットプレート30における流出口34の内周の雌ネジ38を螺合させる。
このときケース10を回転させればセットプレート30は一体に回転して容易に螺合させることができる。
【0042】
また逆にケース10を逆回転してエンジン側取付部からオイルフィルタ1を取り外し、リングナット50を回転してセットプレート30との螺合を解けば、図3に示すように分解することができ、フィルタエレメント20だけを簡単に交換することができる。
【0043】
またケース10とセットプレート30とが係合突起部15と切欠き36との係合により相対的に回動しないので、間に挟まれたOリング18やバルブ40に損傷を与えることがなく高いシール性を確保することができる。
【0044】
本実施の形態では、ケース10の開口をセットプレート30が覆蓋する際に、ケース10の大径部14から延びた4本の係合突起部15がセットプレート30の4個の切欠き36に係合して径方向の位置合わせをしたが、大径部14を軸方向に長めに設定すれば、同大径部14でも径方向の位置合わせが可能である。
【0045】
ケース側の開口端部が段部を介して小径部を形成し、セットプレート側の周壁が前記小径部より径が大きく小径部の外側に組付けられる構造であっても、小径部と周壁との間の空隙に設けられるOリングが径方向に圧縮されて液密に閉塞するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るオイルフィルタ装置の断面図である。
【図2】同一部分解断面図である。
【図3】同分解斜視図である。
【図4】セットプレートの斜視図である。
【図5】要部分解断面図である。
【図6】従来のオイルフィルタ装置の断面図である。
【符号の説明】
1…オイルフィルタ装置、
10…ケース、11…胴部、12…底部、13…段部、14…大径部、15…係合突起部、16…板バネ、17…ガイド部材、18…Oリング、
20…フィルタエレメント、21…フィルタ、22…エレメントプレート、23…フランジ、24…ホルダープレート、25…リリーフバルブ、
30…セットプレート、31…周縁部、32…内周壁、33…テーパ部、34…流出口、35…雄ネジ、36…切欠き、37…流入口、38…雌ネジ、
40…バルブ、
50…リングナット、51…円筒部、52…段部、53…多角形筒部、54…雌ネジ。

Claims (1)

  1. 胴部の先端における開口端を当該胴部よりも段部を介して拡径した大径部とした有底筒状のケース部材と、このケース部材内に収容される濾材と、上記胴部の開口端を覆蓋しつつ上記ケース部材の内外を連通する連通孔を備える蓋部材と、前記ケース部材と前記蓋部材を締結する締結具とを備えたフィルタ装置において、
    前記蓋部材は、前記ケース部材の段部に軸方向に対向し外周面に雄ネジが形成された周縁部と前記大径部に径方向に対向した内周壁を有して同ケース部材の段部および大径部との間に空隙を形成し、
    前記締結具が、前記ケース部材の大径部より大きく内周面に前記蓋部材の周縁部外周の雄ネジに螺合する雌ネジが形成された円筒部と、同円筒部の一端に内径を小さくした段部と、同段部の内端から軸方向へ延出した前記ケース部材の胴部外径より大きい筒部とからなり、
    前記ケース部材の開口端部の周壁の開口縁は前記蓋部材の周面に嵌合したシール部材を避けて外側に曲げられて湾曲部が形成され、同湾曲部から係合突起部が開口方向に突出し、
    前記蓋部材の雄ネジが形成された外周面に前記係合突起が挿入可能な切欠きが形成され、
    前記内周壁外周に環状の弾性シール部材が嵌合された蓋部材で前記ケース部材の開口を覆蓋し、前記締結具を前記ケース部材に嵌挿し、前記円筒部を前記大径部の外側に被せ、前記雌ネジを前記蓋部材の雄ネジに螺合していくことで、前記空隙に介装される環状の弾性シール部材が、前記ケース部材の段部と前記蓋部材の周縁部との間に挟まれて軸方向に圧縮されることで径方向に膨張変形して前記ケース部材の大径部と前記蓋部材の対向周壁との間を径方向に液密に閉塞することを特徴とするフィルタ装置。
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