JPH1164577A - 使用済み燃料の溶融塩電解再処理方法 - Google Patents

使用済み燃料の溶融塩電解再処理方法

Info

Publication number
JPH1164577A
JPH1164577A JP22047797A JP22047797A JPH1164577A JP H1164577 A JPH1164577 A JP H1164577A JP 22047797 A JP22047797 A JP 22047797A JP 22047797 A JP22047797 A JP 22047797A JP H1164577 A JPH1164577 A JP H1164577A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molten salt
spent fuel
electrolysis
cathode
reprocessing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP22047797A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3872873B2 (ja
Inventor
Koji Mizuguchi
浩司 水口
Yuichi Shoji
裕一 東海林
Kenichi Matsumaru
健一 松丸
Hiroshi Kamoshita
尋 鴨志田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Engineering Corp
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Engineering Corp
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Engineering Corp, Toshiba Corp filed Critical Toshiba Engineering Corp
Priority to JP22047797A priority Critical patent/JP3872873B2/ja
Publication of JPH1164577A publication Critical patent/JPH1164577A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3872873B2 publication Critical patent/JP3872873B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies

Abstract

(57)【要約】 【課題】 貴金属元素等の不純物の混入のない、より高
品質の燃料成分を回収することができ、また電解槽を構
成するるつぼ基材の腐食を抑制し、寿命の延長れが可能
な溶融塩電解再処理方法を提供する。 【解決手段】 本発明の再処理方法では、脱被覆された
使用済み燃料を、陽極バスケット中で還元剤と混合しな
がら溶解し、電極電位を制御することで陰極に貴金属イ
オンを選択的に析出させて回収する。そして、貴金属イ
オンの回収後、溶融塩中の金属イオンを酸素等により酸
化し(例えばウラナスイオンをウラニルイオンにす
る)、酸化物または複合酸化物として陰極に析出させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用済み燃料の溶
融塩電解再処理方法に係わり、さらに詳しくは、原子力
発電所で使用済みの燃料を溶融塩電解により再処理する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、原子力発電所で使用済みの、
酸化ウラン、アルカリ金属元素、貴金属元素、希土類元
素、および原子炉内で生成したプルトニウム等の超ウラ
ン元素(TRU)を含む燃料を再処理するには、せん断
し脱被覆した後、NaClやKClのような溶融塩中
で、陽極と陰極との間に電圧をかけて電解を行なう溶融
塩電解方法が行なわれている。
【0003】この方法においては、陽極で塩の電解によ
り発生した塩素ガスによって、使用済み燃料の各成分が
溶融塩中に溶解し、一方陰極で、電気的に還元されて酸
化ウラン(UO2 )等が顆粒状酸化物として回収され
る。そして、この溶解および電解回収工程で残った溶融
塩に、塩素と酸素の混合ガスを吹き込むことにより、プ
ルトニウムとネプツニウムのイオンがそれぞれ酸化さ
れ、かつ電解によりPuO2 、およびNpO2 が回収さ
れるように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来からの溶融塩電解再処理方法においては、以下
に示すような種々の問題があった。すなわち、 1)陽極溶解工程で、使用済み燃料に含まれている貴金
属元素が溶融塩中に溶解するが、これら貴金属イオンが
析出する電位(酸化還元電位)がウラニルイオンのそれ
と極めて近いため、陰極で貴金属元素も同時に析出して
しまい、回収したUO2 中に貴金属が混入してしまう。 2)パイログラファイトのような電解槽(電解るつぼ)
を構成する材料が、ウラニルイオンによって腐食されや
すいため、るつぼの寿命が1000〜2000時間と短い。 3)ウラナスイオンやプルトナスイオンの酸化処理に時
間がかかる。 4)溶融塩から発生する揮発性成分が、電解槽内の各部
に付着し、配管等の目詰まりを引き起こしやすい。 などの問題があった。
【0005】本発明は、これらの問題を解決するために
なされたもので、使用済み燃料の溶融塩電解による再処
理において、貴金属元素等の不純物の混入のない、より
高品質の燃料成分を回収することができ、また電解槽を
構成するるつぼ基材の腐食を抑制し、寿命の延長れが可
能な溶融塩電解再処理方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本第1の発明の使用済み
燃料の溶融塩電解再処理方法は、使用済み燃料をせん断
し脱被覆した後、溶融塩中で電解を行ない、陽極で溶解
するとともに、所要の成分を陰極に析出させて回収する
溶融塩電解再処理方法において、脱被覆された前記使用
済み燃料を、陽極バスケット中で還元剤と混合しながら
溶解し、かつ電解のはじめに、電極電位を制御すること
で陰極に貴金属イオンを選択的に析出させて回収するこ
とを特徴とする。
【0007】また、第2の発明の使用済み燃料の溶融塩
電解再処理方法は、使用済み燃料をせん断し脱被覆した
後、溶融塩中で電解を行ない、陽極で溶解するととも
に、所要の成分を陰極に析出させて回収する再処理方法
において、前記燃料中の酸化ウランを陽極で溶解し固体
陰極で析出・回収する工程を複数回繰り返し、前記溶融
塩中のプルトニウムイオンの濃度を上昇させた後、該プ
ルトニウムイオンを酸化してプルトニルイオンとし、次
いで前記溶融塩中に液体金属を投入し、前記プルトニル
イオンと該液体金属との交換反応により、酸化プルトニ
ウムを析出させて回収することを特徴とする。
【0008】第3の発明の使用済み燃料の溶融塩電解再
処理方法は、せん断・脱被覆された使用済み燃料を溶融
塩中で電解し、陰極に酸化ウランを析出させて回収した
後、回収物を 500℃以下の溶融塩中に投入して、この回
収物を陽極にして陽極溶解を行なうことにより、前記酸
化ウランとともに析出した貴金属を、前記溶融塩中に溶
出させて分離・回収し、しかる後温度を 550℃以上に上
げて電解を行ない、前記酸化ウランを回収することを特
徴とする。
【0009】さらに、第4の発明の使用済み燃料の溶融
塩電解再処理方法は、導電性るつぼに溶融塩を装荷し、
該るつぼを陽極として使用済み燃料の電解を行ない、陽
極で溶解するとともに、所要の成分を固体陰極に回収す
る溶融塩電解再処理方法において、前記固体陰極が断面
楕円形の棒状を呈しており、かつこの陰極を軸の回りに
自転させながら電解を行なうことを特徴とする。
【0010】本第1の発明の溶融塩電解再処理方法にお
いては、使用済み燃料を陽極バスケット中でカーボン等
の還元剤と混合しながら溶解することにより、燃料中の
ウラニルイオンが、ウラナスイオンに還元される。そし
て、ウラナスイオンと貴金属イオンとでは、これらが陰
極で析出する電位(酸化還元電位)の差が大きいので、
陰極の電位を制御することで、貴金属元素のみを選択的
に陰極に析出させて回収することができる。その後、ウ
ラナスイオン等を酸素のような酸化性ガス(酸化剤)に
より酸化してウラニルイオンとし、これを酸化物あるい
は複合酸化物の形で陰極に析出させることにより、貴金
属元素のような不純物の混入のない高品質の燃料を回収
することができる。
【0011】また、このような陽極溶解同時電解におけ
る電解槽の腐食は、電解槽のるつぼ基材上に、BeO、
SiO2 、ΖrO2 のような耐蝕性に優れた酸化物、あ
るいはそれらの複合酸化物を被覆することにより、効果
的に抑えることができる。
【0012】第2の発明の再処理方法においては、陽極
溶解同時電解後の溶融塩中のプルトニウムイオンを酸化
し、次いで溶融塩中に液体金属を投入しプルトニルイオ
ンと液体金属との交換反応により、酸化プルトニウムを
析出させて回収しているので、従来の沈殿方式での回収
方法に比べてプロセスの操業時間を大幅に短縮すること
ができるうえに、回収が容易で特別な回収装置を必要と
せず、装置を簡素化することができる。
【0013】また、第3の発明の再処理方法において
は、陰極に析出したUO2 と貴金属元素とを、これらを
陽極で溶解することで、陽極からのイオン溶出量の差に
より容易に分離しかつ回収することができる。
【0014】さらに、第4の発明の再処理方法において
は、溶融塩中に溶解したウラン、ウラン・プルトニウム
等の酸化物を電解して回収するための陰極として、楕円
形の断面を有する棒状の電極が使用され、かつこの陰極
を軸の回りに回転(自転)させながら電解が行なわれて
いるので、電解槽底部に沈積した使用済み燃料を舞い上
がらせることなく、溶融塩全体が撹拌され、溶解および
析出の効率がいずれも向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
【0016】図1は、本発明の使用済み燃料の溶融塩電
解再処理方法の一実施例を示すフローチャートである。
【0017】原子力発電所の使用済み燃料の中には、酸
化ウラン、アルカリ金属元素、貴金属元素、希土類元
素、および原子炉内で生成したプルトニウム等の超ウラ
ン元素(TRU)が存在する。本実施例の方法は、図1
に示すように、前記した使用済み燃料をせん断し被覆を
剥脱するせん断・脱被覆工程と、脱被覆された使用済み
燃料を陽極で溶解し、貴金属元素を陰極に析出させる溶
解・析出工程と、ウランおよびプルトニウムイオンの酸
化工程と、ウランおよびプルトニウムの酸化物の電解に
よる析出工程と、しぼり電解工程とを備えている。
【0018】そして、溶解・析出工程は、例えば以下に
示すようにして実施される。すなわち、図2に示すよう
に、せん断・脱被覆された使用済み燃料1を、顆粒状の
炭素2と混合してグラファイト製のバスケット(陽極バ
スケット)3内に収容し、このバスケット3を溶融塩4
中に浸漬する。また、グラファイト製の陰極5も溶融塩
4中に下ろした後、バスケット3を陽極として陰極5と
の間に直流電圧を印加し、陽極溶解同時電解を行なう。
なお、図において符号6は、電気炉のような加熱手段
(図示を省略。)を備えた電解槽を示す。また、この工
程中、陽極バスケット3および陰極5は、いずれも軸の
回りに回転(自転)されている。
【0019】電解により、陽極では(1)式で示す反応
が起こり、塩素ガス(Cl2 )が発生する。そして、発
生した塩素ガスにより、陽極バスケット3中の使用済み
燃料1は、(2)式で示す反応によって溶解し、ウラニ
ルイオン(UO2 2+)を生成する。生成したウラニルイ
オンとプルトニウムイオンは、それぞれ(4)、(5)
式で示す反応で顆粒状炭素17によって還元され、ウラ
ナスイオン(U4+)およびプルトナスイオン(Pu4+
になる。
【0020】一方陰極では、使用済み燃料1から(3)
式の反応により溶解した貴金属イオンを、電極電位を-
0.4V付近に制御することにより回収する((6)式で
示す。)こうして、陰極において選択的に貴金属元素を
回収することができるのは、次の理由による。
【0021】図3に、代表的な核種の酸化還元電位を示
す。ウラニルイオン(UO2 2+)の酸化還元電位は-0.4
V付近にあり、Pd、Rh、Ruのような貴金属元素の
酸化還元電位も-0.4V付近にある。一方、ウラナスイオ
ン(U4+)およびプルトナスイオン(Pu4+)の酸化還
元電位は-2.0V以下で、Pd、Rh、Ruの酸化還元電
位と大きく異なっていることがわかる。従来の方法で電
解を行なった場合には、ウラニルイオン(UO2 2+)と
貴金属イオン(Pd、Rh、Ru)とでは酸化還元電位
が近いために、両者が同時に析出してしまうが、実施例
では、UO2 2+を還元してU4+にしているので、陰極の
電位を-0.4V付近に制御して電解を行なうことによっ
て、Pd、Rh、Ruだけを陰極上に析出させることが
できる。こうして溶融塩中の貴金属元素を先に回収して
除去することができるので、後工程で回収されるUO2
への貴金属元素の混入を防ぐことができる。
【0022】 陽極 2Cl- →Cl2 +2e- (1) UO2 +Cl2 →UO2 Cl2 (UO2 2+,2Cl- ) (2) M+ n/2Cl2 →MCln (Mn+,nCl- ) M;貴金属元素(3) UO2 2++C→U4++CO2 (4) PuO2 +C→Pu4++CO2 (5) 陰極 Mn++ne- →M (6) このような溶解・析出工程の後、ウランおよびプルトニ
ウムイオンの酸化工程、次いでウラン等の酸化物の電解
析出工程が、以下に示すように行なわれる。
【0023】すなわち、この第2の実施例では、前記し
た溶解・析出工程で貴金属元素を析出・回収した陰極を
引き抜き、その代わりに、図4に示すように、新たなU
2回収のための陰極5とガス吹き込み管7とを、それ
ぞれ溶融塩4中に設ける。そして、ガス吹き込み管7か
ら酸素のような酸化性のガス(酸化剤)8を吹き込みな
がら、陰極5に-0.4V程度の電圧を印加して電解を行な
う。
【0024】このとき、溶融塩4中のウラナスイオン
(U4+)およびプルトナスイオン(Pu4+)は、それぞ
れ(7)式および(8)式に示すように酸素によって酸
化され、ウラニルイオンおよびプルトニウムイオンとな
る。生成したウラニルイオンおよびプルトニウムイオン
は、陰極で(9)式、(10)式、および(11)式に
示すように反応し、UO2 あるいはPuO2 の形で陰極
上に析出し回収される。
【0025】 U4++O2 →UO2 2+ (7) Pu4++O2 →PuO2 2+ (8) UO2 2++2e- →UO2 (9) PuO2 2++e- →PuO2 + (10) PuO2 + +e- →PuO2 (11) なお、このような第2の実施例では、撹拌型のガス吹き
込み管を使用して、酸化性ガスの吹き込みを行なうこと
ができる。このガス吹き込み管においては、図5(a)
および(b)にそれぞれ示すように、先端部に4つのガ
ス吹き出し口9が、ガス噴出方向が90°ずつ変わるよう
に風車形に配設されており、溶融塩4中に酸化性ガス8
の流れが発生するようになっている。また、これらのガ
ス吹き出し口9には、セラミックス製またはグラファイ
ト製のミスト発生用フィルター10が取り付けられ、ガ
スが細かい泡状になって溶融塩4中に吹き込まれるよう
になっている。そのため、このような撹拌型のガス吹き
込み管7を使用した場合には、酸素のような酸化性ガス
8と溶融塩4中の反応物質との接触面積が増大するの
で、反応時間が大幅に短縮される。そして、反応時間の
短縮により、プロセスの操作時間も短縮されるので、一
定の時間により多くのプロセスを効率的に実施すること
ができる。
【0026】次に、本発明の別の実施例について説明す
る。
【0027】第3の実施例では、第2の実施例で、ウラ
ンおよびプルトニウムをUO2 あるいはPuO2 の形で
陰極上に析出・回収した後、溶融塩中に残存しているア
メリシウム(Am)、キュリウム(Cm)のようなマイ
ナーアクチノイドを、印加電圧を上げ陰極電位をこれら
の析出電位まで下げることにより、前記工程で回収でき
ずに残っているウラニルイオンおよびプルトニウムイオ
ンとともに、陰極に析出させて回収する。
【0028】AmイオンおよびCmイオンの陰極におけ
る反応を、それぞれ以下の(12)式および(13)式
にそれぞれ示す。
【0029】 Am3++3e- →Am (12) Cm3++3e- →Cm (13) 第4の実施例では、第1の実施例で使用したグラファイ
ト製陰極(固体陰極)の代わりに、図6に示すように、
Cdのような液体陰極11を使用し、この液体陰極11
を溶融塩4中に投入する。そして、液体陰極11へのコ
ンタクトとして、溶融塩4との接触部に絶縁被覆12を
施した、例えばグラファイト製の液体陰極用コンタクト
13を用い、陰極電位を-0.4V付近に制御して電解を行
ない、液体陰極11に貴金属元素を析出させる。こうし
て、溶融塩4中の貴金属元素を回収除去することで、最
終的に回収するUO2 への貴金属元素の混入を防ぐこと
ができる。
【0030】第5の実施例では、図7に示すように、C
dのような液体金属14を電解槽6の底部に投入すると
ともに、陽極バスケット3と固体陰極5との間に、例え
ばセラミックス製の絶縁隔壁15を設置し、陽極と陰極
との間に直接電流が流れず、液体金属14を経由して流
れるようにする。そして、その他の部分は第1の実施例
と同様に構成して電解を行ない、溶融塩4中に溶解した
貴金属元素を液体金属14で回収した後、固体陰極5を
配置して、再び電解を行なう。
【0031】この実施例では、電解槽6底部に配置した
液体金属14を通過させて電解を行ない、液体金属14
に溶解する金属のみを析出・回収することにより、液体
金属14に溶解しない他の核分裂生成物(FP)と分離
することができ、除染性能を向上させることができる。
【0032】ここで、これら第1乃至第5の実施例で使
用される電解槽について説明する。これらの電解槽とし
ては、図8(a)に示すように、グラファイト、SUS
あるいはセラミックからなる基材16の内表面に、べリ
リア(BeO)、シリカ(SiO2 )、ジルコニア(Ζ
rO2 )、アルミナ(Al2 3 )等の単独あるいは複
合したもの(複合酸化物)が、プラズマ溶射により被覆
されているるつぼを使用することが望ましい。プラズマ
溶射被覆層を、符号17で示す。
【0033】従来から使用されているグラファイト製の
電解るつぼは、ウラニルイオン、プルトニウムイオン等
の酸化物イオンによって酸化されやすく、その結果るつ
ぼの使用寿命が短くなっていたが、前記した酸化物また
は複合酸化物のプラズマ溶射被覆層17を設けること
で、ウラニルイオン等による腐食を防止することがで
き、るつぼの寿命を大幅に延長することができる。
【0034】また、このような基材16の内表面にプラ
ズマ溶射被覆層17が設けられた電解るつぼにおいて
は、プラズマ溶射被覆層17の表面にさらにシリカ等の
溶射材料を溶射することで、被覆層17表面に存在する
空孔を封止することが望ましい。このような封孔処理を
施すことで、腐食の主因となる孔食の発生を抑えること
ができ、その結果るつぼの寿命をさらに延長することが
できる。
【0035】さらに、実施例において電解処理を行なう
場合、電解るつぼの腐食は、気相と液相との界面で最も
激しいことが知られている。したがって、図8(b)に
示すように、るつぼの気液界面付近で基材16に切削加
工を施し、この部分の溶射被覆層17を厚密に形成する
ことが望ましい。このように、腐食の激しい部分に溶射
被覆層の厚密部17aを形成し、その部分の耐食性をそ
の他の部分に比べて向上させることで、るつぼ全体とし
ての寿命をより効果的に延長することができる。 また
さらに、電解るつぼの寿命は、溶融塩として、NaCl
−KClに代えてNaCl−KCl−CsClまたはN
aCl−CsClを使用することにより、延長される。
【0036】図9に、従来からるつぼ基材として使用さ
れているパイログラファイトの腐食速度の温度依存性を
示す。このグラフから明らかなように、腐食速度には温
度依存性があり、低温になるほど腐食速度が遅くなる。
700℃と 600℃で腐食速度を比較すると、 600℃では 7
00℃のときの半分以下の値に、腐食速度が低下すること
がわかる。また、各混合塩の融点を、下表に示す。
【0037】NaCl−KClは融点が 660℃であり、
電解工程での溶融塩として使用するには、融点よりも15
℃程度高い温度とすることが必要であるので、NaCl
−KClを使用する場合には、 700℃付近の温度でプロ
セスを操作しなければならない。一方、NaCl−KC
l−CsClあるいはNaCl−CsClは、融点が50
0℃付近であるので、これらの混合塩を使用する場合に
は、プロセスを 550℃〜 600℃の温度で操作することが
できる。したがって、これらの混合塩を使用することに
よって、プロセスの操作温度を下げることができる。そ
の結果、電解るつぼの腐食速度が低下し、るつぼの寿命
が延長される 表 混合塩の種類 融点(℃) NaCl−KCl 660 NaCl−KCl−CsCl 480 NaCl−2CsCl 495 また、第1乃至第5の実施例においては、電解処理装置
を以下に示すような構造とすることができる。
【0038】すなわち、図10に示す構造では、電解槽
6内の上部、すなわち溶融塩4の液面より上方に、セラ
ミックス製またはグラファイト製の分散捕集板18を設
置して電解を行ない、電解槽6内で揮発した塩を分散捕
集板18上に付着させて捕集するようになっている。
【0039】従来から電解槽6内の排気は、排気系配管
19を介して強制的に行われるため、排気系配管19に
引き込まれた揮発塩は、配管内で冷却されて固形の塩と
して付着し、配管に目詰まり等を生じさせていたが、図
10に示す電解槽では、内部に多数の分散捕集板18を
設け、揮発した塩を分散捕集板18に付着させて捕集す
るように構成されているので、塩が排気系配管19に入
り込むことがなくなり、配管の目詰まりが起こりにくく
なる。したがって、配管の交換回数を減らすことができ
る。
【0040】さらに、図11に示す電解処理装置におい
ては、電解槽6がホットセル20内に収納されており、
ホットセル20内部の圧力を測定するホットセル用圧力
計21と、電解槽6内の圧力を測定する電解槽用圧力計
22とがそれぞれ設置されている。また、これらの圧力
計の測定結果をモニターして制御する圧力制御装置23
と、排気量を変えることができるブロアー24がそれぞ
れ設置されている。そして、電解槽用圧力計22の出力
(信号)とホットセル用圧力計21の出力(信号)と
が、それぞれ計装用ケーブル25により圧力制御装置2
3に入力され、圧力制御装置23では、両者の圧力を比
較し (電解槽内の圧力)≧(ホットセル内部の圧力) となったとき、ブロアー24に制御信号を出力し、一定
時間電解槽6からの排気量を増大させ、電解槽6内の圧
力を下げるように構成されている。
【0041】このように、電解槽6内の圧力がホットセ
ル20内部の圧力よりも常に低くなるように制御されて
いるので、電解槽6内で発生した塩素ガスのホットセル
20への漏洩を防ぐことができる。なお、図中、符号2
6は電気炉、27は塩素ガス吸着塔、28はフィルター
をそれぞれ示している。次に、本発明の実施例を行なう
前の、せん断・脱被覆工程および溶解・析出の前処理工
程について、詳しく説明する。
【0042】まず、使用済み燃料のせん断・脱被覆工程
は、以下に示すように行なうことができる。
【0043】すなわち、図12に示すように、電解槽6
に、溶融塩4とCdのような液体金属14を投入し、こ
の溶融塩4中に使用済み燃料被覆管1aを入れた陽極バ
スケット3を浸漬する。そして、この状態でガス吹き込
み管7から液体金属14中に、HClガスまたは塩素2
9を吹き込こむと、(14)式に示す反応が生起して、
塩化カドミウムが生成する。塩化カドミウムは塩に溶解
するため、生成した塩化カドミウムは、液体金属14の
上層の溶融塩4中に融解する。この塩化カドミウムと使
用済み燃料1とが溶融塩4中で接触すると、塩化カドミ
ウムと塩化ジルコニウムでは塩化ジルコニウムの方が安
定なため、(15)式で示す塩化物の置換反応が起こ
り、被覆管の主成分であるジルコニウムは塩化物となっ
て溶融塩4中に溶解し、塩化カドミウムは再び金属カド
ミウムとなる。
【0044】 Cd+2HCl(Cl2 )→CdCl2 +H2 (14) Zr+2CdCl2 →ZrCl4 +2Cd (15) こうして被覆管の剥脱が行なわれ、脱被覆された使用済
み燃料は、次の溶解・析出工程に移される。溶融塩中に
溶解した塩化ジルコニウムは、溶融塩中に酸素を吹き込
むことで酸化ジルコニウムとして(反応を(16)式に
示す。)沈殿させる。沈殿後、蒸留により酸化ジルコニ
ウムとカドミウムとが分離され、それぞれ再利用され
る。なお、このような脱被覆方法において、液体金属と
しては、カドミウムの代わりに鉛またはビスマスを使用
することも可能である。
【0045】 ZrCl4 +O2 →ZrO2 +2Cl2 (16) 次いで、溶解・析出の前処理工程では、図13に示すよ
うに、せん断、脱被覆した使用済み燃料を、グラファイ
ト製等の陽極バスケット3に入れ、これを溶融塩4の液
面より上方の電解槽6内に保持し、この状態で、酸素ま
たは酸素と塩素との混合ガス30を吹き込みながら加熱
する。そして、まず二酸化ウランを酸化して表面積を増
大させ、揮発性のセシウム、よう素を揮発させて除去し
た後、塩素と接触させて、使用済み燃料に含まれている
ルテニウム、テクネチウム、ロジウム、パラジウムをそ
れぞれ揮発させて分離除去する。このような前処理を行
なうことにより、使用済み燃料中の揮発性のFPが効率
的に分離・除去される。
【0046】なお、このような前処理工程は、図14
(a)、(b)にそれぞれ示すような、2つの処理ゾー
ン31、32を有するハイブリッド型電解槽33によ
り、2つの陽極バスケット3を使用して行なうことで、
より効率的に行なうことが可能である。このハイブリッ
ド型電解槽33は、上部に、電気炉26のような加熱手
段を備えた2つの処理ゾーン31、32を有しており、
各処理ゾーンは、下部に設けられた可動式の多孔板34
により、溶融塩4の収容された下部と隔離されている。
そして、これらの処理ゾーン31、32には、上方から
陽極バスケット3が投入され、ここで所定の前処理が行
なわれた後、処理済みの陽極バスケット3は、多孔板3
4の移動により連通された下部に下ろされるようになっ
ている。
【0047】すなわち、まず一方の処理ゾーン31の陽
極バスケット3において、前処理が行なわれるが、この
とき他方の処理ゾーン32で既に前処理が行なわれた陽
極バスケット3は、下方に下ろされ溶融塩4内で電解さ
れる。次いで、処理ゾーン31の陽極バスケット3を下
方に下ろして、溶融塩電解による溶解・析出を行ない、
同時に処理ゾーン32には別の陽極バスケット3が投入
されて前処理がなされる。
【0048】こうして、2つの処理ゾーン31、32と
2つの陽極バスケット3を使用して前処理を行なうこと
により、溶解・析出工程で溶融塩4中への吹き込みに用
いる酸素あるいは酸素と塩素との混合ガス30を、処理
ゾーン31、32に導入して前処理用のガスとして利用
することができ、反応ガスを有効に利用することができ
る。
【0049】次に、本発明の第6の実施例である、使用
済み燃料からプルトニウムを回収する方法について説明
する。
【0050】この実施例のフローチャートを、図15に
示す。
【0051】実施例では、まず使用済み燃料を電解槽の
溶融塩中に投入し、陽極溶解同時陰極析出法により、陰
極に顆粒状の酸化ウラン(UO2 )を析出させて回収す
る。この操作を10回程度繰り返すと、使用済み燃料中に
含まれるウラン、プルトニウム、マイナーアクチノイド
の各成分は、溶融塩中で、図16に示すような濃度変化
をする。すなわち、陰極では酸化ウランのみを回収して
いるので、ウラニルイオンの濃度は一定値を示し、プル
トニウムイオンおよびマイナーアクチノイドイオンの濃
度は、10倍程度上昇する。その後さらに電解を継続(し
ぼり電解)し、UO2 をさらに回収すると、溶融塩中の
ウラニルイオン濃度は低下し、プルトニウムイオンおよ
びマイナーアクチノイドイオンの濃度よりも低いレベル
に達する。この段階で、溶融塩中に酸素と塩素との混合
ガスを吹き込み、プルトニウムイオン(Pu4+,P
3+)を酸塩化物イオン(プルトニルイオン:PuO2
2+)の状態まで酸化する。さらに、セラミック製の容器
(るつぼ)に入れたビスマスのような金属を、溶融塩中
に投入して溶融させると、溶融した金属とプルトニルイ
オンとが反応し、プルトニウムは酸化プルトニウムとし
て液体金属(ビスマス)中に粉末状で析出する。こうし
て、プルトニルイオンが液体金属中に回収される。 さ
らに、プルトニルイオンの析出・回収後の処理は、以下
に示すように行なわれる。すなわち、図17に示すよう
に、セラミック製の容器35に入れられた液体金属14
を撹拌機36により撹拌して、邪魔板37が取付けられ
た壁面方向への対流38を生じさせ、液体金属14の表
面に析出したPuO2 を容器35の内壁方向に移動させ
て堆積させる。そして、常に液体金属14の表面が更新
されるようにし、液体金属14を陰極として電解を行な
う。この電解工程では、UO2 のしぼり電解よりもさら
に電位を下げ、しぼり電解では回収できずにわずかに残
ったプルトニウムイオンやマイナーアクチノイドイオン
を、金属として、液体金属14の表面に回収する。こう
してこれらの成分を液体金属14の陰極で回収した後、
セラミック製の容器35を溶融塩4中から引き上げて冷
却し、固体となった金属を回収する。そして、蒸留また
はろ過により、液体金属14と回収された酸化プルトニ
ウムやマイナーアクチノイドの金属粒子とを分離し、燃
料成分を再度原子炉に戻して使用する。
【0052】なお、さらに高除染の燃料を得るために
は、酸化プルトニウムとマイナーアクチノイドを回収し
た液体金属14を、溶融塩と接触させて塩化ビスマスを
投入し、塩化物になりやすい希土類元素を溶融塩中に抽
出して除染することも可能である。 このような酸化プ
ルトニウムの回収方法においては、従来の沈殿方式での
回収方法に比べて、以下に示す利点を有している。すな
わち、従来の沈殿法では、酸化プルトニウムの沈殿が完
了するのに24時間程度かかっていたが、前記した第6の
実施例の回収方法では、30分程度の短時間で液体金属と
プルトニルイオンとの化学反応が進行するので、プロセ
スの操業時間を大幅に短縮することができる。また沈殿
法では、析出するPuO2 の粒径が小さいため、回収装
置が複雑になるばかりでなく、高温高湿雰囲気での操作
なので装置の寿命が短く、信頼性に乏しい等の問題があ
ったが、実施例の方法では、液体金属14の陰極をセラ
ミック製容器35ごと引き上げることで、容易に回収す
ることができ、特別な回収装置を必要とせず、装置全体
を簡素化することができる。さらに従来は、小粒径の酸
化プルトニウムを高率で回収することが難しかったが、
実施例では、液体金属14界面の反応により生じた酸化
プルトニウムの全量を、液体金属14中に回収すること
ができるので、回収率はほぼ 100%と極めて高くなる。
【0053】またさらに、沈殿法では、マイナーアクチ
ノイドを一括して回収することができなかったが、実施
例によれば、電解を併用することで酸化プルトニウムの
他にマイナーアクチノイドも同時に回収して、燃料とす
ることができる。これらは超半減期核種であるため、再
び炉心で消滅処理を行なうことができ、放射性廃棄物の
処分の上で非常に有利である。
【0054】次に、析出・回収されたUO2 と貴金属元
素とを分離する方法について説明する。
【0055】使用済み燃料を溶融塩電解により再処理
し、UO2 を析出させる場合には、図3に示すように、
ウラニルイオン(UO2 2+)と同じ酸化還元電位を有す
る貴金属元素(モリブデン(Mo)、ルテニウム(R
u)、ジルコニウム(Ζr)、ニッケル(Νi)、銀
(Ag))が析出し、UO2 との分離が悪くなるが、以
下に示すようにして、両者を効率よく分離することがで
きる。
【0056】UO2 は酸化物であるが、図18に示すよ
うに、高温においては電気伝導性(導電性)を有し、溶
融塩を用いた比較的高い温度( 550から 700℃)で電解
精製して回収できることが知られている。ここで、UO
2 を電解で回収する際の温度は、UO2 の導電性を確保
する上からも、最低 550℃程度が必要である。そして、
一旦回収したUO2 を、次に 500℃以下の溶融塩中で電
解しても、導電性が著しく低下しているため、UO2
はほとんど電流が流れない。しかし、UO2と共に析出
する貴金属元素は、金属であるため、温度を 500℃以下
に保持しても電流が流れ、陽極から貴金属元素がイオン
として溶出するので、このような溶出量の差を利用し
て、UO2 と貴金属元素とを分離し回収することができ
る。
【0057】具体的例としては、 650℃の溶融塩(Na
Cl−KCl)中でグラファイトの陰極上に電解析出し
たUO2 と貴金属元素(Mo、Ru、Rh、Pd、A
g)とを、 500℃に保持したLiCl−KCl溶融塩中
に電極ごと入れ、塩素基準電極に対して-0.3Vに保持し
て電解を行なったところ、UO2 はほとんど溶出しなか
ったが、他の金属は溶出した。溶出した貴金属元素を回
収した後、温度を 600℃に上げて電解を行ない、UO2
を回収することができた。
【0058】また、 650℃の溶融塩(NaCl−KC
l)中でグラファイトの陰極上に電解析出したUO2
貴金属元素とを、冷却後一旦電極から剥脱して粗粉砕
し、顆粒状にした後、これに導電性物質であるグラファ
イトを混合し、陽極として溶融塩中で使用した。前記具
体例と同じ電位、温度に保持して溶出させると、貴金属
元素は導電性グラファイトの働きでより電流が通じやす
くなるため、容易に溶融塩中に溶出し、陰極上に貴金属
のみを回収することができた。この操作の終了後、温度
を 600℃に上げて電解を行なうことで、UO2 が陰極上
に析出しこれを回収することができた。
【0059】次に、本発明の第7の実施例について説明
する。
【0060】図19は、本発明の再処理方法の第7の実
施例に用いる処理装置を示す断面図である。
【0061】この処理装置においては、導電性るつぼ3
9に溶融塩4が収容されており、溶融塩4中には、グラ
ファイトのような導電性材料から形成され、A−A断面
が図20に示すように楕円形を有する棒状の陰極5が設
けられている。また、この陰極5には回転駆動機構40
が連結されており、陰極5と陽極である導電性るつぼ3
9との間には、電解のための電源41が接続されてい
る。さらに、導電性るつぼ39の周りには、内部の温度
を所定温度に保つための電気炉26が設置されている。
電解処理に先だって、溶融塩4中に使用済み燃料(粉体
もしくは粒体)1が装荷される。
【0062】このような処理装置において、使用済み燃
料1が導電性るつぼ39の底部に沈積した状態で、るつ
ぼと回転する陰極5との間に電源41を用いて電流を流
すと、るつぼ底部に接するように沈積した使用済み燃料
1が、以下に示す反応機構により溶解する。例えばウラ
ン酸化物について言えば、ウラン酸化物自体が、陽極で
あるるつぼに電子を供給して、ウラニルイオンとなり溶
解する反応((14)式に示す)と、溶融塩中に存在す
る塩素イオンが陽極であるるつぼに電子を供給して塩素
ガスとなり、この塩素ガスとウラン酸化物が反応してウ
ラニルイオンとなって溶解する反応((15)式および
(16)式に示す)の2つの反応機構により溶解する。
【0063】 UO2 →UO2 2++2e- (14) 2Cl- →Cl2 +2e- (15) UO2 +Cl2 →UO2 2++2Cl (16) したがって、使用済み燃料1を効率よく溶解させるに
は、使用済み燃料1が陽極である導電性るつぼ39にで
きるだけ接触していることが必要がある。
【0064】一方、陰極には、溶融塩中に溶解した核燃
料物質が、例えばウランについて言えば、(17)式に
示す反応により析出する。
【0065】 UO2 2++2e- →UO2 (17) このような陰極での析出を効率よく行なうためには、陽
極であるるつぼの近傍で溶融塩中に溶解した核燃料物質
のイオンが、陰極近傍に供給される必要がある。
【0066】このように使用済み燃料1の処理を効率よ
く行なうためには、陽極での溶解と陰極での核燃料物質
の析出とを、両方とも効率良く行なう必要がある。そし
て、前者の要求を満たすには、沈積した燃料粉体が舞い
上がるような溶融塩の撹拌は行なわない方が良いが、後
者の要求を満たすには、溶融塩中に溶解した核燃料物質
にイオン濃度分布ができないように、できるだけ撹拌を
行なった方が良く、両者の要求は撹拌の適否について相
反することになる。
【0067】実施例の処理方法によれば、陰極5が楕円
形の断面を有する棒状電極であり、これが回転駆動機構
40により軸の周りに回転されているので、導電性るつ
ぼ39の底部に沈積した使用済み燃料1を、舞い上がら
せることなく、溶融塩4全体を撹拌することが可能であ
り、陽極での溶解も陰極での析出も両方とも効率良く行
なうことができる。
【0068】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の使用済み燃料の溶融塩電解再処理方法によれば、回収
する燃料中への貴金属元素等の不純物の混入を低減する
ことができ、より高品質の燃料を得ることができる。ま
た、使用済み燃料の陽極側での溶解と核燃料物質の陰極
側での析出を同時に効率よく行なうことができ、使用済
み燃料の処理効率を向上させることができる。さらに、
アメリシウムやキュウリウムのようなマイナーアクチノ
イドとわずかに残るウラン、プルトニウムをともに回収
することができ、これらの超半減期核種を再び炉心で消
滅処理することができる。またさらに、従来からの沈殿
法の処理時間と比べて、30分程度と極めて短時間で処理
を行なうことができ、プロセスの操業時間が大幅に短縮
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の使用済み燃料の溶融塩電解再処理方法
の一実施例を示すフローチャート。
【図2】本発明における溶解・析出工程の一実施例を模
式的に示す断面図。
【図3】本発明の第1の実施例に係わる代表的核種の酸
化還元電位を示す図。
【図4】本発明の第2の実施例に使用する電解装置の構
造を模式的に示す断面図。
【図5】第2の実施例に使用する撹拌型ガス吹き込み管
を示し、(a)は斜視図、(b)は平面図。
【図6】本発明の第4の実施例に使用する電解装置の構
造を模式的に示す断面図。
【図7】本発明の第5の実施例に使用する電解装置の構
造を模式的に示す断面図。
【図8】本発明の第1乃至第5の実施例で使用する、耐
食被覆を施した電解槽の構造を示す断面図。
【図9】従来の電解るつぼ材料であるパイログラファイ
トの腐食速度の温度依存性を表すグラフ。
【図10】本発明の第1乃至第5の実施例で使用する、
分散捕集板が設けられた電解槽を示す断面図。
【図11】本発明の第1乃至第5の実施例で使用する、
圧力制御システム付きの電解処理装置を示す系統図。
【図12】本発明の実施例における脱被覆の方法の一例
を模式的に示す図。
【図13】本発明の実施例において、前処理を行なうた
めの電解槽の構造の一例を模式的に示す図。
【図14】本発明の実施例において、前処理を行なうた
めの電解槽の構造の別の例を模式的に示す図。
【図15】本発明の第6の実施例である、使用済み燃料
からプルトニウムを回収する方法を示すフローチャー
ト。
【図16】ウラン、プルトニウム、マイナーアクチノイ
ドの溶融塩中の濃度変化を示すグラフ。
【図17】第6の実施例で生成したPuO2 の撹拌によ
る挙動を示す断面図。
【図18】UO2 の導電率の温度依存性を示すグラフ。
【図19】本発明の第7の実施例に用いる処理装置を模
式的に示す断面図。
【図20】図19のA−A矢視断面図。
【符号の説明】
1………使用済み燃料 2………顆粒状炭素 3………陽極バスケット 4………溶融塩 5………グラファイト製陰極 6………電解槽 7………ガス吹き込み管 8………酸化性ガス 9………ガス吹き出し口 11………液体陰極 13………液体陰極用コンタクト 14………液体金属 15………絶縁隔壁 16………るつぼ基材 17………プラズマ溶射被覆層 18………分散捕集板 20………ホットセル 21………ホットセル用圧力計 22………電解槽用圧力計 23………圧力制御装置 24………ブロアー 26………電気炉 30………酸素または酸素と塩素との混合ガス 31、32………処理ゾーン 33………ハイブリッド型電解槽 34………可動式多孔板 35………セラミック製容器 36………撹拌機 39………導電性るつぼ 40………回転駆動機構 41………電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松丸 健一 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 鴨志田 尋 神奈川県川崎市幸区堀川町66番2 東芝エ ンジニアリング株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用済み燃料をせん断し脱被覆した後、
    溶融塩中で電解を行ない、陽極で溶解するとともに、所
    要の成分を陰極に析出させて回収する溶融塩電解再処理
    方法において、 脱被覆された前記使用済み燃料を、陽極バスケット中で
    還元剤と混合しながら溶解し、かつ電解のはじめに、電
    極電位を制御することで陰極に貴金属イオンを選択的に
    析出させて回収することを特徴とする使用済み燃料の溶
    融塩電解再処理方法。
  2. 【請求項2】 前記貴金属イオンを選択的に析出・回収
    した後、前記溶融塩中の金属イオンを酸化剤により酸化
    し、酸化物または複合酸化物として陰極に析出させるこ
    とを特徴とする請求項1記載の使用済み燃料の溶融塩電
    解再処理方法。
  3. 【請求項3】 前記金属イオンを酸化する工程で、前記
    溶融塩中に酸化性のガスを、細かい泡状にしてかつ該溶
    融塩に流れを発生させるように吹き込むことを特徴とす
    る請求項2記載の使用済み燃料の溶融塩電解再処理方
    法。
  4. 【請求項4】 前記金属の酸化物または複合酸化物を析
    出・回収した後、電極電位を制御することで、前記溶融
    塩中に残存するマイナーアクチノイドのイオンを陰極に
    析出させて回収することを特徴とする請求項2または3
    記載の使用済み燃料の溶融塩電解再処理方法。
  5. 【請求項5】 前記貴金属イオンを析出させて回収する
    陰極として、該貴金属の溶解度が低い液体金属の電極を
    使用することを特徴とする請求項1記載の使用済み燃料
    の溶融塩電解再処理方法。
  6. 【請求項6】 前記貴金属イオンの析出・回収工程にお
    いて、陽極と陰極との間に絶縁隔壁を配置して電解を行
    ない、前記貴金属イオンを前記液体金属の電極に回収し
    た後、固体陰極を配置し、該貴金属を前記液体金属を通
    過させて電解することを特徴とする請求項5記載の使用
    済み燃料の溶融塩電解再処理方法。
  7. 【請求項7】 前記電解を行なう電解槽において、前記
    溶融塩を収容するるつぼの内表面が、ベリリア(Be
    O)、シリカ(SiO2 )、ジルコニア(ΖrO2 )、
    アルミナ(Al2 3 )から選ばれた単独の酸化物また
    はこれらの複合酸化物により被覆されていることを特徴
    とする請求項1または2記載の使用済み燃料の溶融塩電
    解再処理方法。
  8. 【請求項8】 前記酸化物または複合酸化物の被覆層の
    表面が、セラミック材料の溶射により封孔処理が施され
    ていることを特徴とする請求項7記載の使用済み燃料の
    溶融塩電解再処理方法。
  9. 【請求項9】 前記酸化物または複合酸化物の被覆層に
    おいて、前記溶融塩からなる液相とその上部の気相との
    界面に接触する気液界面部の厚さが、その他の部分の厚
    さより厚く形成されていることを特徴とする請求項7ま
    たは8記載の使用済み燃料の溶融塩電解再処理方法。
  10. 【請求項10】 前記溶融塩として、NaCl−CsC
    l系またはNaCl−KCl−CsCl系の塩化物を使
    用し、 550〜 600℃の温度で電解を行なうことを特徴と
    する請求項1乃至6のいずれか1項記載の使用済み燃料
    の溶融塩電解再処理方法。
  11. 【請求項11】 前記電解槽内で前記溶融塩の液面より
    上方に、セラミックス製またはグラファイト製の分散捕
    集板を設置し、該分散捕集板に前記溶融塩からの揮発物
    を付着させ、他の部分への付着を抑制することを特徴と
    する請求項1乃至6のいずれか1項記載の使用済み燃料
    の溶融塩電解再処理方法。
  12. 【請求項12】 前記電解槽を収納するホットセルを設
    けるとともに、前記電解工程で、前記電解槽の内部圧力
    を前記ホットセルの内部圧力よりも常に低く調整し、前
    記電解槽内で発生した塩素ガスの前記ホットセルへの漏
    洩を防止することを特徴とする請求項1乃至6のいずれ
    か1項記載の使用済み燃料の溶融塩電解再処理方法。
  13. 【請求項13】 せん断された前記使用済み燃料を、塩
    化カドミウムを含む溶融塩と接触させ、被覆管の主成分
    であるジルコニウムを塩化物として、前記溶融塩中に溶
    解させることによって脱被覆することを特徴とする請求
    項1記載の使用済み燃料の溶融塩電解再処理方法。
  14. 【請求項14】 せん断し脱被覆された前記使用済み燃
    料を、前記溶融塩中で電解を行なう前に、加熱、酸化、
    塩素化の各処理を行なうことによって、前記燃料中の揮
    発性の核分裂生成物を除去することを特徴とする請求項
    1記載の使用済み燃料の溶融塩電解再処理方法。
  15. 【請求項15】 使用済み燃料をせん断し脱被覆した
    後、溶融塩中で電解を行ない、陽極で溶解するととも
    に、所要の成分を陰極に析出させて回収する再処理方法
    において、 前記燃料中の酸化ウランを陽極で溶解し固体陰極で析出
    ・回収する工程を複数回繰り返し、前記溶融塩中のプル
    トニウムイオンの濃度を上昇させた後、該プルトニウム
    イオンを酸化してプルトニルイオンとし、次いで前記溶
    融塩中に液体金属を投入し、前記プルトニルイオンと該
    液体金属との交換反応により、酸化プルトニウムを析出
    させて回収することを特徴とする使用済み燃料の溶融塩
    電解再処理方法。
  16. 【請求項16】 前記酸化プルトニウムを回収した後、
    前記溶融塩中に残存するマイナーアクチノイドイオン
    を、液体金属を陰極として電解により回収することを特
    徴とする請求項15記載の使用済み燃料の溶融塩電解再
    処理方法。
  17. 【請求項17】 せん断・脱被覆された使用済み燃料を
    溶融塩中で電解し、陰極に酸化ウランを析出させて回収
    した後、回収物を 500℃以下の溶融塩中に投入して、こ
    の回収物を陽極にして陽極溶解を行なうことにより、前
    記酸化ウランとともに析出した貴金属を、前記溶融塩中
    に溶出させて分離・回収し、しかる後温度を 550℃以上
    に上げて電解を行ない、前記酸化ウランを回収すること
    を特徴とする使用済み燃料の溶融塩電解再処理方法
  18. 【請求項18】 導電性るつぼに溶融塩を装荷し、該る
    つぼを陽極として使用済み燃料の電解を行ない、陽極で
    溶解するとともに、所要の成分を固体陰極に回収する溶
    融塩電解再処理方法において、 前記固体陰極が断面楕円形の棒状を呈しており、かつこ
    の陰極を軸の回りに自転させながら電解を行なうことを
    特徴とする使用済み燃料の溶融塩電解再処理方法。
JP22047797A 1997-08-15 1997-08-15 使用済み燃料の溶融塩電解再処理方法 Expired - Lifetime JP3872873B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22047797A JP3872873B2 (ja) 1997-08-15 1997-08-15 使用済み燃料の溶融塩電解再処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22047797A JP3872873B2 (ja) 1997-08-15 1997-08-15 使用済み燃料の溶融塩電解再処理方法

Related Child Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004241253A Division JP3910605B2 (ja) 2004-08-20 2004-08-20 使用済み燃料の溶融塩電解再処理方法
JP2004241254A Division JP3892864B2 (ja) 2004-08-20 2004-08-20 使用済み燃料の溶融塩電解再処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1164577A true JPH1164577A (ja) 1999-03-05
JP3872873B2 JP3872873B2 (ja) 2007-01-24

Family

ID=16751719

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22047797A Expired - Lifetime JP3872873B2 (ja) 1997-08-15 1997-08-15 使用済み燃料の溶融塩電解再処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3872873B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005201765A (ja) * 2004-01-15 2005-07-28 Central Res Inst Of Electric Power Ind 固体状の核分裂生成物含有物の核種分離方法
JP2006314958A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Toshiba Corp 電解装置
JP2011214915A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Central Res Inst Of Electric Power Ind ジルコニアコーティング剤
KR101365387B1 (ko) * 2012-08-02 2014-02-20 한국수력원자력 주식회사 파이로 공정에서 사용되는 용융염 반응기내 용융염층 높이를 연속적으로 측정하기 위한 장치 및 방법
JP2014105356A (ja) * 2012-11-27 2014-06-09 Toshiba Corp 混合酸化物の処理システム及び方法
JP2015230170A (ja) * 2014-06-03 2015-12-21 株式会社東芝 複合酸化物分離方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005201765A (ja) * 2004-01-15 2005-07-28 Central Res Inst Of Electric Power Ind 固体状の核分裂生成物含有物の核種分離方法
JP2006314958A (ja) * 2005-05-13 2006-11-24 Toshiba Corp 電解装置
JP4734026B2 (ja) * 2005-05-13 2011-07-27 株式会社東芝 電解装置
JP2011214915A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Central Res Inst Of Electric Power Ind ジルコニアコーティング剤
KR101365387B1 (ko) * 2012-08-02 2014-02-20 한국수력원자력 주식회사 파이로 공정에서 사용되는 용융염 반응기내 용융염층 높이를 연속적으로 측정하기 위한 장치 및 방법
JP2014105356A (ja) * 2012-11-27 2014-06-09 Toshiba Corp 混合酸化物の処理システム及び方法
JP2015230170A (ja) * 2014-06-03 2015-12-21 株式会社東芝 複合酸化物分離方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3872873B2 (ja) 2007-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2641533B2 (ja) ウランおよびプルトニウムを含む使用済核燃料を精製する方法
Souček et al. Exhaustive electrolysis for recovery of actinides from molten LiCl–KCl using solid aluminium cathodes
JP2000088991A (ja) 核燃料サイクル施設からの廃棄物処理方法及びその処理装置
WO2002066712A1 (en) Electrorefining process for separating metals
EP1481401B1 (en) Electrochemical cell for metal production
US7097747B1 (en) Continuous process electrorefiner
US7011736B1 (en) U+4 generation in HTER
JP2002357696A (ja) 固体廃棄物の除染方法及びその装置
EP1240647B1 (en) Actinide production
EP1393324B1 (en) Actinide production
JP3872873B2 (ja) 使用済み燃料の溶融塩電解再処理方法
WO1989010981A1 (en) Apparatus and method for dissolving hazardous waste materials by catalyzed electrochemical dissolution
JP2006520470A (ja) 金属を分離するためのプロセス
JP3524234B2 (ja) 使用済み酸化物燃料の再処理方法および再処理装置
EP1570114B1 (en) Separation of metals
JP3519557B2 (ja) 使用済み燃料の再処理方法
JPWO2004036595A1 (ja) 軽水炉使用済燃料の再処理方法および装置
JP4025125B2 (ja) 使用済み燃料の再処理方法
JP2875819B2 (ja) 溶融塩電解精製装置
JP3910605B2 (ja) 使用済み燃料の溶融塩電解再処理方法
JPH06324189A (ja) 溶融塩電解精製法
JPH11223698A (ja) 汚染金属の再生方法とその装置
JP2000155193A (ja) 使用済み酸化物燃料の再処理方法と装置
JP3892864B2 (ja) 使用済み燃料の溶融塩電解再処理方法
JPH0755991A (ja) 使用済燃料の再処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20040319

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040622

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040820

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061017

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061023

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091027

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091027

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101027

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111027

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111027

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121027

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131027

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131027

Year of fee payment: 7

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131027

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term