JP2015230170A - 複合酸化物分離方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】炉心内の溶融で生じた複合酸化物から、核燃料材酸化物および被覆管材を分離回収する。
【解決手段】実施形態によれば、複合酸化物分離方法は、還元用金属の酸化物系塩と還元用金属の酸化物とを浴槽に収納し加熱して浴槽内で溶融した溶融塩とする塩溶融ステップS12と、複合酸化物を溶融塩内に浸漬させて核燃料材酸化物および被覆管材を溶解させる複合酸化物溶解ステップS13と、電気分解によって陰極部材に核燃料材酸化物を析出させ回収する核燃料材回収ステップS14と、残りの浴槽内から、被覆管材を分離して回収する被覆管材回収ステップS15を有する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、核燃料棒が炉心内で溶融したことにより生じた固体状の複合酸化物から、核燃料材酸化物等を分離回収する複合酸化物分離方法に関する。
炉心溶融が生じた溶融炉心では、炉心燃料や炉心の構造物の溶融により、複合酸化物が形成されていると考えられている。この複合酸化物は、炉心の各部で組成は様々であり、それぞれの組成によってその性質が異なる。したがって、その組成を把握し、より単純な組成になるように制御することによって、複合酸化物の取扱いが容易となることが期待できる。
複合酸化物は、溶解性が低く、そのため処理が困難であることが特徴である。通常の酸化ウランであれば硝酸あるいはフッ酸により溶解する。酸化モリブデンおよびモリブデン酸ナトリウムなどを用いた酸化ウランと酸化プルトニウムの複合酸化物の溶解について、使用済酸化物燃料の乾式再処理方法が知られている(特許文献1)。
また、酸化ジルコニウムについても硝酸およびフッ酸の混合液により溶解させる試みがなされており、酸化ウランと酸化ジルコニウムの溶解において、酸化ウランが選択的に溶解することを報告している(日本原子力学会「2013年春の年会」予稿集p.95)。
しかしながら、酸化ウランと酸化ジルコニウムの複合酸化物となった場合、硝酸およびフッ酸を用いても、複合酸化物が全量溶解することは困難である。
複合酸化物である岩石の溶解では溶融アルカリを用いて、溶解分析が行なわれており、酸化ウランと酸化ジルコニウムの複合酸化物に対しても適用されている。しかしながら、溶融アルカリでは溶解性を制御することができず、また、微量とはいえない場合の複合酸化物に対しては多量の溶融アルカリが必要である。水酸化ナトリウムなどのアルカリは潮解性があることから中和するなどして安定化して処分する必要があり、これにより二次廃棄物が多量に発生する。
そこで、複合酸化物を溶解させることができ、二次廃棄物の発生量も限定され、さらに制御性がある分離・分析方法が求められている。
特許第4147352号公報
前述のように、酸化ウランと酸化ジルコニウムの複合酸化物となった場合、硝酸およびフッ酸を用いても、複合酸化物が全量溶解することは困難である。また、溶融アルカリによる分離・分析などにおいても全量処理することが困難であり、また溶融アルカリ処理では二次廃棄物が多量に生じてしまうという課題がある。また、形状、溶解条件によって複合酸化物の溶解速度が抑制されることも懸念される。
そこで、本発明の実施形態は、炉心内の溶融で生じた複合酸化物から、核燃料材酸化物および被覆管材を分離回収することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本実施形態は、被覆管内に核燃料を収納する核燃料棒が溶融したことにより生じた核燃料材酸化物および被覆管材の酸化物を含む固体状の複合酸化物から前記核燃料材酸化物および前記被覆管材をそれぞれ分離回収する複合酸化物分離方法において、還元用金属の酸化物系塩および前記還元用金属の酸化物を浴槽に収納し加熱して前記浴槽内で溶融した溶融塩とする塩溶融ステップと、前記塩溶融ステップの後に、前記浴槽内の前記溶融塩内に前記複合酸化物を浸漬させて前記核燃料材酸化物および前記被覆管材を溶解させる複合酸化物溶解ステップと、前記複合酸化物溶解ステップにおいて前記溶融塩中で溶解した前記核燃料材酸化物および前記被覆管材の中に陽極部材および陰極部材を挿入して、電気分解によって前記陰極部材に前記核燃料材酸化物を析出させ前記核燃料材酸化物を回収する核燃料材回収ステップと、前記核燃料材回収ステップの後に前記核燃料材酸化物を回収した残りの前記浴槽内から、前記被覆管材を分離して回収する被覆管材回収ステップと、を有することを特徴とする。
また、本実施形態は、被覆管内に核燃料を収納する核燃料棒が溶融したことにより生じた核燃料材酸化物および被覆管材の酸化物を含む固体状の複合酸化物から前記核燃料材酸化物および前記被覆管材をそれぞれ分離回収する複合酸化物分離方法において、還元用金属の酸化物系塩および前記還元用金属の酸化物を浴槽に収納し加熱して前記浴槽内で溶融した溶融塩とする塩溶融ステップと、前記塩溶融ステップの後に、前記浴槽内の前記溶融塩内に前記複合酸化物を浸漬させて前記被覆管材を溶解させずに前記核燃料材酸化物を溶解させる核燃料材酸化物溶解ステップと、前記核燃料材酸化物溶解ステップにおいて前記浴槽内の前記溶融塩中で溶解した前記核燃料材酸化物の中に陽極部材および陰極部材を挿入して、電気分解によって前記陰極部材に前記核燃料材酸化物を析出させ前記核燃料材酸化物を回収する核燃料材回収ステップと、前記核燃料材回収ステップの後に、前記還元用金属の酸化物をさらに加え前記被覆管材の酸化物を溶解させる酸化物追加ステップと、前記核燃料材酸化物を回収した残りの前記浴槽内から、前被覆管材を分離して回収する被覆管材回収ステップと、を有することを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、炉心内の溶融で生じた複合酸化物から、核燃料材酸化物および被覆管材を分離回収することができる。
第1の実施形態に係る複合酸化物分離方法の手順を示すフロー図である。 第1の実施形態に係る複合酸化物分離方法における核燃料材酸化物の電解ステップにおける装置の構成を示す立断面図である。 第1の実施形態に係る複合酸化物分離方法における被覆管材の電解ステップにおける装置の構成を示す立断面図である。 第2の実施形態に係る複合酸化物分離方法の手順を示すフロー図である。 第3の実施形態に係る複合酸化物分離方法の手順を示すフロー図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る複合酸化物分離方法について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
[第1の実施形態]
被覆管内に核燃料を収納する核燃料棒が炉心内で溶融することにより、核燃料材酸化物および被覆管材の酸化物を含む固体状の複合酸化物が生成される。本実施形態は、この複合酸化物から核燃料材酸化物および被覆管材をそれぞれ分離回収する複合酸化物分離方法に係るものである。
ここで、核燃料材酸化物は、たとえば、二酸化ウラン(UO)または二酸化プルトニウム(PuO)、あるいは二酸化ウランと二酸化プルトニウムの混合物である。また、被覆管材は、ジルコニウム(Zr)あるいは、たとえばジルカロイ(商品名)などのジルコニウム合金である。被覆管材の酸化物は、たとえば二酸化ジルコニウム(ZrO)である。
図1は、第1の実施形態に係る複合酸化物分離方法の手順を示すフロー図である。まず、複合酸化物が生じた個所、すなわち、溶融した炉心の箇所から、処理対象分、すなわち本実施形態に係る複合酸化物分離方法による処理の対象として取り扱う分の複合酸化物を採取する(ステップS11)。なお、複数の処理対象分を一括採取して、そののち、処理対象分ごとに分けてもよい。複合酸化物の採取は、たとえば、溶融燃料の堆積物からドリルやカッターにより切り取る等の方法により行われる。
次に、浴槽内に溶融塩を形成させる(ステップS12)。ここで、溶融塩には還元用金属としてモリブデン(Mo)を使用する。主剤である塩は、モリブデンの酸化物系塩を使用する。具体的には、たとえば、モリブデン酸ナトリウムである。なお、モリブデン酸ナトリウムに限定されず、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属との塩、たとえばモリブデン酸カリウム、モリブデン酸カルシウムなどでもよい。これらの場合は、温度条件をそれぞれ適切に設定すればよい。
また、助剤として、同じ還元用金属のモリブデンの酸化物を使用する。すなわち、主剤であるモリブデン酸ナトリウムと、助剤である酸化モリブデンの混合物を浴槽内に収納する。
ここで、還元用金属とは、複合酸化物中の核燃料材酸化物および被覆管材の酸化物を還元するための塩に用いる金属を、こう呼ぶこととする。なお、還元用金属としては、モリブデンには限定されず、Moに代えてたとえばタングステン(W)を使用してもよい。また、MoとWの混合物でもよい。W、あるいはMoとWの混合物を使用する場合、以下に説明する塩、および酸化物において、温度条件、モル比等を適切に設定することでよい。
助剤である酸化モリブデンのモル数は、核燃料材酸化物のモル数のたとえば2倍以上、被覆管材の酸化物のモル数のたとえば20倍以上とする。ここで、2倍以上のモル数とは核燃料酸化物の溶解に必要な量である。また、20倍以上のモル数とは、被覆管材の酸化物も溶解させるに必要な量である。また、主剤であるモリブデン酸ナトリウムのモル数は、被覆管材の酸化物のモル数のたとえば20倍以上とする。なお、これらの量は、混合酸化物の組成にも依存するが、分析等の結果に基づいて適切な量を設定することができる。
次に、モリブデン酸ナトリウムおよび酸化モリブデンの温度が約650℃となるように加熱して溶融塩を形成する。加熱は、電気加熱、あるいは電磁誘導加熱などによる。
モリブデン酸ナトリウムおよび酸化モリブデンは、溶融状態では、主に次の式(1)のようなイオン形態となる。
NaMoO+MoO→2Na+Mo 2− …(1)
次に、溶融塩中に、採取した処理対象分の複合酸化物を浸漬させ、溶解させる(ステップS13)。複合酸化物は、溶融塩中に浸漬すると、溶融塩に接する表面から溶融塩中に溶解する。最終的には、核燃料材酸化物は、主に次の式(2)のようにイオン化して溶解する。
UO+NaMo+1/2O
→(UO2+(MoO2−+NaMoO …(2)
また、被覆管材は、主に次の式(3)のようにイオン化して溶解する。
ZrO+NaMo
→Zr2+(MoO2− +2NaMoO …(3)
図2は、核燃料材酸化物の電解ステップにおける装置の構成を示す立断面図である。ステップS13で核燃料材酸化物および被覆管材を溶解させた後に、浴槽に電極部材を挿入して、電気分解によって核燃料材酸化物を析出させ、回収する(ステップS14)。
浴槽1は、ホットセル8内に置かれている。浴槽1内には、溶融状態にある溶融塩11が収納されている。溶融塩11中には処理対象分の複合酸化物12が浸漬している。また、浴槽1中の溶融塩11には、上方から陽極部材2、陰極部材3および基準電極4が挿入されている。
基準電極4は図示しない基準電源に接続されている。陽極部材2と陰極部材3との間は、直流電源5により直流電圧Vuが印加されている。直流電源5に直列に電流計7が設けられている。また、基準電極4と陰極部材3間には、監視用の電圧計6が設けられている。ここで、印加される直流電圧Vuは、核燃料材酸化物の析出反応には十分な電圧であり、かつ、被覆管材の析出に必要な電圧未満の電圧である。なお、電流が大きい場合は電圧降下によって実際に溶融塩内に印加される電圧が低下するので、電流計7で電流を監視して、必要に応じて印加電圧を調整してもよい。
陽極部材2と陰極部材3との間に直流電圧Vuが印加されることによって、陰極部材3には、核燃料材酸化物が析出する。また、陽極部材2では、酸素ガスが発生する。また、被覆管材は析出しない。
陰極部材3で析出した核燃料材酸化物は、陰極部材3が取り出された後に、回収される。
図3は、被覆管材の電解ステップにおける装置の構成を示す立断面図である。ステップS14で電気分解によって核燃料材酸化物を析出させ回収した後に、電気分解で、陰極部材3に被覆管材を析出させ、回収する(ステップS15)。ここで、印加する直流電圧Vzは、被覆管材を析出させるために十分な電圧であり、核燃料材酸化物を析出させるための電圧Vuより大きな値の電圧である。
陽極部材2と陰極部材3との間に直流電圧Vzが印加されていることによって、陰極部材3には、被覆管材が析出する。また、陽極部材2では、酸素ガスが発生する。
図1に示すように、ステップS15で被覆管材を析出させ回収した後に、残る溶融塩を湿式法で溶解し、分離する(ステップS16)。溶解した溶融塩を1200℃以上の高温にし、酸化モリブデンを蒸留し、酸化モリブデンを回収する。この蒸留により濃縮された溶融塩を湿式法により溶解することで、不溶性のモリブデン酸ジルコニウムと溶解性のモリブデン酸ウラニルとに分離する。
以上のように、本実施形態による複合酸化物分離方法においては、酸化モリブデンにモリブデン酸ナトリウムを付加することにより融点を低下させて取扱い温度を低下させることで操作性を向上させることができる。すなわち、酸化モリブデンは、単体では融点が795℃であり溶融塩として用いる場合は850℃程度の温度で用いることになる。これに対して、モリブデン酸ナトリウムと酸化モリブデンを混合することにより、750℃以下の溶融塩として用いることができ、より低温での取扱いが可能となる。
また、モリブデン酸ナトリウムを溶融塩に使用することにより、核燃料材酸化物および被覆管材がイオン化し、溶融塩中で、より溶解しやすくなる。
さらに、酸化モリブデンの濃度を調整することが可能となり、酸化物の溶解性を制御することが可能となる。本実施形態においては、核燃料材酸化物および被覆管材の酸化物の両者を溶解させ得る溶融塩を形成することができる。これにより、最初の段階、すなわちステップS13において、核燃料材酸化物とともに被覆管材の酸化物を溶解することにより、核燃料材酸化物の溶解を促進させることができ、複合酸化物を一様に溶解させることが可能である。この結果、得られた溶融塩を攪拌して均一にした後にこの一部を採取して分析することで、対象としている複合酸化物の組成を精度よく分析することができる。精度のよい分析結果によって、複合酸化物の切削方法や臨界管理などの取扱い方法を決定することができる。
以上のように、本実施形態によれば、核燃料材酸化物および被覆管材の酸化物を含む固体状の複合酸化物から、核燃料材酸化物および被覆管材をそれぞれ分離回収することができる。
[第2の実施形態]
図4は、第2の実施形態に係る複合酸化物分離方法の手順を示すフロー図である。本実施形態は第1の実施形態の変形である。本第2の実施形態においては、複合酸化物の採取(ステップS11)の後に、浴槽内に溶融塩を形成させるステップが異なる。
モリブデン酸ナトリウムと、助剤である酸化モリブデンの混合物を浴槽内に収納するが、助剤である酸化モリブデンのモル数は、核燃料材酸化物のモル数の2倍以上であり、かつ、被覆管材の酸化物のモル数の20倍より十分少ない量とする(ステップS21)。複合酸化物中の被覆管材の酸化物の割合にも依存するが、被覆管材は、核燃料酸化物に比べて溶解しにくいため、通常の複合酸化物を対象とする場合、被覆管材の酸化物のモル数の20倍の量は核燃料材酸化物のモル数の2倍の量より多い。
したがって、核燃料材酸化物のモル数の2倍以上で、かつ、被覆管材の酸化物のモル数の20倍より十分少ない量の酸化モリブデンは、核燃料酸化物を溶解する一方、被覆管材をほとんど溶解しない量である。本実施形態は、複合酸化物中の被覆管材の酸化物の量が極端に少ない場合ではなく、このような通常の範囲の量の場合に適用できる。
次に、溶融塩中に、採取した処理対象分の複合酸化物を浸漬させ、溶解させる(ステップS22)。このステップでは、複合酸化物は、溶融塩中に浸漬すると、溶融塩に接する表面から溶融塩中に溶解する。最終的には、核燃料材酸化物が、前述の式(2)のように溶解してイオン化する。また、被覆管材の酸化物は、ほとんど溶解しない。
本実施形態においては、ステップS14、すなわち核燃料材酸化物の回収ステップの後に、浴槽中の溶融塩に、助剤である酸化モリブデンのモル数が核燃料材酸化物のモル数の20倍以上となるように、酸化モリブデンを追加する(ステップS23)。この結果、複合酸化物中の被覆管材が式(3)のように溶解する。
以上のような本実施形態による複合酸化物分離方法においては、核燃料材酸化物を溶解させるステップ(ステップS22)と被覆管材を溶解させるステップ(ステップS23)とが別ステップとなっている。このため、核燃料材酸化物の回収ステップ(ステップS14)においては、被覆管材はほとんど溶解しないので、被覆管材をほとんど含まない核燃料材酸化物を回収することができる。このため、被覆管材を回収させるステップ(ステップS15)においては、核燃料材酸化物はすでに回収されており、被覆管材の方が溶解している状態となる。このため、個別に回収することができ、それぞれの回収物の純度を向上することができる。
[第3の実施形態]
図5は、第3の実施形態に係る複合酸化物分離方法の手順を示すフロー図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形であり、第1の実施形態の被覆管材の回収ステップ(ステップS15)が、本第3の実施形態では、被覆管材の回収ステップ(ステップS31)となっている点が異なる。
ステップS14で電気分解によって核燃料材酸化物を析出させ回収した後に、残りの溶融塩を蒸留することによって、被覆管材を回収する(ステップS31)。
以上のように、電気エネルギーによる電気分解に頼らず、熱エネルギーによる蒸留によっても被覆管材を回収することができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。たとえば、実施形態では、浴槽1はホットセル8内に設けられている例を示したが、これに限定されない。たとえば、操作員に対する放射線防護および放射能汚染対策がなされるならば、他の装置内、あるいは、炉心で溶融が生じた原子力発電所の施設内であってもよい。
また、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。たとえば、第2の実施形態において、第3の実施形態における蒸留による被覆管材の回収を行ってもよい。
さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…浴槽、2…陽極部材、3…陰極部材、4…基準電極、5…直流電源、6…電圧計、7…電流計、8…ホットセル、11…溶融塩、12…複合酸化物

Claims (7)

  1. 被覆管内に核燃料を収納する核燃料棒が溶融したことにより生じた核燃料材酸化物および被覆管材の酸化物を含む固体状の複合酸化物から前記核燃料材酸化物および前記被覆管材をそれぞれ分離回収する複合酸化物分離方法において、
    還元用金属の酸化物系塩および前記還元用金属の酸化物を浴槽に収納し加熱して前記浴槽内で溶融した溶融塩とする塩溶融ステップと、
    前記塩溶融ステップの後に、前記浴槽内の前記溶融塩内に前記複合酸化物を浸漬させて前記核燃料材酸化物および前記被覆管材を溶解させる複合酸化物溶解ステップと、
    前記複合酸化物溶解ステップにおいて前記溶融塩中で溶解した前記核燃料材酸化物および前記被覆管材の中に陽極部材および陰極部材を挿入して、電気分解によって前記陰極部材に前記核燃料材酸化物を析出させ前記核燃料材酸化物を回収する核燃料材回収ステップと、
    前記核燃料材回収ステップの後に前記核燃料材酸化物を回収した残りの前記浴槽内から、前記被覆管材を分離して回収する被覆管材回収ステップと、
    を有することを特徴とする複合酸化物分離方法。
  2. 被覆管内に核燃料を収納する核燃料棒が溶融したことにより生じた核燃料材酸化物および被覆管材の酸化物を含む固体状の複合酸化物から前記核燃料材酸化物および前記被覆管材をそれぞれ分離回収する複合酸化物分離方法において、
    還元用金属の酸化物系塩および前記還元用金属の酸化物を浴槽に収納し加熱して前記浴槽内で溶融した溶融塩とする塩溶融ステップと、
    前記塩溶融ステップの後に、前記浴槽内の前記溶融塩内に前記複合酸化物を浸漬させて前記被覆管材を溶解させずに前記核燃料材酸化物を溶解させる核燃料材酸化物溶解ステップと、
    前記核燃料材酸化物溶解ステップにおいて前記浴槽内の前記溶融塩中で溶解した前記核燃料材酸化物の中に陽極部材および陰極部材を挿入して、電気分解によって前記陰極部材に前記核燃料材酸化物を析出させ前記核燃料材酸化物を回収する核燃料材回収ステップと、
    前記核燃料材回収ステップの後に、前記還元用金属の酸化物をさらに加え前記被覆管材の酸化物を溶解させる酸化物追加ステップと、
    前記核燃料材酸化物を回収した残りの前記浴槽内から、前被覆管材を分離して回収する被覆管材回収ステップと、
    を有することを特徴とする複合酸化物分離方法。
  3. 前記還元用金属は、モリブデンまたはタングステンの少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の複合酸化物分離方法。
  4. 前記被覆管材回収ステップは、電気分解により前記被覆管材を回収するステップを有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の複合酸化物分離方法。
  5. 前記被覆管材回収ステップにおける前記電気分解の際に前記陽極部材と前記陰極部材間に印加する電圧値は、前記核燃料材回収ステップにおける前記電気分解の際に前記陽極部材と前記陰極部材間に印加する電圧値よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の複合酸化物分離方法。
  6. 前記被覆管材回収ステップは、蒸留により前記被覆管材を回収するステップを有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の複合酸化物分離方法。
  7. 前記酸化物系塩は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属との化合物であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の複合酸化物分離方法。
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