JPH1163088A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JPH1163088A
JPH1163088A JP22221897A JP22221897A JPH1163088A JP H1163088 A JPH1163088 A JP H1163088A JP 22221897 A JP22221897 A JP 22221897A JP 22221897 A JP22221897 A JP 22221897A JP H1163088 A JPH1163088 A JP H1163088A
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JP
Japan
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vibration
magnetic field
liquid chamber
movable member
coil
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP22221897A
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English (en)
Inventor
Teruo Mori
輝夫 森
Shoichi Kumakawa
正一 熊川
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Bridgestone Corp
TDK Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
TDK Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁歪材料の変位量を拡大しつつ可動部材を往
復動することで防振特性を向上する。 【解決手段】 ハウジング62内に磁界を生じさせるコ
イル68が収納される。コイル68の内周側に、磁界の
変化により変位を発生する磁歪材料72が設置される。
磁歪材料72の上部にヨーク74Aを介してピストン板
76が載せられる。ピストン板76は上ヘッド材78に
液体が封入された変位伝達液室80を介して対向して配
置される。上ヘッド材78の穴部78B内に伝達シャフ
ト52が配置され、伝達シャフト52の小径部が可動板
54に当接している。伝達シャフト52の下側は大径と
されて上ヘッド材78の穴部78Bと嵌合される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は能動型制御により振
動を低減する防振装置に係り、特にエンジンマウント等
に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジンはエンジンマウントで
ある防振装置によって車体へ支持されており、この防振
装置がエンジン振動の車体への伝達を阻止している。そ
して、このような防振装置の一例として、能動型制御を
行うアクティブマウントである防振装置が提案されてい
る。
【0003】この防振装置は、駆動源であるアクチュエ
ータ及びこのアクチュエータにより往復動される可動板
を、制御の為に通常、有している。つまり、この可動板
は、板ばね、皿ばね及びゴム等のばね部材で弾性的に支
持されており、アクチュエータが駆動されるのに伴っ
て、ばね部材で弾性的に支持された可動板が往復動され
て、振動が低減されるようになっている。
【0004】また、アクチュエータとしてはピエゾ素子
などの他に、電磁石を利用したボイスコイルモータが考
えられており、このボイスコイルモータによるアクチュ
エータを採用したアクティブマウントである防振装置を
図4及び図5に示し、これらの図に基づき従来の防振装
置を説明する。
【0005】図に示すようにこの防振装置は、エンジン
等からの振動の入力を打ち消す様に、本体ゴム112と
液室124を介してコイル126を固着した可動板11
4とが配置され、ゴム製で弾性変形可能なばね部材11
6でこの可動板114を支持している。
【0006】また、中心部に永久磁石118が設置され
たヨークである固定子116の上部に、上端金具120
が配置され、これら固定子116と上端金具120との
間にリング状の隙間であるギャップ122に緩く嵌まり
込むようにコイル126が配置されている。そして、こ
れら固定子116、永久磁石118、上端金具120及
びコイル126等で可動板114を往復動し、車体等の
伝達側へ振動を伝えないようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ボイスコイル
モータを構成するコイル126と可動板114とは、図
4及び図5に示すように一体的に形成されている為、可
動板114と共にコイル126が変位するのに伴ってコ
イル126に繋がるリード線128が屈曲して断線する
虞があった。
【0008】また、コイル126による磁界を効率良く
形成する為に、防振装置の組立の際の永久磁石118と
コイル126との同芯度を厳しくしたり、固定子116
と上端金具120との間のギャップ122の精度を高め
なければならなく、組立の際の管理が難しい欠点があっ
た。
【0009】さらに、ボイスコイルモータは一般に変位
が小さいので、出力を大きくして十分な変位を得る為
に、図4に示すようにコイル126、永久磁石118等
を大型化しなければならず、この結果、アクチュエータ
が大型化する欠点が有った。
【0010】本発明は上記事実を考慮し、磁歪材料の変
位量を拡大しつつ可動部材を往復動することで防振特性
を向上し得る防振装置を提供することが目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1による防振装置
は、振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の
取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方に連結され
る第2の取付部材と、第1の取付部材と第2の取付部材
との間に設けられる弾性体と、液体が充填され且つ弾性
体を隔壁の一部として振動発生時に拡縮する受圧液室
と、変位可能に支持されて受圧液室の隔壁の他の一部を
構成する可動部材と、磁界を生じさせる磁界発生部材
と、磁界の変化により変形する磁歪材料と、磁歪材料の
変形を拡大しつつ可動部材に伝達して可動部材を往復動
させる増幅伝達材と、を備えたことを特徴とする。
【0012】請求項2による防振装置は、振動発生部及
び振動受部の一方に連結される第1の取付部材と、振動
発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付部材
と、第1の取付部材と第2の取付部材との間に設けられ
る弾性体と、液体が充填され且つ弾性体を隔壁の一部と
して振動発生時に拡縮する受圧液室と、受圧液室に制限
通路を介して連結される副液室と、変位可能に支持され
て受圧液室の隔壁の他の一部を構成する可動部材と、磁
界を生じさせる磁界発生部材と、磁界の変化により変形
する磁歪材料と、磁歪材料の変形を拡大しつつ可動部材
に伝達して可動部材を往復動させる増幅伝達材と、振動
発生部側から入力された振動に合わせて可動部材を往復
動させるように磁界発生部材に磁界を生じさせる制御手
段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】請求項1に係る防振装置の作用を以下に説
明する。防振装置の第1の取付部材または第2の取付部
材の一方が振動発生部へ連結され、他方が振動受部へ連
結される。この防振装置に振動発生部から振動が入力さ
れると、弾性体が変形して弾性体の内部摩擦に基づく抵
抗によって振動が吸収される。
【0014】また、磁界発生部材による磁界の発生に伴
う磁界の変化により磁歪材料が変形し、増幅伝達材が磁
歪材料の変形による変位を拡大しつつ可動部材に伝達し
て可動部材を往復動させる。
【0015】つまり、振動が振動発生部側から入力され
ると、弾性体が変形するのに伴って、受圧液室が拡縮す
るが、この際、磁界発生部材により磁界が変化し、入力
された振動と同位相に可動部材が磁歪材料及び増幅伝達
材により往復動されることで、受圧液室内の液圧の上昇
を抑えることができる。
【0016】この結果、受圧液室内の液圧の上昇が抑え
られるので、振動をより一層確実に吸収して振動受部に
伝達される振動を小さくすることができる。
【0017】他方、本請求項では、磁界発生部材と可動
部材とが一体になっていない為、磁界発生部材が変位す
ることがなく、これに伴って磁界発生部材に繋がるリー
ド線が断線する虞がなくなる。
【0018】また、磁界発生部材自体は変位しないのに
伴って、磁界発生部材による磁界を効率良く形成する為
に、防振装置の組立の際の磁歪材料と磁界発生部材との
同芯度を厳しくしたり、ギャップの精度を高める必要が
なくなり、組立の際の精度の管理が容易となる。
【0019】さらに、増幅伝達材により変位が拡大され
るので、変位拡大の為に磁界発生部材、磁歪材料等によ
り構成されるアクチュエータが大型化することもない。
【0020】請求項2に係る防振装置の作用を以下に説
明する。防振装置の第1の取付部材または第2の取付部
材の一方が振動発生部へ連結され、他方が振動受部へ連
結される。この防振装置に振動発生部から振動が入力さ
れると、弾性体が変形して受圧液室が拡縮する。この結
果、弾性体の内部摩擦に基づく抵抗によって振動が吸収
される他、受圧液室内の液体が制限通路を介して副液室
との間を行き来して減衰力が発生し、振動受部側に振動
が伝達され難くなる。
【0021】また、磁界発生部材による磁界の発生に伴
う磁界の変化により磁歪材料が変形し、増幅伝達材が磁
歪材料の変形による変位を拡大しつつ可動部材に伝達し
て可動部材を往復動させる。この際、振動発生部側から
入力された振動に合わせて可動部材を往復動させるよう
に、制御手段がこの磁界発生部材に磁界を生じさせて、
振動をさらに低減する。
【0022】具体的には、制限通路により振動が低減さ
れ得る周波数域である例えば低周波数の振動が振動発生
部側から入力された場合、磁界発生部材が制御手段によ
って制御されて磁界が変化し、入力された振動と逆位相
に可動部材を磁歪材料及び増幅伝達材により往復動させ
る。この結果、受圧液室の隔壁の一部を構成する可動部
材が振動と同位相で往復動するものと異なって、制限通
路に液体が強制的に流れるようになる。
【0023】以上より、受圧液室のポンプ力を増大する
ことができ、低周波数の振動帯域における高減衰力化及
び低動ばね定数化が図れ、防振装置の防振性能を向上す
ることができる。
【0024】一方、制限通路が目詰まり状態となる例え
ば高周波数の振動が振動発生部側から入力された場合、
磁界発生部材が制御手段によって制御されて磁界が変化
し、入力された振動と同位相に可動部材が磁歪材料及び
増幅伝達材により往復動されて、受圧液室内の液圧の上
昇を抑える。
【0025】この結果、振動の周波数が上がって制限通
路が目詰まり状態となっても、可動部材が往復動して受
圧液室内の液圧の上昇を抑えるので、動ばね定数が上昇
することはなく、高周波数の振動を確実に吸収して振動
受部に伝達される振動を小さくすることができる。
【0026】他方、本請求項も請求項1と同様に、磁界
発生部材が変位することがなく、これに伴って磁界発生
部材に繋がるリード線が断線する虞がなくなり、また、
組立の際の精度の管理が容易となる。さらに、増幅伝達
材により変位が拡大されるので、変位拡大の為にアクチ
ュエータが大型化することもない。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る防振装置の一
実施の形態を図1から図3に示し、これらの図に基づき
本実施の形態を説明する。
【0028】図1に示すように、この防振装置本体10
には、第1の取付部材としてのカップ状をした下部取付
台12が備えられている。この下部取付台12の底面を
円板状の底板12Bが形成し、取付ボルト14がこの底
板12Bに立設されている。底板12Bの周囲には円筒
状の立壁部12Aが立設され、この立壁部12Aの上端
部に半径方向外方に延びるフランジ部12Cが形成され
ている。
【0029】本実施の形態では、この下部取付台12が
自動車の車体16へ載置され、前記取付ボルト14へナ
ット18が螺合されることによって下部取付台12が車
体16に固定されつつ連結されている。
【0030】一方、下部取付台12のフランジ部12C
の上部にはリング状の支持金具20が位置し、これらの
間に、一対のOリング22を介して、リング状であって
内周側寄りが屈曲されて形成された鋼製の連結リング2
4が挟着されている。
【0031】この連結リング24の内側には、円板状に
金属で形成された可動部材である可動板54が配置され
ており、円環状に形成されて可動板54と連結リング2
4との間を加硫接着して繋ぐゴム製の弾性支持部材56
が、可動板54を弾性変位可能に支持している。
【0032】この可動板54の外周側であって可動板5
4と同軸的な位置には、円筒状に形成された外筒金具2
6が配設されている。この外筒金具26は、上側へ行く
にしたがって内外径が拡大された形状となっており、外
筒金具26の内周側にゴム製で環状に形成された本体ゴ
ムである弾性体28が加硫接着されている。そして、弾
性体28の一部は外筒金具26の内周下端近傍まで薄肉
状に延設されている。
【0033】外筒金具26の下端部には、半径方向外方
に延びるフランジ部26Aが設けられており、このフラ
ンジ部26Aの外周側が内側に絞られて、前記下部取付
台12のフランジ部12Cとの間で支持金具20及び連
結リング24の外周側をそれぞれ挟持しつつこれら外筒
金具26と下部取付台12とが相互に固着されている。
【0034】一方、弾性体28の中央にはカップ状に形
成された固着部30が配設されている。固着部30の上
端には外周側に拡がるフランジ部30Bが形成されてお
り、円筒部30Aの外周面からフランジ部30Bの一部
にかけて前記弾性体28の内周側が加硫接着されてい
る。
【0035】さらに、固着部30の上側には、略ハット
状に形成される第2の取付部材としての空気室形成部3
2が配設されており、空気室形成部32の下端に設けら
れたフランジ部32Aが固着部30のフランジ部30B
によりかしめられて空気室形成部32が固着部30に固
定されている。これら固着部30と空気室形成部32と
の間には、ゴム製の弾性膜であるダイヤフラム34が配
設されており、このダイヤフラム34の周縁部は前記固
着部30のフランジ部30Bと空気室形成部32のフラ
ンジ部32Aとの間に挟持されている。
【0036】また、空気室形成部32とダイヤフラム3
4との間の空間は空気室36とされており、内部は必要
に応じて外気と連通される。また、空気室形成部32の
上側軸芯部にはエンジンの取り付け用とされる取付ボル
ト38が立設されている。
【0037】この空気室形成部32には図示しないエン
ジンに取り付けられたエンジンブラケット40が載置さ
れており、このエンジンブラケット40を貫通した取付
ボルト38にナット42が螺合されることによって、空
気室形成部32がエンジンに固定されつつ連結されてい
る。
【0038】他方、固着部30とダイヤフラム34との
間の空間は副液室44とされており、固着部30と可動
板54との間の空間は、弾性体28及び可動板54をそ
れぞれ隔壁の一部とした受圧液室45とされている。
【0039】また、固着部30の内部には、下側が封止
された円筒状の通路形成部材46が嵌合されて固定され
ている。この通路形成部材46の外周側には、固着部3
0の内壁面との間でシェイク振動低減用の制限通路47
を構成する溝部46Aが形成され、この制限通路47の
一端側が受圧液室45に繋がり、他端側が副液室44に
繋がっている。この為、制限通路47が受圧液室45と
副液室44とを連通している。
【0040】なお、これら受圧液室45、副液室44の
内部にはエチレングリコール等の液体が充填されてい
る。
【0041】一方、下部取付台12内には、円筒状に形
成されたハウジング62がボルト66によりねじ止めら
れており、このハウジング62の開放された上部にヘッ
ドキャップ64が被せられるように設置されている。こ
のハウジング62内には、磁界を生じさせる磁界発生部
材であるコイル68が図示しないボビンに巻き付けられ
た状態で収納されており、これらコイル68及びボビン
等により電磁石が構成されている。
【0042】このコイル68の内周側には、円筒形で磁
界の変化により変位を発生する磁歪材料72が設置され
ており、この磁歪材料72の上下にヨーク74A、74
Bがそれぞれ取り付けられている。
【0043】この磁歪材料72の上部にはヨーク74A
を介して円盤状に形成されたピストン板76が載せられ
ている。このピストン板76は、ヘッドキャップ64に
固定されている上ヘッド材78に液体が封入された変位
伝達液室80を介して対向して配置されており、ピスト
ン板76と上ヘッド材78との間に設置されたOリング
82がこの変位伝達液室80の周囲を封止している。
【0044】図2に示すように、この上ヘッド材78の
中央部には上方に突出してヘッドキャップ64を貫通す
る凸部78Aが形成されており、またこの上ヘッド材7
8の中央部には、凸部78Aを含めて上ヘッド材78を
上下に貫通する穴部78Bが形成されている。さらに、
上ヘッド材78の凸部78Aには、上ヘッド材78の穴
部78Bより小径の孔部48Aを有したキャップ48が
上ヘッド材78にねじ込まれて設置されている。
【0045】また、この上ヘッド材78の穴部78B内
に、上側が小径とされた伝達シャフト52が配置されて
いて、この伝達シャフト52の上側部分である小径部5
2Aが穴部78B及び孔部48Aを貫通し、上ヘッド材
78より突出して可動板54に当接している。
【0046】この伝達シャフト52の下側は大径とされ
て上ヘッド材78の穴部78Bと嵌合されており、この
伝達シャフト52の下側部分である大径部52Bに取付
けられた一対のOリング50がこれらの間の封止を図っ
ていて、変位伝達液室80内からの液体の漏れ出しを防
止している。尚、この大径部52Bの面積はピストン板
76の面積より遙に小さくされている。
【0047】さらに、伝達シャフト52の小径部52A
と上ヘッド材78の穴部78Bとの間の隙間にはコイル
スプリング84が配置されていて、このコイルスプリン
グ84が伝達シャフト52を下方に常時付勢している。
そして、キャップ48の上ヘッド材78へのねじ込み量
を調整することで、このコイルスプリング84の伝達シ
ャフト52への付勢力を調整するようになっている。
【0048】以上より、アクチュエータとしてのコイル
68、磁歪材料72等が下部取付台12に取り付けら
れ、磁界の変化により磁歪材料72が応力を発生しつつ
変形するようになっている。さらに、コイル68の駆動
を制御する制御装置58にこのコイル68が接続される
ことになる。
【0049】つまり、図2に示す状態で、制御装置58
から電圧が印加されると、コイル68が磁界を生じさせ
て磁界を変化させるのに伴って、磁歪材料72が伸びる
ように変形し、この結果として、Oリング82を変形さ
せると共にコイルスプリング84の付勢力に抗しつつ、
ピストン板76が上昇する。
【0050】これに伴って、図3に示すように、変位伝
達液室80内の液体に押されて伝達シャフト52が上昇
して、変位可能に支持されて受圧液室45の下部側の隔
壁を構成する可動板54を押し上げるようになり、ま
た、コイル68の磁界が消滅すると、この逆に可動板5
4が下降する。そしてこの際、伝達シャフト52の大径
部52Bの面積に対してピストン板76の面積が遙に大
きいので、磁歪材料72の変位が拡大されつつ可動板5
4に変位が伝達される。
【0051】すなわち、ピストン板76、変位伝達液室
80及び伝達シャフト52等で構成される増幅伝達材9
0が、可動板54を上下方向に往復動し得るようになっ
ている。
【0052】この一方、エンジンブラケット40にはエ
ンジンが発生する振動の周波数を検出する振動検出セン
サとしての振動センサ60が取り付けられており、この
振動センサ60は、コイル68の駆動を制御する制御装
置58に、検出した振動の信号を送り込むように、接続
されている。つまり、これら制御装置58及び振動セン
サ60が制御手段を構成することになる。
【0053】次に本実施の形態の作用を説明する。エン
ジンの振動が防振装置本体10に入力されると、振動は
空気室形成部32及び固着部30を介して弾性体28へ
伝わり、これによって弾性体28が弾性変形して受圧液
室45が拡縮する。この結果、弾性体28の内部摩擦に
基づく抵抗によって振動が吸収される他、受圧液室45
内の液体が制限通路47を介して副液室44との間を行
き来し、液体が制限通路47内で共振することによって
大きな減衰力が発生する。これにより、エンジン振動が
吸収されて、車体16側に振動が伝達され難くなる。
【0054】また、コイル68による磁界の発生に伴う
磁界の変化により磁歪材料72が変形し、増幅伝達材9
0が磁歪材料72の変形による変位を拡大しつつ可動板
54に伝達して可動板54を往復動させる。この際、エ
ンジン側から入力された振動に合わせて可動板54を往
復動させるように、制御装置58がこのコイル68に磁
界を生じさせて、振動をさらに低減する。
【0055】具体的には、この制限通路47により振動
が低減され得る周波数域である例えばシェイク振動(1
0Hz程度)等の低周波数の振動が、エンジン側から入力
された場合、振動センサ60がこれを検出して制御装置
58によってコイル68への電圧の印加が制御されて磁
界が変化し、磁歪材料72及び増幅伝達材90によっ
て、図2に示す状態と図3に示す状態との間で入力され
た振動と逆位相に可動板54が往復動される。
【0056】この結果、受圧液室45の隔壁の一部を構
成する可動板54が振動と同位相で往復動するものと異
なって、制限通路47内に液体が強制的に流れるように
なる。
【0057】以上より、受圧液室45のポンプ力を増大
することができ、低周波数の振動帯域における高減衰力
化及び低動ばね定数化が図れ、防振装置の防振性能を向
上することができる。
【0058】一方、制限通路47が目詰まり状態となる
例えば80Hz以上の高周波数の振動(例えば、こもり音
等)が入力された場合、振動センサ60がこれを検出し
て制御装置58によってコイル68への電圧の印加が制
御されて磁界が変化し、磁歪材料72及び増幅伝達材9
0によって、図2に示す状態と図3に示す状態との間で
入力された振動と同位相に可動板54が往復動されて、
受圧液室45内の液圧の上昇を抑えることができる。
【0059】この結果、振動の周波数が上がって制限通
路47の中を液体が流れなくなるような例えば80Hz以
上の高い周波数の振動が入力されて、制限通路47が目
詰まり状態となっても、防振装置本体10がアクティブ
制御される結果、可動板54が往復動して受圧液室45
内の液圧の上昇を抑えることになる。この為、高周波数
の振動を確実に吸収して低減し、車体16側に伝達され
る振動を小さくすることができる。
【0060】つまり、本実施の形態の防振装置本体10
は、広範囲な周波数にわたる振動を確実に吸収すること
ができる。
【0061】他方、本実施の形態では、コイル68と可
動板54とが一体になっていない為、コイル68が変位
することがなく、これに伴ってコイル68に繋がるリー
ド線が断線する虞がなくなる。
【0062】また、コイル68自体は変位しないのに伴
って、コイル68による磁界を効率良く形成する為に、
防振装置の組立の際の磁歪材料72とコイル68との同
芯度を厳しくしたり、ギャップの精度を高める必要がな
くなり、組立の際の精度の管理が容易となる。
【0063】さらに、増幅伝達材90により変位が拡大
されるので、変位拡大の為にコイル68、磁歪材料72
等により構成されるアクチュエータが大型化することも
なく、エンジンルーム内での使用が可能となる。
【0064】そして、本実施の形態では、エンジンが発
生する振動を検出する振動センサ60を制御手段が有し
ているので、エンジンが発生する振動を振動センサ60
が確実に検出して、より一層確実に防振装置の防振性能
を向上することができるようになる。
【0065】尚、上記実施の形態では、磁界の変化によ
り伸びるように変形する磁歪材料を用いて説明したが、
磁界の変化により縮むように変形する磁歪材料を採用し
ても良い。また、上記実施の形態の磁歪材料は、素子自
体の単価が安いので、コイル等を含めてもアクチュエー
タが低コストで作製可能となる。
【0066】また、上記実施の形態では、アクチュエー
タを有する下部取付台12を車体側に取り付けるような
構造としたが、この逆に下部取付台12をエンジン側に
取り付けるような構造としてもよい。つまり、アクチュ
エータは第1の取付部材あるいは第2の取付部材のいず
れの側に位置してもよい。
【0067】さらに、上記実施の形態において、自動車
のエンジンの防振を目的としたが、本発明の防振装置は
例えば自動車のボディの防振を目的とすることとしても
よく、また、自動車以外の他の用途にも用いられること
はいうまでもない。一方、弾性体等の形状、寸法なども
実施の形態のものに限定されるものではない。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、磁
歪材料の変位量を拡大しつつ可動部材を往復動すること
で防振特性を向上できるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る防振装置の断面図
である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る防振装置の要部拡
大断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る防振装置の要部拡
大断面図であって、可動板が上昇した状態を示す図であ
る。
【図4】従来技術に係る防振装置の断面図である。
【図5】従来技術に係る防振装置の要部拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
10 防振装置本体 12 下部取付台(第1の取付部材) 28 弾性体 32 空気室形成部(第2の取付部材) 44 副液室 45 受圧液室 47 制限通路 54 可動板(可動部材) 58 制御装置(制御手段) 60 振動センサ(制御手段) 68 コイル(磁界発生部材) 72 磁歪材料 90 増幅伝達材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受部の一方に連結さ
    れる第1の取付部材と、 振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付
    部材と、 第1の取付部材と第2の取付部材との間に設けられる弾
    性体と、 液体が充填され且つ弾性体を隔壁の一部として振動発生
    時に拡縮する受圧液室と、 変位可能に支持されて受圧液室の隔壁の他の一部を構成
    する可動部材と、 磁界を生じさせる磁界発生部材と、 磁界の変化により変形する磁歪材料と、 磁歪材料の変形を拡大しつつ可動部材に伝達して可動部
    材を往復動させる増幅伝達材と、 を備えたことを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 振動発生部及び振動受部の一方に連結さ
    れる第1の取付部材と、 振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付
    部材と、 第1の取付部材と第2の取付部材との間に設けられる弾
    性体と、 液体が充填され且つ弾性体を隔壁の一部として振動発生
    時に拡縮する受圧液室と、 受圧液室に制限通路を介して連結される副液室と、 変位可能に支持されて受圧液室の隔壁の他の一部を構成
    する可動部材と、 磁界を生じさせる磁界発生部材と、 磁界の変化により変形する磁歪材料と、 磁歪材料の変形を拡大しつつ可動部材に伝達して可動部
    材を往復動させる増幅伝達材と、 振動発生部側から入力された振動に合わせて可動部材を
    往復動させるように磁界発生部材に磁界を生じさせる制
    御手段と、 を備えたことを特徴とする防振装置。
JP22221897A 1997-08-19 1997-08-19 防振装置 Withdrawn JPH1163088A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015505014A (ja) * 2012-08-15 2015-02-16 ベイジンウェスト・インダストリーズ・カンパニー・リミテッドBeijingwest Industries Co., Ltd. マウント装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015505014A (ja) * 2012-08-15 2015-02-16 ベイジンウェスト・インダストリーズ・カンパニー・リミテッドBeijingwest Industries Co., Ltd. マウント装置
US9440524B2 (en) 2012-08-15 2016-09-13 Beijingwest Industries, Co., Ltd. Mount apparatus

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