JPH1161595A - 清涼薄地複合織物及びその製造方法 - Google Patents

清涼薄地複合織物及びその製造方法

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JPH1161595A
JPH1161595A JP9229428A JP22942897A JPH1161595A JP H1161595 A JPH1161595 A JP H1161595A JP 9229428 A JP9229428 A JP 9229428A JP 22942897 A JP22942897 A JP 22942897A JP H1161595 A JPH1161595 A JP H1161595A
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yarn
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右広 西田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 清涼感、吸水性に優れ且つイージーケア性に
も優れる、婦人向け夏用薄地織物素材に好適な清涼薄地
複合織物及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 セルロース系繊維マルチフィラメント糸
Aと合成繊維マルチフィラメント糸Bの混繊糸に下記式
を満足する追撚を施した撚糸条もしくは上記マルチフィ
ラメント糸Aとマルチフィラメント糸Bの下記撚数を満
足する合撚糸条を織物の経糸又は/及び緯糸に使用して
なるカバ−ファクタ−CFが1500〜3500であ
り、且つ織物組織の経糸及び緯糸の浮き数の比(T/
W)が3/1〜1/1である清涼薄地複合織物、 撚数Tw(回/m);15000/D1/2 ≦Tw≦27
000/D1/2 (但し、Dは撚糸条の総繊度(Den.)を示すものであ
る。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は清涼性に優れた薄地
複合織物及びその製造方法に関するものであり、更に詳
しくには夏用ドレス、ブラウス等の薄地素材に適した清
涼薄地複合織物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より夏用ドレス、ブラウス等の薄地
織物素材には清涼性に優れた布帛が好まれて使用され、
材料的にも様々なものが検討されている。特に綿や麻等
の天然繊維を使用してなる布帛は清涼感、吸水性に優
れ、広く一般に利用されている。しかしながらそれらの
織物は皺になり易く、縫製品とした際の取扱が困難であ
るばかりか、上代価格も比較的高価なものである。
【0003】これらのことを考慮し、イージーケア性に
富み、比較的価格が安価であり且つ力学的強度にも優れ
たポリエステルなど合成繊維マルチフィラメント糸の強
撚糸を使用してなる薄地織物が多数提案、上市されてき
ており現在では市場のボリュームゾーンを形成するに至
っている。しかしながらポリエステルなどの合成繊維は
特有のヌメリ感を持っており、しかも吸水性に乏しいた
めに着用時には発汗によるベタツキ感を示すなど着心地
面では天然繊維に劣っていることは否めない。
【0004】上記のような観点から強度的、イージーケ
ア性には劣るが清涼感、吸水性に優れているセルロース
系繊維、例えばレーヨン、ポリノジック、ジアセテー
ト、トリアセテートと吸水性には乏しいが強度的、イー
ジーケア性に優れたポリエステルなど合成繊維を組合
せ、両者の特徴を上手く活かした異素材複合織物による
薄地織物素材の開発が望まれている。しかしながら合成
繊維、取り分けポリエステルは風合いをアルカリ減量処
理によって調整することが現在では一般的であるが該繊
維とセルロース系繊維とを組み合わせた織物でアルカリ
減量加工を施すとセルロース系繊維が極端に脆化してし
まい、実用強度を有しないものとなってしまうばかりか
切れ毛羽を誘発し、外観品位的に好ましいものとはなら
ない。
【0005】一方、アルカリ減量なしでは織物の風合い
が硬く、緻密なものとなってしまい、ソフトで着心地が
良く、しかも適度に透け感を有する夏用薄地織物とする
には織物を得るための糸、生機、染色加工を含めた織物
設計を最適化せねばならないという非常に難解な課題が
あり、上記の特徴を満足する薄地織物素材の開発が急務
とされているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は清涼
感、吸水性に優れ且つイージーケア性にも優れる、セル
ロース系繊維と他の合成繊維を組み合わせてなる婦人向
け夏用薄地織物素材に好適な清涼薄地複合織物及びその
製造方法を提供することを課題とするものであり、更に
詳しくには織物の染色加工を施す際に風合い調整のため
のアルカリ減量処理を必要とせず、比較的安価に且つア
ルカリ減量廃液処理の必要がない清涼薄地複合織物及び
その製造方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に発明者らが長期にわたり鋭意検討を重ねた結果、セル
ロース系繊維マルチフィラメント糸と合成繊維マルチフ
ィラメント糸を用い、それらを合撚又は混繊後、特定の
撚数で追撚を施した撚糸条を織物の経糸又は/及び緯糸
に使用して特定の織密度で生機を作成し、染色加工に際
しアルカリ減量処理を施すことなくソフトな着心地感の
ある清涼薄地複合織物を得ることを見出すに至った。
【0008】即ち、本発明の物に係る発明はセルロース
系繊維マルチフィラメント糸Aと合成繊維マルチフィラ
メント糸Bの混繊糸に下記式を満足する追撚を施した撚
糸条を織物の経糸又は/及び緯糸に使用してなるカバ−
ファクタ−CFが1500〜3500であり、且つ織物
組織の経糸及び緯糸の浮き数の比(T/W)が3/1〜
1/1であることを特徴とする清涼薄地複合織物。 撚数Tw(回/m);15000/D1/2 ≦Tw≦27
000/D1/2 (但し、Dは撚糸条の総繊度(Den.)を示すものであ
る。) セルロース系繊維マルチフィラメント糸Aと合成繊維マ
ルチフィラメント糸Bの下記撚数を満足する合撚糸条を
織物の経糸及び/又は緯糸に使用してなるカバーファク
ターCFが1500〜3500であり,且つ織物組織の
経糸及び緯糸の浮き数の比(T/W)が3/1〜1/1
であることを特徴とする清涼薄地複合織物。 撚数Tw(回/m);15000/D1/2 ≦Tw≦27
000/D1/2 (但し、Dは撚糸条の総繊度(Den.)を示すものであ
る。) 更に具体的には、セルロース系繊維マルチフィラメント
糸A及び合成繊維マルチフィラメント糸Bの混率(A/
B)が重量比で80/20〜30/70の範囲であるこ
とを特徴とする上記記載の清涼薄地複合織物、セルロー
ス系繊維マルチフィラメント糸Aがセルロースジアセテ
ート又はセルローストリアセテートであることを特徴と
する上記記載の清涼薄地複合織物、合成繊維マルチフィ
ラメント糸Bがポリエステル系マルチフィラメント糸で
あることを特徴とする上記記載の清涼薄地複合織物であ
る。また本発明の製造方法に係る発明は、セルロース系
繊維マルチフィラメント糸Aと他の合成繊維マルチフィ
ラメント糸Bを合撚、又は混繊後追撚を施した撚糸条を
織物の経糸及び/又は緯糸に用い製織した後、得られた
生機を染色加工に供するに際し、風合い調整のためのア
ルカリ減量処理を施すことなく、下記式を満足する条件
で染色加工布を仕上げることを特徴とする清涼薄地複合
織物の製造方法である。 生機と染色加工布のカバーファクターの差ΔCF;28
0〜500(但し、ΔCF=染色加工布CF−生機C
F)
【0009】本発明を以下に詳細に説明する。まず、本
発明の物に係る発明はセルロース系繊維マルチフィラメ
ント糸Aと合成繊維マルチフィラメント糸Bの合撚又は
混繊糸に下記式を満足する追撚を施した撚糸条を織物の
経糸又は/及び緯糸に使用してなるカバーファクターC
Fが1500〜3500の織物である。 織物のカバーファクターCF;1500≦CF≦350
0 撚数Tw(回/m);15000/D1/2 ≦Tw≦27
000/D1/2 (但し、Dは撚糸条の総繊度(Den.)を示すものであ
る。) ここで一般的にカバーファクターCFは下記式にて与え
られるものであり、単位は経、緯糸密度が(本/吋)で
あり経、緯糸繊度がデニールである。 CF=経糸密度×(経糸繊度)1/2 +緯糸密度×(緯糸
繊度)1/2 また撚数Tw(回/m)についても一般的に下記式によ
って示される。糸条繊度の単位はデニールである。 Tw=撚係数K×(糸条繊度)1/2
【0010】上記カバーファクターCFが1500未満
の範囲では織物は透け感、ソフト感に富むものとなるが
縫目滑脱やメヨレが生じる恐れがあり、縫製品の消費性
能的には実用に供し得ないものとなってしまう。また3
500を超過する範囲となれば婦人向け夏用薄地織物と
してはやや厚く、重いものとなってしまい夏用ドレスや
ブラウスには不向きなものとなってしまう。カバーファ
クターCFは1500以上3500以下であることを要
し、好ましくは1500以上3000以下、より好まし
くは1700以上2700以下である。
【0011】撚数Twについては適度な清涼感、透け感
を織物に付与するために15000/D1/2 以上270
00/D1/2 以下、より好ましくは20000/D1/2
以上25000/D1/2 以下の範囲とすることが望まし
い。該撚数Twが15000/D1/2 未満の撚数範囲と
なれば甘〜中撚の領域であり適度な清涼感、ドライ感、
シャリ感を織物に与えられなくなってしまう。また27
000/D1/2 を超過する範囲となれば織物の風合いは
衣料用途には不向きな硬いものとなってしまう他、撚糸
の際には強度に乏しいセルロース系繊維マルチフィラメ
ント糸が単糸切断に至り、出来上がった織物の外観、品
位を損ねる等の問題が生じてしまう。
【0012】また上記織物の織組織の経糸及び緯糸の浮
き数の比(T/W)は3/1〜1/1であることを要す
る。織組織の経糸及び緯糸の浮き数の比(T/W)が3
/1を超過する組織、例えば五枚朱子等のサテン組織と
なれば織物は透け感に乏しく、薄地織物としてはやや重
いものとなってしまう。また、1/1未満の場合は緯糸
の浮き数が経糸の浮き数に対して大きくなり過ぎてしま
い、抗スナッギング性が極端に悪化するばかりか組織点
が少ないために織物の緯糸打込本数が経糸密度に比較し
て多くなり過ぎてしまい生産性が悪いばかりか、透け感
に乏しく重いものとなってしまい夏用ドレス、ブラウス
などの薄地織物素材用途として好ましいものとはならな
い。織組織の経糸及び緯糸の浮き数の比(T/W)が3
/1〜1/1の範囲にある平織、綾織、その他変化組織
とすることによって適度な透け感、ソフト感、軽量感を
織物に付与することが可能となる。
【0013】織物目付け(単位面積当たり重量)につい
ては特に限定を加えるものではないが夏用薄地織物用途
を考慮する場合、大略100 g/m2 〜200 g/m2 の範
囲とすることが望ましい。該目付けが100 g/m2 未満
の織物では織物は透け過ぎてしまい、ファンデーション
等に気を遣わねばならないものとなってしまう他、引裂
強度に乏しいものとなるために消費性能的に望ましいも
のとはならない。また200 g/m2 を超過する範囲とな
れば織物は透け感に乏しく、重く、ソフト感が不足する
ものとなってしまい夏用衣料織物素材として好ましいも
のとはなり難い。
【0014】更に上記織物を構成する複合糸条のセルロ
ース系繊維マルチフィラメント糸A及び合成繊維マルチ
フィラメント糸Bの混率(A/B)は重量比として80/
20〜30/70の範囲であることが望ましい。該混率(A/
B)が80/20超過の範囲となると複合糸条に対してセル
ロース系繊維マルチフィラメント糸Aがその大半を占め
てしまうこととなり清涼感、ソフト感は向上するものの
薄地織物とした場合の強度が極端に弱く、消費性能的に
満足なものにはならない。また30/70未満の範囲となる
とセルロース系繊維マルチフィラメント糸Aの特徴であ
る清涼感、吸水性、適度なドライ感が与えられず、合成
繊維マルチフィラメント糸Bが持つヌメリ感を感じるも
のとなってしまう。該混率(A/B)は80/20〜30/7
0、より好ましくは75/25〜40/60、更に好ましくは60
/40〜40/60とすることによってヌメリ感を感じさせ
ず、適度な清涼感、吸水性、ドライ感及び力学的強度を
織物に付与することが可能となるのである。
【0015】本発明に用いるセルロース系繊維マルチフ
ィラメント糸Aとしてはビスコースレーヨン、銅アンモ
ニアレーヨン、溶剤紡糸で得られるリオセル、ポリノジ
ック、セルロースジアセテート、セルローストリアセテ
ート等を挙げることが出来るが特にセルロースジアセテ
ートやセルローストリアセテートが織物の風合いや強度
面で使用に適している。該セルロース系繊維マルチフィ
ラメント糸の単糸繊度については特に限定を加えるもの
ではないが1デニール〜5デニール程度、より好ましく
は2デニール〜4デニール程度のものが好適に使用され
る。また必要に応じて紡糸液中に艶消剤(ダル剤)やそ
の他添加剤を混入させて紡糸することも可能である。
【0016】合成繊維マルチフィラメント糸Bとしては
ナイロンやポリエステル、アクリル等々を挙げることが
出来るが、取扱性や風合い面でポリエステル系マルチフ
ィラメント糸であることが最も好ましい。該合成繊維マ
ルチフィラメント糸の単糸繊度も特に限定を加えるもの
ではないが大略1デニール〜5デニールの範囲で風合い
や触感等に応じて適宜選定すればよい。
【0017】また単糸断面形状も丸断面の他、三角断
面、その他異型断面など公知の断面を使用することが出
来る。また中実断面のみならず中空断面を使用してもよ
い。該合成繊維マルチフィラメント糸の沸水収縮率SH
Wも特に限定を加えるものではないが3〜15%、より
好ましくは5〜10%の中収縮糸を使用すると上記セル
ロース系繊維マルチフィラメント糸が複合糸条の表層部
を効果的に覆うことが出来、好適であるといえる。
【0018】セルロース系繊維マルチフィラメント糸A
及び合成繊維マルチフィラメント糸Bの複合方法として
は合撚又は混繊後、追撚を施した後、製織に供すること
が望ましい。混繊の際には破断伸度及び破断強度が低い
セルロース系繊維マルチフィラメント糸が単糸切断に至
らぬようノズルエアー圧、糸条供給率、糸条張力等々を
適性化させて実施することが望まれる。追撚はダブルツ
イスターやイタリー撚糸機、リングツイスターなど公知
の撚糸機を使用して実施する。その際にも過度の張力が
掛からぬよう撚糸条件を適性化させることが望ましい。
【0019】上記範囲の合撚又は追撚を施した後、該撚
糸条は織物の経糸又は/及び緯糸に使用され製織される
が、使用する織機はレピアルーム、プロジェクタイルル
ーム、エアージェットルームの使用が好ましい。ウォー
タージェットルームは生産性がよいものであるがセルロ
ース系繊維マルチフィラメント糸が湿潤することによっ
て強度が低下し、製織操業性を悪化させてしまい好まし
くない。またフライシャトルルームでは生産性が悪く、
現在では実用的であるとはいえない。
【0020】本発明の織物は上記の如く、得られた複合
糸条の撚糸条を織物の経糸又は/及び緯糸として使用す
るものであるが、染色加工を施すのに際し、風合い調整
のためのアルカリ減量処理を施すことなく、下記を満足
する条件で染色加工布を仕上げることをその特徴とす
る。 生機と染色加工布のカバーファクターの差ΔCF;28
0〜500(但し、ここではΔCF=染色加工布CF−
生機CF)
【0021】ポリエステル織物は通常、水酸化ナトリウ
ムや水酸化カルシウム等の水溶液によってアルカリ減量
処理を施し風合いを調整するが、セルロース系繊維マル
チフィラメント糸にそれら強アルカリ水溶液を用いると
極度に脆化してしまい、切れ毛羽等を誘発し、織物の外
観品位の低下や力学的強度の低下を招いてしまう。また
セルロース系繊維マルチフィラメント糸がセルロースジ
アセテート、セルローストリアセテートの場合はアルカ
リ減量処理によってケン化されレーヨン化してしまい、
強度が低下するばかりか、高価なセルロースアセテート
が比較的安価なレーヨンに変化してしまい、織物を得る
プロセス的にも問題がある。
【0022】生機と染色加工布のカバーファクターの差
ΔCFは280〜500の範囲、より好ましくは280
〜400の範囲である。ΔCFが280未満の範囲とな
れば染色加工布のCFは生機のCFとさほど変化がな
く、縫目滑脱やメヨレを誘発してしまい消費性能的に問
題がある。また、ΔCFが500を超過する範囲となれ
ば染色加工布は緻密感に富むものとなってしまい、適度
な透け感、軽量感、ソフト感が得られず、野暮ったいも
のとなり夏用衣料織物素材として好ましいものとはなら
ない。
【0023】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を更に詳しく説
明する。尚、本文中及び実施例中の物性値は以下に示す
測定方法によるものである。 (沸水収縮率SHW)試料を枠周1.125mの検尺器
を使用し、0.1g/dの初荷重を掛け、120回/分
の速度で巻き返し、巻き回数20回の小綛を作成し、初
荷重の40倍の荷重を掛け、綛長L0 (mm)を測定す
る。次いで荷重を外し、収縮が妨げられないような方法
で96℃±2℃の沸水中に30分間浸漬した後、取り出
して綛を綿布或いは吸取紙を使用し水分を除去した後、
水平状態にて風乾する。風乾後に再度、初荷重の40倍
の荷重を掛け、綛長L1 (mm)を測定し、下記式にてS
HWを算出する。尚、試験回数5回の平均値を以てその
測定値とする。 SHW(%)=(L0 −L1 )/L0 ×100
【0024】(実施例1)セルローストリアセテートセ
ミダル丸断面マルチフィラメント60デニール30フィ
ラメント(単糸繊度2dpf.)と東洋紡エステル30デニ
ール18フィラメント(単糸繊度1.6dpf.、沸水収縮
率SHW=5.5%、セミダル丸断面糸)を同供給率に
て空気交絡処理を施し90デニール48フィラメントの
複合糸とした。該複合糸を村田機械社製ダブルツイスタ
ーDT310−Cタイプを使用しS撚、及びZ撚方向に
それぞれ2000回/mの追撚を施し、バキュームヒー
トセッターを用い75℃の雰囲気温度にて40分間の撚
止めセットを行った。
【0025】該複合糸の追撚糸を織物の経糸及び緯糸と
してS撚及びZ撚の配列が2本交互即ち、SSZZSS
ZZ……となるようにして平織組織に製織した。織上密
度は経90本/吋、緯66本/吋であり生機のカバーフ
ァクターCFは1480である。該生機を用い、精練、
リラックス、分散染料による染色を施した後、ファイル
セットを実施し、仕上密度として経105本/吋、緯8
3本/吋の染色加工布を得た。該染色加工布のカバーフ
ァクターCFは1784であり、カバーファクターの差
ΔCFは304、目付は115g/m2 であった。織物
はソフト感、軽量感があり適度な清涼感、透け感を有す
る夏用ドレス、ブラウスなど婦人用薄地織物用途に好適
なものとなった。また、縫目滑脱、メヨレの問題も確認
されず、消費性能的にも充分満足し得るものに仕上がっ
た。
【0026】(実施例2)実施例1で用いた複合糸の追
撚糸を織物の経糸及び緯糸としてS撚及びZ撚の配列が
2本交互、即ちSSZZSSZZ……となるように2/
2綾組織に製織した。織上密度は経93本/吋、緯84
本/吋であり生機のカバーファクターCFは1680で
ある。該生機を使用し実施例1同様の方法を用いて染色
加工布を得た。染色加工布の仕上密度は経110本/
吋、緯102本/吋であり染色加工布のカバーファクタ
ーCFは2012、カバーファクターの差ΔCFは33
2、目付は125g/m2 であった。該染色加工布も実
施例1同様、適度なソフト感、軽量感、清涼感を有する
婦人用薄地織物用途に好適なものとなった。縫目滑脱や
メヨレについても問題の生じるレベルではなく一般消費
に耐え得るものであった。
【0027】(実施例3)実施例1で用いた複合糸の追
撚糸を織物の経糸及び緯糸としてS撚及びZ撚の配列が
2本交互、即ちSSZZSSZZ……となるように図1
で示されるカシミヤ組織に製織した。織上密度は経16
5本/吋、緯85本/吋であり生機のカバーファクター
CFは2371であった。該生機を使用し実施例1同様
の方法で染色加工布を得た。染色加工布の仕上密度は経
180本/吋、緯100本/吋であり染色加工布のカバ
ーファクターCFは2656、カバーファクターの差Δ
CFは285、目付は155g/m2 であり実施例1、
2と比較しやや透け感、軽量感には劣るものとなったが
適度なソフト感、清涼感を有する婦人用薄地織物用途に
好適な織物となった。また縫目滑脱、メヨレ等の発生も
なく一般消費性能も略問題のないものであった。
【0028】(比較例1)実施例1で用いた複合糸の追
撚糸を織物の経糸及び緯糸としてS撚及びZ撚の配列が
2本交互、即ちSSZZSSZZ……となるように図2
に示される五枚朱子組織に製織した。織上密度は経13
0本/吋、緯96本/吋であり生機のカバーファクター
CFは2144であった。該生機を使用し実施例1同様
の方法で染色加工布を得た。染色加工布の仕上密度は経
165本/吋、緯116本/吋であり染色加工布のカバ
ーファクターCFは2665、カバーファクターの差Δ
CFは521、目付は170g/m2 であった。該染色
加工布は透け感に乏しく、軽量感も感じないものであり
婦人用薄地織物用途としてはやや重く好ましいものとは
ならなかった。又、縫目滑脱及びメヨレについては問題
のあるレベルではなかった。
【0029】(比較例2)実施例1で用いた複合糸を用
い村田機械社製ダブルツイスターDT310−Cタイプ
を使用し、S撚方向に450回/mの追撚を挿入後、P
VAを主成分とする繊維用糊材を用いて施糊温度50
℃、乾燥温度80℃の条件で経糸糊つけを実施した。該
複合撚糸条を経糸として用い、緯糸として実施例1で用
いた複合糸の追撚糸(90デニール48フィラメント複
合糸の2000回/m追撚糸)を使用し、緯糸がS撚、
Z撚が2本交互の構成、即ちSSZZSSZZ……とな
るようにして図3に示される五枚朱子組織に製織した。
織上密度は経260本/吋、緯100本/吋であり生機
のカバーファクターCFは3415であった。該生機を
使用し実施例1に準じた方法で染色加工布を得た。染色
加工布の仕上密度は経300本/吋、緯120本/吋、
染色加工布のカバーファクターCFは3985でありカ
バーファクターの差ΔCFは570、目付は210g/
2 であり、透け感に乏しいばかりか軽量感は感じられ
ず、婦人用薄地織物用途としては重過ぎて適当なものと
はならなかった。縫目滑脱及びメヨレは問題ないが、抗
ピリング性能や抗スナッギング性能が良くないものであ
った。
【0030】
【発明の効果】上述したように本発明の複合織物は適度
な清涼感、吸水特性を有し、尚且つ縫製品にした際の取
扱性、消費性能にも優れており、ブラウス等の婦人用夏
物薄地衣料用途に好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で用いたカシミヤ組織。
【図2】 比較例1で用いた五枚朱子組織。
【図3】 比較例2で用いた五枚朱子組織。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース系繊維マルチフィラメント糸
    Aと合成繊維マルチフィラメント糸Bの混繊糸に下記式
    を満足する追撚を施した撚糸条を織物の経糸又は/及び
    緯糸に使用してなるカバ−ファクタ−CFが1500〜
    3500であり、且つ織物組織の経糸及び緯糸の浮き数
    の比(T/W)が3/1〜1/1であることを特徴とす
    る清涼薄地複合織物。 撚数Tw(回/m);15000/D1/2 ≦Tw≦27
    000/D1/2 (但し、Dは撚糸条の総繊度(Den.)を示すものであ
    る。)
  2. 【請求項2】 セルロース系繊維マルチフィラメント糸
    Aと合成繊維マルチフィラメント糸Bの下記撚数を満足
    する合撚糸条を織物の経糸及び/又は緯糸に使用してな
    るカバーファクターCFが1500〜3500であり、
    且つ織物組織の経糸及び緯糸の浮き数の比(T/W)が
    3/1〜1/1であることを特徴とする清涼薄地複合織
    物。 撚数Tw(回/m);15000/D1/2 ≦Tw≦27
    000/D1/2 (但し、Dは撚糸条の総繊度(Den.)を示すものであ
    る。)
  3. 【請求項3】 織物の目付が100〜200g/m2
    あることを特徴とする請求項1または2記載の清涼薄地
    複合織物。
  4. 【請求項4】 セルロース系繊維マルチフィラメント糸
    A及び合成繊維マルチフィラメント糸Bの混率(A/
    B)が重量比で80/20〜30/70の範囲であるこ
    とを特徴とする請求項1記載または2記載の清涼薄地複
    合織物。
  5. 【請求項5】 セルロース系繊維マルチフィラメント糸
    Aがセルロースジアセテート又はセルローストリアセテ
    ートであることを特徴とする請求項1または2記載の清
    涼薄地複合織物。
  6. 【請求項6】 合成繊維マルチフィラメント糸Bがポリ
    エステル系マルチフィラメント糸であることを特徴とす
    る請求項1または2記載の清涼薄地複合織物。
  7. 【請求項7】 セルロース系繊維マルチフィラメント糸
    Aと合成繊維マルチフィラメント糸Bを合撚、又は混繊
    後追撚を施した撚糸条を織物の経糸及び/又は緯糸に用
    い製織した後、得られた生機を染色加工に供するに際
    し、風合い調整のためのアルカリ減量処理を施すことな
    く、下記式を満足する条件で染色加工布を仕上げること
    を特徴とする清涼薄地複合織物の製造方法。 生機と染色加工布のカバーファクターの差ΔCF;28
    0〜500 (但し、ΔCF=染色加工布CF−生機CF)
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