JPH1161429A - 表面処理金属材料 - Google Patents

表面処理金属材料

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JPH1161429A
JPH1161429A JP23254797A JP23254797A JPH1161429A JP H1161429 A JPH1161429 A JP H1161429A JP 23254797 A JP23254797 A JP 23254797A JP 23254797 A JP23254797 A JP 23254797A JP H1161429 A JPH1161429 A JP H1161429A
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JP
Japan
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acid
compound
metal material
rare earth
compd
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Application number
JP23254797A
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English (en)
Inventor
Hiromasa Shiyouji
浩雅 荘司
Kenichiro Tadokoro
健一郎 田所
Masao Sakashita
雅雄 坂下
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Publication of JPH1161429A publication Critical patent/JPH1161429A/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C28/00Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、耐食性に優れ、かつ6価クロムを
全く使用せず環境負荷を大幅に低減させた表面処理金属
材料を提供すること。 【解決手段】 皮膜マトリックスが希土類元素および/
またはIVA属元素の酸素酸化合物および/または酸素酸
水素化合物と、これらを物理的に金属材料表面に保持
し、かつ金属材料と密着力を有する樹脂が主成分である
ことを特徴とする表面処理金属材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工追従性があ
り、耐食性に優れ、且つ6価クロムを全く含まない被覆
層を有する表面処理金属材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車、家電製品、建材等の用途
に用いられる冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板および亜鉛系合
金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板などに防錆性を
付与するため等に、それらの表面にクロメート皮膜を被
覆することが一般に行なわれている。このクロメート処
理としては、電解型クロメートや塗布型クロメートがあ
る。電解クロメートは、例えばクロム酸を主成分とし、
他に硫酸、燐酸、硼酸およびハロゲンなどの各種陰イオ
ンを添加した浴を用いて、金属板を陰極電解処理するこ
とにより行なわれてきた。また、塗布型クロメートは、
クロメート処理金属板からのクロムの溶出の問題があ
り、あらかじめ6価クロムの一部を3価に還元した溶液
や6価クロムと3価クロム比を特定化した溶液に無機コ
ロイドや無機アニオンを添加して処理液とし、金属板を
その中に浸漬したり、処理液を金属板にスプレーしたり
することにより行なわれてきた。
【0003】クロメート皮膜の内、電解によって形成さ
れたクロメート皮膜は6価クロムの溶出性は少ないもの
の防食性は十分とは言えず、特に加工時などの皮膜損傷
が大きい場合、その耐食性は低下する。一方、塗布型ク
ロメート皮膜により被覆された金属板の耐食性は高く、
特に加工部耐食性に優れているが、クロメート皮膜から
の6価クロムの溶出が大きく問題となる。有機重合体を
被覆すれば6価クロムの溶出はかなり抑制されるものの
十分ではない。また、特開平5ー230666号公報に
開示されているような一般に樹脂クロメートと呼ばれる
方法では6価クロムの溶出抑制に改善は見られるもの
の、微量の溶出は避けられない。このように6価クロム
の溶出を完全に抑えるためには、6価クロムを全く使用
せず従来の6価クロムを含有するクロメート皮膜と同等
の機能を有する防錆性皮膜の開発が必要となる。
【0004】我々は、PCT/JP97/00272に
記載したように現行クロメート処理に代わる6価クロム
を全く含まない汎用化成処理皮膜として希土類元素の酸
素酸(水素)化合物による被覆層を得た。その一例とし
て、ランタンやセリウムを燐酸化合物とすることでペー
スト状として加工追従性を付与し、そのバリヤー効果に
より腐食を抑制するとともに、セリウムイオンによりカ
ソーディック反応の抑制、さらに燐酸を過剰にすること
で燐酸塩皮膜型の不働態化および酸化物皮膜型の不働態
化によりアノーディック反応を抑制する無機系耐食性化
成処理皮膜を得た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上述の
6価クロムを全く使用しない耐食性に優れた無機系化成
処理皮膜に樹脂を含有させることにより加工追従性、耐
食性を強化した皮膜を有する表面処理金属材料に関する
新たな技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】現行クロメート処理に代
わる汎用化成処理皮膜を6価クロムを全く含まない系で
設計すべく、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、希土
類元素および/またはIVA属元素の酸素酸酸化合物、酸
素酸水素化合物、またはこれらの混合物と樹脂によって
形成される新規でかつ画期的な無機・有機系化成処理皮
膜を得ることが可能となったものである。さらに有機系
インヒビターおよび/またはセリウム化合物を被覆層中
に含有させ、腐食抑制を補完、強化したものである。
【0007】その発明の要旨とするところは、 (1)希土類元素および/またはIVA属元素の酸素酸化
合物、酸素酸水素化合物、またはこれらの混合物と樹脂
を主成分とする耐食性被覆層を有することを特徴とする
表面処理金属材料。 (2)希土類元素および/またはIVA属元素がイットリ
ウム、ランタン、セリウムおよび/またはジルコニウム
である前記(1)記載の表面処理金属材料。 (3)酸素酸化合物のアニオン種が燐酸イオン、タング
ステン酸イオン、モリブデン酸イオンおよび/またはバ
ナジン酸イオンである前記(1)、(2)記載の表面処
理金属材料。
【0008】(4)燐酸化合物および燐酸水素化合物
が、オルト(水素)燐酸、メタ燐酸化合物、ポリ燐酸
(水素)化合物またはこれらの混合物である前記(3)
記載の表面処理金属材料。 (5)耐食性被覆層が希土類元素の酸化物、水酸化物、
ハロゲン化物および有機酸化合物から選ばれる1種また
は2種以上の化合物を添加成分として含む前記(1)〜
(4)記載の表面処理金属材料。 (6)添加成分の希土類元素がセリウムである前記
(5)記載の表面処理金属材料。 (7)耐食性被覆層が有機系インヒビターを添加成分と
してさらに含む前記(1)〜(6)記載の表面処理金属
材料。
【0009】(8)有機系インヒビターが、N−フェニ
ル−ジメチルピロールのホルミル化誘導体、HS−CH
2 COOCn 2n+1(nは1〜25の整数)で表される
チオグリコール酸エステル及びその誘導体、Cn
2n(SH)COOH(nは1〜25の整数)で表される
α−メルカプトカルボン酸及びその誘導体、キノリン及
びその誘導体、トリアジンジチオール及びその誘導体、
没食子酸エステル及びその誘導体、ニコチン酸およびそ
の誘導体、カテコールおよびその誘導体および/または
導電性高分子から選ばれる1種又は2種以上の混合物で
ある前記(7)の表面処理金属材料である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に使用される希土類金属元
素および/またはIVA属元素の酸素酸化合物もしくは酸
素酸水素化合物またはこれらの混合物とは、りん酸イオ
ン、タングステン酸イオン、バナジン酸イオンなどの酸
素酸アニオンと希土類金属元素および/またはIVA属元
素との化合物を指称し、酸素酸水素化合物とはカチオン
の一部に水素を含む化合物を指称する。例えば、ランタ
ンの燐酸化合物としてLaPO 4 などがあり、これに対
応するランタンの燐酸水素化合物としてLa(H2 PO
4 3 、La2 (HPO4 3 がある。
【0011】これら酸素酸化合物および/または酸素酸
水素化合物は、ペースト状でおそらくは非結晶性(非晶
質)の無機重合体を形成しているために、成膜しても加
工追従性を有し、そのバリヤー効果により腐食を抑制す
るとともに、酸素酸を過剰にすることで酸素酸塩皮膜型
の不働態皮膜を形成し、かつ酸化物皮膜型の不働態皮膜
を形成させることができるため、さらに高い防食性能を
持った耐食性化成処理皮膜を得ることが出来る。
【0012】金属材料上の皮膜中に含まれる希土類元素
および/またはIVA属元素の酸素酸化合物および/また
は酸素酸水素化合物の量としては、求められる耐食性に
より必要添加量が変わるため限定することは出来ない
が、希土類、IVA属元素金属換算で1mg/m2 以上で
あれば良い。1mg/m2 未満では、添加効果が不十分
で皮膜としての耐食性向上が認められない。また、10
g/m2 を超えて添加しても耐食性向上効果は飽和して
しまうため、経済性を考慮すると10g/m2 で十分で
ある。
【0013】希土類元素および/またはIVA属元素の酸
素酸化合物および/または酸素酸水素化合物の処理液中
での存在形態は、使用される溶媒やpH、温度、濃度に
依存するが、溶解した状態または処理液中に微細分散し
たコロイド状が好ましい。これら以外では、皮膜を形成
したときに希土類元素および/またはIVA属元素の酸素
酸化合物および/または酸素酸水素化合物の分散状態が
不均一になり、希土類元素および/またはIVA属元素の
酸素酸化合物および/または酸素酸水素化合物の存在量
の少ないところで防食性能が低下する可能性がある。
【0014】希土類元素および/またはIVA属元素の酸
素酸化合物および/または酸素酸水素化合物をコロイド
状に微細分散した場合の平均粒子径としては、3μm以
下が好ましく、さらには1μm以下、特に0.2μm以
下が好ましい。粒子径が3μm以上であると、処理液中
や皮膜中での希土類元素および/またはIVA属元素の酸
素酸化合物および/または酸素酸水素化合物の分散状態
が不均一になる、皮膜の膜厚が制限される等の問題があ
る。
【0015】本発明に使用される樹脂マトリックス成分
としては、処理液中での希土類元素および/またはIVA
属元素の酸素酸化合物および/または酸素酸水素化合物
の分散安定度を著しく損なうものでなく、かつ希土類元
素および/またはIVA属元素の酸素酸化合物および/ま
たは酸素酸水素化合物を物理的に金属表面に保持し金属
材料と密着性を有する材料であれば良く、特に限定され
るものではない。一般的には、アクリル系、エポキシ
系、オレフィン系などの有機樹脂が例としてあげられ、
形態としては、水溶性、水に分散したエマルジョン樹
脂、ラテックスなどを適宜選択できる。
【0016】被覆層の主成分である希土類元素および/
またはIVA属元素の酸素酸酸化合物、酸素酸水素化合物
またはこれらの混合物と樹脂との重量比(希土類元素お
よび/またはIVA属元素の酸素酸酸化合物、酸素酸水素
化合物またはこれらの混合物/樹脂)は0.001〜1
000、好ましくは0.01〜100、さらに好ましく
は0.1〜10が良い。0.001未満では無機成分が
十分ではなく耐食性が十分ではなく、1000を超える
と樹脂成分が十分ではなく加工追従性の向上が見られな
い。
【0017】本発明の皮膜や処理液には有機系インヒビ
ターやセリウム化合物のような腐食抑制剤、不働態化皮
膜形成助剤以外に分散剤や消泡剤などの界面活性剤、そ
の他添加物を複合して使用することもできる。有機系イ
ンヒビターは金属表面への吸着性を有し、金属イオンの
溶出時に錯体形成し捕捉するためイオン化の更なる進行
を抑制する作用を有する。その有機系インヒビターとし
ては分子構造中に金属錯体結合形成に必要な官能基(=
O,−NH2 、=NH,=N−,=S,−OH等)、お
よび金属表面との共有結合形成可能な官能基(−OH,
=NH,−SH,−CHO,−COOH等)を有する化
合物が使用できる。なお、皮膜中に含有させるインヒビ
ターは難水溶性の化合物が好ましい。
【0018】この理由として、この腐食抑制作用は皮膜
を透過する水により有機系インヒビターが微量溶解する
ことでが発現するため、もし易溶性であると水の皮膜透
過時に容易に溶出してしまい、機能を発揮しないため、
あるいは持続性が十分でないため好ましくない。上記の
官能基を兼ね備えた難水溶性の有機系インヒビターの具
体例としては、N−フェニル−ジメチルピロールのホル
ミル化誘導体、HS−CH2 COOCn 2n+1(nは1
〜25の整数)で表されるチオグリコール酸エステル及
びその誘導体、Cn 2n(SH)COOH(nは1〜2
5の整数)で表されるα−メルカプトカルボン酸及びそ
の誘導体、キノリン及びその誘導体、トリアジンジチオ
ール及びその誘導体、没食子酸エステル及びその誘導
体、ニコチン酸およびその誘導体、カテコールおよびそ
の誘導体等である。
【0019】これらとは防食機構が異なる有機系インヒ
ビターとして電子伝導性導電性高分子も用いることがで
きる。これは分子全体にπ電子共役結合が広がった繰り
返し単位の単一な分子であり、ポリアセチレン、ポリア
ニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等が知られてい
る。これに、例えば硫酸バリウムなどをドーパントとし
て加えることにより電子伝導性を付与することができ
る。この導電性高分子の防食作用については詳細は不明
であるが、電子伝導性により界面での腐食電流整流化作
用、酸素還元抑制作用を発現しカソード防食剤として機
能するものと推定される。
【0020】なお、これら有機系インヒビターを1種ま
たは2種以上混合して使用するが、その添加量は希土類
元素および/またはIVA属元素と有機系インヒビターと
のモル比(有機系インヒビター/希土類元素および/ま
たはIVA属元素)で0.001〜2、好ましくは0.0
1〜1、さらに好ましくは0.02〜0.5である。モ
ル比が0.001未満では添加効果が十分ではなく、2
を越えると密着性が十分ではない。また、皮膜中でのこ
れらインヒビターの形態は特に限定されないが、例えば
処理液にそのまま添加し混合する、またはあらかじめ燐
酸に溶解させて処理液に添加する、あるいはエタノー
ル、イソプロピルアルコール等のアルコールに完全溶解
後、脱イオン水を滴下し微細コロイド化させて処理液に
添加する、などの方法により皮膜中に含有させることが
できる。
【0021】さらにセリウムの酸化物、水酸化物、ハロ
ゲン化物、有機酸化合物のようなセリウム化合物を添加
する場合、マトリックスの希土類元素および/またはIV
A属元素とセリウム化合物とのモル比(セリウム化合物
/希土類元素および/またはIVA属元素)は50以下で
あり、好ましくは10以下、さらにこの好ましくは5以
下である。50を超える場合は、成膜性が低下し十分な
加工追従性が得られない。皮膜中に含まれるセリウム量
としては1mg/m2 以上であれば良い。1mg/m2
未満では、耐食性が十分ではない。また、10g/m2
を超えても耐食性はそれほど向上せず、経済性を考慮す
ると10g/m2 で十分である。
【0022】不働態化皮膜形成助剤としてりん酸、ポリ
りん酸、また、添加物として水酸化カルシウム、炭酸カ
ルシウム、酸化カルシウム、りん酸亜鉛、りん酸カリウ
ム、りん酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジル
コニウム、りん酸アルミニウム、りん酸ジルコニウム、
TiO2 、SiO2 、Al2 3 などを添加できる。本
発明の皮膜を形成するための処理液は、基本的に希土類
元素および/またはIVA属元素の酸素酸化合物および/
または酸素酸水素化合物と樹脂とのマトリックス成分と
溶媒から構成され、処理液の濃度やpHは特に限定され
ない。溶媒は水系、揮発性有機化合物の何れでも選択で
きる。但し、作業環境を考慮に入れると水系の方が好ま
しい。
【0023】本発明の表面処理金属材料の製造方法とし
ては、処理液を金属材料表面に塗布し乾燥すれば良く、
とくに限定しない。例えば、現在使用されているクロメ
ート処理の塗布設備や塗料の塗装設備などそのまま流用
でき、特別な設備を必要としない。また、刷毛塗りやバ
ーコーターを使用して手作業で塗布し、乾燥する事によ
って皮膜を形成することも出来る。乾燥条件は、一概に
は限定することはできないが、少なくとも処理液中に含
まれる溶媒を乾燥し、かつ含有する樹脂マトリックス成
分が分解しない温度範囲で乾燥されれば良い。例えば、
金属材料表面到達温度が50℃〜200℃の範囲が好ま
しい。膜厚は、用途によって変わるため限定することは
出来ないが、0.01μm以上が好ましい。さらに好ま
しくは、0.1μm以上である。0.01μm未満では
耐食性が十分ではない。しかし、膜厚が10μmを越え
ても耐食性向上効果は飽和してしまうため、経済性を考
慮すると10μmで十分である。
【0024】この発明の対象となる金属材料は特に限定
されないが、例えば溶融亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛ー鉄
合金めっき鋼板、溶融亜鉛ーアルミニウムーマグネシウ
ム合金めっき鋼板、溶融アルミニウムーシリコン合金め
っき鋼板、溶融鉛ースズ合金めっき鋼板などの溶融めっ
き鋼板や、電気亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛ーニッケル合
金めっき鋼板、電気亜鉛ー鉄合金めっき鋼板、電気亜鉛
ークロム合金めっきなどの電気めっき鋼板などの表面処
理鋼板、冷延鋼板や亜鉛、アルミニウム、マグネシウム
などの金属板などに適用できる。
【0025】本発明の表面処理金属材料の製造方法例と
しては、ランタン化合物と燐酸を十分に混合、熱処理
(100〜200℃、0.5〜24時間)し、得られた
ペースト状生成物に有機系インヒビターやセリウム化合
物などを添加し、十分に混合する。これらの添加剤は、
上述のように耐食性を高めることができる。この処理液
を金属板に塗布し、乾燥および熱処理(板温100〜2
00℃、30秒間〜1時間)を行なうことにより目的の
表面処理金属材料を得る。
【0026】
【実施例】
処理液の調製法 (1)マトリックスの無機成分 LP:酸化ランタン32.6gと燐酸(85%)11
5.3gを十分に混合した後、150℃で12時間加熱
した。 CP:燐酸セリウム23.5gと燐酸(85%)11
5.3gを十分に混合した後、150℃で12時間加熱
した。 YP:塩化イットリウム30.3gと燐酸(85%)1
15.3gを十分に混合した後、150℃で12時間加
熱した。 NP:塩化ネオジム39.6gと燐酸(85%)11
5.3gを十分に混合した後、150℃で12時間加熱
した。
【0027】LPP:酸化ランタン32.6gとポリ燐
酸(平均分子量338)338gを十分に混合した後、
150℃で12時間加熱した。 LW:酸化ランタン32.6gとタングステン酸アンモ
ニウム水溶液(4%)261.0gを十分に混合した
後、150℃で12時間加熱した。 LM:酸化ランタン32.6gとモリブデン酸アンモニ
ウム水溶液(28%)176.6gを十分に混合した
後、150℃で12時間加熱した。
【0028】LV:酸化ランタン32.6gとバナジン
酸アンモニウム水溶液(5%)117.0gをそれぞれ
十分に混合した後、150℃で12時間加熱した。 ZP:塩化酸化ジルコニウム水溶液(32%)100g
と燐酸(85%)115.3gと十分に混合した後、1
50℃で12時間加熱した。 TP:硫酸チタン水溶液(24%)100gと燐酸(8
5%)115.3gと十分に混合した後、150℃で1
2時間加熱した。
【0029】(2)マトリックスの樹脂成分 ブロックコポリマー(以下ARとする):ポリ(メタク
リル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエ
チルメタクリレート)−ポリ(スチレン、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸ブチル)−ポ
リ(メタクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒ
ドロキシエチルメタクリレート)ブロック共重合体(溶
媒:テトラヒドロフラン)をリビングアニオン重合法に
より製造した。アクリル系エマルジョン(以下BRとす
る):市販の水分散性カルボキシル基含有アクリル系エ
マルジョン樹脂(日本合成ゴム社製:樹脂固形分50重
量%)を使用した。
【0030】SBRラテックス(以下CRとする):市
販の水分散カルボキシル基含有SBRラテックス(日本
合成ゴム社製:樹脂固形分50重量%)を使用した。上
記した希土類および/またはIVA属元素の酸素酸(水
素)化合物、樹脂、及び各種添加物を配合して建浴した
(表1〜8)。また、建浴濃度は、希土類元素および/
またはIVA属元素の酸素酸化合物および/または酸素酸
水素化合物(希土類、IVA属元素金属換算)と樹脂(固
形分換算)で200g/1、コロイダルシリカ添加の場
合はSiO2 換算で5g/l、セリウム化合物添加の場
合は10g/l、有機系インヒビター添加の場合は10
g/lの条件に統一した。なお、α−メルカプトラウリ
ル酸については合成し、それ以外のものについては市販
の試薬を使用した(ポリアニリン水溶液は1重量%水溶
液でドーパントは硫酸バリウムである)。
【0031】皮膜形成法 表1〜8の処理液を金属板上にバーコーターを用いて乾
燥後の皮膜厚が1μmとなるように塗布し、板温100
℃で1分間熱処理した。用いた金属材料はGI(溶融亜
鉛めっき鋼板、めっき付着量:90g/m2 )、EG
(電気亜鉛めっき鋼板、めっき付着量:20g/
2 )、Al(溶融アルミニウムーシリコン合金めっき
鋼板、めっき付着量:120g/m2 、Al/Si=9
0/10)である。なお、クロメート処理鋼板との比較
を行なうべく、クロメート処理液として、澱粉による部
分還元クロム酸をCrO3 換算で30g/l、SiO2
を40g/l、燐酸を20g/l含有する処理浴を建浴
し、鋼板上に塗布、乾燥、硬化させ皮膜形成を行なった
(皮膜中Cr量は、金属Crに換算して100gm/m
2 である)。
【0032】皮膜の性能評価法 (a)サンプルをエリクセン7.5mm加工後、SEM
観察を行ない、加工追従性評価を行なった。
【0033】(b)サンプルに5%、35℃の塩水を噴
霧した後の錆発生面積で平板耐食性評価を行なった。な
お、噴霧期間はGI、EGが12日間、Alが18日間
で何れも白錆発生率で測定した。
【0034】(c)サンプルをエリクセン7mm加工
後、5%、35℃の塩水を噴霧した後の錆発生面積で加
工部耐食性評価を行なった。なお、噴霧期間はGI、E
Gが12日間、Alが18日間で何れも白錆発生率で測
定した。 これらの評価結果(表1〜8)から明らかなように、本
発明の表面処理金属材は加工追従性、塗料密着性に優
れ、クロメート処理と同等の平板および加工部耐食性を
示した。従って、6価クロムを全く含まない化成処理膜
として環境適合性に優れている上に耐食性皮膜としてそ
の効果を発揮するものである。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】
【表7】
【0042】
【表8】
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、希土類元素および/
またはIVA属元素の酸素酸化合物、酸素酸水素化合物、
またはこれらの混合物と樹脂によって形成される皮膜、
さらに有機系インヒビターおよび/またはセリウム化合
物を含有する皮膜は、高い加工追従性と6価クロムを含
有する皮膜と同等以上の防食性能を示し、環境適合性と
も併せて極めて優れた効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C23C 30/00 C23C 30/00 C

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類元素および/またはIVA属元素の
    酸素酸化合物、酸素酸水素化合物、またはこれらの混合
    物と樹脂を主成分とする耐食性被覆層を有することを特
    徴とする表面処理金属材料。
  2. 【請求項2】 希土類元素および/またはIVA属元素が
    イットリウム、ランタン、セリウムおよび/またはジル
    コニウムである請求項1記載の表面処理金属材料。
  3. 【請求項3】 酸素酸化合物のアニオン種が燐酸イオ
    ン、タングステン酸イオン、モリブデン酸イオンおよび
    /またはバナジン酸イオンである請求項1、2記載の表
    面処理金属材料。
  4. 【請求項4】 燐酸化合物および燐酸水素化合物が、オ
    ルト(水素)燐酸、メタ燐酸化合物、ポリ燐酸(水素)
    化合物またはこれらの混合物である請求項3記載の表面
    処理金属材料。
  5. 【請求項5】 耐食性被覆層が希土類元素の酸化物、水
    酸化物、ハロゲン化物および有機酸化合物から選ばれる
    1種または2種以上の化合物を添加成分として含む請求
    項1〜4記載の表面処理金属材料。
  6. 【請求項6】 添加成分の希土類元素がセリウムである
    請求項5記載の表面処理金属材料。
  7. 【請求項7】 耐食性被覆層が有機系インヒビターを添
    加成分として含む請求項1〜6記載の表面処理金属材
    料。
  8. 【請求項8】 有機系インヒビターが、N−フェニル−
    ジメチルピロールのホルミル化誘導体、HS−CH2
    OOCn 2n+1(nは1〜25の整数)で表されるチオ
    グリコール酸エステル及びその誘導体、Cn 2n(S
    H)COOH(nは1〜25の整数)で表されるα−メ
    ルカプトカルボン酸及びその誘導体、キノリン及びその
    誘導体、トリアジンジチオール及びその誘導体、没食子
    酸エステル及びその誘導体、ニコチン酸およびその誘導
    体、カテコールおよびその誘導体および/または導電性
    高分子から選ばれる1種又は2種以上の混合物である請
    求項7記載の表面処理金属材料。
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