JPH09268265A - 金属防食用被覆組成物 - Google Patents
金属防食用被覆組成物Info
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- JPH09268265A JPH09268265A JP8104126A JP10412696A JPH09268265A JP H09268265 A JPH09268265 A JP H09268265A JP 8104126 A JP8104126 A JP 8104126A JP 10412696 A JP10412696 A JP 10412696A JP H09268265 A JPH09268265 A JP H09268265A
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- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 亜硫酸ガスを含む大気環境及び海塩粒子を含
む大気環境において、鉄鋼材及びアルミニウム材に対し
て長期間に亘って防食効果を有する金属用防食被覆組成
物の提供。 【構成】 Zn−Al合金粉末及び水溶性クロム化合物
を主要成分とし、フッ化物を添加することによって、ク
ロム酸化合物の防食能を補強し、被防食体表面の不動態
化を図ると同時に皮膜密着性を向上せしめた複合防食効
果を発揮させ、更に、該合金粉末中にMg、In、G
a、Sn、Bi、Ca、Mn、Cr、Ti、Y、Ce、
La等の合金成分を添加して、アルミニウム粉末におい
てその犠牲陽極作用を阻害していた酸化皮膜の生成を阻
止し、アルミニウム本来の活性面を露出させることによ
り犠牲陽極としての発錆防止作用を向上して亜鉛粉末を
使用した場合の数倍〜数十倍といわれる優れた防食性を
発揮せしめる。
む大気環境において、鉄鋼材及びアルミニウム材に対し
て長期間に亘って防食効果を有する金属用防食被覆組成
物の提供。 【構成】 Zn−Al合金粉末及び水溶性クロム化合物
を主要成分とし、フッ化物を添加することによって、ク
ロム酸化合物の防食能を補強し、被防食体表面の不動態
化を図ると同時に皮膜密着性を向上せしめた複合防食効
果を発揮させ、更に、該合金粉末中にMg、In、G
a、Sn、Bi、Ca、Mn、Cr、Ti、Y、Ce、
La等の合金成分を添加して、アルミニウム粉末におい
てその犠牲陽極作用を阻害していた酸化皮膜の生成を阻
止し、アルミニウム本来の活性面を露出させることによ
り犠牲陽極としての発錆防止作用を向上して亜鉛粉末を
使用した場合の数倍〜数十倍といわれる優れた防食性を
発揮せしめる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属材料の表面に防食
能を付与する防食組成物に関する。
能を付与する防食組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼材、アルミニウム材等の金属は、大
気中などの使用環境にあって、大気中の酸素や水分或い
は水分に含まれる各種のイオンなどによって酸化、腐食
されるため、各種のメッキを施したり、塗料や防錆剤を
塗布してその表面を被覆するなどして保護する必要があ
る。連続した板状や押出し製品に対しては、これらメッ
キや塗装による連続的被覆法が広く用いられているが、
異種金属の部品と組み合わされて使用される複雑形状の
小物製品や、より劣悪な環境のもとで使用される金属物
品、例えば、ボルト・ナット・ワッシャー類、建築用金
物、各種自動車用部品、エアコンカバー、鉄道用レール
クリップなどについては、連続的な工程による皮膜形成
が困難であるため、種々の防錆法が試みられて来てい
る。すなわち、このような金属防食のための被覆用組成
物として種々のものが知られているが、有力な防食法と
して、「無水クロム酸、犠牲陽極作用を有する亜鉛やア
ルミニウムなどの金属粉末、pH調整剤、グリコール類
と水などの溶剤」からなる組成物を、これら、鉄鋼材や
アルミニウム材製品に塗布するなどして、耐食性皮膜上
に犠牲陽極粉末層が形成された二層構造の被覆を形成す
る方法(特公昭52−904号公報、特公昭53−19
293号公報)が提案され、一定の効果を得ている。こ
れらの組成物は、被防食体より腐食電位的に卑である亜
鉛やアルミニウムの有する犠牲陽極効果とクロム化合物
による腐食抑制効果及びクロム化合物による鋼表面の不
動態化効果などによって、鋼表面に優れた防食能を付与
するといわれている。
気中などの使用環境にあって、大気中の酸素や水分或い
は水分に含まれる各種のイオンなどによって酸化、腐食
されるため、各種のメッキを施したり、塗料や防錆剤を
塗布してその表面を被覆するなどして保護する必要があ
る。連続した板状や押出し製品に対しては、これらメッ
キや塗装による連続的被覆法が広く用いられているが、
異種金属の部品と組み合わされて使用される複雑形状の
小物製品や、より劣悪な環境のもとで使用される金属物
品、例えば、ボルト・ナット・ワッシャー類、建築用金
物、各種自動車用部品、エアコンカバー、鉄道用レール
クリップなどについては、連続的な工程による皮膜形成
が困難であるため、種々の防錆法が試みられて来てい
る。すなわち、このような金属防食のための被覆用組成
物として種々のものが知られているが、有力な防食法と
して、「無水クロム酸、犠牲陽極作用を有する亜鉛やア
ルミニウムなどの金属粉末、pH調整剤、グリコール類
と水などの溶剤」からなる組成物を、これら、鉄鋼材や
アルミニウム材製品に塗布するなどして、耐食性皮膜上
に犠牲陽極粉末層が形成された二層構造の被覆を形成す
る方法(特公昭52−904号公報、特公昭53−19
293号公報)が提案され、一定の効果を得ている。こ
れらの組成物は、被防食体より腐食電位的に卑である亜
鉛やアルミニウムの有する犠牲陽極効果とクロム化合物
による腐食抑制効果及びクロム化合物による鋼表面の不
動態化効果などによって、鋼表面に優れた防食能を付与
するといわれている。
【0003】しかしながら、これらの亜鉛粉末とクロム
化合物を含む組成物による鋼材などの表面の防食皮膜
は、亜硫酸ガス、海塩粒子或いは凍結防止剤としての食
塩粒子などを多く含む環境下では短期的には比較的優れ
た防食能を発揮するものの、犠牲陽極作用による消耗以
外に自己腐食作用による消耗も著しいため、その防食能
に限界があり、3年以上の長期間ではやがて著しい発錆
を見るようになる。特に、亜硫酸ガスを多く含む環境下
ではこのような防食皮膜の消耗が大きく、且つ、クロム
化物の防錆能が小さいため比較的短期に発錆することが
明らかになった。このため、温泉地のような元来亜硫酸
ガスの多い特定の地域のみならず、近年、産業活動の活
発化やモータリゼーションの普及によって、工場地帯、
交通渋滞地域や冬場に暖房用燃料の使用の多い寒冷地等
でその大気中の亜硫酸ガスの濃度の高い地域が広がりつ
つあることから、より効果的な防食皮膜が望まれる。
化合物を含む組成物による鋼材などの表面の防食皮膜
は、亜硫酸ガス、海塩粒子或いは凍結防止剤としての食
塩粒子などを多く含む環境下では短期的には比較的優れ
た防食能を発揮するものの、犠牲陽極作用による消耗以
外に自己腐食作用による消耗も著しいため、その防食能
に限界があり、3年以上の長期間ではやがて著しい発錆
を見るようになる。特に、亜硫酸ガスを多く含む環境下
ではこのような防食皮膜の消耗が大きく、且つ、クロム
化物の防錆能が小さいため比較的短期に発錆することが
明らかになった。このため、温泉地のような元来亜硫酸
ガスの多い特定の地域のみならず、近年、産業活動の活
発化やモータリゼーションの普及によって、工場地帯、
交通渋滞地域や冬場に暖房用燃料の使用の多い寒冷地等
でその大気中の亜硫酸ガスの濃度の高い地域が広がりつ
つあることから、より効果的な防食皮膜が望まれる。
【0004】また、アルミニウム粉末を主体とする組成
物による同様の防食皮膜は、製造ロットごとにバラツキ
があり、その原因を究明した結果アルミニウム粉末がア
トマイズ法によるためその製造過程で粉末表面に厚い熱
酸化皮膜が生成し、この酸化皮膜の保護作用のため却っ
てアルミニウムの溶解を妨害する結果、犠牲陽極効果を
発揮することができず、素地金属に短期に発錆すること
が明らかとなった。
物による同様の防食皮膜は、製造ロットごとにバラツキ
があり、その原因を究明した結果アルミニウム粉末がア
トマイズ法によるためその製造過程で粉末表面に厚い熱
酸化皮膜が生成し、この酸化皮膜の保護作用のため却っ
てアルミニウムの溶解を妨害する結果、犠牲陽極効果を
発揮することができず、素地金属に短期に発錆すること
が明らかとなった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような問題を解消すべく、海塩粒子の多い環境や硫黄化
合物の多い環境のような腐食条件の異なる幅広い環境に
おいても、長期間にわたって防食効果を発揮できる鉄鋼
材或いはアルミニウム合金材に適用可能な金属防食用組
成物を提供することにある。
ような問題を解消すべく、海塩粒子の多い環境や硫黄化
合物の多い環境のような腐食条件の異なる幅広い環境に
おいても、長期間にわたって防食効果を発揮できる鉄鋼
材或いはアルミニウム合金材に適用可能な金属防食用組
成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、その目的を達
成するため、従来の亜鉛粉末或いはアルミニウム粉末の
替わりに1〜99重量%Zn−99〜1重量%Al合金
粉末を主要成分とし、Al合金化によって亜鉛粉末の数
倍〜数十倍といわれる優れた合金粉末の耐食性を発揮せ
しめて耐食皮膜の長寿命化に成功したものである。更
に、Al合金化することによって亜硫酸ガスや海塩粒子
の多い環境に対する防食性をも改善せしめたものであ
る。且つ、フッ化物を添加することによって、クロム化
合物の防食能を補強すること及び被防食体表面の不動態
化を図ると同時に皮膜密着性を向上せしめる複合防食効
果を有するものである。また、特にZn−50〜90重
量%Al合金において、各種合金成分を添加して、上記
のアルミニウム粉末においてその犠牲陽極作用を阻害し
ていた酸化皮膜の生成を阻止し、アルミニウム本来の活
性面を露出せしめることにより犠牲陽極として発錆防止
に効果を発揮できることを見いだして素地金属の安定的
な防食法を完成せしめたものである。すなわち、これら
の金属粉末がアルミニウム50重量%以上を含む場合、
腐食環境下において、亜鉛の選択的溶解が生じて犠牲陽
極としての寿命が短くなるが、次のような合金元素の1
種又は2種以上を、個別には以下の組成範囲で、又、総
量として0.005〜10重量%添加することによっ
て、このようなカソード反応を抑制して長期間に亘る防
食作用を持続させることができる。
成するため、従来の亜鉛粉末或いはアルミニウム粉末の
替わりに1〜99重量%Zn−99〜1重量%Al合金
粉末を主要成分とし、Al合金化によって亜鉛粉末の数
倍〜数十倍といわれる優れた合金粉末の耐食性を発揮せ
しめて耐食皮膜の長寿命化に成功したものである。更
に、Al合金化することによって亜硫酸ガスや海塩粒子
の多い環境に対する防食性をも改善せしめたものであ
る。且つ、フッ化物を添加することによって、クロム化
合物の防食能を補強すること及び被防食体表面の不動態
化を図ると同時に皮膜密着性を向上せしめる複合防食効
果を有するものである。また、特にZn−50〜90重
量%Al合金において、各種合金成分を添加して、上記
のアルミニウム粉末においてその犠牲陽極作用を阻害し
ていた酸化皮膜の生成を阻止し、アルミニウム本来の活
性面を露出せしめることにより犠牲陽極として発錆防止
に効果を発揮できることを見いだして素地金属の安定的
な防食法を完成せしめたものである。すなわち、これら
の金属粉末がアルミニウム50重量%以上を含む場合、
腐食環境下において、亜鉛の選択的溶解が生じて犠牲陽
極としての寿命が短くなるが、次のような合金元素の1
種又は2種以上を、個別には以下の組成範囲で、又、総
量として0.005〜10重量%添加することによっ
て、このようなカソード反応を抑制して長期間に亘る防
食作用を持続させることができる。
【0007】これらの各々の添加成分とその添加量の範
囲は以下のとおりである。 Mg:0.1〜5.0重量%、 望ましくは0.5〜
3.0重量% Mn:0.01〜2.5重量%、 望ましくは0.05
〜2.2重量% Cr:0.01〜0.5重量%、 望ましくは0.03
〜0.35重量% Ti:0.01〜0.2重量%、 望ましくは0.02
〜0.15重量% Y :0.005〜0.5重量%、望ましくは0.01
〜0.3重量% Ce:0.005〜0.5重量%、望ましくは0.01
〜0.3重量% La:0.005〜0.5重量%、望ましくは0.01
〜0.3重量% In:0.005〜0.1重量%、望ましくは0.01
〜0.05重量% Ga:0.005〜0.1重量%、望ましくは0.01
〜0.05重量% Sn:0.01〜0.5重量%、 望ましくは0.02
〜0.35重量% Bi:0.005〜1.0重量%、望ましくは0.01
〜0.8重量% Ca:0.005〜0.8重量%、望ましくは0.01
〜0.6重量% これらの添加量の範囲について、いずれもこれらの下限
値以下ではその効果が小さく、上限値以上ではその効果
が飽和するのみでなく、却って合金粉末の自己腐食を促
進する結果となって好ましくない。
囲は以下のとおりである。 Mg:0.1〜5.0重量%、 望ましくは0.5〜
3.0重量% Mn:0.01〜2.5重量%、 望ましくは0.05
〜2.2重量% Cr:0.01〜0.5重量%、 望ましくは0.03
〜0.35重量% Ti:0.01〜0.2重量%、 望ましくは0.02
〜0.15重量% Y :0.005〜0.5重量%、望ましくは0.01
〜0.3重量% Ce:0.005〜0.5重量%、望ましくは0.01
〜0.3重量% La:0.005〜0.5重量%、望ましくは0.01
〜0.3重量% In:0.005〜0.1重量%、望ましくは0.01
〜0.05重量% Ga:0.005〜0.1重量%、望ましくは0.01
〜0.05重量% Sn:0.01〜0.5重量%、 望ましくは0.02
〜0.35重量% Bi:0.005〜1.0重量%、望ましくは0.01
〜0.8重量% Ca:0.005〜0.8重量%、望ましくは0.01
〜0.6重量% これらの添加量の範囲について、いずれもこれらの下限
値以下ではその効果が小さく、上限値以上ではその効果
が飽和するのみでなく、却って合金粉末の自己腐食を促
進する結果となって好ましくない。
【0008】更に、この場合のMg、Mn、Cr、T
i、Y、Ce、Laの作用及び影響については、以下の
通りである。マグネシウムは、合金粉末自体の自然電位
を卑に移行させ、被防食体との電位差を大きくして合金
粉末の犠牲陽極効果を有効に発揮させると共に、海塩粒
子の存在下での粉末自体の耐食性を向上させる。上限値
以上ではその効果が飽和するのみでなく、却って合金を
溶製して粉末化する際にマグネシウム酸化物によるスラ
ッジが多くなり、望ましくない。マンガンは、合金粉末
のカソード反応を抑制するため、犠牲陽極としての性能
を保ちつつ、粉末自体の溶け出し速度が遅くなり、被防
食体に対する防食能を持続する効果を有する。また、鉄
系の金属間化合物を無害化する効果を有するため合金粉
末の自己腐食を軽減する。下限値以下ではその効果が小
さく、上限値以上ではその効果が飽和するばかりでな
く、金属間化合物の析出が起こり却って犠牲陽極効果を
低くさせる。クロム及びチタンは、合金粉末のカソード
反応を抑制するため、犠牲陽極としての性能を保ちつ
つ、粉末自体の溶出速度が遅くなり、被防食体に対する
防食能を持続する効果を有する。また、鉄系の金属間化
合物を無害化する効果を有するため合金粉末の自己腐食
を軽減する。下限値以下ではその効果が小さく、上限値
以上ではその効果が飽和するばかりでなく、巨大金属間
化合物の析出が起こり却って自己腐食が増大する。イッ
トリウム、セリウム及びランタンは、合金粉末中の結晶
密度を緻密にし、また、その塩化物は腐食抑制作用を有
するため、合金粉末の耐食性を向上させる。
i、Y、Ce、Laの作用及び影響については、以下の
通りである。マグネシウムは、合金粉末自体の自然電位
を卑に移行させ、被防食体との電位差を大きくして合金
粉末の犠牲陽極効果を有効に発揮させると共に、海塩粒
子の存在下での粉末自体の耐食性を向上させる。上限値
以上ではその効果が飽和するのみでなく、却って合金を
溶製して粉末化する際にマグネシウム酸化物によるスラ
ッジが多くなり、望ましくない。マンガンは、合金粉末
のカソード反応を抑制するため、犠牲陽極としての性能
を保ちつつ、粉末自体の溶け出し速度が遅くなり、被防
食体に対する防食能を持続する効果を有する。また、鉄
系の金属間化合物を無害化する効果を有するため合金粉
末の自己腐食を軽減する。下限値以下ではその効果が小
さく、上限値以上ではその効果が飽和するばかりでな
く、金属間化合物の析出が起こり却って犠牲陽極効果を
低くさせる。クロム及びチタンは、合金粉末のカソード
反応を抑制するため、犠牲陽極としての性能を保ちつ
つ、粉末自体の溶出速度が遅くなり、被防食体に対する
防食能を持続する効果を有する。また、鉄系の金属間化
合物を無害化する効果を有するため合金粉末の自己腐食
を軽減する。下限値以下ではその効果が小さく、上限値
以上ではその効果が飽和するばかりでなく、巨大金属間
化合物の析出が起こり却って自己腐食が増大する。イッ
トリウム、セリウム及びランタンは、合金粉末中の結晶
密度を緻密にし、また、その塩化物は腐食抑制作用を有
するため、合金粉末の耐食性を向上させる。
【0009】また、アルミニウム主体のAl−1〜10
重量%Zn合金の場合には、アルミニウム合金の表面に
生成して犠牲陽極作用を阻害する酸化皮膜の生成を防止
することから以下の低融点金属の添加が特に有効であっ
て、その各々の添加量の範囲は以下のとおりであり、そ
の添加総量は0.005〜10重量%とする。 In:0.005〜0.1重量%、望ましくは、0.0
1〜0.05重量% Ga:0.005〜0.1重量%、望ましくは、0.0
1〜0.05重量% Sn:0.01〜0.5重量%、 望ましくは、0.0
2〜0.35重量% Bi:0.005〜1.0重量%、望ましくは、0.0
1〜0.8重量% Ca:0.005〜0.8重量%、望ましくは、0.0
1〜0.6重量% いずれもこれらの下限値以下ではその効果が小さく、上
記範囲にあるときには粉末自体の孔食電位が十分に卑な
レベル、例えば−1000〜−1100mVvs SC
E(3.5%NaCl水溶液)レベルに達し、上限値以
上ではその効果が飽和するのみでなく、却って合金粉末
の自己腐食を促進する結果となって好ましくない。尚、
これらの合金元素は、前述のZn−50〜90重量%A
l合金に添加する場合にも、同様な効果を発揮するもの
である。又、ここで粉末とは通常の球状粒子やフレーク
状粉末のいずれでもよいが、積層状皮膜となるのでフレ
ーク状のものが好適であり、40μm以下とするのが分
散性から好ましい。
重量%Zn合金の場合には、アルミニウム合金の表面に
生成して犠牲陽極作用を阻害する酸化皮膜の生成を防止
することから以下の低融点金属の添加が特に有効であっ
て、その各々の添加量の範囲は以下のとおりであり、そ
の添加総量は0.005〜10重量%とする。 In:0.005〜0.1重量%、望ましくは、0.0
1〜0.05重量% Ga:0.005〜0.1重量%、望ましくは、0.0
1〜0.05重量% Sn:0.01〜0.5重量%、 望ましくは、0.0
2〜0.35重量% Bi:0.005〜1.0重量%、望ましくは、0.0
1〜0.8重量% Ca:0.005〜0.8重量%、望ましくは、0.0
1〜0.6重量% いずれもこれらの下限値以下ではその効果が小さく、上
記範囲にあるときには粉末自体の孔食電位が十分に卑な
レベル、例えば−1000〜−1100mVvs SC
E(3.5%NaCl水溶液)レベルに達し、上限値以
上ではその効果が飽和するのみでなく、却って合金粉末
の自己腐食を促進する結果となって好ましくない。尚、
これらの合金元素は、前述のZn−50〜90重量%A
l合金に添加する場合にも、同様な効果を発揮するもの
である。又、ここで粉末とは通常の球状粒子やフレーク
状粉末のいずれでもよいが、積層状皮膜となるのでフレ
ーク状のものが好適であり、40μm以下とするのが分
散性から好ましい。
【0010】これらの金属防食用組成物中に含まれる水
溶性クロム化合物は、無水クロム酸、クロム酸ナトリウ
ム、クロム酸カリウム、重クロム酸ナトリウム、重クロ
ム酸カリウム等が適用され、積層される亜鉛−アルミニ
ウム基合金粉末の間に充填され、且つ被防食体素地に付
着して不動態化作用を及ぼすと同時に合金粉末と素地と
の密着性を向上させる。その添加範囲はCr2 O3 換算
で2〜100g/lであって、下限値以下ではその効果
が小さく、上限値以上ではその効果が飽和するばかりで
なく、塗布後行われる焼き付け還元処理に長時間を要す
るようになる。尚、更にいえば、5〜80g/lの範囲
がより好適である。
溶性クロム化合物は、無水クロム酸、クロム酸ナトリウ
ム、クロム酸カリウム、重クロム酸ナトリウム、重クロ
ム酸カリウム等が適用され、積層される亜鉛−アルミニ
ウム基合金粉末の間に充填され、且つ被防食体素地に付
着して不動態化作用を及ぼすと同時に合金粉末と素地と
の密着性を向上させる。その添加範囲はCr2 O3 換算
で2〜100g/lであって、下限値以下ではその効果
が小さく、上限値以上ではその効果が飽和するばかりで
なく、塗布後行われる焼き付け還元処理に長時間を要す
るようになる。尚、更にいえば、5〜80g/lの範囲
がより好適である。
【0011】皮膜形成助剤として含まれるフッ化物は、
基材表面をエッチングすることによって該防食皮膜の密
着性を向上させると共に、その表面にフッ化物皮膜を形
成し、このフッ化物皮膜が良好な耐食性を付与する作用
を呈する。更に、亜鉛−アルミニウム基合金粉末表面に
もフッ化物皮膜を形成し、耐食性を向上させる。その添
加量の範囲は、F- イオン量として0.1〜5g/lで
ある。下限値以下ではその作用が小さく、上限値以上で
は効果が飽和する。また、却って合金粉末の溶解を速め
る。水溶性フッ化物の添加は合金粉末を溶解・固化させ
るため、添加順序を工夫したり、予め、pH調整剤を用
いてpHを3〜7に調整して使用することが望ましい。
また、具体的なフッ化物としては、フッ酸、フッ化ナト
リウム、フッ化カリウム、フッ化ケイ素酸、フッ化アン
モニウム等が添加される
基材表面をエッチングすることによって該防食皮膜の密
着性を向上させると共に、その表面にフッ化物皮膜を形
成し、このフッ化物皮膜が良好な耐食性を付与する作用
を呈する。更に、亜鉛−アルミニウム基合金粉末表面に
もフッ化物皮膜を形成し、耐食性を向上させる。その添
加量の範囲は、F- イオン量として0.1〜5g/lで
ある。下限値以下ではその作用が小さく、上限値以上で
は効果が飽和する。また、却って合金粉末の溶解を速め
る。水溶性フッ化物の添加は合金粉末を溶解・固化させ
るため、添加順序を工夫したり、予め、pH調整剤を用
いてpHを3〜7に調整して使用することが望ましい。
また、具体的なフッ化物としては、フッ酸、フッ化ナト
リウム、フッ化カリウム、フッ化ケイ素酸、フッ化アン
モニウム等が添加される
【0012】更に、金属基材に塗布する際に金属粉末の
分散状態及び膜厚を均一に保つための造膜助剤として、
各種のグリコール化合物及びセルロース類を添加する。
該防食用組成物中に含まれるグリコール化合物は、塗布
して皮膜を定着させるための高温加熱によって皮膜中に
残留する水溶性クロム化合物中の六価クロムを3価クロ
ムに還元し、無害化するのにも寄与する。還元温度は1
80℃〜350℃であることが望ましい。また、同時に
金属防食用組成物に適度な粘度を与え、被防食体表面へ
の金属粉末の均一な付着を容易にする機能も果たす。使
用するグリコール化合物は、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール及びポリエチレングリコールなどが望
ましく、ポリビニルアルコールジアセトアルコールも同
様に適用できる。また、セルロース類として、カルボキ
シメチルセルロースのナトリウム塩、カリウム塩、アン
モニウム塩やヒドロキシエチルセルロースなどを使用す
ることができる。これらの配合量として、50〜300
g/l、好ましくは100〜250g/lを用いる。該
金属防食用組成物には、慣用的には水酸化ナトリウムや
水酸化カリウムなどの水酸化物或いは酸化カルシウムや
酸化亜鉛のような酸化物をpH調整剤として添加しても
よい。これは必須添加成分である水溶性フッ化物濃度が
高いと低pHになり、合金粉末が溶解・ゲル化すること
を防止するためである。本発明において使用されるpH
調整剤はpH3〜7の間に調整するために使用されるも
のである。また、金属粉末入り塗布皮膜の形成される際
の均一分散性を確保するため、適宜の界面活性剤を配合
することもできる。界面活性剤としてはアルキルベンゼ
ンスルフォン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテ
ルスルフォン酸等のアニオン系界面活性剤が使用され
る。尚、分子量400〜500程度のポリエチレングリ
コールを用いるときには界面活性剤としての機能も果た
すことができる。
分散状態及び膜厚を均一に保つための造膜助剤として、
各種のグリコール化合物及びセルロース類を添加する。
該防食用組成物中に含まれるグリコール化合物は、塗布
して皮膜を定着させるための高温加熱によって皮膜中に
残留する水溶性クロム化合物中の六価クロムを3価クロ
ムに還元し、無害化するのにも寄与する。還元温度は1
80℃〜350℃であることが望ましい。また、同時に
金属防食用組成物に適度な粘度を与え、被防食体表面へ
の金属粉末の均一な付着を容易にする機能も果たす。使
用するグリコール化合物は、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール及びポリエチレングリコールなどが望
ましく、ポリビニルアルコールジアセトアルコールも同
様に適用できる。また、セルロース類として、カルボキ
シメチルセルロースのナトリウム塩、カリウム塩、アン
モニウム塩やヒドロキシエチルセルロースなどを使用す
ることができる。これらの配合量として、50〜300
g/l、好ましくは100〜250g/lを用いる。該
金属防食用組成物には、慣用的には水酸化ナトリウムや
水酸化カリウムなどの水酸化物或いは酸化カルシウムや
酸化亜鉛のような酸化物をpH調整剤として添加しても
よい。これは必須添加成分である水溶性フッ化物濃度が
高いと低pHになり、合金粉末が溶解・ゲル化すること
を防止するためである。本発明において使用されるpH
調整剤はpH3〜7の間に調整するために使用されるも
のである。また、金属粉末入り塗布皮膜の形成される際
の均一分散性を確保するため、適宜の界面活性剤を配合
することもできる。界面活性剤としてはアルキルベンゼ
ンスルフォン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテ
ルスルフォン酸等のアニオン系界面活性剤が使用され
る。尚、分子量400〜500程度のポリエチレングリ
コールを用いるときには界面活性剤としての機能も果た
すことができる。
【0013】金属表面に対する塗布量は、乾燥固形物基
準で1g/m2 以上、好ましくは1.4〜5g/m2 の
皮膜が形成される量に設定する。塗布手段としては、製
品形状に応じて、ロール塗り、刷毛塗り、浸漬法及びス
プレー法等が使用される。該防食被覆組成物が塗布され
た金属表面は、60〜350℃、好ましくは80〜32
0℃の温度範囲に3秒〜30分間保持することによって
乾燥する。この温度範囲で乾燥温度を高く設定すると、
短時間で乾燥を完了させることができる。例えば、28
0℃以上の高温では3〜30秒の短い乾燥時間で良い。
乾燥後の金属表面に、防食皮膜が形成される。防食皮膜
の付着量は、耐食性、耐久性等について所与の特性を得
る上から、1g/m2 以上であることが好ましい。付着
量が1g/m2 以下であると、金属表面に十分な防食性
が付与されない。また、金属表面に対する密着性も低下
する。これらの金属防食用組成物は、通常金属基材表面
に塗布した塗布膜が大気に露出した状態で使用される
が、その密着性、均一性に優れることから、所望によっ
て他の塗装下地としてもその防食性を発揮することがで
きる。
準で1g/m2 以上、好ましくは1.4〜5g/m2 の
皮膜が形成される量に設定する。塗布手段としては、製
品形状に応じて、ロール塗り、刷毛塗り、浸漬法及びス
プレー法等が使用される。該防食被覆組成物が塗布され
た金属表面は、60〜350℃、好ましくは80〜32
0℃の温度範囲に3秒〜30分間保持することによって
乾燥する。この温度範囲で乾燥温度を高く設定すると、
短時間で乾燥を完了させることができる。例えば、28
0℃以上の高温では3〜30秒の短い乾燥時間で良い。
乾燥後の金属表面に、防食皮膜が形成される。防食皮膜
の付着量は、耐食性、耐久性等について所与の特性を得
る上から、1g/m2 以上であることが好ましい。付着
量が1g/m2 以下であると、金属表面に十分な防食性
が付与されない。また、金属表面に対する密着性も低下
する。これらの金属防食用組成物は、通常金属基材表面
に塗布した塗布膜が大気に露出した状態で使用される
が、その密着性、均一性に優れることから、所望によっ
て他の塗装下地としてもその防食性を発揮することがで
きる。
【0014】
【実施の態様】本発明の金属防食用被覆組成物は、最終
混合状態では、金属粉末10〜50重量%、好ましくは
15〜40重量%、水溶性クロム化合物をCr2 O3 換
算で0.1〜5.0重量%、好ましくは0.2〜4.0
重量%、水溶性フッ化物をF-換算で0.01〜0.5
重量%,好ましくは0.02〜0.4重量%,グリコー
ル類又は/及びセルロース類を5〜30重量%、好まし
くは10〜20重量%含み、残部がpH調整剤、添加剤
及び水である。尚、被覆組成物の調製に当たっては、使
用時に全成分を混合・調整して使い切る方式でもよい
が、例えば、金属粉末とグリコール類及びセルロース類
とからなる第1液とクロム化合物、フッ化物及び水とか
らなる第2液とをあらかじめ調製保管しておいて使用時
に第1液と第2液とを混合して所定の組成に調整する方
式とするのも好適である。以下に、具体的な実施例を示
す。
混合状態では、金属粉末10〜50重量%、好ましくは
15〜40重量%、水溶性クロム化合物をCr2 O3 換
算で0.1〜5.0重量%、好ましくは0.2〜4.0
重量%、水溶性フッ化物をF-換算で0.01〜0.5
重量%,好ましくは0.02〜0.4重量%,グリコー
ル類又は/及びセルロース類を5〜30重量%、好まし
くは10〜20重量%含み、残部がpH調整剤、添加剤
及び水である。尚、被覆組成物の調製に当たっては、使
用時に全成分を混合・調整して使い切る方式でもよい
が、例えば、金属粉末とグリコール類及びセルロース類
とからなる第1液とクロム化合物、フッ化物及び水とか
らなる第2液とをあらかじめ調製保管しておいて使用時
に第1液と第2液とを混合して所定の組成に調整する方
式とするのも好適である。以下に、具体的な実施例を示
す。
【0015】実施例1 1〜99重量%亜鉛−1〜99重量%アルミニウム合金
のフレーク状粉末(厚み0.1〜0.3μm、最長部の
平均長さが約1.5μm)を50〜500g/lと、2
g/lの非イオン性界面活性剤{第一工業薬品(株)
製、商品名ノイゲンHC}、残部がポリエチレングリコ
ールからなる混合物を調製した(これを第1液とす
る。)。別に無水クロム酸が1.32〜65.8g/
l、フッ化ナトリウムが0.22〜11.05g/l、
を脱イオン水中に溶解した後、水酸化カルシウムを2.
0重量%添加した水溶液を調製した(これを第2液とす
る。)。第1液と第2液とを1:1の割合で緩やかに撹
拌しながら混合し、予めショットブラスト処理を行った
SPCC鋼板(寸法:70×150×1.2mm厚さ)
にバーコーターで均一膜厚になるように塗布し、その後
熱風循環式加熱炉中で被塗布物であるSPCC鋼板の温
度が300℃に達してから4分間加熱保持し、室温まで
冷却を行った。形成皮膜厚さは1μm(塗布量2.7g
/m2 )であった。また、上記組成の溶液を予めショッ
トブラスト処理を行ったADC12アルミニウムダイカ
スト合金(寸法:70×150×3mm厚さ)にバーコ
ーターで均一膜厚になるように塗布して後、SPCC鋼
板の場合と同様に加熱処理を行い、1μmの皮膜を形成
した。同様に、SPCC鋼板上に純亜鉛粉末、純アルミ
ニウムアトマイズ粉末を用いた被覆層を形成せしめた試
験片を比較例として作成した。この際、第2液中にフッ
化ナトリウムは添加しなかった。このように防食層を形
成した試験片について、腐食促進試験として5重量%塩
化ナトリウム水溶液に硫酸を添加してpH3に調整した
35℃の腐食液に10分間浸漬、50分間乾燥のサイク
ルを1サイクルとして、最長720時間の間欠浸漬試験
を実施し、発錆に至るまでの期間(腐食時間)を評価し
た。その結果を表1に示す。
のフレーク状粉末(厚み0.1〜0.3μm、最長部の
平均長さが約1.5μm)を50〜500g/lと、2
g/lの非イオン性界面活性剤{第一工業薬品(株)
製、商品名ノイゲンHC}、残部がポリエチレングリコ
ールからなる混合物を調製した(これを第1液とす
る。)。別に無水クロム酸が1.32〜65.8g/
l、フッ化ナトリウムが0.22〜11.05g/l、
を脱イオン水中に溶解した後、水酸化カルシウムを2.
0重量%添加した水溶液を調製した(これを第2液とす
る。)。第1液と第2液とを1:1の割合で緩やかに撹
拌しながら混合し、予めショットブラスト処理を行った
SPCC鋼板(寸法:70×150×1.2mm厚さ)
にバーコーターで均一膜厚になるように塗布し、その後
熱風循環式加熱炉中で被塗布物であるSPCC鋼板の温
度が300℃に達してから4分間加熱保持し、室温まで
冷却を行った。形成皮膜厚さは1μm(塗布量2.7g
/m2 )であった。また、上記組成の溶液を予めショッ
トブラスト処理を行ったADC12アルミニウムダイカ
スト合金(寸法:70×150×3mm厚さ)にバーコ
ーターで均一膜厚になるように塗布して後、SPCC鋼
板の場合と同様に加熱処理を行い、1μmの皮膜を形成
した。同様に、SPCC鋼板上に純亜鉛粉末、純アルミ
ニウムアトマイズ粉末を用いた被覆層を形成せしめた試
験片を比較例として作成した。この際、第2液中にフッ
化ナトリウムは添加しなかった。このように防食層を形
成した試験片について、腐食促進試験として5重量%塩
化ナトリウム水溶液に硫酸を添加してpH3に調整した
35℃の腐食液に10分間浸漬、50分間乾燥のサイク
ルを1サイクルとして、最長720時間の間欠浸漬試験
を実施し、発錆に至るまでの期間(腐食時間)を評価し
た。その結果を表1に示す。
【0016】
【0017】 これらの結果から、従来型の亜鉛粉末を適用する比較例
と比べて亜鉛−アルミニウム合金粉末を適用する実施例
では数10倍の防食性が得られることが分かる。又、フ
ッ化物は、クロム化合物に比べて少量の添加量にて防食
性の向上に寄与することが分かる。
と比べて亜鉛−アルミニウム合金粉末を適用する実施例
では数10倍の防食性が得られることが分かる。又、フ
ッ化物は、クロム化合物に比べて少量の添加量にて防食
性の向上に寄与することが分かる。
【0018】実施例2 亜鉛−アルミニウム合金にMg、In、Ga、Sn、B
i、Ca、Mn、Cr、Ti、Y、Ce、Laなどを添
加したフレーク状粉末(厚み0.1〜0.3μm、最長
部の平均長さが約1.5μm)を50〜500g/l
と,2g/lの非イオン性界面活性剤{第一工業薬品
(株)製、商品名ノイゲンHC}、残部がポリエチレン
グリコールからなる混合物を調製した(これを第1液と
する。)。別に無水クロム酸を1.32〜65.8g/
l及びフッ化ナトリウムを2.2g/lを脱イオン水中
に溶解した後、水酸化カルシウムを2.0重量%添加し
た水溶液を作成した(これを第2液とする。)。第1液
と第2液とを1:1の割合で緩やかに撹拌しながら混合
し、予め、ショットブラスト処理を行ったSPCC鋼板
(寸法70×150×1.2mm厚さ)にバーコーター
で均一膜厚になるように塗布し、その後熱風循環式加熱
炉中で被塗布物であるSPCC鋼板の温度が300℃に
達してから4分間加熱し、室温で炉内冷却を行った。形
成皮膜厚さは1μm(塗布量2.7g/m2 )であっ
た。このように防食層を形成した試験片について、腐食
促進試験として塩化ナトリウム5重量%水溶液に硫酸を
添加してpH3に調整した35℃の腐食液に10分間浸
漬、50分間乾燥のサイクルを1サイクルとして、最長
720時間の間欠浸漬試験を実施し、発錆に至るまでの
期間を評価した。 その結果を表2に示す。
i、Ca、Mn、Cr、Ti、Y、Ce、Laなどを添
加したフレーク状粉末(厚み0.1〜0.3μm、最長
部の平均長さが約1.5μm)を50〜500g/l
と,2g/lの非イオン性界面活性剤{第一工業薬品
(株)製、商品名ノイゲンHC}、残部がポリエチレン
グリコールからなる混合物を調製した(これを第1液と
する。)。別に無水クロム酸を1.32〜65.8g/
l及びフッ化ナトリウムを2.2g/lを脱イオン水中
に溶解した後、水酸化カルシウムを2.0重量%添加し
た水溶液を作成した(これを第2液とする。)。第1液
と第2液とを1:1の割合で緩やかに撹拌しながら混合
し、予め、ショットブラスト処理を行ったSPCC鋼板
(寸法70×150×1.2mm厚さ)にバーコーター
で均一膜厚になるように塗布し、その後熱風循環式加熱
炉中で被塗布物であるSPCC鋼板の温度が300℃に
達してから4分間加熱し、室温で炉内冷却を行った。形
成皮膜厚さは1μm(塗布量2.7g/m2 )であっ
た。このように防食層を形成した試験片について、腐食
促進試験として塩化ナトリウム5重量%水溶液に硫酸を
添加してpH3に調整した35℃の腐食液に10分間浸
漬、50分間乾燥のサイクルを1サイクルとして、最長
720時間の間欠浸漬試験を実施し、発錆に至るまでの
期間を評価した。 その結果を表2に示す。
【0019】 腐食時間:促進試験により被防食体が発錆に至る時間
(hrs) フッ化物濃度:全試験でフッ素イオン換算で1g/l
(hrs) フッ化物濃度:全試験でフッ素イオン換算で1g/l
【0020】これらの結果から、鋼材に対して防食性能
が亜鉛−アルミニウム合金粉末において、亜鉛主体であ
っても、又、アルミニウム主体であっても、いずれにお
いても同等であることが示されている。
が亜鉛−アルミニウム合金粉末において、亜鉛主体であ
っても、又、アルミニウム主体であっても、いずれにお
いても同等であることが示されている。
【0021】
【発明の効果】これらの結果からも明らかなように、本
発明による表1の試料番号1〜26及び表2の試料番号
43〜63のものは、いずれの被覆防食層とも鋼材ある
いはアルミニウムダイカスト材に対する防食効果が大で
ある。従って、本発明の金属用防食被覆組成物は、鋼材
やアルミニウム合金製部材の表面に塗布することによっ
て、亜硫酸ガスを含む大気環境及び高濃度塩素イオンを
放出する海塩粒子を含む大気環境において使用しても、
長期間に亘って優れた防食効果を発揮するものである。
発明による表1の試料番号1〜26及び表2の試料番号
43〜63のものは、いずれの被覆防食層とも鋼材ある
いはアルミニウムダイカスト材に対する防食効果が大で
ある。従って、本発明の金属用防食被覆組成物は、鋼材
やアルミニウム合金製部材の表面に塗布することによっ
て、亜硫酸ガスを含む大気環境及び高濃度塩素イオンを
放出する海塩粒子を含む大気環境において使用しても、
長期間に亘って優れた防食効果を発揮するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23F 13/00 C23F 13/00 C
Claims (3)
- 【請求項1】 水1リットルに対して、水溶性クロム化
合物がCr2 O3 換算で2〜100g、水溶性フッ化物
がフッ素イオン換算で0.1〜5g、亜鉛−アルミニウ
ム合金粉末を50〜500g、グリコール類又は/及び
セルロース類を50〜300g含有し、液pHが3.0
〜7.0にあることを特徴とする金属防食用被覆組成
物。 - 【請求項2】 亜鉛−アルミニウム合金粉末が、Zn−
50〜90重量%Al合金であって、下記の元素を以下
の範囲で1種又は2種以上を総量として0.005〜1
0重量%添加してなることを特徴とする請求項1記載の
金属防食用被覆組成物。 Mg:0.1〜5.0重量%、 Mn:0.01〜2.5重量% Cr:0.01〜0.5重量%、 Ti:0.01〜0.2重量% Y :0.005〜0.5重量%、 Ce:0.005〜0.5重量% La:0.005〜0.5重量% In:0.005〜0.1重量%、 Sn:0.01〜0.5重量% Ga:0.005〜0.1重量%、 Bi:0.005〜1.0重量% Ca:0.005〜0.8重量% - 【請求項3】 亜鉛−アルミニウム合金粉末が、Al−
1〜10重量%Zn合金で下記の元素を以下の範囲で1
種又は2種以上を総量として0.005〜10重量%添
加してなることを特徴とする請求項1記載の金属防食用
被覆組成物。 In:0.005〜0.1重量%、 Sn:0.01〜0.5重量% Ga:0.005〜0.1重量%、 Bi:0.005〜1.0重量% Ca:0.005〜0.8重量%
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8104126A JPH09268265A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 金属防食用被覆組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8104126A JPH09268265A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 金属防食用被覆組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09268265A true JPH09268265A (ja) | 1997-10-14 |
Family
ID=14372435
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8104126A Pending JPH09268265A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 金属防食用被覆組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09268265A (ja) |
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1996
- 1996-03-29 JP JP8104126A patent/JPH09268265A/ja active Pending
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