JP3454010B2 - ノンクロム型金属防食用被覆組成物 - Google Patents
ノンクロム型金属防食用被覆組成物Info
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- JP3454010B2 JP3454010B2 JP10412596A JP10412596A JP3454010B2 JP 3454010 B2 JP3454010 B2 JP 3454010B2 JP 10412596 A JP10412596 A JP 10412596A JP 10412596 A JP10412596 A JP 10412596A JP 3454010 B2 JP3454010 B2 JP 3454010B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属材料の表面に防食
能を付与するノンクロム型防食用組成物に関する。
能を付与するノンクロム型防食用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼材、アルミニウム材等の金属は、大
気中などの使用環境にあって、大気中の酸素や水分或い
は水分に含まれる各種のイオンなどによって酸化、腐食
されるため、各種のメッキを施したり、塗料や防錆剤を
塗布してその表面を被覆するなどして保護する必要があ
る。連続した板状や押出し製品に対しては、これらメッ
キや塗装による連続的被覆法が広く用いられているが、
異種金属の部品と組み合わされて使用される複雑形状の
小物製品や、より劣悪な環境のもとで使用される金属物
品、例えば、ボルト・ナット・ワッシャー類、建築用金
物、各種自動車用部品、エアコンカバー、鉄道用レール
クリップなどについては、連続的な工程による皮膜形成
が困難であるため、種々の防錆法が試みられて来てい
る。すなわち、このような金属防食のための被覆用組成
物として種々のものが知られているが、有力な防食法と
して、「無水クロム酸、犠牲陽極作用を有する亜鉛やア
ルミニウムなどの金属粉末、pH調整剤、グリコール類
と水などの溶剤」からなる組成物を、これら、鉄鋼材や
アルミニウム材製品に塗布するなどして、耐食性皮膜上
に犠牲陽極粉末層が形成された二層構造の被覆を形成す
る方法(特公昭52−904号公報、特公昭53−19
293号公報)が提案され、一定の効果を得ている。こ
れらの組成物は、被防食体より腐食電位的に卑である亜
鉛やアルミニウムの有する犠牲陽極効果とクロム化合物
による腐食抑制効果及びクロム化合物による鋼表面の不
動態化効果などによって、鋼表面に優れた防食能を付与
するといわれている。
気中などの使用環境にあって、大気中の酸素や水分或い
は水分に含まれる各種のイオンなどによって酸化、腐食
されるため、各種のメッキを施したり、塗料や防錆剤を
塗布してその表面を被覆するなどして保護する必要があ
る。連続した板状や押出し製品に対しては、これらメッ
キや塗装による連続的被覆法が広く用いられているが、
異種金属の部品と組み合わされて使用される複雑形状の
小物製品や、より劣悪な環境のもとで使用される金属物
品、例えば、ボルト・ナット・ワッシャー類、建築用金
物、各種自動車用部品、エアコンカバー、鉄道用レール
クリップなどについては、連続的な工程による皮膜形成
が困難であるため、種々の防錆法が試みられて来てい
る。すなわち、このような金属防食のための被覆用組成
物として種々のものが知られているが、有力な防食法と
して、「無水クロム酸、犠牲陽極作用を有する亜鉛やア
ルミニウムなどの金属粉末、pH調整剤、グリコール類
と水などの溶剤」からなる組成物を、これら、鉄鋼材や
アルミニウム材製品に塗布するなどして、耐食性皮膜上
に犠牲陽極粉末層が形成された二層構造の被覆を形成す
る方法(特公昭52−904号公報、特公昭53−19
293号公報)が提案され、一定の効果を得ている。こ
れらの組成物は、被防食体より腐食電位的に卑である亜
鉛やアルミニウムの有する犠牲陽極効果とクロム化合物
による腐食抑制効果及びクロム化合物による鋼表面の不
動態化効果などによって、鋼表面に優れた防食能を付与
するといわれている。
【0003】しかしながら、これらの亜鉛粉末とクロム
化合物を含む組成物による鋼材などの表面の防食皮膜
は、亜硫酸ガスや海塩粒子或いは凍結防止剤としての食
塩粒子などを多く含む環境下で短期的には比較的優れた
防食能を発揮するものの、犠牲陽極作用による消耗以外
に自己腐食作用による消耗も著しいため、やがて著しい
発錆を見るようになり、長期的には防食能を維持できな
い。特に、亜硫酸ガスを多く含む環境下ではこのような
防食皮膜の消耗が大きく、温泉地のような元来亜硫酸ガ
スの多い特定の地域のみならず、近年、産業活動の活発
化やモータリゼーションの普及によって、工場地帯、交
通渋滞地域や冬場に暖房用燃料の使用の多い寒冷地等で
その大気中の亜硫酸ガスの濃度の高い地域が広がりつつ
あることから、より効果的な防食皮膜がが望まれる。ま
た、アルミニウム粉末を主体とする組成物による同様の
防食皮膜は、アルミニウム粉末がアトマイズ法によるた
めその製造過程で金属粉末表面に厚い熱酸化皮膜が生成
し、この酸化皮膜の保護作用のため却ってアルミニウム
の溶解を妨害する結果、犠牲陽極効果を発揮することが
できず、素地金属に発錆することが明らかとなった。そ
していずれにおいても、水溶性クロム化合物を使用して
いるため、大気中で使用される場合、表面が結露した
り、雨水などで濡れることにより、使用環境中にクロム
イオンが溶出してくるため、人体に有害な6価クロムに
よる汚染が生じて公害対策上の問題となったり、あるい
はまた、製造工場においても処理液の廃液処理費の増大
という大きな問題を有している。
化合物を含む組成物による鋼材などの表面の防食皮膜
は、亜硫酸ガスや海塩粒子或いは凍結防止剤としての食
塩粒子などを多く含む環境下で短期的には比較的優れた
防食能を発揮するものの、犠牲陽極作用による消耗以外
に自己腐食作用による消耗も著しいため、やがて著しい
発錆を見るようになり、長期的には防食能を維持できな
い。特に、亜硫酸ガスを多く含む環境下ではこのような
防食皮膜の消耗が大きく、温泉地のような元来亜硫酸ガ
スの多い特定の地域のみならず、近年、産業活動の活発
化やモータリゼーションの普及によって、工場地帯、交
通渋滞地域や冬場に暖房用燃料の使用の多い寒冷地等で
その大気中の亜硫酸ガスの濃度の高い地域が広がりつつ
あることから、より効果的な防食皮膜がが望まれる。ま
た、アルミニウム粉末を主体とする組成物による同様の
防食皮膜は、アルミニウム粉末がアトマイズ法によるた
めその製造過程で金属粉末表面に厚い熱酸化皮膜が生成
し、この酸化皮膜の保護作用のため却ってアルミニウム
の溶解を妨害する結果、犠牲陽極効果を発揮することが
できず、素地金属に発錆することが明らかとなった。そ
していずれにおいても、水溶性クロム化合物を使用して
いるため、大気中で使用される場合、表面が結露した
り、雨水などで濡れることにより、使用環境中にクロム
イオンが溶出してくるため、人体に有害な6価クロムに
よる汚染が生じて公害対策上の問題となったり、あるい
はまた、製造工場においても処理液の廃液処理費の増大
という大きな問題を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、このよ
うな問題を解消すべく鋭意研究を重ねた結果、海塩粒子
の多い環境や硫黄化合物の多い環境のような腐食性の条
件の異なる幅広い環境においても防食効果を発揮でき、
クロムフリーで使用環境の汚染を引き起こすことのない
金属防食用組成物を見い出して本発明に至ったものであ
る。
うな問題を解消すべく鋭意研究を重ねた結果、海塩粒子
の多い環境や硫黄化合物の多い環境のような腐食性の条
件の異なる幅広い環境においても防食効果を発揮でき、
クロムフリーで使用環境の汚染を引き起こすことのない
金属防食用組成物を見い出して本発明に至ったものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、その目的を達
成するため、従来の6価クロムに替えてバナジウム化合
物を使用し、亜鉛粉末、アルミニウム粉末または亜鉛−
アルミニウム合金粉末のいずれか種または2種以上の組
合せ及び皮膜形成助剤としてフッ酸または水溶性フッ化
物を用いることにより基材表面に対する防食皮膜の密着
性を向上するものであり、具体的には、金属防食用被覆
組成物を、水1リットルに対して、バナジウム化合物が
金属V換算で1〜10g、水溶性フッ化物がフッ素イオ
ン換算で0.1〜5g、亜鉛粉末、アルミニウム粉末、
又は亜鉛−アルミニウム合金粉末のいずれか1種はこれ
ら2種以上の混合粉末を50〜500g、グリコール類
又は/及びセルロース類を50〜300g含有し、液p
Hを3.0〜7.0とすることを特徴とするものであ
る。
成するため、従来の6価クロムに替えてバナジウム化合
物を使用し、亜鉛粉末、アルミニウム粉末または亜鉛−
アルミニウム合金粉末のいずれか種または2種以上の組
合せ及び皮膜形成助剤としてフッ酸または水溶性フッ化
物を用いることにより基材表面に対する防食皮膜の密着
性を向上するものであり、具体的には、金属防食用被覆
組成物を、水1リットルに対して、バナジウム化合物が
金属V換算で1〜10g、水溶性フッ化物がフッ素イオ
ン換算で0.1〜5g、亜鉛粉末、アルミニウム粉末、
又は亜鉛−アルミニウム合金粉末のいずれか1種はこれ
ら2種以上の混合粉末を50〜500g、グリコール類
又は/及びセルロース類を50〜300g含有し、液p
Hを3.0〜7.0とすることを特徴とするものであ
る。
【0006】本発明の防食被覆組成物中に含まれるバナ
ジウム化合物は、金属が水と反応して水和酸化物となる
ことを抑制し、金属基材の耐食性を向上させる。また、
亜鉛、アルミニウム及びこれらの合金粉末との間に充填
されて金属基材との密着性に寄与する。このバナジウム
化合物の作用は、クロム化合物に匹敵し、しかも有害な
水溶性の溶出物を生じることがない。また、他の主成分
である、亜鉛、アルミニウム及びその合金粉末は金属基
材に対して、バナジウム化合物に結合されてその表面を
密に覆う皮膜となって直接大気に接触しないよう遮断
し、同時に犠牲陽極作用を有して、防食作用に大きく寄
与する。ここで粉末とは適宜の球状粒子やフレーク状粉
末のいずれでもよいが、特に、フレーク状粉末状態であ
ると、フレークが層状に積層して密に金属基材状を覆う
ためその遮断効果が大きい。
ジウム化合物は、金属が水と反応して水和酸化物となる
ことを抑制し、金属基材の耐食性を向上させる。また、
亜鉛、アルミニウム及びこれらの合金粉末との間に充填
されて金属基材との密着性に寄与する。このバナジウム
化合物の作用は、クロム化合物に匹敵し、しかも有害な
水溶性の溶出物を生じることがない。また、他の主成分
である、亜鉛、アルミニウム及びその合金粉末は金属基
材に対して、バナジウム化合物に結合されてその表面を
密に覆う皮膜となって直接大気に接触しないよう遮断
し、同時に犠牲陽極作用を有して、防食作用に大きく寄
与する。ここで粉末とは適宜の球状粒子やフレーク状粉
末のいずれでもよいが、特に、フレーク状粉末状態であ
ると、フレークが層状に積層して密に金属基材状を覆う
ためその遮断効果が大きい。
【0007】亜鉛及びアルミニウム粉末それぞれの単独
あるいは混合粉末でもよいが、亜鉛−アルミニウム合金
粉末とすると一層その防食効果を発揮することができ
る。このような合金化によって、純アルミニウム粉末に
おけるような犠牲陽極作用を阻害する厚い酸化皮膜によ
る保護作用を制御し、亜鉛粉末の数倍〜十数倍といわれ
る優れた犠牲陽極効果を発揮せしめることができる。こ
のようにして、これらの金属または合金粉末は、金属素
地に腐食要因となる電解質が到達すると犠牲陽極として
作用し、防食作用を発揮するものである。これら亜鉛−
アルミニウム合金粉末を使用する場合、所要の犠牲陽極
作用と防食作用期間とを考慮して、亜鉛及びアルミニウ
ムをそれぞれ1〜99重量%の範囲で選定すればよい。
尚、亜鉛粉末とアルミニウム粉末とを混合して使用した
場合には、生成皮膜が白色化して亜鉛粉末側が優先して
犠牲陽極効果を発揮するように作用する。
あるいは混合粉末でもよいが、亜鉛−アルミニウム合金
粉末とすると一層その防食効果を発揮することができ
る。このような合金化によって、純アルミニウム粉末に
おけるような犠牲陽極作用を阻害する厚い酸化皮膜によ
る保護作用を制御し、亜鉛粉末の数倍〜十数倍といわれ
る優れた犠牲陽極効果を発揮せしめることができる。こ
のようにして、これらの金属または合金粉末は、金属素
地に腐食要因となる電解質が到達すると犠牲陽極として
作用し、防食作用を発揮するものである。これら亜鉛−
アルミニウム合金粉末を使用する場合、所要の犠牲陽極
作用と防食作用期間とを考慮して、亜鉛及びアルミニウ
ムをそれぞれ1〜99重量%の範囲で選定すればよい。
尚、亜鉛粉末とアルミニウム粉末とを混合して使用した
場合には、生成皮膜が白色化して亜鉛粉末側が優先して
犠牲陽極効果を発揮するように作用する。
【0008】亜鉛粉末の場合、純亜鉛及び1〜99重量
%のアルミニウムを含む合金として用いることができる
が、アルミニウムが50%以上の合金の場合は亜鉛の選
択的溶解が生じて消耗し、長期の防食作用を持続できな
くなるため、各種の合金元素を添加してそのカソード反
応を抑制することが望ましい。これらの粉末の粒径は通
常、分散性から40μm以下とすることが好ましい。こ
れ以上の大きさとなると、沈降して分離しやすくなり、
金属基材への均一な皮膜形成が困難となる。
%のアルミニウムを含む合金として用いることができる
が、アルミニウムが50%以上の合金の場合は亜鉛の選
択的溶解が生じて消耗し、長期の防食作用を持続できな
くなるため、各種の合金元素を添加してそのカソード反
応を抑制することが望ましい。これらの粉末の粒径は通
常、分散性から40μm以下とすることが好ましい。こ
れ以上の大きさとなると、沈降して分離しやすくなり、
金属基材への均一な皮膜形成が困難となる。
【0009】すなわち、Zn−50〜90重量%Al合
金の場合、腐食性環境下において亜鉛の選択的溶解が生
じて犠牲陽極としての寿命が短くなるが、次のような合
金元素の1種又は2種以上を個別的には以下の組成範囲
で、又、総量として0.005〜10重量%添加するこ
とによって、このようなカソード反応を抑制して長期間
に亘る防食作用を持続させることができる。 Mg:0.1〜5.0重量%、 望ましくは0.5〜
3.0重量% Mn:0.01〜2.5重量%、 望ましくは0.05
〜2.2重量% Cr:0.01〜0.5重量%、 望ましくは0.03
〜0.35重量% Ti:0.01〜0.2重量%、 望ましくは0.01
〜0.2重量% Y :0.005〜0.5重量%、望ましくは0.01
〜0.3重量% Ce:0.005〜0.5重量%、望ましくは0.01
〜0.3重量% La:0.005〜0.5重量%、望ましくは0.01
〜0.3重量% In:0.005〜0.1重量%、望ましくは0.01
〜0.05重量% Ga:0.005〜0.1重量%、望ましくは0.01
〜0.05重量% Sn:0.01〜0.5重量%、 望ましくは0.02
〜0.35重量% Bi:0.005〜1.0重量%、望ましくは0.01
〜0.8重量% Ca:0.005〜0.8重量%、望ましくは0.01
〜0.6重量% いずれもこれらの下限値以下ではその効果が小さく、上
限値以上ではその効果が飽和するのみでなく、却って合
金粉末の自己腐食を促進する結果となって好ましくな
い。
金の場合、腐食性環境下において亜鉛の選択的溶解が生
じて犠牲陽極としての寿命が短くなるが、次のような合
金元素の1種又は2種以上を個別的には以下の組成範囲
で、又、総量として0.005〜10重量%添加するこ
とによって、このようなカソード反応を抑制して長期間
に亘る防食作用を持続させることができる。 Mg:0.1〜5.0重量%、 望ましくは0.5〜
3.0重量% Mn:0.01〜2.5重量%、 望ましくは0.05
〜2.2重量% Cr:0.01〜0.5重量%、 望ましくは0.03
〜0.35重量% Ti:0.01〜0.2重量%、 望ましくは0.01
〜0.2重量% Y :0.005〜0.5重量%、望ましくは0.01
〜0.3重量% Ce:0.005〜0.5重量%、望ましくは0.01
〜0.3重量% La:0.005〜0.5重量%、望ましくは0.01
〜0.3重量% In:0.005〜0.1重量%、望ましくは0.01
〜0.05重量% Ga:0.005〜0.1重量%、望ましくは0.01
〜0.05重量% Sn:0.01〜0.5重量%、 望ましくは0.02
〜0.35重量% Bi:0.005〜1.0重量%、望ましくは0.01
〜0.8重量% Ca:0.005〜0.8重量%、望ましくは0.01
〜0.6重量% いずれもこれらの下限値以下ではその効果が小さく、上
限値以上ではその効果が飽和するのみでなく、却って合
金粉末の自己腐食を促進する結果となって好ましくな
い。
【0010】更に、この場合のMg、Mn、Cr、T
i、Y、Ce、Laの作用及び影響については、以下の
通りである。マグネシウムは、合金粉末自体の自然電位
を卑に移行させ、被防食体との電位差を大きくして合金
粉末の犠牲陽極効果を有効に発揮させると共に、海塩粒
子の存在下での粉末自体の耐食性を向上させる。上限値
以上ではその効果が飽和するのみでなく、却って合金を
溶製して粉末化する際にマグネシウム酸化物によるスラ
ッジが多くなり、望ましくない。マンガンは合金粉末の
カソード反応を抑制するため、犠牲陽極としての性能を
保ちつつ、粉末自体の溶け出し速度が遅くなり、被防食
体に対する防食能を持続する効果を有する。また、鉄系
の金属間化合物を無害化する効果を有するため合金粉末
の自己腐食を軽減する。下限値以下ではその効果が小さ
く、上限値以上ではその効果が飽和するばかりでなく、
金属間化合物の析出が起こり却って犠牲陽極効果を低く
させる。クロム及びチタンは合金粉末のカソード反応を
抑制するため、犠牲陽極としての性能を保ちつつ、粉末
自体の溶出速度が遅くなり、被防食体に対する防食能を
持続する効果を有する。また、鉄系の金属間化合物を無
害化する効果を有するため合金粉末の自己腐食を軽減す
る。下限値以下ではその効果が小さく、上限値以上では
その効果が飽和するばかりでなく、巨大金属間化合物の
析出が起こり却って自己腐食が増大する。イットリウ
ム、セリウム及びランタンは合金粉末中の結晶密度を緻
密にし、また、その塩化物は腐食抑制作用を有するた
め、合金粉末の耐食性を向上させる。
i、Y、Ce、Laの作用及び影響については、以下の
通りである。マグネシウムは、合金粉末自体の自然電位
を卑に移行させ、被防食体との電位差を大きくして合金
粉末の犠牲陽極効果を有効に発揮させると共に、海塩粒
子の存在下での粉末自体の耐食性を向上させる。上限値
以上ではその効果が飽和するのみでなく、却って合金を
溶製して粉末化する際にマグネシウム酸化物によるスラ
ッジが多くなり、望ましくない。マンガンは合金粉末の
カソード反応を抑制するため、犠牲陽極としての性能を
保ちつつ、粉末自体の溶け出し速度が遅くなり、被防食
体に対する防食能を持続する効果を有する。また、鉄系
の金属間化合物を無害化する効果を有するため合金粉末
の自己腐食を軽減する。下限値以下ではその効果が小さ
く、上限値以上ではその効果が飽和するばかりでなく、
金属間化合物の析出が起こり却って犠牲陽極効果を低く
させる。クロム及びチタンは合金粉末のカソード反応を
抑制するため、犠牲陽極としての性能を保ちつつ、粉末
自体の溶出速度が遅くなり、被防食体に対する防食能を
持続する効果を有する。また、鉄系の金属間化合物を無
害化する効果を有するため合金粉末の自己腐食を軽減す
る。下限値以下ではその効果が小さく、上限値以上では
その効果が飽和するばかりでなく、巨大金属間化合物の
析出が起こり却って自己腐食が増大する。イットリウ
ム、セリウム及びランタンは合金粉末中の結晶密度を緻
密にし、また、その塩化物は腐食抑制作用を有するた
め、合金粉末の耐食性を向上させる。
【0011】また、アルミニウム主体のAl−1〜10
重量%Zn合金の場合には、アルミニウム合金の表面に
生成して犠牲陽極作用を阻害する酸化皮膜の生成を防止
することから以下の低融点金属の添加が特に有効であっ
て、その各々の添加量の範囲は以下のとおりであり、そ
の添加総量は0.005〜10重量%とする。 In:0.005〜0.1重量%、望ましくは、0.0
1〜0.05重量% Ga:0.005〜0.1重量%、望ましくは、0.0
1〜0.05重量% Sn:0.01〜0.5重量%、 望ましくは、0.0
2〜0.35重量% Bi:0.005〜1.0重量%、望ましくは、0.0
1〜0.8重量% Ca:0.005〜0.8重量%、望ましくは、0.0
1〜0.6重量% いずれもこれらの下限値以下ではその効果が小さく、上
記範囲にあるときにはアトマイズ法で調製しても酸化皮
膜のない粉末が得られると共に粉末自体の孔食電位が十
分に卑なレベル、例えば−1000〜−1100mV
vs SCE(3.5%NaCl水溶液)レベルに達
し、又、上限値以上ではその効果が飽和するのみでな
く、却って合金粉末の自己腐食を促進する結果となって
好ましくない。尚、これらの合金元素は、前述のZn−
50〜90%Al合金に添加する場合にも、同様な効果
を発揮するものである。これらの添加粉末の中、亜鉛及
びZn−50〜90%Al合金粉末を添加したものは、
鉄製、アルミニウム製のいずれの製品にも好適であり、
Al−1〜10%Zn合金粉末を添加するものは、鉄製
品に適用されるとき好適な効果が得られる。犠牲陽極粉
末の配合量は、50〜500g/l、好ましくは100
〜400g/lであり、配合量の多少によって、皮膜の
膜厚や付着性にも影響があり、環境の遮断効果や犠牲陽
極効果を確保する上から下限値以上とする必要がある
が、上限値以上としても格別それに見合った効果を発揮
しない。
重量%Zn合金の場合には、アルミニウム合金の表面に
生成して犠牲陽極作用を阻害する酸化皮膜の生成を防止
することから以下の低融点金属の添加が特に有効であっ
て、その各々の添加量の範囲は以下のとおりであり、そ
の添加総量は0.005〜10重量%とする。 In:0.005〜0.1重量%、望ましくは、0.0
1〜0.05重量% Ga:0.005〜0.1重量%、望ましくは、0.0
1〜0.05重量% Sn:0.01〜0.5重量%、 望ましくは、0.0
2〜0.35重量% Bi:0.005〜1.0重量%、望ましくは、0.0
1〜0.8重量% Ca:0.005〜0.8重量%、望ましくは、0.0
1〜0.6重量% いずれもこれらの下限値以下ではその効果が小さく、上
記範囲にあるときにはアトマイズ法で調製しても酸化皮
膜のない粉末が得られると共に粉末自体の孔食電位が十
分に卑なレベル、例えば−1000〜−1100mV
vs SCE(3.5%NaCl水溶液)レベルに達
し、又、上限値以上ではその効果が飽和するのみでな
く、却って合金粉末の自己腐食を促進する結果となって
好ましくない。尚、これらの合金元素は、前述のZn−
50〜90%Al合金に添加する場合にも、同様な効果
を発揮するものである。これらの添加粉末の中、亜鉛及
びZn−50〜90%Al合金粉末を添加したものは、
鉄製、アルミニウム製のいずれの製品にも好適であり、
Al−1〜10%Zn合金粉末を添加するものは、鉄製
品に適用されるとき好適な効果が得られる。犠牲陽極粉
末の配合量は、50〜500g/l、好ましくは100
〜400g/lであり、配合量の多少によって、皮膜の
膜厚や付着性にも影響があり、環境の遮断効果や犠牲陽
極効果を確保する上から下限値以上とする必要がある
が、上限値以上としても格別それに見合った効果を発揮
しない。
【0012】バナジウム化合物は、金属粉末の結合材と
なって金属基体表面に金属粉末を含む被覆層を形成し、
防食作用を呈する密着性に優れた皮膜を金属表面に形成
する成分である。該結合層はある程度の導電性を有し、
又、バナジン酸イオンが腐食抑制作用を有する。使用可
能なバナジウム化合物は、オキシ塩化バナジル、塩化バ
ナジル、バナジン酸カリウム、バナジン酸ナトリウム、
バナジン酸カリウム或いは過酸化水素水で溶解させた五
酸化バナジウム等を使用することもできる。また、金属
バナジウムを硝酸、フッ酸などの酸液に溶解し、過剰の
酸を揮散させたものでもよい。本発明の金属防食用被覆
組成物中のバナジウム化合物の量は、金属V換算で1〜
10g/l、好ましくは2〜8g/l含有する。バナジ
ウム化合物の含有量が1g/lより少ないと金属粉末の
結合材としての作用が十分現れず、形成された皮膜の密
着性、耐食性が不十分である。バナジウム化合物の添加
作用は、10g/l程度で飽和し、それ以上添加しても
増量に見合った効果は得られない。
なって金属基体表面に金属粉末を含む被覆層を形成し、
防食作用を呈する密着性に優れた皮膜を金属表面に形成
する成分である。該結合層はある程度の導電性を有し、
又、バナジン酸イオンが腐食抑制作用を有する。使用可
能なバナジウム化合物は、オキシ塩化バナジル、塩化バ
ナジル、バナジン酸カリウム、バナジン酸ナトリウム、
バナジン酸カリウム或いは過酸化水素水で溶解させた五
酸化バナジウム等を使用することもできる。また、金属
バナジウムを硝酸、フッ酸などの酸液に溶解し、過剰の
酸を揮散させたものでもよい。本発明の金属防食用被覆
組成物中のバナジウム化合物の量は、金属V換算で1〜
10g/l、好ましくは2〜8g/l含有する。バナジ
ウム化合物の含有量が1g/lより少ないと金属粉末の
結合材としての作用が十分現れず、形成された皮膜の密
着性、耐食性が不十分である。バナジウム化合物の添加
作用は、10g/l程度で飽和し、それ以上添加しても
増量に見合った効果は得られない。
【0013】皮膜形成助剤として含まれる水溶性フッ化
物は、基材表面をエッチングすることによって該防食皮
膜の密着性を向上させると共に、基材金属及び防食金属
粉末とバナジウム化合物との反応生成物を主体とする皮
膜を形成してこれにより、良好な耐食性を付与する作用
を呈する。その詳細なメカニズムは不明であるが、水溶
性フッ化物がバナジウム化合物と協働的に基体金属に作
用すると共に、初期段階で被覆防食金属紛に軽度の溶解
作用を与え、基材との密着性向上に寄与すると推察され
る。また、基材金属に薄く緻密なフッ化物皮膜の形成が
起こると考えられる。使用可能な水溶性フッ化物として
フッ酸、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ケ
イ素酸等がある。フッ化物に由来するF- イオンは、
0.1〜5g/lとするのが適当で、0.1g/l未満
であると、基材金属表面のエッチング作用、不動態化作
用等が不足し、被覆金属層との密着性の向上あるいは耐
食性の向上が見られず、逆に5g/lを越えると金属表
面がエッチング過剰になり防食被覆金属層の均一性が損
なわれるため、0.5〜4g/lの範囲がより好まし
い。
物は、基材表面をエッチングすることによって該防食皮
膜の密着性を向上させると共に、基材金属及び防食金属
粉末とバナジウム化合物との反応生成物を主体とする皮
膜を形成してこれにより、良好な耐食性を付与する作用
を呈する。その詳細なメカニズムは不明であるが、水溶
性フッ化物がバナジウム化合物と協働的に基体金属に作
用すると共に、初期段階で被覆防食金属紛に軽度の溶解
作用を与え、基材との密着性向上に寄与すると推察され
る。また、基材金属に薄く緻密なフッ化物皮膜の形成が
起こると考えられる。使用可能な水溶性フッ化物として
フッ酸、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化ケ
イ素酸等がある。フッ化物に由来するF- イオンは、
0.1〜5g/lとするのが適当で、0.1g/l未満
であると、基材金属表面のエッチング作用、不動態化作
用等が不足し、被覆金属層との密着性の向上あるいは耐
食性の向上が見られず、逆に5g/lを越えると金属表
面がエッチング過剰になり防食被覆金属層の均一性が損
なわれるため、0.5〜4g/lの範囲がより好まし
い。
【0014】本発明の組成において、犠牲陽極粉末の分
散剤並びに液の増粘剤として作用するグリコール類は、
具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、
ポリエチレングリコール等が適用され、ポリビニルアル
コールやジアセトンアルコールも同等に適用できる。ま
た、セルロース類としては、カルボキシメチルセルロー
スのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、ヒド
ロキシエチルセルロース等が適用される。それらのグリ
コール類及びセルロース類は、1種または2種以上組合
せて総量として50〜300g/l,好ましくは100
〜250g/lの配合量とされる。50g/l未満では
添加効果が不十分であり、300g/l以上添加すると
生成皮膜の硬化が不十分となり耐久性が劣化するので好
ましくない。
散剤並びに液の増粘剤として作用するグリコール類は、
具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、
ポリエチレングリコール等が適用され、ポリビニルアル
コールやジアセトンアルコールも同等に適用できる。ま
た、セルロース類としては、カルボキシメチルセルロー
スのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、ヒド
ロキシエチルセルロース等が適用される。それらのグリ
コール類及びセルロース類は、1種または2種以上組合
せて総量として50〜300g/l,好ましくは100
〜250g/lの配合量とされる。50g/l未満では
添加効果が不十分であり、300g/l以上添加すると
生成皮膜の硬化が不十分となり耐久性が劣化するので好
ましくない。
【0015】本発明において使用されるpH調整剤は混
合物のpHを3.0〜7.0の間に調整し、金属粉末と
液中の酸類が急激に反応して防食皮膜の密着性や均一性
が阻害されるのを防止するために使用されるもので、慣
用的にはカルシウム、マグネシウム及び亜鉛の酸化物及
び水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の水酸化物から
選ばれる。バナジウム化合物及びフッ化物の含有量から
決定される液のpHが強酸性でない場合には使用しなく
てもよい。これらの物質は、本発明の組成物が金属基体
表面に塗布されて加熱され、被覆膜を形成する途上にお
いて徐々に揮発して溶剤の沸騰的揮発を防止して均一な
防食被覆層の形成を容易にする。
合物のpHを3.0〜7.0の間に調整し、金属粉末と
液中の酸類が急激に反応して防食皮膜の密着性や均一性
が阻害されるのを防止するために使用されるもので、慣
用的にはカルシウム、マグネシウム及び亜鉛の酸化物及
び水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の水酸化物から
選ばれる。バナジウム化合物及びフッ化物の含有量から
決定される液のpHが強酸性でない場合には使用しなく
てもよい。これらの物質は、本発明の組成物が金属基体
表面に塗布されて加熱され、被覆膜を形成する途上にお
いて徐々に揮発して溶剤の沸騰的揮発を防止して均一な
防食被覆層の形成を容易にする。
【0016】また、金属粉末入り皮膜の形成される際の
均一分散性を確保するため、適宜の界面活性剤を配合す
ることもできる。界面活性剤としてはアルキルベンゼン
スルフォン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテル
スルフォン酸等のアニオン系界面活性剤が使用される。
これらの金属防食用組成物を調製する際、金属粉末とフ
ッ化物とが当初接触して反応するのを避けるため、金属
粉末をグリコール類に混合した第1液とバナジウム化合
物、フッ化物及び水との第2液を調製して保管後、これ
らを使用時に混合・攪拌して調製する方式が好ましい。
金属表面に対する塗布量は、乾燥固形物基準で1g/m
2 以上、好ましくは1.4〜5g/m2 の皮膜が形成さ
れる量に設定される。塗布手段としては、被処理材の製
品形状に応じて、ロール塗り、刷毛塗り、浸漬法及びス
プレー法等が使用される。
均一分散性を確保するため、適宜の界面活性剤を配合す
ることもできる。界面活性剤としてはアルキルベンゼン
スルフォン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテル
スルフォン酸等のアニオン系界面活性剤が使用される。
これらの金属防食用組成物を調製する際、金属粉末とフ
ッ化物とが当初接触して反応するのを避けるため、金属
粉末をグリコール類に混合した第1液とバナジウム化合
物、フッ化物及び水との第2液を調製して保管後、これ
らを使用時に混合・攪拌して調製する方式が好ましい。
金属表面に対する塗布量は、乾燥固形物基準で1g/m
2 以上、好ましくは1.4〜5g/m2 の皮膜が形成さ
れる量に設定される。塗布手段としては、被処理材の製
品形状に応じて、ロール塗り、刷毛塗り、浸漬法及びス
プレー法等が使用される。
【0017】該防食被覆組成物が塗布された金属表面
は、温度60〜350℃、好ましくは80〜320℃の
温度範囲に3秒〜30分間保持することによって乾燥す
る。この温度範囲で乾燥温度を高く設定すると、短時間
で乾燥を完了させることができる。例えば、280℃以
上の高温では3〜30秒の短い乾燥時間で良い。乾燥後
の金属表面に、防食皮膜が形成される。防食皮膜の付着
量は、耐食性、耐久性等について所与の特性を得る上か
ら、1g/m2 以上であることが好ましい。付着量が1
g/m2 以下であると、金属表面に十分な防食性が付与
されない。また、金属表面に対する密着性も低下する。
は、温度60〜350℃、好ましくは80〜320℃の
温度範囲に3秒〜30分間保持することによって乾燥す
る。この温度範囲で乾燥温度を高く設定すると、短時間
で乾燥を完了させることができる。例えば、280℃以
上の高温では3〜30秒の短い乾燥時間で良い。乾燥後
の金属表面に、防食皮膜が形成される。防食皮膜の付着
量は、耐食性、耐久性等について所与の特性を得る上か
ら、1g/m2 以上であることが好ましい。付着量が1
g/m2 以下であると、金属表面に十分な防食性が付与
されない。また、金属表面に対する密着性も低下する。
【0018】
【実施の態様】本発明のノンクロム型金属防食用被覆組
成物は素地金属に対する長期防食作用を目的とするもの
であるから、以下のような耐食性評価試験を行い、その
防食性能を評価した。従来の金属防食用被覆組成物にお
ける技術的問題点は、前述のように水溶性クロム酸化合
物による環境汚染のほかに、長期耐食性に劣ること、特
に亜硫酸ガスを多く含む環境、例えば冬期の暖房により
亜硫酸ガス濃度の増加する寒冷地、大気中亜硫酸ガスの
多い温泉地、工場排出ガスや自動車からの排ガスに起因
する大気汚染物質の滞留の著しい工業地等での耐食性の
低下である。そこで、促進腐食試験方法として、35℃
の硫酸酸性(pH3)5%NaCl水溶液に10分間浸
漬して後、50分間室温乾燥するサイクルを1サイクル
とする食塩水交互浸漬試験を以下の実施例及び比較例に
ついて実施した。そして金属基材に起因する腐食生成物
の発生する期間を調査した。
成物は素地金属に対する長期防食作用を目的とするもの
であるから、以下のような耐食性評価試験を行い、その
防食性能を評価した。従来の金属防食用被覆組成物にお
ける技術的問題点は、前述のように水溶性クロム酸化合
物による環境汚染のほかに、長期耐食性に劣ること、特
に亜硫酸ガスを多く含む環境、例えば冬期の暖房により
亜硫酸ガス濃度の増加する寒冷地、大気中亜硫酸ガスの
多い温泉地、工場排出ガスや自動車からの排ガスに起因
する大気汚染物質の滞留の著しい工業地等での耐食性の
低下である。そこで、促進腐食試験方法として、35℃
の硫酸酸性(pH3)5%NaCl水溶液に10分間浸
漬して後、50分間室温乾燥するサイクルを1サイクル
とする食塩水交互浸漬試験を以下の実施例及び比較例に
ついて実施した。そして金属基材に起因する腐食生成物
の発生する期間を調査した。
【0019】実施例1
金属亜鉛フレーク(厚み0.1〜0.3μm、最長部の
平均長さが約1.5μm)60重量部を、平均分子量#
400のポリエチレングリコールに分散させて全量を1
00重量部とする(これを第1液とする)。別に23.
0g/lのバナジン酸アンモニウムと2.2g/lのフ
ッ酸を脱イオン水に溶解した液を用意する(これを第2
液とする)。第1液を、第2液中に攪拌・混合した。こ
の溶液中ではバナジウム化合物濃度はバナジン換算で
0.5重量%、又、フッ化物濃度はフッ素換算で0.1
重量%となる。該組成中に添加されたポリエチレングリ
コールが非イオン性界面活性剤の作用を合わせ持つこと
から界面活性剤は敢えて添加しなかった。また、該組成
液中のpHは4を呈したため、pH調整剤は使用しなか
った。耐水研磨紙で#600まで研磨した後、アセトン
脱脂した厚さ1mmの鋼板(SPCC)にバーコーター
で、形成皮膜が1μmの均一膜厚になるように該混合溶
液を塗布した。その後、電気加熱式熱風循環炉中で28
0℃に達してから同温度で3分間加熱してから、室温で
放置した。同様に亜鉛粉末に替えて、ほぼ同一形状のフ
レーク体であるアルミニウム粉末、亜鉛粉末70%:ア
ルミニウム粉末30%の混合比を有する粉末、亜鉛−ア
ルミニウム合金{(1〜99%亜鉛)残部はアルミニウ
ム}粉末、及び亜鉛−アルミニウム基合金にMg、I
n、Sn、Bi、Ca、Mn、Cr、Yi、Y、Ce、
Laなどを添加した合金粉末を使用した場合について、
同様の処理を施して、これらの金属・合金粉末の耐食性
に与える影響について上記促進腐食試験によって調査を
実施した。供試した粉末合金組成と耐食試験結果を表1
に示す。併せて比較例として、金属亜鉛フレーク60重
量部をノニオン系界面活性剤を加えたジエチレングリコ
ールに分散して100重量部とした第1液と、5%無水
クロム酸と1.72%の酸化カルシウムを添加した第2
液を混合した従来法であるクロム化合物を含む防食被覆
組成物を塗布したSPCC材の耐食性評価試験結果を併
記した。
平均長さが約1.5μm)60重量部を、平均分子量#
400のポリエチレングリコールに分散させて全量を1
00重量部とする(これを第1液とする)。別に23.
0g/lのバナジン酸アンモニウムと2.2g/lのフ
ッ酸を脱イオン水に溶解した液を用意する(これを第2
液とする)。第1液を、第2液中に攪拌・混合した。こ
の溶液中ではバナジウム化合物濃度はバナジン換算で
0.5重量%、又、フッ化物濃度はフッ素換算で0.1
重量%となる。該組成中に添加されたポリエチレングリ
コールが非イオン性界面活性剤の作用を合わせ持つこと
から界面活性剤は敢えて添加しなかった。また、該組成
液中のpHは4を呈したため、pH調整剤は使用しなか
った。耐水研磨紙で#600まで研磨した後、アセトン
脱脂した厚さ1mmの鋼板(SPCC)にバーコーター
で、形成皮膜が1μmの均一膜厚になるように該混合溶
液を塗布した。その後、電気加熱式熱風循環炉中で28
0℃に達してから同温度で3分間加熱してから、室温で
放置した。同様に亜鉛粉末に替えて、ほぼ同一形状のフ
レーク体であるアルミニウム粉末、亜鉛粉末70%:ア
ルミニウム粉末30%の混合比を有する粉末、亜鉛−ア
ルミニウム合金{(1〜99%亜鉛)残部はアルミニウ
ム}粉末、及び亜鉛−アルミニウム基合金にMg、I
n、Sn、Bi、Ca、Mn、Cr、Yi、Y、Ce、
Laなどを添加した合金粉末を使用した場合について、
同様の処理を施して、これらの金属・合金粉末の耐食性
に与える影響について上記促進腐食試験によって調査を
実施した。供試した粉末合金組成と耐食試験結果を表1
に示す。併せて比較例として、金属亜鉛フレーク60重
量部をノニオン系界面活性剤を加えたジエチレングリコ
ールに分散して100重量部とした第1液と、5%無水
クロム酸と1.72%の酸化カルシウムを添加した第2
液を混合した従来法であるクロム化合物を含む防食被覆
組成物を塗布したSPCC材の耐食性評価試験結果を併
記した。
【0020】
【0021】
【0022】表1の試験番号1〜3に示されるように、
比較例と同一粉末を使用しても、バナジン酸アンモニウ
ムとフッ酸が添加された場合には、クロム化合物と同等
以上の耐食性を有することが分かる。また、アルミニウ
ム−亜鉛合金化することによって試験番号4〜44に示
されるようにSPCC材の赤錆発生に至るまでの時間が
著しく延長され、優れた腐食抑制効果が発揮されること
が確認された。
比較例と同一粉末を使用しても、バナジン酸アンモニウ
ムとフッ酸が添加された場合には、クロム化合物と同等
以上の耐食性を有することが分かる。また、アルミニウ
ム−亜鉛合金化することによって試験番号4〜44に示
されるようにSPCC材の赤錆発生に至るまでの時間が
著しく延長され、優れた腐食抑制効果が発揮されること
が確認された。
【0023】実施例2
バナジン酸塩、フッ酸を含有する防食用組成物は、表1
から見ても基材に対する防食能が優れた皮膜を形成する
ことが分かる。ここではバナジウム塩濃度、フッ酸濃度
が防食能に与える影響を調査した。実施例1の方法と同
様な方法でSPCC鋼材に防食被覆を形成した。すなわ
ち、1%Al−99%Zn合金のフレーク(厚み0.1
〜0.3μm、最長部の平均長さが約1.5μm)60
重量部を、0.3重量部のノニオン系界面活性剤(ノイ
ゲンHC:第一工業薬品)を添加したプロピレングリコ
ールに分散させて全量を100重量部とする(これを第
1液とする。)。別に、バナジン酸アンモニウム添加量
0.5、1、10、15g/lの4種、あるいは5g/
lの五酸化バナジウム(いずれもV換算値)、及び金属
バナジウムを硝酸で溶解し、10g/lの濃度に調整し
たもの、更に0.5g/l、1g/l,5g/l及び1
0g/lのフッ酸、2g/lのフッ化ナトリウム、2g
/lのフッ化カリウム(いずれもF換算値)を脱イオン
水に溶解した液に酸化カルシウムを加え、pHを4に調
整した液を用意する(これを第2液とする。)。第1液
を、第2液中に攪拌・混合して得られた混合液を、耐水
研磨紙で#600まで研磨した後、アセトン脱脂した厚
さ1mmの鋼板(SPCC)にバーコーターで形成皮膜
が1μmの均一膜厚になるように塗布した。その後、電
気加熱式熱風循環炉中で280℃に達してから同温度で
3分間加熱保持して後、室温で放置した。なお、五酸化
バナジウムを使用したものは、五酸化バナジウムが水に
難溶性であり、そのままでは使用できないが、希過酸化
水素水に溶解することを利用し、第2液の一部を調製し
た。すなわち、五酸化バナジウムを水に懸濁させた後、
30%過酸化水素溶液を加え、常温で攪拌することによ
り溶解させた。このようにして調製された液はpH1.
9で橙色を呈していた。供試した防食組成物液組成とS
PCC材に対する耐食試験結果を表2に示す。
から見ても基材に対する防食能が優れた皮膜を形成する
ことが分かる。ここではバナジウム塩濃度、フッ酸濃度
が防食能に与える影響を調査した。実施例1の方法と同
様な方法でSPCC鋼材に防食被覆を形成した。すなわ
ち、1%Al−99%Zn合金のフレーク(厚み0.1
〜0.3μm、最長部の平均長さが約1.5μm)60
重量部を、0.3重量部のノニオン系界面活性剤(ノイ
ゲンHC:第一工業薬品)を添加したプロピレングリコ
ールに分散させて全量を100重量部とする(これを第
1液とする。)。別に、バナジン酸アンモニウム添加量
0.5、1、10、15g/lの4種、あるいは5g/
lの五酸化バナジウム(いずれもV換算値)、及び金属
バナジウムを硝酸で溶解し、10g/lの濃度に調整し
たもの、更に0.5g/l、1g/l,5g/l及び1
0g/lのフッ酸、2g/lのフッ化ナトリウム、2g
/lのフッ化カリウム(いずれもF換算値)を脱イオン
水に溶解した液に酸化カルシウムを加え、pHを4に調
整した液を用意する(これを第2液とする。)。第1液
を、第2液中に攪拌・混合して得られた混合液を、耐水
研磨紙で#600まで研磨した後、アセトン脱脂した厚
さ1mmの鋼板(SPCC)にバーコーターで形成皮膜
が1μmの均一膜厚になるように塗布した。その後、電
気加熱式熱風循環炉中で280℃に達してから同温度で
3分間加熱保持して後、室温で放置した。なお、五酸化
バナジウムを使用したものは、五酸化バナジウムが水に
難溶性であり、そのままでは使用できないが、希過酸化
水素水に溶解することを利用し、第2液の一部を調製し
た。すなわち、五酸化バナジウムを水に懸濁させた後、
30%過酸化水素溶液を加え、常温で攪拌することによ
り溶解させた。このようにして調製された液はpH1.
9で橙色を呈していた。供試した防食組成物液組成とS
PCC材に対する耐食試験結果を表2に示す。
【0024】
(注)腐食時間:硫酸酸性食塩水交互浸漬試験による錆
発生までの時間(hrs)
発生までの時間(hrs)
【0025】表2の試験番号48〜51に示されるよう
に、V含有量及びフッ素含有量の上限値、下限値の組成
であっても、表1の水溶性クロム化合物を使用した比較
例である試験番号45〜47よりも優れた基材防食能を
示すことが明らかである。また、他のバナジウム塩を用
いた試験番号52〜57も、バナジン酸アンモニウムを
用いた場合と遜色ない防食能を示す。試験番号58〜6
3に示されるバナジウム化合物、フッ化物濃度範囲から
外れた組成では、例えアルミニウム−亜鉛合金粉末を使
用したとしても、著しい防食能改善効果が認められな
い。表1及び表2のデータから、アルミニウム−亜鉛合
金粉末、バナジウム化合物及びフッ化物を含有する防食
用組成物がSPCC鋼材に対して優れた防食皮膜を形成
することが分かる。
に、V含有量及びフッ素含有量の上限値、下限値の組成
であっても、表1の水溶性クロム化合物を使用した比較
例である試験番号45〜47よりも優れた基材防食能を
示すことが明らかである。また、他のバナジウム塩を用
いた試験番号52〜57も、バナジン酸アンモニウムを
用いた場合と遜色ない防食能を示す。試験番号58〜6
3に示されるバナジウム化合物、フッ化物濃度範囲から
外れた組成では、例えアルミニウム−亜鉛合金粉末を使
用したとしても、著しい防食能改善効果が認められな
い。表1及び表2のデータから、アルミニウム−亜鉛合
金粉末、バナジウム化合物及びフッ化物を含有する防食
用組成物がSPCC鋼材に対して優れた防食皮膜を形成
することが分かる。
【0026】実施例3
以下では、該防食用組成物皮膜が代表的なステンレス鋼
材料であるSUS304及びアルミニウムダイカスト合
金中で最も耐食性の劣る汎用合金のひとつであるADC
12合金の防食能改善にどのように寄与するか調査し
た。金属フレーク(厚み0.1〜0.3μm、最長部の
平均長さが約1.5μm)60重量部を平均分子量#4
00のポリエチレングリコールに分散させて全量を10
0重量部とする(これを第1液とする。)。別に23.
0g/lのバナジン酸アンモニウムと2.2g/lのフ
ッ酸を脱イオン水に溶解した溶液を用意する(これを第
2液とする。)。第1液を、第2液中に攪拌・混合し、
バナジウム化合物濃度が金属V換算で0.5重量%、フ
ッ化物濃度がフッ素換算で0.1重量%となるようにし
た。該組成中に添加されたポリエチレングリコールが非
イオン性界面活性剤の作用を合わせ持つことから界面活
性剤は敢えて添加しなかった。また、該組成液のpHは
4を呈したため、pH調製剤を使用しなかった。耐水研
磨紙で#600まで研磨した後、アセトン脱脂した厚さ
1mmのステンレス鋼(SUS304)、並びに3mm
厚さのアルミニウムダイカスト合金(ADC12)基材
にバーコーターで、形成皮膜が1μmの均一厚さになる
ように該混合溶液を塗布した。その後、電気加熱式熱風
循環炉で280℃に達してから同温度で3分間加熱保持
して後、室温で放冷した。同様に亜鉛−アルミニウム合
金粉末及び亜鉛−アルミニウム基合金にMg、Inなど
を添加した合金粉末を使用した場合について、それぞれ
同様の処理を施して金属・合金粉末成分の耐食性に与え
る影響について前記促進腐食試験によって調査を実施し
た。その結果を表3に示す。
材料であるSUS304及びアルミニウムダイカスト合
金中で最も耐食性の劣る汎用合金のひとつであるADC
12合金の防食能改善にどのように寄与するか調査し
た。金属フレーク(厚み0.1〜0.3μm、最長部の
平均長さが約1.5μm)60重量部を平均分子量#4
00のポリエチレングリコールに分散させて全量を10
0重量部とする(これを第1液とする。)。別に23.
0g/lのバナジン酸アンモニウムと2.2g/lのフ
ッ酸を脱イオン水に溶解した溶液を用意する(これを第
2液とする。)。第1液を、第2液中に攪拌・混合し、
バナジウム化合物濃度が金属V換算で0.5重量%、フ
ッ化物濃度がフッ素換算で0.1重量%となるようにし
た。該組成中に添加されたポリエチレングリコールが非
イオン性界面活性剤の作用を合わせ持つことから界面活
性剤は敢えて添加しなかった。また、該組成液のpHは
4を呈したため、pH調製剤を使用しなかった。耐水研
磨紙で#600まで研磨した後、アセトン脱脂した厚さ
1mmのステンレス鋼(SUS304)、並びに3mm
厚さのアルミニウムダイカスト合金(ADC12)基材
にバーコーターで、形成皮膜が1μmの均一厚さになる
ように該混合溶液を塗布した。その後、電気加熱式熱風
循環炉で280℃に達してから同温度で3分間加熱保持
して後、室温で放冷した。同様に亜鉛−アルミニウム合
金粉末及び亜鉛−アルミニウム基合金にMg、Inなど
を添加した合金粉末を使用した場合について、それぞれ
同様の処理を施して金属・合金粉末成分の耐食性に与え
る影響について前記促進腐食試験によって調査を実施し
た。その結果を表3に示す。
【0027】
腐食時間:促進腐食試験による腐食生成物発生時間(h
rs)
rs)
【0028】表3の試験番号65〜70に示されるよう
に、比較例の試験番号71〜72に比較して、該防食被
覆によりその腐食生成物発生までの時間は長くなり、著
しい防食能の向上が認められる。なお、この試験条件で
は、ステンレス鋼材SUS304及びアルミニウムダイ
カスト合金のADC12合金の無処理材は極めて短期間
に発錆する。そして、従来型のクロム化合物を含む防食
処理の場合は、SPCC鋼材に対する場合と比較して発
錆までの期間が長くなるが、これはこれらの基材の耐食
性がSPCC鋼材に比して良好なためと推察されるが、
バナジウム化合物とフッ化物を含む防食被覆には及ばな
い。
に、比較例の試験番号71〜72に比較して、該防食被
覆によりその腐食生成物発生までの時間は長くなり、著
しい防食能の向上が認められる。なお、この試験条件で
は、ステンレス鋼材SUS304及びアルミニウムダイ
カスト合金のADC12合金の無処理材は極めて短期間
に発錆する。そして、従来型のクロム化合物を含む防食
処理の場合は、SPCC鋼材に対する場合と比較して発
錆までの期間が長くなるが、これはこれらの基材の耐食
性がSPCC鋼材に比して良好なためと推察されるが、
バナジウム化合物とフッ化物を含む防食被覆には及ばな
い。
【0029】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、クロム化合物に替わって使用するバナジウム化合物
は皮膜形成後は不溶性で使用環境に溶出することがない
ため環境に悪影響を及ぼすことがなく、また、クロム化
合物を使用しないため、六価クロムに関する廃液処理の
問題がなく、廃液処理コストの低減が可能である。更
に、亜鉛粉末、アルミニウム粉末及び亜鉛−アルミニウ
ム合金粉末を使用環境及び適用対象金属基材に応じて単
独あるいは組合せて適用することにより、亜流酸ガスや
海塩粒子の多い環境下において優れた防食能を発揮する
ことができる。
ば、クロム化合物に替わって使用するバナジウム化合物
は皮膜形成後は不溶性で使用環境に溶出することがない
ため環境に悪影響を及ぼすことがなく、また、クロム化
合物を使用しないため、六価クロムに関する廃液処理の
問題がなく、廃液処理コストの低減が可能である。更
に、亜鉛粉末、アルミニウム粉末及び亜鉛−アルミニウ
ム合金粉末を使用環境及び適用対象金属基材に応じて単
独あるいは組合せて適用することにより、亜流酸ガスや
海塩粒子の多い環境下において優れた防食能を発揮する
ことができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
C23F 13/00 C23F 13/00 C
(56)参考文献 特開 平10−116527(JP,A)
特開 昭58−129070(JP,A)
特開 昭60−235868(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C09D 5/00
Claims (3)
- 【請求項1】 水1リットルに対して、バナジウム化合
物が金属V換算で1〜10g、水溶性フッ化物がフッ素
イオン換算で0.1〜5g、亜鉛粉末、アルミニウム粉
末、及びこれらの合金粉末のいずれか単独又はこれら2
以上の混合粉末を50〜500g、グリコール類又は/
及びセルロース類を50〜300g含有し、液pHが
3.0〜7.0にあることを特徴とするノンクロム型金
属防食用被覆組成物。 - 【請求項2】 亜鉛粉末が、Zn−50〜90%重量A
l合金であって、下記の元素を以下の範囲で1種又は2
種以上を総量として0.005〜10重量%添加してな
ることを特徴とする請求項1記載のノンクロム型金属防
食用被覆組成物。 Mg:0.1〜5.0重量%、 Mn:0.01〜2.5重量% Cr:0.01〜0.5重量%、 Ti:0.01〜0.2重量% Y :0.005〜0.5重量%、 Ce:0.005〜0.5重量% La:0.005〜0.5重量%、 In:0.005〜0.1重量%、 Sn:0.01〜0.5重量% Ga:0.005〜0.1重量%、 Bi:0.005〜1.0重量% Ca:0.005〜0.8重量%。 - 【請求項3】 アルミニウム粉末が、Al−1〜10重
量%Zn合金で以下の元素を下記の範囲で1種又は2種
以上を総量として0.005〜10重量%添加してなる
ことを特徴とする請求項1記載のノンクロム型金属防食
用被覆組成物。 In:0.005〜0.1重量%、 Sn:0.01〜0.5重量% Ga:0.005〜0.1重量%、 Bi:0.005〜1.0重量% Ca:0.005〜0.8重量%。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10412596A JP3454010B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | ノンクロム型金属防食用被覆組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10412596A JP3454010B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | ノンクロム型金属防食用被覆組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09268264A JPH09268264A (ja) | 1997-10-14 |
JP3454010B2 true JP3454010B2 (ja) | 2003-10-06 |
Family
ID=14372408
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10412596A Expired - Fee Related JP3454010B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | ノンクロム型金属防食用被覆組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3454010B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999042639A1 (fr) * | 1998-02-18 | 1999-08-26 | Nippon Steel Corporation | Matiere de revetement anticorrosif et procede de protection antirouille |
US6613390B2 (en) * | 2000-12-19 | 2003-09-02 | United Technologies Corporation | Compound, non-chromium conversion coatings for aluminum alloys |
US20040206266A1 (en) | 2001-02-14 | 2004-10-21 | Metal Coatings International Inc. | Particulate metal alloy coating for providing corrosion protection |
US7678184B2 (en) | 2001-02-14 | 2010-03-16 | Metal Coatings International Inc. | Particulate metal alloy coating for providing corrosion protection |
WO2005116148A1 (ja) * | 2004-05-31 | 2005-12-08 | Nippon Steel Corporation | 耐食性および防錆性に優れた鋼材用塗料 |
JP4923614B2 (ja) * | 2006-02-22 | 2012-04-25 | Jfeスチール株式会社 | 船舶用耐食鋼材 |
-
1996
- 1996-03-29 JP JP10412596A patent/JP3454010B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09268264A (ja) | 1997-10-14 |
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