JPH1160617A - 直鎖状低密度ポリエチレンの製造方法 - Google Patents

直鎖状低密度ポリエチレンの製造方法

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JPH1160617A
JPH1160617A JP22985997A JP22985997A JPH1160617A JP H1160617 A JPH1160617 A JP H1160617A JP 22985997 A JP22985997 A JP 22985997A JP 22985997 A JP22985997 A JP 22985997A JP H1160617 A JPH1160617 A JP H1160617A
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saturated aliphatic
fluidized bed
aliphatic hydrocarbon
linear low
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Application number
JP22985997A
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English (en)
Inventor
Takahiro Mamiyouda
隆 裕 間明田
Teruhisa Kojima
島 輝 久 小
Mamoru Takahashi
橋 守 高
Ryoichi Yamamoto
本 良 一 山
Kenji Doi
居 賢 治 土
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】組成分布および分子量分布が狭く、ベタツキが
少なく、フィルム材料として好適な特性を有する直鎖状
低密度ポリエチレンを製造する。 【解決手段】流動層反応器内を流通する重合モノマーを
含むガス流によって流動状態に保持された流動層におい
て、触媒の存在下に重合モノマーとしてのエチレンと炭
素数4〜10のオレフィンとを共重合させるに際して、
炭素数2〜10の飽和脂肪族炭化水素を上記流動層にガ
ス状で導入し、該ガス状飽和脂肪族炭化水素の共存下に
上記共重合を行なう。上記反応器から排出されるガス
は、該ガス中の飽和脂肪族炭化水素が液化しない条件下
に冷却して反応器に循環させる。この排出ガスは、飽和
脂肪族炭化水素を0.8〜80モル%の量で含有してい
ることが好ましい。メタロセン触媒が好ましく用いられ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、気相重合法による直鎖状
低密度ポリエチレンの製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリエチレンのうちでもエチレン
と1-ブテンなどの炭素数4以上のα−オレフィンとの共
重合体であって、密度が約0.925g/cm3 より小さ
い直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)から形成さ
れるフィルムは、ヒートシール性に優れ、柔軟でかつ強
靱であり、耐水性、耐湿性、耐薬品性に優れており、し
かも安価であるなどの諸特性に優れており、従来よりフ
ィルム成形用材料として広く利用されている。
【0003】上記のようなLLDPEは、エチレンとα
−オレフィンとを一般的にチーグラー触媒の存在下、低
圧下に共重合させることにより製造されている。この重
合は通常溶液重合、スラリー重合などの液相重合法によ
って実施されているが、この重合を気相重合法で行う
と、重合後にポリマーは粒子状で得られ、重合溶液から
の粒子析出あるいは粒子分離などの工程が不要となって
製造プロセスを簡略化することができるので、近年気相
重合法によるLLDPEの製造が盛んに研究されてい
る。
【0004】ところで上記のようなLLDPEは、その
分子量分布および組成分布が狭いとベタツキの少ないな
ど優れた特性を有するフィルムを得ることができる。本
発明者もLLDPEを気相重合法によって製造する方法
について研究したところ、気相反応系流動層で行なわれ
るエチレンとα−オレフィンとの共重合を、ガス状飽和
脂肪族炭化水素の共存下に行なうと、分子量分布および
組成分布が狭く、優れた物性を有するLLDPEが得ら
れるという効果があることを見出して本発明を完成する
に至った。
【0005】なお従来オレフィンの気相重合において、
流動層反応器内に飽和脂肪族炭化水素を液状で導入して
その蒸発潜熱により重合熱を除熱する方法は知られてお
り、このように液状で導入された飽和脂肪族炭化水素
は、反応器内で気化することによって反応熱を除去しう
ることは知られていた。
【0006】
【発明の目的】本発明は、組成分布および分子量分布が
狭く、このためベタツキが少なく、フィルム材料として
好適な特性を有する直鎖状低密度ポリエチレンを得るこ
とができるような直鎖状低密度ポリエチレンの製造方法
を提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る直鎖状低密度ポリエチレン
の製造方法は、流動層反応器内を流通する重合モノマー
を含むガス流によって触媒を含む固体粒子が流動状態に
保持された流動層において、触媒の存在下に重合モノマ
ーとしてのエチレンと炭素数4〜10のオレフィンとを
気相で共重合させるに際して、炭素数2〜10の飽和脂
肪族炭化水素を上記流動層にガス状で導入し、該ガス状
飽和脂肪族炭化水素の共存下に上記共重合を行なうこと
を特徴としている。
【0008】本発明では、上記流動層反応器から排出さ
れる未反応重合モノマーおよび飽和脂肪族炭化水素を含
むガスを、該排出ガス中に含まれる飽和脂肪族炭化水素
が液化しない条件で冷却し、冷却されたガスを流動層反
応器に循環することが好ましい。
【0009】上記流動層反応器から排出されるガスは、
前記飽和脂肪族炭化水素を0.8〜80モル%の量で含
有していることが好ましい。本発明では、上記触媒とし
て、[A]周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属のメ
タロセン化合物、および[B](B-1) 有機アルミニウム
オキシ化合物、(B-2) 有機アルミニウム化合物、および
(B-3) 該メタロセン化合物[A]と反応してイオン対を
形成しうる化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物
を含む触媒を用いることが好ましい。
【0010】本発明では、密度0.865〜0.925g
/cm3 の直鎖状低密度ポリエチレンポリエチレンを得る
ことができる。
【0011】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る直鎖状低密度
ポリエチレンの製造方法について具体的に説明する。
【0012】なお本発明において、「重合」という語は
単独重合のみならず共重合を包含した意味で用いられる
ことがあり、また「重合体」という語は単独重合体のみ
ならず、共重合体を包含した意味で用いられることがあ
る。
【0013】本発明では、流動層反応器内を流通する重
合モノマーを含むガス流によって触媒を含む固体粒子が
流動状態に保持された流動層において、触媒の存在下に
重合モノマーとしてのエチレンと炭素数4〜10のオレ
フィンとを気相で共重合させて直鎖状低密度ポリエチレ
ンを製造するに際して、炭素数2〜10の飽和脂肪族炭
化水素を上記流動層にガス状で導入し、該ガス状飽和脂
肪族炭化水素の共存下に上記共重合を行なうことを特徴
としている。
【0014】ここで本発明を、図1を参照しながら具体
的に説明する。流動層反応器1内において、触媒をライ
ン2から供給し、またライン9から供給されたガス状重
合モノマーおよび炭素数2〜10のガス状飽和脂肪族炭
化水素を、反応器下部の供給口3から反応器下部に設け
られた多孔板などの分散板7から流動層5へ吹き込み、
反応器上部のライン4から排出させることにより反応器
内を流通させて、このガス流(流動化ガス)によって固
体粒子(固体触媒および生成ポリマー)を流動状態に保
持することにより流動層(反応系)5が形成される。
【0015】このような流動層5において、エチレンと
炭素数4〜10のオレフィンとの共重合により生成した
ポリマー(直鎖状低密度ポリエチレン)は、反応器下部
からライン6を介して連続的または断続的に抜き出され
る。
【0016】一方反応器1からライン4を介して排出さ
れるガスは、未反応重合モノマーおよび飽和脂肪族炭化
水素などを含有しており、通常、冷却された後循環ガス
としてライン11から供給口3を介して反応器1に循環
される。
【0017】上記のように供給口3からは重合モノマー
および循環ガスからなる流動化ガスが反応器1に導入さ
れ、該ガスにより流動層5を流動状態に保持することが
できるような流量で流通されるが、具体的に供給口3か
ら導入されるガス量は、流動層の最小流動化速度をUmf
とするとき、約3Umf〜50Umf程度、好ましくは約5
mf〜30Umf程度の流量であることが望ましい。流動
層5を機械的に攪拌することもでき、たとえばイカリ型
攪拌機、スクリュウ型攪拌機、リボン型攪拌機など種々
の型式の攪拌機を用いて攪拌することができる。
【0018】本発明では、上記のように流動状態に保持
された流動層5において、反応器内に供給された重合モ
ノマーすなわちエチレンと炭素数4〜10のオレフィン
とを共重合させている。
【0019】本発明において、エチレンと共重合させる
炭素数4〜10のオレフィンとしては、具体的に1-ブテ
ン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1
-オクテン、1-デセンなどのα−オレフィンが挙げられ
る。これらのうちでも、炭素数5〜8のα−オレフィン
が特に好ましく用いられる。これらを2種以上組合わせ
て共重合させることもできる。
【0020】反応器に供給されるエチレンと炭素数4〜
10のオレフィンとは、目的とする直鎖状低密度ポリエ
チレンによっても異なるが、通常エチレン1モルに対し
てオレフィン0.015〜0.15モル好ましくは0.0
2〜0.08モルの量で供給される。
【0021】また本発明では、エチレンとα−オレフィ
ンとともに必要に応じてポリエン類などを共重合させて
もよく、たとえばブタジエン、イソプレンなどの共役ジ
エン類、1,4-ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5-
ビニル-2-ノルボルネンなどの非共役ジエン類を共重合
させることができる。
【0022】本発明では、上記共重合は、炭素数2〜1
0のガス状飽和脂肪族炭化水素の共存下に行なわれる。
炭素数2〜10の飽和脂肪族炭化水素としては、具体的
にたとえばエタン、プロパン、n-ブタン、i-ブタン、n-
ペンタン、i-ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ノナン、デカン、2,2-ジメチルプロパン、2,2-ジメ
チルブタン、2,3-ジメチルブタン、2,2,3-トリメチルブ
タン、2-メチルペンタン、3-メチルペンタン、2,2-ジメ
チルペンタン、3,3-ジメチルペンタン、2,3-ジメチルペ
ンタン、2,4-ジメチルペンタン、2-メチルヘキサン、3-
メチルヘキサン、4-メチルヘキサン、2,3-ジメチルヘキ
サン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロ
ペンタン、ジメチルシクロペンタンなどが挙げられる。
これらを組み合わせて用いることもできる。
【0023】上記のような炭素数2〜10の飽和脂肪族
炭化水素は非重合性の炭化水素であり、一旦反応器内に
供給されると重合で消耗することがなく、ライン4を介
して反応器から排出されるガス中に含まれる飽和脂肪族
炭化水素は循環ガスとして反応器に循環される。
【0024】この飽和脂肪族炭化水素は流動層にガス状
で導入され、反応器1の供給口3にもガス状で導入され
ることが好ましいが、供給口3から導入される飽和脂肪
族炭化水素は、流動層5においてガス状で存在すること
ができればよく、たとえば供給口3からはミストなどの
状態で導入されてもよい。
【0025】またガス状飽和脂肪族炭化水素は、上記の
ように通常重合モノマーとともにライン9から供給口3
を介して反応器1に導入されるが、反応器の任意の場所
から供給することができ、たとえば触媒供給口2からガ
ス状で直接流動層に供給してもよい。
【0026】本発明では、上記飽和脂肪族炭化水素は流
動層5にガス状で導入されるが、具体的にはこの飽和脂
肪族炭化水素は流動層反応器から排出されるガス中に
0.8〜80モル%好ましくは1.5〜60モル%の量で
含まれるように導入されることが望ましい。
【0027】より具体的には、上記排出ガス中に含まれ
るこの飽和脂肪族炭化水素量は、通常その炭素数によっ
て異なることが好ましく、炭素数2の飽和脂肪族炭化水
素(エタン)は10〜80モル%好ましくは15〜60
モル%の量で、炭素数3の飽和脂肪族炭化水素(プロパ
ン)は5〜60モル%好ましくは8〜40モル%の量
で、炭素数4の飽和脂肪族炭化水素(n-ブタン、i-ブタ
ン)は3〜40モル%好ましくは5〜15モル%の量
で、炭素数5の飽和脂肪族炭化水素(n-ペンタン、i-ペ
ンタン)は2〜30モル%好ましくは3.5〜20モル
%の量で、炭素数6の飽和脂肪族炭化水素(n-ヘキサ
ン、2-メチルペンタン、3-メチルペンタン、シクロヘキ
サン)は1.5〜20モル%好ましくは2.5〜15モル
%の量で、炭素数7の飽和脂肪族炭化水素(n-ヘプタ
ン、2-メチルヘキサン、3-メチルヘキサン、4-メチルヘ
キサン、メチルシクロヘキサン)は1.0〜15モル%
好ましくは2〜10モル%の量で、炭素数8〜10の飽
和脂肪族炭化水素は0.8〜10モル%好ましくは1.5
〜7モル%の量で排出ガス中に含まれていることが望ま
しい。
【0028】流動層5において、上記のように炭素数2
〜10の飽和脂肪族炭化水素をガス状で導入して行われ
るエチレンと炭素数4〜10のオレフィンとの共重合
は、共重合されるオレフィンの種類および割合、飽和脂
肪族炭化水素の割合、流動層の流動状態などによっても
異なるが、通常重合圧力が1〜100kg/cm2好ましく
は2〜40kg/cm2の条件下、重合温度は流動化ガスの
露点以上の温度であって通常20〜130℃好ましくは
50〜120℃より好ましくは70〜110℃で行なわ
れることが望ましい。
【0029】重合を、反応条件を変えて2段以上に分け
て行なうこともできる。また上記共重合は、必要に応じ
て水素などの分子量調節剤の存在下に行なうこともで
き、反応器1の任意の場所、たとえばライン9から供給
することができる。
【0030】上記のような反応系流動層から排出される
ガスすなわち反応器上部のライン4から排出されるガス
は、未反応重合モノマーおよび飽和脂肪族炭化水素など
を含有している。
【0031】反応器から排出されたガスは、通常、熱交
換器8に導かれて冷却され、重合熱が除去された後、循
環ガスとして供給口3から反応器1に循環される。この
際循環ガス中の飽和脂肪族炭化水素は、冷却しても液化
しないような量で反応器に循環される。このように排出
ガスを反応器に循環させる際には、排出ガスの一部をた
とえばライン10からパージしてもよい。
【0032】本発明では、得られる直鎖状低密度ポリエ
チレンの分子量は、重合温度などの重合条件を変更する
ことにより調節することもできるし、水素(分子量調節
剤)の使用量を制御することにより調節することもでき
る。
【0033】上記のように飽和脂肪族炭化水素をガス状
で流動層に導入して、エチレンと炭素数4〜10のオレ
フィンとを共重合させると、組成分布が狭く、かつ分子
量分布が狭く、諸物性に優れた直鎖状低密度ポリエチレ
ンを得ることができる。
【0034】本発明では、上記のような共重合を、チー
グラー型チタン触媒、フィリップ型酸化クロム触媒など
のエチレン重合用触媒として公知の触媒を広く用いて行
なうことができるが、このような触媒のうちでも特にメ
タロセン系触媒を用いることが望ましい。具体的に本発
明において好ましく用いられるメタロセン系触媒は、た
とえば[A]周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属の
メタロセン化合物、および[B](B-1) 有機アルミニウ
ムオキシ化合物、(B-2) 有機アルミニウム化合物、およ
び(B-3) メタロセン化合物[A]と反応してイオン対を
形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を
含んでなる。
【0035】周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属の
メタロセン化合物[A]は、具体的に、次式(i) で示さ
れる。 MLx …(i) (式中、MはZr、Ti、Hf、V、Nb、TaおよびCrか
ら選ばれる遷移金属であり、Lは遷移金属に配位する配
位子であり、少なくとも1個のLはシクロペンタジエニ
ル骨格を有する配位子であり、シクロペンタジエニル骨
格を有する配位子以外のLは、水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリ
ーロキシ基、トリアルキルシリル基またはSO3R基
(ここでRはハロゲンなどの置換基を有していてもよい
炭素数1〜8の炭化水素基)であり、xは遷移金属の原
子価である。) シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては、た
とえば、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタ
ジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメ
チルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペン
タジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、
エチルシクロペンタジエニル基、メチルエチルシクロペ
ンタジエニル基、プロピルシクロペンタジエニル基、メ
チルプロピルシクロペンタジエニル基、ブチルシクロペ
ンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル
基、ヘキシルシクロペンタジエニル基などのアルキル置
換シクロペンタジエニル基あるいはインデニル基、4,5,
6,7-テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などを
例示することができる。これらの基は、ハロゲン原子、
トリアルキルシリル基などで置換されていてもよい。
【0036】これらの中では、アルキル置換シクロペン
タジエニル基が特に好ましい。シクロペンタジエニル骨
格を有する配位子以外の配位子として、具体的にハロゲ
ンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げら
れ、炭素数1〜12の炭化水素基としては、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基など
のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基な
どのシクロアルキル基、フェニル基、トリル基などのア
リール基、ベンジル基、ネオフィル基などのアラルキル
基などが挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられ、アリーロ
キシ基としては、フェノキシ基などが挙げられ、SO3
R基としては、p-トルエンスルホナト基、メタンスルホ
ナト基、トリフルオロメタンスルホナト基などが挙げら
れる。
【0037】上記一般式で表される化合物がシクロペン
タジエニル骨格を有する基を2個以上含む場合には、そ
のうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する基同士
は、エチレン、プロピレンなどのアルキレン基、イソプ
ロピリデン、ジフェニルメチレンなどの置換アルキレン
基、シリレン基またはジメチルシリレン基、ジフェニル
シリレン基、メチルフェニルシリレン基などの置換シリ
レン基などを介して結合されていてもよい。
【0038】このようなシクロペンタジエニル骨格を有
する配位子を含むメタロセン化合物は、たとえば遷移金
属の原子価が4である場合、より具体的には下記式(ii)
で示される。
【0039】R2 k3 l4 m5 nM …(ii) (式中、Mは上記遷移金属であり、R2はシクロペンタ
ジエニル骨格を有する基(配位子)であり、R3、R4
よびR5はシクロペンタジエニル骨格を有する基または
上記したような他の基であり、kは1以上の整数であ
り、k+l+m+n=4である。) 本発明ではこの式R2 k3 l4 m5 nMにおいて、R2
3、R4およびR5のうち少なくとも2個すなわちR2
よびR3が、シクロペンタジエニル骨格を有する基(配
位子)であるメタロセン化合物が好ましく用いられる。
これらのシクロペンタジエニル骨格を有する基は、アル
キレン基、置換アルキレン基、シリレン基または置換シ
リレン基などを介して結合されていてもよい。
【0040】上記のようなメタロセン化合物としては、
具体的にMがジルコニウムであるとき、ビス(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(シク
ロペンタジエニル)メチルジルコニウムモノクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)エチルジルコニウムモノ
クロリド、ビス(シクロペンタジエニル)シクロヘキシ
ルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエ
ニル)フェニルジルコニウムモノクロリド、ビス(シク
ロペンタジエニル)ベンジルジルコニウムモノクロリ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノク
ロリドモノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)メチルジルコニウムモノハイドライド、ビス(シク
ロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(シク
ロペンタジエニル)ジフェニルジルコニウム、ビス(シ
クロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメトキシクロリ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキ
シクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムビス(メタンスルホナト)、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムビス(p-トルエンスルホナト)、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフ
ルオロメタンスルホナト)、ビス(メチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキ
シクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビ
ス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(メチルエチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(プロピルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルプロピル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(メチルブチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(メチルブチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、ビス
(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ビス(ペンタメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ヘキシル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、ビ
ス(インデニル)ジルコニウムビス(p-トルエンスルホ
ナト)、ビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(フルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウ
ムジブロミド、エチレンビス(インデニル)ジメチルジ
ルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジフェニルジ
ルコニウム、エチレンビス(インデニル)メチルジルコ
ニウムモノクロリド、エチレンビス(インデニル)ジル
コニウムビス(メタンスルホナト)、エチレンビス(イ
ンデニル)ジルコニウムビス(p-トルエンスルホナ
ト)、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス
(トリフルオロメタンスルホナト)、エチレンビス(4,
5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-フルオ
レニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン
(シクロペンタジエニル-メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(ジメチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレンビス(トリメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス
(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリ
レンビス(2-メチルインデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレンビス(2-メチル,4-イソプロピル
インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレ
ンビス(2,4,7-トリメチルインデニル)ジルコニウムジ
クロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコ
ニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ジメチ
ルシリレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペン
タジエニル-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、ジフェニルシリレンビス(2-メチル,4-イソ
プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェ
ニルシリレンビス(2,4,7-トリメチルインデニル)ジル
コニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス(イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0041】なお上記例示において、シクロペンタジエ
ニル環の二置換体は1,2-および1,3-置換体を含み、三置
換体は1,2,3-および1,2,4-置換体を含む。またプロピ
ル、ブチルなどのアルキル基は、n-、i-、sec-、tert-
などの異性体を含む。
【0042】また上記のようなジルコニウムメタロセン
化合物において、ジルコニウムを、チタン、ハフニウ
ム、バナジウム、ニオブ、タンタルまたはクロムに置換
えた化合物を挙げることもできる。
【0043】本発明では、メタロセン化合物[A]とし
て、少なくとも2個のシクロペンタジエニル骨格を含む
配位子を有するジルコニウムメタロセン化合物が好まし
く用いられる。
【0044】これら化合物は2種以上を組み合わせて用
いてもよい。本発明で用いられる(B-1)有機アルミニウ
ムオキシ化合物は、従来公知のベンゼン可溶性のアルミ
ノキサンであってもよく、また特開平2−276807
号公報で開示されているようなベンゼン不溶性の有機ア
ルミニウムオキシ化合物であってもよい。
【0045】上記のようなアルミノキサンは、たとえば
下記のような方法によって製造することができる。 (1) 吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などを懸濁した炭化水素懸濁液
に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム
化合物を添加して反応させる方法。
【0046】上記炭化水素としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ド
デカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化
水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタ
ン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソ
リン、灯油、軽油などの石油留分あるいは上記芳香族炭
化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化
物とりわけ塩素化物、臭素化物などの炭化水素溶媒を用
いることができる。さらにエチルエーテル、テトラヒド
ロフランなどのエーテル類を用いることもできる。これ
らのうち特に芳香族炭化水素が好ましく用いられる。
【0047】(2) ベンゼン、トルエン、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキル
アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、
氷または水蒸気を作用させる方法。
【0048】(3) デカン、ベンゼン、トルエンなどの
媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニ
ウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオ
キシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0049】なおこのアルミノキサンは、少量の有機金
属成分を含有してもよい。また回収されたアルミノキサ
ンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニウム化合
物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解して用いてもよ
い。
【0050】アルミノキサンを製造する際に用いられる
有機アルミニウム化合物としては、具体的には、有機ア
ルミニウム化合物(B-2)として後述するようなものが挙
げられ、これらを2種以上組合せて用いることもでき
る。
【0051】これらのうち、トリアルキルアルミニウム
およびトリシクロアルキルアルミニウムが特に好まし
い。また本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機アル
ミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解する
Al成分がAl原子換算で10%以下、好ましくは5%
以下、特に好ましくは2%以下であり、ベンゼンに対し
て不溶性あるいは難溶性である。
【0052】このような有機アルミニウムオキシ化合物
のベンゼンに対する溶解性は、100ミリグラム原子の
Alに相当する該有機アルミニウムオキシ化合物を10
0mlのベンゼンに懸濁した後、攪拌下60℃で6時間
混合した後、ジャケット付G−5ガラス製フィルターを
用い、60℃で熱時濾過を行ない、フィルター上に分離
された固体部を60℃のベンゼン50mlを用いて4回
洗浄した後の全濾液中に存在するAl原子の存在量(x
ミリモル)を測定することにより求められる(x%)。
【0053】本発明では、有機アルミニウムオキシ化合
物(B-1)を2種以上組合わせて用いることもできる。本
発明で用いられる有機アルミニウム化合物(B-2)は、た
とえば下記一般式(iii) で示される。
【0054】R1 nAlX3-n … (iii) (式(i) 中、R1 は炭素数1〜12の炭化水素基であ
り、Xはハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜
3である。) 上記一般式(i) において、R1 は炭素数1〜12の炭化
水素基たとえばアルキル基、シクロアルキル基またはア
リ−ル基であるが、具体的には、メチル基、エチル基、
n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
【0055】このような有機アルミニウム化合物(B-2)
としては、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリ
エチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、
トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウ
ム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウムなどのトリアル
キルアルミニウム、イソプレニルアルミニウムなどのア
ルケニルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリ
ド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルア
ルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリ
ド、ジメチルアルミニウムブロミドなどのジアルキルア
ルミニウムハライド、メチルアルミニウムセスキクロリ
ド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピル
アルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセス
キクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどの
アルキルアルミニウムセスキハライド、メチルアルミニ
ウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソ
プロピルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウム
ジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライド、ジ
エチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミ
ニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイド
ライドなどを挙げることができる。
【0056】また有機アルミニウム化合物(B-2)とし
て、下記一般式(iv)で示される化合物を用いることもで
きる。 R1 nAlY3-n … (iv) (R1は上記と同様であり、Yは−OR2基、−OSiR3
3基、−OAlR4 2基、−NR5 2基、−SiR6 3基または
−N(R7)AlR8 2基であり、nは1〜2であり、R2
3、R4およびR8はメチル基、エチル基、イソプロピ
ル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基な
どであり、R5は水素原子、メチル基、エチル基、イソ
プロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであ
り、R6 およびR7 はメチル基、エチル基などであ
る。) 具体的には、下記のような化合物が挙げられる。(1)
1 nAl(OR2)3-n で示される化合物、たとえばジメ
チルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエ
トキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシドなど、
(2) R1 nAl(OSiR3 3)3-n で示される化合物、たと
えばEt2Al(OSi Me3)、(iso-Bu)2Al(OSiM
e3)、(iso-Bu)2 Al(OSiEt3)など、(3) R1 n
Al(OAlR4 2)3-n で示される化合物、たとえば、Et
2AlOAlEt2 、(iso-Bu)2AlOAl(iso-Bu)2
ど、(4) R1 nAl(NR5 2)3-n で示される化合物、た
とえば、Me2AlNEt2 、Et2AlNHMe 、Me2AlN
HEt 、Et2AlN(SiMe3)2、(iso-Bu)2AlN(Si
Me3)2 など、(5) R1 nAl(SiR6 3)3-n で示される
化合物、たとえば、(iso-Bu)2AlSi Me3 など、
(6) R1 nAl(N(R7)AlR8 2)3-n で示される化合
物、たとえば、Et2AlN(Me)AlEt2 、(iso-Bu)2
AlN(Et)Al(iso-Bu)2 など。
【0057】これらのうちでは、トリアルキルアルミニ
ウムが好ましく、トリイソブチルアルミニウムが特に好
ましい。有機アルミニウム化合物(B-2) を2種以上組合
わせて用いることもできる。
【0058】本発明で用いられる前記メタロセン化合物
[A]と反応してイオン対を形成する化合物(B-3)とし
ては、特開平1−501950号公報、特開平1−50
2036号公報、特開平3−179005号公報、特開
平3−179006号公報、特開平3−207703号
公報、特開平3−207704号公報、US−5477
18号公報などに記載されたルイス酸、イオン性化合物
およびカルボラン化合物を挙げることができる。
【0059】ルイス酸としては、トリフェニルボロン、
トリス(4-フルオロフェニル)ボロン、トリス(p-トリ
ル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス(3,5-
ジメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフ
ェニル)ボロン、MgCl2、Al23、SiO2-Al2
3 などを挙げることができる。
【0060】イオン性化合物としては、トリフェニルカ
ルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、トリn-ブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウム
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェ
ロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート
などを挙げることができる。
【0061】カルボラン化合物としては、ドデカボラ
ン、1-カルバウンデカボラン、ビスn-ブチルアンモニウ
ム(1-カルベドデカ)ボレート、トリn-ブチルアンモニ
ウム(7,8-ジカルバウンデカ)ボレート、トリn-ブチル
アンモニウム(トリデカハイドライド-7-カルバウンデ
カ)ボレートなどを挙げることができる。
【0062】これらは、2種以上組合わせて用いること
もできる。本発明では、共触媒成分[B]として、上記
のような成分(B-1)、(B-2)および(B-3)から選ばれる
少なくとも1種の化合物が用いられ、これらを適宜組合
わせて用いることもできる。これらのうちでも共触媒成
分[B]として少なくとも(B-2)または(B-3)を用いる
ことが好ましい。
【0063】本発明では、上記のようなメタロセン触媒
成分および共触媒成分を含む触媒を用いることが好まし
いが、通常これら触媒成分を粒子状担体化合物と接触さ
せて、担体担持型触媒(固体触媒)として用いることが
望ましい。
【0064】担体化合物としては、粒径10〜300μ
m好ましくは20〜200μmの顆粒状ないしは微粒子
状固体が用いられる。この担体の比表面積は通常50〜
1000m2/gであり、細孔容積は0.3〜2.5cm3
/gであることが望ましい。
【0065】このような担体としては、多孔質無機酸化
物が好ましく用いられ、具体的にはSiO2、Al23
MgO、ZrO2、TiO2、B23、CaO、ZnO、Ba
O、ThO2などまたはこれらの混合物、たとえばSiO2
-MgO、SiO2-Al23、SiO 2-TiO2、SiO2-V2
5、SiO2-Cr23、SiO2-TiO2-MgOなどが用い
られる。これらの中では、SiO2および/またはAl2
3を主成分とするものが好ましい。
【0066】上記無機酸化物には少量のNa2CO3、K2
CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al2(S
4)3、BaSO4、KNO3、Mg(NO3)2、Al(N
3)3、Na2O、K2O、Li2Oなどの炭酸塩、硫酸塩、
硝酸塩、酸化物成分が含有されていてもよい。
【0067】また担体として有機化合物を用いることも
でき、たとえば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-
メチル-1-ペンテンなどの炭素数2〜14のα-オレフィ
ンを主成分として生成される(共)重合体あるいはビニ
ルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される
重合体あるいは共重合体を用いることができる。
【0068】担体と上記各成分の接触は、通常−50〜
150℃好ましくは−20〜120℃の温度で、1分〜
50時間好ましくは10分〜25時間行なうことが望ま
しい。
【0069】上記のようにして調製される固体触媒は、
担体1g当り、メタロセン化合物[A]が遷移金属原子
として5×10-6〜5×10-4グラム原子、好ましくは
10 -5〜2×10-4グラム原子の量で、成分[B]は、
担体1g当りアルミニウム原子またはホウ素原子として
10-3〜5×10-2グラム原子好ましくは2×10-3
2×10-2グラム原子の量で担持されていることが望ま
ししい。
【0070】さらに本発明では、上記のような固体触媒
をそのままで重合に用いることができが、この固体触媒
にオレフィンを予備重合させて予備重合触媒を形成して
から用いることもできる。
【0071】本発明では、固体触媒または予備重合触媒
は、遷移金属/リットル(重合容積)で、通常10-8
10-3グラム原子/リットルさらには10-7〜10-4
ラム原子/リットルとなる量で用いられることが望まし
い。
【0072】また予備重合触媒を用いるときには成分
[B]を用いても用いなくてもよいが、重合系中の遷移
金属に対する成分[B]中のアルミニウムまたはホウ素
の原子比(AlまたはB/遷移金属)で、5〜300好
ましくは10〜200さらに好ましくは15〜150と
なる量で必要に応じて用いることができる。
【0073】本発明では、上記のような気相重合によ
り、直鎖状低密度ポリエチレンを顆粒状粒子で得ること
ができる。この粒子の平均粒径は、250〜3000μ
m程度好ましくは400〜1500μm程度であること
が望ましい。
【0074】上記のようにして得られる直鎖状低密度ポ
リエチレンの密度(ASTM D 150 E)は、0.865〜0.
925g/cm3好ましくは0.880〜0.920g/cm3
であることが望ましい。
【0075】この直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレ
ンから導かれる単位を87.0〜97.6モル%好ましく
は90.0〜96.8モル%の量で、炭素数4〜10のオ
レフィンから導かれる単位を13.0〜2.4モル%好ま
しく10.0〜3.2モル%の量で含有していることが望
ましい。
【0076】また直鎖状低密度ポリエチレンは、本発明
の目的を損なわない範囲であれば前述したようなポリエ
ン類などから導かれる単位を10重量%以下好ましくは
5重量%以下特に好ましくは3重量%以下の量で含んで
いてもよい。
【0077】上記のような本発明で得られる直鎖状低密
度ポリエチレンは、組成分布および分子量分布が狭く、
23℃n-デカン可溶成分量(C10sol.)が少ない。この
ような本発明で得られる直鎖状低密度ポリエチレンは、
組成分布が狭く、ほぼ単一融点に近い融点を有してお
り、また同一組成の従来の直鎖状低密度ポリエチレンに
比べると融点が低いという特性を示す。特に本発明で
は、上記のように組成分布および分子量分布の狭い直鎖
状低密度ポリエチレンが得られるという効果を、100
0μm程度以上の大粒径を有する直鎖状低密度ポリエチ
レン粒子を製造したときにも発現することができる。
【0078】また本発明で得られる直鎖状低密度ポリエ
チレンは、組成分布および分子量分布が狭く、このため
フィルムを形成したときにベタツキの少ないフィルムを
得ることができる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、気相重合により分子量
分布および組成分布が狭い直鎖状低密度ポリエチレンを
得ることができる。このような直鎖状低密度ポリエチレ
ンは、フィルム形成材料として好適である。
【0080】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0081】なおポリマーの23℃n-デカン可溶成分量
(C10sol.)は、以下のようにして求めた。1リットル
のフラスコに、3gの試料(ポリオレフィン)、20mg
の2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、500ml
のn-デカンを入れ、145℃で加熱して溶解させた。溶
解後8時間かけて23℃まで冷却し、23℃で8時間維
持し、析出した固体と、溶解した重合体を含むn-デカン
溶液とをグラスフィルターで濾過分離した。液相を減圧
下150℃で恒量になるまで乾燥し、その重量を測定
し、得られた重合体溶解量を、試料の重量に対する百分
率として算出して、ポリマーの23℃デカン可溶成分量
(C10sol.)とした。
【0082】ポリマーのメルトインデックス(MI)
は、ASTM D1238に準拠して190℃、2.1
6kg荷重下で測定した。
【0083】
【実施例1】 [固体触媒成分の調製]250℃で10時間乾燥したシ
リカ(SiO2)10kgを、154リットルのトルエ
ンに懸濁した後、0℃まで冷却した。この懸濁液にメチ
ルアルミノオキサンのトルエン溶液(Al=1.52モ
ル/リットル)50.5リットルを1時間かけて懸濁液
の温度を0〜5℃に保持しながら滴下し、引続き0℃で
30分間保持した後、1.5時間かけて95℃まで昇温
して95℃で4時間保持した。
【0084】その後60℃まで降温し、上澄み液をデカ
ンテーションにより除去した。このようにして得られた
固体触媒成分をトルエンで2回洗浄した後、トルエン1
00リットルで再懸濁して全量160リットルとした。
【0085】得られた懸濁液に、ビス(1,3-n-ブチルメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドの
トルエン溶液(Zr=25.7ミリモル/リットル)2
2.0リットルを80℃で30分かけて滴下し、さらに
80℃に2時間保持した。その後上澄み液を除去し、ヘ
キサンで2回洗浄することにより、シリカ1g当り、
3.2mgのジルコニウムを含有する固体触媒成分を得
た。
【0086】[固体触媒成分の予備重合]充分に窒素置
換した350リットルの反応器に、上記固体触媒成分
7.0kgを装入し、ヘキサンを装入して全容積285
リットルのヘキサン懸濁液とした。系内を10℃まで冷
却した後、エチレンを流量8Nm3/hrで5分間、固体
触媒成分のヘキサン懸濁液中に吹き込んだ。この間、系
内の温度は10〜15℃に保持した。
【0087】エチレンの供給を一旦停止した後、トリイ
ソブチルアルミニウムを2.4モルおよび1-ヘキセン1.
2kgを供給し、系内を密封系にした後、エチレンの供
給を再開し、流量8Nm3/hrで15分間供給した後、
流量を2Nm3/hrに下げて、系内の圧力を0.8kg/cm
2G にした。この間に系内温度は35℃まで上昇した。
【0088】その後、系内の温度を32〜35℃にコン
トロールしながらエチレンを4Nm 3/hrの流量で3.5
時間供給した。この間、系内の圧力は0.7〜0.8kg/
cm2Gに保持した。次いで系内を窒素置換し、上澄み液を
除去した後、ヘキサンで2回洗浄した。予備重合後の上
澄み液は無色透明であった。
【0089】上記のようにして固体触媒成分1g当り3
gの予備重合体を含む予備重合触媒を得た。この予備重
合触媒(予備重合体)の極限粘度[η]は2.1dl/g
であり、1-ヘキセン単位含量は4.8重量%であった。
予備重合触媒の形状は良好であり、嵩密度は0.4g/c
m3 であった。
【0090】[気相重合]連続式流動床反応器を用いて
気相重合を行った。上記で得られた予備重合触媒を5.
9g/hrの量で連続的に供給して、エチレンと1-ヘキ
センとを連続的に共重合させ、密度0.921g/cm3
の直鎖状低密度ポリエチレンを製造した。
【0091】重合の間、反応器上部からの抜出しガスが
表1に示すような一定組成となるように反応器内にエチ
レン、1-ヘキセン、水素、窒素およびガス状i-ペンタン
を導入した。
【0092】重合は、重合温度=70℃、重合圧力=2
0kg/cm2G 、ガス線速u=70cm/sec.、重合速度=
6.3kg/hrの条件下に行なった。重合条件および得ら
れたエチレン・1-ヘキセン共重合体の物性を表1に示
す。
【0093】
【比較例1】ガス状i-ペンタンを導入せずに、表1に示
す重合条件で、実施例1と同様にしてエチレンと1-ヘキ
センと気相重合を行ない、密度0.922g/cm3 の直
鎖状低密度ポリエチレンを製造した。重合条件および得
られたエチレン・1-ヘキセン共重合体の物性を表1に示
す。
【0094】
【実施例2】表1に示す重合条件で、実施例1と同様に
してエチレンと1-ヘキセンと気相重合を行ない、密度
0.907g/cm3 の直鎖状低密度ポリエチレンを製造
した。重合条件および得られたエチレン・1-ヘキセン共
重合体の物性を表1に示す。
【0095】
【比較例2】ガス状i-ペンタンを導入せずに、表1に示
す重合条件で、実施例1と同様にしてエチレンと1-ヘキ
センと気相重合を行ない、密度0.904g/cm3 の直
鎖状低密度ポリエチレンを製造した。重合条件および得
られたエチレン・1-ヘキセン共重合体の物性を表1に示
す。
【0096】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る直鎖状低密度ポリエチレンの製
造方法による重合プロセスの概略説明図を示す。
フロントページの続き (72)発明者 山 本 良 一 千葉県市原市千種海岸3番地 三井石油化 学工業株式会社内 (72)発明者 土 居 賢 治 千葉県市原市千種海岸3番地 三井石油化 学工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流動層反応器内を流通する重合モノマーを
    含むガス流によって触媒を含む固体粒子が流動状態に保
    持された流動層において、触媒の存在下に重合モノマー
    としてのエチレンと炭素数4〜10のオレフィンとを気
    相で共重合させるに際して、 炭素数2〜10の飽和脂肪族炭化水素を上記流動層にガ
    ス状で導入し、該ガス状飽和脂肪族炭化水素の共存下に
    上記共重合を行なうことを特徴とする直鎖状低密度ポリ
    エチレンの製造方法。
  2. 【請求項2】上記流動層反応器から排出される未反応重
    合モノマーおよび飽和脂肪族炭化水素を含むガスを、該
    排出ガス中に含まれる飽和脂肪族炭化水素が液化しない
    条件下に冷却し、冷却されたガスを流動層反応器に循環
    することを特徴とする請求項1に記載の直鎖状低密度ポ
    リエチレンの製造方法。
  3. 【請求項3】上記流動層反応器から排出されるガスが、
    前記飽和脂肪族炭化水素を0.8〜80モル%の量で含
    有していることを特徴とする請求項1に記載の直鎖状低
    密度ポリエチレンの製造方法。
  4. 【請求項4】前記触媒が、[A]周期律表第IVB族から
    選ばれる遷移金属のメタロセン化合物、および[B](B
    -1) 有機アルミニウムオキシ化合物、(B-2) 有機アルミ
    ニウム化合物、および(B-3) 該メタロセン化合物[A]
    と反応してイオン対を形成しうる化合物から選ばれる少
    なくとも1種の化合物を含む触媒であることを特徴とす
    る請求項1に記載の直鎖状低密度ポリエチレンの製造方
    法。
  5. 【請求項5】密度0.865〜0.925g/cm3 の直鎖
    状低密度ポリエチレンを得ることを特徴とする請求項1
    に記載の直鎖状低密度ポリエチレンの製造方法。
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