JP2000297114A - オレフィン重合用固体触媒およびオレフィンの重合方法 - Google Patents

オレフィン重合用固体触媒およびオレフィンの重合方法

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JP2000297114A
JP2000297114A JP11107265A JP10726599A JP2000297114A JP 2000297114 A JP2000297114 A JP 2000297114A JP 11107265 A JP11107265 A JP 11107265A JP 10726599 A JP10726599 A JP 10726599A JP 2000297114 A JP2000297114 A JP 2000297114A
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olefin polymerization
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JP11107265A
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Kenji Sugimura
健司 杉村
Hiromu Kaneyoshi
寛矛 兼吉
Toshiyuki Tsutsui
俊之 筒井
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】オレフィン重合用固体触媒および該触媒を用い
たオレフィンの重合方法に関し、ポリマー粒子の流動性
にすぐれ、長期的に安定して連続運転することができ、
ポリマー塊、シート状物などが発生せず、流動性に優
れ、かつ長期的に安定して重合することができるオレフ
ィン重合用固体触媒および該触媒を用いたオレフィンの
重合方法を提供。 【解決手段】(A)オレフィン重合用触媒成分と、
(B)(B-1)ポリアルキレンオキサイドブロック、(B-2)
高級脂肪族アミド、および(B-3)ポリアルキレンオキサ
イドから選ばれる少なくとも1種の化合物とからなるこ
とを特徴とするオレフィン重合用固体触媒およびそのオ
レフィン重合用固体触媒の存在下に、オレフィンを重合
または共重合させることを特徴とするオレフィンの重合
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、オレフィン重合用固体触
媒および該触媒を用いたオレフィンの重合方法に関し、
さらに詳しくは、流動性に優れ、かつ長期的に安定して
重合することができるオレフィン重合用固体触媒および
該触媒を用いたオレフィンの重合方法に関するものであ
る。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−
オレフィン共重合体などのオレフィン重合体は、たとえ
ば、ジルコニウムなどの第4族金属のメタロセン化合物
を含む固体触媒と有機アルミニウム成分とからなるメタ
ロセン系固体状触媒の存在下にオレフィンを(共)重合
させることによって製造されている。
【0003】ところで、流動床反応器を用いて前記のよ
うなメタロセン系固体状触媒の存在下にオレフィンを気
相重合すると、流動床内でポリマー塊、シート状物など
が発生したり、ポリマー粒子の流動性が低下して、流動
床内の混合状態が不均一となり、長期的に安定して連続
運転することができなくなることがあった。
【0004】また、前記のようなメタロセン系固体状触
媒の存在下にスラリー重合すると、重合器内でポリマー
塊、シート状物などが発生したり、攪拌羽根にポリマー
が付着して長期的に安定して連続運転することができな
くなることがあった。
【0005】さらに、前記のような固体状触媒は、流動
性が低い場合が多く、重合器への供給が困難となること
があった。
【0006】本発明者らは、このような従来技術に鑑み
て検討した結果、特定の界面活性剤が担持された固体状
触媒が、上記のような問題を低減させることを見出して
本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の目的】本発明は上記のような従来技術に鑑みて
なされたものであって、流動性に優れ、かつ重合時にヒ
ートスポットが発生し難いようなオレフィン重合用固体
触媒およびこのような触媒を用いたオレフィンの重合方
法を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係るオレフィン重合用固体触媒
は、(A)オレフィン重合用触媒成分と、(B)(B-1)
ポリアルキレンオキサイドブロック、(B-2)高級脂肪族
アミド、および(B-3)ポリアルキレンオキサイドから選
ばれる少なくとも1種の化合物とからなることを特徴と
している。
【0009】本発明に係るオレフィン重合用固体触媒で
は、前記(A)オレフィン重合用触媒成分が(A-1)シク
ロペンタジエニル骨格を有する周期表第4族の遷移金属
化合物と、(A-2)有機アルミニウムオキシ化合物と、(A-
3)微粒子状担体とからなる触媒成分であることが好まし
い。
【0010】本発明に係るオレフィン重合用固体触媒
は、流動性に優れ、重合時のヒートスポットが発生し難
く、シーティングやポリマー塊の発生を防止することが
でき長期的に安定してオレフィンを重合することができ
る。本発明に係るオレフィンの重合方法は、前記のよう
な触媒の存在下に、オレフィンを重合させることを特徴
としている。
【0011】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るオレフィン重
合用固体触媒およびこの触媒を用いたオレフィンの重合
方法について具体的に説明する。
【0012】なお、本明細書において「重合」という語
は、単独重合だけでなく、共重合をも包含した意味で用
いられることがあり、「重合体」という語は、単独重合
体だけでなく、共重合体をも包含した意味で用いられる
ことがある。
【0013】本発明に係るオレフィン重合用固体触媒
は、(A)オレフィン重合用触媒成分と、(B)(B-1)
ポリアルキレンオキサイドブロック、(B-2)高級脂肪族
アミド、および(B-3)ポリアルキレンオキサイドから選
ばれる少なくとも1種の化合物とから形成されている。
【0014】以下、まず本発明に係るオレフィン重合用
固体触媒を形成する各成分について説明する。(A)オレフィン重合用触媒成分 (A)オレフィン重合用触媒成分としては、周期表第3
族ないし第12族から選ばれる遷移金属の化合物を含む
触媒成分が挙げられ、周期表第4族から選ばれる遷移金
属のメタロセン化合物が粒子状担体に担持された担体担
持型のメタロセン系触媒成分、固体状チタン触媒成分と
有機アルミニウム化合物とからなる固体状のチタン系触
媒成分、三酸化クロムに酸化し得る任意のクロム化合物
をシリカなどの無機酸化物固体に担持させたいわゆるフ
ィリップス触媒成分などが例示される。これらのうちで
は、担体担持型のメタロセン系触媒成分が好ましく、特
に、(A-1)シクロペンタジエニル骨格を有する周期表第
4族の遷移金属化合物と、(A-2)有機アルミニウムオキ
シ化合物と、(A-3)微粒子状担体とからなる担体担持型
のメタロセン系触媒成分が好ましい。次に、本発明で好
ましく用いられる担体担持型のメタロセン系触媒成分を
形成する各成分について説明する。(A-1)遷移金属化合物 (A-1)シクロペンタジエニル骨格を有する周期表第4族
の遷移金属化合物としては、下記一般式(I)で表され
る化合物を例示することができる。
【0015】MLX (I) 式中、Mは、周期表第4族の遷移金属であり、具体的に
は、ジルコニウム、チタンまたはハフニウムである。
【0016】Lは、遷移金属に配位する配位子(基)で
あり、少なくとも1個のLは、シクロペンタジエニル骨
格を有する配位子であり、シクロペンタジエニル骨格を
有する配位子以外のLは、炭素数が1〜12の炭化水素
基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、ト
リアルキルシリル基、−SO3R(ただし、Rはハロゲ
ンなどの置換基を有していてもよい炭素数1〜8の炭化
水素基である。)または水素原子である。
【0017】xは、遷移金属の原子価であり、Lの個数
を示す。シクロペンタジエニル骨格を有する配位子とし
ては、例えばシクロペンタジエニル基;メチルシクロペ
ンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、ト
リメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロ
ペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル
基、エチルシクロペンタジエニル基、メチルエチルシク
ロペンタジエニル基、プロピルシクロペンタジエニル
基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、ブチルシ
クロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエ
ニル基、ヘキシルシクロペンタジエニル基などのアルキ
ル置換シクロペンタジエニル基;インデニル基;4,5,6,
7-テトラヒドロインデニル基;フルオレニル基などを例
示することができる。これらの基はハロゲン原子、トリ
アルキルシリル基などが置換していてもよい。
【0018】これらの遷移金属に配位する配位子の中で
は、アルキル置換シクロペンタジエニル基が特に好まし
い。上記一般式(I)で表される化合物が、シクロペン
タジエニル骨格を有する基を2個以上含む場合、そのう
ち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する基は、エチ
レン、プロピレンなどのアルキレン基;イソプロピリデ
ン、ジフェニルメチレンなどのアルキリデン基;シリレ
ン基;ジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メ
チルフェニルシリレン基などの置換シリレン基などを介
して結合されていてもよい。また、2個以上のシクロペ
ンタジエニル骨格を有する基は、同一であることが好ま
しい。
【0019】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外の配位子としては、下記のようなものが挙げられ
る。炭素数が1〜12の炭化水素基として具体的には、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、ペンチル基などのアルキル基;シクロペンチル
基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニ
ル基、トリル基などのアリール基;ベンジル基、ネオフ
ィル基などのアラルキル基が例示される。
【0020】アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、ブトキシ基などが例示される。アリーロキシ基
としては、フェノキシ基などが例示される。
【0021】ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素などが例示される。−SO3Rで表される配位子
としては、p-トルエンスルホナト基、メタンスルホナト
基、トリフルオロメタンスルホナト基などが例示され
る。
【0022】上記一般式(I)で表される化合物は、例
えば遷移金属の原子価が4である場合、より具体的には
下記一般式(I')で表される。 R1234M (I') (式中、Mは、ジルコニウム、チタンまたはハフニウム
であり、R1は、シクロペンタジエニル骨格を有する基
であり、R2、R3およびR4は、互いに同一でも異なっ
ていてもよく、シクロペンタジエニル骨格を有する基、
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキ
ル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、
トリアルキルシリル基、−SO3Rまたは水素原子であ
る。)本発明では上記一般式(I')においてR2、R3
よびR4のうち1個がシクロペンタジエニル骨格を有す
る基である遷移金属化合物、例えばR1およびR2がシク
ロペンタジエニル骨格を有する基である遷移金属化合物
が好ましく用いられる。この場合、これらのシクロペン
タジエニル骨格を有する基は、アルキレン基、置換アル
キレン基、アルキリデン基、シリレン基、置換シリレン
基などを介して結合されていてもよい。また、R3およ
びR4は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アラルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハ
ロゲン原子、トリアルキルシリル基、−SO3Rまたは
水素原子である。
【0023】以下に、Mがジルコニウムである遷移金属
化合物について具体的な化合物を例示する。ビス(イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)
ジルコニウムジブロミド、ビス(インデニル)ジルコニ
ウムビス(p-トルエンスルホナト)、ビス(4,5,6,7-テ
トラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビ
ス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビ
ス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、エチレンビ
ス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス
(インデニル)ジフェニルジルコニウム、エチレンビス
(インデニル)メチルジルコニウムモノクロリド、エチ
レンビス(インデニル)ジルコニウムビス(メタンスル
ホナト)、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビ
ス(p-トルエンスルホナト)、エチレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シク
ロペンタジエニル-フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシ
リレンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(トリメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウム
ビス(トリフルオロメタンスルホナト)、rac-ジメチル
シリレンビス{1-(2-メチル-4,5-アセナフトシクロペ
ンタジエニル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレンビス{1-(2-メチル-4,5-ベンゾインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
ビス{1-(2-メチル-4-イソプロピル-7-メチルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
ビス{1-(2-メチル-4-フェニルインデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレンビス{1-(2-
メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルシリレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペン
タジエニル-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、メチルフェニルシリレンビス(インデニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(シクロペンタジ
エニル)メチルジルコニウムモノクロリド、ビス(シク
ロペンタジエニル)エチルジルコニウムモノクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)シクロヘキシルジルコニ
ウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)フェ
ニルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジ
エニル)ベンジルジルコニウムモノクロリド、ビス(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハ
イドライド、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジル
コニウムモノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジメチルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジフェニルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ジベンジルジルコニウム、ビス(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムメトキシクロリド、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタンス
ルホナト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムビス(p-トルエンスルホナト)、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスル
ホナト)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス
(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス
(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(エチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メ
チルエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(メチルプロピルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ブチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチ
ルブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(メチルブチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムビス(メタンスルホナト)、ビス(トリメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(ヘキシルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(トリメチル
シリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
など。
【0024】なお、上記例示において、シクロペンタジ
エニル環の二置換体は1,2-および1,3-置換体を含み、三
置換体は1,2,3-および1,2,4-置換体を含む。またプロピ
ル、ブチルなどのアルキル基は、n-、i-、sec-、tert-
などの異性体を含む。
【0025】また、本発明では上記のようなジルコニウ
ム化合物において、ジルコニウム金属を、チタン金属ま
たはハフニウム金属に置換えた遷移金属化合物を用いる
こともできる。
【0026】(A-2)有機アルミニウムオキシ化合物 (A-2)有機アルミニウムオキシ化合物として具体的に
は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特
開平2−276807号公報で開示されているようなベ
ンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であって
もよい。
【0027】従来公知のアルミノキサンは、たとえば下
記のような方法によって製造することができる。 (1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して、有機アルミニウム化合物と吸着水または結
晶水とを反応させる方法。
【0028】(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキル
アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水や
氷や水蒸気を作用させる方法。
【0029】(3)デカン、ベンゼン、トルエン等の媒
体中でトリアルキルアルミニウム等の有機アルミニウム
化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシ
ド等の有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0030】なお、このアルミノキサンは、少量の有機
金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアル
ミノキサンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニ
ウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解しても
よい。
【0031】アルミノキサンを調製する際に用いられる
有機アルミニウム化合物として具体的には、トリメチル
アルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリn-
ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ト
リsec-ブチルアルミニウム、トリtert-ブチルアルミニ
ウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミ
ニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミ
ニウムなどのトリアルキルアルミニウム;トリシクロヘ
キシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウム
などのトリシクロアルキルアルミニウム;ジメチルアル
ミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジ
エチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウ
ムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;ジ
エチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミ
ニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイ
ドライド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチル
アルミニウムエトキシドなどのジアルキルアルミニウム
アルコキシド;ジエチルアルミニウムフェノキシドなど
のジアルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げら
れる。
【0032】これらのうち、トリアルキルアルミニウム
およびトリシクロアルキルアルミニウムが特に好まし
い。また、この有機アルミニウム化合物として、下記一
般式 (i-C49)xAly(C510)z (x、y、zは正の数であり、z≧2xである)で表わ
されるイソプレニルアルミニウムを用いることもでき
る。
【0033】上記のような有機アルミニウム化合物は、
単独であるいは組合せて用いられる。アルミノキサンの
調製の際に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ド
デカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化
水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタ
ン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソ
リン、灯油、軽油などの石油留分あるいは上記芳香族炭
化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化
物とりわけ、塩素化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が
挙げられる。その他、エチルエーテル、テトラヒドロフ
ランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの
溶媒のうち特に芳香族炭化水素が好ましい。
【0034】(A-3)微粒子状担体 (A-3)微粒子状担体として具体的には、SiO2、Al2
3、MgO、ZrO2 、TiO2 、B23、CaO、
ZnO、BaO、ThO2など、もしくはこれらを含む
混合物、たとえばSiO2-MgO、SiO2-Al23
SiO2-TiO2、SiO2-V25、SiO2-Cr
23、SiO2-TiO2-MgOなどの無機担体、または
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ 1-ブテン、ポリ
4-メチル-1-ペンテン、スチレン-ジビニルベンゼン共重
合体などの有機担体を挙げることができる。
【0035】このような(A-3)微粒子状担体は、平均粒
径が、1〜300μm、好ましくは10〜200μmの
範囲にあることが望ましい。
【0036】(B-1)ポリアルキレンオキサイドブロック 本発明で用いられる(B-1)ポリアルキレンオキサイドブ
ロックは、一般的に非イオン性界面活性剤として用いら
れるものであり、従来公知のポリアルキレンオキサイド
ブロックであれば何ら制限なく使用できる。ポリアルキ
レンオキサイドブロックとしては、一般式 HO−(C
2CH2O)m−{CH2CH(CH3)O}n−(CH
2CH2O)pH で表されるポリエチレンオキサイド−
ポリプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイドブ
ロックが好ましく挙げられる。上記一般式中(CH2
2O)で表されるオキシエチレン単位の平均連鎖長を
示すmは、1〜30、好ましくは1〜20、より好まし
くは1〜10の範囲であることが望ましく、pは、1〜
30、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10の
範囲であることが望ましく、{CH2CH(CH3)O}
で表されるオキシプロピレン単位の平均連鎖長を示すn
は、2〜50、好ましくは3〜45、より好ましくは4
〜40の範囲であることが望ましい。また、ポリアルキ
レンオキサイドブロックとして好適なものとして、一般
式 HO−{CH2CH(CH3)O}a−(CH2CH2
O)b−{CH2CH(CH3)O}cH で表されるポ
リプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−ポ
リプロピレンオキサイドブロックが挙げられる。上記一
般式中(CH2CH2O)で表されるオキシエチレン単位
の平均連鎖長を示すbは、1〜30、好ましくは1〜2
5、より好ましくは2〜20の範囲であることが望まし
く、{CH2CH(CH3)O}で表されるオキシプロピ
レン単位の平均連鎖長を示すaは、2〜30、好ましく
は3〜25、より好ましくは4〜20の範囲であること
が望ましく、cは、2〜30、好ましくは3〜25、よ
り好ましくは4〜20の範囲であることが望ましい。
【0037】(B-2)高級脂肪族アミド 本発明で用いられる(B-2)高級脂肪族アミドは、一般的
に非イオン性界面活性剤として用いられるものであり、
従来公知の高級脂肪族アミドであれば何ら制限なく使用
できる。高級脂肪族アミドとしては、一般式 (Cm2m+1CO)N(CH2CH2OH)2 で表されるアルキルジエタノールアミドが好ましく用い
られる。上記一般式中(Cm2m+1)で表されるアルキ
ル基の炭素原子数を示すmは、1〜30、好ましくは6
〜20、より好ましくは8〜18の範囲であることが望
ましい。高級脂肪族アミドとして具体的には、例えばラ
ウリルジエタノールアミド、セチルジエタノールアミ
ド、ステアリルジエタノールアミド、オクチルジエタノ
ールアミド、ノニルジエタノールアミド、sec-ラウリル
ジエタノールアミドなどが挙げられる。これらのなかで
はラウリルジエタノールアミドが好ましい。
【0038】(B-3)ポリアルキレンオキサイド 本発明で用いられる(B-3)ポリアルキレンオキサイド
は、従来公知のポリアルキレンオキサイドであれば何ら
制限なく使用できる。ポリアルキレンオキサイドとして
好適なものとしては、HO−(CH2CH2O)m−Hで
表されるポリエチレンオキサイドおよびHO−{CH2
CH(CH3)O}nHで表されるポリプロピレンオキ
サイドが挙げられる。上記ポリエチレンオキサイドの平
均重合度を示すmは、2〜30、好ましくは3〜20、
より好ましくは4〜8の範囲であることが望ましく、ポ
リプロピレンオキサイドの平均重合度を示すnは、2〜
80、好ましくは3〜50、より好ましくは4〜40の
範囲であることが望ましい。ポリアルキレンオキサイド
としては、上記のポリエチレンオキサイドやポリプロピ
レンオキサイド以外に、例えば、エチレンオキサイドと
プロピレンオキサイドとがランダムに共重合したポリア
ルキレンオキサイドも好ましく用いられる。また、ポリ
アルキレンオキサイドとして好適なものとして、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、などの多価アルコール
類にアルキレンオキサイドを付加して得られるポリオキ
シアルキレンポリオールが挙げられる。ポリオキシアル
キレンポリオールとしては、多価アルコール類の1官能
基数に対してエチレンオキサイドが、2〜30モル、好
ましくは3〜20モル、より好ましくは4〜8モル付加
するもの、または多価アルコール類の1官能基数に対し
てプロピレンオキサイドが、2〜30モル、好ましくは
3〜20モル、より好ましくは4〜8モル付加するもの
が望ましい。
【0039】本発明に係るオレフィン重合用固体触媒
は、前記(A)オレフィン重合用触媒成分と、前記
(B)(B-1)ポリアルキレンオキサイドブロック、(B-2)
高級脂肪族アミド、および(B-3)ポリアルキレンオキサ
イドから選ばれる少なくとも1種の化合物を必須成分と
して含有しているが、必要に応じて(C)有機アルミニ
ウム化合物を含有していてもよい。
【0040】このような(C)有機アルミニウム化合物
としては、たとえば下記一般式(II)で表される有機ア
ルミニウム化合物を例示することができる。 Ra nAlX3-n (II) (式中、Raは炭素原子数1〜12の炭化水素基を示
し、Xはハロゲン原子または水素原子を示し、nは1〜
3である。) 上記一般式(II)において、Raは炭素原子数1〜12
の炭化水素基たとえばアルキル基、シクロアルキル基ま
たはアリ−ル基であるが、具体的には、メチル基、エチ
ル基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などであ
る。
【0041】このような有機アルミニウム化合物(C)
としては、具体的には以下のような化合物が挙げられ
る。トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチル
ヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウ
ム;イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミ
ニウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアル
ミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリ
ド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアル
ミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライ
ド;メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセス
キクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチ
ルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニ
ウムセスキハライド;メチルアルミニウムジクロリド、
エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニ
ウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどの
アルキルアルミニウムジハライド;ジエチルアルミニウ
ムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライ
ドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなど。
【0042】また有機アルミニウム化合物(C)とし
て、下記一般式(III)で表される化合物を用いること
もできる。 Ra nAlY3-n (III) (式中、Raは上記と同様であり、Yは−ORb基、−O
SiRc 3基、−OAlR d 2基、−NRe 2基、−SiRf 3
基または−N(Rg)AlRh 2基であり、nは1〜2で
あり、Rb、Rc、RdおよびRhはメチル基、エチル基、
イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フ
ェニル基などであり、Reは水素原子、メチル基、エチ
ル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリル
基などであり、RfおよびRgはメチル基、エチル基など
である。) このような有機アルミニウム化合物としては、具体的に
は、以下のような化合物が挙げられる。 (1)Ra nAl(ORb3-nで表される化合物、たとえ
ばジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニ
ウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシド
など、 (2)Ra nAl(OSiRc 33-nで表される化合物、
たとえばEt2Al(OSiMe3)、(iso-Bu)2
l(OSiMe3)、(iso-Bu)2Al(OSiE
3)など; (3)Ra nAl(OAlRd 23-nで表される化合物、
たとえばEt2AlOAlEt2、(iso-Bu)2AlO
Al(iso-Bu)2など; (4)Ra nAl(NRe 23-nで表される化合物、たと
えばMe2AlNEt2、Et2AlNHMe、Me2AlN
HEt、Et2AlN(SiMe32、(iso-Bu)2
lN(SiMe32など; (5)Ra nAl(SiRf 33-nで表される化合物、た
とえば(iso-Bu)2AlSiMe3など; (6)Ra nAl(N(Rg)AlRh 23-nで表される化
合物、たとえばEt2AlN(Me)AlEt2、(iso-
Bu)2AlN(Et)Al(iso-Bu)2など。
【0043】上記一般式(II)または(III)で表され
る有機アルミニウム化合物の中では、一般式Ra 3Al、
a nAl(ORb3-n、Ra nAl(OAlRd 23-n
表わされる化合物が好ましく、特にRaがイソアルキル
基であり、n=2である化合物が好ましい。オレフィン重合用固体触媒 本発明に係るオレフィン重合用固体触媒は、前記(A)
オレフィン重合用触媒成分と、前記(B)(B-1)ポリア
ルキレンオキサイドブロック、(B-2)高級脂肪族アミ
ド、および(B-3)ポリアルキレンオキサイドから選ばれ
る少なくとも1種の化合物と、必要に応じて前記(C)
有機アルミニウム化合物とから形成されている。
【0044】このようなオレフィン重合用固体触媒は、
(A)オレフィン重合用触媒成分と、(B)(B-1)ポリ
アルキレンオキサイドブロック、(B-2)高級脂肪族アミ
ド、および(B-3)ポリアルキレンオキサイドから選ばれ
る少なくとも1種の化合物と、必要に応じて(C)有機
アルミニウム化合物とを混合接触させることにより調製
することができる。
【0045】本発明に係るオレフィン重合用固体触媒
は、前記(A-1)遷移金属化合物と、前記(A-2)有機アルミ
ニウムオキシ化合物と、前記(A-3)微粒子状担体と、前
記(B)(B-1)ポリアルキレンオキサイドブロック、(B-
2)高級脂肪族アミド、および(B-3)ポリアルキレンオキ
サイドから選ばれる少なくとも1種の化合物と、必要に
応じて前記(C)有機アルミニウム化合物とから形成さ
れていることが好ましい。
【0046】このようなオレフィン重合用固体触媒は、
(A-1)遷移金属化合物と、(A-2)有機アルミニウムオキシ
化合物と、(A-3)微粒子状担体と、(B)(B-1)ポリアル
キレンオキサイドブロック、(B-2)高級脂肪族アミド、
および(B-3)ポリアルキレンオキサイドから選ばれる少
なくとも1種の化合物と、必要に応じて(C)有機アル
ミニウム化合物とを混合接触させることにより調製する
ことができる。
【0047】各成分の接触順序は任意に選ばれるが、好
ましくは、(A-1)遷移金属化合物と、(A-2)有機アルミニ
ウムオキシ化合物と、(A-3)微粒子状担体とを不活性炭
化水素溶媒中またはオレフィン媒体中で混合接触させて
固体触媒成分を調製し、次いで、該固体触媒成分と化合
物(B)とを混合接触させることが選ばれる。なお、固
体触媒成分を調製する際には、さらに(C)有機アルミ
ニウム化合物を添加することもできる。
【0048】固体触媒成分の調製に用いられる不活性炭
化水素溶媒として具体的には、プロパン、ブタン、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカ
ン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シク
ロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水
素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタ
ンなどのハロゲン化炭化水素あるいはこれらの混合物な
どを挙げることができる。
【0049】固体触媒成分を調製するに際して、(A-1)
遷移金属化合物は遷移金属原子換算で、(A-3)微粒子状
担体1g当り、通常0.001〜1.0ミリモル、好ま
しくは0.005〜0.5ミリモルの量で用いられ、(A
-2)有機アルミニウムオキシ化合物はアルミニウム原子
換算で、通常0.1〜100ミリモル、好ましくは0.
5〜20ミリモルの量で用いられる。(C)有機アルミ
ニウム化合物を用いる場合は、(A-3)微粒子状担体1g
当り、通常0.001〜1000ミリモル、好ましくは
2〜500ミリモルの量で用いられる。
【0050】上記各成分を混合接触させる際の温度は、
通常−50〜150℃、好ましくは−20〜120℃で
あり、接触時間は1〜1000分間、好ましくは5〜6
00分間である。
【0051】固体触媒成分と化合物(B)とを混合接触
するに際して、化合物(B)は、固体触媒成分100重
量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.3
〜10重量部、より好ましくは0.4〜5重量部の量で
用いられる。
【0052】固体触媒成分と化合物(B)との混合接触
は、不活性炭化水素溶媒中で行うことができ、不活性炭
化水素溶媒としては、前記と同様のものが挙げられる。
【0053】不活性炭化水素溶媒中で固体触媒成分と化
合物(B)とを混合接触させた場合、オレフィン重合用
固体触媒は、炭化水素溶媒の懸濁液として得られるが、
この場合、溶媒を除去し、得られたオレフィン重合用固
体触媒を乾燥した後、重合に用いることが好ましい。乾
燥は、不活性ガス雰囲気中、好ましくは窒素気流下、0
〜60℃、好ましくは20〜40℃の温度で、1〜50
時間、好ましくは1〜20時間行うことが望ましい。
【0054】このようにして得られるオレフィン重合用
固体触媒は、(A-3)微粒子状担体1g当たり、(A-1)遷移
金属化合物が遷移金属原子換算で約5×10-6〜10-3
モル、好ましくは10-5〜3×10-4モルの量で担持さ
れ、(A-2)有機アルミニウムオキシ化合物がアルミニウ
ム原子換算で約10-3〜10-1モル、好ましくは2×1
-3〜5×10-2モルの量で担持され、化合物(B)が
0.5〜500mg、好ましくは25〜250mgの量
で担持されていることが望ましい。
【0055】本発明のオレフィン重合用固体触媒は、流
動性に優れているので取扱いが容易であり、重合器への
供給などが容易である。また、重合時にヒートスポット
が発生し難く、シーティングやポリマー塊の発生を防止
することができ、長期的に安定してオレフィンを重合す
ることができる。
【0056】本発明のオレフィン重合用固体触媒は、オ
レフィンが予備重合されていてもよい。オレフィン重合
用予備重合触媒は、前記(A)オレフィン重合用触媒成
分と、前記(B)(B-1)ポリアルキレンオキサイドブロ
ック、(B-2)高級脂肪族アミド、および(B-3)ポリアルキ
レンオキサイドから選ばれる少なくとも1種の化合物
と、必要に応じて前記(C)有機アルミニウム化合物
と、(D)予備重合により生成するオレフィン重合体と
から形成されている。
【0057】上記のようなオレフィン重合用予備重合触
媒は、前記(A-1)遷移金属化合物と、前記(A-2)有機アル
ミニウムオキシ化合物と、前記(A-3)微粒子状担体と、
前記(B)(B-1)ポリアルキレンオキサイドブロック、
(B-2)高級脂肪族アミド、および(B-3)ポリアルキレンオ
キサイドから選ばれる少なくとも1種の化合物と、必要
に応じて前記(C)有機アルミニウム化合物と、(D)
予備重合により生成するオレフィン重合体とから形成さ
れていることが好ましい。
【0058】このようなオレフィン重合用予備重合触媒
を調製する方法としては、例えば、(1)(A-1)遷移金
属化合物と、(A-2)有機アルミニウムオキシ化合物と、
(A-3)微粒子状担体とを不活性炭化水素溶媒中またはオ
レフィン媒体中で混合接触させて得られる固体触媒成分
に、化合物(B)の存在下、少量のオレフィンを予備重
合する方法や、(2)(A-1)遷移金属化合物と、(A-2)有
機アルミニウムオキシ化合物と、(A-3)微粒子状担体と
を不活性炭化水素溶媒中またはオレフィン媒体中で混合
接触させて得られる固体触媒成分に、少量のオレフィン
を予備重合することにより予備重合触媒成分を調製し、
該予備重合触媒成分と化合物(B)とを混合接触させる
方法などがある。
【0059】なお、予備重合時に(C)有機アルミニウ
ム化合物を用いることができる。オレフィン重合用予備
重合触媒の調製に用いられる不活性炭化水素溶媒として
は、前記固体触媒成分を調製する際に用いられる不活性
炭化水素溶媒と同様のものが挙げられる。
【0060】オレフィン重合用予備重合触媒を調製する
に際して、(A-1)遷移金属化合物は遷移金属原子換算
で、(A-3)微粒子状担体1g当り、通常0.001〜
1.0ミリモル、好ましくは0.005〜0.5ミリモ
ルの量で用いられ、(A-2)有機アルミニウムオキシ化合
物はアルミニウム原子換算で、通常0.1〜100ミリ
モル、好ましくは0.5〜20ミリモルの量で用いられ
る。(C)有機アルミニウム化合物を用いる場合は、(A
-3)微粒子状担体1g当り、通常0.001〜1000
ミリモル、好ましくは0.01〜500ミリモルの量で
用いられる。
【0061】化合物(B)は、前記(1)の方法では固
体触媒成分100重量部に対して、0.1〜20重量
部、好ましくは0.3〜15重量部、より好ましくは
0.4〜10重量部の量で用いられ、前記(2)の方法
では予備重合触媒成分100重量部に対して、0.01
〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部、より好
ましくは0.4〜3重量部の量で用いられる。
【0062】オレフィン重合用予備重合触媒は炭化水素
溶媒の懸濁液として得られるが、本発明では、溶媒を除
去し、得られたオレフィン重合用予備重合触媒を乾燥し
た後、重合に用いることが好ましい。乾燥は、不活性ガ
ス雰囲気中、好ましくは窒素気流下、0〜100℃、好
ましくは20〜60℃の温度で、1〜50時間、好まし
くは1〜20時間行うことが望ましい。
【0063】上記のようにして得られたオレフィン重合
用予備重合触媒は、(A-3)微粒子状担体1g当たり、(A-
1)遷移金属化合物が遷移金属原子換算で約5×10-6
10- 3モル、好ましくは10-5〜3×10-4モルの量で
担持され、(A-2)有機アルミニウムオキシ化合物がアル
ミニウム原子換算で約10-3〜10-1モル、好ましくは
2×10-3〜5×10-2モルの量で担持され、化合物
(B)が0.5〜500mg、好ましくは25〜250
mgの量で担持され、予備重合により生成するオレフィ
ン重合体(D)が、約0.1〜500g、好ましくは
0.3〜300g、特に好ましくは1〜100gの量で
担持されていることが望ましい。
【0064】本発明のオレフィン重合用予備重合触媒
は、流動性に優れているので取扱いが容易であり、重合
器への供給などが容易である。また、重合時にヒートス
ポットが発生し難く、シーティングやポリマー塊の発生
を防止することができ、長期的に安定してオレフィンを
重合することができる。
【0065】重合 本発明に係るオレフィン重合用固体触媒を用いたオレフ
ィンの重合は、スラリー重合または気相重合により行わ
れる。スラリー重合において用いられる不活性炭化水素
媒体としては、前記固体触媒成分を調製する際に用いら
れる不活性炭化水素溶媒と同様のものが挙げられる。こ
れらの不活性炭化水素溶媒のうちで脂肪族炭化水素、脂
環族炭化水素が好ましい。重合の際には、さらに(A-3)
微粒子状担体に担持されていない(A-2)有機アルミニウ
ムオキシ化合物および/または(C)有機アルミニウム
化合物を用いることができる。
【0066】オレフィンの重合温度は、スラリー重合を
実施する際には、通常−50〜100℃、好ましくは0
〜90℃の範囲であることが望ましい。気相重合を実施
する際には、重合温度は通常0〜120℃、好ましくは
20〜100℃の範囲であることが望ましい。また、重
合圧力は、通常、常圧〜100kg/cm2、好ましく
は常圧〜50kg/cm2の条件下であり、重合反応
は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法において
も行うことができる。
【0067】本発明に係るオレフィン重合用固体触媒に
より重合することができるオレフィンとしては、炭素数
が2〜20のα-オレフィン、例えばエチレン、プロピ
レン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1
-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テ
トラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイ
コセン;炭素数が3〜20の環状オレフィン、例えばシ
クロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-メチ
ル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2-メチル-
1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナ
フタレンなどを挙げることができる。さらにスチレン、
ビニルシクロヘキサン、ジエンなどを用いることもでき
る。これらの中では、エチレンを主モノマーとするエチ
レン系重合体が好ましい。エチレン系重合体としてはエ
チレン成分が50モル%以上であり、必要に応じて、炭
素数4ないし10のα−オレフィンとの共重合体があ
る。
【0068】
【発明の効果】本発明に係るオレフィン重合用固体触媒
は、流動性に優れ、かつ重合時のヒートスポットが発生
し難く、シート状物やポリマー塊の発生を防止すること
ができ長期的に安定してオレフィンを重合することがで
きる。
【0069】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0070】オートクレーブ器壁状態評点は下記のよう
にして行った。 ○: オートクレーブの器壁等にポリマーの付着が認め
られなかった ×: オートクレーブの器壁等にポリマーの付着が認め
られた
【実施例1】固体触媒成分(a)の調製 250℃で10時間乾燥したシリカ10kgを、154
リットルのトルエンに懸濁した後、0℃まで冷却した。
その後、この懸濁液に、メチルアミノキサンのトルエン
溶液(Al=1.52モル/リットル)50.5リット
ルを1時間かけて滴下した。この際、系内の温度を0〜
5℃の範囲に保った。引続き0℃で30分間反応させ、
次いで1.5時間かけて95℃まで昇温し、その温度で
4時間反応させた。その後60℃まで降温し、上澄液を
デカンテーション法により除去した。このようにして得
られた固体成分をトルエンで2回洗浄した後、トルエン
100リットルで再懸濁し、全量を160リットルとし
た。
【0071】このようにして得られた懸濁液に、ビス
(1,3-n-ブチルメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリドのトルエン溶液(Zr=25.7ミリモ
ル/リットル)22.0リットルを80℃で30分間か
けて滴下し、さらに80℃で2時間反応させた。その
後、上澄液を除去し、ヘキサンで2回洗浄することによ
り、固体触媒成分1g当り3.2mgのジルコニウムを
含有する固体触媒成分(a)を得た。予備重合触媒成分(b)の調製 充分に窒素置換した350リットルの反応器に、上記で
調製した固体触媒成分7.0kgとヘキサンを装入し、
全容積を285リットルにした。系内を10℃まで冷却
した後、エチレンを8Nm3/hの流量で5分間ヘキサ
ン中に吹き込んだ。この間、系内の温度は、10〜15
℃に保持した。その後、エチレンの供給を停止し、トリ
イソブチルアルミニウムを2.4モルおよび1-ヘキセン
を1.2kg装入した。系内を密閉系にした後、8Nm
3/hの流量でエチレンの供給を再度開始した。15分
後、エチレンの流量を2Nm3/hに下げ、系内の圧力
を0.8kg/cm2-Gにした。この間に、系内の温度
は35℃まで上昇した。その後、系内の温度を32〜3
5℃に調節しながら、エチレンを4Nm3/hの流量で
3.5時間供給した。この間、系内の圧力は0.7〜
0.8kg/cm2-Gに保持されていた。次いで、系内
を窒素により置換を行った後、上澄み液を除去し、ヘキ
サンで2回洗浄した。このようにして固体触媒成分(a)
1g当たり3gのポリマーが予備重合された予備重合触
媒成分(b)を得た。この予備重合したポリマーの極限粘
度[η]は2.1dl/gであり、1-ヘキセンの含量は
4.8重量%であった。予備重合触媒(b-1)の調製 上記で調製した予備重合触媒成分(b)10g(100g
/リットル−トルエン)にポリアルキレンオキサイドブ
ロック(商品名:エパン420、第一工業製薬製)を
0.3g添加し、35℃で4時間反応させた。得られた
固体成分を濾過し、ヘキサンで2回洗浄後、窒素気流
下、室温で48時間乾燥することにより、予備重合触媒
(b-1)を得た。なお、エパン420の平均分子量は約1
500である。(エチレンオキサイド部分の分子量は約
300に相当し、プロピレンオキサイド部分の分子量は
約1200に相当する。)重合 充分に窒素置換した内容積1リットルのステンレス製オ
ートクレーブにヘプタン500mlを装入し、系内をエ
チレンで置換した後、1-ヘキセン20ml、上記で調製
した予備重合触媒成分(b)0.28gを装入し、室温で
10分間保持した。その後、上記で調製した予備重合触
媒(b-1)0.38gを装入し、系内の温度を70℃に昇
温した。次いで、エチレンを導入することにより重合を
開始した。その後、連続的にエチレンを供給しながら、
8kg/cm2-G、80℃の重合条件で1.5時間重合
を行った。濾過によりポリマーを回収し、減圧下、80
℃で一晩乾燥することにより、メルトフローレートが
0.13g/10分であり、密度が0.927g/cm3
であり、嵩比重が0.41g/cm3であるエチレン・1
-ヘキセン共重合体164gを得た。また、オートクレ
ーブの器壁や攪拌羽根へのポリマーの付着は認められな
かった。なお、帯電防止剤の効果は予備重合触媒(b)
(帯電防止剤を担持していない予備重合触媒)を用い、
下記の観点によって評価した。すなわち、通常の重合
は、スカベンジャーとして、下図で触媒(1)のところで
トリイソブチルアルミニウム(TIBA)などのアルキルAlを
使用するが、アルキルAl自身が帯電防止剤としても働く
ため、触媒(2)に担持している帯電防止剤の評価ができ
ない。そこで、アルキルAlの代わりに、帯電防止剤を担
持していない触媒(1)をスカベンジャーとして使用す
る。 ・ 下図で触媒(1)を使用しなければ、ポリマー収
量は極端に少なくなる。触媒(2)の一部活性点が系中の
不純物で失活するためである。 ・ 下図で触媒(2)を使用しなければ、ポリマーは
ほとんど得られない。触媒(1)に含まれるAl(アルミノキ
サン等に由来する)のほとんどすべてがスカベンジャー
として働いたため、触媒(1)の活性点のほとんどが失活
するためである。下図で触媒(2)の代わりに触媒(1)を使
用すれば、生成パウダーは帯電付着する。
【実施例2】予備重合触媒(b-2)の調製 実施例1で調製した予備重合触媒成分(b)10g(10
0g/リットル−ヘキサン)にラウリルジエタノールア
ミド(商品名:ケミスタット2500、三洋化成製)を
0.3g添加し、35℃で4時間反応させた。得られた
固体成分を濾過し、窒素気流下、室温で48時間乾燥す
ることにより、予備重合触媒(b-2)を得た。重合 実施例1の重合において、予備重合触媒(b-1)の代わり
に上記で調製した予備重合触媒(b-2)を0.38g用い
たこと以外は実施例1と同様にしてエチレンと1-ヘキセ
ンとの共重合を行った。重合終了後のオートクレーブの
器壁や攪拌羽根へのポリマーの付着は認められなかっ
た。結果を表1に示す。
【実施例3】予備重合触媒(b-3)の調製 実施例1の予備重合触媒(b-1)の調製において、エパン
420(第一工業製薬製)の代わりにポリエチレングリ
コール300(和光純薬工業)を0.15g用いたこと
以外は実施例1と同様にして予備重合触媒(b-3)を得た。重合 実施例1の重合において、予備重合触媒(b-1)の代わり
に上記で調製した予備重合触媒(b-3)を0.38g用い
たこと以外は実施例1と同様にしてエチレンと1-ヘキセ
ンとの共重合を行った。重合終了後のオートクレーブの
器壁や攪拌羽根へのポリマーの付着は認められなかっ
た。結果を表1に示す。
【実施例4】予備重合触媒(b-4)の調製 実施例2の予備重合触媒(b-2)の調製において、ケミス
タット2500(三洋化成製)の代わりにポリプロピレ
ングリコールジオール型平均分子量400(和光純薬工
業)を0.15g用いたこと以外は実施例2と同様にし
て予備重合触媒(b-4)を得た。重合 実施例1の重合において、予備重合触媒(b-1)の代わり
に上記で調製した予備重合触媒(b-4)を0.38g用い
たこと以外は実施例1と同様にしてエチレンと1-ヘキセ
ンとの共重合を行った。重合終了後のオートクレーブの
器壁や攪拌羽根へのポリマーの付着は認められなかっ
た。結果を表1に示す。
【実施例5】予備重合触媒(b-5)の調製 実施例2の予備重合触媒(b-2)の調製において、ケミス
タット2500(三洋化成製)の代わりにポリプロピレ
ングリコールジオール型平均分子量1,000(和光純
薬工業)を0.3g用いたこと以外は実施例2と同様に
して予備重合触媒(b-5)を得た。重合 実施例1の重合において、予備重合触媒(b-1)の代わり
に上記で調製した予備重合触媒(b-5)を0.38g用い
たこと以外は実施例1と同様にしてエチレンと1-ヘキセ
ンとの共重合を行った。重合終了後のオートクレーブの
器壁や攪拌羽根へのポリマーの付着は認められなかっ
た。結果を表1に示す。
【比較例1】重合 実施例1の重合において、予備重合触媒(b-1)の代わり
に実施例1で調製した予備重合触媒(b)を0.35g用
いたこと以外は実施例1と同様にしてエチレンと1-ヘキ
センとの共重合を行った。重合終了後のオートクレーブ
の器壁や攪拌羽根に多くのポリマーの付着が認められ
た。結果を表1に示す。
【実施例6】固体触媒(a-1)の調製 実施例1で調製した固体触媒成分(a)1.6kg(40
0g/リットル−ヘキサン)にポリプロピレングリコー
ルジオール型平均分子量400(和光純薬工業)を14
g添加し、35℃で4時間反応させた後、上澄み液を除
去し、窒素気流下、室温で48時間乾燥することによ
り、固体触媒(a-1)を得た。重合 連続式流動床気相重合装置を用い、全圧20kg/cm
2-G、重合温度70℃、ガス線速0.7m/sec.で、エ
チレンと1-ヘキセンとの共重合を行った。上記で調製し
た固体触媒(a-1)を1.7g/hおよびトリイソブチル
アルミニウムを5ミリモル/hの割合で連続的に供給
し、重合の間一定のガス組成を維持するためにエチレ
ン、1-ヘキセン、水素、窒素を連続的に供給した(ガス
組成;1-ヘキセン/エチレン=0.025、水素/エチ
レン=4.6ラ10-4、エチレン濃度=70%)。得ら
れたエチレン・1-ヘキセン共重合体の収量は、6.5k
g/hであり、密度が0.921g/cm3であり、M
FRが4.0g/10分であり、嵩比重が0.42g/c
3であり、ポリマーの平均粒径が930μmであり、
100μm以下の微粉ポリマー量が0.0重量%であっ
た。1日間の連続運転の後、重合装置の内壁および分散
板を点検したところ、付着ポリマーは認められなかっ
た。
【比較例2】重合 実施例6において固体触媒(a-1)の代わりに、実施例1
で調製した固体触媒成分(a)を用いたこと以外は実施例
6と同様にしてエチレンと1-ヘキセンとの共重合を開始
したが、規定重合量に到達する前に重合壁面にシート状
のポリマーが生成し、連続重合不能となった。
【実施例7】予備重合触媒(b-6)の調製 実施例1で調製した予備重合触媒成分(b)2kg(50
0g/リットル−ヘキサン)にポリプロピレングリコー
ルジオール型平均分子量400(和光純薬工業)を30
g添加し、35℃で4時間反応させた後、上澄み液を除
去し、窒素気流下、室温で48時間乾燥することによ
り、予備重合触媒(b-6)を得た。重合 連続式流動床気相重合装置を用い、全圧20kg/cm
2-G、重合温度90℃、ガス線速0.7m/sec.で、エ
チレンと1-ヘキセンとの共重合を行った。上記で調製し
た予備重合触媒(b-6)を8.4g/hおよびトリイソブ
チルアルミニウムを5ミリモル/hの割合で連続的に供
給しながら重合を開始した。重合の間一定のガス組成を
維持するためにエチレン、1-ヘキセン、水素、窒素を連
続的に供給した(ガス組成;1-ヘキセン/エチレン=
0.024、水素/エチレン=4.5×10-4、エチレ
ン濃度=71%)。得られたエチレン・1-ヘキセン共重
合体の収量は、6.3kg/hであり、密度が0.92
2g/cm3であり、MFRが3.7g/10分であり、
嵩比重が0.39g/cm3であり、ポリマーの平均粒
径が770μmであり、100μm以下の微粉ポリマー
量が0.0重量%であった。2日間の連続運転の後、重
合装置の内壁および分散板を点検したところ、付着ポリ
マーは認められなかった。
【比較例3】重合 実施例7において予備重合触媒(b-6)の代わりに、実施
例1で調製した予備重合触媒成分(b)を用いたこと以外
は実施例7と同様にしてエチレンと1-ヘキセンとの共重
合を開始したが、規定重合量に到達する前に重合壁面に
シート状のポリマーが生成し、連続重合不能となった。 実施例、比較例の触媒調製処方、重合方法一覧 例 触媒名 触媒調製処方 重合 実施例1 (b−1)(b)+エパン420 スラリー 実施例2 (b−2)(b)+ケミスタット250 スラリー 実施例3 (b−3)(b)+PEG300 スラリー 実施例4 (b−4)(b)+PPGジオール400 スラリー 実施例5 (b−5)(b)+PPGジオール1000 スラリー 比較例1 (b) (b) スラリー 実施例6 (a−1)(a)+PPGジオール400 気相 比較例2 (a) (a) 気相 実施例7 (b−6)(b)+PPGジオール400 気相 比較例3 (b) (b) 気相 なお、固体触媒成分(a)の組成は、シリカ/アルミノ
キサン/ジルコニウム化合物からなる。予備重合触媒成
分(b)は、(a)に予備重合を行い、(a)1g当た
り3グラムポリマー生成したものである。 表1 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 収量 MFR 密度 嵩比重 オートクレーブ (g) (g/10分) (g/cm3) (g/cm3) 器壁状態評点 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 実施例1 164 0.13 0.927 0.41 ○ 実施例2 145 0.16 0.927 0.41 ○ 実施例3 171 0.15 0.926 0.42 ○ 実施例4 183 0.14 0.925 0.42 ○ 実施例5 168 0.13 0.926 0.41 ○ 比較例1 180 0.14 0.925 0.44 × ────────────────────────────────────
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J028 AA01A AB00A AB01A AC01A AC02A AC10A AC22A AC28A BA00A BA01B BB00A BB01B BC14B BC25B CB08C CB66C EA01 EB01 EB02 EB04 EB05 EB07 EB08 EB09 EB10 EB11 EB21 EC01 EC02 FA01 FA04 GB03 GB07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)オレフィン重合用触媒成分と、
    (B)(B-1)ポリアルキレンオキサイドブロック、(B-2)
    高級脂肪族アミド、および(B-3)ポリアルキレンオキサ
    イドから選ばれる少なくとも1種の化合物とからなるこ
    とを特徴とするオレフィン重合用固体触媒。
  2. 【請求項2】前記(A)オレフィン重合用触媒成分が、
    (A-1)シクロペンタジエニル骨格を有する周期表第4族
    の遷移金属化合物と、(A-2)有機アルミニウムオキシ化
    合物と、(A-3)微粒子状担体とからなる触媒成分である
    請求項1に記載のオレフィン重合用固体触媒。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載のオレフィ
    ン重合用固体触媒の存在下に、オレフィンを重合または
    共重合させることを特徴とするオレフィンの重合方法。 【0001】
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