JP2009144113A - オレフィン重合用触媒成分、オレフィン重合用触媒、及びそれを用いるオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒成分、オレフィン重合用触媒、及びそれを用いるオレフィン重合体の製造方法 Download PDF

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【課題】天然物ではなく合成品である新規な助触媒兼担体を提供することにより、性能が安定しかつ高性能なオレフィン重合用触媒成分、それを用いたオレフィン重合用触媒、それらを用いたオレフィン重合体の製造方法の提供。
【解決手段】成分[A]:BET多点法で測定した比表面積が10m/g以上である周期律表第5族の遷移金属の酸化物、および成分[B]:周期律表第3〜12族の遷移金属化合物を含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒成分、それを用いたオレフィン重合用触媒、それらを用いたオレフィン重合体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、オレフィン重合用触媒成分、オレフィン重合用触媒、及びそれを用いるオレフィン重合体の製造方法に関する。詳しくは、酸点の強度及び量や構造、組成を制御した特定の助触媒兼担体を用いた、性能が安定し、かつ高性能なオレフィン重合用触媒成分、オレフィン重合用触媒、及びそれを用いるオレフィン重合体の製造方法に関する。
助触媒兼担体として、粘土又は粘土鉱物をオレフィン重合用触媒成分として利用した触媒の存在下に、オレフィンを重合してオレフィン重合体を製造することは公知である(例えば、特許文献1〜2参照。)。また、酸処理もしくは塩類処理を行ったイオン交換性層状化合物を成分として含むオレフィン重合用触媒も知られている(例えば、特許文献3〜8参照。)。さらにまた、強酸点を大量に有する粘土鉱物をオレフィン重合用触媒成分として利用することも公知である(例えば、特許文献9参照。)。
しかしながら、これらは、天然物である粘土鉱物を使用する場合が多いため、産出地や採掘場所、切り羽などの違いで性能が変化するという問題点があった。また、合成品の粘土を触媒成分として利用することも公知であるが、合成手法が複雑であり、安定した品質のものを得るには高コストであった。
特開平5−295022号公報 特開平5−301917号公報 特開平7−228621号公報 特開平7−309906号公報 特開平7−309907号公報 特開平8−127613号公報 特開平10−168109号公報 特開平10−168110号公報 特開2002−53609号公報
本発明は、かかる従来技術の状況において、天然物ではなく合成品である新規な助触媒兼担体を提供することにより、性能が安定し、かつ高性能なオレフィン重合用触媒成分、それを用いたオレフィン重合用触媒、それらを用いたオレフィン重合体の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、活性点前駆体となるメタロセン錯体等を活性化する固体助触媒を工業的に大量に生産するために必要な要件として、(i)強酸点の存在、(ii)易崩壊性、(iii)合成可能、の点が必要である結論に到達し、これらのうち、(i)、(ii)を満たすため従来の技術としては粘土鉱物、その中でも特にモンモリロナイトを利用しており、これは(iii)の点で難点があったが、BET多点法で測定した比表面積が10m/g以上である周期律表第5族の遷移金属の酸化物と周期律表第3〜12族の遷移金属化合物の含む触媒成分が(i)〜(iii)のすべてを満たす固体助触媒になり得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記成分[A]、成分[B]を含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒成分が提供される。
成分[A]:BET多点法で測定した比表面積が10m/g以上である周期律表第5族の遷移金属の酸化物
成分[B]:周期律表第3〜12族の遷移金属化合物
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、成分[A]がNbを含むものであることを特徴とするオレフィン重合用触媒成分が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、成分[A]がNbとTiの両方を含むものであることを特徴とするオレフィン重合用触媒成分が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、成分[A]がSi、P、As、Ge、Snを実質的に含まないものであることを特徴とするオレフィン重合用触媒成分が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、成分[B]が第4族の遷移金属化合物であることを特徴とするオレフィン重合用触媒成分が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、成分[B]がメタロセン化合物であることを特徴とするオレフィン重合用触媒成分が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明において、成分[A]がpKaが−8.2以下の酸点を持ち、その量がそれを中和するために成分[A]1g当たり2,6−ジメチルピリジンを0.001ミリモル以上要するものであることを特徴とするオレフィン重合用触媒成分が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、下記成分[A]、成分[B]、および成分[C]からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒が提供される。
成分[A]:BET多点法で測定した比表面積が10m/g以上である周期律表第5族の遷移金属の酸化物
成分[B]:周期律表第3〜12族の遷移金属化合物
成分[C]:有機アルミニウム化合物
また、本発明の第9の発明によれば、第8の発明のオレフィン重合用触媒を用いることを特徴とするオレフィン重合体の製造方法が提供される。
本発明のオレフィン重合用触媒成分は、(i)強酸点の存在、(ii)易崩壊性、(iii)合成可能であり、かつ性能が安定し、高性能なオレフィン重合用触媒となる。
本発明は、成分[A]BET多点法で測定した比表面積が10m/g以上である周期律表第5族の遷移金属の酸化物、および成分[B]周期律表第3〜12族の遷移金属化合物を含むオレフィン重合用触媒成分、成分[A]、成分[B]、および成分[C]有機アルミニウム化合物を含むオレフィン重合用触媒、ならびにそれらを用いたオレフィン重合体の製造方法である。以下、本発明を詳細に説明する。
1.オレフィン重合用触媒成分
(1)成分[A]
本発明のオレフィン重合用触媒成分で用いる成分[A]は、周期律表第5族の遷移金属の酸化物である。遷移金属の酸化物とは、遷移金属原子が酸素と結合した化合物である。このなかでもいろいろな種類が存在するが、金属酸化物が無限に広がったバルク構造を持つ通常の金属酸化物や、またこれとは異なり一個の分子を形成しているポリ酸が存在する。ポリ酸の構造は、X線構造解析で正確に測定することができる。ポリ酸は、構造が明確であるため、助触媒兼担体として設計する上で非常に優れているとともに、その設計により、前述の(i)強酸点の存在と(ii)易崩壊性とを両立させることも可能となる。
ポリ酸の具体的な構造としては、例えば、バナジウム(V5+)、ニオブ(Nb5+)、モリブデン(Mo6+)、タングステン(W6+)、タンタル(Ta5+)などの遷移金属イオンに酸化物イオン(O2−)が4〜6配位してできる四面体、四角錐、八面体などの多面体が基本単位となっている構造が挙げられる。
ポリ酸は、これら多面体が稜や頂点を共有して積み木のように多数縮合してできた多核錯体を構成しており、代表的な高次構造として、ケギン型(Keggin−type)[PW12403−やドーソン型(Dawson−type)[P1862n−などが知られている。さらに構造異性体も存在し、例えば、ケギン構造のα、β、γ、δ体がある。ポリ酸は、通常陰イオン(anion)として存在し、その負電荷を補償するため結晶中では、対カチオンとしてプロトン(H)、NaやKなどのアルカリ金属イオン、Ca2+、Sr2+などのアルカリ土類金属イオン、時にはアルキルアンモニウムイオン(R4−n)などの有機カチオンが周囲を取り囲み、さらに水分子などの溶媒分子も格子中に存在する場合がある。
また、ポリ酸と金属酸化物との中間的な構造として、無限(ポリマー)構造のポリ酸も知られている。
なお、ポリ酸は、通常溶液中で合成され、水や有機溶媒に溶けるものも存在するが、オレフィン重合用触媒成分としては、少なくとも1種類の不溶性溶媒が存在するものが好ましい。
その理由は、担体としての固体構造を確立させてから、活性点である成分[B]を接触させて触媒を合成することが好ましいからである。
合成法としては、単核の金属酸素酸イオンを水や有機溶媒に溶かし、酸を加えて行くとこれらが脱水縮合して多核化してポリ酸を製造する。このときヘテロ原子を加えておくと、取り込まれてヘテロポリ酸を生成する。生成するポリ酸イオン種は、金属の種類、濃度、温度、pH、反応時間、ヘテロ原子の種類や量論比などによって制御できる。その他の合成法として水熱合成法や焼成による固相合成法がある。
なお、単一の金属原子から構成される(Mx−をイソポリ酸というのに対し,ヘテロ原子が金属酸素酸骨格に挿入された(Xx−型のポリ酸をヘテロポリ酸という。Xは、Si、P、As、Ge、Snなどのヘテロ原子である。
本発明の成分[A]で用いる好ましい酸化物は、Si、P、As、Ge、Snなどが実質的に含有されてない酸化物である。実質的に含有されてないというのは、不純物として少量存在する程度のことをいい、具体的には、金属原子(複数あればそれの合計)のモル数に対して1/100以下であることを言う。
本発明において成分[A]としては、ニオブの酸化物が好ましい。またこれに加えてチタンが含有されているものも好ましい。具体的には、HTiNbO、HNbなどが挙げられる。
また、成分[A]は、BET多点法で測定した比表面積が10m/g以上、好ましくは15m/g以上である。比表面積が10m/g未満であると、反応する部分が少なくなるため活性が低下すると考えられ、また担体として必要な易崩壊性が得られない。
ここで、比表面積は、BET(Brunauer−Emmett−Teller)多点法により測定する値であり、具体的には、200℃、真空下で2時間前処理をしたサンプルを、吸着質を窒素ガスとして吸着等温線を測定し、吸着等温線からBETプロットを作製し、この勾配と切片から単分子吸着量を求め、比表面積を算出して得る値である。
比表面積を増加させる方法については、公知の方法が使用できる。例えば、粉砕したり、またピラー化合物を内部に導入することで細孔を増加させる方法や、造粒時にZnOなど酸で溶解する化合物を混入させてその後酸処理を行いZnOなどを溶出させることで細孔、比表面積を増加させる方法、Takagakiらによる文献Journal of Physical Chemistry B 2004年 108巻 11549−11555に記載されているようにナノシート化するなどが例示される。好ましくはナノシート化する方法である。
その理由は以下の2つである。第1はナノシート化することで表面積を増大させ単位重量あたりの反応点、活性点を増加させることができるためである。第2の点は、ナノシート化することで、活性点前駆体である成分[B]を担持する担体として必要な易崩壊性を得ることができるためである。
また、成分[A]は、pKaが−8.2以下の酸点を持ち、その量がそれを中和するために成分[A]1g当たり、2,6−ジメチルピリジンを0.001ミリモル以上要するものであることが好ましく、さらに好ましくは0.01ミリモル以上のものである。
pKaが−8.2以下の酸点の量は、特開2002−53609号公報に記載の方法で測定しても良いが、精密に測定する場合は、本発明の実施例に記載のように指示薬の着色を可視紫外スペクトルで定量しながら機器的に定量する方法が好ましい。
ここで、酸とは、物質の分類のカテゴリーの一つであり、ブレンステッド酸又はルイス酸である物質を指すと定義する。また、酸点とはその物質が酸としての性質を示す構成単位であると定義し、その量は、滴定法などの分析手段により、単位重量あたりの中和に要する2,6−ジメチルピリジン量のモル量で把握される。pKaが−8.2以下の酸点は、「強酸点」と呼ばれる。
本発明で用いる成分[A]は、強い酸点を特定量以上含有することによって重合活性が格段に向上する。
成分[A]は、助触媒兼担体として作用する。従ってこの形状が生成するポリマー粒子(パウダー)の形状と性質に大きく影響するため、粒径や形状も重要である。
成分[A]の平均粒径は、0.1〜1000μm、好ましくは1〜500μmの範囲である。
また、粒径分布として微粉が少ない方が、重合時の付着や配管閉塞防止の観点で好ましい。好ましい微粉量としては、平均粒径の1/10以下の粒子の割合が全体の10wt%以下、さらに好ましくは5wt%以下、特に好ましくは2wt%以下である。
なお、形状を整えるため噴霧造粒等による造粒を実施しても良い。例えば、噴霧造粒を行う場合、原料スラリーの分散媒として、水あるいはメタノール、エタノール、クロロホルム、塩化メチレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の有機溶媒を用いる。好ましくは水を分散媒として用いる。噴霧造粒の熱風の入口の温度は、分散媒により異なるが、水を例にとると80〜260℃、好ましくは100〜220℃で行う。
また、造粒の際に有機物、無機溶媒、無機塩、各種バインダーを用いてもよい。用いられるバインダーとしては、例えば、砂糖、デキストローズ、コーンシロップ、ゼラチン、グルー、カルボキシメチルセルロース類、ポリビニルアルコール、水ガラス、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネシウム、アルコール類、グリコール、澱粉、カゼイン、ラテックス、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、タール、ピッチ、アルミナゾル、シリカゲル、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ等が挙げられる。
上記のようにして得られた球状粒子は、重合工程での破砕や微粉発生を抑制するためには、0.2MPa以上の圧縮破壊強度を有することが好ましい。このような粒子強度の場合には、特に予備重合を行う場合に、粒子性状改良効果が有効に発揮される。
さらに、成分[A]は、乾燥を行うことが好ましい。一般的には、乾燥温度は100〜800℃、好ましくは150〜600℃で実施可能である。乾燥時間は、通常1分〜24時間、好ましくは5分〜4時間であり、雰囲気は乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、又は減圧下であることが好ましい。乾燥方法に関しては、特に限定されず各種方法で実施可能である。
(2)成分[B]
本発明のオレフィン重合用触媒成分で使用する成分[B]は、周期律表第3〜12族の遷移金属化合物である。具体的には、第3〜10族の遷移金属ハロゲン化物、第3〜6族遷移金属のメタロセン化合物、第4族遷移金属のビスアミド又はビスアルコキシド化合物、第8〜10族遷移金属のビスイミド化合物、第3〜11族遷移金属のフェノキシイミン化合物が挙げられる。
これらの中でも第4族遷移金属のメタロセン化合物が好ましく、具体的には、下記一般式(I)〜(VI)で表される化合物が使用される。
(C5−a )(C5−b )MXY …(I)
Q(C4−c )(C4−d )MXY …(II)
Q’(C4−e )ZMXY …(III)
(C5−f )ZMXY …(IV)
(C5−f )MXYW …(V)
Q”(C5−g )(C5−h )MXY…(VI)
式(I)〜(VI)中、Qは二つの共役五員環配位子を架橋する結合性基を、Q’は共役五員環配位子とZ基を架橋する結合性基を、Q”はRとRを架橋する結合性基を、Mは周期律表第3〜12族遷移金属を、X、Y及びWはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基、炭素数1〜20のリン含有炭化水素基又は炭素数1〜20の珪素含有炭化水素基を、Zは酸素、イオウを含む配位子、炭素数1〜40の珪素含有炭化水素基、炭素数1〜40の窒素含有炭化水素基又は炭素数1〜40のリン含有炭化水素基を示す。Mは特にTi、Zr、Hf等の第4族遷移金属が好ましい。
〜Rはそれぞれ独立して、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、珪素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基又はホウ素含有炭化水素基を示す。また、隣接する2個のR、2個のR、2個のR、2個のR、又は2個のRが、それぞれ結合して炭素数4〜10個の環を形成していてもよい。a、b、c、d、e、及びfは、それぞれ0≦a≦5、0≦b≦5、0≦c≦4、0≦d≦4、0≦e≦4、0≦f≦5、0≦g≦5、0≦h≦5、を満足する整数である。
2個の共役五員環配位子の間を架橋する結合性基Q、共役五員環配位子とZ基とを架橋する結合性基Q’、及び、RとRを架橋するQ”は、具体的には下記のようなものが挙げられる。メチレン基、エチレン基のようなアルキレン基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、フェニルメチリデン基、ジフェニルメチリデン基のようなアルキリデン基、ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジプロピルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルエチルシリレン基、メチルフェニルシリレン基、メチル−t−ブチルシリレン基、ジシリレン基、テトラメチルジシリレン基のような珪素含有架橋基、ゲルマニウム含有架橋基、アルキルフォスフィン、アミン等である。これらのうち、アルキレン基、アルキリデン基、珪素含有架橋基、及びゲルマニウム含有架橋基が特に好ましく用いられる。
上述の一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)で表される具体的なZr錯体を下記に例示するが、ZrをHf又はTiに置き換えた化合物も同様に使用可能である。また、一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)で示される成分[B]は、同一の一般式で示される化合物、又は異なる一般式で示される化合物の二種以上の混合物として用いることができる。
一般式(I)で表される具体的なZr錯体:
ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4,5ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビスフルオレニルジルコニウムジクロリド、ビス(4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4H−アズレニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド
一般式(II)で表される具体的なZr錯体:
ジメチルシリレンビス(1,1’−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチルインデニル)}エチレンビス{1,1’−(2−メチル−4,5ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1,1’−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス{1,1’−(2−メチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
一般式(III)で表される具体的なZr錯体:
(第3級ブチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライド、(メチルアミド)−(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル−ジルコニウムジクロライド、(エチルアミド)(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)−メチレンジルコニウムジクロライド、(第3級ブチルアミド)ジメチル−(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル、(ベンジルアミド)ジメチル(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(フエニルホスフイド)ジメチル(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル
一般式(IV)で表される具体的なZr錯体:
(シクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2,6−ジ−i−プロピルフェノキシ)ジルコニウムジクロリド
一般式(V)で表される具体的なZr錯体:
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、(シクロペンタジエニル)ジルコニウムトリイソプロポキシド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリイソプロポキシド
一般式(VI)で表される具体的なZr錯体:
エチレンビス(7,7’−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{7,7’−(1−メチル−3−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[7,7’−{1−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル}]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{7,7’−(1−エチル−3−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{7,7’−(1−イソプロピル−3−(4−クロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド
さらに、メタロセン化合物の特殊な例として、 特開平7−188335号公報やJounal of American Chemical Society,1996、Vol.118,2291に開示されている5員環あるいは6員環に炭素以外の元素を一つ以上含む配位子を有する遷移金属化合物も使用可能である。
周期律表第4族のビスアミド化合物の好適な例としては、Macromolecules,Vol.29,5241(1996)やJounal of American Chemical Society,Vol.119,No.16,3830(1997)、Jounal of American Chemical Society,Vol.121,No.24,5798(1999)に開示されている窒素原子に嵩高い置換基を有した架橋型遷移金属化合物を挙げることができる。
また、周期律表第4族のビスアルコキシド化合物の好適な例としては、WO87/02370号で開示されている周期律表第4族の遷移金属化合物で、好ましくは二つのアリーロキシ配位子が架橋基により結合し、さらに好ましくは、その架橋基が遷移金属に配位し得る架橋型遷移金属化合物を挙げることができる。
さらに周期律表第8〜10族遷移金属のビスイミド化合物は、Jounalof American Chemical Society,Vol.117,6414、WO96/23010号やChemical Comunication 849頁、Jounal of American Chemical Society,Vol.120,4049、WO98/27124号で開示されている窒素原子に嵩高い置換基を有した架橋型遷移金属ビスイミド化合物を好適な例として挙げることができる。
その他、周期律表第3〜10族遷移金属のフェノキシイミン化合物の好適な例としては、 特開平11−315109号公報で開示されている化合物を挙げることができる。
さらに、これらの成分[B]は、二種以上の混合物として用いることができる。さらに、先述した周期律表第3〜12族メタロセン化合物と組合せて複数種を併用することもできる。
2.オレフィン重合用触媒
(1)触媒成分
本発明のオレフィン重合用触媒は、上述の成分[A]と成分[B]、及び下記成分[C]有機アルミニウム化合物からなる。
本発明のオレフィン重合用触媒で用いられる成分[C]としては、一般式(AlR3−nで表される有機アルミニウム化合物が使用される。式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表し、Xはハロゲン、水素、アルコキシ基又はアミノ基を表し、nは1〜3の、mは1〜2の整数を各々表す。有機アルミニウム化合物は、単独であるいは複数種を組み合わせて使用することができる。
有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリノルマルプロピルアルミニウム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、トリノルマルオクチルアルミニウム、トリノルマルデシルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムジメチルアミド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムクロライド等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、m=1、n=3のトリアルキルアルミニウム及びアルキルアルミニウムヒドリドである。さらに好ましくは、Rが炭素数1〜8であるトリアルキルアルミニウムである。
(2)触媒の調製、予備重合
本発明のオレフィン重合用触媒は、上記成分[A]、成分[B]、及び成分[C]を含み、これらは重合槽内で、あるいは重合槽外で接触させオレフィンの存在下で予備重合を行ってもよい。予備重合させるオレフィンとは、炭素間二重結合を少なくとも1個含む炭化水素をいい、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチルブテン−1、スチレン、ジビニルベンゼン等が例示されるが、特に種類に制限はなく、これらと他のオレフィンとの混合物を用いてもよい。好ましくは炭素数3以上のオレフィンがよい。
前記成分[A]、成分[B]、及び成分[C]の使用量は任意であるが、成分[B]中の遷移金属と成分[C]中のアルミニウムとの比が、成分[A]1gあたり、0.1〜1000(μmol):0〜100000(μmol)となるように接触させることが好ましい。
前記成分[A]、成分[B]、及び成分[C]を接触させる順番は任意であり、これらのうち2つの成分を接触させた後に残りの1成分を接触させてもよいし、3つの成分を同時に接触させてもよい。これらの接触において接触を充分に行うため溶媒を用いてもよい。溶媒としては脂肪族飽和炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族不飽和炭化水素やこれらのハロゲン化物、また予備重合モノマーなどが例示される。
予備重合後に触媒を乾燥してもよい。乾燥方法には特に制限は無いが、減圧乾燥や加熱乾燥、乾燥ガスを流通させることによる乾燥などが例示され、これらの方法を単独で用いても良いし2つ以上の方法を組み合わせて用いてもよい。乾燥工程において触媒を攪拌、振動、流動させてもよいし静置させてもよい。
本発明の触媒は、遊離した成分[B]が少ない方がよく、そのためには予備重合前もしくは予備重合後に少なくとも一度はスラリーの上澄みを除去することが好ましい。除去の方法としてはデカンテーションや洗浄法が挙げられる。その場合の除去率には制限は無いが、もとの溶媒の50%以上を除去することが好ましく、さらに好ましくは90%以上である。このようにして得られた触媒中における、成分[B]に由来する金属原子の量を担持量と呼ぶことがある。本発明における担持量として好ましくは触媒(予備重合ポリマーを除いた固体触媒の重量)1gあたり5μmol以上、さらに好ましくは10μmol以上である。
3.オレフィン重合体の製造方法
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、前記成分[A]、成分[B]、及び成分[C]からなるオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィン単独あるいは該オレフィンと他のコモノマーとを混合接触させることにより行われる。共重合の場合、反応系中の各モノマーの量比は、経時的に一定である必要はなく、各モノマーを一定の混合比で供給することも便利であるし、供給するモノマーの混合比を経時的に変化させることも可能である。また、共重合反応比を考慮してモノマーのいずれかを分割添加することもできる。
重合し得るオレフィンとしては、炭素数2〜20程度のものが好ましく、具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、スチレン、ジビニルベンゼン、7−メチル−1,7−オクタジエン、シクロペンテン、ノルボルネン、エチリデンノルボルネン等が挙げられる。好ましくは炭素数2〜8のα−オレフィンである。共重合の場合、用いられるコモノマーの種類は、前記オレフィンとして挙げられるものの中から、主成分となるもの以外のオレフィンを選択して用いることができる。なかでも本発明の技術はエチレン、プロピレンの重合、共重合に特に効果がある。
重合様式は、触媒成分と各モノマーが効率よく接触するならば、あらゆる様式を採用しうる。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー法、不活性溶媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒として用いる方法、溶液重合法あるいは実質的に液体溶媒を用いず各モノマーをガス状に保つ気相法などが採用できる。また、連続重合、回分式重合、又は予備重合を行う方法も適用される。
スラリー重合の場合は、重合溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族又は芳香族炭化水素の単独又は混合物が用いられる。重合温度は0〜150℃であり、また分子量調節剤として補助的に水素を用いることができる。重合圧力は0〜2000kg/cmG、好ましくは0〜60kg/cmGが適当である。
次に実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれらの実施例によって制約を受けるものではない。
なお本実施例における測定法は次の通りである。
(1)MFR:JIS K7210A法・条件Mに従い、以下の条件で測定した。単位はg/10分である。
試験温度:230℃
公称加重:2.16kg
ダイ形状:直径2.095mm 長さ8.000mm。
(2)比表面積の測定:カンタークローム社製オートソーブ3Bを用い、BET(Brunauer−Emmett−Teller)多点法により測定した。200℃、真空下で2時間前処理をしたサンプルを、吸着質を窒素ガスとして吸着等温線を測定した。吸着等温線からBETプロットを作製し、この勾配と切片から単分子吸着量を求め、比表面積を算出した。
(3)酸点量の測定:窒素雰囲気下で、試験管中にサンプル0.2gとトルエン2mlを加えスラリーとし、指示薬であるアントラキノン 0.1wt%トルエン溶液2.0mlを加え黄色に変色させた。その後、自動滴定装置(ダイヤインスルメンツ製GT−100)により2,6−ジメチルピリジン(トルエン溶液0.01M)を10μLずつ添加してゆき、紫外可視吸光光度計(浜松ホトニクス社製PMA−11)により、指示薬の酸性色である黄色のピーク(510nm)が消失するまでに要した2,6−ジメチルピリジンの量をpKaが−8.2以下の酸点の量とした。
(4)数平均分子量、重量平均分子量の測定:重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲル・パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定した。保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行った。
使用する標準ポリスチレンは何れも東ソー(株)製の以下の銘柄である。
F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000。
各々が0.5mg/mLとなるようにo−ジクロロベンゼン(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.2mL注入して較正曲線を作成し、較正曲線は最小二乗法で近似して得られる三次式を用いた。分子量への換算に使用する粘度式[η]=K×Mαは以下の数値を用いた。
PS:K=1.38×10−4、α=0.7
PE:K=3.92×10−4、α=0.733
PP:K=1.03×10−4、α=0.78
なお、GPCの測定条件は以下の通りである。
装置:Waters社製GPC(ALC/GPC 150C)
検出器:FOXBORO社製MIRAN 1A IR検出器(測定波長:3.42μm)
カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本)
移動相溶媒:o−ジクロロベンゼン
測定温度:140℃
流速:1.0ml/分
注入量:0.2ml
試料の調製:試料は、o−ジクロロベンゼン(0.5mg/mLのBHTを含む)を用いて1mg/mLの溶液を調製し、140℃で約1時間を要して溶解させた。なお触媒残渣が多いポリマーの場合はフィルターで触媒残渣を除去したのちに測定した。
また、得られたクロマトグラムのベースラインと区間は、図1のように行った。
(5)Zr含量の測定:試料0.1gを白金坩堝に採取し硫酸を添加して加熱炭化後、700℃で灰化した。灰化物に硫酸、フッ化水素を添加後加熱することによりSiFとしてSiを輝散除去し、Zrを溶解してJOBIN YVON社製JY138 ULTRACE型 ICP−AES装置にてZr含量を測定した。
(実施例1)
(1)HTiNbOナノシートの合成
KTiNbOは、Takagakiらによる文献Journal of Physical Chemistry B 2004年 108巻 11549−11555のreference5−7に記載の方法を参考に、下記の通り合成した。
CO、TiO、Nbを化学量論比で1150℃まで焼成しKTiNbOを得た。
これをHNOでプロトン化してHTiNbOを得た。
さらにこれを水でスラリー状態とし、撹拌しながらpHが9.5〜10を維持するように10wt%のテトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)水溶液を添加してナノシート化した。HNO添加による再凝集により遊離したナノシートを回収した。
得られたものを光学顕微鏡で観察したものを図1に示す。またこれの比表面積を測定したところ15m/gであった。また2,6−ジメチルピリジンを用いて測定したpKa−8.2以下の酸点の量は0.005ミリモル/gであった。
(2)触媒合成
以下の操作は、すべて精製窒素中で実施した。上記で得られたHTiNbOナノシート1.0gをヘプタン3.7mLのスラリーとし、トリノルマルオクチルアルミニウム2.5mmol(濃度144.8mg/mLのヘプタン溶液として6.3mL)を加えて1時間攪拌後、ヘプタンで洗浄(洗浄倍率:1/100)した後、全容量を25mLとした。
また別のフラスコ中で調製した(ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(p−クロロフェニル)ジヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリドのトルエンスラリー3mL(濃度10mM)を上記HTiNbOスラリーに添加し、トリノルマルオクチルアルミニウム(濃度144.8mg/mLのヘプタン溶液として0.30mL)を加えて、60分間60℃で攪拌し反応させた。その後上澄みを25mL除去し、トリイソブチルアルミニウム595mgを加えてさらにヘプタンを加え、固体触媒濃度10mg/mLのスラリーとした。
この触媒を乾燥させZr含量を測定したところ、12.1μmol/gのZr担持量であった。
(3)プロピレン−エチレン共重合体の重合
3Lオートクレーブにトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(140mg/mL)2.86mLを加え、水素45mL(標準状態での体積)、エチレン12g、液体プロピレン750gを導入した後、70℃まで昇温後、上記触媒30mgを高圧アルゴンで重合槽に圧送し、1時間重合した。得られたポリマーをスパチュラでかき集めた量は0.9gであった。数平均分子量Mnは102600、重量平均分子量Mwは236600、Mw/Mnは2.31であった。
得られたポリマーの光学顕微鏡で観察したものを図3に示す。図3のように、得られたポリマーは粒子の形をしており、図2の触媒の形と類似している。このことからHTiNbO上に担持されたメタロセン錯体が活性点になって重合していると考えられる。
(実施例2)
(1)プロピレン−エチレン共重合体の重合
3Lオートクレーブにトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(140mg/mL)2.86mLを加え、水素270mL(標準状態での体積)、エチレン12g、液体プロピレン750gを導入した後、75℃まで昇温後、実施例1で合成した触媒100mgを高圧アルゴンで重合槽に圧送し、1時間重合した。重合開始時の気相部水素濃度は0.46%、30分後の気相部水素濃度は0.37%、重合終了時の気相部水素濃度は0.37%であった。得られたポリマーをスパチュラでかき集めた量は0.9gであった。数平均分子量Mnは19200、重量平均分子量Mwは45600、Mw/Mnは2.37であった。
(実施例3)
(1)プロピレン−エチレン共重合体の重合
3Lオートクレーブにトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(140mg/mL)2.86mLを加え、水素45mL(標準状態での体積)、エチレン24g、液体プロピレン750gを導入した後、70℃まで昇温後、実施例1で合成した触媒100mgを高圧アルゴンで重合槽に圧送し、1時間重合した。重合開始時の気相部水素濃度は0.07%、30分後の気相部水素濃度は0.07%、重合終了時の気相部水素濃度は0.06%であった。得られたポリマーをスパチュラでかき集めた量は0.1gであった。数平均分子量Mnは61500、重量平均分子量Mwは170900、Mw/Mnは2.78であった。
本発明のオレフィン重合用触媒成分は、性能が安定した高性能な合成した助触媒兼担体を用いているので、工業的に大量に生産でき、ポリオレフィンの製用造触媒として産業上有効に用いることができる。
GPC測定におけるクロマトグラムのベースラインと区間を示す図である。 実施例1で得られたHTiNbOナノシートの光学顕微鏡で観察した図である。 実施例1で得られたポリマー粒子の光学顕微鏡で観察した図である。

Claims (9)

  1. 下記成分[A]、成分[B]を含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒成分。
    成分[A]:BET多点法で測定した比表面積が10m/g以上である周期律表第5族の遷移金属の酸化物
    成分[B]:周期律表第3〜12族の遷移金属化合物
  2. 成分[A]がNbを含むものであることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン重合用触媒成分。
  3. 成分[A]がNbとTiの両方を含むものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のオレフィン重合用触媒成分。
  4. 成分[A]がSi、P、As、Ge、Snを実質的に含まないものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒成分。
  5. 成分[B]が第4族の遷移金属化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒成分。
  6. 成分[B]がメタロセン化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒成分。
  7. 成分[A]がpKaが−8.2以下の酸点を持ち、その量がそれを中和するために成分[A]1g当たり2,6−ジメチルピリジンを0.001ミリモル以上要するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒成分。
  8. 下記成分[A]、成分[B]、および成分[C]からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒。
    成分[A]:BET多点法で測定した比表面積が10m/g以上である周期律表第5族の遷移金属の酸化物
    成分[B]:周期律表第3〜12族の遷移金属化合物
    成分[C]:有機アルミニウム化合物
  9. 請求項8に記載のオレフィン重合用触媒を用いることを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
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