JP2009144113A - オレフィン重合用触媒成分、オレフィン重合用触媒、及びそれを用いるオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】成分[A]:BET多点法で測定した比表面積が10m2/g以上である周期律表第5族の遷移金属の酸化物、および成分[B]:周期律表第3〜12族の遷移金属化合物を含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒成分、それを用いたオレフィン重合用触媒、それらを用いたオレフィン重合体の製造方法。
【選択図】なし
Description
しかしながら、これらは、天然物である粘土鉱物を使用する場合が多いため、産出地や採掘場所、切り羽などの違いで性能が変化するという問題点があった。また、合成品の粘土を触媒成分として利用することも公知であるが、合成手法が複雑であり、安定した品質のものを得るには高コストであった。
成分[A]:BET多点法で測定した比表面積が10m2/g以上である周期律表第5族の遷移金属の酸化物
成分[B]:周期律表第3〜12族の遷移金属化合物
成分[A]:BET多点法で測定した比表面積が10m2/g以上である周期律表第5族の遷移金属の酸化物
成分[B]:周期律表第3〜12族の遷移金属化合物
成分[C]:有機アルミニウム化合物
(1)成分[A]
本発明のオレフィン重合用触媒成分で用いる成分[A]は、周期律表第5族の遷移金属の酸化物である。遷移金属の酸化物とは、遷移金属原子が酸素と結合した化合物である。このなかでもいろいろな種類が存在するが、金属酸化物が無限に広がったバルク構造を持つ通常の金属酸化物や、またこれとは異なり一個の分子を形成しているポリ酸が存在する。ポリ酸の構造は、X線構造解析で正確に測定することができる。ポリ酸は、構造が明確であるため、助触媒兼担体として設計する上で非常に優れているとともに、その設計により、前述の(i)強酸点の存在と(ii)易崩壊性とを両立させることも可能となる。
ポリ酸は、これら多面体が稜や頂点を共有して積み木のように多数縮合してできた多核錯体を構成しており、代表的な高次構造として、ケギン型(Keggin−type)[PW12O40]3−やドーソン型(Dawson−type)[P2W18O62]n−などが知られている。さらに構造異性体も存在し、例えば、ケギン構造のα、β、γ、δ体がある。ポリ酸は、通常陰イオン(anion)として存在し、その負電荷を補償するため結晶中では、対カチオンとしてプロトン(H+)、Na+やK+などのアルカリ金属イオン、Ca2+、Sr2+などのアルカリ土類金属イオン、時にはアルキルアンモニウムイオン(R4−nHnN+)などの有機カチオンが周囲を取り囲み、さらに水分子などの溶媒分子も格子中に存在する場合がある。
また、ポリ酸と金属酸化物との中間的な構造として、無限(ポリマー)構造のポリ酸も知られている。
その理由は、担体としての固体構造を確立させてから、活性点である成分[B]を接触させて触媒を合成することが好ましいからである。
合成法としては、単核の金属酸素酸イオンを水や有機溶媒に溶かし、酸を加えて行くとこれらが脱水縮合して多核化してポリ酸を製造する。このときヘテロ原子を加えておくと、取り込まれてヘテロポリ酸を生成する。生成するポリ酸イオン種は、金属の種類、濃度、温度、pH、反応時間、ヘテロ原子の種類や量論比などによって制御できる。その他の合成法として水熱合成法や焼成による固相合成法がある。
本発明の成分[A]で用いる好ましい酸化物は、Si、P、As、Ge、Snなどが実質的に含有されてない酸化物である。実質的に含有されてないというのは、不純物として少量存在する程度のことをいい、具体的には、金属原子(複数あればそれの合計)のモル数に対して1/100以下であることを言う。
ここで、比表面積は、BET(Brunauer−Emmett−Teller)多点法により測定する値であり、具体的には、200℃、真空下で2時間前処理をしたサンプルを、吸着質を窒素ガスとして吸着等温線を測定し、吸着等温線からBETプロットを作製し、この勾配と切片から単分子吸着量を求め、比表面積を算出して得る値である。
その理由は以下の2つである。第1はナノシート化することで表面積を増大させ単位重量あたりの反応点、活性点を増加させることができるためである。第2の点は、ナノシート化することで、活性点前駆体である成分[B]を担持する担体として必要な易崩壊性を得ることができるためである。
pKaが−8.2以下の酸点の量は、特開2002−53609号公報に記載の方法で測定しても良いが、精密に測定する場合は、本発明の実施例に記載のように指示薬の着色を可視紫外スペクトルで定量しながら機器的に定量する方法が好ましい。
ここで、酸とは、物質の分類のカテゴリーの一つであり、ブレンステッド酸又はルイス酸である物質を指すと定義する。また、酸点とはその物質が酸としての性質を示す構成単位であると定義し、その量は、滴定法などの分析手段により、単位重量あたりの中和に要する2,6−ジメチルピリジン量のモル量で把握される。pKaが−8.2以下の酸点は、「強酸点」と呼ばれる。
本発明で用いる成分[A]は、強い酸点を特定量以上含有することによって重合活性が格段に向上する。
成分[A]の平均粒径は、0.1〜1000μm、好ましくは1〜500μmの範囲である。
また、粒径分布として微粉が少ない方が、重合時の付着や配管閉塞防止の観点で好ましい。好ましい微粉量としては、平均粒径の1/10以下の粒子の割合が全体の10wt%以下、さらに好ましくは5wt%以下、特に好ましくは2wt%以下である。
また、造粒の際に有機物、無機溶媒、無機塩、各種バインダーを用いてもよい。用いられるバインダーとしては、例えば、砂糖、デキストローズ、コーンシロップ、ゼラチン、グルー、カルボキシメチルセルロース類、ポリビニルアルコール、水ガラス、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネシウム、アルコール類、グリコール、澱粉、カゼイン、ラテックス、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、タール、ピッチ、アルミナゾル、シリカゲル、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ等が挙げられる。
本発明のオレフィン重合用触媒成分で使用する成分[B]は、周期律表第3〜12族の遷移金属化合物である。具体的には、第3〜10族の遷移金属ハロゲン化物、第3〜6族遷移金属のメタロセン化合物、第4族遷移金属のビスアミド又はビスアルコキシド化合物、第8〜10族遷移金属のビスイミド化合物、第3〜11族遷移金属のフェノキシイミン化合物が挙げられる。
(C5H5−aR1 a)(C5H5−bR2 b)MXY …(I)
Q(C5H4−cR1 c)(C5H4−dR2 d)MXY …(II)
Q’(C5H4−eR3 e)ZMXY …(III)
(C5H5−fR3 f)ZMXY …(IV)
(C5H5−fR3 f)MXYW …(V)
Q”(C5H5−gR4 g)(C5H5−hR5 h)MXY…(VI)
ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4,5ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビスフルオレニルジルコニウムジクロリド、ビス(4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4H−アズレニル)シクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル)ジルコニウムジクロリド
ジメチルシリレンビス(1,1’−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチルインデニル)}エチレンビス{1,1’−(2−メチル−4,5ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1,1’−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロアズレニル}]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1,1’−(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、エチレンビス{1,1’−(2−メチル−4−ヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド
(第3級ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライド、(メチルアミド)−(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル−ジルコニウムジクロライド、(エチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−メチレンジルコニウムジクロライド、(第3級ブチルアミド)ジメチル−(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル、(ベンジルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロライド、(フエニルホスフイド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル
(シクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(フェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)ジルコニウムジクロリド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)(2,6−ジ−i−プロピルフェノキシ)ジルコニウムジクロリド
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリド、(シクロペンタジエニル)ジルコニウムトリイソプロポキシド、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリイソプロポキシド
エチレンビス(7,7’−インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{7,7’−(1−メチル−3−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[7,7’−{1−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル}]ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{7,7’−(1−エチル−3−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{7,7’−(1−イソプロピル−3−(4−クロロフェニル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド
(1)触媒成分
本発明のオレフィン重合用触媒は、上述の成分[A]と成分[B]、及び下記成分[C]有機アルミニウム化合物からなる。
本発明のオレフィン重合用触媒で用いられる成分[C]としては、一般式(AlRnX3−n)mで表される有機アルミニウム化合物が使用される。式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表し、Xはハロゲン、水素、アルコキシ基又はアミノ基を表し、nは1〜3の、mは1〜2の整数を各々表す。有機アルミニウム化合物は、単独であるいは複数種を組み合わせて使用することができる。
本発明のオレフィン重合用触媒は、上記成分[A]、成分[B]、及び成分[C]を含み、これらは重合槽内で、あるいは重合槽外で接触させオレフィンの存在下で予備重合を行ってもよい。予備重合させるオレフィンとは、炭素間二重結合を少なくとも1個含む炭化水素をいい、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチルブテン−1、スチレン、ジビニルベンゼン等が例示されるが、特に種類に制限はなく、これらと他のオレフィンとの混合物を用いてもよい。好ましくは炭素数3以上のオレフィンがよい。
本発明の触媒は、遊離した成分[B]が少ない方がよく、そのためには予備重合前もしくは予備重合後に少なくとも一度はスラリーの上澄みを除去することが好ましい。除去の方法としてはデカンテーションや洗浄法が挙げられる。その場合の除去率には制限は無いが、もとの溶媒の50%以上を除去することが好ましく、さらに好ましくは90%以上である。このようにして得られた触媒中における、成分[B]に由来する金属原子の量を担持量と呼ぶことがある。本発明における担持量として好ましくは触媒(予備重合ポリマーを除いた固体触媒の重量)1gあたり5μmol以上、さらに好ましくは10μmol以上である。
本発明のオレフィン重合体の製造方法は、前記成分[A]、成分[B]、及び成分[C]からなるオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィン単独あるいは該オレフィンと他のコモノマーとを混合接触させることにより行われる。共重合の場合、反応系中の各モノマーの量比は、経時的に一定である必要はなく、各モノマーを一定の混合比で供給することも便利であるし、供給するモノマーの混合比を経時的に変化させることも可能である。また、共重合反応比を考慮してモノマーのいずれかを分割添加することもできる。
(1)MFR:JIS K7210A法・条件Mに従い、以下の条件で測定した。単位はg/10分である。
試験温度:230℃
公称加重:2.16kg
ダイ形状:直径2.095mm 長さ8.000mm。
(2)比表面積の測定:カンタークローム社製オートソーブ3Bを用い、BET(Brunauer−Emmett−Teller)多点法により測定した。200℃、真空下で2時間前処理をしたサンプルを、吸着質を窒素ガスとして吸着等温線を測定した。吸着等温線からBETプロットを作製し、この勾配と切片から単分子吸着量を求め、比表面積を算出した。
(3)酸点量の測定:窒素雰囲気下で、試験管中にサンプル0.2gとトルエン2mlを加えスラリーとし、指示薬であるアントラキノン 0.1wt%トルエン溶液2.0mlを加え黄色に変色させた。その後、自動滴定装置(ダイヤインスルメンツ製GT−100)により2,6−ジメチルピリジン(トルエン溶液0.01M)を10μLずつ添加してゆき、紫外可視吸光光度計(浜松ホトニクス社製PMA−11)により、指示薬の酸性色である黄色のピーク(510nm)が消失するまでに要した2,6−ジメチルピリジンの量をpKaが−8.2以下の酸点の量とした。
(4)数平均分子量、重量平均分子量の測定:重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲル・パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定した。保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行った。
使用する標準ポリスチレンは何れも東ソー(株)製の以下の銘柄である。
F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000。
各々が0.5mg/mLとなるようにo−ジクロロベンゼン(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.2mL注入して較正曲線を作成し、較正曲線は最小二乗法で近似して得られる三次式を用いた。分子量への換算に使用する粘度式[η]=K×Mαは以下の数値を用いた。
PS:K=1.38×10−4、α=0.7
PE:K=3.92×10−4、α=0.733
PP:K=1.03×10−4、α=0.78
なお、GPCの測定条件は以下の通りである。
装置:Waters社製GPC(ALC/GPC 150C)
検出器:FOXBORO社製MIRAN 1A IR検出器(測定波長:3.42μm)
カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本)
移動相溶媒:o−ジクロロベンゼン
測定温度:140℃
流速:1.0ml/分
注入量:0.2ml
試料の調製:試料は、o−ジクロロベンゼン(0.5mg/mLのBHTを含む)を用いて1mg/mLの溶液を調製し、140℃で約1時間を要して溶解させた。なお触媒残渣が多いポリマーの場合はフィルターで触媒残渣を除去したのちに測定した。
また、得られたクロマトグラムのベースラインと区間は、図1のように行った。
(5)Zr含量の測定:試料0.1gを白金坩堝に採取し硫酸を添加して加熱炭化後、700℃で灰化した。灰化物に硫酸、フッ化水素を添加後加熱することによりSiF4としてSiを輝散除去し、Zrを溶解してJOBIN YVON社製JY138 ULTRACE型 ICP−AES装置にてZr含量を測定した。
(1)HTiNbO5ナノシートの合成
KTiNbO5は、Takagakiらによる文献Journal of Physical Chemistry B 2004年 108巻 11549−11555のreference5−7に記載の方法を参考に、下記の通り合成した。
K2CO3、TiO2、Nb2O5を化学量論比で1150℃まで焼成しKTiNbO5を得た。
これをHNO3でプロトン化してHTiNbO5を得た。
さらにこれを水でスラリー状態とし、撹拌しながらpHが9.5〜10を維持するように10wt%のテトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)水溶液を添加してナノシート化した。HNO3添加による再凝集により遊離したナノシートを回収した。
得られたものを光学顕微鏡で観察したものを図1に示す。またこれの比表面積を測定したところ15m2/gであった。また2,6−ジメチルピリジンを用いて測定したpKa−8.2以下の酸点の量は0.005ミリモル/gであった。
以下の操作は、すべて精製窒素中で実施した。上記で得られたHTiNbO5ナノシート1.0gをヘプタン3.7mLのスラリーとし、トリノルマルオクチルアルミニウム2.5mmol(濃度144.8mg/mLのヘプタン溶液として6.3mL)を加えて1時間攪拌後、ヘプタンで洗浄(洗浄倍率:1/100)した後、全容量を25mLとした。
また別のフラスコ中で調製した(ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−(p−クロロフェニル)ジヒドロアズレニル)ジルコニウムジクロリドのトルエンスラリー3mL(濃度10mM)を上記HTiNbO5スラリーに添加し、トリノルマルオクチルアルミニウム(濃度144.8mg/mLのヘプタン溶液として0.30mL)を加えて、60分間60℃で攪拌し反応させた。その後上澄みを25mL除去し、トリイソブチルアルミニウム595mgを加えてさらにヘプタンを加え、固体触媒濃度10mg/mLのスラリーとした。
この触媒を乾燥させZr含量を測定したところ、12.1μmol/gのZr担持量であった。
3Lオートクレーブにトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(140mg/mL)2.86mLを加え、水素45mL(標準状態での体積)、エチレン12g、液体プロピレン750gを導入した後、70℃まで昇温後、上記触媒30mgを高圧アルゴンで重合槽に圧送し、1時間重合した。得られたポリマーをスパチュラでかき集めた量は0.9gであった。数平均分子量Mnは102600、重量平均分子量Mwは236600、Mw/Mnは2.31であった。
得られたポリマーの光学顕微鏡で観察したものを図3に示す。図3のように、得られたポリマーは粒子の形をしており、図2の触媒の形と類似している。このことからHTiNbO5上に担持されたメタロセン錯体が活性点になって重合していると考えられる。
(1)プロピレン−エチレン共重合体の重合
3Lオートクレーブにトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(140mg/mL)2.86mLを加え、水素270mL(標準状態での体積)、エチレン12g、液体プロピレン750gを導入した後、75℃まで昇温後、実施例1で合成した触媒100mgを高圧アルゴンで重合槽に圧送し、1時間重合した。重合開始時の気相部水素濃度は0.46%、30分後の気相部水素濃度は0.37%、重合終了時の気相部水素濃度は0.37%であった。得られたポリマーをスパチュラでかき集めた量は0.9gであった。数平均分子量Mnは19200、重量平均分子量Mwは45600、Mw/Mnは2.37であった。
(1)プロピレン−エチレン共重合体の重合
3Lオートクレーブにトリイソブチルアルミニウムのヘプタン溶液(140mg/mL)2.86mLを加え、水素45mL(標準状態での体積)、エチレン24g、液体プロピレン750gを導入した後、70℃まで昇温後、実施例1で合成した触媒100mgを高圧アルゴンで重合槽に圧送し、1時間重合した。重合開始時の気相部水素濃度は0.07%、30分後の気相部水素濃度は0.07%、重合終了時の気相部水素濃度は0.06%であった。得られたポリマーをスパチュラでかき集めた量は0.1gであった。数平均分子量Mnは61500、重量平均分子量Mwは170900、Mw/Mnは2.78であった。
Claims (9)
- 下記成分[A]、成分[B]を含むことを特徴とするオレフィン重合用触媒成分。
成分[A]:BET多点法で測定した比表面積が10m2/g以上である周期律表第5族の遷移金属の酸化物
成分[B]:周期律表第3〜12族の遷移金属化合物 - 成分[A]がNbを含むものであることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン重合用触媒成分。
- 成分[A]がNbとTiの両方を含むものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のオレフィン重合用触媒成分。
- 成分[A]がSi、P、As、Ge、Snを実質的に含まないものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒成分。
- 成分[B]が第4族の遷移金属化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒成分。
- 成分[B]がメタロセン化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒成分。
- 成分[A]がpKaが−8.2以下の酸点を持ち、その量がそれを中和するために成分[A]1g当たり2,6−ジメチルピリジンを0.001ミリモル以上要するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のオレフィン重合用触媒成分。
- 下記成分[A]、成分[B]、および成分[C]からなることを特徴とするオレフィン重合用触媒。
成分[A]:BET多点法で測定した比表面積が10m2/g以上である周期律表第5族の遷移金属の酸化物
成分[B]:周期律表第3〜12族の遷移金属化合物
成分[C]:有機アルミニウム化合物 - 請求項8に記載のオレフィン重合用触媒を用いることを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
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