JPH06220127A - ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

ポリオレフィンの製造方法

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JPH06220127A
JPH06220127A JP1108393A JP1108393A JPH06220127A JP H06220127 A JPH06220127 A JP H06220127A JP 1108393 A JP1108393 A JP 1108393A JP 1108393 A JP1108393 A JP 1108393A JP H06220127 A JPH06220127 A JP H06220127A
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JP
Japan
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group
bis
compound
zirconium
aluminum
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Application number
JP1108393A
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English (en)
Inventor
Masaaki Kawasaki
崎 雅 昭 川
Atsuo Obata
畑 敦 生 小
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、分子量分布が広く、成形性に優れ
たポリオレフィンを高い重合活性で製造することができ
るようなポリオレフィンの製造方法を提供する。 【構成】本発明に係るポリオレフィンの製造方法は、
[A]周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属のメタロ
セン化合物、[B]有機アルミニウムオキシ化合物およ
び[C]有機アルミニウム化合物から形成されるオレフ
ィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを重合または共
重合させてポリオレフィンを製造するに際して、上記有
機アルミニウム化合物と有機アルミニウムオキシ化合物
との比(Al原子比)を0.1〜5とするとともに、脂
肪族炭化水素媒体または脂環族炭化水素媒体の存在下に
重合を行なうことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ポリオレフィンの製造方
法に関し、さらに詳しくは分子量分布が広く、成形性に
優れたポリオレフィンを高い重合活性で製造しうるポリ
オレフィンの製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】エチレン・プロピレン共重合体な
どのエチレン・α−オレフィン共重合体は、従来より、
種々の成形方法によりフィルム、容器、家庭用品などに
成形されて広く利用されている。
【0003】このようなエチレン・α−オレフィン共重
合体などのポリオレフィンの製造方法としては、従来、
チタン化合物と有機アルミニウム化合物とからなるチタ
ン系触媒、あるいはバナジウム化合物と有機アルミニウ
ム化合物とからなるバナジウム系触媒の存在下に、オレ
フィンを共重合させる方法が知られている。
【0004】近年、このようなオレフィン重合用触媒と
して、ジルコノセンなどの遷移金属化合物および有機ア
ルミニウムオキシ化合物からなるメタロセン系触媒が提
案されており、該メタロセン系触媒を用いれば、オレフ
ィンを高活性で重合または共重合させることができると
ともに、組成分布に優れた(組成分布の狭い)ポリオレ
フィンが得られることが知られている。
【0005】このように高活性のメタロセン系触媒を用
いて製造されたポリオレフィンは、触媒残渣が少なく、
成形体が着色することなく、しかも衛生性が良好であ
る。このようなメタロセン系触媒を用いて、たとえば溶
液重合法、懸濁重合法などの方法によって溶媒の存在下
にポリオレフィンを製造する方法では、重合溶媒として
通常トルエンなどの芳香族炭化水素が用いられている。
【0006】ところで上記のような従来のメタロセン系
触媒を用いて製造されるポリオレフィンは、分子量分布
が狭く、成形性に劣るという問題点がある。このためも
し、分子量分布が広く、成形性に優れたポリオレフィン
を、メタロセン系触媒を用いて高い重合活性で製造する
ことができるようなポリオレフィンの製造方法が出現す
れば、その工業的価値は大きい。
【0007】本発明者は、上記のような従来技術に鑑み
てポリオレフィンの製造方法について鋭意研究したとこ
ろ、メタロセン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合
物と、該有機アルミニウムオキシ化合物に対してAl原
子比で0.1〜5の量の有機アルミニウム化合物とから
形成されるオレフィン重合用触媒を用いて、脂肪族炭化
水素または脂環族炭化水素の存在下に、オレフィンを重
合または共重合させると、分子量分布が広く、成形性に
優れたポリオレフィンを高い重合活性で製造することが
できることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の目的】本発明は、メタロセン系オレフィン重合
用触媒を用いて、分子量分布が広く、成形性に優れたポ
リオレフィンを高い重合活性で製造しうるようなポリオ
レフィンの製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係るポリオレフィンの製造方法
は、[A]周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属のメ
タロセン化合物、[B]有機アルミニウムオキシ化合物
および[C]有機アルミニウム化合物から形成されるオ
レフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを重合また
は共重合させてポリオレフィンを製造するに際して、上
記有機アルミニウム化合物と有機アルミニウムオキシ化
合物との比(Al原子比)を0.1〜5とするととも
に、脂肪族炭化水素媒体または脂環族炭化水素媒体の存
在下に重合を行なうことを特徴としている。
【0010】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るポリオレフィ
ンの製造方法について具体的に説明する。本発明に係る
ポリオレフィンの製造方法は、[A]周期律表第IVB族
から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物、[B]有機
アルミニウムオキシ化合物および[C]有機アルミニウ
ム化合物から形成されるオレフィン重合用触媒の存在下
に、オレフィンを重合または共重合させてポリオレフィ
ンを製造するに際して、上記有機アルミニウム化合物と
有機アルミニウムオキシ化合物との比(Al原子比)を
0〜5とするとともに、脂肪族炭化水素媒体または脂環
族炭化水素媒体の存在下に重合を行なっている。
【0011】まず本発明において用いられる触媒につい
て説明する。本発明で用いられる周期律表第IVB族から
選ばれる遷移金属のメタロセン化合物[A]は、具体的
に、次式[I]で表わされる。
【0012】MLx …[I] [式中、MはZr、Ti、Hf、V、Nb、TaおよびCrか
らなる群から選ばれる遷移金属であり、Lは遷移金属に
配位する配位子であり、少なくとも1個のLはシクロペ
ンタジエニル骨格を有する配位子であり、シクロペンタ
ジエニル骨格を有する配位子以外のLは、炭素数1〜1
2の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、トリ
アルキルシリル基、SO3R基(ただしRはハロゲンな
どの置換基を有していてもよい炭素数1〜8の炭化水素
基)、ハロゲン原子または水素原子であり、xは遷移金
属の原子価である。] シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては、た
とえば、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタ
ジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメ
チルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペン
タジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、
エチルシクロペンタジエニル基、メチルエチルシクロペ
ンタジエニル基、プロピルシクロペンタジエニル基、メ
チルプロピルシクロペンタジエニル基、ブチルシクロペ
ンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル
基、ヘキシルシクロペンタジエニル基などのアルキル置
換シクロペンタジエニル基あるいはインデニル基、4,5,
6,7-テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などを
例示することができる。これらの基は、ハロゲン原子、
トリアルキルシリル基などで置換されていてもよい。
【0013】これらの遷移金属に配位する配位子の中で
は、アルキル置換シクロペンタジエニル基が特に好まし
い。上記一般式で表される化合物がシクロペンタジエニ
ル骨格を有する基を2個以上含む場合には、そのうち2
個のシクロペンタジエニル骨格を有する基同士は、エチ
レン、プロピレンなどのアルキレン基、イソプロピリデ
ン、ジフェニルメチレンなどの置換アルキレン基、シリ
レン基またはジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン
基、メチルフェニルシリレン基などの置換シリレン基な
どを介して結合されていてもよい。
【0014】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外の配位子Lとしては、具体的に下記のようなものが
挙げられる。炭素数1〜12の炭化水素基としては、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基などが挙げられ、より具体的には、アルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基などが例示され、シクロアルキル基として
は、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが例示さ
れ、アリール基としては、フェニル基、トリル基などが
例示され、アラルキル基としては、ベンジル基、ネオフ
ィル基などが例示される。
【0015】またアルコキシ基としては、メトキシ基、
エトキシ基、ブトキシ基などが例示され、アリーロキシ
基としては、フェノキシ基などが例示され、ハロゲンと
しては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが例示され
る。
【0016】SO3Rで表される配位子としては、p-ト
ルエンスルホナト基、メタンスルホナト基、トリフルオ
ロメタンスルホナト基などが例示される。このようなシ
クロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む[A]メ
タロセン化合物は、たとえば遷移金属の原子価が4であ
る場合、より具体的には下記式[II]で表される。
【0017】R2 k3 l4 m5 nM …[II] (式中、Mは上記遷移金属であり、R2はシクロペンタ
ジエニル骨格を有する基(配位子)であり、R3、R4
よびR5はシクロペンタジエニル骨格を有する基、アル
キル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基、アルコキシ基、アリーロキシ基、トリアルキルシリ
ル基、SO3R基、ハロゲン原子または水素原子であ
り、kは1以上の整数であり、k+l+m+n=4であ
る。) 本発明では上記式R2 k3 l4 m5 nMにおいて、R2
3、R4およびR5のうち少なくとも2個すなわちR2
よびR3がシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位
子)であるメタロセン化合物が好ましく用いられる。こ
れらのシクロペンタジエニル骨格を有する基はエチレ
ン、プロピレンなどのアルキレン基、イソプロピリデ
ン、ジフェニルメチレンなどの置換アルキレン基、シリ
レン基またはジメチルシリレン、ジフェニルシリレン、
メチルフェニルシリレン基などの置換シリレン基などを
介して結合されていてもよい。またR4およびR5はシク
ロペンタジエニル骨格を有する基、アルキル基、シクロ
アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ
基、アリーロキシ基、トリアルキルシリル基、SO
3R、ハロゲン原子または水素原子である。
【0018】以下に、Mがジルコニウムであるメタロセ
ン化合物を、具体的に例示する。ビス(インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウ
ムジブロミド、ビス(インデニル)ジルコニウムビス
(p-トルエンスルホナト) ビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウム
ジクロリド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジブロ
ミド、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウ
ム、エチレンビス(インデニル)ジフェニルジルコニウ
ム、エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウムモ
ノクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウム
ビス(メタンスルホナト)、エチレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムビス(p-トルエンスルホナト)、エチ
レンビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオ
ロメタンスルホナト)、エチレンビス(4,5,6,7-テトラ
ヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロ
ピリデン(シクロペンタジエニル-フルオレニル)ジル
コニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタ
ジエニル-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス
(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレンビス(ジメチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス
(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2-メチルイン
デニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビ
ス(2-メチル,4-イソプロピルインデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ジメチルシリレンビス(2,4,7-トリメチ
ルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリ
レンビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオ
ロメタンスルホナト)、ジメチルシリレンビス(4,5,6,
7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル-フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス
(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシ
リレンビス(2-メチル,4-イソプロピルインデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(2,4,
7-トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、メ
チルフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジブロミド、ビス(シクロペンタジエニル)メチル
ジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)エチルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペ
ンタジエニル)シクロヘキシルジルコニウムモノクロリ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)フェニルジルコニウ
ムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ベンジ
ルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、ビ
ス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムモノハ
イドライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジ
ルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジフェニル
ジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジベンジ
ルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムメトキシクロリド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(p-ト
ルエンスルホナト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビ
ス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド、ビス(ジメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフ
ルオロメタンスルホナト)、ビス(エチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルエチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(メチルプロピルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(ブチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルブチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(メチルブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビ
ス(メタンスルホナト)、ビス(トリメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(トリエチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ヘキシルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(トリメ
チルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(ジメチルエチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(ジ
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメトキシク
ロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムエトキシクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムブトキシクロリド、ビス(ジメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジエトキシ
ド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムメチルクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、ビス(ジメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムベンジルクロリド、ビス(ジ
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジ
ル、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムフェニルクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムハイドライドクロリド。
【0019】なお上記例示において、シクロペンタジエ
ニル環の二置換体は1,2-および1,3-置換体を含み、三置
換体は1,2,3-および1,2,4-置換体を含む。またプロピ
ル、ブチルなどのアルキル基は、n-、i-、sec-、tert-
などの異性体を含む。
【0020】また上記のようなジルコニウム化合物にお
いて、ジルコニウムを、チタン、ハフニウム、バナジウ
ム、ニオブ、タンタルまたはクロムに置換えた化合物を
用いることもできる。
【0021】本発明では、メタロセン化合物[A]とし
て、これらのうち、中心の金属原子がジルコニウムであ
り、2個の置換シクロペンタジエニル基を配位子とする
ジルコノセン化合物が好ましく用いられる。このような
ジルコノセン化合物のうちでも、置換基がメチル基また
はエチル基であり、この置換基を2〜3個有する置換シ
クロペンタジエニル基を配位子とするジルコノセン化合
物が好ましい。このような好ましいジルコノセン化合物
としては、具体的に、ビス(ジメチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジエチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチ
ルエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(メチルエチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(ジメチルエチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、ビス
(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムメトキ
シクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムエトキシクロリド、ビス(ジメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムブトキシクロリド、ビス
(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジエト
キシド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムメチルクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジメチル、ビス(ジメチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムベンジルクロリド、ビス
(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジベン
ジル、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムフェニルクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムハイドライドクロリドビス(トリ
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムフェニルク
ロリド、ビス(トリエチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムハイドライドクロリドが挙げられる。これらの
うちでも、特に好ましくは、1,3-置換シクロペンタジエ
ニル基を配位子とするジルコノセンが挙げられ、具体的
に、ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(1,3-ジエチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3-
エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、が挙げられる。
【0022】これらの化合物は単独で用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。また炭化水素あ
るいはハロゲン化炭化水素に希釈して用いてもよい。本
発明では、メタロセン化合物[A]は炭化水素、特に後
述するような脂肪族炭化水素または脂環族炭化水素に希
釈して用いることが好ましい。
【0023】また上記のようなメタロセン化合物[A]
は、粒子状担体に担持させて用いてもよい。このような
担体としては、SiO2 、Al23 、B23 、MgO、
ZrO2 、CaO、TiO2 、ZnO、Zn2O 、SnO2
BaO、ThOなどの無機担体、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリ-1-ブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテン、ス
チレン-ジビニルベンゼン共重合体などの樹脂を用いる
ことができる。これらは、2種以上組み合せて用いるこ
ともできる。
【0024】本発明で用いられる有機アルミニウムオキ
シ化合物[B]としては、従来公知のアルミノオキサン
が用いられる。このような従来公知のアルミノオキサン
は、たとえば下記のような方法によって製造することが
できる。
【0025】(1) 吸着水を含有する化合物あるいは結晶
水を含有する塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、
硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル
水和物、塩化第1セリウム水和物などを懸濁した炭化水
素媒体に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミ
ニウム化合物を添加して反応させて炭化水素の溶液とし
て回収する方法。
【0026】(2) ベンゼン、トルエン、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキル
アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水
(水、氷または水蒸気)を作用させて上記媒体の溶液と
して回収する方法。
【0027】(3) デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒
体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニ
ウム化合物にジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキ
シドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0028】なお回収されたアルミノオキサンの溶液か
ら溶媒あるいは未反応有機アルミニウム化合物を蒸留し
て除去した後、溶媒に再溶解してもよい。上記のような
アルミノオキサンの溶液を製造する際に用いられる有機
アルミニウム化合物としては、具体的には、トリメチル
アルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリn-
ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ト
リsec-ブチルアルミニウム、トリtert- ブチルアルミニ
ウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミ
ニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミ
ニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロ
オクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウ
ム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニ
ウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソ
ブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニ
ウムハライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジ
イソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキル
アルミニウムハイドライド、ジメチルアルミニウムメト
キシド、ジエチルアルミニウムエトキシドなどのジアル
キルアルミニウムアルコキシド、ジエチルアルミニウム
フェノキシドなどのジアルキルアルミニウムアリーロキ
シドなどが挙げられる。
【0029】これらのうち、トリアルキルアルミニウム
が特に好ましい。また有機アルミニウム化合物として、
下記一般式で表わされるイソプレニルアルミニウムを用
いることもできる。
【0030】(i-C49xAly(C510z (式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xであ
る。)上記のような有機アルミニウム化合物は、単独で
あるいは組合せて用いられる。
【0031】上記のようなアルミノオキサンの溶液を製
造する際に用いられる溶媒としては、具体的に、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族
炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの
脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シ
クロオクタン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化
水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分、あるいは
これらのハロゲン化物とりわけ塩化物、臭化物などの炭
化水素溶媒が挙げられる。
【0032】さらにエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ンなどのエーテル類を用いることもできる。これらのう
ち、特に芳香族炭化水素が好ましい。
【0033】なお本発明で用いられる有機アルミニウム
オキシ化合物[B]は、少量のアルミニウム以外の金属
成分を含有していてもよい。また有機アルミニウムオキ
シ化合物[B]は、上述したような担体に担持させて用
いることもできる。
【0034】上記のような有機アルミニウムオキシ化合
物[B]は、通常、トルエン溶液として市販されるかま
たは取り扱われている。本発明では、上記のような有機
アルミニウムオキシ化合物[B]は、後述するような本
発明で重合媒体として用いられる脂肪族炭化水素または
脂環族炭化水素のスラリーとして重合系に供給してもよ
い。この脂肪族炭化水素または脂環族炭化水素は、重合
媒体と同様であることが好ましい。
【0035】このような有機アルミニウムオキシ化合物
[B]のスラリーは、有機アルミニウムオキシ化合物
[B]を脂肪族炭化水素または脂環族炭化水素中に分散
させることにより適宜調製されるが、具体的に以下のよ
うにして調製される。 (1) 有機アルミニウムオキシ化合物[B]のトルエン溶
液からトルエンを留去し、得られた粉末状有機アルミニ
ウムオキシ化合物[B]を機械的に粉砕して脂肪族炭化
水素または脂環族炭化水素に懸濁させる方法、(2) 有機
アルミニウムオキシ化合物[B]のトルエン溶液からト
ルエンを留去し、得られた粉末状有機アルミニウムオキ
シ化合物[B]に脂肪族炭化水素または脂環族炭化水素
を添加した後、有機アルミニウムオキシ化合物[B]を
機械的に粉砕させる方法、(3) 有機アルミニウムオキシ
化合物[B]のトルエン溶液を、脂肪族炭化水素または
脂環族炭化水素と接触させて有機アルミニウムオキシ化
合物[B]を析出させた後、媒体交換をする方法。
【0036】この際用いられる有機アルミニウムオキシ
化合物[B]のトルエン溶液の濃度は、通常アルミニウ
ム原子に換算して0.1〜10グラム原子/リットル、
好ましくは0.5〜7グラム原子/リットル、さらに好
ましくは0.5〜5グラム原子/リットルである。
【0037】また上記のような接触に際して、脂肪族炭
化水素または脂環族炭化水素は、有機アルミニウムオキ
シ化合物[B]のトルエン溶液に対して、容量比で、
0.3〜10、好ましくは0.5〜5の量で用いられ
る。
【0038】なお上記説明においては、有機アルミニウ
ムオキシ化合物[B]のトルエン溶液を用いる場合につ
いて説明したが、有機アルミニウムオキシ化合物[B]
のトルエン溶液の代わりに有機アルミニウムオキシ化合
物[B]のベンゼン溶液などを用いることもできる。
【0039】このように有機アルミニウムオキシ化合物
[B]を脂肪族炭化水素または脂環族炭化水素のスラリ
ーとして重合器に供給すると、重合により得られたポリ
オレフィンの乾燥工程を簡略化することができ、トルエ
ン臭気などの重合媒体臭気のないポリオレフィンを製造
することができる。
【0040】有機アルミニウム化合物[C]としては、
たとえば下記式[VI]で表わされる有機アルミニウム化
合物を例示することができる。 R9 nAlX3-n …[VI] 式中、R9 は炭素数1〜12の炭化水素基であり、Xは
ハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜3であ
る。
【0041】このような炭素数1〜12の炭化水素基と
しては、たとえばアルキル基、シクロアルキル基または
アリ−ル基であるが、具体的には、メチル基、エチル
基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などを例
示することができる。
【0042】このような有機アルミニウム化合物[C]
としては、具体的には以下のような化合物が用いられ
る。トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチル
ヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウ
ム、イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミ
ニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアル
ミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリ
ド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアル
ミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライ
ド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセス
キクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチ
ルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニ
ウムセスキハライド、メチルアルミニウムジクロリド、
エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニ
ウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどの
アルキルアルミニウムジハライド、ジエチルアルミニウ
ムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライ
ドなどのアルキルアルミニウムハイドライドなど。
【0043】また有機アルミニウム化合物[C]とし
て、下記式[VII]で表わされる化合物を用いることも
できる。 R9 nAlY3-n …[VII] 式中、R9 は上記式[VI]と同様であり、Yは−OR10
基、−OSiR11 3基、−OAlR12 2基、−NR
13 2基、−SiR14 3基または−N(R15)AlR16 2
である。R10、R11、R12およびR16はメチル基、エチ
ル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル
基、フェニル基などであり、R13は水素、メチル基、エ
チル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリ
ル基などであり、R14およびR15はメチル基、エチル基
などである。nは1〜2である。
【0044】このような有機アルミニウム化合物として
は、具体的には、以下のような化合物が用いられる。 (i) R9 nAl(OR103-nで表わされる化合物、た
とえば、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルア
ルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメト
キシドなど、(ii) R9 nAl(OSi R11 33-nで表わ
される化合物、たとえば、Et2Al(OSi Me3) (iso-Bu)2Al(OSi Me3) (iso-Bu)2Al(OSi Et3)など、(iii) R9 n
l(OAlR12 23-nで表わされる化合物、たとえば、
Et2AlOAlEt2 (iso-Bu)2AlOAl(iso-Bu)2など、(iv) R9 n
l(NR13 23-nで表わされる化合物、たとえば、Me2
AlNEt2 Et2AlNHMe Me2AlNHEt Et2AlN(Si Me32 (iso-Bu)2AlN(SiMe32など、(v) R9 nAl
(Si R14 33-nで表わされる化合物、たとえば、(is
o-Bu)2AlSi Me3など、(vi) R9 nAl(N
(R15)AlR16 23-nで表わされる化合物、たとえば
Et2AlN(Me)AlEt2、(iso-Bu)2AlN(E
t)Al(iso-Bu)2など。
【0045】本発明では、上記のような有機アルミニウ
ム化合物[C]のうち、トリアルキルアルミニウムが好
ましく、トリイソブチルアルミニウムが特に好ましい。
これらの有機アルミニウム化合物[C]は、2種以上混
合して用いることもできる。
【0046】本発明では、上記のような[A]メタロセ
ン化合物と[B]有機アルミニウムオキシ化合物と
[C]有機アルミニウム化合物とから形成されるオレフ
ィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを重合または共
重合させる。
【0047】本発明で重合されるオレフィンとしては、
炭素数2〜20のα−オレフィンおよび必要に応じて非
共役ジエンが挙げられる。このような炭素数2〜20の
α−オレフィンとしては、具体的に、エチレン、プロピ
レン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1
-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセンなどが
挙げられる。
【0048】また非共役ジエンとしては、5-エチリデン
-2-ノルボルネン、5-プロピリデン-5-ノルボルネン、ジ
シクロペンタジエン、5-ビニル-2-ノルボルネンなどの
環状の非共役ジエン、1,4-ヘキサジエン、4-メチル-1,4
-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル
-1,5-ヘプタジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、6-メ
チル-1,7-オクタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエンな
どの鎖状の非共役ジエンが挙げられる。
【0049】本発明では、重合を実施する際に媒体とし
て脂肪族炭化水素または脂環族炭化水素が用いられる。
本発明で用いられる脂肪族炭化水素または脂環族炭化水
素は、好ましくは沸点が100℃以下であり、さらに好
ましくは90℃以下、特に好ましくは75℃以下であ
る。
【0050】このような脂肪族炭化水素または脂環族炭
化水素としては、具体的に、2,2-ジメチルプロパン、2-
メチルブタン、2,2-ジメチルブタン、2,3-ジメチルブタ
ン、2,2,3-トリメチルブタン、n-ペンタン、2-メチルペ
ンタン、3-メチルペンタン、2,2-ジメチルペンタン、3,
3-ジメチルペンタン、2,3-ジメチルペンタン、2,4-ジメ
チルペンタン、n-ヘキサン、2-メチルヘキサン、3-メチ
ルヘキサン、n-ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシク
ロペンタン、ジメチルシクロペンタンなどが挙げられ
る。これらは混合して用いてもよい。
【0051】これらの脂肪族炭化水素または脂環族炭化
水素は、2種以上組合せて用いてもよい。これらのう
ち、ヘキサン、メチルペンタン、メチルシクロペンタン
およびこれらの混合物が好ましく用いられる。
【0052】重合に際して、メタロセン化合物[A]
は、重合容積1リットル当たり、遷移金属原子に換算し
て、通常、約0.00005〜0.1ミリモル、好まし
くは約0.0001〜0.05ミリモルの量で、有機ア
ルミニウムオキシ化合物[B]は、メタロセン化合物
[A]の遷移金属原子1モルに対して、有機アルミニウ
ムオキシ化合物[B]中のアルミニウム原子が、通常、
約1〜10000モル、好ましくは10〜5000モル
となるような量で用いられる。
【0053】本発明では、有機アルミニウム化合物
[C]と、[B]有機アルミニウムオキシ化合物との比
([C]/[B]、Al原子比)は、0.1〜5、好ま
しくは0.3〜3.0、特に好ましくは0.5〜2の量
で用られる。
【0054】重合温度は、通常、−20℃〜200℃、
好ましくは0℃〜150℃、特に好ましくは、20℃〜
120℃であり、重合圧力は、通常、大気圧〜100Kg
/cm 2 、好ましくは大気圧〜50Kg/cm2 、特に好まし
くは大気圧〜30Kg/cm2 であることが望ましい。
【0055】分子量は、重合温度などの重合条件を変更
することにより調節することもできるし、水素(分子量
調節剤)の使用量を制御することにより調節することも
できる。
【0056】上記のような重合は、溶液重合法、懸濁重
合法などで実施することができる。本発明では、これら
のうち溶液重合法が好ましい。また重合は、バッチ式、
半連続式、連続式のいずれの方法においても行なうこと
ができるが、連続的に行なうことが好ましい。さらに重
合を、反応条件を変えて2段以上に分けて行なうことも
できる。
【0057】重合直後の生成ポリマーは、従来公知の分
離・回収方法により回収できる。溶液重合の場合は、直
接溶媒を蒸発させ乾固する方法、または相分離した後、
濃厚相の溶媒を蒸発させ、乾固する方法が好ましい。
【0058】上記のようなオレフィン重合用触媒を用い
て、脂肪族炭化水素または脂環族炭化水素の存在下に、
オレフィンを重合または共重合させると、分子量分布が
広く成形性に優れたポリオレフィンを高活性で製造する
ことができる。
【0059】本発明で得られるポリオレフィンは、上記
のようなα−オレフィン単独重合体あるいはα−オレフ
ィン共重合体さらにα−オレフィンと必要に応じて非共
役ジエンとの共重合体である。
【0060】このような本発明で得られるポリオレフィ
ンは、エチレンとα−オレフィンと必要に応じて非共役
ジエンとの共重合体であることが好ましく、エチレンか
ら誘導される構成単位を30〜95モル%、より好まし
くは40〜93モル%の量で、炭素数3以上のα−オレ
フィンから誘導される構成単位を5〜70モル%、好ま
しくは7〜60モル%の量で、非共役ジエンから誘導さ
れる構成単位を0〜10モル%の量で含有する低結晶性
のポリオレフィンが特に好ましい。
【0061】本発明で得られるポリオレフィンは、13
5℃のデカハイドロナフタレン中で測定した極限粘度
[η]が、通常0.01〜20dl/g、好ましくは0.
1〜10dl/g、さらに好ましくは0.5〜5.0dl/
gである。
【0062】本発明で得られるポリオレフィンは、ゲル
パーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により
求められる分子量分布(Mw/Mn)が、2.5〜7、
好ましくは2.7〜6、特に好ましくは3〜5である。
【0063】なお上記のような分子量分布(Mw/M
n)は、武内著(丸善)「ゲルパーミエイションクロマ
トグラフィー」に準じて求められる。また本発明で上述
したようなオレフィン重合用触媒を用いて得られるポリ
オレフィンは、各成分の組成分布に優れている。
【0064】また本発明によれば、重合媒体として悪臭
が無く揮散しやすい脂肪族炭化水素または脂環族炭化水
素が用いられているため、乾燥工程を簡素化することが
でき、最終的には重合媒体臭気が残存しないポリマーを
容易に得ることができる。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、分子量分布が広く、成
形性に優れたポリオレフィンを高い重合活性で製造する
ことができる。
【0066】本発明により得られるポリオレフィンは、
成形性に優れ、しかも触媒残渣が少なく、かつ成形体が
着色することなく、衛生性が良好であり、その上トルエ
ン臭気などの重合溶媒臭がなく、食品用容器材料などに
も好適に利用することができる。
【0067】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0068】以下の実施例において、極限粘度[η]は
135℃、デカハイドロナフタレン中で測定し、ポリマ
ーの組成は、13C−NMR、分子量分布(Mw/Mn)
はGPCによって測定した。
【0069】
【実施例1】 <エチレンとプロピレンとの加圧バッチ共重合>攪拌翼
を備えた2リットルのオートクレーブを用いて、エチレ
ンとプロピレンとを共重合させた。
【0070】重合器上部から脱水精製したヘキサンを
0.9リットル、プロピレンを気体で38リットル、メ
チルアルミノオキサン(MAO)のトルエン溶液(アル
ミニウム原子に換算して0.55ミリグラム原子/ml)
を0.55ml、トリイソブチルアルミニウム(TIB
A)のヘキサン溶液(1ミリモル/ml)を0.23ml挿
入した。系を70℃に昇温した後、全圧が7Kg/cm2
Gとなるようにエチレンを挿入した。
【0071】次いで均圧管を用いて、ビス(1,3-ジメチ
ルシクロペンタジエニル) ジルコニウムジクロリドのヘ
キサン溶液(0.002ミリモル/ml)を0.25ml挿
入した後、温度80℃、全圧8Kg/cm2 ・Gを維持しな
がら25分間重合を行った。脱圧後ポリマー溶液を取り
出し乾燥した。収量は37.9gであった。
【0072】このようにして得られた共重合体は、エチ
レンから誘導される構成単位が84モル%であり、極限
粘度[η]が1.8dl/gであり、Mw/Mnは3.6
であった。
【0073】
【実施例2、3】実施例1において、トリイソブチルア
ルミニウムの量および重合時間を表1に示すように変え
た以外は、実施例1と同様にして重合を行なった。
【0074】結果を表1に示す。
【0075】
【比較例1】実施例1において、重合溶媒としてトルエ
ンを用いた以外は、実施例1と同様にして重合を行っ
た。
【0076】結果を表1に示す。
【0077】
【比較例2】実施例1において、トリイソブチルアルミ
ニウムの量および重合時間を変えた以外は、実施例1と
同様にして重合を行なった。
【0078】結果を表1に示す。
【0079】
【比較例3】実施例1において、トリイソブチルアルミ
ニウムを用いず、重合時間を表1に示すように変えた以
外は、実施例1と同様にして共重合反応を行なった。
【0080】結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】表1中、TIBA:トリイソブチルアルミ
ニウム Al比:TIBA/MAO(モル比)
【0083】
【実施例4】 <メチルアルミノキサンヘキサンスラリーの調製>窒素
雰囲気下、攪拌翼を備えたSUS製反応器に、アルミニ
ウム原子として1.5グラム原子/リットルのメチルア
ルミノキサンのトルエン溶液10リットルを供給し、攪
拌下、室温において窒素置換したヘキサンを10リット
ルを1時間かけて滴下した。生成した固体状のメチルア
ルミノキサンを濾過後、ヘキサンにより洗浄し、一部は
分析用に取り出し減圧下に乾燥させた以外は、ヘキサン
に懸濁させメチルアルミノキサンのヘキサンスラリーを
調製した。
【0084】<エチレン・プロピレン共重合>図1に示
す連続重合装置によりテストを実施した。容積300リ
ットルの連続重合反応器Aに、管1より脱水精製した溶
媒ヘキサンを31.8リットル/hrの割合で供給し、管
2よりトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液
(2.5ミリモル/リットル)を3.2リットル/hrの
割合で、メチルアルミノキサンのヘキサンスラリー(ア
ルミニウム原子として2.03ミリグラム原子/リット
ル)を3.9リットル/hrの割合で、ビス(1,3-ジメチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのヘ
キサン溶液(0.072ミリモル/リットル)を1.1
リットル/hrの割合で連続的に供給した(合計ヘキサン
40リットル/hr)。同時にエチレンを4.2kg/hrの
割合で、プロピレンを5.3kg/hrの割合で、水素を
1.2リットル/hrの割合で、それぞれ管3、4より連
続供給し、重合温度80℃、全圧7.4kg/cm2 ・G、
滞留時間2時間の条件下で重合を行なった。 重合反応
器Aで生成したエチレン・プロピレン共重合体の溶液
は、管5を介して流量53リットル/hrの割合で連続的
に排出させ、熱交換器Bに導き、さらにホッパーCに導
いて、ここで溶媒を蒸発分離し、エチレン・プロピレン
共重合体を5.3kg/hrの割合で得た。
【0085】得られたエチレン・プロピレン共重合体
は、極限粘度[η]が1.25dl/gであり、エチレン
から誘導される構成単位が82.6モル%であった。ま
たこのエチレン・プロピレン共重体は、GPCで測定し
たMw/Mnが3.3であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で用いた連続重合装置を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A]周期律表第IVB族から選ばれる遷移
    金属のメタロセン化合物、[B]有機アルミニウムオキ
    シ化合物、および[C]有機アルミニウム化合物から形
    成されるオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィン
    を重合または共重合させてポリオレフィンを製造するに
    際して、 上記有機アルミニウム化合物と有機アルミニウムオキシ
    化合物との比(Al原子比)を0.1〜5とするととも
    に、 脂肪族炭化水素媒体または脂環族炭化水素媒体の存在下
    に重合を行なうことを特徴とするポリオレフィンの製造
    方法。
  2. 【請求項2】有機アルミニウム化合物がトリイソブチル
    アルミニウムである請求項1に記載のポリオレフィンの
    製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20050066320A (ko) * 2003-12-26 2005-06-30 에스케이 주식회사 고결정성 알파올레핀 중합체의 제조방법
JP2007528924A (ja) * 2004-03-12 2007-10-18 バセル ポリオレフィン ジーエムビーエイチ オレフィンの重合用触媒システム

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