JPH1160519A - ハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造方法 - Google Patents

ハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造方法

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JPH1160519A
JPH1160519A JP21741097A JP21741097A JPH1160519A JP H1160519 A JPH1160519 A JP H1160519A JP 21741097 A JP21741097 A JP 21741097A JP 21741097 A JP21741097 A JP 21741097A JP H1160519 A JPH1160519 A JP H1160519A
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JP
Japan
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halogenoalkylstyrene
bromostyrene
grignard reagent
producing
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JP21741097A
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Hirohisa Kubota
裕久 久保田
Keiko Kudo
慶子 工藤
Jiyunya Watanabe
純哉 渡辺
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機能性材料を製造する上で重要な有機中間体
であるハロゲノアルキルスチレン誘導体を安価で収率良
く、1段階反応で効率的に製造する方法を提供する。 【解決手段】 ブロモスチレン誘導体に、金属マグネシ
ウムを作用させグリニャール試薬を調製した後、増炭剤
に該グリニャール試薬を作用させてハロゲノアルキルス
チレン誘導体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機能性材料を製造する
上で重要な有機中間体であるハロゲノアルキルスチレン
誘導体の製造方法に関するものである。本発明のハロゲ
ノアルキルスチレン誘導体は、種々の機能剤の原料とし
て使用することができる。例えば、医薬(コレステロー
ル低減剤用)、農薬中間体原料、イオン交換樹脂、イオ
ン交換膜、イオン交換繊維、固相合成用担体、コンビナ
トリアル合成用担体、クロマトグラフィー用(カラム充
填剤)担体、キレート樹脂、固定化担体、機能性膜、吸
着剤、高性能ポリマー、感光性材料、電導性材料等が挙
げられる。
【0002】
【従来の技術】ハロゲノアルキル誘導体の合成法に関し
ては、多くの提案がなされている。しかしながら、直鎖
状アルキレン基を介し末端にハロゲン原子を有する直鎖
状スチレン誘導体(ω−ハロゲノアルキルスチレン)
(メチレン鎖数が3から6であるハロゲノアルキルスチ
レン誘導体)の報告は少ない。
【0003】例えば、クロロメチルスチレンのグリニャ
ール試薬(ビニルベンジルマグネシウムハライド)に
1,ω−ジハロゲノアルカンを作用させ、ω−ハロゲノ
アルキルスチレン誘導体を合成する方法が報告(特開平
4−349941号公報、J. of Polymer Science and
Polymer Chemistry Edition,20巻、1982年 P3
015)されている。しかしながら、クロロメチルスチ
レン誘導体のグリニャール試薬は熱安定性に劣り、二量
体である1,2−ビスビニルフェニルエタンを生成しや
すい。THFやグライムをグリニャール試薬の溶媒とし
て使用した場合は、特に、二量体を生成しやすい。この
ため、グリニャール試薬の溶媒としてジエチルエーテル
やメチラール(ジメトキシメタン)を使用しなければな
らない。これらのエーテル系溶媒は沸点、引火点が低い
ため製造上の取り扱いに危険が伴うばかりでなく、エー
テル中でのグリニャール試薬の濃度が高い場合には二量
体(ビスビニルフェニルエタン)が生成しやすい。この
結果、目的物の収率が低い、精製時の目的物の回収率が
低い等の問題がある。
【0004】Synthetic Communications,20(15), 2349
- 2351 (1990)や、J.Amer.Chem.Soc., 96, 7101 (197
4)には、ブロモアルキルベンゼン誘導体の合成法が示
されている。しかしながら、スチレン誘導体に関する反
応例は記載されていない。J.of Polymer Sci.Part A:
Polymer Chemistry,27巻、2539(1989)に
は、クロロスチレンのグリニャール試薬にオキセタンを
作用させ、ビニルフェニルプロパノールを合成した後、
末端水酸基を塩素に変換し、クロロプロピルスチレンを
合成する方法が報告されている。本法では、合成法が異
なるばかりでなく、クロロプロピルスチレンも10%程
度の収率でしか得られていない。
【0005】その他、ハロゲノエチルスチレンのグリニ
ャール試薬を調製した後、1,ω−ジハロゲノアルカン
を反応させる方法も知られている。しかし原料のハロゲ
ノエチルスチレンを入手、又は合成することは難しい。
従って、ハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造は限定
されたものであった。古典的な合成法として、ハロゲノ
アルキルアルキルベンゼンに塩化アセチルを作用させ、
ハロゲノアルキルアセトフェノンを合成し、アルコール
誘導体に還元した後、脱水する方法も知られている。本
法は、アセチル化反応で環化生成物を与える、複数工程
を要する、全収率が低い、原料のハロゲノアルキルスチ
レンを入手するのが困難である、等の問題がある。
【0006】その他、特開平6−345675号公報
に、フェネチルハライドのグリニャール試薬(ハロゲン
化フェニルマグネシウム化合物)にハロゲン化銅の存在
下、エチレンオキシドを反応させ4−フェニルブタノー
ルを製造する方法が開示されている例や、特開平2−1
88536号公報(昭和電工)に、3,3’−ビスビニ
ルビフェニルの製造方法が開示されている。ブロモスチ
レン誘導体のグリニャール試薬にNi触媒の存在下、ビ
スビニルビフェニルを製造する例、Bull. of theChem.
Soc. Jpn.,49(7) 1958-1969 (1976)にも、Ni触媒を
用いたグリニャール試薬のカップリング反応に関する例
が記載されてはいるが、いずれもハロゲノアルキルスチ
レン誘導体の製造方法に関する記載はない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安価
で、かつ1段階反応で収率よくハロゲノアルキルスチレ
ン誘導体を製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
従来のハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造方法の有
する課題が解決されたハロゲノアルキルスチレン誘導体
を得るべく鋭意検討した結果、ブロモスチレン誘導体の
グリニャール試薬を調製した後、増炭剤にグリニャール
試薬を作用させることにより、収率よく直鎖状ω−ハロ
ゲノアルキルスチレン誘導体を製造できることを見い出
し、本発明に到達した。すなわち、本発明の要旨は、下
記一般式(1)
【0009】
【化3】
【0010】(上記式中、nは3から6の整数を表し、
Xはハロゲン原子を表し、Rは水素原子、アルキル基ま
たはハロゲン原子を表す)で表されるハロゲノアルキル
スチレン誘導体の製造方法において、下記一般式(2)
【0011】
【化4】
【0012】(上記式中、Rは前記と同義を表す)で表
されるブロモスチレン誘導体に、金属マグネシウムを作
用させグリニャール試薬を調製した後、増炭剤に該グリ
ニャール試薬を作用させハロゲノアルキルスチレン誘導
体を製造することを特徴とするハロゲノアルキルスチレ
ン誘導体の製造方法に存する。
【0013】さらに本発明の好ましい態様によれば、ブ
ロモスチレン誘導体として、4−ブロモスチレンの含有
率が80%以上であること、ジブロモスチレンの含有率
が1%以下であることが挙げられる。また、増炭剤とし
ては、1,4−ジブロモブタン又は1−ブロモ−3−ク
ロロプロパンであることが好ましく、金属マグネシウム
をブロモスチレン誘導体に対して、1.1当量から1.
6当量使用することが好ましい。さらに、グリニャール
試薬を調製する時の溶媒が、テトラヒドロフラン(TH
F)と芳香族炭化水素の混合溶媒であること、グリニャ
ール試薬を調製するとき、ヨウ素、及びヨウ素化合物を
添加しないで、ハロゲン化臭素化合物または芳香族化合
物を添加して、グリニャール試薬を開始すること、グリ
ニャール反応の触媒として、Li2 CuX‘4 (X‘は
1種類以上のハロゲン原子を表す)又はハロゲン化銅
を、ブロモスチレン誘導体に対して0.3モル%〜4.
5モル%添加することも、本発明の好ましい態様として
挙げられる。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おけるハロゲノアルキルスチレン誘導体とは、上記一般
式(1)で表される末端にハロゲンを有する直鎖状アル
キルスチレン誘導体の構造単位をさす。例えば、ブロモ
プロピルスチレン、ヨードプロピルスチレン、クロロブ
チルスチレン、ブロモブチルスチレン、クロロペンチル
スチレン、ヨードペンチルスチレン、クロロヘキシルス
チレン、ブロモヘキシルスチレン等が挙げられる。
【0015】本発明のハロゲノアルキルスチレン誘導体
は、原料のブロモスチレン誘導体と金属マグネシウムと
の反応によるグリニャール試薬の調製と、調製したグリ
ニャール試薬に増炭剤を作用させるグリニャール反応の
2工程からなる。本発明で、グリニャール試薬とはブロ
モスチレン誘導体に金属マグネシウムを作用させたビニ
ルフェニルマグネシウムブロマイド型の化合物をさし、
グリニャール反応とはグリニャール試薬に増炭剤を作用
しハロゲノアルキルスチレン誘導体を生成する反応をさ
す。
【0016】本発明のハロゲノアルキルスチレン誘導体
は機能性材料の原料として使用されるが、ハロゲノアル
キルスチレン誘導体が機能性(末端官能基の分子運動性
を向上)を発現するためにはメチレン鎖長が重要であ
る。一般式(1)中、メチレン鎖数nは3から6で表さ
れる。直鎖アルキレン基のベンゼン環上の置換位置は、
原料であるブロモスチレン誘導体によって決まり、オル
ソ、メタ、パラのいずれの位置異性体であってもよく、
またこれらの混合物であってもよい。スチレン誘導体の
ビニル基には種々の置換基が考えられるが、スチレン誘
導体の重合性を考慮し、ビニル基上には置換基が存在し
ないことが好ましい。
【0017】末端置換基Xは、塩素、臭素、ヨウ素等の
ハロゲン原子をさす。これらのハロゲン原子は、後述す
る増炭剤の両端脱離基の脱離性によって決まり、脱離性
に劣る脱離基が末端置換基Xとなる。一般式(1)のベ
ンゼン環には、アルキル基或いはハロゲン原子が置換さ
れていてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチ
ル基等が挙げられ、ハロゲン原子としては塩素、臭素、
ヨウ素等が挙げられる。
【0018】グリニャール試薬の製造は以下のように行
われる。原料のブロモスチレン誘導体としては、好まし
くはブロモスチレンが挙げられる。ブロモスチレンはオ
ルソ、メタ、パラの3種類の位置異性体が存在し、2−
ブロモスチレンや3−ブロモスチレンは、4−ブロモス
チレンに比べ熱・ラジカル・アニオン重合性に富むこと
は知られている。しかし、3−ブロモスチレン、2−ブ
ロモスチレンのグリニャール試薬では、非常に収率が低
い。この原因は、生成したグリニャール試薬が開始剤と
なり、原料のアニオン重合が進むためである。
【0019】また、p体にm体やo体が含まれる場合で
も、m体やo体のブロモスチレンの高い反応性のため、
m体やo体のブロモスチレンの含有率以上に反応収率が
低下する傾向がある。このため、ブロモスチレンを使用
する場合には、2−ブロモスチレン、3−ブロモスチレ
ンの含有率をできる限り、低くすることが収率向上につ
ながる。従って、本発明においては、4−ブロモスチレ
ンの含有率が80%以上のブロモスチレン誘導体を使用
することが好ましい。
【0020】ブロモスチレン誘導体のグリニャール試薬
の調製において、溶媒の選択は重要である。グリニャー
ル試薬の一般的な溶媒として、ジエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメ
チルエーテル(MTBE)、テトラヒドロフラン(TH
F)、テトラヒドロピラン、メチラール、グライム、ジ
グライム等のエーテル系溶媒が使用される。特に、TH
Fが好ましい。THFの含有率が高い場合には、グリニ
ャール試薬の生成速度は大きいため、THFの添加量は
ブロモスチレン誘導体に対して、1.5当量から3.5
当量が好ましい。グリニャール試薬をより安全で、経済
的に製造するため、安価で、かつグリニャール試薬に対
して不活性、比較的低粘度、比較的低沸点、水を保持し
にくい芳香族炭化水素溶媒、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンを添加しTHFを希釈しても良い。これに
より、THFの含有率が低くくなり、グリニャール試薬
のアニオン重合は進みにくくなる。しかしながら、TH
Fの含有率があまり低すぎる場合には、グリニャール試
薬の生成速度が小さいため実用的ではない。
【0021】ブロモスチレンの製造の際、製造法によっ
てはジブロモスチレンを副生する場合がある。特に、ジ
ブロモスチレンを多く含有するとグリニャール試薬を調
製しにくいため、その含有率は低いことが好ましい。そ
のジブロモスチレンの含有率は1%以下であることが好
ましい。金属マグネシウムはブロモスチレン誘導体に対
して、少なくとも1.1当量以上使用することが必要で
ある。基質に対して1.1当量未満では、ブロモスチレ
ン誘導体が残存するばかりでなく、ブロモスチレン誘導
体が消失するのに時間を要する。原料が残存すると製造
原単価が高くなるばかりでなく、残存するブロモスチレ
ン誘導体を除去する際多くの目的物モノマーを失う場合
もある。従って、できる限り原料のブロモスチレンを消
失させることが望ましい。グリニャール試薬の生成速度
はブロモスチレン誘導体の溶液濃度と金属マグネシウム
の濃度(表面積)の積で表される。ブロモスチレン誘導
体の残存率を低くするためには、反応液中の金属マグネ
シウムの濃度を高くすることが望ましいが、マグネシウ
ムの添加量がブロモスチレン誘導体に対して多すぎる場
合には、反応初期、金属マグネシウムを攪拌しにくく、
反応器底部が傷つきやすい。逆に溶媒を必要以上に用い
ると、基質濃度が低くなり反応が開始しにくくなる。従
って、好ましい金属マグネシウムの使用量は、ブロモス
チレン誘導体に対して1.1当量から1.6当量、更に
は1.15当量から1.5当量の範囲が適切である。
【0022】金属マグネシウムは、粒子が小さい方が金
属マグネシウムの表面積が大きいため、金属マグネシウ
ムの溶解速度が大きい。一方で、金属粉末の取り扱いの
危険性及び反応完結後のグリニャール試薬との分離(沈
降)性を考え、金属マグネシウムの大きさは適切な範囲
がある。その大きさは平均径が約0.5mm〜4mmが
好ましい。金属マグネシウムは、嵩密度が小さくなるよ
うなリボン状である場合には、グリニャール試薬を開始
するための基質の絶対量(ここでは臨界濃度と呼ぶ)が
多くなる。この結果、グリニャール試薬開始時の発熱量
が大きくなり、危険を伴うため、金属マグネシウムの嵩
密度は大きくなるような形状が望ましい。
【0023】金属マグネシウムは、使用するブロモスチ
レン誘導体により異なるが、金属表面の酸化物を除去す
る特別な処理をしなくても、本発明では使用可能であ
る。グリニャール試薬を調製するときの反応温度は、ハ
ロゲンの種類、溶媒(エーテル系溶媒の含有率)や金属
マグネシウムの使用量や表面積により異なる。一般に、
ブロモスチレン誘導体はスチレンより重合性に富むた
め、グリニャール試薬は可能な限り低い温度で調製する
ことが好ましい。ブロモスチレンの場合−10℃〜40
℃、更に好ましくは、0℃〜30℃でグリニャール試薬
を調製することが好ましい。
【0024】ブロモスチレン誘導体の滴下時間や反応完
結のための熟成時間は、反応条件、反応器の大きさ、材
質、基質濃度により異なる。グリニャール試薬の発熱量
は約65Kcal/mol と大きいため、発生する反応熱を除
熱するため、グリニャール試薬の熱的安定性/重合の安
定性が許す限り、滴下時間は長くしなければならない。
滴下時間は1時間から12時間であることが好ましい。
【0025】ブロモスチレン誘導体のグリニャール試薬
の濃度は、高すぎる場合には二量体構造であるビスビニ
ルフェニルエタンが生成しやすい。逆に、濃度が低すぎ
る場合には生産性が悪い。原料の単価、反応成績等によ
り異なるが、通常、0.5モルから2.5モル(容積モ
ル濃度)の範囲でグリニャール試薬を製造することが好
ましい。
【0026】第2工程のグリニャール反応は、上記で調
製したグリニャール試薬に増炭剤を作用させハロゲノア
ルキルスチレン誘導体を製造する工程である。グリニャ
ール反応において、ビニルフェニルマグネシウムハライ
ドの求核性は大きくないことは知られている。グリニャ
ール反応の反応速度を大きくするには、非プロトン性極
性溶媒中で行うことが好ましい。反応後の溶媒の回収を
考慮すると、グリニャール試薬で用いた溶媒と同じ溶媒
をグリニャール反応の工程でも使用することが好まし
い。更に添加剤として、ヘキサメチルホスホリックトリ
アミド(HMPA)、ジメチルスルホキシド(DMS
O)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピ
ロリドン(NMP)等の極性溶媒を反応溶液に対して
0.1重量%から20重量%の範囲で添加してもよい。
反応後の反応溶液の後処理を考慮すると、この添加剤は
安価で水溶性極性溶媒であることが好ましい。
【0027】ここで、第1工程のグリニャール試薬や第
2工程のグリニャール反応に使用する溶媒、後述する増
炭剤等、一連の反応で使用する溶媒は、全て乾燥してお
かなければならない。これらの試薬の水分含有率は、カ
ールフィッシャー水分計により管理され、水分含有率は
500ppm以下、更には50ppm以下であることが
望ましい。乾燥剤としてはモレキュラーシーブ、シリカ
ゲル、カチオン交換樹脂等が用いられる。
【0028】グリニャール反応の反応温度や反応時間
は、増炭剤の脱離基の種類、反応温度、溶媒、触媒の種
類、触媒の含有率、極性溶媒の含有率等により異なる。
増炭剤が脱離性に優れる臭素化合物やヨウ素化合である
場合には、比較的低温で反応が進む。反応は−10℃か
ら50℃の範囲で行われる。原料や生成物はスチレン誘
導体であるため、グリニャール反応や熱的安定性に劣
る。このためオリゴマーやポリマー(主に生成物に由来
するポリマー)が生成しやすい。このオリゴマー成分を
できる限り少なくするため、反応はできる限り低温で行
うことが好ましい。特に、脱離性に優れた置換基を有す
る増炭剤の反応の場合には、0℃〜30℃付近で反応を
行うことが好ましい。
【0029】グリニャール試薬の滴下時間は、反応のス
ケールや反応器の材質等条件により異なるが、通常、1
時間から8時間が好ましい。グリニャール反応では大き
な発熱反応(50〜65Kcal/mol)が観察されるため、
反応時間は長くすることが好ましい。グリニャール試薬
又は増炭剤溶液を滴下した後も反応を完結するため、1
〜5時間攪拌することが望ましい。
【0030】一般式(1)中のスペーサー基のアルキレ
ン鎖は直鎖状であり、メチレン鎖数(CH2)nのnが
3から6である。従って、増炭剤としては直鎖状ハロゲ
ノアルカン誘導体である。本発明で増炭剤とは、グリニ
ャール反応に作用させる末端官能基Xを有する直鎖状脂
肪族ハロゲン化合物をさす。例えば、1、3−ジブロモ
プロパン、1−ブロモ−3−クロロプロパン、1,4−
ジブロモブタン、1,4−ジヨードブタン、1,4−ジ
クロロブタン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1,5
−ジブロモペンタン、1,6−ジクロロヘキサン、1,
6−ジブロモヘキサン、Br(CH2 )nOSO2 To
l(ブロモアルキルトシレート、nは3から6の整数で
ある)等が挙げられる。ブロモスチレン誘導体のグリニ
ャール試薬は、それ自身は求核性に劣るため、増炭剤の
脱離基に相当するハロゲン原子は脱離性に優れなければ
ならない。即ち、脱離基として原子量の大きいハロゲン
原子を有する増炭剤であることが望ましいが、一方、モ
ル数あたりの増炭剤の単価は脱離基の原子量が大きくな
るにつれ高価になる傾向がある。これらのことを考えあ
わせ、増炭剤としては塩素、臭素原子を有する直鎖状ハ
ロゲン化合物が好ましい。
【0031】1−ブロモ―3―クロロプロパン、1−ブ
ロモ−4−クロロブタン、Br(CH2 )nOSO2
ol等のように官能基の脱離性が異なる増炭剤の場合に
は、グリニャール試薬に対して1当量から2.5当量の
範囲が好ましい。例えば、ビニルフェニルマグネシウム
ハライドに1−ブロモ−3−クロロプロパンを作用させ
ると、ブロモプロピルスチレンに対するクロロプロピル
スチレンの生成比は、300〜500である。この結果
からも、塩素と臭素で脱離性が大きく異なることがわか
る。従って、このような増炭剤に対しては、増炭剤を大
過剰に使用する必要はない。しかしながら、目的物の生
成速度は、グリニャール試薬の濃度と増炭剤の濃度の積
に比例する。副反応を抑制するためには、増炭剤はある
程度ビニルフェニルマグネシウムブロマイドに対して少
過剰に使用することが望ましく、過剰に使用した増炭剤
の除去、又は回収を考慮すると少過剰であることが好ま
しい。
【0032】1,ω−ジハロゲノアルカン等のように、
両末端の脱離性が等価である1,ω−ジハロゲノアルカ
ンにグリニャール試薬を作用させると、1,ω−ビスビ
ニルフェニルアルカン(架橋剤)が副生する。例えば、
ブロモスチレン誘導体に対する増炭剤量が、2当量であ
る場合には約10〜18%、3当量である場合には5〜
12%、4当量である場合には3〜8%、5当量である
場合には2〜6%程度副生する。このような場合は、ハ
ロゲノアルキルスチレンの収率を上げるため、増炭剤を
大過剰に投入し架橋剤の生成を抑制することが好まし
い。しかしながら大過剰に使用した場合、高価な増炭剤
の除去又は回収しなければならない。これらを考えあわ
せ、増炭剤の投入量はグリニャール試薬に対して、1.
5当量から10当量の範囲が好ましい。更に好ましく
は、2当量から5当量の範囲である。
【0033】副生する架橋剤(1,ω−ビスビニルフェ
ニルアルカン)は、重合した場合には目的物であるハロ
ゲノアルキルスチレン誘導体とともに、架橋剤として作
用するため、機能剤として使用する場合には、機能剤の
機能を損なわない程度に含まれていても良い。ブロモス
チレン誘導体のグリニャール反応では、わずかに、ビス
ビニルビフェニルが生成するが、これも機能剤の機能を
損なわない程度に含まれていても良い。
【0034】イオン交換膜、イオン交換繊維、イオン交
換樹脂等の機能剤の原料にする場合には、末端ハロゲン
原子Xがヨウ素である場合、これらの機能剤に成形した
ときヨウ素イオンが対イオンとして配位する。このヨウ
素イオンはアニオン交換体に対しイオン選択性が高いた
め、NaOH等の再生剤では容易にイオン交換されな
い。従って、これらの機能剤を製造するときには、増炭
剤のハロゲン原子Xは、ヨウ素原子を使用しないことが
好ましい。
【0035】グリニャール反応におけるグリニャール試
薬の滴下方法は、増炭剤の種類により異なる。例えば、
1−ブロモ―4−クロロブタンでは、両末端ハロゲン原
子の脱離基としての脱離性が異なる。このためグリニャ
ール試薬に対して、増炭剤は1当量から1.5当量程度
でよい。この場合、グリニャール試薬中に増炭剤を滴下
しても、増炭剤溶液中にグリニャール試薬を滴下しても
よい。
【0036】この場合、増炭剤の使用量がブロモスチレ
ン誘導体に対して同一当量であるならば、滴下時間はで
きる限り長くし、滴下温度は可能な限り高くすることに
より、架橋剤の生成量が少なくなることを見い出した。
すなわち、増炭剤溶液中に滴下したグリニャール試薬
(ビニルフェニルマグネシウムブロマイド)ができる限
り速く消費されるよう(反応溶液中に残存しないよう)
滴下することが重要であることがわかった。
【0037】グリニャール反応を進めるためには、カッ
プリング触媒(グリニャール試薬と増炭剤の炭素−炭素
結合を形成するための触媒)は必須である。このカップ
リング触媒として、例えば、Li2 CuX‘4 (X‘は
塩素、臭素、ヨウ素原子等のハロゲン原子を指し、1種
類以上の混合物であっても良い)、ハロゲン化銅塩類、
ハロゲン化銀塩類、ハロゲン化鉄塩類等が挙げられる。
この中でも特にハロゲン化銅は有効な触媒である。この
ハロゲン化銅は有機溶媒、特に非極性有機溶媒には難溶
性であるので、ハロゲン化銅の溶解を高めるため、ハロ
ゲン化リチウム等の塩を添加し錯体を形成しても良い。
この触媒の添加量は異なるが、通常、ブロモスチレン誘
導体に対して0.3モル%から4.5モル%、更に好ま
しくは0.5モル%から3モル%である。
【0038】ある特定のグリニャール反応においては、
生成したグリニャール試薬が重合開始剤として作用し、
ブロモスチレン誘導体、及びハロゲノアルキルスチレン
誘導体の重合が起こりやすい。この結果、ブロモスチレ
ン誘導体及びハロゲノアルキルスチレン誘導体のホモポ
リマーが生成することがある。例えば、ブロモスチレン
誘導体のグリニャール試薬に1−ブロモ−3−ブロモプ
ロパン、1−ブロモ−4−ブロモブタン、1,4−ジブ
ロモブタンを作用すると、目的物であるハロゲノアルキ
ルスチレン誘導体以外に、ブロモスチレン誘導体のポリ
マー、ハロゲノアルキルスチレン誘導体のポリマーが生
成することがある。NMR、IR分析、GPCによる分
析から、クロロアルキルスチレン誘導体のホモポリマー
であり、分子量は千程度から数万程度である。
【0039】グリニャール試薬の調製時、ヨウ素(結
晶)及び/又はハロゲン化ヨウ素化合物を添加する。ヨ
ウ素は、ガッターマンの活性化マグネシウムとして、グ
リニャール試薬の発生時に起反応剤として添加すること
は良く知られている。このヨウ素(結晶)を添加する
と、グリニャール試薬が発生した際、ヨウ素の褐色溶液
が退色し無色溶液になるため、グリニャール試薬のイン
ジケーターとして使用される。更に、ヨウ素化合物は、
グリニャール試薬を調製しにくい基質の起反応剤として
使用することも良く知られている。例えば、ヨウ化メチ
ル、ジヨードエタン、ジヨードプロパン、ヨードベンゼ
ン等が挙げられる。しかしながら、これらのヨウ素化合
物は、グリニャール反応で使用するハロゲン化銅(触
媒)の銅イオンとレドックス触媒を形成し、原料のブロ
モスチレン誘導体、又は生成物のハロゲノアルキルスチ
レン誘導体の重合が進む。これが原因で生成物のハロゲ
ノアルキルスチレンのポリマーが生成しやすい。このポ
リマーを抑制するためには、グリニャール試薬の調製時
に、ヨウ素を添加しない、ヨウ素化合物の代わりにハロ
ゲン化臭素化合物、芳香族臭素化合物を使用することが
好ましい。また、カップリング触媒にもヨウ素を含む触
媒を用いないことが好ましい。このように反応溶液中に
ヨウ素化合物を添加しないと、ハロゲノアルキルスチレ
ンの収率が5%から20%程度向上することを見出し
た。これは、収率の向上以上に反応溶液の粘度が低くな
るため、後処理が容易になるという点で工業的に価値の
ある製造法である。
【0040】カップリング反応においては、反応溶液中
に過剰の増炭剤を加えている。この増炭剤は脂肪族ハロ
ゲン化合物であるため、グリニャール試薬中の金属マグ
ネシウムをグリニャール反応溶液中に移送すると、増炭
剤に相当するグリニャール試薬が容易に形成される。従
って、グリニャール反応溶液中にはグリニャール試薬で
調製した金属マグネシウムを混入させないよう、グリニ
ャール試薬をフィルター等で濾過しなければならない。
【0041】グリニャール反応後、溶液中に脱塩水、メ
タノール、エタノール、又はこれらの水溶液を滴下する
ことが好ましい。あるいは、水相を酸性にするため、塩
酸水溶液、硫酸水溶液を添加することが好ましい。この
溶液を加水分解する際、マグネシウム塩の溶解のための
大きな発熱反応が観察される。このため、反応溶液及び
/又は加水分解に使用する溶液をあらかじめ冷却する
か、又は脱塩氷を加えてもよい。その後、水相を抜き出
し、有機相を精製する。本発明のハロゲノアルキルスチ
レン誘導体の製造方法は、原料ブロモスチレン誘導体の
変換率は高く、副生成物も少ないため、目的物のハロゲ
ノアルキルスチレン誘導体の純度は高い。従って、目的
物の精製は比較的容易である。
【0042】
【発明の効果】本発明により、ハロゲノアルキルスチレ
ン誘導体を、安価で、収率よく、1段階反応で効率的よ
く製造することが可能である。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に
より限定されるものではない。
【0044】実施例−1 4−ブロモブチルスチレンの製造 窒素ガス導入管、ジムロー冷却管、枝管付き等圧滴下ロ
ート、水銀温度計、温度記録計用熱電対、攪拌羽根を備
えたジャケット付き1L反応缶に金属マグネシウム3
4.0g(1.40グラム原子、1.40当量/ブロモ
スチレン(以下「BrSt」と称することもある))を
入れ、ジャケットを10℃に設定した。一方、枝管付き
等圧滴下ロートにTHF180gとトルエン276g、
BrSt(BrStの組成は以下のとおりである。St
0.2%,2-BrSt5.2%, 3-BrSt1.6%,4-BrSt92.8%, Br2St0.23
%)183g(1.00モル)の溶液約720mlを調
製した。最初、乾燥THF40mlを張り、BrStの
THF−トルエン溶液30mlを滴下し数分間攪拌する
と、溶液の温度が急激に上昇した。反応溶液が15〜1
7℃になるように2時間かけ連続的に滴下した。滴下終
了後、内温が15℃になるようにジャケット温度を調整
した。滴下終了後、2時間攪拌すると、原料のブロモス
チレンは0.05%以下(HPLC分析)にまで減少し
た。調製したBrStのグリニャール試薬を10℃まで
冷却し、第2工程のグリニャール反応に用いた。
【0045】グリニャール反応用に窒素ガス導入管、ジ
ムロー冷却管、水銀温度計、温度記録計用熱電対、攪拌
羽根、グリニャール溶液滴下管を備えたジャケット付き
3L反応缶を準備した。この中へ、THF50g、カッ
プリング触媒Li2 CuCl44.4g(0.020モ
ル、2.0モル%/BrSt)を入れ溶解すると、濃オレン
ジ色溶液となった。更に、1,4−ジブロモブタン86
4g(4.00モル、4.0当量/BrSt)を加え1
2℃まで冷却した。この中へ、左記に調製したグリニャ
ール試薬を、内温が15℃を越えないようゆっくり3時
間かけて滴下した。グリニャール試薬を約7ml滴下す
ると、溶液は濃オレンジ色から淡黄色溶液、更に無色透
明溶液になった。更に滴下を続けると、緑色から暗
(黒)緑色透明溶液になった。滴下終了後、15℃で2
時間攪拌し、更に20℃で2時間攪拌し反応を完結させ
た。
【0046】反応終了後、反応溶液中に80%メタノー
ル水溶液20mlを滴下し、反応を終了させた。目的物
の4−ブロモブチルスチレンの収率は66%であった。
他の成分は、4,4’−ビスビニルビフェニル1.5
%、1,4−ビスビニルフェニルブタン3.6%であっ
た。脱塩水を加え静置分液し、水相を除去した。減圧
下、反応で使用した溶媒のTHF、トルエン、及び反応
で一部生成したスチレンを除去した。大過剰に使用した
1,4−ジブロモブタン(沸点52℃/0.5mmHg)を
除去した後、最後に目的物である4−ブロモブチルスチ
レン(淡黄色透明溶液,沸点120℃/0.2mmHg)を
得た。分析は以下のように行った。
【0047】HPLC分析;ODSカラム:Inert
sil ODS−2、 溶離液 80%MeOH水溶
液、流速:2.00ml/min、検出器:UV254nm GC分析;GCカラムHP−1(ヒューレットパッカー
ド社)又はDB−1(J&W社)、50℃3分間保持、
50℃→300℃ 昇温速度10℃/分、検出器:FI
D 1H−NMRはバリアンUnity−300(300MHz)
(溶媒はCDCl3。TMS基準 δ;ppm。)、I
Rスペクトルは日本分光製 FT−IR4000( )
内、brは線幅が広い Sh.鋭い Str.大きな吸収 med.中
程度の吸収であることを示す。)。1H−NMR;7.31
(d:2,6位芳香族水素),7.16(d: 3,5 位芳香族水素),6.67
(dd: ビニル基のα位水素), 5.69(dd: ビニル基のβ位
水素), 5.175(dd:ビニル基のβ位水素), 3.37(t:Br基の
α位メチレン水素),2.60(t:ベンジル位メチレン水
素), 1.82-1.88(m: Br 基β位のメチレン鎖水素), 1.6
8-1.78(m:Br 基γ位のメチレン鎖水素) IRスペクトル(NaCl法) 2950(sh.),2860(sh.),1630(sh.),1510(sh.str.),1440(m
ed.),1400(med.),1250(med.),990(str.),910(str.sh.),
840(str.),820(med.),660(med.),570(med.)
【0048】実施例−2 BrSt(アルドリッチ製4−BrSt)を用いて、実
施例−1と同様に反応を行った。得られた4(4−4−
ブロモブチル)スチレンの収率は76%であった。 実施例−3 実施例−1で用いたBrStを用いて、実施例−1にお
ける1,4−ジブロモブタンの代わりに1−ブロモ−3
−クロロプロパンを用いた以外は、実施例−1と同様に
反応を行った。得られた3−クロロプロピルスチレンの
収率は62%であった。
【0049】比較例−1 BrSt(BrStの組成は以下のとおりである。St
0.2%,2-BrSt5.2%, 3-BrSt1.6%,4-BrSt55.3%, Br2St0.23
%)を用いて、ブロモブチルスチレンの合成検討を行っ
た。グリニャール試薬の調整時、起反応剤として、結晶
ヨウ素3さじを添加し、ジヨードエタン0.5mlを添
加し反応を開始した以外は、実施例−1と全く同様の方
法で反応を行った。得られた4−ブロモブチルスチレン
の収率は32%であった。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (上記式中、nは3から6の整数を表し、Xはハロゲン
    原子を表し、Rは水素原子、アルキル基またはハロゲン
    原子を表す)で表されるハロゲノアルキルスチレン誘導
    体の製造方法において、下記一般式(2) 【化2】 (上記式中、Rは前記と同義を表す)で表されるブロモ
    スチレン誘導体に、金属マグネシウムを作用させグリニ
    ャール試薬を調製した後、増炭剤に該グリニャール試薬
    を作用させハロゲノアルキルスチレン誘導体を製造する
    ことを特徴とするハロゲノアルキルスチレン誘導体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 ブロモスチレン誘導体が、4−ブロモス
    チレンの含有率が80%以上のブロモスチレン誘導体で
    あることを特徴とする請求項1記載のハロゲノアルキル
    スチレン誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 ブロモスチレン誘導体が、ジブロモスチ
    レンの含有率が1%以下のブロモスチレン誘導体である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のハロゲノア
    ルキルスチレン誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 増炭剤が1,4−ジブロモブタン又は1
    −ブロモ−3−クロロプロパンであることを特徴とする
    請求項1〜3に記載のハロゲノアルキルスチレン誘導体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 金属マグネシウムをブロモスチレン誘導
    体に対して、1.1当量から1.6当量使用することを
    特徴とする請求項1〜4に記載のハロゲノアルキルスチ
    レン誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 グリニャール試薬をテトラヒドロフラン
    と芳香族炭化水素の混合溶媒で調製することを特徴とす
    る請求項1〜5に記載のハロゲノアルキルスチレン誘導
    体の製造方法。
  7. 【請求項7】 グリニャール試薬を調製する際、ヨウ素
    及びヨウ素化合物を添加せずにグリニャール試薬の調製
    を開始することを特徴とする請求項1〜6に記載のハロ
    ゲノアルキルスチレン誘導体の製造方法。
  8. 【請求項8】 グリニャール試薬を調製する際、ハロゲ
    ン化臭素化合物又は芳香族化合物を添加してグリニャー
    ル試薬の調製を開始することを特徴とする請求項7記載
    のハロゲノアルキルスチレン誘導体の製造方法。
  9. 【請求項9】 グリニャール反応の触媒として、Li2
    CuX‘4 (X‘は1種類以上のハロゲン原子を表す)
    又はハロゲン化銅を、ブロモスチレン誘導体に対して
    0.3モル%〜4.5モル%添加することを特徴とする
    請求項1〜8に記載のハロゲノアルキルスチレン誘導体
    の製造方法。
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