JPH115924A - 手すりベルト用コーティング剤とそれを使用する手すりベルトコーティング方法 - Google Patents

手すりベルト用コーティング剤とそれを使用する手すりベルトコーティング方法

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JPH115924A
JPH115924A JP16258197A JP16258197A JPH115924A JP H115924 A JPH115924 A JP H115924A JP 16258197 A JP16258197 A JP 16258197A JP 16258197 A JP16258197 A JP 16258197A JP H115924 A JPH115924 A JP H115924A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エスカレータ又は動く歩道の手すりベルトの
ためのコーティング剤として、能率よくコーティング処
理できるとともに汚れが付いた場合に除去しやすいもの
を提供する。 【解決手段】 アクリル系樹脂エマルジョンとウレタン
系樹脂エマルジョンとのいずれか一方又は両方をコーテ
ィング剤の主成分としてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エスカレータ又は
動く歩道の手すりベルトをコーティングするためのコー
ティング剤とコーティング方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえば特公昭60−12109
号公報に示されるように、エスカレータ用手すりベルト
の表面に合成樹脂膜をコーティングするものがあった。
すなわち、エスカレータや動く歩道の場合、手すりベル
トを送りローラの摩擦による送り作用によって駆動する
ようになっているが、手すりベルトに送りローラとの摩
擦による汚れが発生しにくいようにしながら手すりベル
トの駆動をできるようになったものである。また、手す
りベルトが綺麗に見えることも、利用者の手との接触で
汚れることの回避も可能になったものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、コーティング剤
は、たとえば湿気硬化型1液性ポリウレタンを主成分と
するなど、溶剤タイプのものであった。このため、手す
りベルトのコーティング処理を行うに当たり、手すりベ
ルトにコーティング剤を塗布してからそのコーティング
剤が乾燥するまで約6時間という多大な時間が掛かって
いた。また、エスカレータや動く歩道の場合、先ず手す
りベルトのうちの外側に露出する半周部分にコーティン
グ剤を塗布し、このコーテング剤が乾燥すると、手すり
ベルトを駆動して残りの半周部分を処理済みの半周部分
に替えて外側に露出させてその半周部分にコーティング
剤を塗布するという処理方法を採用する必要があること
から、1本の手すりベルトが全体にわたってコーティン
グされるとともに乾燥して駆動可能な状態になるには約
12時間も掛かかることになり、作業能率が極めて悪く
なっていた。また、コーティング処理しても、使用時間
が経過すると、殊に送りローラによる汚れが発生しやす
いのであり、このようにコーティング面に付着した汚れ
を除去して再度コーティング処理する場合、汚れをコー
ティング膜と共にクリーニング剤によって除去しようと
すると、クリーニング剤は、コーティング剤成分の関係
から手すりベルトの素材と化学反応するものとなってし
まい、手すりベルトに損傷を与える事態が発生してい
た。このため、コーテング膜を研磨処理することによっ
て汚れをコーティング膜と共に除去する必要があり、汚
れ除去作業の面からも作業能率が悪くなるとともに、粉
塵が発生する問題があった。要するに、手すりベルトが
新品であるなど、汚れがなくてコーティング処理を行う
だけの場合でも、コーティング剤乾燥の面から作業能率
が悪くなっていた。汚れを除去して再コーティングする
場合には、汚れ除去に掛かる手間と、コーティング剤乾
燥に掛かる手間の両面から作業能率が悪くなっていた。
本発明の目的は、エスカレータ又は動く歩道の手すりベ
ルトを能率よくかつ衛生的にコーティング処理できるコ
ーティング剤やコーティング方法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1による発明の構
成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0005】〔構成〕エスカレータ又は動く歩道の手す
りベルトの表面をコーティングするための手すりベルト
用コーティング剤において、アクリル系樹脂エマルジョ
ンとウレタン系樹脂エマルジョンとのいずれか一方又は
両方を主成分として含有する。
【0006】〔作用〕アクリル系樹脂エマルジョンとウ
レタン系樹脂エマルジョンとのいずれか一方又は両方を
主成分として含有するコーティング剤であるから、塗布
後約半時間で乾燥するなど、従来の溶剤タイプよりも短
時間で乾燥し、手すりベルトのコーティング処理を行う
に当たり、前半の半周部分にコーティング剤を塗布する
工程と、後半の半周部分にコーティング剤を塗布する工
程との間のコーティング剤乾燥待ち時間も、後半の半周
部分にコーティング剤を塗布してから手すり駆動が可能
になるまでのコーティング剤乾燥待ち時間も従来より短
時間に済ませながらコーティング処理を行える。さら
に、手すりベルトに損傷が生じないようにしながらコー
ティング膜を除去するクリーニング剤が作成でき、コー
ティング面に汚れが付着した際には、クリーニング剤を
使用してコーティング膜と共に迅速に除去することがで
き、従来の研磨処理の如く塵埃が発生することを回避し
ながら、しかも迅速に汚れ除去作業ができる。
【0007】〔効果〕前半の半周部分を塗布した後に
は、わずかな乾燥時間を置くだけで迅速に後半の半周部
分の塗布に掛かれるとともに、後半の半周部分に塗布し
たコーティング剤も迅速に乾燥させることができ、手す
りベルトを全体にわたって駆動可能に乾燥した状態に能
率よくかつ迅速にコーティング処理できる。汚れを除去
して再コーティングする場合であっても、クリーニング
剤を使用して迅速に塵埃発生のないように除去でき、手
すりベルトにクリーニング剤による損傷が発生しないよ
うにしながら、能率よく衛生的にコーティング処理でき
る。
【0008】請求項2による発明の構成、作用、効果は
つぎのとおりである。
【0009】〔構成〕エスカレータ又は動く歩道の手す
りベルトの表面をコーティングする方法において、手す
りベルトの表面に付着した汚れを除去した後に請求項1
記載の手すりベルト用コーティング剤を手すりベルトの
表面に塗布する。
【0010】〔作用〕付着した汚れが従来のコーティン
グ剤によるコーティング面に付着したものである場合に
は、そのコーティング膜を研磨処理することによって汚
れを除去し、本発明による手すりベルト用コーティング
剤によるコーティング面に付着したものである場合に
は、クリーニング剤を使用して汚れを除去し、コーティ
ング膜がない手すりベルト面に付着したものである場合
には、洗浄とか研磨とか汚れに適した除去方法によって
除去し、いずれの場合でも、汚れを除去した後に本発明
によるコーティング剤を塗布してコーティング処理する
ものである。すなわち、コーティング処理が既に行われ
ていたもの、まだ行われていなかったものいずれの手す
りベルトの場合でも、次に汚れが付着した際には、手す
りベルトを損傷させないクリーニング剤で迅速に塵埃発
生のないよう除去することができるようにコーティング
処理するものである。
【0011】〔効果〕コーティング処理後に汚れが付着
しても、手すりベルトが損傷しないようにしながら、汚
れを迅速に塵埃が出ないように除去し、汚れ除去の面か
らもコーティング剤乾燥待ちの面からも能率よく衛生的
に有利に再コーティング処理できる。
【0012】請求項3による発明の構成、作用、効果は
つぎのとおりである。
【0013】〔構成〕エスカレータ又は動く歩道の手す
りベルトの表面をコーティングする方法において、汚れ
が無い状態の手すりベルトの表面に請求項1記載の手す
りベルト用コーティング剤を塗布しておき、手すりベル
トの表面に汚れが付着すると、その汚れをコーティング
剤と共にクリーニング剤で除去し、この除去後に請求項
1記載の手すりベルト用コーティング剤を手すりベルト
の表面に塗布する。
【0014】〔作用〕手すりベルトが新品など汚れがな
い状態の時に、本発明によるコーティング剤でコーティ
ング処理しておく。その後、実際に汚れが付着すると、
手すりベルトに損傷を与えないクリーニング剤で迅速に
塵埃発生のないように汚れを除去し、本発明によるコー
ティング剤によって再コーティング処理するものであ
る。すなわち、汚れ除去の面からもコーティング剤乾燥
待ちの面からも能率よく衛生的に有利に再コーティング
処理するとともに、さらに次に汚れが付着した際にも手
すりベルトに損傷を与えないで迅速に塵埃発生のないよ
う除去することができるよいうに再コーティング処理す
るものである。
【0015】〔効果〕汚れが付着した際には、最初の付
着であっても、再コーティング後の付着であっても、常
に、手すりベルトにクリーニング剤による損傷が発生し
ないようにしながら、迅速に塵埃発生のないように除去
し、汚れ除去の面からもコーティング剤乾燥待ちの面か
らも能率よく衛生的に有利に再コーティング処理でき
る。
【0016】請求項4による発明の構成、作用、効果は
つぎのとおりである。
【0017】〔構成〕請求項3による本発明の構成にお
いて、前記クリーニング剤として、水溶性溶剤とアミン
類とを主成分として含有するクリーニング剤を使用す
る。
【0018】〔作用〕水溶性溶剤とアミン類とを主成分
として含有するクリーニング剤を使用するものだから、
手すりベルトに損傷が生じないようにしながら、汚れを
コーティング剤と共に精度よく除去できる。
【0019】〔効果〕コーティング面に付着した汚れを
手すりベルトが損傷しないようにしながら精度よく除去
し、汚れがよく落ちた仕上がりのよいコーティング面が
得られる。
【0020】請求項5による発明の構成、作用、効果は
つぎのとおりである。
【0021】〔構成〕請求項2〜4のいずれか1項によ
る本発明の構成において、請求項1記載の手すりベルト
用コーティング剤を塗布した後に加熱処理する。
【0022】〔作用〕コーティング塗膜を加熱によって
硬化促進させ、耐磨耗性に富んだ状態に迅速に仕上げら
れる。
【0023】〔効果〕後の再コーティング処理が作業能
率などの面から有利にできるコーティングを、耐磨耗性
に優れて長期にわたって使用できるなど使用面でも有利
な状態に迅速に得られる。
【0024】請求項6による発明の構成、作用、効果は
つぎのとおりである。
【0025】〔構成〕請求項5による本発明の構成にお
いて、前記加熱処理として、温風の吹き付けを採用す
る。
【0026】〔作用〕温風の吹き付けで加熱して硬化促
進させるものだから、例えばドライヤーなど簡単な装置
を使用するだけで耐磨耗性に富んだ状態に迅速に仕上げ
られる。
【0027】〔効果〕耐磨耗性に富んで有利に使用でき
るコーティングが簡単な装置で容易に迅速に得られる。
【0028】請求項7による発明の構成、作用、効果は
つぎのとおりである。
【0029】〔構成〕請求項5による本発明の構成にお
いて、前記加熱処理として、駆動回転体を作用させて摩
擦熱を発生させる処理を採用する。
【0030】〔作用〕ハンドポリッシャーによる回転バ
フなどの駆動回転体で摩擦熱を発生させることによって
加熱して硬化促進させるものだから、効率よく迅速に硬
化促進させ、より耐磨耗性に富んだ状態に一層迅速に仕
上げられる。
【0031】〔効果〕より優れた耐磨耗性を備えて使用
寿命面などで有利に使用できるコーティングを得られる
とともに、その状態に一層迅速に得られる。
【0032】請求項8による発明の構成、作用、効果は
つぎのとおりである。
【0033】〔構成〕請求項5による本発明の構成にお
いて、前記加熱処理として、温風を吹き付けて加熱した
後に駆動回転体を作用させて摩擦熱を発生させる処理を
採用する。
【0034】〔作用〕コーティング塗膜に温風を吹き付
けて硬化促進させながら乾燥させ、適度に乾燥して駆動
回転体を作用させても傷が付かない状態になると、ハン
ドポリッシャーによる回転バフなどの駆動回転体で摩擦
熱を発生させて加熱することによってさらに効率よく迅
速に硬化促進させるものである。すなわち、温風吹き付
けと摩擦熱発生とのいずれか一方の加熱処理のみで硬化
促進させるに比し、全体として迅速に効率よく硬化促進
させて優れた耐磨耗性を有する状態に迅速に仕上げるも
のである。
【0035】〔効果〕より優れた耐磨耗性を備えて使用
寿命面などで有利に使用できるコーティングを得られる
とともに、その状態に能率よく仕上げられる。
【0036】請求項9による発明の構成、作用、効果は
つぎのとおりである。
【0037】〔構成〕請求項2〜8のいずれか1項によ
る本発明の構成において、請求項1記載の手すりベルト
用コーティング剤を塗布して乾燥させた後に、潤滑油を
塗布する。
【0038】〔作用〕コーティング膜の表面に潤滑油で
潤滑性を与えたり耐水性を与え、ベルト送りローラとの
摩擦による汚れや磨滅が発生しにくいようにしてベルト
送りローラを作用させられるとか、エマルジョンで成る
コーティング膜の割りには水濡れに強い状態にして使用
できる。
【0039】〔効果〕コーティング処理が能率よくでき
るコーティングを、汚れが付きにくいとともに摩擦や水
濡れに対しても強くて長時間にわたって使用できる有利
な状態に得られる。
【0040】請求項10による発明の構成、作用、効果
はつぎのとおりである。
【0041】〔構成〕請求項9による本発明の構成にお
いて、前記潤滑油としてフッ素オイルを使用する。
【0042】〔作用〕コーティング膜の表面にフッ素オ
イルにより、ベタ付きが出ないようにしながら潤滑性を
与えたり耐水性を与えられる。
【0043】〔効果〕汚れにくいとともに摩擦や水濡れ
に対して強くて長時間にわって使用可能なコーティング
を感触よく使用できるものに仕上げられる。
【0044】
【発明の実施の形態】図1に示す如くアクリル系樹脂エ
マルジョン、アルカリ可溶樹脂、高融点ポリエチレンワ
ックス、レベリング剤、水などを配合して、アクリル系
樹脂エマルジョンを主成分として含有する手すりベルト
用コーティング剤Aを作成する。図2に示す如くウレタ
ン系樹脂エマルジョン、アルカリ可溶樹脂、高融点ポリ
エチレンワックス、レベリング剤、水などを配合して、
ウレタン系樹脂エマルジョンを主成分として含有する手
すりベルト用コーティング剤Bを作成する。図3に示す
如くアクリル系樹脂エマルジョン、ウレタン系樹脂エマ
ルジョン、アルカリ可溶樹脂、高融点ポリエチレンワッ
クス、レベリング剤、水などを配合して、アクリル系樹
脂エマルジョンとウレタン系樹脂エマルジョンとを主成
分として含有する手すりベルト用コーティング剤Cを作
成する。
【0045】これらの手すりベルト用コーティング剤
A,B,Cは、エスカレータ又は動く歩道の手すりベル
トの表面に次のコーティング方法によってコーティング
して樹脂コーティング膜を形成するものである。
【0046】すなわち、手すりベルトが新品であるな
ど、ベルト表面に汚れがまだ付いていない場合、先ず、
図5に示す如く手すりベルト1のうちのエレベータ側壁
2の外周側に露出している約半周部分1aの表面に、コ
ーティング剤A,B,Cをスポンジとか刷毛とかの塗布
具による手作業あるいは電動回転刷毛などを有する塗布
装置による機械塗りによって塗布して図6に示す如くコ
ーティング塗膜3を形成し、このコーティング塗膜3を
乾燥させる。この塗膜乾燥の後、図7に示すように、コ
ーティング塗膜3の表面に潤滑油の一例としてのフッ素
オイルを塗布してから拭き取って潤滑膜4を形成し、半
周部分1aにおけるコーティング膜形成を完了する。
【0047】半周部分1aのコーティング処理が完了す
ると、エスカレータを駆動してその半周部分1aをエレ
ベータ側壁2の内側に送り込む。手すりベルト1の残り
の約半周部分1bが先の半周部分1aに替わってエレベ
ータ側壁2の外周側に露出すると、エスカレータ駆動を
停止し、この半周部分1bの表面に、先の半周部分1a
と同様にコーティング剤A,B,Cを塗布してコーティ
ング塗膜3を形成し、このコーティング塗膜3を乾燥さ
せる。この塗膜乾燥の後、先の半周部分1aと同様に、
コーティング塗膜3の表面にフッ素オイルを塗布してか
ら拭き取って潤滑膜4を形成し、手すりベルト1の全長
にわたるコーティング膜形成を完成する。
【0048】この後、図8に示す如く手すりベルト1の
表面にベルト送りローラとの摩擦などによる汚れ5が付
着すると、図4に示す如く水溶性溶剤とアミン類とを主
成分として含有するクリーニング剤を使用して手すりベ
ルト1にクリーニング剤との化学反応による損傷が生じ
ないようにしながらクリーニング処理し、汚れ5をコー
ティング膜3および潤滑膜4と共に除去する。汚れが落
ちると、先に行ったコーティング処理と同様に、手すり
ベルト1のうちのエレベータ側壁2の外周側に露出して
いる約半周部分1aの表面に、コーティング剤A,B,
Cを塗布してコーティング塗膜3を形成し、このコーテ
ィング塗膜3を乾燥させる。この塗膜乾燥の後、コーテ
ィング塗膜3の表面にフッ素オイルを塗布してから拭き
取って潤滑膜4を形成し、半周部分1aにおけるコーテ
ィング膜再形成を完了する。半周部分1aのコーティン
グ膜形成が完了すると、エスカレータを駆動して残りの
約半周部分1bを先の半周部分1aに替えてエレベータ
側壁2の外周側に露出させ、この半周部分1bの表面
に、コーティング剤A,B,Cを塗布してコーティング
塗膜3を形成し、このコーティング塗膜3を乾燥させ
る。この塗膜乾燥の後、コーティング塗膜3の表面にフ
ッ素オイルを塗布してから拭き取って潤滑膜4を形成
し、手すりベルト1の全長にわたるコーティング膜再形
成を完成する。
【0049】コーティング処理しようとする手すりベル
トの表面に既に汚れが付いている場合、先ずこの汚れを
次の如くして除去する。すなわち、手すりベルト1の表
面に既に溶剤タイプのコーティング剤で成る樹脂コーィ
ング膜が形成されていた場合には、そのコーィテング膜
を研磨処理することにより、汚れをコーティング膜と共
に除去する。手すりベルト1の表面に既に前記コーティ
ング剤A又はB又はCで成る樹脂コーティング膜3が形
成されていた場合には、前記クリーニング剤を使用して
汚れをコーティング膜3と共に除去する。手すりベルト
1に未だコーティング処理が施されていなかった場合に
は、洗浄や研磨など汚れに適した除去手段によって汚れ
を除去する。
【0050】汚れ除去が完了すると、先のコーティング
処理と同様に、手すりベルト1のうちのエレベータ側壁
2の外周側に露出している約半周部分1aの表面に、コ
ーティング剤A,B,Cを塗布してコーティング塗膜3
を形成し、このコーティング塗膜3を乾燥させた後、コ
ーティング塗膜3の表面にフッ素オイルを塗布してから
拭き取って潤滑膜4を形成し、半周部分1aにおけるコ
ーティング膜形成を完了する。半周部分1aのコーティ
ング膜形成が完了すると、エスカレータを駆動して残り
の約半周部分1bを先の半周部分1aに替えてエレベー
タ側壁2の外周側に露出させ、この半周部分1bの表面
に、コーティング剤A,B,Cを塗布してコーティング
塗膜3を形成し、このコーティング塗膜3を乾燥させた
後、コーティング塗膜3の表面にフッ素オイルを塗布し
てから拭き取って潤滑膜4を形成し、手すりベルト1の
全長にわたるコーティング膜形成を完成する。
【0051】コーティング膜を新規に形成する場合と再
形成する場合のいずれにおいても、また、手すりベルト
1の前半周部分1aと後半周部分1bのいずれに形成す
る場合においても、コーティング剤A,B,Cを塗布し
て形成したコーティング塗膜3をフッ素オイル塗布の前
に乾燥させる際、自然乾燥によって乾燥させてもよい
が、加熱処理によって乾燥させると所要時間の面、コー
ティング剤硬化の面で有利に行える。
【0052】加熱処理によって乾燥させる場合には、温
風による加熱処理と、摩擦による加熱処理とのいずれか
一方または両方を採用して行う。
【0053】すなわち、温風による加熱処理を採用する
場合、コーティング剤A,B,Cを塗布してコーティン
グ塗膜3を形成してから4〜5分間自然乾燥させ、温風
が当たっても波立ちなどが発生しない状態になると、ド
ライヤーを用いて温風を吹き付けることによって加熱
し、コーティング剤A,B,Cを硬化促進させながらフ
ッ素オイルの塗布ができる状態に乾燥させる。
【0054】摩擦による加熱処理を採用する場合、コー
ティング剤A,B,Cを塗布してコーティング塗膜3を
形成してから自然乾燥させ、駆動回転体が接触しても傷
などが発生しない状態になると、ナイロン繊維とかポリ
エステル繊維とかで作成した駆動回転体としての回転バ
フをハンドポリッシャーによって約2000rpmで駆
動回転させながらコーティング塗膜3の表面に接触さ
せ、コーティング塗膜3に摩擦熱を発生させることによ
り、コーティング剤A,B,Cを硬化促進させながらフ
ッ素オイルの塗布ができる状態に乾燥させる。
【0055】温風による加熱処理と摩擦による加熱処理
との両方を採用する場合、コーティング剤A,B,Cを
塗布してコーティング塗膜3を形成してから4〜5分間
自然乾燥させ、温風が当たっても波立ちなどが発生しな
い状態になると、ドライヤーを用いて温風を吹き付ける
ことによって加熱し、コーティング剤A,B,Cを硬化
促進させながら乾燥させる。この後、駆動回転体が接触
しても傷などが発生しない乾燥状態になると、ハンドポ
リッシャーによって前記回転バフを約2000rpmで
駆動回転させながらコーティング塗膜3の表面に接触さ
せ、コーティング塗膜3に摩擦熱を発生させることによ
り、コーティング剤A,B,Cをさらに硬化促進させな
がらフッ素オイルの塗布ができる状態に乾燥させる。
【0056】前記したコーティング方法については、エ
スカレータの手すりベルトの場合を例に説明したが、動
く歩道の手すりベルトの場合も同様である。
【0057】
【実施例】アクリル系樹脂エマルジョンを主成分とする
手すりベルト用コーティング剤Aは、たとえば図1に示
す各成分を同図に示す配合量で配合することによって得
る。すなわち、アクリル系樹脂エマルジョン(5〜50
重量%)と、アルカリ可溶樹脂(0.1〜50重量%)
と、高融点ポリエチレンワックス(0.1〜50重量
%)と、レベリング剤(0.01〜0.1重量%)と、
可塑剤(0.5〜5重量%)と、防腐剤(0.01〜
0.1重量%)と、消泡剤(0.01〜0.1重量%)
と、水とを配合する。各成分の後の括弧内に記載の数値
は、配合量である。
【0058】ウレタン系樹脂エマルジョンを主成分とす
る手すりベルト用コーティング剤Bは、たとえば図2に
示す各成分を同図に示す配合量で配合することによって
得る。すなわち、ウレタン系樹脂エマルジョン(5〜5
0重量%)と、アルカリ可溶樹脂(0.1〜50重量
%)と、高融点ポリエチレンワックス(0.1〜50重
量%)と、レベリング剤(0.01〜0.1重量%)
と、可塑剤(0.5〜5重量%)と、防腐剤(0.01
〜0.1重量%)と、消泡剤(0.01〜0.1重量
%)と、水とを配合する。各成分の後の括弧内に記載の
数値は、配合量である。
【0059】アクリル系樹脂エマルジョンとウレタン系
樹脂エマルジョンとの両方を主成分とする手すりベルト
用コーティング剤Cは、たとえば図3に示す各成分を同
図に示す配合量で配合することによって得る。すなわ
ち、アクリル系樹脂エマルジョンとウレタン系樹脂エマ
ルジョンとの混合物(5〜50重量%)と、アルカリ可
溶樹脂(0.1〜50重量%)と、高融点ポリエチレン
ワックス(0.1〜50重量%)と、レベリング剤
(0.01〜0.1重量%)と、可塑剤(0.5〜5重
量%)と、防腐剤(0.01〜0.1重量%)と、消泡
剤(0.01〜0.1重量%)と、水とを配合する。各
成分の後の括弧内に記載の数値は、配合量である。
【0060】クリーニング剤は、図4に示す各成分を同
図に示す配合量で配合することによって得られる。すな
わち、水溶性溶剤(5〜50重量%)と、アミン類(5
〜50重量%)と、非イオン系界面活性剤(0.1〜5
重量%)と、陰イオン系界面活性剤(0.1〜5重量
%)と、無機質ビルダー(0.1〜5重量%)と、金属
イオン封錆剤(0.1〜1重量%)と、水とを配合す
る。各成分の後の括弧内に記載の数値は、配合量であ
る。
【0061】アクリル系樹脂エマルジョンとしては、ア
クリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタク
リル酸エステル等の樹脂エマルジョンなどがある。
【0062】ウレタン系樹脂エマルジョンとしては、脂
肪族又は脂環族イソシアネートとヒドロキシル基を有す
る脂肪族ポリエステル又はヒドロキシル基を有する脂肪
族ポリエーテルから生成するウレタン樹脂の水分散液又
はエマルジョンなどがある。
【0063】水溶性溶剤としては、エチレングリコール
モノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニル
エーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、
ベンジルアルコール、プロピレングリコールモノメチル
エーテルなどがある。
【0064】アミン類としては、アルカノールアミンが
ある。
【0065】フッ素オイルとしては、三フッ化塩化エチ
レンの低重合物、パーフルオロポリエーテル油などがあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】アクリル系樹脂エマルジョンを主成分とする手
すりベルト用コーティング剤の成分の説明図
【図2】ウレタン系樹脂エマルジョンを主成分とする手
すりベルト用コーティング剤の成分の説明図
【図3】アクリル系樹脂エマルジョンとウレタン系樹脂
エマルジョンとを主成分とする手すりベルト用コーティ
ング剤の成分の説明図
【図4】クリーニング剤の成分の説明図
【図5】手すりベルトコーティング要領の説明図
【図6】手すりベルトのコーティング膜形成状態での断
面図
【図7】手すりベルトのコーティング処理完了状態を示
す説明図
【図8】手すりベルトの汚れ付着状態を示す説明図
【符号の説明】
1 手すりベルト 3 コーティング膜 4 潤滑膜 5 汚れ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エスカレータ又は動く歩道の手すりベル
    トの表面をコーティングするための手すりベルト用コー
    ティング剤であって、アクリル系樹脂エマルジョンとウ
    レタン系樹脂エマルジョンとのいずれか一方又は両方を
    主成分として含有する手すりベルト用コーティング剤。
  2. 【請求項2】 エスカレータ又は動く歩道の手すりベル
    トの表面をコーティングする方法であって、手すりベル
    トの表面に付着した汚れを除去した後に請求項1記載の
    手すりベルト用コーティング剤を手すりベルトの表面に
    塗布する手すりベルトコーティング方法。
  3. 【請求項3】 エスカレータ又は動く歩道の手すりベル
    トの表面をコーティングする方法であって、汚れが無い
    状態の手すりベルトの表面に請求項1記載の手すりベル
    ト用コーティング剤を塗布しておき、手すりベルトの表
    面に汚れが付着すると、その汚れをコーティング剤と共
    にクリーニング剤で除去し、この除去後に請求項1記載
    の手すりベルト用コーティング剤を手すりベルトの表面
    に塗布する手すりベルトコーティング方法。
  4. 【請求項4】 前記クリーニング剤として、水溶性溶剤
    とアミン類とを主成分として含有するクリーニング剤を
    使用する請求項3記載の手すりベルトコーティング方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の手すりベルト用コーティ
    ング剤を塗布した後に加熱処理する請求項2〜4のいず
    れか1項に記載の手すりベルトコーティング方法。
  6. 【請求項6】 前記加熱処理として、温風の吹き付けを
    採用する請求項5記載の手すりベルトコーティング方
    法。
  7. 【請求項7】 前記加熱処理として、駆動回転体を作用
    させて摩擦熱を発生させる処理を採用する請求項5記載
    の手すりベルトコーティング方法。
  8. 【請求項8】 前記加熱処理として、温風を吹き付けて
    加熱した後に駆動回転体を作用させて摩擦熱を発生させ
    る処理を採用する請求項5記載の手すりベルトコーティ
    ング方法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の手すりベルト用コーティ
    ング剤を塗布して乾燥させた後に、潤滑油を塗布する請
    求項2〜8のいずれか1項に記載の手すりベルトコーテ
    ィング方法。
  10. 【請求項10】 前記潤滑油としてフッ素オイルを使用
    する請求項9記載の手すりベルトコーティング方法。
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