JP2020175987A - 手すりベルトのコーティング方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この手すりベルトには、多くの場合、ベルト基材の劣化を防止するとともに美観や清潔感を出すためコーティング剤が塗布され、手すりベルトの表面に保護膜が形成されている。
エスカレータ、動く歩道等の手すりベルトは、送りローラに狭圧され、さらに屈曲しながら駆動されるため、送りローラの摩擦や手すりベルト自体の屈曲により保護膜が手すりベルトから剥離するおそれがあるため、手すりベルトとの高い密着性が要求される。
また、ハンドレールの粗研磨した表面を1500番以上の耐水ペーパーで磨きあげてもハンドレールの表面には研磨痕が残り、光沢への影響は解消されない。
また、この密着性は手すりベルトの表面を研磨しない素面でも充分に得られるので、ベルトの表面の研磨工程を省略して、その分作業時間を短縮することができ、また、研磨による研磨粉が発生せず、作業環境の向上が図れる。
また、手すりベルトの表面を研磨しなければ、手すりベルトの表面に研磨による光沢を阻害する要因は無く、素面の状態からある程度の光沢があるので、コーティング剤の少ない塗布回数で高い光沢を得ることができ、これによってもコーティング作業時間の短縮が図れる。
また、この密着性は手すりベルトの表面を研磨しない素面でも充分に得られるので、ベルトの表面の研磨工程を省略して、その分作業時間を短縮することができ、また、研磨による研磨粉が発生せず、作業環境の向上が図れる。
また、手すりベルトの表面を研磨しなければ、手すりベルトの表面に研磨による光沢を阻害する要因は無く、素面の状態からある程度の光沢があるので、コーティング剤の少ない塗布回数で高い光沢を得ることができ、これによっても作業時間を短縮できる。
さらには、手すりベルトの表面に、水系ウレタン樹脂を主成分とするコーティング剤にイソシアネートを添加したものを塗布するので、プライマーを塗布する工程が無くなり、その分作業を短縮できる。
また、この密着性は手すりベルトの表面を研磨しない素面でも充分に得られるので、ベルトの表面の研磨工程を省略して、その分作業時間を短縮することができ、また、研磨による研磨粉が発生せず、作業環境の向上が図れる。
また、手すりベルトの表面を研磨しなければ、手すりベルトの表面に研磨による光沢を阻害する要因は無く、素面の状態からある程度の光沢があるので、コーティング剤の少ない塗布回数で高い光沢を得ることができ、これによっても作業時間を短縮できる。
第1例の手すりベルトのコーティング方法は、手すりベルトの表面にイソシアネートを含むプライマーを塗布する工程と、プライマーの塗布後、プライマーの塗布面に水系ウレタン樹脂を主成分とするコーティング剤を塗布する工程を含むものであり、以下に詳細に説明する。
なお、プライマーを塗布する前の手すりベルトの表面の洗浄は必須の工程ではなく、例えば、新しく交換された手すりベルトにコーティングを行う場合は手すりベルトの表面の洗浄を省略することができる。
また、第1例では、プライマーの塗布前の手すりベルトの表面に粗面を形成するための研磨工程を行わないが、本願発明は必要に応じて、プライマーの塗布前に手すりベルト表面の研磨を行うことができる。
プライマーに使用するイソシアネートとしては、1分子当たり2個以上のイソシアネート基を有するものであれば特に限定されない。使用するイソシアネート中のイソシアネート基は、保護基を有するイソシアネート基であってもよく、例えばブロック剤処理等により一時的にイソシアネート基が保護された態様のイソシアネート再生型官能基を形成するものであってもよい。使用するイソシアネートの例としては、トリレンジイソシアネートやキシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネートの内から1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。より、詳細には、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の低級脂肪族ポリイソシアネート;ジクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート;2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(東ソー株式会社製、商品名「コロネートL」)、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(東ソー株式会社製、商品名「コロネートHL」)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシヌレート体(東ソー株式会社製、商品名「コロネートHX」)等のイソシアネート付加物;ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネート等のポリイソシアネート;これらポリイソシアネートとポリオールとの付加物;および、これらポリイソシアネートを、イソシアヌレート結合、ビューレット結合、アロファネート結合等により多官能化したポリイソシアネート;等を使用することができる。
イソシアネートは水に溶解または分散可能なイソシアネートが好ましく、水分散性または自己乳化型のイソシアネートが好適に用いられる。
水系ウレタン樹脂は、通常、乳化剤の存在の下に予めジオールとジイソシアネートさらに必要に応じてジメチロールアルカン酸等を反応させて得られるウレタンプレポリマーを水中に分散させながら、強制乳化または自己乳化することにより得られるディスパージョンである。
第2例の手すりベルトのコーティング方法は、手すりベルトの表面を洗浄する工程と、手すりベルトの表面を洗浄した後、手すりベルトの表面に水系ウレタン樹脂を主成分とするコーティング剤にイソシアネートを添加したものを塗布する工程を含むものであり、以下に詳細に説明する。
イソシアネートが0.1重量部未満であると手すりベルトの表面と保護膜とに良好な密着性が得られず、また50重量部を超えると保護膜が硬くなり曲がりに追随できなくなる。
第3例の手すりベルトのコーティング方法は、手すりベルトの表面を洗浄する工程と、手すりベルトの表面を洗浄した後、手すりベルトの表面にイソシアネートを含むプライマーを塗布する工程と、プライマーの塗布後、プライマーの塗布面に水系ウレタン樹脂を主成分とするコーティング剤にイソシアネートを添加したものを塗布する工程を含むものである。
水系ウレタン樹脂を主成分とするコーティング剤に添加するイソシアネートの添加量にあっては第2例と同様であるので、第2例の説明を援用し説明を省略する。
ウレタンゴム製手すりベルトの表面を、水で10倍に希釈したアルカリ洗剤(グリスト1100/(株)リンレイ製)を含ませた白パッド(スコッチ・ブライトパッドNo.7445白/スリーエムジャパン(株)製)で洗浄し、表面を水拭きして乾燥させた後、基材表面の光沢を光沢計(micro−TRI−gloss/BYK−Gardener製)で測定した。
素地調整として、ウレタンゴム製手すりベルトの表面を、水で10倍に希釈したアルカリ洗剤(グリスト1100/(株)リンレイ製)を含ませた研磨パッド(ケンマロン320番/三共理化学(株)製)で洗浄し、さらに同様のアルカリ洗剤をスプレーしながら400番、800番、1500番の研磨剤でこの順に研磨し、表面を水拭きして乾燥させた後、基材表面の光沢を光沢計で測定した。
保護膜形成後、実施例1と同様の密着性試験を実施した。
ウレタンゴム製手すりベルトの表面に対し、実施例1と同様の洗浄を実施した。この洗浄後のウレタンゴム製手すりベルトの表面に、水系ウレタン樹脂を主成分とするコーティング剤(EBC−500とEBC助剤の混合液/(株)リンレイ製)100重量部に対し、水分散性イソシアネート(EBCプライマー/(株)リンレイ製)をイソシアネート含有量で0.1、1、3、6、10、30、50重量部添加したコーティング液を専用布で1回塗布し乾燥させ、光沢を光沢計で測定した。この作業を計3回繰り返して、ウレタンゴム製手すりベルトの表面に保護膜を形成した。
保護膜形成後、実施例1と同様の密着性試験を実施した。
ウレタンゴム製手すりベルトの表面に対し、実施例2と同様の素地調整を実施した。この素地調整後のウレタンゴム製手すりベルトの表面に、水系ウレタン樹脂を主成分とするコーティング剤(EBC−500とEBC助剤の混合液/(株)リンレイ製)100重量部に対し、水分散性イソシアネート(EBCプライマー/(株)リンレイ製)をイソシアネート含有量で0.1、1、3、6、10、30、50重量部添加したコーティング液を専用布で1回塗布し乾燥させ、光沢を光沢計で測定した。この作業を計3回繰り返して、ウレタンゴム製手すりベルトの表面に保護膜を形成した。
保護膜形成後、実施例1と同様の密着性試験を実施した。
ウレタンゴム製手すりベルトの表面に対し、実施例1と同様の洗浄を実施した。この洗浄後のウレタンゴム製手すりベルトの表面に、水分散性イソシアネート(EBCプライマー/(株)リンレイ製)を専用布で1回塗布した。乾燥後、水系ウレタン樹脂を主成分とするコーティング剤(EBC−500とEBC助剤の混合液/(株)リンレイ製)100重量部に対し、水分散性イソシアネート(EBCプライマー/(株)リンレイ製)をイソシアネート含有量で6重量部添加したコーティング液を専用布で1回塗布し乾燥させ、光沢を光沢計で測定した。この作業を計3回繰り返して、ウレタンゴム製手すりベルトの表面に保護膜を形成した。
保護膜形成後、実施例1と同様の密着性試験を実施した。
ウレタンゴム製手すりベルトの表面に対し、実施例1と同様の洗浄を実施した。この洗浄後のウレタンゴム製手すりベルトの表面に、水系ウレタン樹脂を主成分とするコーティング剤(EBC−500とEBC助剤の混合液/(株)リンレイ製)を専用布で1回塗布し乾燥させ、光沢を光沢計で測定した。この作業を計3回繰り返して、ウレタンゴム製手すりベルトの表面に保護膜を形成した。
保護膜形成後、実施例1と同様の密着性試験を実施した。
ウレタンゴム製手すりベルトの表面に対し、実施例2と同様の素地調整を実施した。この素地調整後のウレタンゴム製手すりベルトの表面に、水系ウレタン樹脂を主成分とするコーティング剤(EBC−500とEBC助剤の混合液/(株)リンレイ製)を専用布で1回塗布し乾燥させ、光沢を光沢計で測定した。この作業を計3回繰り返して、ウレタンゴム製手すりベルトの表面に保護膜を形成した。
保護膜形成後、実施例1と同様の密着性試験を実施した。
ウレタンゴム製手すりベルトの表面に対し、実施例2と同様の素地調整を実施した。この素地調整後のウレタンゴム製手すりベルトの表面に、エポキシ系シランカップリング剤(KBM−403/信越化学工業(株)製)を専用布で1回塗布した。乾燥後、水系ウレタン樹脂を主成分とするコーティング剤(EBC−500とEBC助剤の混合液を専用布で1回塗布し乾燥させ、光沢を光沢計で測定した。この作業を計3回繰り返して、ウレタンゴム製手すりベルトの表面に保護膜を形成した。
保護膜形成後、実施例1と同様の密着性試験を実施した。
また、この密着性は手すりベルトの表面を研磨しない素面でも充分に得られるので、ベルトの表面の研磨工程を省略して、その分作業時間を短縮することができ、また、研磨による研磨粉が発生せず、作業環境の向上が図れる。
また、手すりベルトの表面を研磨しなければ、手すりベルトの表面に研磨による光沢を阻害する要因は無く、素面の状態からある程度の光沢があるので、コーティング剤の少ない塗布回数で高い光沢を得ることができ、これによってもコーティング作業時間の短縮が図れる。
また、この密着性は手すりベルトの表面を研磨しない素面でも充分に得られるので、ベルトの表面の研磨工程を省略して、その分作業時間を短縮することができ、また、研磨による研磨粉が発生せず、作業環境の向上が図れる。
また、手すりベルトの表面を研磨しなければ、手すりベルトの表面に研磨による光沢を阻害する要因は無く、素面の状態からある程度の光沢があるので、コーティング剤の少ない塗布回数で高い光沢を得ることができ、これによっても作業時間を短縮できる。
さらには、手すりベルトの表面に、水系ウレタン樹脂を主成分とするコーティング剤にイソシアネートを添加したものを塗布するので、プライマーを塗布する工程が無くなり、その分作業を短縮できる。
また、この密着性は手すりベルトの表面を研磨しない素面でも充分に得られるので、ベルトの表面の研磨工程を省略して、その分作業時間を短縮することができ、また、研磨による研磨粉が発生せず、作業環境の向上が図れる。
また、手すりベルトの表面を研磨しなければ、手すりベルトの表面に研磨による光沢を阻害する要因は無く、素面の状態からある程度の光沢があるので、コーティング剤の少ない塗布回数で高い光沢を得ることができ、これによっても作業時間を短縮できる。
Claims (4)
- 手すりベルトのコーティング方法であって、手すりベルトの表面にイソシアネートを含むプライマーを塗布する工程と、プライマーの塗布後、プライマーの塗布面に水系ウレタン樹脂を主成分とするコーティング剤を塗布する工程を含むことを特徴とする手すりベルトのコーティング方法。
- 手すりベルトのコーティング方法であって、手すりベルトの表面に、水系ウレタン樹脂を主成分とするコーティング剤にイソシアネートを添加したものを塗布する工程を含むことを特徴とする手すりベルトのコーティング方法。
- 手すりベルトのコーティング方法であって、手すりベルトの表面にイソシアネートを含むプライマーを塗布する工程と、プライマーの塗布後、プライマーの塗布面に、水系ウレタン樹脂を主成分とするコーティング剤にイソシアネートを添加したものを塗布する工程を含むことを特徴とする手すりベルトのコーティング方法。
- 前記水系ウレタン樹脂を主成分とするコーティング剤に添加する前記イソシアネートの添加量は、前記水系ウレタン樹脂を主成分とするコーティング剤が100重量部に対し前記イソシアネートが0.1〜50重量部であることを特徴とする請求項2又は3に記載の手すりベルトのコーティング方法。
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