JPH1158938A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

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JPH1158938A
JPH1158938A JP9226349A JP22634997A JPH1158938A JP H1158938 A JPH1158938 A JP H1158938A JP 9226349 A JP9226349 A JP 9226349A JP 22634997 A JP22634997 A JP 22634997A JP H1158938 A JPH1158938 A JP H1158938A
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JP
Japan
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ink
recording paper
fine particles
jet recording
layer
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JP9226349A
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Yoichi Saito
洋一 斎藤
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 支持体上に空隙層を記録層として有する記録
用紙において、高いインク吸収性、光沢性、および鮮明
な画像が得られ、印字部にうねりの発生がなく、低コス
トで製造可能であり、かつ高画質のインクジェット記録
用紙の提供。 【解決手段】 厚さが160μm以上の吸水性支持体上
に、乾燥膜厚が10〜20μmの空隙層を有するインク
吸収層を有し、該インク吸収層親水性バインダー及び平
均粒径が100nm以下の微粒子を有することを特徴と
するインクジェット記録用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インクを用い
て記録を行うインクジェット記録用紙に関し、特に低コ
ストで製造可能であり、高画質で写真の風合いが得られ
るインクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、インクの微小液
滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録シー
トに付着させ、画像・文字などの記録を行うものである
が、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点
を有している。この方式で従来から問題となっていたノ
ズルの目詰まりとメンテナンスについては、インクおよ
び装置の両面から改良が進み、現在では各種プリンタ
ー、ファクシミリ、コンピューター端末等、さまざまな
分野に急速に普及している。
【0003】その詳細は例えば、インクジェット記録技
術の動向(中村孝一編、平成7年3月31日、日本科学
情報株式会社発行)に記載されている。
【0004】このインクジェット記録方式で使用される
インクジェット記録用紙(以下、単に、記録用紙ともい
う。)としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明る
く鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドットが
重なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだり
しないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に
大きくなく、かつ周辺が滑らかでぼやけないこと等が一
般的には要求されている。
【0005】インクジェット記録用紙としては従来から
種々の記録用紙が用いられている。例えば、普通紙、紙
支持体上に親水性バインダーと無機顔料から成る層を塗
設した各種の塗工紙(アート紙、コート紙、キャストコ
ート紙等)、更にはこれらの紙、透明または不透明の各
種のプラスチックフィルム支持体あるいは紙の両面をプ
ラスチック樹脂で被覆した各種の支持体上に記録層とし
てインク吸収性層を塗設した記録用紙が用いられてい
る。
【0006】上記インク吸収性層としては、親水性バイ
ンダーを主体に構成されるいわゆる膨潤型のインク吸収
性層と、空隙層を記録層中に持つ空隙型のインク吸収層
に大きく分けられる。
【0007】膨潤型インク吸収性層の利点はインク溶媒
(水及び高沸点有機溶媒)が完全に蒸発した後では非常
に高い光沢性と高い最高濃度が得られる点にあるが、反
面、インク吸収速度が後述する空隙型記録用紙に比べて
遅く、高インク領域でビーディング等を起こしてザラツ
キの発生による画質が低下しやすい問題があり、更にイ
ンク溶媒、特に高沸点有機溶媒の蒸発が極めて遅いため
に印字後しばらくは親水性バインダー中に高沸点有機溶
媒が残存して親水性バインダーが膨潤した湿潤状態に長
期間置かれることに伴う問題がある。
【0008】具体的には印字後数時間、場合により数日
間は印字表面を強く擦ったり紙などを重ねることができ
ない状況にある。
【0009】一方、空隙型のインク吸収性層は、記録層
中に空隙を有するために高いインク吸収性を示す。この
ため、膨潤型に比較して高インク領域における画像のビ
ーディングが起こりにくく高濃度域において画質の劣化
が少ない。
【0010】また、空隙型のインク吸収性層は空隙容量
がインク量に対して十分あれば、空隙構造中に有機溶媒
が残存していたとしても、少なくとも表面は印字直後に
見かけ上乾いた状態になり、表面に触れたりプリント同
士を重ね合わせること等も一応可能となる。
【0011】この種のインク吸収性層としては、比較的
透明性の高い層が形成される点から低屈折率(特に約
1.6以下の屈折率が好ましい)でしかも粒径の小さな
微粒子(特に200nm以下が好ましい)が好ましく用
いられ、中でもかかる条件を満たすシリカ微粒子が空隙
を効率良く形成し、しかも比較的高い光沢性が得られ、
高い最高濃度の画像が得られることなどから特に好まし
く用いられる。
【0012】そのような粒径の小さな無機微粒子をイン
クジェット記録用紙に使用する従来技術として、例え
ば、特開昭57−14091号、同60−219083
号、同60−219084号、特開平2−274857
号、同4−93284号、同5−51470号、同7−
179029号、同7−137431号、同8−258
00号、同8−67064号および同8−118790
号等の各公報に記載されているコロイダルシリカ、特公
平3−56552号、特開昭63−170074号、特
開平2−113986号、同2−187383号、同7
−276789号、同8−34160号、同8−132
728号及び同8−174992号等の各公報に記載さ
れている気相法により合成された微粒子シリカ、例えば
特公平3−24906号、同3−24907号、同6−
98844号、同7−2430号、同121609号、
特開昭60−245588号、特開平2−43083
号、同2−198889号、同2−263683号、同
8−112964号、同8−197832号および同8
−258397号等に記載されている多孔質アルミナま
たはその水和物、例えば、特開昭57−120486
号、同57−129778号、同58−55283号、
同61−20792号、同63−57277号、特開平
4−250091号、同3−251487号、同4−2
50091号、同4−260092号および同7−40
648号等に記載された微粒子炭酸カルシウム等が挙げ
られる。
【0013】上記空隙型のインク吸収層を支持体上に有
する記録用紙は、特に高い光沢性、高空隙率、高い最高
濃度が得られる点で優れており、しかも比較的高い平面
性の支持体を使用した場合に高い光沢面を持つ記録用紙
が得られる。
【0014】特に、前記特開平8−174992号には
表面光沢度が70%以上の不透明支持体上に平均1次粒
子径10nm以下のシリカ粒子と水溶性樹脂を使用し、
高い光沢度を得るインクジェット記録用紙が記載されて
いる。
【0015】一方、カラーインクジェット記録で得られ
る画質を写真に近づけようとする試みが近年数多く行わ
れている。
【0016】その中でドットに関する画質向上の最大の
ポイントはドット1個1個が肉眼で識別できないように
することであり、そのためにインクを小液滴化するこ
と、あるいは特にハイライト部でドットの識別を困難に
するためドットの反射濃度を低くするため、低染料濃度
のインクを併用すること等がポイントとなる。
【0017】このために打たれるインクの量は増加の傾
向にあり、インクの吸収容量が不足し溢れることによ
る、画質や乾燥性の低下が見られるようになってきた。
しかし、そのため空隙型のインク吸収性層を厚くする
と、その皮膜の特性からクラックが発生しやすくなった
り、乾燥能力から塗布スピードを低下したりして、製造
コストが増大する等の課題が発生した。
【0018】記録用紙として普通紙、上質紙、あるいは
コート紙やキャストコート紙等を使うと支持体中にイン
クが浸透するため、インクの吸収容量としては満足する
ものもあるが、印字部分にうねりが発生して印字品質が
大きく低下したり、光沢が低下したり、染料の支持体へ
の浸透で最高濃度が出にくく鮮明な画像が得にくいとい
う欠点があった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の実態を
鑑みてなされたものであり、支持体上に空隙層を記録層
として有する記録用紙において、高いインク吸収性、光
沢性、および鮮明な画像が得られ、印字部にうねりの発
生がなく、低コストで製造可能であり、かつ高画質のイ
ンクジェット記録用紙を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下
の構成により達成される。
【0021】1.厚さが160μm以上の吸水性支持体
上に、乾燥膜厚が10〜20μmの空隙層を有するイン
ク吸収層を有し、該インク吸収層親水性バインダー及び
平均粒径が100nm以下の微粒子を有することを特徴
とするインクジェット記録用紙。
【0022】2.前記微粒子が平均1次粒径が3〜30
nmの無機微粒子の2次凝集粒子であることを特徴とす
る前記1に記載のインクジェット記録用紙。
【0023】3.前記無機微粒子の2次凝集粒子が気相
法により合成されたシリカ微粒子であることを特徴とす
る前記2に記載のインクジェット記録用紙。
【0024】4.前記親水性バインダーがポリビニルア
ルコールまたはその誘導体であることを特徴とする前記
1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用
紙。
【0025】5.前記親水性バインダーに対する微粒子
の量が重量比で3〜8であることを特徴とする前記4に
記載のインクジェット記録用紙。
【0026】6.前記空隙層が硬膜剤により硬膜されて
いることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載
のインクジェット記録用紙。
【0027】7.前記空隙層の空隙容量がインクジェッ
ト記録用紙1m2当たり5〜15mlであることを特徴
とする前記1〜6のいずれか1項に記載のインクジェッ
ト記録用紙。
【0028】以下本発明を詳細に説明する。
【0029】本発明の吸水性支持体(以下、単に支持体
ともいう)としては、所望の吸水性を有する物であれば
いかなるものでも使用できる。
【0030】例えば、一般の紙、合成紙、布、木材等か
らなるシートや板等を挙げることができるが、特に紙は
基材自身の吸水性に優れかつコスト的にも優れるために
最も好ましい。以下に紙支持体について説明する。
【0031】紙支持体としては、LBKP、NBKP等
の化学パルプ、GP、CGP、RMP、TMP、CTM
P、CMP、PGW等の機械パルプ、DIP等の古紙パ
ルプ、等の木材パルプを主原料としたものが使用可能で
ある。また、必要に応じて合成パルプ、合成繊維、無機
繊維等の各種繊維状物質も原料として適宜使用すること
が出来る。
【0032】上記紙支持体中には必要に応じて、サイズ
剤、顔料、紙力増強剤、定着剤等、蛍光増白剤、湿潤紙
力剤、カチオン化剤等の従来公知の各種添加剤を添加す
ることができる。サイズ剤としては高級脂肪酸、アルキ
ルケテンダイマー等が、顔料としては炭酸カルシウム、
タルク、酸化チタン等が、紙力増強剤としてはスター
チ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等が、
定着剤としては硫酸バンド、カチオン性高分子電解質等
が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0033】紙支持体は前記の木材パルプなどの繊維状
物質と各種添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、
ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機で製造することが
できる。また、必要に応じて抄紙段階または抄紙後にス
ターチ、ポリビニルアルコール等でサイズプレス処理を
したり、各種コート処理をしたり、カレンダー処理した
りすることも出来る。
【0034】本発明の支持体の厚さは種々検討した結
果、写真の風合いを出すためには160μm以上が必要
で、好ましくは180μm以上である。160μm未満
であると印字部分がうねり上になりやすく印字品質が低
下することがある。
【0035】上限はプリンターの搬送性その他の取り扱
い性からして500μmである。
【0036】インク吸収層の乾燥膜厚は一般に被膜の空
隙率や要求される空隙量により決まるが、本発明のイン
クジェット記録用紙では10μm〜20μmであること
が必要である。10μm未満であると、光沢性や最高濃
度が低くなることがあり、20μmを越えると、空隙層
の塗布後の乾燥時に皮膜が収縮する過程で、皮膜のクラ
ックが発生しやすくなり、光沢性や平面性が劣化した
り、また、乾燥膜厚を上げるためには塗布量を多くする
ことが必要で、乾燥負荷が大きくなり生産性が悪くなる
という欠点がある。
【0037】本発明においては、支持体上に親水性バイ
ンダー及び微粒子を含有する空隙層を記録層として少な
くとも1層有する。
【0038】上記微粒子は光沢性、インク吸収性等の観
点から平均粒径が100nm以下であることが必要であ
り、100nm以下であれば従来のインクジェット記録
用紙で公知の各種の無機または有機の固体微粒子を用い
ることができる。
【0039】また、上記微粒子は1次粒子の平均粒径が
3〜30nmである2次凝集粒子が好ましく、1次粒子
の平均粒径が6〜20nmが特に好ましい。
【0040】無機微粒子の例としては、例えば、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タル
ク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸
化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタ
ルサイト、珪酸アルミニウム、シリカ微粒子、アルミ
ナ、水酸化アルミニウム、、ベーマイト水酸化アルミニ
ウムまたはその水和物、水酸化マグネシウム等の白色無
機顔料が挙げられる。
【0041】一方、有機微粒子の例としては、例えばポ
リスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリ
ル酸メチル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン
またはこれらの共重合体、尿素樹脂またはメラミン樹脂
等が挙げられる。
【0042】上記微粒子の中で、低屈折率(1.3〜
1.8)で平均粒径(3〜30nm)の小さな無機微粒
子が好ましく、例えばシリカ、コロイダルシリカ、珪酸
カルシウム、炭酸カルシウム、ベーマイト水酸化アルミ
ニウムまたはその水和物等の微粒子が挙げられるが、よ
り好ましくはシリカ微粒子である。
【0043】シリカ微粒子は製造法により乾式法と湿式
法に大別されるが、この乾式法は気相法と同義である。
気相法シリカ微粒子としては、ハロゲン化珪素の高温で
の気相法加水分解による方法(火炎加水分解法)および
ケイ砂とコークスを電気炉でアークにより加熱還元気化
しこれを空気酸化する方法(アーク法)が知られてい
る。また、湿式法シリカとしては珪酸塩の酸分解により
活性シリカを生成した後、適度に重合させて凝集・沈殿
させて得られる。
【0044】本発明においてはシリカ微粉末の中でも、
特に気相法により合成された無水シリカ微粒子が特に空
隙率と強い皮膜強度が得られる点で好ましい。
【0045】上記無機微粒子の平均粒径は、光沢性、イ
ンク吸収性から、その1次粒子として100nm以下で
あることが必要で、該微粒子の2次凝集粒子の平均粒径
は30nm以下であることが好ましい。
【0046】無機微粒子が気相法シリカ微粒子である場
合には1次粒子の平均粒径が3〜30nmであることが
好ましく、特に6〜20nmが最も好ましい。気相法シ
リカ微粒子は塗布液中で2次凝集してより大きな粒子を
形成することができるが、この場合、2次凝集前の粒子
の平均粒径は0.03〜0.2μmが好ましい。
【0047】上記において無機微粒子の平均粒径は、粒
子そのものあるいは空隙層の断面や表面を電子顕微鏡で
観察し、100個の任意の粒子の粒径を求めてその単純
平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒
径はその投影面積に等しい円を仮定したときのその直径
で表したものである。
【0048】本発明の記録用紙において、上記無機微粒
子と組み合わせて用いられる親水性バインダーとして
は、例えば、ポリビニルアルコールまたはその誘導体、
ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポ
リアクリルアミド、ゼラチン、ヒドロキシルエチルセル
ロース、カルボキシルメチルセルロース、プルラン、カ
ゼイン、デキストラン等を用いることができるが、イン
クが含有する高沸点有機溶媒や水に対する膨潤性や溶解
性が低い親水性バインダーを使用するのが印字直後の皮
膜強度の点から好ましい。
【0049】本発明では特にポリビニルアルコールまた
はその誘導体が好ましく、中でも平均重合度が1000
以上のものが好ましく、最も好ましくは平均重合度が2
000以上のポリビニルアルコールまたはその誘導体で
ある。また、ケン化度は70〜100%が好ましく、特
に80〜100%が最も好ましい。
【0050】上記親水性バインダーは2種以上併用する
こともできるが、この場合もポリビニルアルコールまた
はその誘導体を少なくとも50重量%以上含有している
のが好ましい。
【0051】上記ポリビルアルコール誘導体としては、
カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリ
ビニルアルコールまたはノニオン変性ポリビニルアルコ
ールが挙げられる。
【0052】カチオン変性ポリビニルアルコールは、カ
チオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニ
ルとの共重合体をケン化することにより得られる。
【0053】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミ
ド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−メタクリルアミドプロピル)ア
ンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−
ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられ
る。
【0054】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して通
常0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%で
ある。
【0055】カチオン変性ポリビニルアルコールの重合
度は通常500〜4000、好ましくは1000〜40
00が好ましい。
【0056】また、酢酸ビニル基のケン化度は通常60
〜100モル%、好ましくは70〜99モル%である。
【0057】アニオン変性ポリビニルアルコールは例え
ば、特開平1−206088号公報に記載されているよ
うなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開
昭61−237681号、および同63−307979
号公報に記載されているような、ビニルアルコールと水
溶性基を有するビニル化合物との共重合体、及び特開平
7−285265号公報に記載されているような水溶性
基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0058】また、ノニオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば、特開平7−9758号公報に記載さ
れているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルア
ルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導
体、特開平8−25795号公報に記載された疎水性基
を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック
共重合体等が挙げられる。
【0059】本発明の記録用紙の空隙層の親水性バイン
ダーに対する無機微粒子の比率は重量比で3倍以上であ
ることが、高い空隙率と高い皮膜強度を得る上で必要で
ある。3倍未満である場合には、空隙率が低下して十分
なインク吸収容量が得られにくくなり、また、インクジ
ェット記録後に、親水性バインダー中に残存する高沸点
有機溶媒により皮膜の強度が低下しやすい。好ましい無
機微粒子の親水性バインダーに対する比率は6以上であ
ることが好ましい。
【0060】すなわち、空隙層の塗布後の乾燥時に皮膜
が収縮する過程で、この問題は空隙層の剛性と、支持体
表面の平面性が関係しておこり、この時の皮膜の剛性が
高すぎるために、支持体表面の微少なうねりや凹凸によ
り局所的に皮膜に微小なクラックが入るためであること
があり、本発明インクジェット記録用紙の親水性バイン
ダーに対する無機微粒子の比率の上限は、通常8以下で
あることが好ましい。
【0061】本発明の記録用紙の空隙層中には前記親水
性バインダーと架橋し得る硬膜剤を添加することは空隙
層の造膜性の改良、皮膜の耐水性、および本発明の目的
である印字後の皮膜強度を改善する点で好ましい。その
ような硬膜剤としてはエポキシ基、エチレンイミノ基、
活性ビニル基等を含有する有機硬膜剤、クロムみょうば
ん、ほう酸、あるいはほう砂等の無機硬膜剤が挙げられ
る。
【0062】親水性バインダーがポリビニルアルコール
である場合には特に、分子中に少なくとも2個のエポキ
シ基を有するエポキシ系硬膜剤、ほう酸またはその塩、
ほう砂が好ましい。ほう酸としてはオルトほう酸だけで
なく、メタほう酸や次ほう酸等も使用出来る。
【0063】上記硬膜剤の添加量は上記親水性バインダ
ー1g当たり通常1〜200mg、好ましくは2〜10
0mgである。
【0064】本発明のインクジェット記録用紙のインク
受容性層側の任意の層中には、必要に応じて前記添加剤
の他に各種の添加剤を含有させることが出来る。
【0065】例えば、特開昭57−74193号公報、
同57−87988号公報及び同62−261476号
公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号
公報、同57−87989号公報、同60−72785
号公報、同61−146591号公報、特開平1−95
091号公報及び同3−13376号公報等に記載され
ている退色防止剤、アニオン、カチオンまたはノニオン
の各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同
59−52689号公報、同62−280069号公
報、同61−242871号公報および特開平4−21
9266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、
リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチ
レングリコール等の潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止
剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることも
できる。
【0066】本発明の記録用紙のインク吸収性側の任意
の構成層中には、画像の耐水化剤として特開昭56−8
4992号公報のポリカチオン高分子電解質、特開昭5
7−36692号公報の塩基性ラテックスポリマー、特
公平4−15744号公報、特開昭61−58788号
公報、同62−174184号公報等記載のポリアリル
アミン、特開昭61−47290号公報記載のアルカリ
金属弱酸塩等を一種以上用いることができる。
【0067】本発明の記録用紙をインクジェット記録用
紙として使用する場合には、空隙容量として記録用紙1
2当たり5〜15mlになる範囲に調整されることが
好ましい。
【0068】空隙容量とは、空隙層の乾燥膜厚から空隙
層中のバインダーや各種の充填剤等の固形分の容量の総
量を差し引いた値である。例えば、無機微粒子(比重
2.0)6g/m2と親水性バインダー(比重1.0)
1g/m2、カチオン性ポリマー媒染剤(比重1.0)
1g/m2からなる空隙層が、乾燥膜厚10μmである
ときその空隙容量は下式の様にして5ml/m2と求め
られる。
【0069】10−(6÷2.0)−(1÷1.0)−
(1÷1.0)=5 また、J.TAPPI紙パルプ試験方法 No.51−
87紙及び板紙の液体吸収性試験方法(ブリストー法)
に記載された方法で記録用紙のインク吸収性側を測定し
た時、吸収時間が2秒における液体転移量(ml/
2)で表すこともできる。なお、この時使用する液体
は純水(イオン交換水)であるが、測定面積の判別を容
易にするために2%未満の水溶性染料を含有していても
良い。
【0070】本発明のような吸水性支持体の空隙容量を
測定するためには、前述のように乾燥膜厚から計算でだ
すか、インク吸収層をポリエチレンテレフタレートのよ
うな非吸水性支持体上に設け、前記ブリストー法で測定
してもよい。
【0071】本発明の記録用紙は、前記した空隙層を有
する記録層を2層以上有していても良く、この場合、2
層以上の空隙層の無機微粒子の親水性バインダーに対す
る比率はお互いに異なっていてもよい。
【0072】また、上記空隙層以外に、空隙層を有さ
ず、インクに対して膨潤性の層を有していても良い。
【0073】このような膨潤層は空隙層の下層(支持体
に近い側)あるいは空隙層の上層(支持体から離れた
側)に設けても良く、更には空隙層が2層以上有る場合
には空隙層の間に設けられても良い。かかる膨潤性層に
は通常親水性バインダーが用いられ、ここに用いられる
親水性バインダーの例としては、前記空隙層に用いられ
る親水性バインダーが挙げられる。
【0074】本発明の記録用紙のインク吸収性層を有す
る側とは反対側にはカール防止や印字直後に重ね合わせ
た際のくっつきやインク転写を更に向上させるために種
々の種類のバック層を設けることが好ましい。
【0075】バック層の構成は支持体の種類や厚み、イ
ンク吸収性層の構成や厚みによっても変わるが一般には
親水性バインダーや疎水性バインダーが用いられる。バ
ック層の厚みは通常は0.1〜10μmの範囲である。
【0076】また、バック層には他の記録用紙とのくっ
つき防止、筆記性改良、さらにはインクジェット記録装
置内での搬送性改良のために表面を粗面化できる。この
目的で好ましく用いられるのは粒径が2〜20μmの有
機または無機の微粒子である。
【0077】以上の構成からなる本発明の記録用紙は例
えば以下の方法によって得ることが出来る。まず、前記
の空隙層形成用の材料を適当な溶媒、例えば水、アルコ
ールあるいは各種有機溶媒に添加して塗布液を調製し、
これを前記吸水性支持体に塗布し、乾燥させて空隙層と
する。
【0078】上記空隙層を支持体上に塗布する方法は公
知の方法から適宜選択して行うことが出来る。塗布方式
としては、ロールコーティング法、ロッドバーコーティ
ング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティ
ング法、カーテン塗布方法あるいは米国特許第2,68
1,294号公報記載のホッパーを使用するエクストル
ージョンコート法が好ましく用いられる。
【0079】塗布後の乾燥はいったん冷却して塗布液の
粘度を増大させるかゲル化させてからかぜを吹き付けて
乾燥させるのが好ましい。
【0080】塗布液温度は通常25〜60℃であり、3
0〜50℃が好ましい。冷却は塗布後の膜面温度が20
℃以下、好ましく5〜15℃になるようにするのが好ま
しく、その後の乾燥は20〜60℃の風を吹き付けて乾
燥するのが均一な膜面を得る点から好ましい。
【0081】塗布する湿潤膜厚は目的とする乾燥膜厚に
よって変わるが、通常50〜300μm、好ましくは7
0〜250μm、塗布速度は乾燥能力に大きく依存する
が通常20〜200m/分である。乾燥時間は通常2〜
10分である。
【0082】本発明のインクジェット記録用紙における
インク記録面側の塗布固形分の量は通常5〜40g/m
2、10〜30g/m2がより好ましい。
【0083】次に本発明の記録用紙をインクジェット記
録用紙として使用する場合の水性インクについて以下に
説明する。
【0084】水性インクは、通常は水溶性染料及び液媒
体、その他の添加剤から成る記録液体である。水溶性染
料としてはインクジェットで公知の直接染料、酸性染
料、塩基性染料、反応性染料あるいは食品用色素等の水
溶性染料が使用できるが直接染料、または酸性染料が好
ましい。
【0085】水性インクの溶媒は水を主体としてなる
が、水性インクが乾燥した際に染料が析出してノズル先
端やインク供給経路での目詰まりを防止するために、通
常沸点が約120℃以上で室温で液状の高沸点有機溶媒
が使用される。高沸点有機溶媒は水が蒸発した際に染料
などの固形成分が析出して粗大析出物の発生を防止する
作用を持つために水よりはるかに低い蒸気圧を有するこ
とが要求される一方、水に対して混和性が高い必要があ
る。
【0086】そのような目的で高沸点有機溶媒としては
高沸点の有機溶媒が通常多く使用されるが、具体例とし
ては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセ
リン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレング
リコールモノブチルエーテル、グリセリンモノメチルエ
ーテル、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−
ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、
1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、
トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール(平均
分子量が約300以下)等のアルコール類が挙げられ
る。また、上記した以外にも、ジメチルホルムアミド、
N−メチルピロリドン等も使用できる。
【0087】これらの多くの高沸点有機溶媒の中でも、
ジエチレングリコール、トリエタノールアミン、グリセ
リン、トリエタノールアミン等の多価アルコール類、ト
リエチレングリコールモノブチルエーテルの多価アルコ
ールの低級アルキルエーテル等は好ましいものである。
【0088】水性インクが含有するその他の添加剤とし
ては、例えばpH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度
調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、及び防
錆剤、等が挙げられる。
【0089】水性インクは記録用紙に対する濡れ性を良
好にするため及びインクジェットノズルからの吐出を安
定化させる目的で、25℃において、通常25〜50d
yne/cm、好ましくは28〜40dyne/cmの
範囲内の表面張力を有するのが好ましい。
【0090】また、水性インクの粘度は通常25℃にお
いて2〜8cp、好ましくは2.5〜5cpである。
【0091】水性インクのpHは通常4〜10の範囲で
ある。
【0092】インクノズルから吐出される最小インク液
滴としては1〜30×10-3mlの容量の場合、記録用
紙上で20〜60μmの直径の最小ドット径が得られる
ので好ましい。このようなドット径で印字されたカラー
プリントは高画質画像を与える。好ましくは2〜20×
10-3mlの容積を有する液滴が最小液滴として吐出さ
れる場合である。
【0093】また、前記水性インクが、少なくともマゼ
ンタおよびシアンについて、各々濃度が2倍以上異なる
2種類の水性インクで記録する方式において、ハイライ
ト部では低濃度のインクが使用されるためにドットの識
別がしにくくなるが、本発明はかかる記録方式を採用し
た場合も適用できる。
【0094】本発明に用いられるインクジェット記録方
法は、従来公知の各種の方式を用いることができ、その
詳細はたとえば、インクジェット記録技術の動向(中村
孝一編、平成7年3月31日、日本科学情報株式会社発
行)に記載されている。
【0095】インクジェット記録方法において、最大イ
ンク量における高沸点有機溶媒量に対する空隙容量を3
倍以上にする方法は高沸点有機溶媒のインク中の比率を
下げる、最大吐出インク量を出来るだけ少なくする、記
録用紙の空隙容量を膜厚を出来るだけ多くする等の方法
を適宜組み合わせて最適な条件を設定し選択することに
よって実現できる。
【0096】以上、本発明の記録用紙をインクジェット
用の記録用紙として説明してきたが、本発明の記録用紙
は、インクジェット記録以外にも、感熱転写方式(熱溶
融性のインクを含有する記録材料をインクシート支持体
側から加熱して溶融させて記録させるいわゆる溶融型熱
転写方式、および昇華型染料と高軟化性樹脂からなる記
録材料溶融型熱転写方式と同様にして加熱して記録する
いわゆる昇華型熱転写方式)用の記録用紙および電子写
真方式等の記録用紙にも適用できる
【0097】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明の実施態様はこれらの例に限定され
るものではない。
【0098】実施例1 原料パルプとしては、フリーネス(C.S.F)350mlの
LBKP100重量部を使用し、填料としてカオリン
(土屋カオリン)を10重量部加え、更にサイズ剤として
強化ロジンサイズ剤(コロパールCS、星光化学工業
(株)製)0.15重量部、硫酸バンド1重量部を添加し
て抄紙機により抄紙して坪量160g/m2、膜厚18
0μmの支持体−1を得た。
【0099】次に以下の塗布液−1を調製し、湿潤膜厚
が80μmになるようにして塗布した。乾燥条件は皮膜
温度が15℃以下になるように30秒以内に急速に冷却
し50℃の風で3分間乾燥させて記録用紙1とした。こ
のようにして形成される空隙層の乾燥膜厚は15μmで
あった。
【0100】以下に塗布液−1の組成を記した(添加量
は塗布液1L当たりの量で示す) 塗布液−1 シリカ分散液微粒子(1) 450ml カチオン性ポリマー(2) 12g エタノール 35ml n−プロパノール 10ml 酢酸エチル 5ml ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製PVA203) 0.1g ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製PVA235) 12g ホウ酸 2.0g ホウ砂 1.0g シリカ微粒子分散液(1):日本アエロジル株式会社製
アエロジル200(平均1次粒径12nm気相法シリカ
微粒子)の80gを純水400ml中に添加し乳化分散
機で分散した後全量を純水で450mlに仕上げる。こ
の記録用紙の顕微鏡観察から2次凝集粒子の大きさは約
65nmであった。
【0101】カチオン性ポリマー(2)平均分子量10
000 次に、塗布液−1のシリカ微粒子を平均1次粒径30n
m及び40nmの気相法シリカ微粒子(それぞれ日本ア
エロジル株式会社製アエロジル50及びOX50)に変
えた以外同様にして記録用紙2、記録用紙3を作成し
た。これらの記録用紙の顕微鏡観察から2次凝集粒子の
大きさはそれぞれ約81nm、85nmであった。
【0102】また、塗布液−1のシリカ微粒子を平均1
次粒径15nmの気相法シリカ・アルミナ複合微粒子
(日本アエロジル株式会社製アエロジルMOX170)
に変えた以外は同様にして記録用紙4を作成した。この
記録用紙の顕微鏡観察から2次凝集粒子の大きさは約7
5nmであった。
【0103】また、塗布液−1のシリカ微粒子を平均1
次粒径15nmのコロイダルシリカ(日産化学工業株式
会社製ST−O、固形分濃度20%)に変えた以外は同
様にして記録用紙5を作成した。この記録用紙の顕微鏡
観察から2次凝集粒子の大きさは約77nmであった。
【0104】比較例として、塗布液−1のシリカ微粒子
を平均1次粒径300nmのシリカゾル(日産化学工業
株式会社製MP−3040、固形分濃度40%)に変え
た以外は同様にして記録用紙6を作成した。この記録用
紙の顕微鏡観察から2次凝集粒子の大きさは約150n
mであった。
【0105】得られた記録用紙について以下の項目につ
いて評価した。
【0106】(1)塗布後のひび割れ 100cm2当たりのひび割れ個数を数えた。
【0107】(2)空隙容量 市販の下引済みポリエチレンテレフタレートフィルムに
記録用紙と同様にしてインク吸収層を塗布乾燥して測定
用試料を作成。熊谷理機工業株式会社製、Bristo
w試験機II型(加圧式)を使用し、接触時間2秒間にお
ける転移量(ml/m2)を空隙容量として求めた。
【0108】(3)初期インク吸収性 空隙容量を測定したのと同じ試験機を用い、記録用紙の
接触時間が0.5秒における転移量(ml/m2)から
初期インク吸収性を求めた。用いたインクはC.I.A
cid Red 5lの1.5%水溶液である。
【0109】(4)光沢度 日本電色工業株式会社製変角光度計(VGS−101D
P)で75度鏡面光沢を測定した。
【0110】(5)最高濃度 セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンター
MJ5000Cを用い、イエロー、マゼンタおよびシア
ンのベタ印字を行い、反射濃度をそれぞれ青、緑、赤の
単色光にて測定した。
【0111】(6)印字後のうねり うねりは印字後のシート面を肉眼により下記基準で判定
した。品質上問題にならないのはA及びBである。
【0112】 A:うねりは判らず、美観を損なわない B:うねりは小さく、美観を損なうことはない C:うねりは大きく、美観を損なう。
【0113】表1に評価結果を記す。
【0114】
【化1】
【0115】
【表1】
【0116】表1の結果から100nm以下の微粒子を
含有する空隙層、好ましくは平均1次粒径が3〜30n
mの微粒子を含有する空隙層をインク吸収層として設け
ることによって、十分な空隙容量とインク吸収性が得ら
れ最高濃度、光沢度が良好なことがわかる。一方、粒径
の大きい記録用紙6では光沢度が大きく劣化しており、
最高濃度が大きく低下した。以上より、本発明の記録用
紙は高画質な画像形成が可能となることが分かる。
【0117】実施例2 塗布液−1のポリビニルアルコール(PVA)の量を表
2のように変え、乾燥膜厚が15μmになるように塗布
した以外は実施例1と同様にして記録用紙を作成した。
【0118】表3に評価結果を記す。(実施例1と同様
の評価方法で評価した)
【0119】
【表2】
【0120】
【表3】
【0121】表3の結果からシリカ微粒子/PVA重量
比が2.5になると空隙容量、吸収性はやや低下し、逆
に10になると特に塗布後のひび割れの発生がやや増加
が見られたが、本発明の記録用紙はいずれも十分な空隙
容量とインク吸収性が得られ、最高濃度、光沢度も良好
で、高画質な画像を形成することが可能となることが分
かる。
【0122】実施例3 塗布液−1を実施例1と同様にして、空隙層の乾燥膜厚
が8、10、20、25μmになるように塗布し、記録
用紙11、12、13、14を作成した。
【0123】また、塗布液−1のポリビニルアルコール
をポリビニルピロリドン(K−90)に変える以外は実施
例1と同様にして記録用紙−15を作成した。
【0124】また、塗布液−1のホウ酸、ホウ砂を添加
せず塗布し、記録用紙16を作成した。
【0125】また、塗布液−1のポリビニルアルコール
量を記録用紙7と同様にして空隙層の乾燥膜厚が10μ
mになるように記録用紙17を作成した。
【0126】空隙層の乾燥膜厚を20μmに変える以外
は記録用紙10と同様にして記録用紙18を作成した。
【0127】また、支持体−1の膜厚150μmに変え
る以外は記録用紙1と同様にして記録用紙19を作成し
た。
【0128】
【表4】
【0129】表4の結果から乾燥膜厚が薄い記録用紙1
1は支持体へのインク染料の拡散が多くなり最高濃度の
低下が見られ、印字後のうねりも劣化する。逆に乾燥膜
厚が厚い記録用紙14は塗布後のひび割れが多発し、最
高濃度、光沢度の低下が大きい。更に、支持体の薄い記
録用紙19は印字後のうねりが大きく品質上問題であ
る。一方、本発明の記録用紙は十分な空隙容量とインク
吸収性、最高濃度、光沢度が得られ高画質な画像を形成
することが可能となることがわかる。
【0130】
【発明の効果】実施例で実証した如く、本発明によるイ
ンクジェット記録用紙は支持体上に空隙層を記録層とし
て有する記録用紙において、高いインク吸収性、光沢
性、および鮮明な画像が得られ、印字部にうねりの発生
がなく、低コストで製造可能であり、かつ高画質の画像
が得られ優れた効果を有する。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さが160μm以上の吸水性支持体上
    に、乾燥膜厚が10〜20μmの空隙層を有するインク
    吸収層を有し、該インク吸収層親水性バインダー及び平
    均粒径が100nm以下の微粒子を有することを特徴と
    するインクジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】 前記微粒子が平均1次粒径が3〜30n
    mの無機微粒子の2次凝集粒子であることを特徴とする
    請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
  3. 【請求項3】 前記無機微粒子の2次凝集粒子が気相法
    により合成されたシリカ微粒子であることを特徴とする
    請求項2に記載のインクジェット記録用紙。
  4. 【請求項4】 前記親水性バインダーがポリビニルア
    ルコールまたはその誘導体であることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用
    紙。
  5. 【請求項5】 前記親水性バインダーに対する微粒子の
    量が重量比で3〜8であることを特徴とする請求項4に
    記載のインクジェット記録用紙。
  6. 【請求項6】 前記空隙層が硬膜剤により硬膜されてい
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載
    のインクジェット記録用紙。
  7. 【請求項7】 前記空隙層の空隙容量がインクジェット
    記録用紙1m2当たり5〜15mlであることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェッ
    ト記録用紙。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006508882A (ja) * 2002-12-03 2006-03-16 デグサ アクチエンゲゼルシャフト 分散液、塗工液および吸収性媒体

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