JPH1158405A - 異方導電性シート製造用金型 - Google Patents

異方導電性シート製造用金型

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JPH1158405A
JPH1158405A JP23885797A JP23885797A JPH1158405A JP H1158405 A JPH1158405 A JP H1158405A JP 23885797 A JP23885797 A JP 23885797A JP 23885797 A JP23885797 A JP 23885797A JP H1158405 A JPH1158405 A JP H1158405A
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JP
Japan
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layer
magnetic
mold
ferromagnetic
sheet
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JP23885797A
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English (en)
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Kazumi Hanawa
一美 塙
Junichiro Inaba
潤一郎 稲葉
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JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複雑で微細化されたパターンであっても、き
わめて容易にかつ確実に製造でき、繰り返し使用に対し
ても耐久性の良い、異方導電性シート製造用金型。 【解決手段】 磁性金属よりなる基板の表面に、磁性
体部分と非磁性体部分とが交互に配列されてなり、前記
非磁性体部分は非磁性の金属層または非磁性の金属層と
耐熱性の高分子物質層よりなることを特徴とする異方導
電性シート製造用金型。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばプリント回路基
板などを検査対象としてその電気的性能を検査するた
め、当該検査対象回路基板と電気的検査装置との間の電
気的接続を達成するために用いられる異方導電性シート
を製造するための金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】異方導電性シートは、その特徴から、電
気的な接続を達成するための部材として種々の用途にお
いて有用であり、例えば、微細化されたパターン電極を
有するプリント回路基板等の電気的検査のためのコネク
ターとして好適である。
【0003】異方導電性シートは、シートの厚さ方向に
伸びる導電部が絶縁部により絶縁された状態で配置され
てなるものであるが、従来においては種々の構造のもの
が知られている。例えば加圧異方導電性シートとして
は、導電部に導電性粒子が比較的密に分散されたものが
知られている。
【0004】上記のような構造の異方導電性シートの製
造方法としては、金型の成形空間内に、磁性を有する導
電性粒子と高分子材料との混合物からなる成形材料の層
を形成し、前記金型の上型成形面と前記成形材料の層の
上面との間に間隙が形成された状態で、当該成形材料の
層に磁場を当該層の厚さ方向に作用させ、その磁力の作
用によって導電性粒子を移動させ、その状態で硬化する
方法が知られている。また、必要に応じて導電性粒子が
配向した部分(導電部)と、導電性粒子がほとんど存在
しない非導電部を形成することも知られている。
【0005】上記の異方導電性シートの製造方法におい
て用いられる金型は、各々全体の形状がほぼ平板状の互
いに対応する上型と下型の2枚一組で構成されたもので
あり、上型および下型が電磁石に装着可能に構成される
か、もしくは電磁石と一体的に構成されて、前記成形材
料の層に磁場を作用させながら当該成形材料の層を加熱
硬化することができる構造のものである。また、成形材
料の層に磁場を作用させて適正な位置に導電部を形成す
るために、金型の上型または上型と下型は、鉄、ニッケ
ル等の強磁性体からなる基板上に、金型内の磁場に強度
分布を生じさせるための鉄、ニッケル等からなる強磁性
体部分と、放射線硬化性樹脂からなる非磁性体部分とを
モザイク状に配列した層(以下「モザイク層」とい
う。)を有する構成のものであり、金型の上型および下
型の成形面は、平坦であるかわずかな凹凸を有するもの
である。
【0006】これらの金型は前記成形材料の層が形成さ
れた成形面の全体に電磁石によって強度分布を有する磁
場を形成できるものである。また、モザイク層における
強磁性体部分と非磁性体部分の配置、形状等は、作製し
ようとする異方導電性シートに基づいて決定される。す
なわち、異方導電性シートの導電部に相当する箇所に強
磁性体部分が配置され、その強磁性体部分の形状に基づ
き導電部の断面形状が形成される。
【0007】以上のようなモザイク層を有する金型は、
例えば、強磁性体の板に非磁性体部分をフォトリソグラ
フィーの手法によって形成し、その後、例えばメッキな
どによって強磁性体部分を形成することにより製造する
ことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
金型の製造において、例えば非磁性体部分全体に放射線
硬化樹脂層を用いた構成の金型とした場合、数10回以
上の繰り返し使用に対しては、耐久性に問題があり、放
射線硬化樹脂層に変わる、耐久性に優れる、非磁性体部
分が必要とされた。
【0009】以上のような理由により、強磁性体部分と
非磁性体部分の配列が複雑で微細化されたモザイク層を
有する金型、すなわち、導電部の配列が複雑で隣接する
導電部の中心間距離が小さいようなパターンを有する異
方導電性シートを製造することが可能で、しかも耐久性
のよい金型を容易にかつ安価に製作することは困難であ
った。そこで、本発明の目的は、強磁性体部分と非磁性
体部分の配列が複雑で微細化されたモザイク層の形成が
容易で、所望の異方導電性シートを製造することができ
る、かつ耐久性のよい金型を、容易にかつ安価に提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁性金属より
なる基板の表面に、磁性体部分と非磁性体部分とが交互
に配列されてなり、前記非磁性体部分は非磁性の金属層
または非磁性の金属層と耐熱性の高分子物質層よりなる
ことを特徴とする異方導電性シート製造用金型を提供す
るものである。
【0011】
【作用】本発明の金型は、強磁性体部分を例えばフォト
リソグラフィーとメッキなどによって形成することが可
能であり、その後強磁性体部分に対応する部分を除去し
た非磁性の金属シートと熱硬化性耐熱樹脂シートを、強
磁性体部分を避けて、強磁性体部分と積層することによ
り、強磁性体部分と非磁性体部分の配列が複雑で微細化
されたパターンであっても、きわめて容易にかつ確実
に、モザイク層を形成することができ、繰り返し使用に
対しても耐久性の良い、異方導電性シート製造用金型を
製造することができる。モザイク層を有する金型の表面
は、平面でもよくまた凹凸を有していてもよい。例え
ば、磁性体部分と非磁性体部分の高さが異なるものでも
よい。
【0012】次に、本発明の金型について、具体的に説
明する。図6は、本発明の異方導電性シート製造用金型
の具体的構成を示す説明図である。この図6において、
1は磁性金属よりなる基板であり、この基板1上に、モ
ザイク層を形成する非磁性体部分2と強磁性体部分3と
が設けられている。そして、非磁性体部分2は、強磁性
体部分3より薄い厚みを有する第1の非磁性体層2c
と、この第1の非磁性体層2c上に設けられた第2の非
磁性体層2bとよりなり、これら第1の非磁性体層2c
は熱によって硬化された高分子物質よりなるものおよび
第2の非磁性体層である非磁性の金属層2bよりなるも
のとされている。なお、非磁性体部分は非磁性の金属層
または非磁性の金属層と耐熱性の高分子物質層よりな
り、非磁性の金属層単独でもよいし、非磁性の金属層と
耐熱性の高分子物質層の両者の積層体でもよい。これら
の中では積層体が好ましく、特に非磁性の金属層を外側
にし耐熱性の高分子物質層を内側にした積層体にする
と、高分子物質からの浸出物を防止できる点で好まし
い。
【0013】上記のような構成の金型は、次のような方
法によって製造される。 (1)非磁性体層2aの形成 図1に示すように、磁性金属よりなる基板1上に、強磁
性体部分が形成されるべき部分を残した状態で非磁性体
層2aが形成される。非磁性体層2aを形成する方法と
しては、例えばフォトリソグラフィーの手法を用いるこ
とができる。この場合には、基板1上に、後述するフォ
トレジストをラミネート、スクリーン印刷、スピンコー
ト、アプリケーター塗工などの方法により塗工し、その
上に、図7に示すような強磁性体部分3に対応するパタ
ーンに放射線遮光部5を有するフィルムマスク6をかぶ
せて放射線を照射し、その後これを現像することによっ
て、非磁性体層2Aを形成することができる。
【0014】基板1は、例えば、鉄、鉄−ニッケル合
金、鉄−コバルト合金、ニッケル、コバルトなどの強磁
性金属により構成される。基板1は、厚さが0.1mm
〜50mmであることが好ましく、表面が平滑で、化学
的に脱脂処理され、また、機械的に研磨処理されたもの
であることが好ましい。非磁性体層2aは、放射線によ
って硬化された高分子物質により構成され、その材料と
しては、例えば、アクリル系のドライフィルムレジス
ト、エポキシ系の液状レジスト、ポリイミド系の液状レ
ジストなどのフォトレジストが挙げられる。 非磁性体
層2aの厚さは10μm以上であることが好ましく、さ
らに好ましくは20〜300μmである。
【0015】(2)強磁性体部分の形成 図2に示すように、基板1上の非磁性体層2Aが形成さ
れていない部分に強磁性体部分3を形成する。強磁性体
部分3の形成方法としては、例えば、電解鍍金法を用い
ることができる。強磁性体部分3を形成した後、強磁性
体部分3の表面を研磨することによって、図3に示すよ
うに、表面を平坦な状態とする。
【0016】強磁性体部分3は、例えば、鉄、鉄−ニッ
ケル合金、鉄−コバルト合金、ニッケル、コバルトなど
の強磁性金属により構成される。強磁性体部分3の厚さ
は10μm以上であることが好ましく、さらに好ましく
は20〜300μmである。強磁性体部分3の厚さが1
0μm未満のときには、異方導電性シートを製造する際
に、充分な強度分布を有する磁場を作用させることが困
難となり、この結果、後述する図7に示す工程におい
て、金型の成形空間内の強磁性体部分3にはさまれた部
分、すなわち導電部を形成すべき部分に成形材料中の導
電性粒子を高密度に集合させることが困難となるため、
得られるシートは良好な異方導電性を有するものとなら
ない。
【0017】(3)第1の非磁性体層2cと第2の非磁
性体層2bの形成 図3に示した状態のものより、非磁性体層2aを除去し
て図4の形状のものにした。次に、第1の非磁性体層2
cを形成するため、耐熱性高分子樹脂シート2Cの強磁
性体部分3に相当する部分に穴3HCを明けたもの、ま
た第2の非磁性体層2bを形成するため、非磁性の金属
シート2Bの強磁性体部分3に相当する部分に穴3HB
を明けたものを、強磁性体部分3に対して、図5のよう
な状態で配置した後、これらを熱圧着積層した。この結
果、図6に示すように、第1の非磁性体層2cと第2の
非磁性体層2bとにより構成される非磁性体部分2と、
強磁性体部分3とによるモザイク層が形成される。
【0018】第1の非磁性体層2cを構成する材料とし
ては、各種の熱硬化性樹脂シートや各種の接着剤などが
用いられる。この熱硬化性樹脂としては寸法安定性の高
い耐熱性樹脂よりなることが好ましく、各種の樹脂を使
用することができる。好ましい具体例としては、ガラス
繊維補強型エポキシプリプレグ樹脂、ポリイミドプリプ
レグ樹脂、エポキシプリプレグ樹脂などが挙げられる。
これらの中では特にガラス繊維補強型エポキシ樹脂が最
適である。これらを金型に複合化するには、塗布でもよ
いが、樹脂シートとして用いることにより、予め磁性体
部分を穴加工できる点で好ましい。非磁性体層2cの厚
さは強磁性体部分3の厚さに基づいて設計されるが、通
常強磁性体部分3の厚さの1.5倍以下であり、好まし
くは0.1〜1倍であり、より好ましくは10μm〜3
00μm、特に好ましくは20μm〜200μmとなる
範囲で強磁性体部分3の厚さを超えない範囲で設計され
る。第2の非磁性体層2bを構成する材料としては、非
磁性の金属が用いられるが、層間の接続が保たれるもの
であれば、各種非磁性の金属を用いることが出来る。こ
れらの具体例としては、銅、亜鉛、錫などの反磁性体や
アルミニウムなどが挙げられる。非磁性体層2bの厚さ
は製作しようとする異方導電性シートに基づいて設計さ
れるが、通常強磁性体部分3の厚さの1.5倍以下であ
り、好ましくは0.1〜1倍であり、より好ましくは1
0μm〜300μm、特に好ましくは20μm〜200
μmとなる範囲で強磁性体部分3の厚さを超えない範囲
で設計される。
【0019】以上のような方法によれば、非磁性体部分
2と強磁性体部分3の配列が複雑で微細化されたパター
ンであっても、この配列に合わせたパターンを有するフ
ィルムマスク6の製作と、非磁性体層2bを構成する非
磁性の金属シート2B、および非磁性体層2cを構成す
る熱硬化性樹脂シート2C、さらに熱硬化性樹脂シート
2Cの強磁性体部分に相当する部分の穴明け加工などに
よって、モザイク層を容易に形成することが可能であ
る。かかる方法によれば、フォトリソグラフィーにより
解像した強磁性体部分に相当する開口部に強磁性体のメ
ッキを形成するため、フィルムマスク6に対する忠実度
が高いパターンのモザイク層を形成することができる。
さらに、非磁性体部分を、耐熱性樹脂層と非磁性金属薄
層の積層体により形成することにより、金型の繰り返し
耐久性がより高いものを製造することができる。また、
強磁性体部分3の高さが高くない場合には、熱硬化性樹
脂シート2Cとして接着剤を用い、基板1と非磁性の金
属シート2Bとを張り合わせることにより製造すること
ができるが、強磁性体部分3の高さが高い場合には、上
記熱硬化性樹脂シート2Cを用いるのが好ましい。ま
た、図4の基板1の非磁性体部分(3以外の部分)に直
接銅などの非磁性の金属をメッキなどすることもできる
が、基板1とメッキ層との接着が不十分な場合は、上記
接着剤等の方法が好ましい。また、上記非磁性体層2b
の表面には、さらに樹脂層、例えば熱硬化性樹脂層や放
射線硬化性樹脂層などの形成や、メッキやスパッタなど
により金属層、例えば銅などの非磁性金属層などを形成
することも可能である。さらに、例えば、非磁性体部分
2の厚さと強磁性体部分3の厚さを変化させることによ
り、表面を凹凸にした異方導電性シートを製造すること
もできる。
【0020】本発明の金型は、絶縁体中に導電性粒子を
厚み方向に連鎖させて導通部を形成し、該導通部以外の
部分はた弾性を有する絶縁体で構成される異方導電性シ
ートの製造に好適である。上記絶縁体としては、弾性を
有する絶縁体が好ましい。かかる弾性を有する絶縁体と
しては、ゴム状重合体が好ましい。ゴム状重合体として
は、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソプレン、SB
R,NBRなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの水素
添加物、スチレンブタジエンジエンブロック共重合体、
スチレンイソプレンブロック共重合体などのブロック共
重合体およびこれらの水素添加物、クロロプレン、ウレ
タンゴム、ポリエステル系ゴム、エピクロルヒドリンゴ
ム、シリコンゴム、エチレンプロピレン共重合体、エチ
レンプロピレンジエン共重合体などが挙げられる。耐候
性の必要な場合は共役ジエン系ゴム以外のゴム状重合体
が好ましく、特に成形加工性および電気特性の点からシ
リコンゴムが好ましい。
【0021】ここでシリコンゴムについてさらに詳細に
説明する。シリコンゴムとしては、液状シリコンゴムを
架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコンゴム
はその粘度が歪速度10ー1secで105ポアズ以下のものが好
ましく、縮合型、付加型、ビニル基やヒドロキシル基含
有型などのいずれであってもよい。具体的にはジメチル
シリコーン生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メ
チルフェニルビニルシリコーン生ゴムなどを挙げること
ができる。これらのうちビニル基含有シリコンゴムとし
ては、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジ
アルコキシシランを、ジメチルビニルクロロシランまた
はジメチルビニルアルコキシシランの存在下において、
加水分解および縮合反応させ、例えば引き続き溶解−沈
澱の繰り返しによる分別を行うことにより得ることがで
きる。
【0022】また、ビニル基を両末端に含有するもの
は、オクタメチルシクロテトラシロキサンのような環状
シロキサンを触媒の存在下においてアニオン重合し、末
端停止剤を用いて重合を停止して重合体を得る際に、末
端停止剤として例えばジメチルジビニルシロキサンを使
用し、反応条件(例えば、環状シロキサンの量および末
端停止剤の量)を適宜選ぶことにより、得ることができ
る。ここで、触媒としては、水酸化テトラメチルアンモ
ニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアル
カリまたはこれらのシラノレート溶液などが挙げられ、
反応温度としては例えば80〜130 ℃が挙げられる。
【0023】また、ヒドロキシル基含有シリコンゴム
は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジア
ルコキシシランを、ジメチルヒドロクロロシラン、メチ
ルジヒドロクロロシランまたはジメチルヒドロアルコキ
シシランなどのヒドロシラン化合物の存在下において、
加水分解および縮合反応させ、例えば引き続き溶解−沈
澱の繰り返しによる分別を行うことにより得ることがで
きる。また 、環状シロキサンを触媒の存在下にアニオ
ン重合し、末端停止剤を用いて重合を停止して重合体を
得る際に、反応条件(例えば、環状シロキサンの量およ
び末端停止剤の量)を選び、末端停止剤としてジメチル
ヒドロクロロシラン、メチルジヒドロクロロシランまた
はジメチルヒドロアルコキシシランを使用することによ
って得ることができる。ここで、触媒としては、水酸化
テトラメチルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホス
ホニウムなどのアルカリまたはこれらのシラノレート溶
液などが挙げられ、反応温度としては例えば80〜130 ℃
が挙げられる。
【0024】ゴム状重合体の分子量(標準ポリスチレン
換算重量平均分子量)は10,000〜40,000であるものが好
ましい。なお、ゴム状重合体成分の分子量分布指数(標
準ポリスチレン換算重量平均分子量と標準ポリスチレン
換算数平均分子量との比(以下「Mw /Mn 」と記す)
は、得られる導電性エラストマーの耐熱性の点から2.0
以下が好ましい。
【0025】導電性粒子としては、例えば鉄、銅、亜
鉛、クロム、ニッケル、銀、コバルト、アルミニウムな
どの公知の単体導電性金属粒子およびこれらの金属元素
の2種以上からなる合金導電性金属粒子を挙げることが
できる。これらのうち、ニッケル、鉄、銅などの単体導
電性金属粒子が、経済性と導電特性の面から好ましく、
特に好ましくは表面が金により被覆されたニッケル粒子
である。
【0026】また、絶縁体としてシリコンゴムを用いる
場合は、導電性粒子のシランカップリング剤の被覆率が
5%以上であることが好ましく、さらに好ましくは7〜
100%、より好ましくは10〜100%、特に好まし
くは20〜100%である。また、導電性粒子の粒子径
は1〜1000μmであることが好ましく、さらに好ましく
は2〜500μm、より好ましくは5〜300μm、特に好まし
くは10〜200μmである。また、導電性粒子の粒子径分
布(Dw/Dn)は1〜10であることが好ましく、さらに
好ましくは1.01〜7、より好ましくは1.05〜5、特に好ま
しくは1.1〜4である。また、導電性粒子の含水率は5%
以下が好ましく、さらに好ましくは3%以下、より好ま
しくは2%以下、特に好ましくは1%以下である。この
ような範囲の粒径を有する導電性粒子によれば、得られ
る導電性エラストマーにおいて、使用時導電性粒子間に
十分な電気的接触が得られるようになる。この導電性粒
子の形状は特に限定されるものではないが、上記(a)
成分および(b)成分またはそれらの混合物に対する分
散の容易性から球状あるいは星形状であることが好まし
い。
【0027】本発明において導電性粒子として特に好ま
しく用いられる表面が金により被覆されたニッケル粒子
は、例えば無電解メッキなどによりニッケル粒子の表面
に金メッキを施したものである。このように、表面が金
被覆を有するニッケル粒子は接触抵抗がきわめて小さい
ものとなる。メッキにより金を被覆する場合の膜厚は10
00オングストローム以上であることが好ましい。また、
メッキ量としては粒子の1重量%以上が好ましく、さら
に好ましくは2〜10重量%、特に好ましくは3〜7重
量%である。
【0028】本発明において、導電性粒子は、ゴム状重
合体100重量部に対して30〜1000重量部、好ましくは50
〜750 重量部の割合で用いられる。この割合が30重量部
未満の場合には、得られる導電性エラストマーは、使用
時にも電気抵抗値が十分に低くならず、従って良好な接
続機能を有しないものとなり、また 1,000重量部を超え
ると硬化されたエラストマーが脆弱になって導電性エラ
ストマーとして使用することが困難となる。以上のゴム
状重合体および導電性粒子を含有する本発明の導電性エ
ラストマー用組成物には、必要に応じて、通常のシリカ
粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシリカ、アルミナな
どの無機充填材を含有させることができる。このような
無機充填材を含有させることにより、未硬化時における
チクソ性が確保され、粘度が高くなり、しかも導電性粒
子の分散安定性が向上すると共に、硬化後におけるエラ
ストマーの強度が向上する。
【0029】この無機充填材の使用量は特に限定される
ものではないが、あまり多量に使用すると、導電性金属
粒子の磁場による配向を十分に達成できなくなるので好
ましくない。なお、本発明の導電性エラストマー用組成
物の粘度は、温度25℃において 100,000〜1,000,000 c
pの範囲内であることが好ましい。本発明の導電性エラ
ストマー用組成物は、架橋もしくは縮合反応が行われて
弾性の大きいエラストマーが形成され、しかも特定な導
電性粒子成分が含有されていることにより導電性エラス
トマーとしての機能を有するものとなる。
【0030】本発明の導電性エラストマー用組成物は、
硬化させるために硬化触媒を用いることができる。この
ような硬化触媒としては、有機過酸化物、脂肪酸アゾ化
合物、ヒドロキシル化触媒、放射線などが挙げられる。
有機過酸化物としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ビス
ジシクロベンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジターシ
ャリーブチルなどが挙げられる。また、脂肪酸アゾ化合
物としてはアゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられ
る。ヒドロシリル化反応の触媒として使用し得るものと
しては、具体的には、塩化白金酸およびその塩、白金−
不飽和基含有シロキサンコンプレックス、ビニルシロキ
サンと白金とのコンプレックス、白金と1,3−ジビニル
テトラメチルジシロキサンとのコンプレックス、トリオ
ルガノホスフィンあるいはホスファイトと白金とのコン
プレックス、アセチルアセトネート白金キレート、環状
ジエンと白金とのコンプレックスなどの公知のものを挙
げることができる。
【0031】硬化触媒の添加方法も特に限定されるもの
ではないが、保存安定性、成分混合時の触媒の偏在防止
などの観点から、主剤である(a)成分に予め混合して
おくことが好ましい。硬化触媒の使用量は、実際の硬化
速度、可使時間とのバランスなどを考慮して適量使用す
るのが好ましい。また、硬化速度、可使時間を制御する
ために通常用いられる、アミノ基含有シロキサン、ヒド
ロキシ基含有シロキサンなどのヒドロシリル化反応制御
剤を併用することもできる。
【0032】上記の異方導電性シートは、例えば次のよ
うにして製造される。先ず、絶縁性の弾性高分子物質、
たとえばシリコンゴム中に、ニッケルなどの導電性磁性
体粒子を分散させて流動性の混合物よりなる成型材料が
調製され、図8に示すように本発明の金型のキャビティ
内に配置される。なお、この金型は、図9に示すように
各々電磁石を構成する上型と下型とよりなり、成型材料
が配置される間隙が形成された状態となっている。
【0033】この状態で上型と下型の電磁石を動作さ
せ、成型材料の厚さ方向の平行磁場を作用させる。その
結果、成型材料層においては強磁性体部分において、そ
れ以外の部分(非磁性体部分)より強い平行磁場が厚さ
方向に作用されることとなり、この分布を有する平行磁
場により、成型材料層内の導電性磁性体粒子が、強磁性
体部分による磁力部分に集合して更に厚さ方向に配向す
る。そして、平行磁場を作用させたまま、あるいは平行
磁場を除いた後、加熱などにより硬化処理を行うことに
より、導電部と絶縁部とよりなる異方導電性シートが製
造される。
【0034】以下、本発明の具体例について説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。 〔金型製作例〕縦150mm、横200mm、厚み5m
mの軟鉄板からなる基板上に、厚み50μmのフォトレ
ジスト膜を設けた。次に、この表面に図5のようなパタ
ーンを有するフィルムマスクを位置合わせして設置し、
超高圧水銀灯を光源として90mJ/cm2 の露光量で
密着露光した後、現像液として1%炭酸ナトリウム水溶
液(溶液温度30℃)を用いて2分間スプレー現像する
ことによって、図1に示すように光硬化樹脂層を形成し
た。
【0035】基板の光硬化樹脂層が形成されていない面
を、メッキ用リード電極部として利用する部分を残して
レジストテープでマスキングし、その後、スルファミン
酸ニッケルを主剤とするニッケルメッキ浴中で、温度4
5℃、電流値1A/dm2 の条件で20時間、メッキ処
理することによって、図2に示すように強磁性体部分を
形成した。その後、ラッピング装置によって、研磨剤と
してダイヤモンド砥粒コンパウンドを用いて、80rp
mで30分間表面を研磨し、図3に示すように表面を平
坦な状態とした後、水洗乾燥した。次いで、基板を5%
水酸化ナトリウム水溶液を主成分とする剥離液(溶液温
度55℃)に10分間浸漬することによって、光硬化樹
脂層を除去し、図4に示すような金型の下型を得た。
【0036】一方、厚さ30μmの熱硬化性樹脂シート
(ガラス繊維補強プリプレグ)における磁性体部分
(3)に対応する位置に、NCドリリリング装置により
直径0.15mmの貫通穴(3HC)を形成し、また、
厚さ70μmの電解銅箔における磁性体部分(3)に対
応する位置に、NCドリリリング装置により直径0.1
8mmの貫通穴(3HB)を形成した。次に基板1の上
に、この熱硬化性樹脂シート(2C)及び電解銅箔(2
B)を、当該貫通穴と磁性体部分とを位置合わせした
後、基板の表面に重ね、この電解銅箔(2B)の上に、
厚さ50μmのフッ素樹脂製離型フィルムをこの順に重
ねた後(図5)、真空プレス機により、10Paの減圧
雰囲気下において、最高プレス圧力40Kg/cm2 、
最高温度170℃で2時間プレスして熱圧着し、フッ素
樹脂製離型フィルムを剥離除去して異方導電シート製造
用金型の下型を形成した(図6)。
【0037】上記の方法と同様にして、非磁性体部分と
強磁性体部分の配列が上記の下型と鏡像関係にあるパタ
ーンを有する上型を得た。
【0038】〔異方導電性シート製造例〕上記の金型製
作例によって得られた金型の上型および下型を用い、図
6に示すように、スペーサーとして厚さ70μmのシー
ト7を用い、この金型間に平均粒径40μmのニッケル
粒子が25体積%となる割合で混合された室温硬化型シ
リコーンゴム組成物よりなる成形材料8を注入した。金
型の上型を位置合わせして重ね合わせ、図9に示すよう
に、平行磁場磁極板9を有する加熱装置10によって、
3000ガウスの磁場を作用させた状態で120℃で3
0分間加熱した後、脱型し、図10に示すような異方導
電性シート11を得た。このシートの厚さは200μ
m、相隣る導電部間の平均中心間距離は250μmであ
った。
【0039】〔異方導電性シートの評価〕異方導電性シ
ート製造例で得られた異方導電性シートについて、図1
1に示すように、抵抗測定器12、短絡板13、プロー
ブピン14、リード線15により構成された抵抗測定装
置を用いて、各導電部16の抵抗測定を行ったところ、
全導電部とも完全な導通が得られ、その抵抗値は15m
Ω〜33mΩの範囲内にあり、非常に低いものであっ
た。また、図12に示すように、隣接する導電部間の短
絡抵抗を測定したところ、その抵抗値はいずれも2MΩ
以上であり、良好な絶縁抵抗を示した。また、上記金型
を用いて上記異方導電性シートの製造を繰り返し行った
結果、非磁性体部分が放射線硬化性樹脂のみの金型に較
べ,3.5倍以上の耐久性があつことが確認された。
【0040】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の異
方導電性シート製造用金型は、非磁性体部分が非磁性の
金属層または非磁性の金属層と耐熱性の高分子物質の積
層体よりなる金型である。 この金型は、強磁性体部分
を例えば、フォトリソグラフィーとメッキなどによって
形成することが可能であり、その後、強磁性体部分に対
応する部分を除去した非磁性の金属シートと熱硬化性耐
熱樹脂シート、を強磁性体部分を避けて、強磁性体部分
と積層することにより、強磁性体部分と非磁性体部分の
配列が複雑で微細化されたパターンであっても、きわめ
て容易にかつ確実に、モザイク層を形成することにより
製造でき、繰り返し使用に対しても耐久性の良い、異方
導電性シート製造用金型である。また、本発明の金型に
よれば、導電部と絶縁部の配列が複雑なパターンを有
し、隣接する導電部の中心間距離が小さく、しかも、良
好な異方導電性を有するシートを製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例においてフォトリソグラフィーの手法に
より光硬化樹脂層が形成された状態を示す説明図であ
る。
【図2】実施例において電解鍍金法により強磁性体部分
が形成された状態を示す説明図である。
【図3】実施例において光硬化樹脂層および強磁性体部
分が形成された表面を研磨した後の状態を示す説明図で
ある。
【図4】実施例において光硬化樹脂層が除去された状態
を示す説明図である。
【図5】実施例において基板の上部に、穴の明いた非磁
性金属シートと熱硬化性樹脂シートが位置合わせされ
て、配置された状態を示す説明図である。
【図6】実施例において基板の上部に、穴の明いた非磁
性金属シートと熱硬化性樹脂シートが位置合わせされ
て、積層された状態を示す説明図である。
【図7】実施例に係る金型の強磁性体部分に対応するパ
ターンを有する放射線遮光部を有するフィルムマスクの
説明図である。
【図8】実施例において金型に異方導電性シート材料を
注入した状態を示す説明図である。
【図9】実施例における異方導電性シート製造装置の構
成を示す説明図である。
【図10】実施例において製作した異方導電性シートの
説明図である。
【図11】実施例において作製した異方導電性シートの
導電部の抵抗を測定する装置の構成を示す説明図であ
る。
【図12】実施例において作製した異方導電性シートの
導電部間の抵抗を測定する装置の構成を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 基板 2a 光硬化樹
脂層 2b 第2の非磁性体層 2c 第1の非
磁性体層 2B 非磁性金属シート 2C 熱硬化性
樹脂シート 3HB 強磁性体部分に相当する位置に明けた穴 3HC 強磁性体部分に相当する位置に明けた穴 2 非磁性体部分 3 強磁性体部分 4 放射線透
過部 5 放射線遮光部 6 フィルム
マスク 7 スペーサー 8 成形材料 9 平行磁場磁極板 10 加熱装置 11 異方導電性シート 12 抵抗測定
器 13 短絡板 14 プローブ
ピン 15 リード線 16 導電部 17 絶縁部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性金属よりなる基板の表面に、磁性体
    部分と非磁性体部分とが交互に配列されてなり、前記非
    磁性体部分は非磁性の金属層または非磁性の金属層と耐
    熱性の高分子物質層よりなることを特徴とする異方導電
    性シート製造用金型。
JP23885797A 1997-08-20 1997-08-20 異方導電性シート製造用金型 Pending JPH1158405A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100441578B1 (ko) * 2001-07-24 2004-07-23 제이에스알 가부시끼가이샤 이방도전성 쉬이트 및 커넥터

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100441578B1 (ko) * 2001-07-24 2004-07-23 제이에스알 가부시끼가이샤 이방도전성 쉬이트 및 커넥터

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