JPH1157903A - ホース用メガネ金具の製造方法、ホース用メガネ金具及びブレーキホース - Google Patents

ホース用メガネ金具の製造方法、ホース用メガネ金具及びブレーキホース

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JPH1157903A
JPH1157903A JP9217757A JP21775797A JPH1157903A JP H1157903 A JPH1157903 A JP H1157903A JP 9217757 A JP9217757 A JP 9217757A JP 21775797 A JP21775797 A JP 21775797A JP H1157903 A JPH1157903 A JP H1157903A
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manufacturing
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JP9217757A
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Yoshihiro Namekawa
義裕 滑川
Hideki Hagiwara
秀樹 萩原
Katsuhiro Aoyanagi
克弘 青柳
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品管理が容易で、加工時間や加工工程を大
幅に短縮し、切粉の発生を最小限にして材料歩留まりを
良くし、したがって製品コストを低減でき、液漏れの発
生をなくし、ニップル部の潰れやソケット部の割れ等を
防止する。 【解決手段】 筒状のソケット13部と筒状のニップル
部14とを一端側に備え、2面15a,15bに貫通す
る貫通孔15cを有するメガネ部15を他端側に備える
ホース用メガネ金具10の製造方法であって、ソケット
部13に対応する筒状部23と、ニップル部14に対応
する突起部24と、メガネ部15に対応しほぼ平行な2
面25a,25bを有するブロック部25とを塑性加工
により形成する第1工程と、突起部24を塑性加工して
筒状の突起部34を形成する第2工程と、当該突起部3
4の中空部(孔34a)からブロック部25側に延びる
孔26aを機械加工により形成する第3工程とを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業用ホースに使
用されるホース用メガネ金具の製造方法、ホース用メガ
ネ金具及びに本ホース用メガネ金具が使用されたブレー
キホースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のホース用メガネ金具としては図1
1に示すようなものがある。本ホース用メガネ金具1
(以下、特別の場合を除きメガネ金具という。)は、そ
れぞれ別体である環状のメガネ部2と、筒状の本体部3
と、管状のニップル部4とを備え、本体部3には筒状の
ソケット部3aとソケット部3aにくびれて連設された
首部3bを備えている。
【0003】本メガネ金具1は、本体部3の貫通孔3c
内にニップル部4を圧入しこれらを相互にロウ付けする
とともに、首部3bの先端にメガネ部2を圧入してこれ
らを相互にロウ付けすることにより製造される。
【0004】あまり現実的ではないが、1個のブロック
から切削加工によりメガネ部、本体部、ニップル部を有
するホース用メガネ金具を製造することも考えられる。
【0005】上記のように別体で構成された部品をロウ
付けにより一体としているのは、同一材料でメガネ金具
を一体的に加工することが困難だからである。また、メ
ガネ金具は、そのソケット部の内側にホースを挿入する
と同時にニップル部をホースの内側に挿入し、ソケット
部をカシメることによりホースに固定されるものである
ので、ソケット部は柔らかくて変型しやすく、ニップル
部は硬くて潰れにくいといった特性をもつことが好まし
い。このような必要性を満たすために、上記のように本
体部3、ニップル部4等それぞれ材料特性の異なる別体
で構成してロウ付け等により一体化する製造方法が採用
されている理由でもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
メガネ金具の製造方法であって別体の部材をロウ付けし
て一体化する方法は、ロウ付け不良が発生しやすく当該
部分からの液漏れの原因となり、信頼性の低下を招く。
また、別体の部材を相互に嵌合させて一体化するので、
各嵌合部分の加工精度が要求され、管理が繁雑になり、
仕上げ精度の低下は液漏れの原因にもなる。さらに、ロ
ウ付けのためには各部材の洗浄、圧入、ロウ材の配置、
炉内搬送、ロウ付け部の検査等の工数がかかり、製品コ
ストの増大の原因となっている。特に、ニップル部に例
えばクロムモリブデン鋼等の材料を使用すると材料コス
トの増大を招き製品コストが増大する。
【0007】一方、メガネ金具を1個のブロックから切
削加工により製造しようとすると、切削加工が複雑にな
り、製品コストが過大になる。また、この場合全体の硬
度は基本的に同一であるが、ニップル部の硬度がHv1
50以下になると、カシメ加工の際にニップル部が潰れ
るおそれがあり、ソケット部の硬度がHv200以上に
なると、カシメ加工の際にソケット部に切削時に形成さ
れた表面の凹凸いわゆる切削目を起点としてクラックが
入って割れることがある。このように、単一の材料を用
いてこれらの要求を満足させるためには、材料の選択範
囲は非常に狭い範囲に限られしまう。さらに、実際問題
として同一材料であっても製品ロット間の硬度差や切削
加工による表面荒さの差等の要因により、上記不具合が
生ずるおそれを有しており、高い信頼性を得ることはで
きない。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、部品が1点であり部品管理が容易であり、加工時間
や加工工程を大幅に短縮することができ、切粉の発生を
最小限で済ませ材料歩留まりを良くし、これにより製品
コストを低減し、一方液漏れの発生を完全に無くし、ニ
ップル部の潰れやソケット部の割れ等の不良品の発生を
未然に防止することができ、もって信頼性の向上を図る
ことができるホース用メガネ金具の製造方法、ホース用
メガネ金具及びこのホース用メガネ金具を用いたブレー
キホースを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のホース用メガネ
金具の製造方法は、筒状のソケット部とこのソケット部
の内方に位置する筒状のニップル部とを一端側に備え、
2面に貫通する貫通孔を有するメガネ部を他端側に備え
るホース用メガネ金具の製造方法であって、前記ソケッ
ト部に対応する筒状部と、前記ニップル部に対応する突
起部と、前記メガネ部に対応しほぼ平行な2面を有する
ブロック部とを塑性加工により形成する第1工程と、前
記突起部を塑性加工して筒状の突起部を形成する第2工
程と、当該突起部の中空部から前記ブロック側に延びる
孔を機械加工により形成する第3工程とを備えることを
特徴とする。
【0010】なお、前記第1工程で前記ブロック部の2
面のうち少なくとも1面に凹部を形成することもでき
る。前記第1工程で前記ブロック部の2面に貫通する貫
通孔を形成することもできる。前記第1工程で前記突起
部の先端に凹所を形成してもよい。前記第1工程と第2
工程との間に第1工程の塑性加工による加工硬化緩和の
ための熱処理を付加してもよい。前記筒状部とブロック
部との間にくびれた首部を形成する工程を前記第1工程
の後に付加してもよい。前記メガネ部の2面と貫通孔を
機械加工により仕上げる工程を付加してもよい。前記メ
ガネ部の2面と貫通孔を塑性加工により仕上げる工程を
付加してもよい。前記ニップル部とソケット部との長さ
を機械加工により仕上げる工程を付加してもよい。前記
ニップル部の内面又は外面の少なくともいずれか一方を
機械加工により仕上げる工程を付加してもよい。前記中
間成型品の素材として、金属材料の引張試験方法(JI
SZ 2241、以下単に引張試験という。)における
絞りが75%以上の金属を用いることが好ましい。
【0011】本発明のホース用メガネ金具は、筒状のソ
ケット部とこのソケット部の内方に位置する筒状のニッ
プル部とを一端側に備え、2面に貫通する貫通孔を有す
るメガネ部を他端側に備えるホース用メガネ金具であっ
て、単一の素材を塑性加工しておおよその形状が成形さ
れるとともに、前記ソケット部、ニップル部、メガネ部
の硬度が焼きなまし等の熱処理を施さない状態で、Hv
170〜270であることを特徴とする。
【0012】本発明の他のホース用メガネ金具は、筒状
のソケット部とこのソケット部の内方に位置する筒状の
ニップル部とを一端側に備え、2面に貫通する貫通孔を
有するメガネ部を他端側に備えるホース用メガネ金具で
あって、単一の素材を塑性加工しておおよその形状が成
形されるとともに、前記ソケット部の硬度がHv90〜
150、前記ニップル部の硬度がHv150〜270、
メガネ部の硬度がHv90〜270であることを特徴と
する。
【0013】本発明のブレーキホースは、上記ホース用
メガネ金具の製造方法により製造されたホース用メガネ
金具、上記ホース用メガネ金具のいずれかがホースの端
部に取り付けられていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態にか
かるメガネ金具の製造方法について添付図面に基づいて
説明する。
【0015】まず、本製造方法により製造されるメガネ
金具10について説明する。本メガネ金具10は、図5
(a),(b)に示すように、同一材料により一体に形
成され、一端側に筒状のソケット部13とこのソケット
部13の内方に位置する筒状のニップル部14とを備え
るとともに、他端側に2つの平面15a,15bに貫通
する貫通孔15cを有するメガネ部15を他端側に備え
る。ソケット部13とメガネ部15との間にはくびれた
首部16が形成され、メガネ部15の貫通孔15cの内
面からニップル部14の中空部14aに連通する孔16
aが形成されている。メガネ部15の貫通孔15cの内
面には貫通孔より大きな径を有する溝部15eが形成さ
れている。
【0016】次に、本メガネ金具10の製造方法につい
て説明する。
【0017】図2(a),(b)に本製造方法の第1工
程により製造された第1中間成型品を示す。この第1中
間成型品は、ソケット部13に対応する筒状部23と、
ニップル部14に対応する突起部24と、メガネ部15
に対応し,ほぼ平行な2つの平面25a,25bを有す
るブロック部25とを備える。ブロック25と筒状部2
3とは、その後の加工により首部16となるほぼ円柱状
の連結部26により連結されている。ブロック部25に
はメガネ部15の貫通孔15cに対応する貫通孔部25
cが2平面25a,25bを貫通して形成されている。
突起部24は、加工精度による長さのばらつきはあるも
のの、基本的にはその後の加工により成型されるニップ
ル部14の体積とほぼ同一の体積を有してなる。
【0018】第1中間成型品は、コイル状に巻かれた加
工用素材を切断して得られた円柱状の出発部材を例えば
多段式のパーツフォーマー等の加工設備により塑性加工
して得られる。第1中間成型品の形状までの加工度が大
きいので、なるべく加工回数が多く採れる方がよく、本
実施の形態では6回打ちがよい。また、加工設備にはワ
ークを90゜反転させる装置を設けることによりブロッ
ク部25の2平面25a,25bと貫通孔25cとを加
工することができる。なお、寸法精度の点で十分でない
場合には2平面25a,25bと貫通孔25cとを別工
程のプレス装置により形成するようにしてもよい。
【0019】ここで、加工用素材の材質としては、塑性
加工、特に冷間鍛造にて成形されるため、脆化防止のた
め冷間圧造用炭素鋼線か若しくはこれの相当品を選定し
ている。例えば、JIS規格(JIS G 3539)
のSWCH6Aが採用される。これは材料を球状化焼鈍
後、表面被覆処理(例えばボンデ処理)が施され、伸線
され、コイル体とされたものであり、金属材料の引張試
験方法における絞りが75%以上となっている。鋼以外
の他の材質としては、アルミニウム又はその合金、銅又
はその合金等が採用し得る。
【0020】次に、図3に本製造方法の第2工程により
製造された第2中間成型品を示す。この第2中間成型品
は、第1中間成型品の突起部24を後方押出加工法によ
り塑性加工し、孔34aを有する筒状の突起部34とし
たものである。この後方押出加工は、突起部24の外周
を覆って金型を配置し突起部24の前端部をプレス装置
により駆動されるポンチで衝撃的に押圧し突起部24の
材料を金型とポンチとの隙間から後方に押し出して行
う。
【0021】次に、図4に本製造方法の第3工程により
製造された第3中間成型品を示す。この第3中間成型品
は、第2中間成型品の突起部34の孔34aの底部とブ
ロック部25の貫通孔25cとを連通する連通孔部26
aを形成したものである。この連通孔部26aの加工
は、塑性加工でないいわゆる切削加工等の機械加工によ
り形成されるもので、多軸自動盤、単能盤、NC旋盤、
その他の機械設備が使用される。
【0022】この第3中間成型品はメガネ金具10とし
ての基本的な機能を具備している。第1工程から第3工
程までの加工で寸法精度が許容されるのであれば、この
第3中間成型品を製品として採用するのが最も製品コス
トが少なくて済む。
【0023】第3中間成型品の連結部26を切削加工等
の機械加工により削り取って首部16を形成し、メガネ
部15の貫通孔15cの内面を切削加工により溝部15
eを形成して、図5に示すような最終製品であるメガネ
金具10を製造する。
【0024】次に本発明の実施の形態にかかる製造方法
の作用等について説明する。
【0025】本実施の形態の製造方法では、上記SWC
H6Aのような引張試験における絞りが75%以上の素
材を用いたので、第1工程〜第3工程間で焼なまし等の
熱処理を施さないで連続加工することができる。これに
より、生産性を著しく向上させ、製品コストの低減を図
ることができる。第3中間成型品の各部では加工度が異
り加工硬化の度合いも異なっているから各部の硬度には
差はあるが、ビッカース硬さはHv170〜270の範
囲に入っていた。各部の硬度がこの範囲に入ったものか
ら製造されたメガネ金具10では、焼なましを行うこと
なく直ちにホース30とメガネ金具10とにカシメ加工
を施しても、ニップル部14は加工度が他の部分よりも
大きいので硬くなっており潰れてしまうことはなかっ
た。さらにソケット部13は硬いにもかかわらず延びが
大きいので、ソケット部13に割れが生ずることがな
い。切削目もないのでクラックの起点となる要素もまっ
たくない。
【0026】本製造方法は単一の素材から主として塑性
加工により製造するものなので、別体の部品をロ−付け
により一体化したものとは異なり、液漏れの発生する余
地がなく、高い信頼性を確保することができる。
【0027】なお、JIS規格のSWCH12A〜HW
CH15Aの材料を上記と同様の工程でホース用口金具
を製造し、直ちにホース30とメガネ金具10とにカシ
メ加工を施した場合にソケット部13に割れが発生した
ものが少数認められた。これらの材料は炭素量が0.1
2%を超えており、これらの材料の引張試験における絞
りが55〜70%であることに起因していると考えられ
る。
【0028】次に、本発明の実施の他の形態にかかるメ
ガネ金具10の製造方法について説明する。上記実施の
形態では第1工程と第2工程との間では焼なまし等の熱
処理を行わなかったが、本実施の形態では第1工程と第
2工程との間で焼なまし等の熱処理を行うようにした。
熱処理は740℃で30分保持することとした。
【0029】これにより第1工程における加工硬化を低
減させることができ、第2工程における突起部34の成
形を容易に行うことができ、プレス装置の簡素化、消費
動力の節減等を図ることができる。
【0030】焼なまし等の熱処理後に第2工程を行った
第2中間成型品を用いて製造されたメガネ金具10の各
部の硬度を調査した。この結果、ソケット部13はHv
90〜150、ニップル部14はHv150〜270と
なっていた。これはソケット部13は熱処理後に塑性加
工されないので加工硬化がなく焼なましの状態が維持さ
れるのに対して、ニップル部14は第2工程で塑性加工
されて加工硬化したからと考えられる。また、メガネ部
15の硬度は焼なまし後にどの程度塑性加工を施すかに
よって硬度が異なるが、いずれの方法によってもHv9
0〜150となっていた。このようなニップル部14と
ソケット部13との硬度分布はメガネ金具10のカシメ
作業においては極めて理想的であり、ニップル部14の
潰れが生じないとともに、ソケット部13の割れが生じ
ない。
【0031】また、焼なまし等の熱処理を施すことによ
り、炭素量が0.02〜0.20%の広範囲の材料に対
してホース用メガネ金具として理想的な硬度分布を得る
ことができる。
【0032】上記実施の他の形態とは異なり第1工程と
第2工程との間で焼戻しをしないで、第3工程後にソケ
ット部13を高周波加熱により加熱して部分的に当該部
分を焼なましするようにしてもよい。この場合、各部の
硬度はソケット部がHv90〜150、ニップル部がH
v170〜270、メガネ部はHv170〜270とな
った。この方法によってもメガネ金具のカシメ加工性能
は上記第1工程後に焼なましを行ったものと変わりがな
かった。
【0033】第3工程後に、600℃で20分間保持す
るようにしてもよい。この熱処理はいわゆる歪みとり焼
鈍に相当するものである。各部の硬度は当該熱処理を施
さなかったものに比べて若干低下したが、メガネ金具の
カシメ加工性能は上記したものと変わりがなかった。
【0034】次に、図7及び図8に本発明の更に他の実
施の形態を示す。図7に示すものは本実施方法の第1中
間成型品を示すもので、ブロック部25に外方に突出す
るピン部27が形成されている。第1中間成型品は上記
実施の形態の製造方法と同様な方法で製造される。図8
は図7の第1中間成型品から上記実施の形態と同様な工
程を経て製造された最終製品のメガネ金具11を示すも
のである。
【0035】次に、図6に基づいて、更に他の実施の形
態の製法方法について説明する。図6は本実施の形態の
第1中間成型品を示すもので、第1工程中に筒状部23
の内側に形成される突起部24の先端面に凹所24aを
形成したものである。この突起部24の凹所24aは第
2工程における塑性加工を容易にするために形成したも
のである。すなわち、第1に後方押出加工を施すポンチ
が当該凹所24aに入ることによりポンチと突起部24
との芯出しを容易に行うことができ、第2に当該凹所に
24a内に潤滑油を貯留させることができ、第2工程の
塑性加工時の潤滑を容易に行うことができる。
【0036】次に、図9に基づいて、更に他の実施の形
態の製造方法について説明する。図9は第1工程により
製造される第1中間成型品を示すもので、ブロック部2
5に形成する貫通孔25cを大径部25eと小径の貫通
孔25dとの2段にしたものである。貫通孔を打ち抜く
金型の寿命向上のためには無理をしない方がよいからで
ある。この場合はメガネ金具10の貫通孔15cは別工
程でも加工できるので、それ以外の加工部分に余裕がで
きる。特に、図5に示すように最終的にメガネ金具10
に貫通孔より大きな溝部15eを設ける場合には無理を
する必要はない。
【0037】図9(c)は、第1工程において製造され
る第1中間成型品の他の例を示すもので、ブロック部2
5を成形する際に、貫通孔25cを形成しないで、ほぼ
平行な2つの平面25a,25bと、この2つの平面2
5a,25bに形成された凹部25fとを形成したもの
である。これも第1工程で製造される第1中間成型品に
おいてメガネ部15に対応するブロック部25以外の部
分(筒状部23、突起部24等)の加工精度を上げるた
めに、ブロック部25の成形に対して無理をしないため
である。
【0038】図10は、第1工程において製造される第
1中間成型品の更に他の例を示すもので、ブロック部2
5を成形する際に、貫通孔25cや凹部25fを形成し
ないで、ほぼ平行な2つの平面25a,25bのみを形
成したものである。これも第1工程で製造される第1中
間成型品においてメガネ部15に対応するブロック部2
5以外の部分(筒状部23、突起部24等)の加工精度
を上げるために、ブロック部25の成形に対して無理を
しないためである。
【0039】ところで、最終製品であるメガネ金具10
においては、そのメガネ部15の2つの平面15a,1
5bと貫通孔15cとの間には直角度の規定がある。ま
た、2つの平面15a,15b同士には平行度の規定が
ある。上記実施の形態の第1中間成型品において所定の
直角度、平行度等の必要精度がでない場合には、必要精
度となるように後の工程で最終的に切削加工等の機械加
工により仕上げるようにしてもよい。あるいはこのよう
な切削加工ではなく、プレス加工等の塑性加工を再度施
すことにより精度の良い仕上げを行うようにしても良
い。
【0040】また、上記実施の形態では、基本的には、
第1工程及び第2工程によりニップル部14に対応する
突起部34と、ソケット部13に対応する筒状部23と
の長さが同一になるように加工度を設定しているが、加
工のばらつきにより長さが不均一になるようであれば、
端面を切削等により仕上げるようにしても良い。
【0041】また、上記実施の形態では、基本的には突
起部34の外径は第2工程によって塑性加工したままで
あるが、突起部34の外径をニップル部14の外径より
も若干大きく形成しておき、メガネ金具10の孔16a
を切削加工する際に同時に切削して規定の仕上げ寸法に
仕上げるようにしても良い。
【0042】なお、本実施の形態では、素材としてSW
CH6Aを用いたが、炭素量が0.06%(本実施の形
態)〜0.20%(例えば、JIS規格SWCH20)
の材料を用いることができる。
【0043】さらに、素材としてカーボン含有量0.0
2%以下の通称極低C材とよばれる材料を用いることが
できる。ちなみに、この材料の引張試験における絞りは
90%であり、上記工程と同様な塑性加工を施した場
合、その硬度はHv190±20であった。
【0044】上述したようにSWCH12A〜SWCH
15Aを用いた場合にソケット部に割れが入ったものが
生じたが、これらはカーボン含有量0.12〜0.15
%程度であるが、素材の焼鈍条件を選択し引張試験にお
ける絞りが75%以上になるようにするとともに、工程
中の塑性加工の加工度を適宜設定して上記工程後の硬度
がHv170〜270となるようにすれば、ソケット部
の割れは防止でき、上記実施例と同様な作用効果を発揮
させることができる。要するに素材材料は一方的に定ま
るものはなく素材の製造条件、製品の加工条件等によっ
て選択範囲が変動する相対的なものである。
【0045】なお、前記実施の形態では第3中間成型品
の連結部26を切削して首部16を形成するようにして
いるが、凸条が形成された一対のロール間に連結部26
を挟み込んで塑性変形によりくびれた首部16を形成す
るようにしてもよい。この場合には第3工程終了後では
なく第1工程後又は第2工程後にロール加工を施すこと
が好ましい。なぜならば、第3工程後に行うとせっかく
精度よく加工した連通孔部26aの内径が狭まってしま
うからである。なお、上記ロール加工の場合加工により
長手方向に延びるので当該延びを考慮して筒状部23と
ブロック部25との間の寸法を設定しておくことはいう
までもない。上記実施の形態では首部16が真っ直ぐな
例を示したが、屈曲させたものでもよい。
【0046】上述の製造方法により製造されたホース用
口金具を用いて、自動車用等に適用されるブレーキホー
スを製造することができる。
【0047】図1はこのようなブレーキホース31の一
端部を示し、ホース30の両端部に上記ホース用メガネ
金具をそれぞれ取り付けて構成される。具体的には、メ
ガネ金具10のソケット部13にホース30の端部を差
込み、外周側からソケット部13を径方向内方に潰して
カシメ加工を施すことで、ホース30をニップル部14
との間に挟み込み、ホース30とメガネ金具10とを一
体的に固着したものである。本ブレーキホース31によ
れば、シール性、信頼性等が格段に優れた安価なブレー
キホース31を製造できる。製造方法は従来とは異なる
が寸法は現行品同一であるので、カシメ設備の現行品と
同一のものを使用でき、カシメ作業も支障がなく行うこ
とができる。メガネ金具10に品質も上述のように改善
されているのでカシメに起因する不良品の発生もない。
なお、ここでは2つのメガネ金具10を用いた例を示し
たが、これは1つのみでも構わないし、例えば三又状ホ
ース等において3以上用いることも可能である。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のメガネ金
具の製造方法では、部品が1点であり部品管理が容易に
なり、加工時間や加工工程を大幅に短縮することがで
き、切粉の発生が最小限で済み材料歩留まりが良く、し
たがって製品コストを低減でき、液漏れの発生がなく、
ニップル部の潰れやソケット部の割れ等を防止すること
ができ、信頼性の高いメガネ金具及びブレーキホースを
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態にかかるメガネ金具の製
造方法により製造されたメガネ金具を用いたブレーキホ
ースを示す図である。
【図2】本製造方法の第1工程により製造された第1中
間成型品を示す図である。
【図3】本製造方法の第2工程により製造された第2中
間成型品を示す図である。
【図4】本製造方法の第3工程により製造された第3中
間成型品を示す図である。
【図5】本製造方法により製造された最終製品であるメ
ガネ金具を示す図である。
【図6】本発明の実施の他の形態にかかるメガネ金具の
製造方法の第1工程により製造された第1中間成型品を
示す図である。
【図7】本発明の実施の更に他の形態にかかるメガネ金
具の製造方法の第1工程により製造された第1中間成型
品を示す図である。
【図8】図7の第1中間成型品を用いて製造された最終
製品であるメガネ金具を示す図である。
【図9】本発明の実施の更に他の形態にかかるメガネ金
具の製造方法の第1工程により製造された第1中間成型
品を示す図である。
【図10】本発明の実施の更に他の形態にかかるメガネ
金具の製造方法の第1工程により製造された第1中間成
型品を示す図である。
【図11】従来のメガネ金具を示す図である。
【符号の説明】
13 ソケット部 14 ニップル部 15 メガネ部 15a,15b 平面 15e 溝部 16 首部 23 筒状部 24 突起部 24a 凹所 25 ブロック部 25a,25b 平面 25c 貫通孔 25d 貫通孔 25e 大径部 25f 凹部 26 連結部 26a 連通孔部 34 突起部 34a 孔

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状のソケット部とこのソケット部の内
    方に位置する筒状のニップル部とを一端側に備え、2面
    に貫通する貫通孔を有するメガネ部を他端側に備えるホ
    ース用メガネ金具の製造方法であって、前記ソケット部
    に対応する筒状部と、前記ニップル部に対応する突起部
    と、前記メガネ部に対応しほぼ平行な2面を有するブロ
    ック部とを塑性加工により形成する第1工程と、前記突
    起部を塑性加工して筒状の突起部を形成する第2工程
    と、当該突起部の中空部から前記ブロック部側に延びる
    孔を機械加工により形成する第3工程とを備えることを
    特徴とするホース用メガネ金具の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1工程で前記ブロック部の2面の
    うち少なくとも1面に凹部を形成する請求項1記載のホ
    ース用メガネ金具の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1工程で前記ブロック部の2面に
    貫通する貫通孔を形成する請求項1記載又は2記載のホ
    ース用メガネ金具の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1工程で前記突起部の先端に凹所
    を形成する請求項1〜3のいずれかに記載のホース用メ
    ガネ金具の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1工程と第2工程との間に第1工
    程の塑性加工による加工硬化緩和のための熱処理を付加
    した請求項1〜4のいずれかに記載のホース用メガネ金
    具の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記筒状部とブロック部との間にくびれ
    た首部を形成する工程を前記第1工程の後に付加した請
    求項1〜5のいずれかに記載のホース用メガネ金具の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記メガネ部の2面と貫通孔を機械加工
    により仕上げる工程を付加した請求項1〜6のいずれか
    に記載のホース用メガネ金具の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記メガネ部の2面と貫通孔を塑性加工
    により仕上げる工程を付加した請求項1〜6のいずれか
    に記載のホース用メガネ金具の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記ニップル部とソケット部との長さを
    機械加工により仕上げる工程を付加した請求項1〜8の
    いずれかに記載のホース用メガネ金具の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記ニップル部の内面又は外面の少な
    くともいずれか一方を機械加工により仕上げる工程を付
    加した請求項1〜9のいずれかに記載のホース用メガネ
    金具の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記中間成型品の素材として、金属材
    料の引張試験方法(JIS Z 2241)における絞
    りが75%以上の金属を用いた請求項1〜10記載のい
    ずれかに記載のホース用メガネ金具の製造方法。
  12. 【請求項12】 筒状のソケット部とこのソケット部の
    内方に位置する筒状のニップル部とを一端側に備え、2
    面に貫通する貫通孔を有するメガネ部を他端側に備える
    ホース用メガネ金具であって、単一の素材を塑性加工し
    ておおよその形状が成形されるとともに、前記ソケット
    部、ニップル部、メガネ部の硬度が焼きなまし等の熱処
    理を施さない状態で、Hv170〜270であることを
    特徴とするホース用メガネ金具。
  13. 【請求項13】 筒状のソケット部とこのソケット部の
    内方に位置する筒状のニップル部とを一端側に備え、2
    面に貫通する貫通孔を有するメガネ部を他端側に備える
    ホース用メガネ金具であって、単一の素材を塑性加工し
    ておおよその形状が成形されるとともに、前記ソケット
    部の硬度がHv90〜150、前記ニップル部の硬度が
    Hv150〜270、メガネ部の硬度がHv90〜27
    0であることを特徴とするホース用メガネ金具。
  14. 【請求項14】 請求項1〜11記載の製造方法により
    製造されたホース用メガネ金具、請求項12、13のホ
    ース用メガネ金具のいずれかがホースの端部に取り付け
    られていることを特徴とするブレーキホース。
JP9217757A 1997-08-12 1997-08-12 ホース用メガネ金具の製造方法、ホース用メガネ金具及びブレーキホース Pending JPH1157903A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006136909A (ja) * 2004-11-11 2006-06-01 Toyoshima Seisakusho:Kk 棒状部材の製造方法

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