JPH1157514A - ジルコニア系粉体の製造方法 - Google Patents
ジルコニア系粉体の製造方法Info
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- JPH1157514A JPH1157514A JP16103498A JP16103498A JPH1157514A JP H1157514 A JPH1157514 A JP H1157514A JP 16103498 A JP16103498 A JP 16103498A JP 16103498 A JP16103498 A JP 16103498A JP H1157514 A JPH1157514 A JP H1157514A
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Abstract
%の粒子径が1.5μm以下のジルコニア系粉体を高い
生産性をもって製造する方法を提供する。 【解決手段】 原料として、平均粒子径が0.8μmを
超え、90体積%の粒子径が1.5μmを超えるジルコ
ニア系粉体を用い、これをボールメディアを用いた湿式
粉砕により微粉砕する際に、この湿式粉砕を下記式
(I)の条件下に行う。 1×1012≦(W1 2÷W2 )×(ω2 ÷d)×t≦1×
1014 …(I) ここで、W1 はボールメディア重量(g)、W2 は原料
ジルコニア系粉体の重量(g)、ωは攪拌羽根先端周速
度(cm/分)、dは粉砕室直径(cm)、またtは粉
砕時間(分)である。
Description
製造方法に関し、詳しくはボールメディアを用いた湿式
粉砕によりジルコニア系粉体を効率よく製造する方法に
関する。
などの機械的性質に加えて、電気的、磁気的特性、更に
は生体適合性などに優れていることから、多くの分野で
広く活用されている。なかでも、ジルコニアを主体とす
るセラミックスシートは、優れた酸素イオン伝導性、耐
熱性および耐腐食性を有しているので、センサー部品、
燃料電池用の電解質膜、または焼成用セッターなどとし
て有効に活用することができる。
常、セラミックス粉末、有機バインダーおよび溶媒から
なるスラリーを用い、ドクターブレード法、カレンダー
法または押出し法などによってシート状に成形し、これ
を乾燥して溶剤を揮発させることによりグリーンシート
を作製し、このグリーンシートを切断、パンチングなど
によって適当な大きさにした後、セッターに載せて焼成
して有機バインダーを分解除去し、さらにセラミックス
を焼結させることによって製造されている。
えば薄肉大判のシートの場合、その製造時に反りやうね
りが生じ易く、表面平坦度が高く耐荷重強度、曲げ特性
などに優れたセラミックスシートを製造することは困難
であるなどの問題があった。そこで、本出願人は、これ
ら従来のセラミックスシートが有する問題を解決した新
規なセラミックスシートおよびセラミックスシートの製
造法を先に提案した(特開平8−151270号、同8
−151271号、同8−151275号各公報参
照)。
ミックスシートの製造法においては、セラミックス粉体
として、平均粒子径が0.1〜0.5μm、90体積%
の粒子径が1μm以下のものが好適に用いられている。
径が0.1〜0.5μm、90体積%の粒子径が1μm
以下のセラミックス原料粉体は、前記公開公報に記載さ
れた方法によれば、出発原料として平均粒子径が1.5
μm、90体積%の粒子径が3μm以下のセラミックス
粉体を用い、これに水を加えて粉体濃度が20重量%の
水スラリーを調製し、この水スラリーを2時間ビーズミ
ルを用いた粉砕処理に供して製造するというものであ
る。
が0.1〜0.5μm、90体積%の粒子径が1μm以
下のセラミックス粉体を製造することができる。しか
し、この方法は、スラリー中の粉体濃度が20重量%で
あり、しかも処理時間が2時間に及ぶので生産性の点に
おいて十分満足できるものではない。そこで、生産性の
高い、セラミックス粉体の微粉砕方法が望まれていた。
リー中の粉体濃度を大きくしたのでは粉砕処理に要する
時間が長くなって生産性の改善につながらない。
たものであり、その目的とするところは、ジルコニア系
粉体を高い生産性をもって製造する方法を提供するであ
り、更に詳述すると、原料ジルコニア系粉体の濃度が高
いスラリーを用い、これを湿式粉砕に供して、比較的短
い時間で目的とする粒子径および粒子径分布のジルコニ
ア系粉体、特に平均粒子径が0.1〜0.8μm、90
体積%の粒子径が1.5μm以下のジルコニア系粉体を
製造する方法を提供することにある。
ば、原料ジルコニア系粉体の濃度が30重量%以上のス
ラリーを用いても、このスラリーをボールメディアを用
いた湿式粉砕に供する際に、使用する粉砕機の粉砕室直
径、攪拌羽根の先端周速度、ボールメディアの重量など
との関連において特定の条件下に湿式粉砕を行うと2時
間以内という比較的短い処理時間で目的とするジルコニ
ア系粉体、特に平均粒子径が0.1〜0.8μm、90
体積%の粒子径が1.5μm以下のジルコニア系粉体を
効率よく製造できることがわかった。また、スラリーの
調製の際に分散剤を添加すると、原料ジルコニア系粉体
の濃度が40重量%以上という高濃度のスラリーとして
も、上記目的とするジルコニア系粉体を効率よく製造で
きることがわかった。本発明は、これら知見に基づいて
完成されたものである。
造方法は、ボールメディアを用いた湿式粉砕によりジル
コニア系粉体を製造するに当り、該湿式粉砕を下記式
(I)、好ましくは下記式(II)で示される条件下に行
うことを特徴とする。 1×1012≦(W1 2÷W2 )×(ω2 ÷d)×t≦1×1014 …(I) 1×1012≦(W1 2÷W2 )×(ω2 ÷d)×t≦5×1013 …(II)
(g)、W2 は原料ジルコニア系粉体の重量(g)、ω
は攪拌羽根先端周速度(cm/分)、dは粉砕室直径
(cm)、またtは粉砕時間(分)である。
法は、原料として平均粒子径が0.8μmを超え、90
体積%の粒子径が1.5μmを超えるジルコニア系粉体
を用いることが好ましく、(I)式に従うと、平均粒子
径が0.1〜0.8μm、90体積%の粒子径が1.5
μm以下の範囲のジルコニア系粉体を製造することがで
き、(II)式に従うことにより、さらに生産性を上げる
ことができる。
ルコニア系粉体の濃度が30〜70重量%、好ましくは
40〜70重量%のスラリーとして湿式粉砕に供するこ
とが好ましく、またこのスラリーに、原料ジルコニア系
粉体に対し0.01〜5重量%の割合で分散剤を添加す
ることが好ましい。
ーザー光散乱法で測定した粒子径をいい、「90体積%
の粒子径」とは、レーザー光散乱法で測定した最小粒子
径からの累積体積分率が90体積%となるときの粒子径
をいう。本発明にいう平均粒子径、90体積%粒子径
は、レーザー光散乱法で測定した粒子径をいう。レーザ
ー光散乱法による測定は、粉体を水中又は塩水溶液に懸
濁させて測定するもので、水中又は水溶液中では一次粒
子が凝集してなる二次粒子の粒子径が測定されていると
考えられる。
方法は、原料ジルコニア系粉体を、特定条件下で湿式粉
砕することにより製造する方法である。
原料ジルコニア粉体及び本発明の方法により製造される
ジルコニア粉体(以下、「成形用ジルコニア系粉体」と
称し、製造に用いられる原料ジルコニア系粉体と区別す
る)ともにジルコニアを主成分とする、具体的にはジル
コニアを60重量%以上、好ましくは80重量%以上含
有する粉体を意味する。ジルコニア系粉体に含まれるジ
ルコニア以外の代表的な成分としては、イットリウム
(Y)、セリウム(Ce)、カルシウム(Ca)、マグ
ネシウム(Mg)、チタン(Ti)、シリカ(Si)お
よびアルミニウム(Al)から選ばれる少なくとも一種
の酸化物を挙げることができる。これらのうち、酸化イ
ットリウム、酸化セリウムおよび酸化カルシウムから選
ばれる少なくとも一種を含有することが好適である。さ
らに、酸化イットリウム、酸化セリウムおよび酸化カル
シウムから選ばれる少なくとも一種の含有量は1〜20
重量%の範囲にあるのが好適である。なかでも、酸化イ
ットリウム5〜18重量%およびジルコニア82〜95
重量%からなるジルコニア系粉体が好適に用いられる。
るのに使用する原料ジルコニア系粉体としては、平均粒
子径が0.8μmを超える、好ましくは平均粒子径が
0.8μmを超え、90体積%の粒子径が1.5μmを
超える、更に好ましくは平均粒子径が0.9〜1.5μ
m、90体積%の粒子径が2〜5μmのジルコニア系粉
体を用いるのがよい。
的に容易に入手することもできる。例えばOZC−8Y
C(商品名、住友大阪セメント(株)製)、TZ−8Y
(商品名、東ソー(株)製)などを挙げることができ
る。
ディアを用いた湿式粉砕に使用する粉砕機で、平均粒子
径が0.1〜0.8μm、90体積%の粒子径が1.5
μm以下の粉体にまで微粉砕できるものであればいずれ
も使用することができ、その種類、形式などには特に制
限はないが、例えば、図1に示すような構成を有するケ
ムコ・アペックスミル・V型シリーズ(商品名、コトブ
キ技研工業(株)製)などを挙げることができる。すな
わち、ジャケット2で画成された円筒状粉砕室(直径
d)3の中にロータ1をセットし、粉砕のためのボール
メディア6(メディア総重量W1 )を充填したものであ
る。原料粉体はスラリーとして、ジャケット2に開設さ
れた供給口5から粉砕室3内に供給される。ロータ1に
は、複数の攪拌羽根11、11…が取付けられていて、
モータによりロータ1が回転すると、原料粉体スラリー
及びボールメディア6が攪拌されて、湿式粉砕が行われ
る。粉砕により得られた粉体は、バルブ4を開くと、セ
パレータ7によりボールメディア6から分離して回収す
ることができる。V型シリーズの一例であるアペックス
ミルAMV−1型の場合、その仕様は、有効粉砕室容積
1リットル、粉砕室直径(d)80mm、粉砕室高さ2
40mm、攪拌羽根11の先端の最大周速度6.03m
/秒(50Hz)および回転数480〜1920rpm
(50Hz:この回転数は、60Hzでは570〜23
04rpmに該当する)である。
は、図1に示すものに限定されず、攪拌羽根を有するロ
ータがセットされ、ボールメディアを格納できる密閉型
粉砕室を備えた構成であればよい。また、使用するボー
ルメディアの材質などにも特に制限はない。但し、ボー
ルメディアとしては、直径が0.3〜3mmの範囲のも
のを用いることが好ましい。
コニア系粉体を溶媒と混合して調製したスラリーを粉砕
することになる。原料ジルコニア系粉体、溶媒および分
散剤を粉砕機に投入することによりスラウリーを調製し
てもよいし、あるいは予めこれらを混合して調製したス
ラリーを粉砕機に投入してもよい。
ては、微粉砕を阻害しないものであればいずれも使用す
ることができる。代表例としては、水;メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノー
ルなどの炭素数9以下のアルコール類;トルエン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル
などのエステル類;メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類などを挙げる
ことができる。これらは単独でも、あるいは2種以上組
み合わせて使用することができる。混合溶媒の代表例と
しては、トルエン/エタノール、酢酸エチル/イソプロ
パノール、トルエン/ブチルセロソルブなどの非水溶性
溶媒と水溶性溶媒との混合物を挙げることができる。
の濃度は通常30〜70重量%であり、好ましくは30
〜50重量%である。濃度が高すぎるとローターの回転
が阻止されるなど粉砕操作が困難となるからである。
めに、分散剤を添加してもよい。分散剤を使用すること
により、スラリー中の原料ジルコニア系粉体の濃度を4
0〜70重量%、特に45〜55重量%という高い範囲
に設定しても微粉砕を効率よく行うことができる。そし
て、こにような高濃度のスラリーを用いることにより生
産性を一段と高めることができる。従って、本発明の製
造方法における好ましい態様は、原料ジルコニア系粉体
を分散剤の存在下で溶剤に分散させて、スラリー中の原
料ジルコニア系粉体の濃度が40〜70重量%のスラリ
ーを調製し、このスラリーをボールメディアを用いた湿
式粉砕に供することである。
石酸などの有機酸類;ポリアクリル酸、ポリアクリル酸
アンモニウムなどの高分子電解質;多鎖型高分子量非イ
オン界面活性剤、カルボン酸型界面活性剤、β−ナフタ
レンスルホン酸アンモニウム塩、高分子界面活性剤、非
イオン界面活性剤などの界面活性剤(例えば、ディスコ
ール類(商品名)第一工業製薬(株)製、ホモゲノール
類(商品名)花王(株)製);ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルーエ
ーテルなどのエーテル類(例えば、イオネット類(商品
名)三洋化成工業(株)製);ジカルボン酸の部分エス
テル類またはカルボン酸の部分エステル類の共重合体
(例えば、ブンサンG−200(商品名)共栄社化学
(株)製、フローレンG−700(商品名)共栄社化学
(株)製);アクリル酸エステル系、マレイン酸エステ
ル系などの分散剤(オリコックス類(商品名)共栄社化
学(株)製);グリセリン、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレン脂肪酸ジエステルなどを挙げる
ことができる。これらのなかでも、酸価を有する界面活
性剤でジカルボン酸の部分エステル類またはカルボン酸
の部分エステル類の共重合体が特に好適に用いられる。
の0.01〜5重量%、好ましくは0.3〜2重量%で
ある。
が、下式(I)で示される条件下に行う必要がある。 1×1012≦(W1 2÷W2 )×(ω2 ÷d)×t≦1×1014 …(I) 式中、W1 はボールメディア重量(g)、W2 は原料ジ
ルコニア系粉体の重量(g)、ωは攪拌羽根先端周速度
(cm/分)、dは粉砕室直径(cm)、またtは粉砕
時間(分)である。
間、具体的には2時間未満で目的とするジルコニア系粉
体を製造することができる。特に、分散剤を使用する場
合、スラリー中の原料ジルコニア系粉体の濃度が40重
量%という、比較的高い条件で湿式粉砕を行うことがで
き、生産性が向上して、工業的に有利となる。
0.1とするのがよい。前記アペックスミルAMV−1
型の場合には、0.5≦W1 /W2 ≦1.5、好ましく
は0.8≦W1 /W2 ≦1.2である。ωについては、
3≦ω≦8(m/秒)、好ましくは5≦ω≦7(m/
秒)である。dについては、前記アペックスミルAMV
−1型の場合には、80mmである。また、tについて
は、120分以下の範囲で選択することが好ましい。
I)で示される条件下に湿式粉砕を行うことにより、よ
り高効率で湿式粉砕することができて好ましい。 1×1012≦(W1 2÷W2 )×(ω2 ÷d)×t≦5×1013 …(II) 上記式(II)において、W1 、W2 、ω、dおよびtに
ついては、式(I)の場合と同様である。
粒子径が0.1〜0.8μm、90体積%の粒子径が
1.5μm以下、好ましくは平均粒子径が0.1〜1.
5μm、90体積%の粒子径が1μm以下、更に好まし
くは平均粒子径が0.1〜0.4μm、90体積%の粒
子径が1μm以下のジルコニア系粉体を製造することが
できる。また、90体積%の粒子径が平均粒子径の2.
5倍以下、好ましくは粒子径が上記範囲で、且つ90体
積%の粒子径が平均粒子径の1.5〜2.0倍の範囲に
あるジルコニア系粉体を、高い生産性をもって製造する
ことができる。
μm以下の成形用ジルコニア系粉体を得たい場合、累積
体積分率が90体積%となるときの粒子径が1μm超で
1.5μm以下の範囲にある成形用ジルコニア系粉体を
得たい場合、更には好ましい範囲、又はより好ましい範
囲にある成形用ジルコニア系粉体を得たい場合、ボール
メディア重量(W1 )、原料ジルコニア系粉体の重量
(W2 )、攪拌羽根先端周速度(ω)、粉砕室直径
(d)、粉砕時間(t)を適宜設定することにより、あ
るいは必要に応じて分級などの処理を施して、目的とす
る成形用ジルコニア系粉体だけを選択すればよい。
を超え、90体積%の粒子径が1.5μmを超えるジル
コニア系粉体を用い、これに溶媒および原料ジルコニア
系粉体に対し0.01〜5重量%の分散剤を添加して、
原料ジルコニア系粉体の濃度が40〜70重量%、好ま
しくは45〜55重量%のスラリーを調製し、このスラ
リーを上記式(II)で示される条件下で湿式粉砕すれ
ば、分散剤を添加しない場合に比べて1/10程度の処
理時間で、上記目的とするジルコニア系粉体、すなわち
平均粒子径が0.1〜0.8μm、90体積%の粒子径
が1.5μm以下、好ましくは平均粒子径が0.1〜
0.5μm、90体積%の粒子径が1μm以下、更に好
ましくは平均粒子径が0.1〜0.4μm、90体積%
の粒子径が1μm以下で、90体積%の粒子径が平均粒
子径の2.5倍以下、好ましくは1.5〜2.0倍のジ
ルコニア系粉体を製造することができる。
ア系粉体及び粉砕により得られる成形用ジルコニア系粉
体の平均粒子径および90体積%の粒子径の測定につい
て、島津製作所(株)製レーザー回折式粒子径分布測定
装置SALD−1100を用いた。すなわち、ビーカー
に原料ジルコニア系粉体を約0.01〜0.1gおよび
0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を約100
g入れ、スターラーで攪拌した後、60秒間超音波で分
散させながら、測定レンジを0.1〜45μmの範囲に
して2秒間で4回測定するように設定し、その平均値を
求めた。
ニア系粉体は、湿式粉砕後、スラリーをそのまま成形原
料として用いてもよいし、スラリーを減圧乾燥などの操
作を施して成形用ジルコニア系粉体を取り出してもよい
し、あるいは必要なバインダーおよび可塑剤を所定量添
加した後、グリーン体としてもよい。上記減圧乾燥など
の操作には、ロータリーエバポレーター、振動流動乾燥
機(例えば、中央加工機(株)製のVU−60(商品
名))などを用いることができる。
ア系粉体を用いて成形した成形品は、粒子径が小さいだ
けでなく粒子径分布も狭いので、均質性が高く、機械的
強度に優れている。
説明する。なお、以下の実施例において、(W1 2÷W
2 )×(ω2 ÷d)×t=Xとする。
の関係〕 実施例1;アスペックミル(コトブキ技研工業(株)製
AMV−1型、以下、本実施例において同じである)を
用い、これに原料粉体スラリーとして、平均粒子径が
0.84μm、90体積%の粒子径が2.65μmであ
る市販のジルコニア系粉体(住友大阪セメント(株)
製、OZC−8YC)4kgおよび溶媒としての純水6
kgを投入した。使用したボールメディアは0.5mm
径のジルコニアメディア(比重6g/cm3 )であり、
使用量は4kgであった。ミルモーターの動力を調整
し、攪拌羽根先端周速度(ω)7m/秒にて1時間粉砕
した。このときのXは5.3×1013である。
0リットルロータリーエバポレーターに入れ、更に等量
のオクタノールを入れて、加熱減圧しながら水を留出さ
せてオクタノール置換スラリーを得た。このスラリーを
更に加熱減圧してオクタノールを留出させ減圧乾燥して
微粉砕粉体を得た。この粉体を島津製作所(株)製粒子
径分布計SALD−1100を用い測定したところ、平
均粒子径が0.66μm、90体積%の粒子径が1.3
μmであった。
と同じものを使用し、粉砕室に原料粉体5.5kg、分
散剤としてのギ酸44gおよび溶媒としての純水5kg
を投入した。
ディア(比重6g/cm3 )を用い、使用量は4kgで
あった。ミルモーターの動力を調整し、攪拌羽根先端周
速度(ω)5m/秒で10分間粉砕した。このときのX
は3.3×1012である。
1と同様にして微粉砕粉体を得、これを実施例1と同様
にして測定したところ、平均粒子径が0.48μm、9
0体積%の粒子径が1.0μmであった。
と同じものを使用し、粉砕室に原料粉体4kg、分散剤
としてのマレイン酸系部分エステル型の高分子分散剤
(フローレンG−700(商品名)共栄社化学(株)
製)60g、および溶剤としてのトルエン/エタノール
(4/1重量比)4.06kgとを入れた。メディアは
0.5mm径のジルコニアメディア(比重6g/cm
3 )であり、使用量は4kgであった。ミルモーター動
力を調整し、攪拌羽根先端周速度(ω)6m/秒で20
分間粉砕した。このときのXは1.3×1013である。
1と同様にして微粉砕粉体を得、これを実施例1と同様
にして測定したところ、平均粒子径が0.27μm、9
0体積%の粒子径が0.8μmであった。
と同じものを使用し、粉砕室に3.5kgおよび溶媒と
しての純水6.5kgを入れた。メディアは1mm径の
ジルコニアメディア(比重6g/cm3 )を用い、使用
量は4.2kgであった。ミルモーター動力を調整し、
攪拌羽根周速度6.4m/秒で1時間40分間粉砕し
た。このときのX=9.3×1013である。
1と同様にして微粉砕粉体を得、これを実施例1と同様
にして測定したところ、平均粒子径が0.49μm、9
0体積%の粒子径が1.03μmであった。
じものを用い、この粉砕室に原料粉体スラリーとして平
均粒子径が1.12μm、90体積%の粒子径が4.6
5μmである市販のジルコニア粉体(東ソー(株)製、
TZ−8Y)3kg、及び純水7kgを投入した。メデ
ィアは0.5mm径のジルコニアメディア(比重6g/
cm3)を使用し、使用量は4.5kgであった。ミルモ
ーターの動力を調整し、攪拌羽根先端周速度(ω)6m
/秒で80分間粉砕した。このときのXは8.8×10
13である。
1と同様にして微粉砕粉体を得、これを実施例1と同様
にして測定したところ、平均粒子径が0.74μm、9
0体積%の粒子径が1.49μmであった。
と同じものを使用し、粉砕室に原料粉体4kg、分散剤
としてのマレイン酸系部分エステル型の高分子分散剤
(ブンサンG−200(商品名)、共栄社化学(株)
製)30g、および溶剤としての純水6kgを投入し
た。メディアは1mm径のジルコニアメディア(比重6
g/cm3 )を使用し、使用量は4kgであった。ミル
モーター動力を調整して、攪拌羽根先端周速度(ω)7
m/秒で12分間粉砕した。このときのXは1.1×1
013である。
1と同様にして微粉砕粉体を得、これを実施例1と同様
にして測定したところ、平均粒子径が0.61μm、9
0体積%の粒子径が1.27μmであった。
粉体3.5kg、純水5.25kg、及びメディアの使
用量を5kgに、また粉砕時間を90分間に変更した以
外は実施例1と同様に粉砕を行った。このときのX=
1.4×1014である。
った。
粉体4kg、純水5.25kg、及びメディアの使用量
を2.8kgに、攪拌羽根周速度を5m/秒に、また粉
砕時間を4分間に変更して粉砕を行った。このときのX
は8.8×1011である。
1と同様にして測定したところ、平均粒子径が0.81
μm、90体積%の粒子径が2.05μmであった。以
上の結果をまとめると、表1のようになる。
14のときは、本発明の成形用ジルコニア系粉体を得るこ
とができるが、同じ原料粉末を用いても、Xの値が1×
10 14を超えると微粉砕ができず、またXの値が1×1
012未満であっても得られる粉体の平均粒子径、90体
積%の粒子径は大きくなり、十分な微粉砕を達成できな
かった。
されているジルコニア系粉体A(住友大阪セメント
(株)社製の「OZC−8YC」)、B(東ソー(株)
社製のTZ−8Y)、C(第1稀元素(株)社製のHS
Y−8.0)、及び本発明の製造方法(製造条件を表2
に示す)により製造したジルコニア系粉体Dについて、
平均粒子径、90体積%粒子径、最大粒子径、標準偏差
を測定した。尚、粒子径の測定方法については、実施例
1と同様の方法を行なった。結果を表3に示す。
は、平均粒子径が市販品(A,B)よりも小さく、また
平均粒子径が同程度の市販品(C)と比べ粒子径分布が
狭く、均質性の高い粉体であることがわかる。
をもって、目的とする粒子径及び粒子径分布のジルコニ
ア系粉体を製造することができる。特に、スラリーに分
散剤を添加することにより、原料ジルコニア系粉体濃度
を40重量%以上とし、しかも分散剤を添加しない場合
に比べて1/10程度の処理時間で上記目的とするジル
コニア系粉体を製造することができる。したがって、本
発明の製造方法によれば、従来の方法よりも著しく高い
生産性をもって、均質性が良く、しかも強度的に優れた
セラミックス成形体を製造し得るジルコニア系粉体を製
造することができる。
要図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 ボールメディアを用いた湿式粉砕により
ジルコニア系粉体を製造する方法において、 前記湿式粉砕を下記式(I)で示される条件下に行うこ
とを特徴とするジルコニア系粉体の製造方法。 1×1012≦(W1 2÷W2 )×(ω2 ÷d)×t≦1×1014 …(I) (式中、W1 はボールメディア重量(g)、W2 は原料
ジルコニア系粉体の重量(g)、ωは攪拌羽根先端周速
度(cm/分)、dは粉砕室直径(cm)、またtは粉
砕時間(分)である) - 【請求項2】 ボールメディアを用いた湿式粉砕により
ジルコニア系粉体を製造する方法において、 前記湿式粉砕を下記式(II)で示される条件下に行うこ
とを特徴とするジルコニア系粉体の製造方法。 1×1012≦(W1 2÷W2 )×(ω2 ÷d)×t≦5×1013 …(II) (式中、W1 はボールメディア重量(g)、W2 は原料
ジルコニア系粉体の重量(g)、ωは攪拌羽根先端周速
度(cm/分)、dは粉砕室直径(cm)、またtは粉
砕時間(分)である) - 【請求項3】 平均粒子径が0.1〜0.8μm、90
体積%の粒子径が1.5μm以下であるジルコニア系粉
体を製造する請求項1又は2に記載の方法。 - 【請求項4】 湿式粉砕に供する原料ジルコニア系粉体
として、平均粒子径が0.8μmを超え、90体積%の
粒子径が1.5μmを超えるジルコニア系粉体を用いる
請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。 - 【請求項5】 原料ジルコニア系粉体を、その濃度が3
0〜70重量%のスラリーとして湿式粉砕に供する請求
項1〜4のいずれかに記載の方法。 - 【請求項6】 前記スラリーに、原料ジルコニア系粉体
に対し0.01〜5重量%の割合で分散剤が添加されて
いる請求項5に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16103498A JP3330321B2 (ja) | 1997-06-13 | 1998-06-09 | ジルコニア系粉体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP15626897 | 1997-06-13 | ||
JP9-156268 | 1997-06-13 | ||
JP16103498A JP3330321B2 (ja) | 1997-06-13 | 1998-06-09 | ジルコニア系粉体の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1157514A true JPH1157514A (ja) | 1999-03-02 |
JP3330321B2 JP3330321B2 (ja) | 2002-09-30 |
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ID=26484069
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP16103498A Expired - Lifetime JP3330321B2 (ja) | 1997-06-13 | 1998-06-09 | ジルコニア系粉体の製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3330321B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001079431A (ja) * | 1999-09-14 | 2001-03-27 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 媒体ミル |
JP2004246300A (ja) * | 2003-02-17 | 2004-09-02 | Ricoh Co Ltd | 分散液の作製方法、電子写真感光体、画像形成装置および画像形成装置用プロセスカートリッジ |
WO2021033633A1 (ja) * | 2019-08-16 | 2021-02-25 | 塩野義製薬株式会社 | 有機物ナノ粒子の製造方法及び有機物ナノ粒子 |
-
1998
- 1998-06-09 JP JP16103498A patent/JP3330321B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2004246300A (ja) * | 2003-02-17 | 2004-09-02 | Ricoh Co Ltd | 分散液の作製方法、電子写真感光体、画像形成装置および画像形成装置用プロセスカートリッジ |
WO2021033633A1 (ja) * | 2019-08-16 | 2021-02-25 | 塩野義製薬株式会社 | 有機物ナノ粒子の製造方法及び有機物ナノ粒子 |
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