JPH1156217A - 小麦粉製品 - Google Patents
小麦粉製品Info
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- JPH1156217A JPH1156217A JP9228734A JP22873497A JPH1156217A JP H1156217 A JPH1156217 A JP H1156217A JP 9228734 A JP9228734 A JP 9228734A JP 22873497 A JP22873497 A JP 22873497A JP H1156217 A JPH1156217 A JP H1156217A
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Abstract
させることにより、しっとりとして且つ好ましい弾力を
持ったソフトな食感にする、サクサクした軽い食感にす
る。 【解決手段】 小麦粉を主成分とした製品の生地原料中
に、グルコマンナンおよびゼラチン、寒天、カラギーナ
ン、キサンタンガム、グアーガム、タラガム、ローカス
トビーンガム、ジェランガム、カルボキシメチルセルロ
ース、ペクチン、プルラン、およびアルギン酸、好まし
くはカラギーナン、キサンタンガム、グアーガム、およ
びジェランガムから選択される少なくとも1種類以上の
増粘多糖類を、小麦粉製品に配合使用する全穀粉類の
0.1〜5.0%の量で含有させる。
Description
ソフト感と心地よい弾力を必要とする小麦粉製品、ある
いはサクサクとした軽い食感を必要とする揚げ物様小麦
粉製品などに関するものである。
やその製法は、従来から非常に多岐にわたって数多く提
供されてきた。しかし、蒸す、焼くなどの加熱処理をし
た製品を放置しておくと、急速に水分を失い、乾燥して
硬くなったり、引きが強くなったりして歯切れが悪くな
るという現象がある。あるいは、上記加熱処理をした製
品を冷蔵または冷凍保存した際には、組織内の水分が移
行して局在化現象を引き起こし、再加熱して喫食する際
に加熱状態が不均一であったり、長い調理時間を必要と
したり、滑らかさのない好ましくない食感となったりす
るという様々な問題点があった。
どでは、サクサクと軽い食感にすることが難しく、加熱
調理後の時間経過と共に生じるぐにゃぐにゃした歯切れ
の悪い食感を止めることはできなかった。これらの乾
燥、硬化や、硬い歯切れの悪い食感は、小麦粉製品の吸
湿と澱粉成分の変化による組織の構造変化に起因するも
のであると考えられている。即ち、時間経過と共に澱粉
成分が周りの水分を吸ってゲル化することに依る。
あるいは冷凍保存したものを電子レンジで再加熱した際
には、前記問題点がより顕著に現れる。電子レンジ調理
による硬化現象は、生地中に含まれる水分がマイクロ波
の吸収により過加熱状態となって蒸発することにより始
まる。この現象は局在化した水分に対してより起こり易
く、生地の乾燥を引き起こし、同時にマイクロ波によっ
て破壊された澱粉粒子から溶出した澱粉成分のゲル化や
グルテン網の収縮により生まれる好ましくない食感、即
ち引きの強い歯切れの悪い食感を生むと考えられてい
る。
問題点に対して様々な添加物を用いて組織内水分の均一
性、保持性を向上させることにより解決を図ってきた。
例えば、ゼラチンを生地中に練り込む方法(特開平7ー
67564)や、コンニャクゼリーを生地中に練り込む
方法(特開平3ー35767)、あるいはアミラーゼと
増粘多糖類を生地中に練り込む方法(特開平6ー121
648)等が提案されている。しかしながら、これらの
方法はその効果が不十分であったり、加熱後凍結して再
加熱すると効果が認められなくなったり、前処理が面倒
であったり、あるいは電子レンジで加熱したときに効果
が殆どなかったりと非常に不満の残るものであった。
麦粉製品などにおいても、加熱後放置や電子レンジ調理
に伴って生じる引きのある硬いゴム様の食感の防止につ
いて従来から非常に多岐にわたって研究されており、そ
の解決には例えば、生地に乳化剤を配合する方法(特開
平4―66077号公報)や、生地に乳化剤、油脂、卵
白を配合する方法(特開平2―222639号公報)、
生地に上新粉または焙焼小麦粉やベーキングパウダーを
配合する方法(特開平2―92230号公報)、あるい
は生地に小麦粉湿熱処理物を配合する方法(特開平7―
147947号公報)などが提案されている。
ったうえ心地よい弾力は失われており、ともするとねち
ゃついた食感になるという問題点があった。また十分な
効果を得るためには多くの添加量を必要とするため、油
っぽい食感となったり、生地が軟化して成形性が極端に
悪くなったりするといった問題点もあったうえ、本発明
においては、改善効果が得られる十分なメイラード反応
を生じた加熱処理面の硬い歯切れの悪い食感については
全く考慮されていない。その上、小麦粉中の水分の挙動
については十分に考慮されていたとは言い難く、どの方
法を用いても加熱調理後の時間経過や電子レンジ調理に
より生じるぐにゃぐにゃした歯切れの悪い食感を止める
ことはできなかった。本発明の課題は、ソフトで歯切れ
の良い食感を発揮しうる小麦粉製品を提供することにあ
る。
を主成分とした製品の生地原料中に、グルコマンナンお
よびその他の増粘多糖類、すなわち、ゼラチン、寒天、
カラギーナン、キサンタンガム、グアーガム、タラガ
ム、ローカストビーンガム、ジェランガム、カルボキシ
メチルセルロース、ペクチン、プルラン、およびアルギ
ン酸、好ましくはカラギーナン、キサンタンガム、グア
ーガム、およびジェランガムから選択される少なくとも
1種類以上の増粘多糖類を含有させてなる小麦粉製品で
ある。
は、全穀粉類に対して0.1〜5.0%、より好ましく
は0.5〜4.5%がよい。この範囲にすることによ
り、生地の含有水分の蒸発を抑え、しっとりとして且つ
好ましい弾力を持ったソフトな食感にする、あるいは余
剰水分を保持し、揚げ処理をする小麦粉製品をサクサク
とした軽い食感にすることができる。グルコマンナンお
よび他の多糖類の配合量が0.1%以下では効果が得ら
れなかったり、5.0%以上では成形が困難になった
り、パサついた食感となったりすることがある。
使用する多糖類の性質やグルコマンナンとの相互作用の
強さ、配合使用する小麦粉製品に期待する効果などによ
り異なるが、一般に1:9〜9:1であり、この範囲外
ではグルコマンナンと他の多糖類の複合効果が十分現れ
ない。好ましい範囲は3:7〜9:1である。本発明の
効果は、非常に多岐にわたる小麦粉製品に応用可能であ
り、特に限定はしないが、例えば食パンを始めとする各
種ベーカリー製品や、餃子、焼売、小龍包等の中華麺皮
類、そしてピロシキやフライドブレッド等の揚げ処理を
する小麦粉製品に特に有効である。前記ベーカリー製品
の中では比較的油脂や糖の少ないリーンな配合の製品に
対して、より効果が期待できる。
を十分に引き出すことが可能であるので、他の品質改良
剤等の添加物を一般に必要としないが、その他求めたい
物性を付与するような添加物、例えばもち粉、米粉、澱
粉、加工澱粉、油脂類、蛋白質(全卵、卵黄、卵白、乳
性蛋白、グルテン、大豆蛋白など)、アミノ酸(アラニ
ン、グリシン、リジン、グルタミン酸など)、乳化剤、
糖類、乳酸ナトリウム、グリセリン、色素、そして各種
抗酸化剤などを任意の製造工程で配合し、それぞれの添
加物の特性を顕示せしめることができる。
いが、グルコマンナンおよび他の1種類以上の増粘多糖
類と、必要であれば他の水溶性の材料と共に添加水中に
良く分散させ、これらを溶解、もしくは膨潤させた後に
小麦粉を始めとする水に不溶の材料に加え、よく混練す
る事により均一で好ましい生地を作ることができる。上
記小麦粉生地を用いて製造した食品は、焼き、蒸し、揚
げ等の加熱処理を行い喫食するか、冷蔵または冷凍にて
保存し、喫食前に焼き、蒸し、揚げ等の調理を施すか、
あるいは予め加熱処理して冷蔵または冷凍にて保存して
おいたものを電子レンジにて快適に食せる温度まで品温
を上げて食すと良い。
粉を主成分とする生地中に含有させることでこれら糖類
の分子鎖同士の、あるいは糖類の分子鎖と小麦粉中の蛋
白分子、あるいは澱粉中のアミロースとの立体的相互作
用が生じ、結果として均一に効率よく水分子集合体を捕
捉したり、蛋白の硬化や澱粉の老化を抑制したり、生地
に適度な弾力を持たせたりすることができる。核磁気共
鳴分光法により小麦粉組織中の水分子のエネルギー緩和
を測定すると、グルコマンナンおよび増粘多糖類を含有
する組織では、これらを含まない対象組織に対し、自由
水の減少と束縛水の顕著な増大が確認されたことから
も、蛋白、澱粉組織内における均一で効率の良い水分子
集合体の捕捉による水和状態の促進が行われていること
が分かっている。
ドロールブレッドと焼き餃子、そしてフライドブレッド
を例にとって本発明を更に説明する。
し、小麦粉、砂糖、食塩、脱脂粉乳、イーストフードな
どの粉類およびイースト、卵白に対し、グルコマンナン
と他の増粘多糖類を水に分散させたものを加えてドウミ
キサーにて低速2分、中高速4分で混捏し、ショートニ
ングを加えて更に低速2分、中高速5分、高速2分で混
捏した。捏ね上げ温度は29.5℃であった。捏ね上げ
生地を30分発酵させた後ガス抜きをして再び30分発
酵させた。得られた生地を重量80gに分割し、丸め成
形を行い、20〜30分のベンチタイムをとった後、3
7℃、湿度75%でホイロ50〜60分とし、ホイロ
後、200℃のバッチ式オーブンで17分焼成した。
凍保存し、500Wの電子レンジで80秒間加熱解凍し
て温めたものについて、16人のパネラーにより官能試
験を行った。評価は下記に示した評価基準に従って記入
してもらい、その平均値を求めたところ、表2に示した
通りであった。
ている <好ましさ> 5;好ましい 4;やや好ましい 3;普通 2;あまり好ましくない 1;好ましくない
糖類を含有するセミハードロールブレッドはこれらを含
有しないものに比べ、明らかに好ましい食感となること
が分かった。
ートニングをミキサー中で良く混合した後に食塩、乳酸
ナトリウム、グルコマンナンおよび増粘多糖類を溶いた
水を入れ、ミキサー中で12分間混練した後、ロールに
より圧延し、最終麺厚を0.7mmとして型抜きするこ
とにより皮を作った。
の生餃子を得た。この生餃子を100℃飽和水蒸気圧下
で6分間蒸した後、200℃で4分間焼いて調理した。
調理後、これを急速冷凍し、−18℃で冷凍保存した。
1週間後、冷凍餃子を取り出し、4個ごと電子レンジ
(500W)で70秒間加熱した。こうして得られた焼
き餃子の食感(歯切れ、柔らかさ、弾力性)および、餃
子としての好ましさを下記に示した評価基準に従って、
16名のパネラーにより評価してもらい、その平均値を
求めたところ表4に示した通りであった。なお、電子レ
ンジ加熱した製品の耳部を切り取ってその乾燥減量から
水分率を求めた結果も合わせて示す。
び他の増粘多糖類を皮中に適量含んでなる焼き餃子は、
これらを含有しない焼き餃子に比べ、保水性が向上し、
明らかに好ましい食感となることが分かった。
粉、砂糖、食塩、ベーキングパウダーなどの粉類に対
し、グルコマンナンと他の増粘多糖類を水に分散させた
ものを加えてドウミキサーにて低速2分で混捏し、ショ
ートニングを加えて更に低速2分、中高速2分で混捏し
た。捏ね上げ生地を5mmの厚みに圧延して12*12
cmの大きさにカットし、5℃にて30分休ませた後、
適当なフィリングを用いて好みの形に成形した。30分
のベンチタイムをとった後、90℃のボイル槽で10秒
間ボイルし、180℃のフライヤーにて5分間揚げ処理
を行った。
凍保存し、500Wの電子レンジで90秒間加熱解凍し
て温めたものについて、16人のパネラーにより官能試
験を行った。評価は下記に示した評価基準に従って記入
してもらい、その平均値を求めたところ、表6に示した
通りであった。
い 3;やや粘りがあり、柔らかくやや歯切れが悪い 2;少し粘り、引きが強く、少し歯切れが悪い 1;引きが強く、歯切れが悪い <弾力> 5;好適な弾力を有し、口当たりが柔らかい 4;やや弾力があって、やや口当たりが柔らかい 3;やや歯ごたえが不足するかあるいはやや硬い 2;ややもろいかあるいは硬くぼそぼそしている 1;抵抗が無くもろいかあるいは非常に硬くがっちりし
ている <好ましさ> 5;好ましい 4;やや好ましい 3;普通 2;あまり好ましくない 1;好ましくない
糖類を含有するフライドブレッドはこれらを含有しない
ものに比べ、明らかに歯切れの良い好ましい食感となる
ことが分かった。
したり、再加熱した際にも簡単にしっとりとして弾力の
あるソフトな切れの良い食感となり、それが長時間持続
する。また、電子レンジで加熱した時も、水分の蒸発が
少なく、ラップや霧吹きの手間のない簡便性と、硬いゴ
ム様の歯切れの悪い食感を抑えたソフトでしっとりとし
た食感を得ることができる。また、揚げ処理を必要とす
る小麦粉製品などでは、加熱調理後の時間経過と共に生
じるぐにゃぐにゃした歯切れの悪い食感を抑え、サクサ
クと軽い食感にすることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 グルコマンナンおよびその他の増粘多糖
類を含有することを特徴とする小麦粉製品。 - 【請求項2】 その他の増粘多糖類が、ゼラチン、寒
天、カラギーナン、キサンタンガム、グアーガム、タラ
ガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、カルボキ
シメチルセルロース、ペクチン、プルラン、およびアル
ギン酸から選択される少なくとも1種類以上である請求
項1記載の小麦粉製品。 - 【請求項3】 グルコマンナンおよび他の増粘多糖類の
含有量が、小麦粉製品に配合使用する全穀粉類の0.1
〜5.0%であることを特徴とする請求項1記載の小麦
粉製品。
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---|---|---|---|
JP22873497A JP3619351B2 (ja) | 1997-08-26 | 1997-08-26 | 小麦粉製品 |
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-
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- 1997-08-26 JP JP22873497A patent/JP3619351B2/ja not_active Expired - Lifetime
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