JPH1156141A - ルシフェラーゼを発現する形質転換植物 - Google Patents

ルシフェラーゼを発現する形質転換植物

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JPH1156141A
JPH1156141A JP9220548A JP22054897A JPH1156141A JP H1156141 A JPH1156141 A JP H1156141A JP 9220548 A JP9220548 A JP 9220548A JP 22054897 A JP22054897 A JP 22054897A JP H1156141 A JPH1156141 A JP H1156141A
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plant
luciferase
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JP9220548A
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Ryozo Motokura
良三 本藏
Shigeo Nakamura
茂雄 中村
Takanao Iwai
孝尚 岩井
Naomi Ukai
尚美 鵜飼
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Miyagi Prefectural Government.
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MYAGI PREFECTURE
Miyagi Prefectural Government.
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  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 花部を含む植物の組織および器官において、
肉眼で発光が認められる観賞用植物を提供すること。 【解決手段】 本発明の形質転換植物は、ルシフェラー
ゼをコードする遺伝子を有し、かつ該遺伝子から発現し
たルシフェラーゼが生物学的に活性であるナデシコ科
(Caryophyllaceae)の形質転換植物であって、植物細
胞内で作動可能なルシフェラーゼ遺伝子をナデシコ科に
属する植物の細胞に導入する工程、および該ルシフェラ
ーゼ遺伝子が導入された細胞より植物体を再生させる工
程、を包含する方法によって得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遺伝子組換えによ
り形質転換された発光可能な植物、特に、発光可能な観
賞用植物に関する。より詳細には、本発明は、生物発光
に関与している酵素であるルシフェラーゼをコードする
遺伝子が導入された植物体であって、この植物体におい
て発現したルシフェラーゼの酵素反応により発光し得る
植物に関する。本発明はまた、このような植物を調製す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】観賞用植物として、カーネーション、チ
ューリップ、ユリなどの植物が、例えば、切り花として
広く使用されている。このような観賞用植物は、昼間ま
たは照明下などの比較的明るい環境下で使用されるだけ
で、夜間などの暗い環境下ではその目的を果たしていな
い。暗い環境下で、照明を与えることなく観賞または装
飾の目的を果たすことが可能になれば、鑑賞用植物の使
用範囲は格段に広がるため、その価値をさらに高めるこ
とができる。従って、このような新規な形質(特徴)を
有する、従来の品種と差別化できる新規な植物が求めら
れている。すなわち、植物自体を発光させることにより
暗いかまたは照明が不十分な環境下でも植物の姿が認識
できるようにすることである。これは、従来の植物にお
いては考えられなかったことである。
【0003】発光能を有する生物としては、代表的に
は、ホタルおよびウミホタルなどが知られている。これ
らの生物学的な発光は、酸化酵素であるルシフェラーゼ
がルシフェリンを酸化することによりもたらされる。
【0004】種々のルシフェラーゼの中でも、特に、ホ
タル(Photinus pyralis)のルシフェラーゼは、その酵
素学的性質およびその遺伝子の塩基配列は解明されてい
る。このルシフェラーゼ(本明細書中以下、ホタルルシ
フェラーゼと呼ぶ)は、約6万の分子量を有し、AT
P、Mg2+および酸素の存在下でルシフェリンをオキシ
ルシフェリンに酸化して、562nmに極大を有する光を発
する(Gould, S.J.ら、Anal. Biochem. 175:5−13, 19
88)。
【0005】ホタルルシフェラーゼの植物における生物
学的機能の発現(発光)は、Ow, D.W.ら、Science 23
4:856−859, 1986により報告されている。ここでは、
カリフラワーモザイクウイルス35S(CaMV35S)プロ
モーターの制御下のホタルルシフェラーゼ遺伝子が導入
された形質転換タバコ(Nicotiana tabacum)の根部、
茎部および葉部における発光が報告されている。しか
し、その発光は、非常に弱く、写真フィルム(ASA 40
0)への24時間の露光によって確認され、肉眼では認
められなかった。さらに、鑑賞用植物では特に重要な部
位である花部における発光は確認されていない。
【0006】中村らは、エンハンサー配列を有しないプ
ロモーターと比較して、エンハンサー配列を導入したCa
MV35Sプロモーターの制御下にあるホタルルシフェラー
ゼ遺伝子が導入された形質転換タバコにおいて、発光が
肉眼で認められる程度に増大したことを報告している
(宮城県農業センター研究報告、第59号、1〜6頁、
1993年)。しかし、花部における発光についは、全く確
認されていない。さらに、この報告では、この形質転換
されたタバコで認められた発光は、観賞用植物として
は、十分でないことが記載されている。
【0007】Mitsuhara, I.らは、形質転換タバコにお
いて、エンハンサー配列を導入した種々の改変型のCaMV
35Sプロモーターの活性がエンハンサー領域の配列およ
び数に応じて変化し、ホタルルシフェラーゼを発現させ
た場合、エンハンサー配列を有しないCaMV35Sプロモー
ターと比較して、その発光が肉眼で認められたことを報
告している(Mitsuhara, I.ら、Plant Cell Physiol. 3
7:49−59, 1996)。しかし、中村らと同様、花部での
発光は確認されていない。さらに、検討された種々のプ
ロモーターの活性が、植物間で大きく異なっていた。
【0008】このように、上記の形質転換されたタバコ
における発光はいずれも、観賞用植物としては不十分で
あった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決するものであり、その目的とするところは、遺伝
子組換えにより、特に花部を含む植物体の種々の器官ま
たは組織が発光し得る観賞用の形質転換植物を提供する
ことである。
【0010】本発明の他の目的は、上記の形質転換植物
を調製する方法を提供することにある。
【0011】本発明のさらに他の目的は、上記の形質転
換植物の器官または組織を発光させる方法を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の形質転換植物
は、ルシフェラーゼをコードする遺伝子を有し、かつ該
遺伝子から発現したルシフェラーゼが生物学的に活性で
あるナデシコ科(Caryophyllaceae)の形質転換植物で
あって、植物細胞内で作動可能なルシフェラーゼ遺伝子
をナデシコ科に属する植物の細胞に導入する工程、およ
び該ルシフェラーゼ遺伝子が導入された細胞より植物体
を再生させる工程、を包含する方法によって得られる。
【0013】本発明の1つの実施態様において、上記の
ルシフェラーゼ遺伝子は、エンハンサー配列と作動可能
に連結したカリフラワーモザイクウイルス35Sプロモ
ーターの制御下にあり、このエンハンサー配列は、カリ
フラワーモザイクウイルス由来の配列、タバコモザイク
ウイルスに由来の配列、またはそれらの組み合わせであ
る。
【0014】本発明の1つの実施態様において、上記ナ
デシコ科に属する植物はナデシコ属(Dianthus)に属す
る。好ましくは、上記植物はカーネーション(Dianthus
caryophyllus)である。
【0015】本発明の1つの実施態様において、上記の
形質転換植物は、ルシフェリンを供給することにより植
物体の器官または組織、好ましくは、花部を含む器官が
発光する。
【0016】本発明の1つの実施態様において、上記の
形質転換植物から、上記ルシフェラーゼ遺伝子を含有す
る種子が得られる。
【0017】本発明は、ルシフェラーゼを発現する形質
転換植物を調製する方法を提供し、この方法は、ナデシ
コ科(Caryophyllaceae)に属する植物の細胞内に、植
物細胞内で作動可能なルシフェラーゼ遺伝子を導入する
工程、および該ルシフェラーゼ遺伝子が導入された細胞
より植物体を再生させる工程を包含する。
【0018】本発明は、ルシフェリンを供給する工程を
包含する、形質転換植物を発光させる方法を提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の形質転換植物は、組換え
遺伝子操作によりルシフェラーゼ遺伝子が導入された細
胞から分化/誘導された植物体である。
【0020】本発明の形質転換植物は、ルシフェリンを
植物組織または器官に供給することによって発光する。
すなわち、形質転換植物の細胞内において、導入ルシフ
ェラーゼ遺伝子に由来する生物学的に活性なルシフェラ
ーゼの酵素機能により、供給されたルシフェリンが酸化
され、その結果、暗所において肉眼で観察できる十分な
強度で発光する。
【0021】本明細書中で使用する用語「観賞用植物」
は、見て楽しむための植物、例えば、装飾または展示に
使用される植物をいう。本発明の観賞用植物は、導入し
た遺伝子から発現したルシフェラーゼが生物学的に活性
である限り、鉢などに植えられた植物体であってもよ
く、また切り花のように植物体の一部であってもよい。
【0022】「生物学的に活性な(である)」は、生物
組織または器官内の環境、あるいは適切に選択された人
工的な生理学的環境下(例えば、緩衝溶液中)で特定の
生物学的な機能または作用(例えば、酵素活性)を有す
ることをいう。例えば、「生物学的に活性な(である)
ルシフェラーゼ」は、ルシフェラーゼがルシフェリンを
酸化して発光性反応物を与える能力を有することをい
う。
【0023】本明細書中で使用する用語「植物体」は、
少なくとも、根、茎、および葉を有する植物であり、自
然環境(例えば、屋外)下、または制御された人工環境
(例えば、土壌または化学的に定義された培地を用いる
人工気象室または温室内の環境)下で生育可能な植物を
いう。この用語には、植物の生育段階に応じた種々の状
態の植物も含まれる。植物体は、形質転換体であっても
よく、また非形質転換体であってもよい。
【0024】本明細書中で使用する用語「形質転換植
物」は、外部から導入された遺伝子を有し、かつこの遺
伝子より生物学的な特定の機能を有する遺伝子産物(例
えば、酵素などのポリペプチド)を、安定的または一時
的に発現し得る植物をいう。発現は、構成的であっても
よく、誘導的(温度、薬剤などの特定の刺激に応答す
る)であってもよい。導入される遺伝子は、形質転換を
行う植物に由来するか、形質転換を行う植物と同じ種も
しくは異なる種の植物に由来するか、または他種の生物
(例えば、昆虫などの動物、微生物)に由来する。これ
には、酵素などの遺伝子産物がその生物学的機能が喪失
しない限り、これらの遺伝子の一部を互いに組み合わせ
て再構築された遺伝子もまた含まれる。
【0025】本明細書中で使用する用語「遺伝子」は、
酵素などのポリペプチドを構成するアミノ酸をコードす
るヌクレオチドが方向性をもって線状に連結したポリマ
ーである。遺伝子は、一本鎖または二本鎖であり得、例
えば、転写されたRNA(mRNA)、mRNAから酵
素的に調製されるcDNA、染色体由来のゲノムDN
A、または化学合成されたDNAであり得る。これらの
遺伝子は、酵素などのポリペプチドをコードする配列
(コード領域または翻訳領域)以外に、コード領域の転
写を制御するためのプロモーター領域、このプロモータ
ー領域に作用するエンハンサー領域、および他の調節領
域(例えば、ターミネーターおよびポリA領域)、なら
びにイントロンなどを含み得る。
【0026】以下に、ルシフェラーゼ遺伝子で形質転換
された本発明の形質転換植物を説明する。
【0027】本発明の方法に従って形質転換される植物
は、双子葉植物および単子葉植物に関わらず、任意の観
賞用植物である。例えば、Dianthus属(例えば、カーネ
ーション)、Gypsophylla属(例えば、シュッコンカス
ミソウ)などのナデシコ科(Caryophyllacea)の植物で
ある。さらに、例えば、Dahlia属(例えば、ダリア)、
Cosmos属(例えば、コスモス)などのキク科(Asterace
ae)の植物;Rosa属(例えば、バラ)などのバラ科(Ro
saceae);あるいはTulipa属(例えば、チューリッ
プ)、Lilium属(例えば、ユリ)などのユリ科(Liliac
eae)の植物が挙げられる。
【0028】本発明において好適な形質転換植物は、ナ
デシコ科(Caryophyllacea)に属する植物である。ナデ
シコ属(Dianthus)に属する植物がさらに好適であり、
最も好適な形質転換植物は、カーネーション(Dianthus
caryophyllus)である。
【0029】本発明に使用されるルシフェラーゼ遺伝子
は、ホタルなどの昆虫(例えば、Photinus piralis、Lu
ciola lateralis、Luciola cruciata)、発光細菌(例
えば、Photobacterium luminescens、Photobacterium p
hosphoreum、Vibrio harveyi)、海洋性甲虫類(例え
ば、Cypridina hilgendorfii)、および藻類(例えば、
Gonyaulax polyedra)などの生物に由来する。好ましく
は、562nmに発光極大を有するホタル(Photinus pirali
s)ルシフェラーゼをコードする遺伝子が使用される。
ホタルの発光と異なる色調(すなわち、異なる発光波
長)を得るためには、例えば、470nmに発光極大を有す
るウミホタル(Cypridina hilgendorfii)ルシフェラー
ゼをコードする遺伝子が使用され得る。
【0030】上記のルシフェラーゼ遺伝子は単離され、
そしてそのヌクレオチド配列は公知である。それらのヌ
クレオチド配列はGenBank(登録商標)などの遺伝子配
列登録機関に登録されている。当業者は、遺伝子配列登
録機関または遺伝子配列登録機関の登録配列に基づく各
種のデータベース(例えば、DNASISTM)を検索すること
により、ルシフェラーゼ遺伝子のヌクレオチド配列を入
手できる。
【0031】本発明に有用なルシフェラーゼ遺伝子は、
公知のヌクレオチド配列に基づいて、当業者に周知の方
法を用いて発光生物から直接単離することができる。あ
るいは、既に単離され、そしてクローン化されているル
シフェラーゼ遺伝子もまた使用される。あるいは、公知
のヌクレオチド配列に基づいて、化学合成した遺伝子も
また使用される。
【0032】発光生物からのルシフェラーゼ遺伝子の単
離は、簡単に記載すると、例えば、発光生物の発光部位
の細胞からのmRNAの単離、単離mRNAからの遺伝
子(cDNA)ライブラリーの構築、およびハイブリダ
イゼーション法による遺伝子ライブラリーのスクリーニ
ングにより実施することができる。ハイブリダイゼーシ
ョンには、ハイブリダイゼーションプローブとして、公
知のヌクレオチド配列に基づいて化学合成されたポリヌ
クレオチド、あるいは既にクローン化されているルシフ
ェラーゼ遺伝子の全体またはそのフラグメントを用いる
ことができる。これらの操作の一部は、各操作段階に応
じた市販の各種のキットを用いて行うこともできる。こ
の一連の操作における条件および手順などは、例えば、
Molecular Cloning A Laboratory Manual第2版(Sambr
ook, J.ら編、Cold Spring Harbor laboratory Press,
1989)およびCurrent Protocols in Molecular Biology
(Ausubel, F.M.ら編、John Wiley & Sons, 1987)など
の当該分野の標準的な実験マニュアル、およびに使用す
るキットの使用説明書に記載されている。
【0033】本発明に使用されるルシフェラーゼ遺伝子
は、発光生物から上記のような単離によって得られる以
外に、上記のように既にクローン化されている遺伝子を
含有するベクターから適切な制限酵素を用いて分離する
ことができる。クローン化されたルシフェラーゼ遺伝子
を含有するベクターとして、例えば、ホタル(Photinus
piralis)ルシフェラーゼのコード領域を含有するpT3/
T7-LUC(Clontech、細菌発現用)、pMANneo-LUC(Clont
ech、動物細胞用)などがある。これらのベクターから
のルシフェラーゼ領域の取り出しは、使用説明書に従っ
て適切な制限酵素を用いた消化によって実施することが
できる。
【0034】このようにして得られたルシフェラーゼ遺
伝子は、必要に応じて、その活性および特異性を変更す
るため、あるいはその後の遺伝子組換え操作を容易にす
るためにその配列の一部または領域を改変することがで
きる。このような改変は、部位特異的変異誘発法または
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの当業者に周知の
方法を用いて行うことができる。このようなヌクレオチ
ド配列の改変により、1つ以上のアミノ酸またはアミノ
酸配列領域が変更されることは当業者には明らかであ
る。これらの条件は、当業者の範囲内である。これらの
標準的な方法は、上記の実験マニュアルに記載されてい
る。
【0035】植物細胞内でルシフェラーゼを効率的に発
現させるための発現ユニットは、ルシフェラーゼ遺伝子
のコード領域以外に、ルシフェラーゼ遺伝子をmRNA
に転写するためのプロモーター、そして必要に応じてプ
ロモーターに作用してその転写活性を調節するエンハン
サー、および転写されたmRNAの安定性に関与してい
るターミネーターの領域から構成される。
【0036】プロモーターは、導入された植物細胞内で
ルシフェラーゼ遺伝子をmRNAに転写することができ
れば、特に限定されない。このようなプロモーターは、
非植物に由来するプロモーター(例えば、カリフラワー
モザイクウイルス35S(CaMV35S)、ノパリン合成酵
素(nos)、またはオクトピン合成酵素(ocs)のプロモ
ーター)であってもよく、また植物に由来するプロモー
ター(例えば、カルコン合成酵素などの二次代謝系の酵
素のプロモーター、またはグリシニンなどの貯蔵タンパ
ク質のプロモーターなど)であってもよい。植物の種々
の組織において発光を可能にするために好適なプロモー
ターとしては、例えば、CaMV35Sプロモーターがある。C
aMV35Sプロモーターは、例えば、pBI121(Clontech)、
pBI221(Clontech)およびpCaMVCN(Pharmacia)などの
ベクター中にクローン化されている。本発明において、
好ましくは、形質転換植物の細胞内でのルシフェラーゼ
遺伝子の発現のためにCaMV35Sプロモーターが使用され
る。
【0037】導入されたルシフェラーゼ遺伝子の発現レ
ベルは、エンハンサー領域を導入することにより変化す
る。エンハンサー領域は、イントロンなどの非翻訳領域
またはプロモーター領域内の特定の領域部分であり、用
いるプロモーター領域の5'または3'、あるいはその両
方に配置され得る。エンハンサー領域は、例えば、CaMV
35Sプロモーター内の-343〜-90の領域(Kar, R.ら、Sci
ence, 236:1299-1302, 1987)、Ω配列と呼ばれるタバ
コモザイクウイルスの5'非翻訳領域(Gallie, D.R.
ら、Nucl. Acids. Res., 15:3257-3272, 1987)、およ
びアルファルファモザイクウイルスの5'非翻訳領域(J
obling, S.A.ら、Nature, 325:622-625,1987)があ
る。これらのエンハンサー領域は、単独で使用してもよ
く、また互いに組み合わせて使用してもよい。さらに、
これらのエンハンサー領域は複数個用いることができ
る。本発明において、好ましくは、タバコモザイクウイ
ルスΩ配列またはCaMV35Sプロモーター内の領域、そし
てより好ましくはその両方が使用される。CaMV35Sプロ
モーターと組み合わせてその両方のエンハンサー配列を
使用するとき、好ましくは、Ω配列はCaMV35Sプロモー
ターのコア領域(-90〜-1)に対して3'側に、CaMV35S
プロモーター内の領域のエンハンサー領域は5'側に配
置される。エンハンサー配列の数は、形質転換を行う植
物に依存する。カーネーションの場合、本発明に用いら
れるCaMV35Sプロモーター内のエンハンサー領域が、好
ましくは、2個用いられるが、この数は特に限定されな
い。
【0038】ルシフェラーゼの酵素としての発現量(翻
訳量)は、ルシフェラーゼ遺伝子の3'に存在する3'非
翻訳領域(すなわち、ターミネーター)によって変化す
ることが知られている(Ow, D.W.ら、上記)。ポリアデ
ニル化シグナル部位を含むターミネーターをコード領域
の3'に導入することにより、転写されたmRNAが安
定性され、その結果、ルシフェラーゼの翻訳量が増大す
る。このようなターミネーターとしては、CaMV35Sター
ミネーター、ノパリン合成酵素およびオクトピン合成酵
素のターミネーターが挙げられるが、これらには限定さ
れない。本発明においては、好ましくは、ノパリン合成
酵素ターミネーターが用いられる。
【0039】本発明に使用されるルシフェラーゼ発現ベ
クターは、ルシフェラーゼ遺伝子以外に、形質転換され
た植物細胞(または植物体)の容易な選択を可能にする
選択マーカーとなる形質を付与する遺伝子を含有する。
このような遺伝子は、例えば、カナマイシンおよびネオ
マイシンの両抗生物質に対する耐性のためのネオマイシ
ンホスホトランスフェラーゼ(NPTII)遺伝子、なら
びにハイグロマイシン耐性のためのハイグロマイシンホ
スホトランスフェラーゼ(HPT)遺伝子である。これ
らの選択マーカー遺伝子は、単独で使用してもよく、ま
たは2つ以上を組合せて使用してもよい。本発明におい
て、ルシフェラーゼ発現ベクターは、好ましくは、選択
マーカー遺伝子としてNPTII遺伝子およびHPT遺伝
子を含有する。これらの遺伝子は、上記のプロモーター
(例えば、CaMV35Sプロモーターまたはnosプロモータ
ー)の制御下にあり、そして代表的には、nosターミネ
ーターをその3'に有する。その結果、得られる形質転
換植物は、カナマイシンおよびハイグロマイシンの両方
に対して耐性を有する。
【0040】本発明に使用されるルシフェラーゼ発現ベ
クターは、さらに、必要に応じて、植物細胞内で安定に
発現し得るルシフェラーゼ遺伝子および選択マーカー遺
伝子を含む領域を植物細胞の染色体内に組み込むための
領域(例えば、土壌細菌Agrobacterium tumefaciensの
感染による腫瘍誘発に関係するTiプラスミドのRB配
列領域およびLB配列領域)、ならびにAgrobacterium
tumefaciens(植物細胞内に発現ベクターを導入するた
めに使用される)内での複製に必要な領域をさらに含
む。さらに、このような発現ベクターは、このベクター
上での遺伝子組換え操作を容易に行うために、大腸菌
(E.coli)での複製および選択可能を可能にするマーカ
ー(例えば、アンピシリン耐性)遺伝子領域を含み得
る。本発明における発現ベクターは、好ましくは、ルシ
フェラーゼ遺伝子、選択のための薬剤耐性遺伝子、植物
細胞の染色体内への組み込みを可能にするRBおよびL
B配列領域、Agrobacterium tumefaciens内での複製に
必要な領域、ならびに大腸菌での複製および選択マーカ
ー遺伝子領域を含む。
【0041】このような発現ベクターは、これらの配列
領域を既に含む、例えば、Tiプラスミドに由来するpB
I121(Clontech)などの植物用の発現ベクターを用いて
構築することができる。pBI121(Clontech)は、LB配
列とRB配列に挟まれた領域内に、CaMV35Sプロモータ
ー制御下のβ−グルクロニダーゼ(GUS)およびNos
プロモーター制御下のNPTII遺伝子の2つの発現ユニ
ットを有する。
【0042】本発明に使用できるルシフェラーゼ発現ベ
クターは、例えば、pBI121(Clontech)のGUS領域を
ルシフェラーゼのコード領域に置換することによって得
られる。簡潔に記載すると、この発現ベクターは、制限
酵素(BamHIおよびSacI)消化によりGUS領域を除い
たpBI121(Clontech)に、制限酵素(BamHIおよびSac
I)消化によりpT3/T7-LUC(Clontech)から得られたル
シフェラーゼのコード領域を挿入することによって作製
される。エンハンサー配列は、例えば、pL11A-A25(Nis
higuchi, Mら、Nucl. Acids Res., 13:5585-5590, 198
5)および上記のpBI121(Clontech)から制限酵素によ
る消化、またはこれらをテンプレートとして、適切なプ
ライマーを用いるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によ
り得ることができる。その後、これらの配列を、例え
ば、HindIII部位を用いて、CaMV35Sプロモーターの5'
側に、および/またはBamHI部位を用いてその3'側に導
入することができる。
【0043】あるいは、本発明に使用されるルシフェラ
ーゼ発現ベクターは、他のクローニングベクター(例え
ば、pUC18およびpBluescriptTM(Stratagene))上で、
必要な領域の所定の部分(例えば、エンハンサー配列を
伴うプロモーター領域、コード領域とプロモーター領域
またはターミネーター領域とを組み合わせた領域、また
はそれらの一部)を構築することができる。そのような
部分領域を植物細胞発現用ベクター(例えば、pBI121
(Clontech))へ置換などにより導入することにより、
目的とする最終の植物細胞導入用のルシフェラーゼ発現
ベクターを構築することができる。発現ベクターの構築
方法は、上記の手順に限定されることなく、当業者の範
囲内である。
【0044】構築されたルシフェラーゼ発現ベクターの
植物細胞への導入は、植物に対して感染能を有するAgro
bacterium tumefaciensまたはAgrobacterium rizogenes
などの土壌細菌を介する方法、エレクロポレーションに
よる方法などを用いて実施することができる。
【0045】土壌細菌、例えば、Agrobacterium tumefa
ciensを介する方法は、植物細胞への感染に先立って、
構築した発現ベクターのAgrobacterium tumefaciensへ
の導入を必要とする。この導入は、E.coliに対する方法
と同様な方法を用いて、例えば、カルシウム処理による
導入、凍結融解法、またはエレクロポレーション法を用
いて行われる。Agrobacterium tumefaciensの培養は、
例えば、LB培地またはYEB培地などの培地を用い
て、適切な条件下(例えば、25〜30℃で、24〜3
6時間の振盪培養)で行うことができる。
【0046】Agrobacterium tumefaciensの感染による
発現ベクターの植物細胞内への導入は、植物の組織片
(例えば、葉および/または茎の切片)と、発現ベクタ
ーを含有するAgrobacterium tumefaciensの菌体(また
は、培養液)とを所定の時間接触させることにより達成
される。葉の切片を用いる方法は、リーフディスク法と
して当業者には公知である(例えば、Horsch, R.B.ら、
Science 227:1229, 1985)。Agrobacterium tumefacie
nsが感染する植物の範囲およびその効率は、その菌種に
よって異なる。例えば、Agrobacterium tumefaciens LB
A4404株は、双子葉植物、特にタバコには容易に感染す
るが、イネなどの単子葉植物への感染は困難である。こ
れに対して、例えば、Agrobacterium tumefaciens EHA1
01株は、LBA4404株と比較して、単子葉植物に対しても
十分に高い感染効率を有する。
【0047】Agrobacterium tumefaciensの感染を確実
にするために、その後、植物組織片は、固体培地上に置
かれる。この培地には、植物細胞を植物体への分化/誘
導および増殖のために、サイトカイニンおよびオーキシ
ンを組み合わせて添加される。サイトカイニンとして
は、例えば、カイネチン、ベンジルアデニン、ゼアチ
ン、2-イソペンテニルアデニンが、通常、0.1〜10ppm
の濃度で用いられる。オーキシンとして、例えば、イン
ドール酢酸、インドール酪酸、2-ナフタレン酢酸、2,4-
ジクロロフェノキシ酢酸が、通常、0.1〜10ppm濃度で
用いられる。これらの組み合わせ、およびそれらの濃度
は、使用する植物および組織に依存して変化するが、例
えば、下記の実験マニュアルを参考にして、当業者はそ
れらを決定し得る。
【0048】具体的には、発現ベクターを含有するAgro
bacterium tumefaciens(例えば、EHA 101株)の培養液
に、葉片などの組織片を浸し、しばらく放置する(例え
ば、10分間)。その後、植物細胞から植物体を分化/
誘導するために、例えば、0.1ppmインドール酢酸および
1ppmベンジルアデニンならびに糖(通常、3%スクロ
ース)を添加した植物組織培養用培地(例えば、ムラシ
ゲ−スクーグ(MS)培地、リンスマイヤー−スクーグ
(LS)培地、またはガンボルグB5培地など)の寒天
培地上に組織片を置き、その後、例えば、27℃で2日
間培養する。ここで使用される培地の組成は、形質転換
する植物およびその組織に応じて変化することは、当業
者には明らかである。
【0049】その後、感染させたAgrobacterium tumefa
ciensの除菌処理と合わせて、ルシフェラーゼ遺伝子を
含む感染細胞の選択が行われる。
【0050】Agrobacterium tumefaciensの除菌は、上
記の固体培地に抗生物質(例えば、500ppmカルベニシリ
ン)をさらに添加した培地を用いて植物組織片の培養を
行う。発現ベクターが組込まれた植物細胞の選択には、
発現ベクター中に存在する選択マーカー遺伝子に対応し
た抗生物質が培地にさらに添加される。例えば、カナイ
マシンまたはハイグロマイシン耐性である場合、それぞ
れ、例えば、100ppmカナイマシン、30ppmハイグロマ
イシンが使用される。2〜3週間毎に、新しい選択培地
上に移植して、除菌および選択を行うと同時に、不定芽
を分化/誘導させる。Agrobacterium tumefaciensの除
菌を完全にするために、選択培地での培養の初期にカル
ベニシリンをさらに添加してもよい。培養温度は、通
常、20〜25℃である。明暗条件は、典型的には、1
6時間の明期/8時間の暗期である。このときの培養条
件は植物に応じて変化することは、当業者には明らかで
ある。形成した不定芽を切り取り、オーキシンおよびサ
イトカイニンを含まない選択培地に移し、そして、上記
と同様の条件で、さらに培養を続けて発根させる。この
ようにして得られた幼植物体を馴化し、そして、自然環
境下または人工環境下で通常の土壌で生育できるようす
る。
【0051】本発明の別の実施態様において、ルシフェ
ラーゼ遺伝子を含む発現ベクターの植物細胞への導入
(感染)は、組織片中の細胞の代わりに、植物の組織
(例えば、葉)から調製したプロトプラストを用いて行
うことができる(例えば、Marton, L.ら、Nature 277:
1229, 1979)。プロトプラストを用いる場合には、エレ
クトロポレーションによって、直接、ルシフェラーゼ遺
伝子を含む発現ベクターを植物細胞に導入することもで
きる。発現ベクターが導入されたプロトプラストは、細
胞壁を再生させるために、適切な条件下で培養される。
その後の手順は、上記の組織片の場合と同様の手順を用
いて、植物体を分化/誘導する。
【0052】このような植物の形質転換の手順は、実験
マニュアル、例えば、Plant Genetic Transformation a
nd Gene Expression A Laboratory Manual(Draper, J.
ら編、Blackwell Scientific Publications, 1988)お
よびDNA Cloning, a practical approach(Glover, D.
M.ら編、第2巻、IRL Press, 1985)に記載されてい
る。
【0053】本発明の形質転換植物のルシフェラーゼの
発現は、種々の方法により定量的または定性的に分析さ
れ得る。例えば、形質転換植物の組織(例えば、根、
茎、葉)を適切な緩衝液(例えば、リン酸緩衝液、リン
酸緩衝化生理食塩水、トリス緩衝液)中で破砕し、遠心
分離により得られた上清中のルシフェラーゼの酵素活性
を発光量としてルミノメーターで定量的に測定すること
ができる。あるいは、この反応液を暗所中に放置するこ
とにより、その発光を定性的に観測することができる。
酵素活性測定用の反応液は、例えば、クエン酸ナトリウ
ム(10mM、pH5.0)中に1mMルシフェリンおよび1
%DMSOを含有する。さらに、ルシフェラーゼの酵素
活性の発現に必要な物質、例えば、金属イオン、ATP
を含有し得る。
【0054】本発明の形質転換植物の発光は、ルシフェ
リンまたはその塩(例えば、ナトリウム塩)を含有する
溶液、例えば、上記の酵素活性測定用の溶液を、根より
吸収させるか、または切り花とした場合には、その切り
口、すなわち茎から吸収させることによって達成され
る。あるいは、本発明の形質転換植物は、上記のルシフ
ェリン含有溶液の噴霧、または上記のルシフェリン含有
溶液中への浸漬によって発光させることができる。ルシ
フェラーゼを発現している植物の器官および組織に供給
されたルシフェリンが到達すると、そこでルシフェラー
ゼによる酵素反応により発光する。これにより、例え
ば、茎部、葉部および花部での発光が観察され得る。
【0055】本発明の形質転換植物は、例えば、自家受
粉、形質転換植物間での交配または形質転換植物と非形
質転換植物との交配により繁殖のための種子を形成させ
ることができる。
【0056】さらに、上記の感染細胞からの植物体の分
化/誘導の手順を用いて、形質転換された植物体の組織
(例えば、根、茎、葉、生長点、花粉)の組織培養によ
って、生殖過程(種子)を介することなく、さらなる形
質転換植物を得ることができる。このような技術および
手順は、当業者には公知である。組織培養の一般的な方
法は、当該分野の種々の実験マニュアルに記載されてい
る。
【0057】
【実施例】本発明の実施例を以下に示すが、これらに限
定されない。本実施例において用いた遺伝子組換え操作
ならびに植物の形質転換の標準的な手順は、上記の実験
マニュアルに記載されている。
【0058】<実施例1>ルシフェラーゼ発現ベクター
pBE2113H-LUCの構築、およびAgrobacterium tumefacien
s EHA101株のリーフディスク法によるカーネーション
(Dianthus caryophyllus)の形質転換を記載する。
【0059】ルシフェラーゼ発現ベクターpBE2113H-Luc
の構築は、以下の通りに行った。
【0060】カリフラワーモザイクウイルスCaMV35Sプ
ロモーターのコア領域(-1〜-90)を、ポリメラーゼ連
鎖反応(PCR)によりpBI121(Clontech)から得た。
プライマーとして、A5:5'-ATCTCCACTGACGTAAGGGATGA
CG-3'(配列番号:1)およびA3:5'-TTGTAAAAATACGT
ACCTCTCCAAATGAAATGAACTTCC-3'(配列番号:2)を使用
した。PCRは、95℃で30秒間の変性反応、50℃
で60秒間のアニーリング反応、および72℃で60秒
間の伸長反応からなるサイクルを25回行った。A3プ
ライマーは、制限酵素SnaBIの認識部位を含み、タバコ
モザイクウイルスのΩ配列の5'領域と相補的である。
得られたPCR増幅フラグメントを、EcoRVおよびSnaBI
の制限酵素で37℃で1時間消化し、その後、MERMAID
TM Kit(BIO101, Inc.)を用い、その使用説明書に従っ
て精製した。
【0061】タバコモザイクウイルスのΩ配列は、タバ
コモザイクウイルスのcDNAプラスミドpL11A-A25(N
ishiguchi, Mら、Nucl. Acids Res., 13:5585-5590, 1
985)を、B5:5'-TTTCATTTGGAGAGGTACGTATTTTTACAACA
ATTACCAACAA-3'(配列番号:3)およびB3:5'-GTACG
AGCTCTGATCAACGTCCATGGTGGATCCTCTAGATGTAGTTGTAGAATGT
AAAATGTAATGTTG-3'(配列番号:4)の2つのプライマ
ーを用いてPCRにより増幅した(95℃で30秒間の
変性反応、50℃で60秒間のアニーリング反応、およ
び72℃で60秒間の伸長反応からなるサイクルの25
回)。B5プライマーは、CaMV35Sプロモーターの3'と
同じ配列を有し、B3はポリリンカー配列(XbaI、BamH
I、NcoI、BclIおよびSacI)を有する。得られたPCR
フラグメントを、SnaBIおよびSacIの制限酵素で37℃
で1時間消化し、その後、MERMAIDTM Kit(BIO101, In
c.)を用いて精製した。
【0062】上記の制限酵素処理したPCRフラグメン
ト(CaMV35Sプロモーターのコア領域のEcoRV/SnaBIお
よびΩ配列のSnaBI/SacIフラグメント)を、EcoRVおよ
びSacIの制限酵素で消化したpREX-1(特開平4−169
185号)に連結した(16℃で30分間)。その後、
この連結反応混合液を用いて、熱ショック法によりE.co
li JM109株を形質転換し、アンピシリン(50μg/m
l)を含むLB寒天培地に塗布し、そして一晩培養(3
7℃)して耐性クローンを選択した。耐性クローンに含
まれるプラスミドをアルカリ−SDS法(1.5mlスケー
ル)により単離し、そして制限酵素分析により、目的の
挿入フラグメントを含むクローン(pE7113)を選
択した。pE7113は、CaMV35Sプロモーターのエン
ハンサー様配列(-290〜-90)が7個連結した構造を有
する。
【0063】得られたpE7113に、β−グルクロニダーゼ
(GUS)遺伝子(pBI221(Clontech)のEcoRI−HindI
IIフラグメント)を挿入して、pE7113-GUSを得た。その
後、pE7113-GUSのエンハンサー様配列の置換を以下のよ
うに行った。pE7113-GUSをHindIIIおよびEcoRVの制限酵
素で消化し、そして大きい方のフラグメントを単離し
た。一方、-419〜-90のエンハンサー様配列を、pFF19G
(Timmermans, M.C.P.ら、J. Biotechnol., 14:333-34
4, 1990)のHindIIIおよびEcoRVによる制限酵素消化よ
って得た。これらの2つのフラグメントを、16℃で3
0分の連結反応により連結した。連結反応混合液を用い
て上記と同様の操作を行い、目的のクローン(pE2113-G
US)を得た。
【0064】次に、pE2113-GUSのHindIII−EcoRIフラグ
メントを、HindIIIおよびEcoRIの制限酵素で消化したpB
I121(Clontech)に挿入することによって、pBE2113-GU
Sを得た。pFF19(Timmermans, M.C.P.ら、J. Biotechno
l., 14:333-344, 1990)を制限酵素(BamHIおよびSac
I)で消化することにより、CaMV35Sプロモーターおよび
CaMV35Sターミネーターを含むハイグロマイシンホスホ
トランスフェラーゼ(HPT)遺伝子を単離した。得ら
れたHPT遺伝子フラグメントの両端を平滑化した後に
SmaIリンカーを連結し、そしてSmaIのアイソシゾマーの
制限酵素Cfr9Iで消化した。その後、このHPT遺伝子
フラグメントをpBE2113-GUSのGUS遺伝子の3'に位置
するSmaI(Cfr9I)部位に挿入して、pBE2113GUS-HPTを
得た。
【0065】次に、pBE2113GUS-HPTをBamHIおよびSacI
の制限酵素で消化して、GUSのコード領域を除いた。
ルシフェラーゼ遺伝子を含有するpT7/T3-LUCをBamHIお
よびSacIの制限酵素で消化し、そしてルシフェラーゼの
コード領域を単離した。単離したルシフェラーゼのコー
ド領域を、BamHIおよびSacI処理したpBE2113GUS-HPTに
挿入し、ルシフェラーゼ発現ベクターpBE2113H-LUCを得
た。
【0066】ルシフェラーゼ発現ベクターpBE2113H-LUC
のAgrobacterium tumefaciens EHA101株への導入は以下
の通りに行った。
【0067】Agrobacterium tumefaciens EHA101株(東
北大学農学部植物育種学研究室より入手)を、5mlのY
EB培地(0.1%酵母抽出物、0.5%肉抽出物、0.5%ペ
プトン、0.5%スクロース、0.05%MgSO4・7H2O)で一晩
30℃で振盪培養した。次いで、1リットルフラスコ中
で200mlのYEB培地に5mlの培養物を加え、さらに3
0℃で5〜6時間培養した。遠心分離(4000rpmで5分
間)により菌体を集め、そして100mlの10mM Tris-HCl
(pH8.0)中に懸濁した。再度、遠心分離を行い、得
られた菌体を2mlのYEB培地中に懸濁した。微量遠心
チューブ中でこの懸濁液の100μlと1μgのpBE2113H-LU
Cを含む5μlのDNA溶液とを混合し、ドライアイス/
エタノール浴中で凍結させた(5分間)。次いで、37
℃の温浴中で融解し、25分間放置した。その後、1ml
のYEB培地を添加し、1時間30℃で振盪培養した。
100μlの培養液をカナマイシン(50μg/ml)および
ハイグロマイシン(50μg/ml)を含有するYEB培
地上に塗布し、そして約36時間の30℃での培養によ
り耐性クローンを得た。耐性クローン中のルシフェラー
ゼ発現ベクターpBE2113H-LUCをアルカリ−SDS法によ
り単離して、制限酵素分析によりその存在および構造を
確認した。
【0068】カーネーションのリーフディスク法による
形質転換および植物体の分化/誘導は、以下の通りに行
った。
【0069】無菌下で茎頂培養により誘導したカーネー
ション(品種名「瀬戸の初霜」)の多芽体を用いた。多
芽体の誘導は、ムラシゲ−スクーグ(MS)培地の無機
塩(以下、MS無機塩)、ガンボルグB5培地の有機物
(以下、B5有機物)、ベンジルアデニン(1ppm)、
インドール酢酸(0.02ppm)、スクロース(3%)、お
よびゲランガム(Sigma、0.25%)からなる培地(基本
培地)を用いて行った(温度:24℃、明期:16時
間、暗期:8時間)。MS無機塩は、KNO3(1900mg/
l)、NH4NO3(1650mg/l)、KH2PO4(170mg/l)、CaCl2
2H2O(440mg/l)、MgSO4・7H2O(370mg/l)、FeSO4・7H2O
(27.8mg/l)、Na2EDTA(37.3mg/l)、MnSO4・4H2O(22.
3mg/l)、ZnSO4・7H2O(8.6mg/l)、H3BO3(6.2mg/l)、
CuSO4・5H2O(0.025mg/l)、Na2MoO4・2H2O(0.25mg/
l)、KI(0.83mg/l)、およびCoCl2・6H2O(0.025mg/l)
を含む。B5有機物は、ミオイノシトール(100mg/
l)、チアミン塩酸塩(10mg/l)、ピリドキシン塩酸塩
(1mg/ml)、およびニコチン酸(1mg/l)を含む。得
られた多芽体は、上記の多芽体誘導培地および条件下で
継代培養することにより維持した。
【0070】pBE2113H-LUCを含有する上記のAgrobacter
im tumefaciens EHA101株を、LB培地中で30℃で2
日間培養した。この培養液に、上記の多芽体から得られ
た葉片(大きさ:約3mm x 約20mm)を約10分間浸
した。その後、葉片を共存培地上に置床した。共存培地
は、上記の基本培地にオーキシンおよびサイトカイニン
を添加した培地である(共存培地1:0.2ppmチジアズロ
ン+0.5ppmインドール酪酸、共存培地2:0.5ppmベンジ
ルアデニン+0.5ppm 1-ナフタレン酢酸、および共存培
地3:0.5ppmベンジルアデニン+0.5ppm 2,4-ジクロロ
フェノキシ酢酸)。培養は、24℃で、16時間の明期
(5000lux)および8時間の暗期で、3日、5日、7
日、10日、および14日の各期間行った。
【0071】次に、Agrobacterim tumefaciens EHA101
株の除菌と形質転換植物の分化/誘導のために、上記の
葉片を、共存培地1〜3にハイグロマイシン(30μg/
ml)およびカルベニシリン(500μg/ml)を添加した選
択培地に移した。培養は、16時間の明期(5000lux)
および8時間の暗期で、24℃でさらに16〜27日間
(上記の共存培地への置床から合計30日間)行い、不
定芽を形成させた。その結果を表1に示す。共存培地2
上で形成された不定芽の葉片を上記の不定芽誘導培地に
置床することにより不定芽を誘導し、そして53個体の
形質転換体を得た。
【0072】
【表1】
【0073】選択された不定芽から育成した幼植物体を
発根培地(B5有機物を含まない基本培地)に移し、そ
して30日間培養することにより根を形成させた。この
幼植物体を、次に、バーミキュライト(日本耐火
(株))とパーライト(日本セメント(株))との1:
1の混合物に移し、1000倍希釈のハイポネックスTM(ハ
イポネックスジャパン(株))を液肥として与え馴化処
理を行った。この馴化処理は、16時間照明(20000lu
x)の明期(24℃)および8時間の暗期(20℃)の
人工気象室で30日間行った。その後、植物体を、土を
主体とする用土(クレハ園芸培土:呉羽化学(株))に
移植(鉢上げ)し、上記の条件の人工気象室内で栽培し
た。
【0074】形質転換されたカーネーションの発光は、
不定芽の葉片および鉢上げ直後の植物体の葉を用いてル
シフェリン溶液を葉の切り口から吸収させることによっ
て行った。上記の最初に得られた53個体の形質転換さ
れたカーネーションのうち、48個において肉眼で明瞭
な発光が認められた。次に、これらの48個体につい
て、開花期の形質転換体の地上部を用いて、茎からルシ
フェリン溶液を吸収させることによって発光検定を行っ
た。このうちの1個体は、茎、葉および花部が肉眼では
っきりと認められる程度に発光した。残りの47個体
は、かすかに発光するか、または肉眼でその発光を確認
することができなかった。
【0075】上記の発光検定で発光が認められた形質転
換体の1つの不定芽の葉片を、再度、選択培地に置床す
ることにより不定芽を誘導し、形質転換体をさらに選択
した。このようにして得られた20個体を鉢上げし、上
記のように発光検定を行った。鉢上げ直後の20個体の
すべては、葉の発光が認められた。開花期の地上部は、
茎からルシフェリン溶液を吸収させることによって発光
検定を行った場合、2個体において、茎、葉および花部
が肉眼ではっきりと認められる程度に発光した。しか
し、残りの18個体は、かすかに発光するか、または肉
眼でその発光を確認することができなかった。
【0076】これらの形質転換植物の発光は、鉢上げ直
後の植物の葉の発光は、50cmの距離からでも肉眼での
観察が充分に可能であった。特に、茎、葉および花部に
おいて最も強い発光強度を有した上記の形質転換体は、
2〜3mの距離からでも肉眼での観察が十分に可能であ
った。この形質転換植物の発光は、茎をルシフェリン溶
液に1〜2時間浸すことによって約12時間持続し、さ
らに、茎をルシフェリン溶液に浸したままの状態では、
最大3日間持続した。
【0077】発光のために使用したルシフェリン溶液
は、10mMリン酸緩衝液(pH7.0)中に、0.25mMルシ
フェリンナトリウム塩(Sigma)、2.5mM補酵素A三ナト
リウム(和光純薬工業(株))、2.5mM ATP(オリエ
ンタル酵母工業(株))および2.5mM MgSO4・7H2Oを含
む。
【0078】発光状況の一例を図1に示す(ルシフェリ
ン濃度:0.25mM、ISO1600フィルムを用いてf1.4で20
分間の露光による撮影)。発光は、ルシフェリン溶液の
茎からの吸収により(約30分:図1Aおよび1B)、
またはルシフェリン溶液中への浸漬による花びらからの
直接的な吸収により(約10分:図1C)、認めること
ができた。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、植物細胞内で作動可能
なルシフェラーゼ遺伝子をナデシコ科に属する植物の細
胞に導入し、導入された植物細胞から分化/誘導された
植物体を再生させることにより形質転換植物が得られ
る。この形質転換植物に、ルシフェリンを供給すること
によって、形質転換植物の組織および器官が発光する。
本発明により得られる形質転換植物は、肉眼で十分にそ
の発光が認められ、暗所での観賞に好適である。
【0080】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 ATCTCCACTG ACGTAAGGGA TGACG 25
【0081】配列番号:2 配列の長さ:39 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 TTGTAAAAAT ACGTACCTCT CCAAATGAAA TGAACTTCC 39
【0082】配列番号:3 配列の長さ:43 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 TTTCATTTGG AGAGGTACGT ATTTTTACAA CAATTACCAA CAA 43
【0083】配列番号:4 配列の長さ:69 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 GTACGAGCTC TGATCAACGT CCATGGTGGA TCCTCTAGAT GTAGTTGTAG AATGTAAAAT 60 GTAATGTTG 69
【図面の簡単な説明】
【図1A】無照明下、暗所で撮影された、本発明の形質
転換カーネーションの全体の発光状況を示す写真であ
る。
【図1B】無照明下、暗所で撮影された、本発明の形質
転換カーネーションの花部を含む全体の発光状況を示す
写真である。
【図1C】無照明下、暗所で撮影された、本発明の形質
転換カーネーションの花部の発光状況を示す写真であ
る。
【図2A】照明下で撮影された、図1Aに対応する、本
発明の形質転換カーネーションの全体を示す写真であ
る。
【図2B】照明下で撮影された、図1Bに対応する、本
発明の形質転換カーネーションの花部を全体を示す写真
である。
【図2C】照明下で撮影された、図1Cに対応する、本
発明の形質転換カーネーションの花部を示す写真であ
る。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ルシフェラーゼをコードする遺伝子を有
    し、かつ該遺伝子から発現したルシフェラーゼが生物学
    的に活性であるナデシコ科(Caryophyllaceae)の形質
    転換植物であって、(1)植物細胞内で作動可能なルシ
    フェラーゼ遺伝子をナデシコ科に属する植物の細胞に導
    入する工程、および(2)該ルシフェラーゼ遺伝子が導
    入された細胞より植物体を再生させる工程、を包含する
    方法によって得られる、形質転換植物。
  2. 【請求項2】 前記ルシフェラーゼ遺伝子は、エンハン
    サー配列と作動可能に連結したカリフラワーモザイクウ
    イルス35Sプロモーターの制御下にあり、該エンハン
    サー配列は、カリフラワーモザイクウイルス由来の配
    列、タバコモザイクウイルスに由来の配列、またはそれ
    らの組み合わせである、請求項1に記載の形質転換植
    物。
  3. 【請求項3】 前記ナデシコ科に属する植物がナデシコ
    属(Dianthus)に属する、請求項1に記載の形質転換植
    物。
  4. 【請求項4】 前記ナデシコ属に属する植物がカーネー
    ション(Dianthus caryophyllus)である、請求項3に
    記載の形質転換植物。
  5. 【請求項5】 ルシフェリンを供給することにより植物
    体の器官または組織が発光する、請求項1に記載の形質
    転換植物。
  6. 【請求項6】 花部を含む器官が発光する、請求項5に
    記載の形質転換植物。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の形質転換植物から得ら
    れる、前記ルシフェラーゼ遺伝子を含有する種子。
  8. 【請求項8】 ルシフェラーゼを発現する形質転換植物
    を調製する方法であって、以下の工程: (1)ナデシコ科(Caryophyllaceae)に属する植物の
    細胞内に、植物細胞内で作動可能なルシフェラーゼ遺伝
    子を導入する工程;および (2)該ルシフェラーゼ遺伝子が導入された細胞より植
    物体を再生させる工程を包含する、方法。
  9. 【請求項9】 前記ルシフェラーゼ遺伝子は、エンハン
    サー配列と作動可能に連結したカリフラワーモザイクウ
    イルス35Sプロモーターの制御下にあり、該エンハン
    サー配列は、カリフラワーモザイクウイルス由来の配
    列、タバコモザイクウイルスに由来の配列、またはそれ
    らの組み合わせである、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記植物がナデシコ属(Dianthus)に
    属する植物である、請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記植物がカーネーション(Dianthus
    caryophyllus)である、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 請求項1から6のいずれかに記載の形
    質転換植物を発光させる方法であって、該形質転換植物
    にルシフェリンを供給する工程を包含する、方法。
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