JPH1153779A - 探針破壊回避機構を有する記録再生装置 - Google Patents

探針破壊回避機構を有する記録再生装置

Info

Publication number
JPH1153779A
JPH1153779A JP22077797A JP22077797A JPH1153779A JP H1153779 A JPH1153779 A JP H1153779A JP 22077797 A JP22077797 A JP 22077797A JP 22077797 A JP22077797 A JP 22077797A JP H1153779 A JPH1153779 A JP H1153779A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording
probe
resistance
voltage
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22077797A
Other languages
English (en)
Inventor
Masabumi Kiyougaku
正文 教學
Kyoji Yano
亨治 矢野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP22077797A priority Critical patent/JPH1153779A/ja
Publication of JPH1153779A publication Critical patent/JPH1153779A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、記録媒体上に存在する低抵抗部ヘの
記録用パルス電圧の印加による過度の電流の流れによっ
て、探針が破壊されてしまうことを防止し、安定した記
録を行うことのできる記録再生装置を提供することを目
的としている。 【解決手段】本発明は、電極基板上に形成された記録媒
体の表面に対向して近接配置された探針を、前記記録媒
体の表面に対して走査し、前記記録媒体に記録用パルス
電圧を印加し、該探針位置での記録媒体の状態変化を局
所的に起こさせて情報を記録する記録再生装置におい
て、前記記録用パルス電圧を印加するに際して、前記記
録媒体上に存在する低抵抗部を検出し、前記探針の破壊
を回避する探針破壊回避機構を有することを特徴とする
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、探針破壊回避機構
を有する記録再生装置に関し、詳しくは、走査型プロー
ブを用い、電圧印加により情報記録再生を行う記録再生
装置において、記録媒体上に存在する低抵抗部ヘの記録
用パルス電圧の印加による過度の電流の流れによって、
探針が破壊されてしまうことを防止するようにした記録
再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】試料表面を原子的スケールの空間分解能
で観察することのできる、走査型トンネル顕微鏡(ST
M)や走査型原子間力顕微鏡(AFM)などの走査型プ
ローブ顕微鏡(SPM)が開発されている。STMは、
探針と試料の距離を数nm以下に接近させたときに流れ
るトンネル電流を検出し、電子状態の分布を含む表面像
を構成する。また、AFMは、弾性体に保持された探針
を試料に数nm以下に接近させたときに探針と試料表面
との間に働く原子間力を検出し、凹凸情報を含む表面像
を構成する。さらに、SPMに新たな機能を加えた複合
機が開発されている。例えば、AFM/STMは、AF
M構成を基に、探針を導電性にすることによって試料に
電圧を印加し、試料表面の凹凸と同時に導電性分布像を
得ることができる(特開平3−277903号公報)。
また、探針に磁性材料を用い、試料表面のミクロな磁気
分布を測定する機能や、探針を静電容量センサーとして
用いて、試料表面の静電容量分布を測定する機能などが
複合されたものも開発されている。
【0003】SPMを応用すれば、局所領域に記録情報
を書き込むことができるようにした超高密度の記録再生
装置が構成できる。AFM/STMの応用例として、記
録媒体上を探針にならわせ、電圧を印加することによっ
て局所的に記録媒体の物理状態を変化させて記録ドット
を形成することができる。その一例として、電圧印加に
より記録媒体に凹凸を形成する装置が特開平6−967
14号公報に示されている。他の一例として、導電性基
板上に形成した有機薄膜を記録媒体として用い、記録時
には探針と基板との間に電圧印加し、記録媒体の導電性
を局所的に変化させることによって記録ドットを形成
し、再生時には弱い電圧を印加して、導電性の変化を検
出することによって記録ドットを検出する記録再生装置
が考案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記記録再生装置に用
いる記録媒体の膜厚は、数十nm以下の薄膜であり、欠
陥などにより膜が薄くなっているところや、或いは穴が
あいているところ等においては、非常に低抵抗になって
いる場合がある。このような低抵抗部へ、記録用パルス
電圧を印加すると、記録媒体の機能変化を起こさせる場
合に流れる電流以上に過大な電流が流れてしまうことと
なる。このように、過度の電流が探針先端を流れると、
電流の集中する探針先端は熱溶融などにより破損し、ま
たは変形の危険が生じるという問題があった。また、記
録媒体が数ドット分以上の領域にわたって薄くなってい
るところでは、記録媒体強度が極端に低下しており、そ
のような部分は、探針の走査を繰り返すことによって記
録媒体が破壊されることがある。更に記録媒体の破壊を
きっかけとして電極基板を直接走査することや、激しい
凹凸を走査することで探針先端そのものが破壊されてし
まうという問題があった。
【0005】そこで、本発明は、上記した課題を解決
し、記録媒体上に存在する低抵抗部ヘの記録用パルス電
圧の印加による過度の電流の流れによって、探針が破壊
されてしまうことを防止し、安定した記録を行うことの
できる記録再生装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、探針破壊回避機構を有する記録再生装置を
つぎのように構成したことを特徴とするものである。す
なわち、本発明の記録再生装置は、電極基板上に形成さ
れた記録媒体の表面に対向して近接配置された探針を、
前記記録媒体の表面に対して走査し、前記記録媒体に記
録用パルス電圧を印加し、該探針位置での記録媒体の状
態変化を局所的に起こさせて情報を記録する記録再生装
置において、前記記録用パルス電圧を印加するに際し
て、前記記録媒体上に存在する低抵抗部を検出し、前記
探針の破壊を回避する探針破壊回避機構を有することを
特徴としている。また、本発明の記録再生装置は、前記
探針破壊回避機構が、前記記録用パルス電圧を印加する
直前に、前記探針を用いて前記記録媒体の抵抗を測定
し、前記抵抗の値を予め設定したしきい値と比較し、比
較した結果に基づいて前記記録用パルス電圧の印加の是
非を判断する電圧印加指示機構を、少なくとも備えてい
ることを特徴としている。また、本発明の記録再生装置
は、前記電圧印加指示機構が、記録走査時に定常的にD
C電圧を探針に印加し、探針が記録位置に到達したとき
に探針を流れる電流を検出することによって記録位置で
の記録媒体の抵抗を検出する手段を有することを特徴と
している。また、本発明の記録再生装置は、前記電圧印
加指示機構が、探針が記録位置に到達したときに、記録
用パルス電圧を印加する直前に、抵抗測定用パルス電圧
を印加して、記録位置における記録媒体の抵抗を測定す
る手段を有することを特徴としている。また、本発明の
記録再生装置は前記探針破壊回避機構が、上記した本発
明のいずれかの前記電圧印加指示機構と、該電圧印加指
示機構によって隣り合った複数の記録点における低抵抗
領域を検出して該記録点における低抵抗領域の位置を記
憶する記憶機構とを備え、前記記録点を含む領域の2回
目以降の走査において前記記憶機構が記憶した前記記録
点における低抵抗領域を回避して探針を走査することを
特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は以上の探針破壊回避機構
の構成により、記録媒体上に存在する低抵抗部を検出す
ることが可能となり、探針の破壊を防止することができ
る。すなわち、本発明における探針破壊回避機構を構成
する電圧印加指示機構は、探針が記録点上に到達したと
きに、記録のためのパルス電圧を探針に印加する直前
に、記録点での記録媒体の抵抗を測定し、抵抗が予め設
定した抵抗のしきい値よりも小さければ、パルス電圧印
加を中止するという制御を行う。ここで、前記電圧印加
指示機構は、記録点上で探針に電圧を印加し、電流検出
回路などによって電流を検出することによって抵抗を測
定する。このとき、前記電圧印加指示機構は、探針に定
常的に弱いDC電圧を印加しておき、常に探針を流れる
電流を検出するようにし、探針が記録点に到達したとき
に、その記録点での記録媒体の抵抗が、予め設定した抵
抗のしきい値よりも小さければ、パルス電圧印加を中止
するようにする。または、前記電圧印加指示機構は、走
査中は探針にDC電圧を印加せず、探針が記録点に到達
した時に同期して、探針に記録用パルス電圧を印加する
直前に、記録ドットが形成されない程度に十分低いパル
ス状電圧を探針に印加して、その時流れる電流を測定す
ることによって記録媒体の抵抗を測定し、前記抵抗が予
め設定したしきい値よりも小さければ、記録のためのパ
ルス電圧印加を中止するようにすることもできる。ま
た、前記電圧印加指示機構は、記録媒体の抵抗が、隣り
合った複数の記録点において低い値が検出された場合
は、その領域が比較的広い範囲で記録媒体が薄くなって
いるものと判断する。更には、以上のようにしてパルス
電圧印加を中止した記録点の位置を記憶機構に記憶さ
せ、走査時には前記記憶機構が記憶した前記記録点の位
置を参照するようにし、パルス印加を中止した記録点の
近傍を通る2回目以降の走査では、前記記録点を通過す
る走査を回避することによって、記録媒体が薄くなって
おり強度が低下している部分を繰り返し走査することに
よって記録媒体が破壊されることを回避し、記録媒体の
破壊をきっかけとして探針先端が破壊されてしまうこと
を回避する。
【0008】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。 [実施例1]図1は本発明の実施例1における記録再生
装置の構成図である。記録ドットを形成及び検出するた
めのプローブは、探針1及びカンチレバー2で構成され
る。カンチレバー2及びその一端に保持される探針1
は、Siで一体に形成した。カンチレバーは薄膜であ
り、ばねとしての性質をもつ。探針1及びカンチレバー
2は高い導電性を持たせるために、表面を厚さ約500
nmのPtで被覆した。カンチレバーのばね定数は約
0.01N/m、探針先端の曲率半径は100nm以下
であった。探針1は、記録媒体3に電圧を印加するため
の電極として用いた。記録媒体3を積載した基板4はホ
ルダー5に固定した。記録媒体3を積載する導電性基板
4は、記録媒体3に電圧を印加するための一方の電極と
した。ホルダー5の底部は変位機構6に固定した。変位
機構6は粗動機構7を介して本体に固定した。ここで、
変位機構6は円筒型圧電素子からなり、変位素子駆動回
路12によって駆動され、基板4を基板面に平行及び垂
直な方向へ精密に変位させることができる。変位機構6
をXY変位させ、これに固定された記録媒体3をXY変
位させることによって、探針1を記録媒体3に対して相
対的に走査することができる。粗動機構7は記録媒体3
を探針1に接近させるために駆動する。
【0009】本実施例で用いた記録媒体3は、特開昭6
3−161553号公報に開示されているような電流電
圧特性のスウィッチング現象にメモリー効果を有する有
機化合物の累積膜であるポリイミド薄膜である。このポ
リイミド薄膜は、数μs程度の時間、数Vの電圧をパル
ス的に印加することによって電気伝導特性を高抵抗状態
から低抵抗状態に遷移させることができる。曲率半径が
数十nmの探針を用いて記録媒体に電圧を印加すれば、
記録媒体の導電性を局所的に変化させて、約10nmの
微小記録ドットを形成することができ、超高密度の記録
が可能である。基板4は、真空蒸着法を用いて、Tiを
石英ガラス基板の上に約5nm堆積させ、その上にAu
を30nm堆積したものを用いた。この基板上に、LB
法によってポリアミド酸を10層累積し、次に加熱処理
をしてポリイミド薄膜を形成し記録媒体4とした。ポリ
イミド薄膜の膜厚は約5nmであった。以上のようにし
て得られた記録媒体3を、走査型原子間力/トンネル顕
微鏡を用いて、一定バイアス電圧下で、表面凹凸及び電
流分布を観察したところ、膜厚が薄くなった欠陥部にお
いて、抵抗値が周りよりも低くなっている部分が存在し
た。記録媒体のI−V特性は非線型であり、正常部の抵
抗値は1Vの電圧下で1GΩ以上であったが、膜厚が薄
くなっている欠陥部においては抵抗値は1Vの電圧下で
1MΩ以下に低下していた。
【0010】本実施例において用いた記録媒体は、一定
の時間、電圧をパルス的に印加すると、ある一定以上の
電圧では、高抵抗状態から低抵抗状態へ遷移するが、そ
れ以下の電圧では遷移しないという性質がある。図3
に、0−10Vの記録媒体の電圧−電流特性を示す。電
圧を増大していくと、約5V以上で急激に電流が流れる
様子が観測される。その後電圧を下げても、図2の中で
「記録後」に示されるように低抵抗状態に遷移した状態
が保たれる。しかし、5V以下の電圧では、電流電圧特
性は、電圧上昇時および電圧降下時は同じ経路を通り、
記録ドットは形成されない。従って、印加するパルス電
圧を制御することによって、記録ドット形成と再生を区
別して行うことができる。記録ドット形成時の抵抗の変
化は、バイアス電圧2Vに対して、記録前の値が1GΩ
以上であるのが、記録後の値が10MΩ以下である。た
だし、記録媒体は遷移前の状態及び遷移後の状態におい
ても電圧に対して非線型性を有しており測定電圧によっ
て抵抗は異なる。
【0011】図2は、低電圧域である0〜4Vの電圧に
対する記録前後の電流−電圧特性を示した図である。こ
の特性から、再生電圧を2V程度に設定すれば、電流値
から記録ドットの有無を十分判断できることがわかる。
まず、記録した情報の再生について説明する。上記に示
したように記録情報は記録媒体の局所的な導電性の変化
として記録されているので、導電性の変化を検出するこ
とによって情報を再生することができる。まず、制御部
11は、変位機構駆動回路12に指示して、粗動機構7
を駆動して探針1を記録媒体3に接触させる。次に、制
御部11は、電圧印加指示機構10に対して記録媒体3
にDC電圧を印加するよう命令し、電圧印加指示機構1
0は電圧印加回路8を駆動し探針1と基板4間にDC電
圧を印加させる。次に、制御部11は変位機構駆動回路
12に対して変位機構6を駆動して探針1を走査させ
る。電流検出回路9で探針1を流れる電流を検出する。
電流検出回路9で検出された電流は、信号処理機構13
に送られ走査線上での電流の変化が抵抗の変化として検
出される。制御部11は、信号処理機構13から送られ
る記録媒体3の抵抗の変化の値と、制御部11自信が持
つ探針の位置とを対応させて記録ドットの配列を認識
し、情報を再生する。
【0012】次に記録時の動作について説明する。制御
部11は変位機構駆動回路12に対して、粗動機構7を
駆動し、記録媒体3を探針1に接触させるように命令す
る。次に、制御部11は、変位機構駆動回路12に対し
て、変位機構6を駆動し、探針1を記録媒体3に対して
相対的に走査させる。記録点は格子状に設定されてお
り、探針はこの格子点を結ぶように走査を行う。制制御
部11は、探針1が記録点に到達すると、それに同期し
て電圧印加指示機構10に対して、記録用パルス印加の
命令を出す。更に電圧印加指示機構10は電圧印加回路
8に対して、探針1と基板4の間に記録用パルス電圧を
印加して記録を行うように命令するようにした。このと
き、探針1を流れる電流は電流検出回路9によって検出
することができる。記録用パルス電圧は、波高値10
V、幅1μsの矩形波に設定した。記録用パルス電圧を
印加すると、記録ドットが形成され、このとき最大電流
値が1μA以上の電流が流れる様子が観測される。
【0013】本発明の記録再生装置においては、記録点
における抵抗を測定するために、記録時の走査において
も、電圧印加回路8が、常に探針にDC電圧を加えるこ
ととした。このとき、記録媒体の欠陥が基板まで到達し
ているような場合は、低い電圧でも大きな電流が流れて
しまう恐れがあり、印加するDC電圧は検出限界内であ
り、且つ、できるだけ低い方が望ましい。そこで、記録
走査時に抵抗測定のために印加するDC電圧は、再生電
圧2Vよりも更に低い1Vに設定した。記録走査時は、
電流検出回路9が、常に探針1を流れる電流を検出す
る。図4(a)に示したように、記録点列上に低抵抗領
域が存在すれば、この記録点列上を探針が通過したとき
は、低抵抗部で大きな電流が流れる。このときの様子
を、走査速度を基に、走査距離と走査時間を関連づけて
図4(b)に示す。図に示すように、低抵抗領域通過は
記録ドットの形成の有無に関わらず、1μA以上の電流
が流れる。記録走査時には、記録点上に探針が到達する
のに同期して、信号処理機構13が、電流検出回路9が
検出する電流信号、及び電圧印加回路8からの電圧信号
を基にして探針を流れる電流から抵抗値を算出する。信
号処理機構13で算出された抵抗値は、電圧印加指示機
構10に送られ、電圧印加指示機構10は、抵抗値が予
め設定しておいたしきい値Rs=100MΩ以上の場合
は、即ち10nA以下の電流が検出された場合は、記録
媒体は正常な状態にあると判断し、電圧印加回路8に対
して記録用パルス電圧を印加するようにした。一方、低
抵抗領域を通過するときのように抵抗値が予め設定して
おいた値であるRs=100MΩ以下の場合、即ち、電
流が10nA以上流れた場合は、電圧印加指示機構10
は記録媒体の抵抗が100MΩ以下であると判断し、電
圧印加回路8に対し記録用パルス電圧印加を停止するよ
うにした。このとき、電圧印加回路が記録媒体に印加す
る電圧は、抵抗測定用のDC電圧と記録用パルス電圧を
畳重した電圧となる。即ち、図4(a)に示すような低
抵抗部を含む記録点列では、図4(c)に示すようなパ
ルス電圧が印加されることになる。以上の構成により、
記録時に低抵抗部に記録用パルス電圧を印加することに
よる探針の破壊を回避することができた。
【0014】[実施例2]実施例2における装置の構成
は実施例1と同じである。ただし、本実施例では実施例
1と異なり走査中はバイアス電圧を加えない。本実施例
では、記録点における抵抗を測定するために、探針が記
録点に到達したときに同期して、記録用パルス電圧を印
加する前に、記録現象が起こらない程度に十分低い電圧
のパルス状電圧を印加して記録媒体の抵抗を測定するよ
うにした。制御部11は、探針が記録点に達するのに同
期して、電圧印加指示機構10に対し記録を行うよう命
令する。これを受けて、電圧印加指示機構10は、電圧
印加回路8に対して、記録用パルス電圧印加直前に抵抗
測定用パルス電圧を印加させる。このとき探針を流れる
電流は電流検出回路9が検出し、信号処理機構13に送
られる。信号処理機構13では、電圧印加回路8からの
送られた抵抗測定用パルス電圧と、電流検出回路9が検
出した電流から記録媒体3の抵抗を測定し、その結果
は、電圧印加指示機構10に送られる。電圧印加指示機
構10は、記録媒体の抵抗が設定値であるR=100M
Ω以上であるときには、電圧印加回路8に対しで記録用
パルス電圧を印加させるようにした。即ち、図5に示し
たように、記録用パルス電圧印加直前に抵抗測定用パル
ス電圧を印加する。このとき、電流が10nA以下であ
り、記録媒体の抵抗が設定値であるR=100MΩ以上
であるときには記録用パルス電圧を印加される。一方、
図6に示したように、抵抗測定用パルス電圧を印加した
ときに、電流が10nA以上流れ、記録媒体の抵抗が1
00MΩ以下であると判断された場合は、記録用パルス
電圧の印加は中止される。このとき、本発明に用いた記
録媒体は、パルス幅が1μsの場合、5V以上の電圧を
印加すると、低抵抗状態に遷移を起こし記録ドットが形
成されてしまう可能性がある。そこで、抵抗測定用パル
ス電圧は、1V、1μs矩形波とし、抵抗測定用パルス
の印加によって記録媒体の機能変化を起こさないように
した。
【0015】[実施例3]図7は、本発明の実施例3に
おける記録再生装置の概略構成図である。本実施例で
は、実施例1、または実施例2で示した方法で記録媒体
の低抵抗部へのパルス印加を中止した記録点の位置情報
を記憶しておくための記憶機構14を設けた。本実施例
においては、ある1つの記録点列における記録時の走査
の過程で低抵抗部が検出されると、記憶機構14に一時
的に記憶される。次に、隣の記録点列における走査の過
程で検出された低抵抗部の位置情報が記憶される。記憶
機構14では、これら二つの記録点列における低抵抗部
の位置を比較して、隣り合った記録点において低抵抗部
が形成されていれば、それらの記録点を中心として、複
数の記録点にわたる比較的広い領域で低抵抗部が形成さ
れている可能性が高いと判断し、その位置情報を記憶す
る。制御部11は、走査位置を常に記憶機構14に記憶
された低抵抗領域の位置情報と比較し、低抵抗領域を通
過する2回目以降の走査では、低抵抗領域を走査対象か
ら除外するようにした。
【0016】次に、この様子を図8を参照しながら説明
する。図8(a)では、記録点列を、第1、2、3・・
列の順に走査していくものとする。第2〜4列の途上に
は低抵抗部が存在する。記録時の走査において、電圧印
加指示機構10は、第2列の4、5番目の記録点が低抵
抗であることを検出し、その情報は記憶機構14に送ら
れる。制御部11からの探針の位置情報を基に低抵抗で
ある記録点の位置情報は記憶機構14に一時的に保存さ
れる。次の第3列の走査では、3、4、5番目の記録点
が低抵抗であると検出され、その情報が記憶機構14に
送られる。このとき、記憶機構14は、第3列の低抵抗
の記録点位置を、第2列の低抵抗である記録点位置と比
較すると、それぞれの列の4、5番目の記録点が隣り合
って低抵抗部を形成していると判断し、第2、3列は、
記録不適格列として記憶する。以後、同様の動作が繰り
返され、最終的には第2〜4列が、低抵抗領域を通過す
ると判断され、記憶機構14に記録不適切記録点列とし
て記憶されることになる。このような、広いエリアで形
成された低抵抗部は、その近辺の記録媒体の強度が顕著
に低くなっており、以後の走査を重ねると、記録媒体を
破壊し、更には探針を破壊してしまうことがあり、次回
の記録または再生を行うときの走査時には、走査の対象
から除外することが望ましい。そこで再生時には、図8
の例では(b)に示すように、第2〜4列は、走査対象
から除外し、低抵抗部を通らない、第1列および第5列
のみの走査を行うようにした。以上の構成により、広範
囲に存在する低抵抗部を回避して走査することができる
ようになり、低抵抗領域を繰り返し走査することにより
記録媒体を破壊することを回避し、それに伴って探針を
破壊することを回避することができるようになった。
【0017】
【発明の効果】本発明は、以上の探針破壊回避機構の構
成によって、記録媒体上に存在する低抵抗部の検出を行
い、それによって該低抵抗部への記録用パルス電圧の印
加を回避し、過度の電流の流れによる探針の破壊を防止
し、安定した記録を行うことが可能となる。また、本発
明は、探針破壊回避機構として、記録点で記録用パルス
電圧を印加する直前に、記録点での記録媒体の抵抗を測
定することにより、抵抗値が予め設定しておいたしきい
値よりも低い場合に、記録用パルス電圧の印加の是非を
判断する電圧印加指示機構を構成することによって、記
録点での記録媒体の抵抗が低い場合に、記録用パルス電
圧の印加を中止し、過度の電流の流れによる探針の破壊
を回避することができ、安定した記録を行うことが可能
となる。このとき、記録点における記録媒体の抵抗を測
定する手段を、記録走査中は常に一定のバイアス電圧を
加えておき、探針に流れる電流を検出することによっ
て、記録点での抵抗を測定するように構成し、あるい
は、記録点での記録用パルス電圧印加を行う直前に、抵
抗測定用パルス電圧を印加して、記録点での記録媒体の
抵抗を測定するように構成し、低抵抗部への記録用パル
ス電圧の印加を行うことを回避し、探針の破壊を抑制す
ることができる。また、本発明は、探針破壊回避機構と
して、隣り合った複数の記録点において、低抵抗部が検
出された場合に、その個所を記憶しておき、以後の記録
動作で該箇所の走査を行わない記憶機構を構成すること
によって、記録媒体の破壊を回避し、それによって引き
起こされる探針の破壊を回避して、安定した記録及び再
生時の走査を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における記録再生装置の構成図である。
【図2】記録前後の電流−電圧特性を示す図である。
【図3】記録時の電流−電圧特性を示す図である。
【図4】本発明の実施例1における動作を示す図であ
る。
【図5】本発明の実施例2における通常の記録動作を示
す図である。
【図6】本発明の実施例2における低抵抗領域通過時の
記録動作を示す図である。
【図7】本発明の実施例3における記録再生装置の概略
構成図である。
【図8】本発明の実施例3における動作を示す図であ
る。
【符号の説明】
1:探針 2:カンチレバー 3:支持体 4:記録媒体 5:基板 6:ホルダー 7:変位機構 8:電圧印加回路 9:電流検出回路 10:電圧印加指示機構 11:制御部 12:変位機構駆動回路 13:信号処理機構 14:記憶機構

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極基板上に形成された記録媒体の表面に
    対向して近接配置された探針を、前記記録媒体の表面に
    対して走査し、前記記録媒体に記録用パルス電圧を印加
    し、該探針位置での記録媒体の状態変化を局所的に起こ
    させて情報を記録する記録再生装置において、前記記録
    用パルス電圧を印加するに際して、前記記録媒体上に存
    在する低抵抗部を検出し、前記探針の破壊を回避する探
    針破壊回避機構を有することを特徴とする記録再生装
    置。
  2. 【請求項2】前記探針破壊回避機構は、前記記録用パル
    ス電圧を印加する直前に、前記探針を用いて前記記録媒
    体の抵抗を測定し、前記抵抗の値を予め設定したしきい
    値と比較し、比較した結果に基づいて前記記録用パルス
    電圧の印加の是非を判断する電圧印加指示機構を、少な
    くとも備えていることを特徴とする請求項1に記載の記
    録再生装置。
  3. 【請求項3】前記電圧印加指示機構は、記録走査時に定
    常的にDC電圧を探針に印加し、探針が記録位置に到達
    したときに探針を流れる電流を検出することによって該
    記録位置での記録媒体の抵抗を検出する手段を有してい
    ることを特徴とする請求項2に記載の記録再生装置。
  4. 【請求項4】前記電圧印加指示機構は、探針が記録位置
    に到達したときに、記録用パルス電圧を印加する直前
    に、抵抗測定用パルス電圧を印加して、該記録位置にお
    ける記録媒体の抵抗を測定する手段を有していることを
    特徴とする請求項2に記載の記録再生装置。
  5. 【請求項5】前記探針破壊回避機構は、請求項2〜請求
    項4のいずれか1項に記載の前記電圧印加指示機構と、
    該電圧印加指示機構によって隣り合った複数の記録点に
    おける低抵抗領域を検出して該記録点における低抵抗領
    域の位置を記憶する記憶機構とを備え、前記記録点を含
    む領域の2回目以降の走査において前記記憶機構が記憶
    した前記記録点における低抵抗領域を回避して探針を走
    査することを特徴とする記録再生装置。
JP22077797A 1997-08-01 1997-08-01 探針破壊回避機構を有する記録再生装置 Pending JPH1153779A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22077797A JPH1153779A (ja) 1997-08-01 1997-08-01 探針破壊回避機構を有する記録再生装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22077797A JPH1153779A (ja) 1997-08-01 1997-08-01 探針破壊回避機構を有する記録再生装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1153779A true JPH1153779A (ja) 1999-02-26

Family

ID=16756411

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22077797A Pending JPH1153779A (ja) 1997-08-01 1997-08-01 探針破壊回避機構を有する記録再生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1153779A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013186106A (ja) * 2012-03-12 2013-09-19 Fuji Electric Co Ltd 導電性走査型プローブ顕微鏡

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013186106A (ja) * 2012-03-12 2013-09-19 Fuji Electric Co Ltd 導電性走査型プローブ顕微鏡

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2884447B2 (ja) カンチレバー型プローブ、及びこれを用いた走査型トンネル顕微鏡、情報処理装置
CA2069708C (en) Probe-driving mechanism, production thereof, and apparatus and piezoelectric actuator employing the same
US5396453A (en) Recording/reproducing apparatus such as a memory apparatus
JPH05284765A (ja) カンチレバー型変位素子、及びこれを用いたカンチレバー型プローブ、及びこのカンチレバー型プローブを用いた走査型トンネル顕微鏡並びに情報処理装置
US5717680A (en) Information processing apparatus with mechanism for adjusting interval between substrate for supporting a plurality of probes and recording medium
US5371728A (en) Information recording/reproducing apparatus using probe
US5375087A (en) Tunneling-stabilized magnetic reading and recording
JPH041949A (ja) 情報入力及び/または取出し装置
JP3599440B2 (ja) 情報処理装置の探針位置制御機構および探針位置制御方法、情報処理装置
JPH1153779A (ja) 探針破壊回避機構を有する記録再生装置
JPH117667A (ja) 記録再生装置及び記録再生方法
US6147958A (en) Information recording/reproducing apparatus and method using probe
JP3078141B2 (ja) 記録装置および記録再生装置
JPH0875761A (ja) 走査型プローブ顕微鏡ならびに該顕微鏡を用いた加工装置および情報処理装置
JPH04330653A (ja) 情報再生装置及び情報記録再生装置
JP3093065B2 (ja) 記録再生方法および記録再生装置
JP2934057B2 (ja) プローブユニット及びこれを使用する情報記録及び/又は再生装置
JPH07110969A (ja) 面合わせ方法,位置制御機構および該機構を有する情報処理装置
JP3234952B2 (ja) プローブユニット及びこれを用いた走査型トンネル顕微鏡、情報処理装置
JPH09198728A (ja) 記録再生装置、記録再生方法、および該装置乃至は方法に用いる探針の形成方法
JP3004825B2 (ja) メモリー装置
JPH09306052A (ja) 情報再生装置および情報再生方法
JPH09196932A (ja) 探針の処理方法と該処理を施した探針、及びその探針を用いた情報処理装置
JPH04223203A (ja) カンチレバー型プローブ、これを用いた情報処理装置及び情報処理方法
JPH06307807A (ja) 走査型トンネル顕微鏡及び情報処理装置