JPH09196932A - 探針の処理方法と該処理を施した探針、及びその探針を用いた情報処理装置 - Google Patents

探針の処理方法と該処理を施した探針、及びその探針を用いた情報処理装置

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JPH09196932A
JPH09196932A JP2326196A JP2326196A JPH09196932A JP H09196932 A JPH09196932 A JP H09196932A JP 2326196 A JP2326196 A JP 2326196A JP 2326196 A JP2326196 A JP 2326196A JP H09196932 A JPH09196932 A JP H09196932A
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Masabumi Kiyougaku
正文 教學
Shunichi Shito
俊一 紫藤
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、金属で覆われた探針先端部の表面を
初期の曲率半径を保ったまま滑らかな表面に再構成し、
電圧及び電流印加に対して安定性を向上させるようにし
た探針の処理方法と該処理を施した探針、及びその探針
を用いた情報処理装置を提供することを目的としてい
る。 【解決手段】本発明は、上記課題を達成するため、記録
媒体表面を走査し、前記記録媒体に電圧を印加して情報
処理を行う探針の処理方法において、前記探針に金属表
面を有する探針を用い、前記探針を電極基板に対向配置
して該電極基板に接触させ、前記探針と前記電極基板間
への電圧印加により該探針に流れる電流で該探針先端部
を発熱させて融解し、融解後に電流の遮断により発熱を
停止させて前記探針表面を再凝固させ、初期の探針先端
曲率半径を保ったまま前記探針に滑らかな表面を形成す
るようにしたことを特徴とする探針の処理方法と該処理
を施した探針、及びその探針を用いた情報処理装置を構
成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、走査型原子間力
顕微鏡、或いはこれを応用した情報処理装置に用いられ
る探針で、表面が金属で構成される探針に対して、探針
先端を処理する方法、及び該方法によって処理された探
針、及び該探針を備えた情報処理装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】原子スケールの空間分解能を持つ表面顕
微鏡として走査型トンネル顕微鏡(以下STMと記述す
る)が開発されている。STMは、探針が試料表面上を
走査し、探針と試料の距離を数nm以下に接近させたと
きに流れるトンネル電流を検出して表面像を構成する。
一方、STMから派生した走査型原子間力顕微鏡(以下
AFMと記述する)は、探針を試料に対して数nm以下
に接近させたときに探針と試料表面とに働く原子間力を
検出するもので、絶縁体の観察に対しても有効であり、
やはり原子分解能が得られる。更に、AFM構成で、探
針を導電性にすることによって試料に電圧を印加する機
能を付与したAFM/STMが考案されている(特開平
3−277903)。この装置を用いれば、試料表面の
凹凸と同時に導電性の分布を測定することができる。A
FM/STMを応用すれば、微小領域に情報を記録す
る、超高密度の記録再生装置の実現が可能である。これ
らの記録再生装置では、導電性探針と記録媒体の間にパ
ルス状の電圧を印加することによって局所的に記録媒体
の物理状態を変化させて記録ドットを形成する。その一
例として、電圧印加により記録媒体に凹凸を形成する装
置が特開平6−96714号公報に示されている。
【0003】ところで、AFM/STM、或いはこれを
応用した情報処理装置では、原子間力を検出する手段と
して、一般的にカンチレバーと呼ばれる片持ち型の弾性
体と、カンチレバーの自由端近傍に保持された探針が用
いられている。探針材料には、シリコン、窒化シリコ
ン、二酸化シリコンなどが用いられる。これらの材料は
高いヤング率を有し、探針及びカンチレバーの材料とし
て好適であることと、リソグラフィーやエッチング処理
を用いる半導体製造技術が利用できる製造上の利点があ
ることから好んで用いられる。また、高い分解能を持た
せる場合には、表面酸化法による先鋭化処理を施せば、
数nmの曲率半径を有する鋭い先端を容易に得ることが
できる。このようにして作成された探針は、表面に金属
などの導電性物質を被覆すれば導電性を持たせることが
できる。例えば、真空蒸着やスパッターなどで金属被覆
すれば簡便に導電性被覆を施すことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、非導
電性材料で作成された探針に導電性を持たせるには、表
面に金属等の導電性材料の被覆が施される。この探針に
電圧を印加して情報処理等に用いるには、高電界、或い
は高電流密度という状況下でも安定に探針先端状態を保
持できることが要求される。また、記録再生装置に用い
る場合の探針は、先端の曲率半径が記録ドットのサイズ
を規定し、また、再生時の分解能にも如実に影響を与え
るので、ある一定の大きさを持つように作成される。従
って、金属被覆した後でも当初の曲率半径を保っている
ことが要求される。
【0005】ところが、真空蒸着やスパッターなどによ
る被覆方法では、金属微粒子を探針上に堆積させるの
で、表面金属層は数nm程度の大きさの粒子が凝集して
形成されている。従って、数十nm程度の先端曲率半径
を持つように探針基体を作成しても、金属被覆を施した
場合、微視的には堆積させた粒径程度の凹凸ができてお
り、また、内部には多数の粒界ができている。
【0006】上記のごとく金属被覆を施した探針先端
は、凹凸を無視したときの輪郭は当初の曲率半径を有し
ていても、実質的に曲率半径は小さくなってしまうとい
う問題がある。また、情報処理装置などにおいて探針に
数V以上の電圧を印加する条件、或いは数十nA以上の
電流を流す条件下では、以下の(1)〜(3)のような
問題がある。 (1)先端が微小な粒子で構成されるので、実質的に曲
率半径が小さくなり、電圧印加時に先端部に高電界が集
中し探針原子の電界離脱を起こしやすい。 (2)探針先端部の微小領域に電流が集中し、非常に大
きい電流密度になりうる。先端部に存在する粒界が抵抗
体として働き、先端部が局所的に発熱し易くなる。その
場合、探針先端の融解を引き起こし易く、更に融解が広
がると探針破壊を引き起こす。 (3)走査時に(1)或いは(2)に示された急激な探
針状態の変化が起こった場合、試料を破壊する恐れがあ
る。一般に、表面が金属で構成された探針においては、
先端表面が滑らかではない場合や、内部に粒界などの格
子欠陥が多数存在する場合、同様の問題が生じる恐れが
ある。
【0007】そこで、本発明は、上記のような課題を解
決するため、金属で覆われた探針先端部の表面を初期の
曲率半径を保ったまま滑らかな表面に再構成し、電圧及
び電流印加に対して安定性を向上させるようにした探針
の処理方法と該処理を施した探針、及びその探針を用い
た情報処理装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題を解
決するために、探針の処理方法と該処理を施した探針、
及びその探針を用いた情報処理装置につき、つぎのよう
に構成したものである。すなわち、本発明の探針の処理
方法は、記録媒体表面を走査し、前記記録媒体に電圧を
印加して情報処理を行う探針の処理方法において、前記
探針に金属表面を有する探針を用い、前記探針を電極基
板に対向配置して該電極基板に接触させ、前記探針と前
記電極基板間への電圧印加により該探針に流れる電流で
該探針先端部を発熱させて融解し、融解後に電流の遮断
により発熱を停止させて前記探針表面を再凝固させ、初
期の探針先端曲率半径を保ったまま前記探針に滑らかな
表面を形成するようにしたことを特徴とする。そして、
前記金属表面を有する探針は、その基体を絶縁体で形成
し、該基体の表面に金属を被覆して構成してもよく、ま
た、その探針を金属で形成してもよい。また、本発明に
おいては、前記探針と前記電極基板間には、電圧印加時
に前記探針と前記電極基板との接触を制限するための接
触制限層を設けることができる。この接触制限層は導電
性であっても、絶縁性であっても良い。ただし、絶縁性
の場合は、探針を融解させるに十分な電流を流せる程度
の薄さである必要がある。このようなものとして、有機
薄膜を用いることができる。また、探針溶解後も継続し
て電流を流し続けた場合、過度の温度上昇によって融解
範囲が広がり探針破壊に至る恐れがある。これを防ぐた
めに、本発明においては、前記電流の遮断は、探針融解
に対する電流値の対応表を有し、電圧印加時に探針に流
れる電流値を検出する手段を備え、前記電流値を前記対
応表に参照して探針融解に相当する電流値の検出により
電流を遮断させる手段を用いて電流を遮断するようにす
ることができる。本発明においては、以上のように処理
された探針をもちいれば、探針を記録媒体上を走査する
手段を備え、探針と記録媒体との間に電圧を印加する手
段を備えた情報処理装置で、安定した記録動作を行うこ
とができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明によれば、金属表面を持つ
探針において、探針先端部を、初期の曲率半径を保ちつ
つ、滑らかな探針先端表面を形成することができるの
で、処理後の探針への電圧印加時には、電界集中による
探針先端部の離脱、或いは発熱による探針の破壊を起こ
すことがなく、従って、そのときに併発する記録媒体の
破壊を起こすことがない、安定した電圧印加を行うこと
が可能となる。この時、電極基板と探針の間に接触制限
層を設けたことにより、電流印加時、即ち電圧印加時に
探針と電極基板との接触を制限することができ、探針と
電極基板との融着を起こさずに確実な探針先端表面の形
成を行うことができる。また、接触制限層として有機薄
膜を用いれば、探針溶融に十分な電流を流し且つ探針と
電極基板との融着を回避することのできる制御された膜
厚を持つ接触制限層を容易に形成することができる。ま
た、電圧印加時に探針に流れる電流値を検出し、探針融
解に対する電流値の対応表を参照し、探針融解に相当す
る電流値を検出したら電流を遮断させて、過度の発熱を
抑止することによって探針破壊に至るのを回避すること
ができ、確実な探針表面形成を行うことができる。以上
のような融解及び再凝固によって処理する本発明の探針
の処理方法によると、探針先端の曲率半径を大きく変化
させることなく滑らかな表面を持つ探針先端の形成が可
能となり、電圧印加による情報処理を行った場合でも、
探針変化を起こさずに安定した動作を行うことができ
る。
【0010】
【実施例】以下に、本発明による実施例を図を参照しな
がら説明する。 [実施例1]図8は本実施例で用いた探針及びカンチレ
バーの形状を示す図である。また、図9には探針部の形
状を示した。探針はカンチレバーと共にSiを材料とし
て、半導体プロセスを用いて一体成形した。カンチレバ
ーの一端は、カンチレバーを本体に固定するための基板
に固定されている。探針はカンチレバーの自由端近傍に
形成した(図8)。探針は、結晶異方性エッチング処理
によってピラミッド状に形成し(図9−a)、更に、表
面酸化法によって先鋭化を施した(図9−b)。この時
の探針先端の曲率半径は約10nmであった。
【0011】次に、探針に導電性を持たせるために、探
針及びカンチレバーにはスパッターによってPtを膜厚
100nm堆積した。Pt被覆前後にSEM観察を行っ
たところ、探針形状はSiからなる探針基体の輪郭を反
映していたが、表面はスパッター粒子が堆積したことに
起因する数nmの凹凸ができていた。この状態での探針
先端の様子を図1(a)に示す。ただし、この図では、
金属被覆表面の粒界のみイメージで示したが、同様に内
部にも存在する粒界は省略してある。この時、微小な凹
凸を無視すれば、探針先端の曲率半径は約30nmであ
った。本実施例では、対向電極としてWを用いた。Si
基板上にWを100nmの膜厚まで蒸着して電極基板と
した。Wの融点は3387℃であり、Ptの融点177
2℃に比べるとはるかに高く、電圧印加をして探針処理
を施す場合でもPtとの同時融解の恐れがなく、探針の
金属層との融着を起こしにくい。
【0012】図6に本実施例に用いた装置の概略構成を
示す。この装置は、およそ既存のAFM/STM装置を
用いることが出来る。探針の付いたカンチレバーは本体
に固定される。電極基板は探針に対向するように、基板
ホルダーに取り付けた。電極基板には電圧印加回路が接
続され、電極基板と探針との間に電圧印加することがで
きる。電極基板の底部には圧電素子を取り付け、更に圧
電素子をマイクロメーターに固定し、マイクロメーター
は本体に固定した。マイクロメーターは探針を電極基板
に接近させるための粗動機構、圧電素子は探針を電極基
板に近づけるための微動機構及び探針と電極基板との距
離を帰還制御するための機構である。
【0013】カンチレバーの変位検出には、AFMでは
一般的に用いられている光てこ法を用いた。レーザー発
光素子7を出たレーザー光はカンチレバーの自由端近傍
に照射され、カンチレバーで反射されたレーザー光はレ
ーザー光受光素子8で検出される。レーザー光受光素子
7にはフォトダイオードからなる二分割センサーを用い
ており、各々のセンサーの信号の差はカンチレバーの変
位に比例したレーザー光の反射角の偏位として検出され
る。
【0014】次に操作方法に付いて説明する。マイクロ
メーター6を用いて、電極基板3を探針1に約10nm
以下の距離まで接近させる。次に、圧電素子5を駆動し
て電極基板3を探針1に接触するまで接近させる。この
時、探針1と電極基板3との距離は、探針1が力を受け
ることによってたわむカンチレバー2の先端での変位、
即ちレーザー受光素子8で計測される反射レーザー光の
偏位を計測することによって計測される。偏位検出部で
検出された反射レーザー光の偏位信号は制御部に送ら
れ、偏位信号に基づいて反射レーザー光の反射角が一定
になるように圧電素子の駆動電圧を帰還制御する。これ
によって、Z方向の電極基板の位置制御を行い、探針が
受ける力が一定になるように制御した。次に、制御部が
電圧印加回路を作動させ、探針1と電極基板3との間に
探針マイナスの極性で図4−bに示すパルス状の電圧を
印加する。パルス電圧印加による電流で探針先端は発熱
し、融解を起こす。電圧印加が終了すると自然冷却によ
って融解した探針先端部は再凝固し、滑らかな表面が形
成される(図1)。
【0015】本実施例で用いた探針は先端の曲率半径が
30nmであり、先端部の直径数nm以下の領域が電極
基板に接触している。従って、投入された電流は先端部
に集中して熱を発生する。探針基体を構成するSiの融
点は金属層のPtの融点よりも低いが、電気伝導度がP
tに比べると極めて低いため電流がほとんど流れず、S
i自体が発熱することによって融解することはない。パ
ルス状電圧の電圧値及びパルス印加時間は探針への電流
投入量を規定している。探針破壊を起こさず滑らかな先
端部を形成するためのパルス印加条件は探針材料或いは
装置の構成によっても異なる。本実施例の構成では、典
型的には、パルス印加時間を1msにした場合、パルス
電圧6Vであった。
【0016】以上のようにして処理された探針をSEM
で観察したところ、先端から約100nmの先端近傍の
み融解を起こしており、非常に滑らかな表面が形成され
ていることが確かめられた。また、先端の曲率半径は約
30nmであり、処理前の探針の輪郭の曲率半径を保っ
ていた。本実施例では、探針の金属被覆にはPtを用い
たが、金属材料はこれに限定されるものではない。ただ
し、パルス印加条件は、金属材料によって異なる。例え
ば、Auを被覆材料に用いて、1msのパルス電圧を加
えて先端の処理を施した場合、Ptに比べると1V程
度、適正電圧が低かった。これは、Auの融点が106
4℃とPtに比べると低いためである。
【0017】[実施例2]実施例2では、実施例1に対
して、電極基板上に探針と電極基板を構成する金属との
接触を制限するための接触制限層を設けた。実施例2に
おける装置の構成は実施例1における装置の構成に対し
て、電極基板の構成以外は同一である。電極基板には、
石英ガラス基板の上に、Crを真空蒸着法によって5n
m堆積させ、更にその上にAuを同法によって30nm
蒸着したものを用い、更にその上に接触制限層を設けた
(図3−a)。接触制限層は電界電子放出が起こる程度
に薄くする必要があるが、例えばラングミュア−ブロジ
ェット(LB)法を用いれば任意の金属上に容易に有機
薄膜を形成することができる。そこで、ここでは、ポリ
アミック酸をLB法によって電極基板上に4層累積し、
加熱処理を施してポリイミド薄膜を形成した。この時、
膜厚は約2nmであった。本実施例で用いたポリイミド
は絶縁性であり、数V以上の高電圧の印加によって絶縁
破壊を起こし、大きな電流が流れ込むことによって探針
と接触している部分が局所的に熱的に破壊され、同時に
探針融解を起こすのに十分な電流を流すことが出来るよ
うになる(図3−b)。しかも、破壊された回りの部分
が探針と電極基板との接触を制限し、探針と電極基板と
の融着を防ぐことができる。
【0018】また、ポリイミドとして、例えば特開昭6
3−161553号公報に示されたような電気電流特性
にメモリー効果があるものを用いても良い。この場合、
探針によるポリイミド薄膜ヘの電圧印加によって局所的
に低抵抗状態に遷移し、更に高い電圧を印加することに
よって探針融解に十分な電流を流すことが出来る(図3
−b)。高電流印加時には、探針直下の膜が部分的に破
壊されることがあるが、破壊部分の周囲が探針と基板と
の接触を制限することができる。本実施例では、実施例
1と同じ構成の探針に対して、探針処理を行った。図4
−bに示すパルス電圧を10ms印加した場合の、探針
表面を再構成するための最適電圧値は約8Vであった。
【0019】[実施例3]図7に実施例3における装置
の構成を示す。実施例3では、実施例2に加えて、電流
検出回路を設け、電圧印加時に電流をモニターし、ある
設定電流に達したら、電圧印加を停止する機構を付与し
た。この機構を設けたことによって、探針に電流を投入
して探針先端部が融解を起こした時に、速やかに電流を
遮断し、熱の発生を停止させて金属層を再凝固させ、過
度の温度上昇によって探針が破壊されることを防ぐこと
ができる。ここでは、時間変化に対してある一定の上昇
率で電圧上昇するように設定し、電流検出回路が探針融
解に対応する電流Jc設定電流値を検出したら、制御部
が電圧印加回路に対して電圧印加を停止させるようにし
た。この様子を図5に示す。本実施例では、実施例1と
同じ構成の探針を用い、印加電圧の上昇率を10V/m
sに設定して探針処理を行った。探針処理前後のSEM
観察を行ったところ、電流が1μA以上流れた場合、探
針溶解が起こることが確かめられた。そこで、前記条件
での電流遮断の設定値はJc=1μAとした。
【0020】[実施例4]図10に、実施例1〜実施例
3のいずれかの処理と同様に処理された探針を用いた記
録再生装置を示す。本実施例における記録再生装置は、
実施例3における装置に対して、探針を記録媒体に対し
て走査する機能、記録媒体上の任意の位置にパルス状の
電圧を印加する機能を付与し、記録媒体上の任意の場所
に記録動作を行うことが出来るようにしたものである。
探針を記録媒体上を走査するためのXYZ変位機構に
は、記録媒体を保持する圧電素子をXY変位できるもの
にした。記録媒体としては、特開昭63−161553
号公報に開示されている電流電圧特性に電気メモリー効
果を有する有機化合物の累積膜を用いた。これを、電極
基板上に10層累積し、更に熱処理を加えて成形した。
【0021】次に、記録動作に付いて説明する。まず、
マイクロメーター及び、圧電素子を駆動して探針1を記
録媒体9に接触させる。このとき、探針1の記録媒体9
への接触は、実施例1と同様に光てこ法を用いカンチレ
バー2の変位で検出した。制御部は変位部が検出したカ
ンチレバー2の変位量を基にして、駆動部を通じて、探
針1が受ける力が一定になるようにXYZ変位機構10
の伸縮を帰還制御する。次に、制御部は、駆動回路に対
してXYZ変位機構10がXY変位するように命令を出
し、探針を記録媒体上を走査させる。予め設定した記録
地点に探針が到達したら、図4−aに示した波形のパル
ス電圧を印加させて記録を行った。この時の、パルス波
高値は5V、パルス印加時間は10μsであった。
【0022】記録ドットの検出には、電圧印加部によっ
て探針と基板との間には数百mVの直流バイアス電圧が
加えられ、探針と記録媒体との間に流れる電流が電流検
出部によって検出される。記録面上を探針が走査し、局
所的に導電性が変化している箇所は記録ドットとして認
識される。上記の記録条件では、直径10nmの低抵抗
化した部分、即ち記録ドットが形成された。記録操作を
行う前後で、同探針を用いて記録媒体のAFM像を取得
し比較したところ、解像度は変化しておらず、探針形状
は記録操作によっても変化していないことが確かめられ
た。また、記録操作前後で、探針先端のSEM観察を行
ったが、探針先端の形状は変化していなかった。
【0023】
【発明の効果】本発明は、以上の構成による探針の処理
方法によって、表面が金属で構成された探針において、
探針先端の曲率半径を大きく変化させることなく滑らか
な表面を持つ探針先端の形成が可能となり、記録時の電
圧印加に対しても安定した探針を提供することができ
る。また、本発明による探針の処理方法によって処理さ
れた探針を情報処理装置に用いることによって、電圧印
加による探針金属の電界離脱を抑制することができ、ま
た電流による発熱を抑制することができ、探針先端状態
が変化することなく安定な動作を行う情報処理装置が実
現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は金属被覆を施した探針先端、図1
(b)は融解し再凝固した探針先端を示す図である。
【図2】探針及び電極基板を示す図である。
【図3】探針及び電極基板において、図3(a)は低抵
抗化した接触制限層、図3(b)は局所的に破壊を起こ
した接触制限層を示す図である。
【図4】図4(a)F三角パルス波形、図4(b)は矩
形パルス波形を示す図である。
【図5】実施例3における印加電圧及び電流の時間変化
を示す図である。
【図6】実施例1及び実施例2における装置の構成図で
ある。
【図7】実施例3における装置の構成図である。
【図8】探針及びカンチレバー形状を示す図である。
【図9】図9(a)は探針形状、図9(b)は先鋭化後
の探針形状を示す図である。
【図10】実施例3における記録再生装置の概略構成図
である。
【符号の説明】 1:探針 2:カンチレバー 3:電極基板 4:基板ホルダー 5:圧電素子 6:マイクロメーター 7:レーザー発光素子 8:レーザー受光素子 9:記録媒体 10:XYZ変位機構

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体表面を走査し、前記記録媒体に電
    圧を印加して情報処理を行う探針の処理方法において、
    前記探針に金属表面を有する探針を用い、前記探針を電
    極基板に対向配置して該電極基板に接触させ、前記探針
    と前記電極基板間への電圧印加により該探針に流れる電
    流で該探針先端部を発熱させて融解し、融解後に電流の
    遮断により発熱を停止させて前記探針表面を再凝固さ
    せ、初期の探針先端曲率半径を保ったまま前記探針に滑
    らかな表面を形成するようにしたことを特徴とする探針
    の処理方法。
  2. 【請求項2】前記探針は、その基体が絶縁体で形成され
    ており、前記基体の表面に金属が被覆されていることを
    特徴とする請求項1記載の探針処理方法。
  3. 【請求項3】前記探針は、金属から形成されていること
    を特徴とする請求項1記載の探針の処理方法。
  4. 【請求項4】前記探針と前記電極基板間には、電圧印加
    時に前記探針と前記電極基板との接触を制限するための
    接触制限層が設けられていることを特徴とする請求項1
    〜請求項3のいずれか1項に記載の探針の処理方法。
  5. 【請求項5】前記接触制限層が、有機薄膜であることを
    特徴とする請求項4に記載の探針の処理方法。
  6. 【請求項6】前記電流の遮断は、探針融解に対する電流
    値の対応表を有し、電圧印加時に探針に流れる電流値を
    検出する手段を備え、前記電流値を前記対応表に参照し
    て探針融解に相当する電流値の検出により電流を遮断さ
    せる手段を用いて電流を遮断するようにしたことを特徴
    とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の探針
    の処理方法。
  7. 【請求項7】探針を記録媒体表面に対向配置してこれら
    を相対的に走査し、前記記録媒体に電圧を印加して情報
    処理を行う情報処理装置において、請求項1〜請求項6
    のいずれか一項に記載の探針の処理方法を施して構成さ
    れていることを特徴とする探針。
  8. 【請求項8】探針を記録媒体表面に対向配置してこれら
    を相対的に走査し、前記記録媒体に電圧を印加して情報
    処理を行う情報処理装置において、前記探針が請求項7
    に記載の探針を備えていることを特徴とする情報処理装
    置。
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