JP3697025B2 - 微細加工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細な領域に電子を閉じ込める構造を形成する微細加工方法に関するものであり、特に、それを走査型プローブ顕微鏡を用いて行うようにした微細加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、物質の表面を原子オーダーの分解能で観察できる走査型トンネル顕微鏡(以下STMという)[G.Binnig et al.,Physical Review Letters 第49巻57頁(1982)]が開発され、原子、分子レベルの実空間観察が可能になってきた。
走査型トンネル顕微鏡は、トンネル電流を一定に保つように探針電極、導電性試料の距離を制御しながら走査し、その時の制御信号から試料表面の電子雲の情報、試料の形状をサブナノメートルのオーダーで観測することができる。
また、物質の表面をやはり高分解能で観察できる手段として原子間力顕微鏡(以下AFMという)が開発されている。
AFMによれば絶縁物の表面でもその形状をサブナノメートルのオーダーで観測することができる。STMあるいはAFM等、試料表面を探針を用いて2次元走査を行い、そのプローブ(探針)と試料表面の相互作用から試料表面の物理情報を観測する手段は一般に走査型プローブ顕微鏡(SPM)といわれ、高分解能の表面観察手段として注目されている。
さらに、これらSPMの原理を応用すれば、十分に原子オーダーでの微細加工を行うことが可能である。
例えば特開昭63−161552号公報、特開昭63−161553号公報にはSTM技術を用いて絶縁膜に電圧を印加して絶縁膜の導電率の変化を発生させる技術が開示されている。
この技術によればナノメートルスケールで導電率の上昇した部分を形成することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、サブミクロン以下の微小な領域に電子を閉じ込めることにより量子効果を発現するデバイスの構成要素となすことが可能となる。
例えば数nmから数百nmの大きさの球状あるいは立方体状の導電性の領域を形成しこれを非導電性の領域で囲むことにより電子の閉じ込め効果が発生する量子ドットと呼ばれる構造が得られる。
また、数nmから数百nmの径を持つ棒状の導電性領域を形成し、これを非導電性の領域で囲むことにより電子の閉じ込め効果が発生する量子細線と呼ばれる構造が得られる。
このように、微細な領域に電子を閉じ込める構造を形成することが量子効果を発現するデバイスを作成するために重要な役割をはたす。
ところが、特開昭63−161552号公報、特開昭63−161553号公報に開示されている技術では導電性が上昇した部分が基板電極と電気的に接続されているために、微小領域に電子を閉じ込めることは難しい。
【0004】
そこで、本発明は上記課題を解決し、微細な領域に電子を閉じ込める構造を形成する微細加工方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、微細な領域に電子を閉じ込める構造を形成する微細加工方法を、つぎのように構成したことを特徴としている。
すなわち、本発明の微細加工方法は、微細な領域に電子を閉じ込める構造を形成する微細加工方法であって、導電性基板上に設けられた非導電性薄膜に対向して配置された探針を、非導電性薄膜の加工すべき表面または該表面近傍に位置させ、前記導電性基板と前記探針との間に電圧を印加して、前記非導電性薄膜の導電率が上昇した導電性上昇部を形成し、前記導電性上昇部の少なくとも一部と、少なくとも一部に非導電性を有する別の基板の該非導電性部分の一部とを接触させ、前記導電性上昇部を含む非導電性薄膜を前記別の基板に転写し、該導電性上昇部を非導電性の領域で囲んで微細な領域に電子を閉じ込める構造を形成することを特徴としている。
また、本発明の微細加工方法は、前記非導電性薄膜が、ラングミュアーブロジェット法により形成されたことを特徴としている。
また、本発明の微細加工方法は、前記非導電性薄膜が、ポリイミドであることを特徴としている。
また、本発明の微細加工方法は、前記探針が、弾性体により支持された構成を備え、前記電圧印加が該弾性体により支持された探針の先端が前記非導電性薄膜表面に接触した位置で行われることを特徴としている。
また、本発明の微細加工方法は、前記弾性体のたわみ量を検出するステップを含むことを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、上記構成により、電気的に導電率の上昇した微細な領域を形成することが可能となり、該微細な領域に電子を閉じ込める構造を形成することができる。
ここで、本発明における非導電性薄膜は、電圧印加により導電性が上昇するものからなる膜であればなんでもよい。導電性の上昇のためのメカニズムは電圧印加によるものであれば何でもよく、例えば電圧印加による電子状態の変化や、電圧印加により発生する熱による状態変化等がある。
導電性基板は前記非導電性薄膜の下地となる基板でありなるべく平坦なものが望ましい。前記導電性基板は前記非導電性薄膜に電圧を印加するときに片側の電極として作用する。
また、ここでいう非導電性薄膜および導電性基板とは非導電性薄膜の導電性が導電性薄膜の導電性に比べて低いものであればよく、探針と導電性基板との間に電圧を印加すると非導電性基板に電圧がかかるものであればよい。
従って、非導電性薄膜として半導体、導電性基板として金属を用いる構造のようなものでもよい。ただし、非導電性薄膜は電圧の印加により導電性が上昇するものでなければならない。
上記条件を満たす非導電性薄膜の材料としては、例えばポリイミドや鉛フタロシアニン等が挙げられる。
【0007】
探針はSPMで用いる探針である。
本発明による探針は導電性材料により形成されており前記非導電性薄膜表面に接触または表面近傍に位置し、前記非導電性薄膜に電圧を印加することにより導電率を変化させる。探針先端の形状は加工しようとするサイズに適した形状を用いる。
転写先の基板はその表面の少なくとも一部は非導電性である。
ここで非導電性とは前記電圧印加によって導電率が上昇した部分に対してエネルギーバリアが存在する性質をいう。
これは前記導電率上昇部に存在する電子のエネルギーレベルに対してエネルギーバリアが存在するものでもよく、また前記導電率上昇部に存在する正孔のエネルギーレベルに対してエネルギーバリアが存在するものでもよい。例えば、前記導電性上昇部が金属的性質を示す場合その仕事関数より低い電子親和力をもつ半導体を前記転写先基板として用いれば、前記導電性上昇部の電子から見て前記転写先基板との界面にエネルギーバリアが存在することになる。
【0008】
つぎに、図1に基づいて本発明による微細加工方法を説明する。
まず、探針101先端を非導電性薄膜102の加工を行いたい位置の表面または表面近傍に位置させる(図1(1))。
表面近傍とは探針から非導電性薄膜に電圧を印加したときにその効果が非導電性薄膜に働く位置をいう。
これは印加した電圧が非導電性薄膜の導電性が変化するに足りる電圧が非導電性薄膜に印加されたり、また印加された電圧により非導電性薄膜の導電性が変化するに足りる電流が非導電性薄膜に流れることである。
つぎに、探針101と導電性基板102との間に外部に接続された電源104から電圧を印加する。
この電圧印加により非導電性薄膜に基板と垂直方向に電圧が印加され、非導電性薄膜の導電性が上昇する(図1(2))。この部分を導電性上昇部105と呼ぶ。この状態では導電性上昇部105は導電性基板103と電気的に接続されている。
【0009】
つぎに、非導電性の基板106を用意し、これを導電性上昇部105を含む非導電性薄膜102表面上に接合させる(図1(3))。
次にこの状態で接合した非導電性薄膜102とともに基板106を剥離する(図1(4))。
このとき、非導電性薄膜102の導電性上昇部105も一緒に剥離する。こうして非導電性薄膜102を非導電性基板106に転写する。図1では基板106は全体を絶縁性としている。
基板106は絶縁性であるため導電性上昇部105は電気的に外部と絶縁された微細部分となる。
なお、図1では基板106全体を非導電性としているが、非導電性薄膜102と接する側の表面が非導電性であればよい。
また、非導電性薄膜102と接する側全体が非導電性ではなくても導電性上昇部105の下部となる部分が非導電性であればよい。
非導電性薄膜は電圧印加により伝導度が上昇するものからなる膜であればなんでよいが、ポリイミドをもちいると機械的強度が上昇し、探針が非導電性薄膜に万が一衝突しても機械的損傷を抑制することができる。
【0010】
また、非導電性薄膜としてラングミュアーブロジェット法(LB法)により作成した薄膜を用いると、薄膜表面が特に平坦になるため探針の衝突も抑制でき、また印加する電圧の条件の場所依存性も減少させることができる。
本発明において探針は従来のSPMとしての動作を行うことも可能である。
例えば前記探針と前記導電性基板との間に非導電性薄膜が導電率上昇を行わない程度に電圧を印加して、そのときに流れる電流が一定になるように探針の図1に示すZ方向に移動制御しながら図示XY方向に走査し、そのときのZ方向の制御信号から非導電性薄膜102表面の情報をえることができる。これは従来のSTMによる表面観察である。
また、本発明において弾性体に支持された探針を用いることにより非導電性薄膜表面に探針先端がちょうど接触した状態にすることができ、この接触した位置で電圧印加を行うことにより、前記非導電性薄膜の中に前記探針がもぐりこみ前記非導電性薄膜を破壊することが防止できる。この弾性体の例としては通常AFMにおいてカンチレバーとして用いられる板バネ状のものが挙げられる。
これは探針先端が非導電性薄膜表面に接触した状態から探針先端が非導電性薄膜表面に押し付けるように弾性体支持部を移動させても弾性体のたわみによりその力が吸収されるようにできるからである。
また、このときのたわみ量を検出することにより通常のAFMの動作をすることが可能となる。
この状態で通常のAFM動作の機能を付与することにより導電率上昇のための電圧印加をする前に電圧を印加することなく表面を観察しながら位置決めを行うことができ、非導電性薄膜に不必要な電圧を印加することを避けることが可能となる。
【0011】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
本発明の実施例1を図2に示す微細加工装置を用いた微細加工法について述べる。本微細加工装置は、
201 探針
205 ピエゾ素子
206 電源
207 電流検出装置
208 Z方向位置制御回路
209 XY方向位置制御回路
210 マイクロコンピュータ
で構成されている。
また加工の対象となる試料は、
202 ポリイミドLB膜
203 Au薄膜
204 マイカ
である。
Au薄膜203はマイカ204にエピタキシャル成長させたAu薄膜である。
ポリイミドLB膜202はラングミュアーブロジェット(LB)法により形成され、膜厚は約3nmである。このポリイミドLB膜202は電圧印加により導電性が上昇する。
ここではポリイミドLB膜202、Au薄膜203、マイカ204を合わせて加工試料211という。
【0012】
探針201は、Pt製で通常のSTMに用いるものであり、その先端の曲率半径は10nmのオーダである。
ピエゾ素子205は、通常、STMに用いるピエゾを用いており、上部に加工試料211を支持している。
このピエゾ素子に外部から電圧を印加することにより加工試料211を図示X、Y、Z各々の方向に移動させる。
これにより探針201と加工試料211の相対的位置を制御することが可能となる。
電源206は探針201とAu薄膜203との間に電圧を印加する。
電流検出装置207は探針201とAu薄膜203との間に流れる電流を検出し、その値をZ方向位置制御回路208、マイクロコンピュータ210に送る。
Z方向位置制御回路208はマイクロコンピュータ210からの指示によりピエゾ素子205に電圧を印加して、ピエゾ素子205のZ方向の位置を制御する。また、Z方向位置制御回路208はマイクロコンピュータ210から指定される電流値と電流検出装置207からの値が等しくなるようにピエゾ素子205のZ方向を制御することも可能である。
【0013】
XY方向位置制御回路209はマイクロコンピュータからの指示によりピエゾ素子205に電圧を印加して、ピエゾ素子205のXY方向の位置を制御する。マイクロコンピュータ210は加工試料211の微細加工を行うための制御全般をつかさどる。
【0014】
本実施例における微細加工は、以下のとおりに行う。
まず、マイクロコンピュータ210の指示によりXY方向位置制御回路209が信号を出し、探針201の先端が加工試料211表面の加工を施したい位置に来るようにピエゾ素子205をX−Y方向に移動させる。
つぎにマイクロコンピュータ210が探針201の先端と加工試料211の距離を両者に流れる電流として規定する。
次に電源206により電圧が探針201とAu薄膜203の間に印加され、探針201とAu薄膜203の間に流れる電流を電流検出装置207が検出し、その値が先に規定した電流値となるようにZ方向位置制御回路208がピエゾ素子205を制御する。
なお、このとき印加する電圧を距離制御用電圧と呼ぶ。規定の電流値になったところで、Z方向位置制御回路208の動作をやめ、Z方向の動きを止める。この状態でポリイミドLB膜202の導電率を上昇させるための電圧を電源206から印加する。この電圧を導電率上昇用電圧という。
一般に距離制御用電圧はその電圧印加によりポリイミドLB膜202の導電率が上昇しない程度に設定してあり、導電率上昇電圧はポリイミドLB膜202の導電率が上昇するに十分な値が設定されている。
本実施例では距離制御用電圧として0.4V、導電率上昇用電圧として4.0Vとした。
本実施例ではこの導電率上昇用電圧を印加することにより、ポリイミドLB膜202に直径約5nmの領域に導電率上昇の領域を形成できた。
【0015】
つぎに、図3に示す方法でポリイミドLB膜を剥離、転写する。
図3において
300 導電性上昇部
301 Si基板
302 エポキシ樹脂
である。導電性上昇部300は電圧印加により導電性が上昇した部分である。エポキシ樹脂302はSi基板301に塗布したものであり、塗布後乾燥させることにより固化し接着剤の作用をするものである。
【0016】
本実施例ではまずSi基板301にエポキシ樹脂302を塗布する(図3(1))。
エポキシ樹脂302が固化する前にエポキシ樹脂302表面をポリイミドLB膜202表面に接触させ、この状態でエポキシ樹脂302を固化させる(図3(2))。
【0017】
つぎに、Si基板301を加工試料211から剥がすが、このとき既にエポキシ樹脂は固化しており、Si基板301とエポキシ樹脂302及びポリイミドLB膜202が一体化して剥離する(図3(3))。
エポキシ樹脂302は絶縁性であり、電子は導電性上昇部303に閉じ込められ量子効果を発現することができる。
本実施例では探針201の位置を固定して導電率上昇用電圧印加を行い導電率上昇を発生させた後に転写を行うことにより、点状の領域に電子を閉じ込める構造を作成することができた。
上記方法に加え、導電率上昇用電圧を印加した状態で探針201を試料表面XY方向に移動することにより線状あるいは面状で導電性上昇の領域を作成し、その後に転写を行うことにより線状、あるいは面状の領域に電子を閉じ込める構造を形成することも可能である。
また、本実施例では加工する材料としてポリイミドを用いており、探針による加工試料表面の損傷を抑制することができた。また、本実施例においてはLB法により作成した膜を使用しているため、加工試料表面が平坦であり探針による加工試料への衝突を抑制することができ、やはり加工試料表面の損傷を抑制することができる。
【0018】
[実施例2]
つぎに、本発明による実施例2を示す。本実施例では図4に示す微細加工装置を用いた。本実施例で用いた加工装置は
401 探針
402 カンチレバー
403 レーザ
404 2分割センサ
408 ピエゾ素子
409 電源
410 Z方向位置制御回路
41l XY方向位置制御回路
412 たわみ量検出装置
413 マイクロコンピュータ
から構成されている。本実施例では加工の対象として、
405 ポリイミドLB膜
406 Au薄膜
407 マイカ
を用いており、これは実施例1で用いたポリイミドLB膜202、Au薄膜203、マイカ204と同じであり、ここではポリイミドLB膜405、Au薄膜406とマイカ407を合わせて加工試料414という。
【0019】
探針401はPt製であり、実施例1で用いた微細加工装置と同様に先端が鋭利なもので、板バネ状のカンチレバー402に支持されている。
このカンチレバー402は通常のAFMにおいて用いられるものと同様のものであり、本実施例においてはバネ定数0.05N/mのものを使用した。
レーザ403はカンチレバー402の加工試料と反対側の面を照射するものであり、本実施例においては半導体レーザを用いた。
レーザ403から照射されたレーザ光はカンチレバー402により反射され、2分割センサ404に導入される。
2分割センサ404は2つのフォトダイオードから構成され、この2つのダイオードにレーザ光がほぼ均等になるように導入される。
【0020】
カンチレバー402がたわむとレーザ光の反射が変化し、2分割センサ404の2つのフォトダイオードに導入される光の割合が変化する。この光の変化量はたわみ量検出装置412に送られ、たわみ量検出装置はその入力信号からたわみ量を算出する。このたわみ量は探針401が加工試料414から受ける力を示している。この検出方法は通常のAFMにおける光てこ方式と呼ばれるものである。
ポリイミドLB膜はラングミュアーブロジェット法により形成されたポリイミド膜であり電圧の印加に導電率が増加する。
ピエゾ素子408は実施例1におけるピエゾ素子205と同じものである。
電源409は探針401とAu薄膜406との間に電圧を印加する。
Z方向位置制御回路410はマイクロコンピュータ413からの指示によりピエゾ素子408に電圧を印加して、ピエゾ素子408のZ方向の位置を制御する。また、Z方向位置制御回路410はマイクロコンピュータ413から指定される値とたわみ量検出装置412の出力値が等しくなるようにピエゾ素子408のZ方向を制御することも可能である。
XY方向位置制御回路411はマイクロコンピュータからの指示によりピエゾ素子408に電圧を印加して、ピエゾ素子408のXY方向の位置を制御する。
マイクロコンピュータ413は加工試料414の微細加工を行うための制御全般をつかさどる。
【0021】
本実施例における微細加工は以下のとおりに行う。
マイクロコンピュータ413が探針401の先端と加工試料414との間に働く力をカンチレバー402のたわみ量として規定する。
次にマイクロコンピュータ413の指令によりZ方向位置制御回路410が動作して探針401と加工試料414を接触させてたわみ量検出装置412の出力が規定値になるように制御する。
この帰還制御を保ったままマイクロコンピュータ413の指示によりXY方向位置制御回路411が信号を出し、探針401の先端が加工試料414表面を走査するようにピエゾ素子408をX−Y方向に走査させる。
この時のXY方向の制御信号とZ方向の制御信号から、加工試料414の表面形状を観察する。
これは通常のAFMの動作である。このAFMによる表面観察を行うことにより試料加工を行いたい位置を容易に特定することが可能である。
次に加工を行いたい位置に来たところでZ方向位置制御回路410とXY方向位置制御回路411によるピエゾ素子408への出力電圧を固定してZ方向及びXY方向の移動をやめる。次にマイクロコンピュータ413の指令により電源409が動作して、ポリイミドLB膜405の導電率を上昇させるための電圧を印加する。
本実施例では7Vの電圧を印加することにより直径約10nmの領域に導電率上昇の領域を形成できた。
【0022】
つぎに、実施例1に示した方法と同様な方法によりポリイミドLB膜405をエポキシ樹脂上に転写する。この場合、
ポリイミドLB膜202 を ポリイミドLB膜405
Au薄膜203 を Au薄膜406
マイカ204 を マイカ407
加工試料211 を 加工試料414
として考えればよい。
また、本実施例でも加工する材料としてポリイミドを用いており、探針による加工試料表面の損傷を抑制することができた。また、LB法により作成した膜を使用しているため、加工試料表面が平坦であり探針による加工試料への衝突を抑制することができ、やはり加工試料表面の損傷を抑制することができる。
【0023】
[実施例3]
つぎに、図5に示した微細加工装置で実施例3を示す。
本実施例においてはGeSb2Te4膜を加工する。本実施例では加工する試料がポリイミドLB膜の代わりにGeSb2Te4となっている点が実施例2と異なる。
GeSb2Te4501はAu薄膜406上にスパッタ法により形成した膜であり、電圧の印加により導電率が上昇する。
本実施例ではGeSb2Te4薄膜501、Au薄膜406及びマイカ407を合わせて加工試料502と呼ぶ。
加工試料502を除いた微細加工装置は実施例2で用いた微細加工装置と同じである。
【0024】
本実施例における微細加工は以下のようにして行う。
まず、実施例2において示した方法と同様な方法で探針401先端がGeSb2Te4501表面の加工を行いたい位置に移動させる。次にマイクロコンピュータ413の指令により電源409が動作して、GeSb2Te4501の導電率を上昇させるための電圧を印加する。本実施例では10Vの電圧を印加することにより直径約20nmの領域に導電率上昇の領域を形成できた。
つぎに、加工試料502をピエゾ素子408からとりだし、図6に示すステップを行う。
取り出した加工試料502(図6(1))に対して、まずSiO2膜601をスパッタ法によりつけ、次にAu/Cr膜602をスパッタ法により積層する(図6(2))。
なお、この取り出した加工試料502のGeSb2Te4薄膜501には電圧印加により生じた導電性上昇部600が含まれる。
つぎに、その上にSi基板603を接触した状態(図6(3))で加熱処理を行うことによりAu/Cr膜602とSi基板603とで共晶状態を発生させる。つぎに、Si基板603、Au/Cr膜602、SiO2膜601、GeSb2Te4501を剥離する(図6(4))。
GeSb2Te4501に含まれた導電性上昇部600はSiO2膜601によりSi基板、Au/Cr膜602から電気的に絶縁され、この領域に電子の閉じ込め状態を発生させることができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、以上のように、電圧印加により、非導電性薄膜に導電率が上昇した微細な導電性上昇部を形成し、該導電性上昇部の少なくとも一部と、少なくとも一部に非導電性を有する別の基板の該非導電性部分の一部とを接触させ、この導電性上昇部を含む非導電性薄膜を前記別の基板に転写する構成により、微細な領域に電子を閉じ込める構造を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による微細加工方法を示す図である。
【図2】実施例1に用いた微細加工装置を示す図である。
【図3】実施例1の加工方法を示す図である。
【図4】実施例2に用いた微細加工装置を示す図である。
【図5】実施例3に用いた微細加工装置を示す図である。
【図6】実施例3の加工方法を示す図である。
【符号の説明】
101:探針
102:非導電性薄膜
103:導電性基板
104:電源
105:導電性上昇部
106:基板
201:探針
202:ポリイミドLB膜
203:Au薄膜
204:マイカ
205:ピエゾ素子
206:電源
207:電流検出装置
208:Z方向位置制御回路
209:XY方向位置制御回路
210:マイクロコンピュータ
300:導電性上昇部
301:Si基板
302:エポキシ樹脂
401:探針
402:カンチレバー
403:レーザ
404:2分割センサ
405:ポリイミドLB膜
406:Au薄膜
407:マイカ
408:ピエゾ素子
409:電源
410:Z方向位置制御回路
411:XY方向位置制御回路
412:たわみ量検出装置
413:マイクロコンピュータ
501:GeSb2Te4薄膜
502:加工試料
600:導電性上昇部
601:SiO2薄膜
602:Au/Cr膜
603:Si基板

Claims (5)

  1. 微細な領域に電子を閉じ込める構造を形成する微細加工方法であって、導電性基板上に設けられた非導電性薄膜に対向して配置された探針を、非導電性薄膜の加工すべき表面または該表面近傍に位置させ、前記導電性基板と前記探針との間に電圧を印加して、前記非導電性薄膜の導電率が上昇した導電性上昇部を形成し、前記導電性上昇部の少なくとも一部と、少なくとも一部に非導電性を有する別の基板の該非導電性部分の一部とを接触させ、前記導電性上昇部を含む非導電性薄膜を前記別の基板に転写し、該導電性上昇部を非導電性の領域で囲んで微細な領域に電子を閉じ込める構造を形成することを特徴とする微細加工方法。
  2. 前記非導電性薄膜が、ラングミュアーブロジェット法により形成されたことを特徴とする請求項1に記載の微細加工方法。
  3. 前記非導電性薄膜が、ポリイミドであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微細加工方法。
  4. 前記探針は、弾性体により支持された構成を備え、前記電圧印加は該弾性体により支持された探針の先端が前記非導電性薄膜表面に接触した位置で行われることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の微細加工方法。
  5. 前記微細加工方法は、前記弾性体のたわみ量を検出するステップを含むことを特徴とする請求項4に記載の微細加工方法。
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