JPH08106658A - 情報記録再生装置および記録方法、ならびにリソグラフィー装置および描画方法 - Google Patents

情報記録再生装置および記録方法、ならびにリソグラフィー装置および描画方法

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Publication number
JPH08106658A
JPH08106658A JP23981094A JP23981094A JPH08106658A JP H08106658 A JPH08106658 A JP H08106658A JP 23981094 A JP23981094 A JP 23981094A JP 23981094 A JP23981094 A JP 23981094A JP H08106658 A JPH08106658 A JP H08106658A
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probe
medium substrate
tip
recording
pulse voltage
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JP23981094A
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Akira Kuroda
亮 黒田
Yasuhiro Shimada
康弘 島田
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プローブの先端の形状を常に安定した状態に
保ち、記録ビットの形状・大きさを一定とするととも
に、形成される記録ビットの位置ずれをなくす。 【構成】 媒体基板103と、プローブ104と、これ
らをxyz方向に移動するxyz粗動機構105および
xyz微動機構102と、プローブ−媒体基板間にパル
ス電圧を印加するパルス電圧112と、プローブ−媒体
基板間の間隔とパルス電圧とプローブ先端の熱溶融状態
の関係(情報)を与える記録条件参照手段116と、そ
の情報を基に最適間隔・パルス電圧を算出するホストコ
ンピュータ110と、その最適間隔・パルス電圧を基に
プローブ媒体基板間隔制御回路108およびパルス電源
112を制御する記録信号制御手段111とを有する。
プローブ−媒体基板間にバイアス電圧を印加するバイア
ス電圧106と、その電流を検出する電流検出回路10
7が設けられ、その電流値を基に間隔が制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走査型プローブ顕微鏡
の原理を応用した情報記録再生装置および記録方法、な
らびにリソグラフィー装置および記録方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、米国特許USP4343993号
明細書に記載されているようなナノメートル以下の分解
能で導電性物質表面を観察可能な走査型トンネル顕微鏡
(STM:Scanning Tuneling Microscope)が開発さ
れ、金属・半導体表面の原子配列、有機分子の配向等の
観察が原子・分子スケールでなされている。さらには、
このSTM技術を発展させ、絶縁物質等の表面をもST
Mと同様の分解能で観察できるようにした原子間力顕微
鏡(AFM:Atomic Force Microscope)も開発されて
いる(米国特許USP4724318号明細書参照)。
【0003】また、上述の各顕微鏡の開発に伴い、ST
Mの原理やAFMの原理を応用した高密度メモリー、記
録再生装置等が提案されるようになってきた。
【0004】例えば、上述のSTMの原理を応用したも
のとして、STM構成でトンネル電流を一定にするよう
にプローブ−媒体基板間の間隔をフィードバック制御し
ながら媒体基板にプローブをアクセスし、プローブ−媒
体基板間に電圧を印加して原子・分子スケールのビット
サイズの記録再生を行うことにより、高密度メモリーを
実現するという提案がなされている(米国特許USP4
575822号明細書、特開昭63−161552号公
報、特開昭63−161553号公報参照)。さらに
は、上述のSTMとAFMとを組み合わせた装置構成を
用いたものとして、プローブを媒体基板に接触させた状
態でプローブ−媒体基板間に電圧を印加することにより
記録を行い、AFMの原理を用いて記録ビット形状を検
出することにより再生を行う記録再生装置や、記録及び
再生中のプローブ位置制御をAFMの原理を応用して行
う記録再生装置、プローブ先端を媒体基板表面をならわ
すよう制御し、そのプローブを支持する弾性体の変形を
利用して情報を再生する記録再生装置等の提案もなされ
ている(特開平1−245445号公報、特開平4−3
21955号公報、特願平3−194124号明細書参
照)。
【0005】また、最近では、上記のようなSTMやA
FMの原理を用いた高密度メモリーの記録方式の一つと
して、プローブと試料基板との間に電界を生じさせ、静
電力や電界蒸発などの電界効果を利用して、プローブ先
端部からプローブ材料を基板表面に移動・付着させるこ
とにより記録ビットを形成する方法も開示されている
(Mamin 他 Jpn.J.Appl.phys. vol.32(1993)pp.2418, H
osaka 他 Jpn.J.Appl.Phys.vol.32(1993)pp.L464)。ま
た、このような高密度メモリーの記録方式は、プローブ
材料を基板表面に移動・付着させることによって、原子
・分子スケールのビットを形成することができることか
ら、高密度メモリー以外に高精細リソグラフィーにも応
用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た静電力や電界蒸発などの電界効果を用い、プローブ先
端からプローブ材料を基板表面に移動・付着させること
により記録ビットやリソグラフィーパターンを形成する
従来の記録再生装置やリソグラフィー装置には、以下の
ような問題点がある。
【0007】(1)プローブの先端部の一部を媒体基板
表面に移動・付着させることによってビット記録やリソ
グラフィーパターンの描画が行なわれるため、プローブ
の先端部はビット記録やパターン描画毎にその形状が変
化することとなる。このようにビット記録やパターン描
画毎にプローブ先端形状が変化してしまうと、 プローブ−媒体基板間に印加される電界が加わるプロ
ーブ上の位置が変化してしまい、その位置の変化に伴っ
て媒体基板上に形成されるビットやリソグラフィーパタ
ーンの位置に走査方向に対する横方向の位置ずれが生じ
る。
【0008】また、プローブの先端部から媒体基板表
面に移動される移動物(プローブの先端部の一部)の形
状、大きさにバラツキが生じ、記録基板上に形成される
ビットあるいはリソグラフィーパターンの形状、径およ
び高さにバラツキが生じてしまう。ということが発生す
る。図8(a)にこれらの記録ビットの形成状態を示
し、図8(b)に、(a)に示した状態の記録ビットか
ら再生される信号波形を示す。
【0009】上述のように、媒体基板上に形成される記
録ビットが、図8(a)に示すように形状・大きさがば
らばらで、走査方向に対する横方向の位置ずれが生じた
状態となる記録再生装置では、情報再生の際、ビット列
のトラッキング動作が不安定になったり、図8(b)に
示すようにビット検出が不安定になったりするため、メ
モリー装置としての信頼性が低下してしまうという問題
点がある。また、リソグラフィーパターンとしても同様
に正確さを欠いたものとなり、信頼性が低下してしまう
という問題点がある。
【0010】(2)記録ビットあるいはリソグラフィー
パターンの形成は、プローブの先端部の一部を媒体基板
表面に移動・付着させることによって行なわれる。この
場合、プローブの先端部から媒体基板表面に移動した移
動物(プローブの先端部の一部)は媒体基板表面に単純
に付着されているにすぎず、媒体基板表面に対する記録
ビットやリソグラフィーパターンの付着力は弱いものと
なっている。そのため、記録ビットやリソグラフィーパ
ターンは、プローブ走査時のプローブの接触等により媒
体基板表面から剥がれてしまうことがある。図9に、そ
のときの記録ビットやリソグラフィーパターンがプロー
ブ走査時の接触によってが剥がれる状態を示す。
【0011】上記のように、媒体基板表面に対する記録
ビットやリソグラフィーパターンの付着力が弱いものと
なってしまう従来の記録再生装置には、記録ビットの検
出落ちが生じ、信頼性が低下してしまうこという問題点
がある。また、リソグラフィー装置においても、形成さ
れるリソグラフィーパターンが不安定なものとなり、信
頼性が低下してしまうという問題点がある。
【0012】本発明の目的は、プローブの先端の形状、
および媒体基板に移動・付着される該プローブの先端か
らの移動物の形状・大きさを常に安定した状態に保つこ
とにより、ビットあるいはリソグラフィーパターンの形
状、径および高さを一定にするとともに、ビットやリソ
グラフィーパターンの走査方向に対する横方向の位置ず
れを防止することのできる情報記録再生装置および記録
方法、ならびにリソグラフィー装置および記録方法を提
供することにある。さらには、媒体基板表面に形成され
る記録ビットやリソグラフィーパターンの媒体基板に対
する付着力を大きくすることのできる情報記録再生装置
および記録方法、ならびにリソグラフィー装置および記
録方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の情報記録再生装
置は、媒体基板と、該媒体基板表面に先端を近付けて配
置されたプローブと、上記媒体基板面内方向に対して上
記プローブおよび媒体基板を相対移動させる面内方向移
動手段と、プローブ−媒体基板間にパルス電圧を印加す
るパルス電圧印加手段とを有し、上記媒体基板上の所定
の位置に記録ビットを形成するとともに、該形成した記
録ビットを再生する情報記録再生装置において、プロー
ブ−媒体基板間の間隔、上記パルス電圧印加手段により
印加されるパルス電圧、および該間隔と該パルス電圧と
から得られる上記プローブ先端の熱溶融状態のそれぞれ
の関係を与える記録条件参照手段と、上記記録条件参照
手段から与えられる間隔、パルス電圧およびプローブ先
端の熱溶融状態の関係から、所定間隔におけるパルス電
圧の最適値を算出する算出手段と、上記プローブと上記
媒体基板との間隔を上記所定間隔とした上で、該プロー
ブ−媒体基板間に印加されるパルス電圧が上記算出手段
によって算出された最適値となるように上記パルス電圧
印加手段を制御する制御手段とを有することを特徴とす
る情報記録再生装置。
【0014】この場合、媒体基板面内方向に垂直となる
方向に対して上記プローブおよび媒体基板を相対移動さ
せる垂直方向移動手段と、所定のバイアス電圧をプロー
ブ−媒体基板間に印加するバイアス電圧印加手段と、プ
ローブ−媒体基板間に上記所定のバイアス電圧が印加さ
れた際の、該プローブ−媒体基板間に流れる電流を検出
する電流検出手段とを有し、算出手段が、記録条件参照
手段から与えられるプローブ−媒体基板間の間隔とパル
ス電圧とプローブ先端の熱溶融状態の関係から、記録時
におけるプローブ−媒体基板間の最適間隔および最適パ
ルス電圧をそれぞれ算出し、制御手段は、上記プローブ
−媒体基板間の間隔が上記算出手段によって算出された
最適間隔となるように、上記電流検出手段によって検出
される電流値を基に上記垂直方向移動手段を制御すると
ともに、プローブ−媒体基板間に印加されるパルス電圧
が上記算出手段によって算出された最適パルス電圧とな
るようにパルス電圧印加手段を制御するものであっても
よい。
【0015】また、プローブは、弾性体によって支持さ
れており、該プローブの先端が該媒体基板に接触してい
るものであってもよい。
【0016】さらに、上述の装置の場合、電流検出手段
によって検出される電流値を基に、媒体基板に形成され
た記録ビット列から再生信号を生成する再生手段と、上
記再生手段によって生成された再生信号に基づいて、プ
ローブが媒体基板上に形成された記録ビット列に沿って
走査されるように移動手段を制御するトラッキング手段
とを有するものであってもよい。
【0017】さらに、プローブと媒体基板およびパルス
電圧印加手段とからなる電気回路中に、プローブ−媒体
基板間に流れる電流を制限するための電流制限抵抗が設
けられていてもよい。
【0018】さらに、プローブおよび媒体基板の材料は
共晶をつくる関係のものであってもよい。
【0019】本発明の記録方法は、媒体基板と、該媒体
基板表面に先端を近付けて配置されたプローブと、上記
媒体基板面内方向に対して上記プローブおよび媒体基板
を相対移動させる面内方向移動手段と、プローブ−媒体
基板間にパルス電圧を印加するパルス電圧印加手段とを
有し、上記媒体基板上の所定の位置に記録ビットを形成
するとともに、該形成した記録ビットを再生する情報記
録再生装置で行なわれる記録方法であって、プローブ−
媒体基板間の間隔、上記パルス電圧印加手段により印加
されるパルス電圧、および該間隔と該パルス電圧とから
得られる上記プローブ先端の熱溶融状態のそれぞれの関
係を与え、上記与えられる間隔、パルス電圧およびプロ
ーブ先端の熱溶融状態の関係から、所定間隔におけるパ
ルス電圧の最適値を算出し、上記プローブと上記媒体基
板との間隔を上記所定間隔とした上で、該プローブ−媒
体基板間に印加されるパルス電圧を算出された最適値と
することを特徴とする。
【0020】また、本発明の記録方法は、プローブの先
端を媒体基板表面に対して所定の間隔となる位置まで近
づけて、該プローブ−媒体基板間に所定のパルス電圧を
印加し、電界効果により上記媒体基板上に記録ビットを
形成する記録方法において、プローブ−媒体基板間に最
適パルス電圧を印加して電界効果を生じさせ、プローブ
の先端の一部を媒体基板上に移動させる第1のステップ
と、上記第1のステップによるプローブの先端の一部の
媒体基板上への移動により、上記プローブ−媒体基板間
のギャップ抵抗を減少させて該プローブ−媒体基板間に
流れる電流を増大させる第2のステップと、上記第2の
ステップによるプローブ−媒体基板間に流れる電流の増
大に伴って、該プローブ−媒体基板間に流れる電流によ
って生じる熱を増大させ、該熱の増大によって、上記プ
ローブの先端部と上記媒体基板上へ移動した上記プロー
ブの先端の一部とを溶融させて再び一体化させる第3の
ステップと、上記第3のステップにおいて溶融され、一
体化されたプローブの先端部と上記媒体基板上へ移動し
た該プローブの先端の一部とを、上記プローブおよび媒
体基板を相対移動させることによって再び分離させて記
録ビットを形成させるとともに、上記プローブの先端部
を再構成させる第4のステップと有することを特徴とす
る。
【0021】また、本発明の記録方法は、プローブの先
端を媒体基板表面に対して所定の間隔となる位置まで近
づけて、該プローブ−媒体基板間に所定のパルス電圧を
印加し、電界効果により上記媒体基板上に記録ビットを
形成する記録方法において、プローブ−媒体基板間に最
適パルス電圧を印加して電界効果を生じさせ、プローブ
の先端の一部を媒体基板上に移動させて記録ビットを形
成する第1のステップと、上記第1のステップによるプ
ローブの先端の一部の媒体基板上への移動により、上記
プローブ−媒体基板間のギャップ抵抗を減少させて該プ
ローブ−媒体基板間に流れる電流を増大させる第2のス
テップと、上記第2のステップによるプローブ−媒体基
板間に流れる電流の増大に伴って、該プローブ−媒体基
板間に流れる電流によって生じる熱を増大させ、該熱の
増大によって、上記プローブの先端部と上記記録ビット
とを溶融させる第3のステップと、上記第3のステップ
の溶融により、記録ビットの媒体基板に対する付着力を
増大させる第4のステップと有することを特徴とする。
【0022】本発明のリソグラフィー装置は、媒体基板
と、該媒体基板表面に先端を近付けて配置されたプロー
ブと、上記媒体基板面内方向に対して上記プローブおよ
び媒体基板を相対移動させる面内方向移動手段と、プロ
ーブ−媒体基板間に描画用印加電圧を印加する描画用電
圧印加手段とを有し、上記媒体基板上の所定の位置に描
画パターンを形成するリソグラフィー装置において、プ
ローブ−媒体基板間の間隔、上記描画用電圧印加手段に
より印加される描画用印加電圧、および該間隔と該描画
用印加電圧とから得られる上記プローブ先端の熱溶融状
態のそれぞれの関係を与える描画条件参照手段と、上記
描画条件参照手段から与えられるプローブ−媒体基板間
の間隔と描画用印加電圧とプローブ先端の熱溶融状態の
関係から、所定間隔におけるプローブ−媒体基板間に印
加される描画用印加電圧の最適値を算出する算出手段
と、上記プローブと上記媒体基板との間隔を上記所定間
隔とした上で、該プローブ−媒体基板間に印加される描
画用印加電圧が上記算出手段によって算出された最適値
となるように上記描画用電圧印加手段を制御する制御手
段とを有することを特徴とする。
【0023】この場合、媒体基板面内方向に垂直となる
方向に対して上記プローブおよび媒体基板を相対移動さ
せる垂直方向移動手段と、プローブ−媒体基板間に所定
のバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加手段と、プ
ローブ−媒体基板間に上記所定のバイアス電圧が印加さ
れた際の、該プローブ−媒体基板間に流れる電流を検出
する電流検出手段とを有し、算出手段が、描画条件参照
手段から与えられるプローブ−媒体基板間の間隔と描画
用印加電圧とプローブ先端の熱溶融状態の関係から、描
画時におけるプローブ−媒体基板間の最適間隔および最
適描画用印加電圧をそれぞれ算出し、制御手段は、上記
プローブ−媒体基板間の間隔が上記算出手段によって算
出された最適間隔となるように、上記電流検出手段によ
って検出される電流値を基に上記垂直方向移動手段を制
御するとともに、プローブ−媒体基板間に印加される描
画用印加電圧が上記算出手段によって算出された最適描
画用印加電圧となるようにパルス電圧印加手段を制御す
るものであってもよい。
【0024】また、プローブは、弾性体によって支持さ
れており、該プローブの先端が該媒体基板に接触してい
るものであってもよい。
【0025】さらに、上述の装置の場合、プローブと媒
体基板および描画電圧印加手段とから構成される電気回
路中に、プローブ−媒体基板間に流れる電流を制限する
ための電流制限抵抗が設けられていてもよい。
【0026】さらに、プローブおよび媒体基板の材料は
共晶をつくる関係のものであってもよい。
【0027】本発明の描画方法は、媒体基板と、該媒体
基板表面に先端を近付けて配置されたプローブと、上記
媒体基板面内方向に対して上記プローブおよび媒体基板
を相対移動させる面内方向移動手段と、プローブ−媒体
基板間に描画用印加電圧を印加する描画用電圧印加手段
とを有し、上記媒体基板上の所定の位置に描画パターン
を形成するリソグラフィー装置で行なわれる描画方法で
あって、プローブ−媒体基板間の間隔、上記描画用電圧
印加手段により印加される描画用印加電圧、および該間
隔と該描画用印加電圧とから得られる上記プローブ先端
の熱溶融状態のそれぞれの関係を与え、上記与えられる
プローブ−媒体基板間の間隔と描画用印加電圧とプロー
ブ先端の熱溶融状態の関係から、所定間隔におけるプロ
ーブ−媒体基板間に印加される描画用印加電圧の最適値
を算出し、上記プローブと上記媒体基板との間隔を上記
所定間隔とした上で、該プローブ−媒体基板間に印加さ
れる描画用印加電圧を上記算出された最適値とすること
を特徴とする。
【0028】また、本発明の描画方法は、プローブの先
端を媒体基板表面に対して所定の間隔となる位置まで近
づけてプローブ−媒体基板間に所定のパルス電圧を印加
し、電界効果により上記媒体基板上に描画パターンを形
成する描画方法において、プローブ−媒体基板間に最適
パルス電圧を印加して電界効果を生じさせ、プローブの
先端の一部を媒体基板上に移動させる第1のステップ
と、上記第1のステップによるプローブの先端の一部の
媒体基板上への移動により、上記プローブ−媒体基板間
のギャップ抵抗を減少させて該プローブ−媒体基板間に
流れる電流を増大させる第2のステップと、上記第2の
ステップによるプローブ−媒体基板間に流れる電流の増
大に伴って、該プローブ−媒体基板間に流れる電流によ
って生じる熱を増大させ、該熱の増大によって、上記プ
ローブの先端部と上記媒体基板上へ移動した該プローブ
の先端の一部を溶融させて再び一体化させる第3のステ
ップと、上記第3のステップにおいて溶融され、一体化
されたプローブの先端部と上記媒体基板上へ移動した該
プローブの先端の一部とを、上記プローブおよび媒体基
板を相対移動させることによって再び分離させて描画パ
ターンを形成させるとともに、上記プローブの先端部を
再構成させる第4のステップと有することを特徴とす
る。
【0029】また、本発明の描画方法は、プローブの先
端を媒体基板表面に対して所定の間隔となる位置まで近
づけて、該プローブ−媒体基板間に所定のパルス電圧を
印加し、電界効果により上記媒体基板上に描画パターン
を形成する描画方法において、プローブ−媒体基板間に
最適パルス電圧を印加して電界効果を生じさせ、プロー
ブの先端の一部を媒体基板上に移動させて描画パターン
を形成する第1のステップと、上記第1のステップによ
るプローブの先端の一部の媒体基板上への移動により、
上記プローブ−媒体基板間のギャップ抵抗を減少させて
該プローブ−媒体基板間に流れる電流を増大させる第2
のステップと、上記第2のステップによるプローブ−媒
体基板間に流れる電流の増大に伴って、該プローブ−媒
体基板間に流れる電流によって生じる熱を増大させ、該
熱の増大によって、上記プローブの先端部と上記描画パ
ターンとを溶融させる第3のステップと、上記第3のス
テップの溶融により、描画パターンの媒体基板に対する
付着力を増大させる第4のステップと有することを特徴
とする。
【0030】
【作用】従来の情報記録再生装置では、プローブ−媒体
基板間の間隔および記録用印加電圧は、単にプローブ−
媒体基板間に電界効果を生じさせる条件に設定されてい
た。これに対して、本発明の情報記録再生装置では、記
録条件参照手段から与えられるプローブ−媒体基板間の
間隔とパルス電圧とプローブ先端の熱溶融状態の関係を
基に、プローブ−媒体基板間の間隔に対する最適パルス
印加電圧が求められる。そして、求められた最適パルス
電圧を基に、プローブ−媒体基板間の間隔およびパルス
電圧が設定される。したがって、本発明では、従来のよ
うにプローブ−媒体基板間の間隔に対して極端に大きな
記録用印加電圧が印加されてプローブ先端が破壊される
ことはない。
【0031】さらに、本願発明では、プローブ−媒体基
板間の間隔およびパルス電圧の関係は、プローブを確実
に熱溶融することのできる条件に設定されるので、記録
ビット形成時にプローブの先端部と形成される記録ビッ
トとが熱溶融されて、この熱溶融によってプローブの先
端部および記録ビットが常に一定形状のものに再構成さ
れる。
【0032】同様に、本発明の記録方法においても、プ
ローブ−媒体基板間に電界効果を生じさせてプローブ先
端部の一部を媒体基板上に移動付着させた際に、該プロ
ーブの先端部と媒体基板上へ移動したプローブの先端の
一部(記録ビット)とを溶融して、該プローブ先端部お
よび記録ビットの形状が再構成されるので、プローブの
先端形状、および形成されるビットの形状・径・高さを
常に一定なものにできる。
【0033】さらに、上記のようにプローブ先端形状が
常に安定したものに再構成される装置および記録方法で
は、プローブ先端の形状が常に安定したものとなってい
るので、プローブ−媒体基板間に印加される電界が加わ
るプローブ上の位置が変化することがなくなる。よっ
て、本発明では、従来のように媒体基板上に形成される
ビットの位置に走査方向に対する横方向の位置ずれが生
じることはない。
【0034】また、本発明では、媒体基板上に形成され
る記録ビットは熱溶融されるので、媒体基板に対する記
録ビットの付着力は、従来の単に媒体基板上に付着され
ていた記録ビットのものに比べて大きなものとなる。
【0035】さらに、上述の本発明の情報記録再生装置
のうち、プローブと媒体基板の材料が共晶関係にあるも
のにおいては、媒体基板上に形成された記録ビットとそ
の媒体基板との間に化学結合が生じるので、該化学結合
によって媒体基板に対する記録ビットの付着力が増大さ
れる。
【0036】上述の作用を有する装置の場合、一般にプ
ローブ−媒体基板間の間隔を大きくすると、プローブ先
端に熱溶融を生じさせる印加電圧しきい値も大きくな
る。したがって、プローブ−媒体基板間の間隔が大きな
場合には、電界蒸発によってプローブ先端の一部が媒体
基板上に移動した際に生じるプローブと媒体基板との間
のギャップ抵抗変動によりプローブ−媒体基板間を流れ
る電流も変動することになり、その結果、プローブ先端
等が熱溶融したり、熱溶融しなかったりしてばらつくこ
とになる。
【0037】上述の本発明のうち、プローブと媒体基板
およびパルス電圧印加手段とからなる電気回路中に、プ
ローブ−媒体基板間に流れる電流を制限するための電流
制限抵抗が設けられているものは、上記のようにプロー
ブ先端等の熱溶融がばらつくものに有効に作用する。
【0038】すなわち、本発明では、プローブ−媒体基
板間を流れる電流を制限するための電流制限抵抗が設け
られているので、そのプローブ−媒体基板間を流れる電
流は記録用パルス電圧印加時にプローブ−媒体基板間の
ギャップ抵抗が変動しても、その変動に関係なく電流制
限抵抗によって制限される。よって、プローブ−媒体基
板間の間隔およびパルス電圧を、確実にプローブの溶融
が起こる条件に設定し、電流制限抵抗の値を、その設定
条件に応じた、プローブが破壊されることなく確実に熱
溶融するような値に設定すれば、プローブ−媒体基板間
には、プローブを常に安定して熱溶融することのできる
範囲の電流が流れることになる。このように、本発明で
は、プローブ−媒体基板間を流れる電流は、電流制限抵
抗のよってプローブ等を常に安定して熱溶融することの
できるものに制限されているので、プローブ−媒体基板
間の間隔に対してパルス電圧が小さいために(あるい
は、記録用印加電圧に対して間隔が大きいために)プロ
ーブが熱溶融されなかったり、またはプローブ−媒体基
板間の間隔に対するパルス電圧が大き過ぎてプローブを
破損したりするということは生じない。
【0039】なお、以上説明した作用は本発明の情報記
録再生装置および記録方法についての説明であったが、
本発明のリソグラフィー装置および描画方法において
も、上述の作用と同様の作用を有する。
【0040】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0041】1.実施例1(情報記録再生装置1) 図1は、本発明の第1の実施例である情報記録再生装置
の概略を示す構成図である。
【0042】図1において、媒体基板103はxyz粗
動機構101上に設けられており、プローブ104はx
yz微動機構102に取り付けられ媒体基板103の上
方に配置されている。xyz粗動機構101およびxy
z微動機構102はそれぞれプローブxyz駆動回路1
09に接続されており、該プローブxyz駆動回路10
9からの制御信号に基づいて、媒体基板103およびプ
ローブ104をxyz方向にそれぞれ移動する。
【0043】上記媒体基板103は電流制限抵抗113
を介してパルス電源112に接続され、該パルス電源1
12はバイアス電源106のプラス端子に接続されてい
る。そのバイアス電源106のマイナス端子には、電流
検出回路107を介して上記プローブ104が接続され
ている。
【0044】上記電流検出回路107は、上述の媒体基
板103、電流制限抵抗113、パルス電源112、バ
イアス電源106およびプローブ104で構成された回
路に流れる電流を検出するもので、その出力ラインは、
再生信号回路114およびプローブ媒体基板間隔制御回
路108にそれぞれ接続されている。そして、再生信号
回路114の出力ラインは、ホストコンピュータ110
およびトラッキング回路115にそれぞれ接続され、プ
ローブ−媒体基板間隔制御回路108の出力ラインはx
yz微動機構102に接続されている。
【0045】ホストコンピュータ110の出力ライン
は、プローブxyz駆動回路109および記録信号制御
手段111(制御手段)にそれぞれ接続されており、該
記録信号制御手段111の出力ラインがプローブ−媒体
基板間隔制御回路108およびパルス電源112にそれ
ぞれ接続されている。このホストコンピュータ110に
は、記録条件参照手段116が接続されている。
【0046】なお、上述の情報記録再生装置において、
記録条件参照手段116はプローブ−媒体基板間の間
隔、パルス電圧、プローブの先端の熱溶融状態のそれぞ
れの関係を情報として与えるものである。そのプローブ
−媒体基板間の間隔、パルス電圧、プローブの先端の熱
溶融状態のそれぞれの関係を以下に簡単に説明する。
【0047】図2は、記録条件参照手段116中に保存
されているプローブ−媒体基板間隔とパルス電圧とプロ
ーブ先端の熱溶融状態の関係を示す記録条件参照グラフ
である。縦軸にプローブ−媒体基板間隔、横軸にプロー
ブ−媒体基板間に印加するパルス電圧値をとり、電圧印
加時にプローブ先端が熱溶融する領域と非熱溶融の領域
とを示している。なお、斜線部は非熱溶融/熱溶融のば
らつき領域を示す部分である。
【0048】すなわち、記録条件参照手段116は、上
記図2に示されるグラフのプローブ先端が熱溶融する領
域内において、プローブ−媒体基板間の間隔とパルス電
圧の関係がプローブを常に溶融することができる条件を
与える。
【0049】また、上述の情報記録再生装置において、
ホストコンピュータ110は、上記記録条件参照手段1
16から得られる情報を基に、プローブ−媒体基板間の
最適間隔および最適パルス電圧を算出するものであり
(算出手段)、記録信号制御手段111(制御手段)
は、該ホストコンピュータ110によって算出された最
適間隔および最適パルス電圧を基に、パルス電源112
による印加電圧およびプローブ媒体基板間隔制御回路1
08によるプローブ−媒体基板間の間隔制御を制御する
ものである。
【0050】次に、上述の情報記録再生装置の動作につ
いて説明する。
【0051】上記情報記録再生装置では、プローブ10
4の先端を媒体基板103表面上の所定の位置に対し1
nm程度の距離まで近接させ、情報を記録する際は、媒
体基板103上に記録ビット105を形成することによ
り情報記録を行い、記録された情報を再生する際は、媒
体基板103に対してプロ−プ104の走査を行い、記
録ビット105を検出することにより、情報再生を行な
う。
【0052】このとき、プローブ104と媒体基板10
3の間隔は、次のように制御されている。バイアス電源
106によりプローブ104と媒体基板103の間にバ
イアス電圧を印加し、電流検出回路107によりプロー
ブ104と媒体基板103の間に流れる電流値を検出す
る。電流検出回路107によって検出された電流値はプ
ローブ−媒体基板間隔制御回路108へ送出される。プ
ローブ−媒体基板間隔制御回路108は、送出された電
流値を基にxyz微動機構102を駆動し、その電流検
出回路107によって検出される電流値が所定の設定値
となるようにプローブ104と媒体基板103の間隔を
制御する。このことによって、プローブ104と媒体基
板103の間隔が電流の設定値に応じた所定の間隔に保
たれることになる。よって、本実施例の情報記録再生装
置では、プローブ104と媒体基板103の間隔は、電
流の設定値を変えることにより所望する間隔に設定され
る。
【0053】以下、上述の情報記録再生装置を実際に用
いた情報記録および情報再生について洋細に説明する。 (1)情報記録 まず、ホストコンピュータ110は、記録条件参照手段
116から得られる、プローブ−媒体基板間の間隔、パ
ルス電圧、プローブ先端の熱溶融状態のそれぞれの関係
を表す情報に基づいて、プローブ先端の熱溶融状態が最
適となるようなパルス電圧、およびプローブ−媒体基板
間の間隔の最適値を算出する。そして、その算出結果を
記録信号制御手段111へ送出する。
【0054】ホストコンピュータ110からパルス電圧
および間隔の最適値が記録信号制御手段111へ送出さ
れると、記録信号制御手段111はプローブ−媒体基板
間隔制御回路108を介してxyz微動機構102を駆
動し、プローブ−媒体基板間の間隔を算出された最適値
の間隔にするとともに、パルス電圧源112における印
加電圧をその最適値のものとする。
【0055】上述のようにして、パルス電圧およびプロ
ーブ−媒体基板間の間隔が最適なものとされた装置で
は、プローブ104による媒体基板103上への記録ビ
ットの形成が以下のようにして行なわれる。
【0056】図3は、本発明の特徴である、記録時のプ
ローブ先端形状の再構成を説明するための模式図で、
(a)はプローブ104と媒体基板103との間に記録
用電圧パルスを印加した状態のもの、(b)はプローブ
104の先端の一部が電界蒸発により分離して基板上に
移動した状態のもの、(c)はプローブ104の先端と
分離した部分とが熱溶融されて一体化した状態のもの、
(d)は熱溶融されて一体化した分離部分を再び記録ビ
ット105として分離した状態のものである。
【0057】記録を行なう場合、まず、対向したプロー
ブ104と媒体基板103との間に記録用パルス電圧を
印加する(図3(a)の状態/第1のステップ)。パル
ス電圧が印加されると、プローブ104の先端の一部が
電界蒸発によって分離され、その分離部201が媒体基
板103上に移動する(図3(b)の状態/第2のステ
ップ)。
【0058】プローブ104から分離部201が分離さ
れると、その分離部201の分離によってプローブ10
4と媒体基板103との間のギャップ抵抗値が減少し、
プローブ104と媒体基板103との間を流れる電流値
が増大する。これに伴い、記録用電圧パルスの印加中に
流れる電流によって生じるジュール熱が増大して温度が
上昇し、プローブ先端の形状変化部202および基板上
に移動した分離部201が熱溶融されて再び一体化する
(図3(c)の状態/第3のステップ)。
【0059】プローブ先端の形状変化部202および基
板上に移動した分離部201が熱溶融されて一体化する
と、続いて、プローブ104を走査あるいはz方向位置
制御によって移動させてプローブ104に一体化してい
た分離部201を再び分離して記録ビット105を形成
するとともに、プローブ先端の形状変化部分202がそ
の熱溶融によって再構成され、次回の分離に備えられる
(図3(d)の状態/第4のステップ)。
【0060】上述のように、分離部201の分離後にプ
ローブ先端形状を再構成することにより、プローブ10
4の先端部を記録中常に安定した一定の形状に保ってい
る。なお、上記のようにしてプローブ104による媒体
基板103上への記録ビットの形成が行なわれた場合、
媒体基板103上に移動した分離部201は熱溶融され
ているため、プローブ先端の一部を媒体基板103上に
単に移動したものに比ベ、記録ビット105(すなわ
ち、分離部201)の媒体基板103に対する付着力は
大きなものとなっている。
【0061】以上の工程が繰り返されることによって、
媒体基板103上に記録ビット105が形成され、情報
記録が行なわれる。
【0062】ところで、上述のようなプローブ先端形状
の再構成を実現させるためには、以下のような条件を満
たすことが肝要である。これを図2を用いて説明する。
【0063】図2に示すグラフからわかるように、一般
にプローブ−媒体基板間の間隔を大きくすると、プロー
ブ先端熱溶融の印加電圧しきい値も大きくなる。この場
合、プローブ先端非熱溶融領域とプローブ先端熱溶融領
域の境界は明確なものではなく、グラフ中に斜線で示す
ような非熱溶融/熱溶融のばらつき領域が存在すること
になる。
【0064】上記のばらつきの原因は次のとおりであ
る。一般に、電界蒸発によってプローブ先端の一部が媒
体基板上に移動すると、プローブ−媒体基板間のギャッ
プ抵抗がその移動によって減少する。したがって、プロ
ーブ−媒体基板間のギャップ抵抗の大きさは1ビット記
録ごとにばらつきを生じ、その結果、プローブと媒体基
板間を流れる電流の大きさ、すなわち、生じるジュール
熱の大きさにもばらつきを生じる。このようにジュール
熱の大きさにばらつきを生じると、プローブ先端が熱溶
融するか否かについてもばらつくこととなり、熱溶融し
た場合においてはその溶融の程度・範囲もばらつくこと
となる。このように溶融の程度・範囲がばらつくものに
おいては、探針先端形状が再構成されるか否かについて
もばらつきを生じることとなり、プローブ先端形状の再
構成の程度・範囲にばらつきを生じることとなる。この
結果、形成される記録ビットの大きさにも、ばらつきを
生じることとなる。
【0065】上述のようなばらつきを抑えるためには、
プローブ−媒体基板間の間隔と記録用パルス電圧をプロ
ーブ先端が確実に溶融する条件に設定して、その溶融の
程度がある範囲内となるように、記録用パルス印加時に
プローブ−媒体基板間を流れる電流に制限を加えればよ
い。そのためには、記録用パルス印加時に流れる電流
が、記録用パルス印加時に減少した後のギャップ抵抗で
決まるのではなく、電流制限抵抗で決まるようにする。
【0066】すなわち、プローブ−媒体基板間に流れる
電流によりプローブ先端が確実に熱溶融するように、印
加電圧値に合わせてプローブ−媒体基板間の間隔の値を
選び、この条件において、その溶融の程度がある範囲内
となるように制限抵抗の大きさを選定する。具体的に
は、図2に示すように、印加電圧を電界蒸発が起こる電
圧値Vl、プローブ−媒体基板間の間隔をd以下のもの
とし、電流制限抵抗値をこの条件における記録用パルス
電圧印加時の減少後のギャップ抵抗rよりも少し大きな
値にする。
【0067】電流制限抵抗値をrよりも少し大きな値と
する理由は、次のようなことからである。電流制限抵抗
値の値が大きすぎると、十分な電流が流れずプローブ先
端を熱溶融するに十分な温度上昇を得ることができず、
逆に小さすぎると温度上昇が必要以上に大きくなり、プ
ローブ先端が広い範囲にわたって熱溶融してしまうた
め、安定な記録が困難になる。そこで、電流制限抵抗値
としては、発生するジュール熱により、プローブ先端の
温度がプローブ材料の融点よりわずかに大きくなるよう
な抵抗値を選択する。
【0068】典型例として、プローブ材料として融点が
1772℃のPtを用いる場合を例にあげ、以下に概算
を示す。
【0069】記録用パルス電圧値を5V、初期のギャッ
プ抵抗を100MΩ(プローブ−媒体基板間隔を約1n
mとした場合)、減少後のギャップ抵抗を約50kΩと
する。この場合、パルス印加中にプローブ−媒体基板間
に流れる電流値は50nAから約100μAに増大し、
増大後の発生ジュール熱のパワーは約0.5mWとな
る。したがって、熱伝導を考慮すると、その熱によりプ
ローブ先端部分は約2500℃まで上昇し、プローブ先
端部が熱溶融することになる。
【0070】上記の場合、前述したように減少後のギャ
ップ抵抗が10kΩ〜100kΩの範囲でばらつくと、
上記上昇温度が約2000℃〜5000℃程度の範囲で
ばらつくことなるため、所定の回路中設けられている電
流制限抵抗を500kΩに設定する。
【0071】プローブと媒体基板の間に流れる電流値は
その挿入された電流制限抵抗値で決まるので、電流制限
抵抗が500kΩに設定されると、ギャップ抵抗が10
kΩ〜100kΩの間でばらついてもその電流値は10
μAとなる。このことにより、プローブ先端部分の上昇
温度もプローブ材料の融点をわずかに越えた約1800
℃となり、プローブ先端も熱溶融し、かつ溶融の程度に
ばらつきがなくなる。以上のように、本実施例の情報記
録再生装置では、記録用パルス電圧印加時にプローブ先
端形状の再構成が行われると、プローブ104の先端部
が常に一定の形状に保たれることとなり、プローブ10
4上で媒体基板103との間で電界が加わる位置が変化
することがなくなる。したがって、媒体基板103上に
形成される記録ビット位置に横方向位置ずれを生じるこ
とがなくなる。
【0072】また、電流制限抵抗によりプローブ先端の
熱溶融の程度にばらつきがなくなるため、記録ビット形
状・ビット径・ビット高さがばらつくこともなくなる。
この結果、プローブ先端の熱溶融状態が最適となり、後
述するような情報再生の際のビット列のトラッキング動
作およびビット検出が安定になり、メモリー装置として
の信頼性が向上する。 (2)情報再生 次に、上述のようにして記録された記録情報の再生につ
いて詳細に説明する。
【0073】媒体基板103上に記録されている情報
(記録ビット105)を再生する場合は、まず、プロー
ブ104を媒体基板103に対して走査し、プローブ1
04と媒体基板103との間に流れる電流を電流検出回
路107により検出する。すなわち、媒体基板103上
の記録ビット105が形成された位置では、プローブ1
04と媒体基板103との間に流れる電流が増大するの
で、この電流値の増大を電流検出回路107を用いて検
出する。
【0074】電流検出回路107によって検出された結
果は再生信号回路114に入力され、該再生信号回路1
14によって、その検出された電流値の増大が記録ビッ
ト検出信号、すなわち再生信号としてホストコンピュー
タ110へ送出される。再生信号回路114から再生信
号は入力されると、ホストコンピュータ110は所定の
プログラムに基づいてその入力された再生信号を再生す
る。このよにして、媒体基板103上に形成された記録
ビット105が再生される。
【0075】上述のようにして記録ビット105が再生
される場合、プローブ104のトラッキングは以下のよ
うにして行なわれる。
【0076】一般に、プローブ104を媒体基板103
上に形成された記録ビット105の列に沿って安定に走
査していくためには、トラッキング制御が用いられる。
再生信号回路114から出力される記録ビット検出信号
を用い、トラッキング回路115において、記録ビット
105の並びに対するプローブ104の位置ずれ量を算
出し、算出した位置ずれ補正信号をxyz微動機構10
2に印加してトラッキングを行う。
【0077】具体的なトラッキング方法として、例えば
特開昭4−212737号公報に記載されているウォブ
リング方式がある。この方式は、記録ビット列に対する
プローブの走査方向と面内直交方向にプローブを振動さ
せ、この振動信号と該振動による記録ビット検出信号の
信号強度の変調成分とを比較することにより、プローブ
と記録ビット列との直交方向の位置ずれを検出し、この
検出した位置ずれを補正するようにプローブの走査を行
うものである。
【0078】図4は媒体基板103上に形成された記録
ビット105の再生を説明するためのもので、(a)は
媒体基板103上に形成された記録ビットの状態を示し
た図、(b)は(a)に示す記録ビットの再生信号波形
を表す波形図である。
【0079】本実施例の情報記録再生装置では、媒体基
板103上に形成された記録ビット105は、図4
(a)に示すように、記録ビット位置に横方向位置ずれ
のない、しかも、形成される記録ビットは形状・径・高
さが一定なものとなっているので、情報再生の際の記録
ビットの再生信号波形は図4(b)に示すように安定し
たものとなる。したがって、ビット列のトラッキング動
作およびビット検出も安定した状態で行なわれる。
【0080】2.実施例2(情報記録装置2) 次に、本発明の第2の実施例の情報記録再生装置につい
て説明する。
【0081】図5は、本発明の第2の実施例である情報
記録再生装置の概略を示す構成図である。
【0082】図5において、媒体基板503はxyz粗
動機構501上に設けられている。プローブ504は、
xyz微動機構502に取り付けられた弾性体からなる
レバー506によって支持されており、媒体基板503
の上方に配置されている。
【0083】上記レバー506の上方には、プローブ5
04が媒体基板503上に押し当てられた際に生じるレ
バー506のたわみ量を検出するためのたわみ検出手段
が設けられている。このたわみ検出手段は、レーザ光源
520および2分割センサ521からなり、レーザ光源
520から出射した光束がミラー等の反射部材によって
レバー506の所定の表面部に導かれ、その表面部から
の反射光が2分割センサ521によって検出されること
によって、レバー506のたわみ量が検出される。
【0084】上記プローブ504は、電流制限抵抗51
3を介してパルス電源512に接続されており、該パル
ス電源512には媒体基板503が接続されている。ま
た、xyz粗動機構501およびxyz微動機構502
はそれぞれプローブxyz駆動回路509に接続されお
り、該プローブxyz駆動回路509からの制御信号に
基づいて駆動される。xyz粗動機構501は、媒体基
板503をxyz方向に移動し、xyz微動機構502
は、プローブ504をxyz方向に移動する。2分割セ
ンサ521はレバーたわみ量検出回路507に接続され
ている。レバーたわみ量検出回路507の出力ライン
は、再生信号回路514およびトラッキング回路515
にそれぞれ接続されている。再生信号回路514の出力
ラインはホストコンピュータ510に接続され、トラッ
キング回路515の出力ラインはxyz微動機構502
に接続されている。
【0085】ホストコンピュータ510の出力ライン
は、プローブxyz駆動回路509および記録信号制御
手段511にそれぞれ接続されており、該記録信号制御
手段511の出力ラインがパルス電源512にそれぞれ
接続されている。このホストコンピュータ510には、
記録条件参照手段516が接続されている。
【0086】上述の情報記録再生装置において、記録条
件参照手段516はパルス電圧とプローブの先端の熱溶
融状態の関係を情報として与えるものであり、ホストコ
ンピュータ510は、該記録条件参照手段516から得
られる情報を基に、最適パルス電圧を算出するものであ
る(算出手段)。また、記録信号制御手段511(制御
手段)は、ホストコンピュータ510によって算出され
た最適パルス電圧を基に、パルス電源512による印加
電圧およびプローブ媒体基板間隔制御回路508による
プローブ−媒体基板間の間隔制御を制御するものであ
る。
【0087】なお、上述の情報記録再生装置では、プロ
ーブ504は弾性体からなるレバー506によって支持
されており、プローブ504先端は媒体基板503に対
して10-7〜10-9N程度の力が作用する程度に接触し
ている。したがって、上記記録再生の際の媒体基板50
3とプローブ504の間隔値は0となっている。
【0088】また、記録再生時の媒体基板503に対す
るプローブ504の走査の際は、レバー506の弾性変
形により、プローブ504が媒体基板503表面のうね
りや記録ビット505の形状に沿ってならうように走査
される。
【0089】上述のように構成される情報記録再生装置
では、情報を記録する際は、プローブxyz駆動回路5
09からの信号をもとに、xyz粗動機構501および
xyz微動機構502を駆動し、媒体基板503表面上
の所定の位置に対し、プローブ504の先端を近接さ
せ、媒体基板503上に記録ビット505を形成するこ
とにより情報記録を行い、記録された情報を再生する際
は、同様に、xyz粗動機構501およびxyz微動機
構502を駆動し、媒体基板503に対しプローブ50
4の走査を行い、記録ビット505を検出することによ
り情報再生を行なう。
【0090】以下、情報の記録・再生の実際について詳
細に説明する。 (1)情報記録 ホストコンビュータ510は、記録条件参照手段516
から得られる媒体基板−プローブ間の間隔が0における
パルス電圧とプローブ先端の溶融状態との関係を表す情
報に基づいて、プローブ先端の熱溶融状態が最適となる
ようなパルス電圧値の最適値を算出する。そして、その
算出結果を記録信号制御手段511へ送出する。
【0091】ホストコンピュータ510からパルス電圧
の最適値が記録信号制御手段511へ送出されると、記
録信号制御手段511はそのパルス電圧に基づいてパル
ス電圧源112に制御信号を送出する。
【0092】記録信号制御手段511からパルス電圧源
512に制御信号が送出されると、パルス電圧源512
はその制御信号に基づいて最適記録パルス電圧をプロー
ブ−媒体基板間に印加する。
【0093】上述のようにして、パルス電圧およびプロ
ーブ−媒体基板間の間隔が最適なものとされた装置で
は、プローブ504による媒体基板503上への記録ビ
ットの形成が以下のようにして行なわれる。
【0094】図6は、図5に示した情報記録装置におけ
る記録時のプローブ先端形状の再構成を説明するための
模式図で、(a)はプローブ504と媒体基板503と
の間に記録用電圧パルスを印加した状態のもの、(b)
はプローブ504の先端の一部が電界蒸発により分離し
て基板上に移動した状態のもの、(c)はプローブ50
4の先端と分離した部分とが熱溶融されて一体化した状
態のもの、(d)は熱溶融されて一体化した分離部分を
再び記録ビット505として分離した状態のものであ
る。
【0095】本実施例の情報記録再生装置では、図6に
示すように、記録時のプローブ先端形状の再構成につい
ては、プローブ504がレバー506に支持されている
ことを除けば第1の実施例の場合と同様である。
【0096】すなわち、記録を行なう場合、まず、対向
したプローブ504と媒体基板503との間に記録用パ
ルス電圧を印加する(図6(a)の状態/第1のステッ
プ)。パルス電圧が印加されると、プローブ504の先
端の一部が電界蒸発によって分離され、媒体基板503
上に付着する(図6(b)の状態/第2のステップ)。
【0097】プローブ504から分離部601が分離さ
れると、その分離部601の分離によってプローブ50
4と媒体基板503との間のギャップ抵抗値が減少し、
プローブ504と媒体基板503との間を流れる電流値
が増大する。これに伴い、記録用電圧パルスの印加中に
流れる電流によって生じるジュール熱が増大して温度が
上昇し、プローブ先端の形状変化部602および基板上
に付着した分離部601が熱溶融されて再び一体化する
(図6(c)の状態/第3のステップ)。
【0098】プローブ先端の形状変化部602および基
板上に付着した分離部601が熱溶融されて一体化する
と、続いて、プローブ504を走査あるいはz方向位置
制御によって移動させてプローブ504に一体化してい
た分離部601を再び分離して記録ビット505を再形
成するとともに、プローブ先端の形状変化部分602が
その熱溶融によって再構成され、次回の分離に備えられ
る(図6(d)の状態/第4のステップ)。
【0099】上述のように、分離部601の分離後にプ
ローブ先端形状を再構成することにより、プローブ50
4の先端部を記録中常に安定した一定の形状に保ってい
る。この結果、プローブ上で媒体基板との間で電界が加
わる位置が変化することがなくなり、媒体基板上の記録
ビット位置が横方向位置ずれを生じることがなくなる。
【0100】なお、第1の実施例と異なる点は、記録用
バルス電圧値の選び方において、本実施例では媒体基板
に対してプローブが接触しているので、プローブ−媒体
基板間隔値が0である点である。このようにプローブ−
媒体基板間隔値が0である本実施例の情報記録再生装置
では、記録条件参照手段516中に情報として保存され
ている、図2に示すようなプローブ−媒体基板間隔とパ
ルス電圧とプローブ先端の熱溶融状態の関係を示す記録
条件参照グラフにおいて、印加パルス電圧値として、V
2より大きな値を選ベばよい。
【0101】また、電流制限抵抗に関しては第1の実施
例と同様であり、パルス電圧印加時に流れる電流により
発生するジュール熱によって上昇するプローブ先端温度
がプローブ材料の融点よりわずかに大きくなるように電
流制限抵抗値を選ベばよい。こうすることにより、プロ
ーブ先端の熱溶融の程度のばらつきをなくすことがで
き、形成される記録ビット505の形状・径・高さがそ
れぞれ一定に保たれる。
【0102】上述の結果、プローブ先端の熱溶融状態が
最適となり、第1の実施例の情報記録再生装置と同様、
情報再生の際のビット列のトラッキング動作およびビッ
ト検出が安定になり、メモリー装置としての信頼性が向
上する。
【0103】以上説明したように、プローブ先端の一部
が熱溶融する本発明においては、記録用パルス電圧印加
時に記録ビット605が、いったん熱溶融した状態で媒
体基板に付着するため、媒体基板表面の細かな凹凸にな
じみ、物理吸着力が増大する。
【0104】また、記録ビット構成材料、すなわちプロ
ーブ材料と媒体基板材料の組み合わせによっては熱溶融
状態で化学結合を生じる場合があり、記録ビットと媒体
基板との間に化学吸着力を生じさせ、付着力をの増大さ
せることもできる。例えば、プローブの材料にAu、媒
体基板の材料にSiを選ベば、AuとSlは約370℃
以上で共晶をつくるので、記録ビットと媒体基板と間に
大きな化学吸着力を生じさせることができる。このよう
に、記録ビットと媒体基板と間に化学吸着力を生じさせ
る共晶をつくる材料の組み合わせとしては、上記の他
に、プローブ材料にIn、媒体基板材料にGaAsを用
いる組み合わせもある。
【0105】上記のように、熱溶融により付着した記録
ビットの場合は、前述のような熱溶融を用いない従来の
情報記録装置における、単に付着しただけの記録ビット
に比ベ、媒体基板に対する付着力が増大しているので、
走査時においてプローブから受ける力により、媒体基板
から記録ビットが剥がれることがなくなる。この結果、
記録ビットの検出落ちを生じることなく、メモリー装置
としての信頼性が向上する。
【0106】このことは、本実施例のように、記録ビッ
トに対して接触した状態で走査が行われるAFM構成の
記録再生装置において、特に効果のあることであるが、
前述の実施例のSTM構成の記録再生装置においても、
プローブと媒体基板との間隔制御が不安定になってプロ
ーブと記録ビットの接触が起こってしまう場合には、効
果奏する。
【0107】(2)情報再生 記録を行なった記録情報の再生はAFMの原理を応用し
て行う。以下、AFMの原理を応用した装置の動作につ
いて説明する。
【0108】図5において、情報が記録されている媒体
基板503、すなわち記録ビット505が形成された媒
体基板503に対し、プローブ504を走査し、媒体基
板503の表面の凹凸(記録ビット)に対するレバー5
06のたわみをレバーたわみ量検出回路507により検
出する。すなわち、媒体基板503上の記録ビット50
5の位置では、レバーたわみ量が増大するので、このレ
バーたわみ量の変化を検出する。
【0109】検出再生信号回路514は、レバーたわみ
量検出回路507を介してレバー506のたわみ量の増
大を検出し、その検出したレバー506のたわみ量の増
大を記録ビット検出信号、すなわち再生信号としてホス
トコンピュータ510へ送出する。
【0110】検出再生信号回路514からホストコンピ
ュータ510に再生信号が入力されると、ホストコンピ
ュータ510は所定のプログラムに基づいてその入力さ
れた再生信号を再生する。このようにして、媒体基板5
03上に形成された記録ビット505が再生される。
【0111】記録ビット505が再生される場合のプロ
ーブ104のトラッキング制御は、第1の実施例の情報
記録再生装置の場合と同様に行なわれる。すなわち、再
生信号回路514から出力される記録ビット検出信号を
用い、トラッキング回路515において、記録ビット5
05の並びに対するプローブ504の位置ずれ量を算出
し、算出した位置ずれ補正信号をxyz微動機構502
に印加してトラッキングを行う。
【0112】本実施例の情報記録再生装置では、媒体基
板503上に形成された記録ビット505は、第1の実
施例の場合と同様、記録ビット位置に横方向位置ずれの
ない、しかも、形成される記録ビットは形状・径・高さ
が一定なものとなっているので、情報再生の際の記録ビ
ットの再生信号波形は安定したものとなる。したがっ
て、ビット列のトラッキング動作およびビット検出も安
定した状態で行なわれる。
【0113】3.実施例3(リソグラフィー装置) 次に、本発明の他の実施形態として、リソグラフィー装
置について説明する。
【0114】図7は、本発明の第3の実施例であるリソ
グラフィー装置の概略を示す構成図である。
【0115】本実施例のリソグラフィー装置は、記録用
の媒体基板103に代えて描画用の媒体基板803、記
録信号制御手段111に代えて描画信号制御手段81
1、記録条件参照手段114に代えて描画条件参照手段
814がそれぞれ用いられた以外は第1の実施例の情報
記録再生装置と同様の構成のものであり、また、各構成
部においても同様の動作をするものである。なお、同図
おいて、各構成部の符号についても、xyz粗動機構は
801、xyz微動機構は802、媒体基板は803、
プローブは804、電流検出回路は807、プローブ−
媒体基板間隔制御回路は808、プローブxyz駆動回
路は809、ホストコンピュータは810、電流制限抵
抗は813に代えてある。なお、パルス電圧源は描画用
電圧印加手段である描画用電圧源とされて812の符号
が付されている。
【0116】図7において、ホストコンビュータ810
は、描画情報に基づき、プローブxyz駆動回路809
および描画信号制御手段811に信号を送り、媒体基板
803に対するプローブ804のxy方向位置制御およ
び描画用電圧印加制御を行う。 また、本実施例のリソ
グラフィー装置では、第1の実施例と同様に、媒体基板
803に対して、プローブ804のz方向位置制御を行
いながら、プローブxyz駆動回路809、xyz微動
機構802、xyz粗動機構801を用いて、媒体基板
803に対するプローブ804のxy方向走査を行い、
所望の位置において、リソグラフィーパターンの描画が
行なわれる。
【0117】上記リソグラフィーパターンの描画は、描
画信号制御手段811からの信号をもとに、描画用電圧
源812により、プローブ804と媒体基板803との
間に描画用電圧が印加され、媒体基板803上に描画バ
ターン805を形成することによって行なわれる。
【0118】以下、描画バターン805の形成について
詳しく説明する。
【0119】本実施例のリソグラフィー装置では、第1
の実施例の場合と同様、ホストコンピュータ810が、
描画条件参照手段814から得られる媒体基板−プロー
ブ間の間隔と描画用用印加電圧とプローブ先端の熱溶融
状態との関係を表す情報に基いて、プローブ先端の熱溶
融状態が最適となる描画用印加電圧値およびプローブ−
媒体基板間の間隔を算出する。そして、その算出結果を
描画信号制御手段811へ送出する。
【0120】ホストコンピュータ810から間隔および
描画用印加電圧値の最適値が描画信号制御手段811へ
送出されると、描画信号制御手段811はプローブ−媒
体基板間隔制御回路808を介してxyz微動機構80
2を駆動し、プローブ−媒体基板間の間隔を算出された
最適値の間隔にするとともに、描画用電圧源812にお
ける印加電圧をその最適値のものとする。
【0121】上述のようにして、描画用印加電圧および
プローブ−媒体基板間の間隔が最適なものとされたリソ
グラフィー装置における描画の原理は以下のとおりであ
る。
【0122】プローブ804と媒体基板803との間に
描画用電圧を印加することにより、プローブ先端の一部
が電界蒸発により基板上に移動する。すると、プローブ
804と媒体基板803との間のギャップ抵抗値が減少
し、間を流れる電流値が増大する。これに伴い、描画用
電圧の印加中に流れる電流により生じるジュール熱が増
大し、温度が上昇することにより、プローブ先端の形状
変化部分および基板上に移動したプローブ先増の一部が
熱溶融し、一体化する。その後、プローブ804の走査
あるいはz方向位置制御により、一体化していたプロー
ブ804とプローブ先端の一部が分離し、描画パターン
805を形成する。
【0123】このように、描画用電圧印加時にプローブ
先端に形状変化部分が生じても、その後に流れるジュー
ル熱によりプローブ先端部分の形状変化部分が熱溶融
し、プローブ先端形状が丸まるので、プローブ先端形状
は描画中、常に安定化する。この結果、プローブ上で媒
体基板との間で電界が加わる位置が変化することがなく
なり、媒体基板上の描画パターン位置にずれを生じるこ
とがなくなる。
【0124】電流制限抵抗813に関しては第1および
第2の実施例と同様であり、描画用電圧印加時に流れる
電流により発生するジュール熱によって上昇するプロー
ブ先端温度が、プローブ材料の融点よりわずかに大きく
なるように電流制限抵抗値を選ベばよい。これにより、
プローブ先端の熱溶融の程度にばらつきをなくすことが
でき、描画パターンの構成単位要素の形状・大きさ・高
さが一定に保たれる。
【0125】また、本実施例の場合も前述した第1およ
び第2の実施例と同様に、基板上に移動したプローブ先
端の一部は熱溶融されるため、媒体基板803に対する
描画パターン805の付着力は、プローブ先端の一部が
基板上にただ付着したものに比ベ、大きなものとなって
いる。
【0126】以上の結果、リソグラフィーパターンの描
画が安定・正確になり、リソグラフィー装置としての信
頼性が向上する。
【0127】なお、本実施例では、第1の実施例に類似
したSTM構成のリソグラフィー装置の例を示したが、
本実施例の場合と同様にして、第2の実施例に類似した
AMF構成の情報記録再生装置をリソグラフィー装置の
構成とすることも可能である。
【0128】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載するような効果を奏する。
【0129】請求項1、請求項2、請求項4、および請
求項7に記載の情報記録再生装置および記録方法、並び
に請求項8乃至請求項10および請求項13に記載のリ
ソグラフィー装置および記録方法のそれぞれにおいて
は、記録ビットまたはリソグラフィーパターン形成時に
電界効果によりプローブの先端の形状が変化しても、プ
ローブの先端は熱溶融によって再構成されるので、常に
安定した形状のプローブを提供することができるという
効果がある。
【0130】また、上記プローブの再構成によって、プ
ローブ−媒体基板間における電界の加わるプローブ上の
位置が変化することがなくなり、これにより媒体基板上
に形成される記録ビットまたはリソグラフィーパターン
の位置に走査方向に対する横方向の位置ずれがなくな
る。さらに、プローブの再構成により、媒体基板上に形
成される記録ビットまたはリソグラフィーパターンの形
状・大きさ・高さも一定のものとなるので、記録ビット
またはリソグラフィーパターンの形成が安定したものと
なる。よって、情報記録再生装置またはリソグラフィー
装置としての安定性・信頼性が向上するという効果があ
る。
【0131】さらには、媒体基板上に形成される記録ビ
ットまたはリソグラフィーパターンは、プローブの先端
の再構成の際に共に熱溶融されるので、その熱溶融によ
って媒体基板に対する記録ビットまたはリソグラフィー
パターンの付着力が増大し、プローブ等の接触による記
録ビットやリソグラフィーパターンの媒体基板からの剥
がれを防止することができる。したがって、情報記録再
生装置においては、情報再生の際に記録ビットの検出落
ちが生じることがなくなり、記録再生装置としての信頼
性が向上するという効果があり、リソグラフィー装置に
おいては、リソグラフィーパターンの描画が安定かつ正
確になり、信頼性が向上するという効果がある。
【0132】請求項3に記載の情報記録再生装置におい
ては、媒体基板上に形成された記録ビット列に沿ってプ
ローブの先端が走査されるので、形成された記録ビット
を確実に再生することができるという効果がある。
【0133】請求項5に記載の情報記録再生装置および
請求項11に記載のリソグラフィー装置のそれぞれにお
いては、プローブ−媒体基板間を流れる電流は描画用電
圧印加時にプローブ−媒体基板間のギャップ抵抗の変動
に関係なくその電流制限抵抗によって制限され、プロー
ブ−媒体基板間の間隔を大きなものとした場合において
も、常に安定した状態のプローブ先端および記録ビット
を形成できるので、更に信頼性の高い情報記録再生装置
およびリソグラフィー装置を提供することができるとい
う効果がある。
【0134】請求項6に記載の情報記録再生装置および
請求項12に記載のリソグラフィー装置のそれぞれにお
いては、プローブと媒体基板の材料はそれぞれ共晶関係
にあるので、媒体基板上に形成される記録ビットまたは
リソグラフィーパターンは、熱溶融による付着力に加え
て、化学結合による付着力が生じる。これによって、媒
体基板に対する記録ビットまたはリソグラフィーパター
ンの付着力を更に大きなものとすることができ、記録ビ
ットやリソグラフィーパターンの媒体基板からの剥がれ
を防止するという効果をさらに向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である情報記録再生装置
の概略を示す構成図である。
【図2】記録条件参照手段116中に保存されているプ
ローブ−媒体基板間隔とパルス電圧とプローブ先端の溶
融状態の関係を示す記録条件参照グラフである。
【図3】本発明の特徴である、記録時のプローブ先端形
状の再構成を説明するための模式図で、(a)はプロー
ブ104と媒体基板103との間にパルス電圧を印加し
た状態のもの、(b)はプローブ104の先端の一部が
電界蒸発により分離して基板上に移動した状態のもの、
(c)はプローブ104の先端と分離した部分とが熱溶
融されて一体化した状態のもの、(d)は熱溶融されて
一体化した分離部分を再び記録ビット105として分離
した状態のものである。
【図4】媒体基板103上に形成された記録ビット10
5の再生を説明するためのもので、(a)は媒体基板1
03上に形成された記録ビットの状態を示した図、
(b)は(a)に示す記録ビットの再生信号波形を表す
波形図である。
【図5】本発明の第2の実施例である情報記録再生装置
の概略を示す構成図である。
【図6】図5に示した情報記録装置における記録時のプ
ローブ先端形状の再構成を説明するための模式図で、
(a)はプローブ604と媒体基板503との間に記録
用電圧パルスを印加した状態のもの、(b)はプローブ
504の先端の一部が電界蒸発により分離して基板上に
移動した状態のもの、(c)はプローブ504の先端と
分離した部分とが熱溶融されて一体化した状態のもの、
(d)は熱溶融されて一体化した分離部分を再び記録ビ
ット505として分離した状態のものである。
【図7】本発明の第3の実施例であるリソグラフィー装
置の概略を示す構成図である。
【図8】(a)は記録ビットの形成状態を示した状態
図、(b)は、(a)に示した状態の記録ビットから再
生される信号の波形図である。
【図9】媒体基板上に形成された記録ビットあるいはリ
ソグラフィーパターンがプローブ走査時の接触によって
が剥がれる状態を示す模式図。
【符号の説明】
101 xyz粗動機構 102 xyz微動機構 103 媒体基板 104 プローブ 105 記録ビット 106 バイアス電源 107 電流検出回路 108 プローブ−媒体基板間隔制御回路 109 プローブxyz駆動回路 110 ホストコンピュータ 111 記録信号制御手段 112 パルス電源 113 電流制限抵抗 114 再生信号回路 115 トラッキング回路 116 記録条件参照手段

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 媒体基板と、該媒体基板表面に先端を近
    付けて配置されたプローブと、前記媒体基板面内方向に
    対して前記プローブおよび媒体基板を相対移動させる面
    内方向移動手段と、プローブ−媒体基板間にパルス電圧
    を印加するパルス電圧印加手段とを有し、前記媒体基板
    上の所定の位置に記録ビットを形成するとともに、該形
    成した記録ビットを再生する情報記録再生装置におい
    て、 プローブ−媒体基板間の間隔、前記パルス電圧印加手段
    により印加されるパルス電圧、および該間隔と該パルス
    電圧とから得られる前記プローブ先端の熱溶融状態のそ
    れぞれの関係を与える記録条件参照手段と、 前記記録条件参照手段から与えられる間隔、パルス電圧
    およびプローブ先端の熱溶融状態の関係から、所定間隔
    におけるパルス電圧の最適値を算出する算出手段と、 前記プローブと前記媒体基板との間隔を前記所定間隔と
    した上で、該プローブ−媒体基板間に印加されるパルス
    電圧が前記算出手段によって算出された最適値となるよ
    うに前記パルス電圧印加手段を制御する制御手段とを有
    することを特徴とする情報記録再生装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の情報記録再生装置にお
    いて、 媒体基板面内方向に垂直となる方向に対して前記プロー
    ブおよび媒体基板を相対移動させる垂直方向移動手段
    と、 所定のバイアス電圧をプローブ−媒体基板間に印加する
    バイアス電圧印加手段と、 プローブ−媒体基板間に前記所定のバイアス電圧が印加
    された際の、該プローブ−媒体基板間に流れる電流を検
    出する電流検出手段とを有し、 算出手段が、記録条件参照手段から与えられるプローブ
    −媒体基板間の間隔とパルス電圧とプローブ先端の熱溶
    融状態の関係から、記録時におけるプローブ−媒体基板
    間の最適間隔および最適パルス電圧をそれぞれ算出し、 制御手段は、前記プローブ−媒体基板間の間隔が前記算
    出手段によって算出された最適間隔となるように、前記
    電流検出手段によって検出される電流値を基に前記垂直
    方向移動手段を制御するとともに、プローブ−媒体基板
    間に印加されるパルス電圧が前記算出手段によって算出
    された最適パルス電圧となるようにパルス電圧印加手段
    を制御することを特徴とする情報記録再生装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の情報記録再生装置にお
    いて、 プローブは、弾性体によって支持されており、該プロー
    ブの先端が該媒体基板に接触していることを特徴とする
    請求項1記載の情報記録再生装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載の情報記
    録再生装置において、 電流検出手段によって検出される電流値を基に、媒体基
    板に形成された記録ビット列から再生信号を生成する再
    生手段と、 前記再生手段によって生成された再生信号に基づいて、
    プローブが媒体基板上に形成された記録ビット列に沿っ
    て走査されるように移動手段を制御するトラッキング手
    段とを有することを特徴とする情報記録再生装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載の情報記録再生装置において、 プローブと媒体基板およびパルス電圧印加手段とからな
    る電気回路中に、プローブ−媒体基板間に流れる電流を
    制限するための電流制限抵抗が設けられていることを特
    徴とする情報記録再生装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に
    記載の情報記録再生装置において、 プローブおよび媒体基板の材料は共晶をつくる関係のも
    のであることを特徴とする情報記録再生装置。
  7. 【請求項7】 媒体基板と、該媒体基板表面に先端を近
    付けて配置されたプローブと、前記媒体基板面内方向に
    対して前記プローブおよび媒体基板を相対移動させる面
    内方向移動手段と、プローブ−媒体基板間にパルス電圧
    を印加するパルス電圧印加手段とを有し、前記媒体基板
    上の所定の位置に記録ビットを形成するとともに、該形
    成した記録ビットを再生する情報記録再生装置で行なわ
    れる記録方法であって、 プローブ−媒体基板間の間隔、前記パルス電圧印加手段
    により印加されるパルス電圧、および該間隔と該パルス
    電圧とから得られる前記プローブ先端の熱溶融状態のそ
    れぞれの関係を与え、 前記与えられる間隔、パルス電圧およびプローブ先端の
    熱溶融状態の関係から、所定間隔におけるパルス電圧の
    最適値を算出し、 前記プローブと前記媒体基板との間隔を前記所定間隔と
    した上で、該プローブ−媒体基板間に印加されるパルス
    電圧を算出された最適値とすることを特徴とする記録方
    法。
  8. 【請求項8】 プローブの先端を媒体基板表面に対して
    所定の間隔となる位置まで近づけて、該プローブ−媒体
    基板間に所定のパルス電圧を印加し、電界効果により前
    記媒体基板上に記録ビットを形成する記録方法におい
    て、 プローブ−媒体基板間に最適パルス電圧を印加して電界
    効果を生じさせ、プローブの先端の一部を媒体基板上に
    移動させる第1のステップと、 前記第1のステップによるプローブの先端の一部の媒体
    基板上への移動により、前記プローブ−媒体基板間のギ
    ャップ抵抗を減少させて該プローブ−媒体基板間に流れ
    る電流を増大させる第2のステップと、 前記第2のステップによるプローブ−媒体基板間に流れ
    る電流の増大に伴って、該プローブ−媒体基板間に流れ
    る電流によって生じる熱を増大させ、該熱の増大によっ
    て、前記プローブの先端部と前記媒体基板上へ移動した
    前記プローブの先端の一部とを溶融させて再び一体化さ
    せる第3のステップと、 前記第3のステップにおいて溶融され、一体化されたプ
    ローブの先端部と前記媒体基板上へ移動した該プローブ
    の先端の一部とを、前記プローブおよび媒体基板を相対
    移動させることによって再び分離させて記録ビットを形
    成させるとともに、前記プローブの先端部を再構成させ
    る第4のステップと有することを特徴とする記録方法。
  9. 【請求項9】 プローブの先端を媒体基板表面に対して
    所定の間隔となる位置まで近づけて、該プローブ−媒体
    基板間に所定のパルス電圧を印加し、電界効果により前
    記媒体基板上に記録ビットを形成する記録方法におい
    て、 プローブ−媒体基板間に最適パルス電圧を印加して電界
    効果を生じさせ、プローブの先端の一部を媒体基板上に
    移動させて記録ビットを形成する第1のステップと、 前記第1のステップによるプローブの先端の一部の媒体
    基板上への移動により、前記プローブ−媒体基板間のギ
    ャップ抵抗を減少させて該プローブ−媒体基板間に流れ
    る電流を増大させる第2のステップと、 前記第2のステップによるプローブ−媒体基板間に流れ
    る電流の増大に伴って、該プローブ−媒体基板間に流れ
    る電流によって生じる熱を増大させ、該熱の増大によっ
    て、前記プローブの先端部と前記記録ビットとを溶融さ
    せる第3のステップと、 前記第3のステップの溶融により、記録ビットの媒体基
    板に対する付着力を増大させる第4のステップと有する
    ことを特徴とする記録方法。
  10. 【請求項10】 媒体基板と、該媒体基板表面に先端を
    近付けて配置されたプローブと、前記媒体基板面内方向
    に対して前記プローブおよび媒体基板を相対移動させる
    面内方向移動手段と、プローブ−媒体基板間に描画用印
    加電圧を印加する描画用電圧印加手段とを有し、前記媒
    体基板上の所定の位置に描画パターンを形成するリソグ
    ラフィー装置において、 プローブ−媒体基板間の間隔、前記描画用電圧印加手段
    により印加される描画用印加電圧、および該間隔と該描
    画用印加電圧とから得られる前記プローブ先端の熱溶融
    状態のそれぞれの関係を与える描画条件参照手段と、 前記描画条件参照手段から与えられるプローブ−媒体基
    板間の間隔と描画用印加電圧とプローブ先端の熱溶融状
    態の関係から、所定間隔におけるプローブ−媒体基板間
    に印加される描画用印加電圧の最適値を算出する算出手
    段と、 前記プローブと前記媒体基板との間隔を前記所定間隔と
    した上で、該プローブ−媒体基板間に印加される描画用
    印加電圧が前記算出手段によって算出された最適値とな
    るように前記描画用電圧印加手段を制御する制御手段と
    を有することを特徴とするリソグラフィー装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のリソグラフィー装
    置において、 媒体基板面内方向に垂直となる方向に対して前記プロー
    ブおよび媒体基板を相対移動させる垂直方向移動手段
    と、 プローブ−媒体基板間に所定のバイアス電圧を印加する
    バイアス電圧印加手段と、 プローブ−媒体基板間に前記所定のバイアス電圧が印加
    された際の、該プローブ−媒体基板間に流れる電流を検
    出する電流検出手段とを有し、 算出手段が、描画条件参照手段から与えられるプローブ
    −媒体基板間の間隔と描画用印加電圧とプローブ先端の
    熱溶融状態の関係から、描画時におけるプローブ−媒体
    基板間の最適間隔および最適描画用印加電圧をそれぞれ
    算出し、 制御手段は、前記プローブ−媒体基板間の間隔が前記算
    出手段によって算出された最適間隔となるように、前記
    電流検出手段によって検出される電流値を基に前記垂直
    方向移動手段を制御するとともに、プローブ−媒体基板
    間に印加される描画用印加電圧が前記算出手段によって
    算出された最適描画用印加電圧となるようにパルス電圧
    印加手段を制御することを特徴とするリソグラフィー装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載のリソグラフィー装
    置において、 プローブは、弾性体によって支持されており、該プロー
    ブの先端が該媒体基板に接触していることを特徴とする
    リソグラフィー装置。
  13. 【請求項13】 請求項10乃至請求項12のいずれか
    1項に記載のリソグラフィー装置において、 プローブと媒体基板および描画電圧印加手段とから構成
    される電気回路中に、プローブ−媒体基板間に流れる電
    流を制限するための電流制限抵抗が設けられていること
    を特徴とするリソグラフィー装置。
  14. 【請求項14】 請求項10乃至請求項13のいずれか
    1項に記載のリソグラフィー装置において、 プローブおよび媒体基板の材料は共晶をつくる関係のも
    のであることを特徴とするリソグラフィー装置。
  15. 【請求項15】 媒体基板と、該媒体基板表面に先端を
    近付けて配置されたプローブと、前記媒体基板面内方向
    に対して前記プローブおよび媒体基板を相対移動させる
    面内方向移動手段と、プローブ−媒体基板間に描画用印
    加電圧を印加する描画用電圧印加手段とを有し、前記媒
    体基板上の所定の位置に描画パターンを形成するリソグ
    ラフィー装置で行なわれる描画方法であって、 プローブ−媒体基板間の間隔、前記描画用電圧印加手段
    により印加される描画用印加電圧、および該間隔と該描
    画用印加電圧とから得られる前記プローブ先端の熱溶融
    状態のそれぞれの関係を与え、 前記与えられるプローブ−媒体基板間の間隔と描画用印
    加電圧とプローブ先端の熱溶融状態の関係から、所定間
    隔におけるプローブ−媒体基板間に印加される描画用印
    加電圧の最適値を算出し、 前記プローブと前記媒体基板との間隔を前記所定間隔と
    した上で、該プローブ−媒体基板間に印加される描画用
    印加電圧を前記算出された最適値とすることを特徴とす
    る描画方法。
  16. 【請求項16】 プローブの先端を媒体基板表面に対し
    て所定の間隔となる位置まで近づけてプローブ−媒体基
    板間に所定のパルス電圧を印加し、電界効果により前記
    媒体基板上に描画パターンを形成する描画方法におい
    て、 プローブ−媒体基板間に最適パルス電圧を印加して電界
    効果を生じさせ、プローブの先端の一部を媒体基板上に
    移動させる第1のステップと、 前記第1のステップによるプローブの先端の一部の媒体
    基板上への移動により、前記プローブ−媒体基板間のギ
    ャップ抵抗を減少させて該プローブ−媒体基板間に流れ
    る電流を増大させる第2のステップと、 前記第2のステップによるプローブ−媒体基板間に流れ
    る電流の増大に伴って、該プローブ−媒体基板間に流れ
    る電流によって生じる熱を増大させ、該熱の増大によっ
    て、前記プローブの先端部と前記媒体基板上へ移動した
    該プローブの先端の一部を溶融させて再び一体化させる
    第3のステップと、 前記第3のステップにおいて溶融され、一体化されたプ
    ローブの先端部と前記媒体基板上へ移動した該プローブ
    の先端の一部とを、前記プローブおよび媒体基板を相対
    移動させることによって再び分離させて描画パターンを
    形成させるとともに、前記プローブの先端部を再構成さ
    せる第4のステップと有することを特徴とする描画方
    法。
  17. 【請求項17】 プローブの先端を媒体基板表面に対し
    て所定の間隔となる位置まで近づけて、該プローブ−媒
    体基板間に所定のパルス電圧を印加し、電界効果により
    前記媒体基板上に描画パターンを形成する描画方法にお
    いて、 プローブ−媒体基板間に最適パルス電圧を印加して電界
    効果を生じさせ、プローブの先端の一部を媒体基板上に
    移動させて描画パターンを形成する第1のステップと、 前記第1のステップによるプローブの先端の一部の媒体
    基板上への移動により、前記プローブ−媒体基板間のギ
    ャップ抵抗を減少させて該プローブ−媒体基板間に流れ
    る電流を増大させる第2のステップと、 前記第2のステップによるプローブ−媒体基板間に流れ
    る電流の増大に伴って、該プローブ−媒体基板間に流れ
    る電流によって生じる熱を増大させ、該熱の増大によっ
    て、前記プローブの先端部と前記描画パターンとを溶融
    させる第3のステップと、 前記第3のステップの溶融により、描画パターンの媒体
    基板に対する付着力を増大させる第4のステップと有す
    ることを特徴とする描画方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5751686A (en) * 1995-06-19 1998-05-12 Canon Kabushiki Kaisha Scanning probe tip covered with an electrical resistance to limit recording/reproducing current
JP2005338468A (ja) * 2004-05-27 2005-12-08 Dainippon Ink & Chem Inc ネマティック液晶表示素子の表示不良解決方法

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