JPH09198728A - 記録再生装置、記録再生方法、および該装置乃至は方法に用いる探針の形成方法 - Google Patents

記録再生装置、記録再生方法、および該装置乃至は方法に用いる探針の形成方法

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JPH09198728A
JPH09198728A JP2606596A JP2606596A JPH09198728A JP H09198728 A JPH09198728 A JP H09198728A JP 2606596 A JP2606596 A JP 2606596A JP 2606596 A JP2606596 A JP 2606596A JP H09198728 A JPH09198728 A JP H09198728A
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Masabumi Kiyougaku
正文 教學
Shunichi Shito
俊一 紫藤
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、高いセパレーションを有し、且つ読
み取りの確実性を向上させた記録再生装置、記録再生方
法、および該装置乃至は方法に用いる探針の形成方法を
提供することを目的としている。 【解決手段】本発明は、上記課題を解決するため、弾性
部材に保持された探針を、記録媒体表面に近接対向させ
て配置し、記録媒体の表面を走査させることにより前記
探針と前記記録媒体に働く相互作用を検出し、前記記録
媒体への情報の書き込みまたは情報の読み取りを行うよ
うにした記録再生装置または方法において、記録媒体表
面と平行な一軸方向に長い先端を有する探針により情報
の書き込みまたは情報の読み取りを行うようにしたこと
を特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型プローブ顕
微鏡構成の記録再生装置、記録再生方法、および該装置
乃至は方法に用いる探針の形成方法に関し、特に、その
記録ドットの読み出しの確実性を向上させるようにした
ものである。
【0002】
【従来の技術】原子的スケールの空間分解能を持つ表面
顕微鏡の一つとして走査型トンネル顕微鏡(以下STM
と記述する)或いは、走査型原子間力顕微鏡(以下AF
Mと記述する)が実用化されている。STMは、探針と
試料の距離を数nm以下に接近させたときに流れるトン
ネル電流を検出し、電子状態の分布を含む表面像を構成
する。一方AFMは、探針を試料に数nm以下に接近さ
せたときに探針と試料表面とに働く原子間力を検出し、
凹凸情報を含む表面像を構成する。また、これらの技術
を応用した、様々な走査型プローブ顕微鏡が開発されて
いる。例えば、AFM構成で、探針を導電性にすること
によって試料に電圧を印加することができるようにし、
試料表面の凹凸と同時に導電性の分布を測定することが
できる機能を付与したAFM/STMがある(特開平3
−277903号公報)。また、磁性探針を用い、試料
表面の磁気分布を測定する装置や、探針を静電容量セン
サーとして用い、試料表面の静電容量分布を測定する装
置などが考案されている。
【0003】これらの走査型プローブ顕微鏡を応用し、
局所領域に記録情報を書き込む、超高密度の記録再生装
置が考案されている。STMを応用した記録方法として
は、探針と記録媒体の間に電圧を印加し、局所的に記録
媒体の表面形態を変化させる方法、或いは記録媒体の導
電性を変化させる方法などがある。また、AFM/ST
Mを応用すれば、記録媒体に対して探針をならわせ、電
圧を印加することによって局所的に記録媒体の物理状態
を変化させて記録ドットを形成することができる。その
一例として、電圧印加により記録媒体に凹凸を形成する
装置が特開平6−96714号公報に示されている。こ
のとき、記録媒体として、特開昭63−161553号
公報に示されているような電流電圧特性のスイッチング
特性にメモリー効果のある有機膜を用い、電気特性の変
化で記録することもできる。この場合、再生時は数mV
のバイアス電圧をかけておき、記録ドットは電流情報と
して検出される。これらの記録再生装置では、高い分解
能を得て記録密度を高めるために、できるだけ鋭利な先
端をもつ探針が求められてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記記録再生装置は、
非常に鋭利な探針が用いられているので、記録されたド
ットは非常に小さく、記録ドット列が非常に狭いので、
図8に示されるように、温度ドリフト或いは外部振動な
どの影響を受け易く、探針の走査方向がドット列からず
れて、再生が不安定になるという問題があった。また、
記録時における探針の位置決めは移動機構に与えられる
位置情報によるので、実際に記録されたデータ列は、温
度ドリフトや外的振動のために、必ずしも直線上に並ば
ないことがある。そこで、このような記録ドットに対し
ても、探針がデータ列に追従して再生を行うためのトラ
ッキング方法が考案されている。例えば、記録ドット情
報からドット列の方向を予測する方法や記録面にトラッ
キング用マーカーを組み込む方法などがある。一般に、
安定したトラッキングを行うには、できるだけ確実にド
ット、或いはマーカーを検出できることが要求される。
ところが、分解能が高い鋭利な探針ほどドットのセパレ
ーションは高くなるが、探針が1ライン走査でカバーす
る信号検出可能領域の幅が狭くなるために、記録ドット
の読みだしエラーが発生し易いという問題がある。これ
に対し、図9に示されるように、先端の曲率半径が大き
な探針を用いれば、ドリフト等の影響を相対的に軽減す
ることができるが、記録ドットのセパレーションが悪く
なってしまうという問題がある。このとき記録ドットの
距離を離せば、セパレーションは改善できるが、記録密
度は減少してしまう。
【0005】そこで、本発明は、上記した従来のものに
おける課題を解決するため、高いセパレーションを有
し、且つ読み取りの確実性を向上させた記録再生装置、
記録再生方法、および該装置乃至は方法に用いる探針の
形成方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題を解
決するために、記録再生装置、記録再生方法、および該
装置乃至は方法に用いる探針の形成方法につき、つぎの
ように構成したものである。すなわち、本発明の記録再
生装置は、記録媒体表面に対向し且つ記録媒体表面に近
接して配置された探針と、前記探針を保持する弾性部材
と、前記探針に対して前記記録媒体の表面を走査させる
ための走査手段と、前記探針と前記記録媒体に働く相互
作用を用いて前記記録媒体に情報を書き込むための記録
手段と、前記探針と前記記録媒体に働く相互作用を用い
て前記記録媒体に記録された情報を読み取るための再生
手段を備えた記録再生装置において、前記探針が、記録
媒体表面と平行な一軸方向に長い先端を有することを特
徴としている。そして、本発明においては、前記探針の
先端は、その長軸が探針の走査方向と直行するように配
置することができる。また、探針の先端の長軸方向の長
さは、記録ドット径よりも長くし、あるドット列を再生
中に隣あったドット列を誤って読み込まないために、記
録ドット列の間隔よりも短くする事が望ましい。また、
本発明においては探針の先端を、二平面の交線から構成
されるようにしてもよい。また、本発明においては、そ
の探針を、導電性を有する探針により構成することがで
きる。また、本発明においては、前記記録手段が、前記
探針と前記記録媒体とに電圧を印加する手段であっても
よく、前記再生手段が、前記探針と前記記録媒体との間
に流れる電流を検出する手段であってもよい。
【0007】また、本発明の記録再生方法は、弾性部材
に保持された探針を、記録媒体表面に近接対向させて配
置し、記録媒体の表面を走査させることにより前記探針
と前記記録媒体に働く相互作用を検出し、前記記録媒体
への情報の書き込みまたは情報の読み取りを行うように
した記録再生方法において、記録媒体表面と平行な一軸
方向に長い先端を有する探針により情報の書き込みまた
は情報の読み取りを行うようにしたことを特徴としてい
る。さらに、上記した本発明の装置乃至は方法に用いる
探針の形成方法は、その探針がシリコン、或いはシリコ
ン化合物を用い、結晶異方性エッチングを利用して形成
されることを特徴としている。そして、この場合、結晶
異方性エッチングを途中の段階で終了させれば、その段
階に応じた任意のサイズをもつ探針先端を形成すること
ができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の、以上の構成によれば、
探針が走査方向と直交する方向に長い先端を有するの
で、一ライン走査での検出可能領域が広くとれることに
よって、記録ドットの並びにばらつきがある場合や、熱
ドリフト等が発生し、探針が記録ドット列から多少はず
れた場合でも、記録ドットを読み取ることができるの
で、記録ドットの読み取りの確実性を向上させることが
できる。また、記録ドット列に沿った走査方向に平行な
探針先端の幅は記録ドットの間隔に対して十分狭くとる
ことができるので、記録再生時に記録ドットの高いセパ
レーションを得ることができる。
【0009】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。 [実施例1]図2に、本実施例における記録再生装置に
用いられた探針の、上方及び側方から見た形状を示す。
探針は、4つの面で囲まれており、およそピラミッド形
状をしている。ただし、4つの稜線は一点で交わらずに
僅かにずれており、一軸方向に長い鞍状の先端を持つ。
この探針は、図1に示されるように、カンチレバーの自
由端近傍に保持されている。探針及びカンチレバーの製
造方法は、米国特許第5221415号明細書に示され
ている方法を応用した。これは、半導体デバイス製造プ
ロセス技術を使い、単結晶シリコンの異方性エッチング
を用いて探針形状を形成し、窒化シリコンからなる探針
及びカンチレバーを一体成形する方法である。そこで
は、フォトリソグラフィを使ってパターニングした二酸
化シリコンのマスクを被覆したシリコンウェハに、異方
性エッチングにより探針形状となるピラミッド状のピッ
トを設ける行程が含まれる。本実施例では、マスク形状
を長方形にすることによって、ピラミッドの稜線が一点
で交わらずに、長方形の2辺の長さの差に相当する長さ
を持つ先端を形成した。作成した探針の大きさは、四角
錘の底辺の長さが約5μm、先端部は長軸方向の長さが
150nm、短軸方向の長さは約5nmであった。ここ
では、異方性エッチングを、最終段階まで行って、二平
面の交線で先端が構成されるような比較的切り立った先
端を形成したが、エッチングを途中段階で止めることに
よって、任意の大きさを持つ長方形の台状の先端を形成
することもできる。更に、導電性を持たせるために探針
及びカンチレバーの表面に、スパッターによって約50
nmの厚さのPt膜を形成した。Pt被覆によって、先
端部の鞍部の線方向に垂直な方向の曲率半径は約30n
mになり、少し鈍った鞍状の先端となった。
【0010】以下に、本発明の記録再生装置において、
探針が試料に接触した状態で再生を行う接触モードでの
一実施例を示す。図3に実施例1における記録再生装置
の主要部の構成を示す。探針1が記録媒体4に対向する
ように支持体3を本体に固定した。この時探針1は、探
針先端の長軸方向が、ドット列の並ぶ方向に垂直になる
ように、且つ、記録媒体表面に平行になるように配置し
た。記録媒体4を載せた電極基板5は基板ホルダー6に
固定した。基板ホルダー6の底部には円筒型圧電素子で
構成された変位素子7に固定し、更に、圧電素子からな
る粗動素子8を介して本体に固定した。変位機構7は変
位素子駆動回路14によって駆動され、基板を平面変位
させるための機構、及び基板平面に垂直方向への変位機
構として働く。
【0011】探針及び基板ホルダーには、電圧印加回路
13、及び電流信号検出回路12が接続されている。制
御部11は、これらの回路に対して動作命令を出す。記
録媒体4には、特開昭63−161553号公報に開示
されているような電流電圧特性のスウィッチングにメモ
リー効果を有する有機化合物の累積膜である、ポリイミ
ド薄膜を用いた。ポリイミド薄膜は、例えば数Vの電圧
をパルス的に印加することによって高抵抗状態から低抵
抗状態に遷移させることができる。電極基板5には、石
英ガラス基板の上に、Crを真空蒸着法によって5nm
堆積させ、更にその上にAuを30nm同法によって蒸
着したものを用いた。この上に、LB法によってポリア
ミド酸を10層累積し、次に熱処理によるイミド化を行
ってポリイミド薄膜を形成した。膜厚は約5nmであっ
た。
【0012】次に、記録動作について説明する。まず、
粗動機構8を駆動して探針1を記録媒体4に接触させ
る。制御部は記録データを2値化して、記録媒体4上の
座標で指定された記録点と対応づけたデータ列に変換す
る。ここで、記録点は、直線上の一定間隔を持って設定
される。ここでは、記録点の間隔は50nmに設定し
た。変位機構駆動回路14は変位機構7を駆動し、記録
媒体4を探針1に対して走査させる。探針1が記録点に
達したら、2値化データがONかOFFかを判別する。
ONであれば、パルス状電圧を発生させ、電圧印加回路
13によって記録媒体4に電圧印加して記録を行った。
このとき、パルス電圧は、波高値5V、時間1μsとし
た。この結果、電圧印加部には周囲よりも低抵抗な部
分、即ち記録ドットが形成された。一列の記録が終了し
たら、隣合った記録列に探針を移動し、引き続き記録を
行うようにした。このとき、隣あったドット列の間隔
は、探針先端の長さよりも長く設定した。
【0013】次に、再生動作について説明する。本実施
例で再生した記録ドットは記録媒体4の電気伝導率の局
所的な変化として形成されている。そこで、探針1と電
極基板5との間に電圧印加回路13によって数百mVの
直流バイアス電圧を加え、記録媒体4に流れる電流を電
流信号検出回路12によって検出することによって、記
録ドットを検出した。変位機構駆動回路14は変位機構
7を駆動し、探針1に記録面上を走査させる。局所的に
低抵抗化した部分は記録ドット(ON)として認識され
る。また、探針位置制御信号における記録位置に相当す
る位置で、低抵抗部が検出されない場合はOFFとして
認識された。本実施例の記録再生装置に用いられる探針
1は、先端が走査方向に垂直に長く幅を持っているため
に、1ライン走査での信号検出可能な面積を広く取るこ
とができる。記録媒体をAFM/STMで観察したとこ
ろは、記録ドットは記録時に用いた探針形状を反映して
長さ約130nmの長円形であった。これに対し、本記
録再生装置では、1ラインの走査をして再生を行った。
【0014】再生初期状態では、記録ドットが探針先端
の中央付近に位置するようにし、データ列に沿って、探
針を走査させて電流信号を検出した。信号強度は、探針
先端と記録ドットの重なりに応じて変化するが、およそ
探針先端の長さの半分と記録ドットの長さの半分の和の
距離のドリフトが起こっても電流検出可能である。図5
に示されるように、ドリフトの為に探針先端と記録ドッ
トの重なりが減少し、その結果として信号強度は徐々に
減少して行ったが、10μm走査に渡ってドット検出可
能であった。
【0015】上記実施例では、特に電圧印加によって記
録及び再生を行う手段を用いたが、記録及び再生手段に
関しては、なんらこれに限定されるものではない。
【0016】[実施例2]本発明の実施例2では、鋭利
な探針を用いて形成した微小ビットを、実施例1におけ
る記録再生装置を用いて再生を行った。記録媒体4に
は、実施例1で用いたのと同じ、電流電圧特性のスウィ
ッチングにメモリー効果を有するポリイミド薄膜を用い
た。この場合、実施例1における記録再生装置を用い、
記録時のみ、鋭利な探針を用いて記録を行った。この
時、先端の曲率半径が約20nmの鋭利な探針を用い
た。この探針を用いることによって、約10nmの大き
さの微小なドットを形成することができた。また、記録
点の間隔は50nmに設定した。
【0017】記録点は、直線上に一定間隔を持つ位置座
標によって規定されており、OFFの場合は記録点上に
ドットは形成されていない。ただし、記録時に、走査方
向とは直角方向に不規則に変位を与え、故意にデータ列
を直線上からずれるように形成した。その結果、記録ド
ットは、データ列に沿って幅約50nmに渡って分布し
た。次に、実施例1で用いた探針に交換し、実施例1と
同様の方法で、上記のように形成された記録ドット列に
対して再生を行った。
【0018】図6に示されるように、上記のように形成
された、並び方にばらつきのある記録ドット列に対し
て、再生初期状態では記録ドットが探針先端の中央付近
に位置するようにし、データ列に沿って探針を走査させ
て電流信号を検出したところ、ドリフトによって探針が
データ列から外れるまでの約10μmの距離に渡って、
ほぼ全ての記録ドットを認識することができた。
【0019】[実施例3]以下に、本発明の記録再生装
置において、探針が試料に非接触の状態で再生を行う、
非接触モードでの一実施例を示す。図4に実施例3にお
ける記録再生装置の主要部の構成を示す。実施例1にお
ける記録再生装置と共通する部分には同じ記号を用い
た。記録媒体にはn型Si基板を用い、Si基板上に凸
ドットを形成して記録を行った。記録方法については、
特開平4−321955号公報に詳述されている。そこ
では、Si基板に探針を接触させて電圧印加を行うと、
接触部分には凸構造が形成される。本実施例の装置を用
い、記録媒体に電圧印加を行って、情報記録を行った。
記録時の電圧印加は、波高値5V、時間1μsのパルス
電圧とした。 本実施例では、微小ドットを形成するた
めに記録用には鋭利な探針を用いた。記録ドット列は記
録媒体上におよそ直線状に形成した。ただし、ドットの
並びにばらつきを生じさせるために、走査方向とは直角
方向に不規則に変位を与えて記録を行った。また、走査
方向には80nmの間隔で記録点を設定した。その結
果、約30nmの大きさをもった記録ドットが、データ
列に沿って幅約50nmに渡って分布した。
【0020】記録媒体の凹凸は、探針が受ける力をカン
チレバーで検出することによって行った。カンチレバー
2の変位検出には、AFMでは一般的に用いられる光て
こ方を用いた。レーザー発光素子9及び偏位検出素子1
0は本体に固定し、レーザー発光素子9から射出される
レーザー光は、探針1を保持するカンチレバー2の自由
端近傍で反射され、偏位検出素子10に入射すようにし
た。偏位検出素子10にはフォトダイオードからなる二
分割センサーを用いた。探針1が記録媒体との相互作用
によって力を受けると、弾性体であるカンチレバー2は
力に応じて変位する。すると、反射レーザー光の反射角
が偏位する。偏位検出素子10によって検出された信号
は、偏位信号検出回路16に送らる。偏位信号検出回路
16は、反射レーザー光の偏位を検出し、その結果を基
にカンチレバーの変位を計測する。
【0021】次に、再生動作に付いて説明する。まず、
粗動機構8を駆動して探針1を記録媒体4に接近させ
る。探針1と記録媒体4との距離が約5nmになったと
ころで、粗動機構8の伸縮を停止させる。次に、変位機
構駆動回路14は変位信号を受けて変位機構7をZ駆動
し、探針1は記録媒体4に非接触の状態で距離が2nm
で一定するように帰還制御させた。ここでは、カンチレ
バー2の変位が一定になるように基板5の位置が帰還制
御されている。次に、変位機構駆動回路14は変位機構
7をXY変位させて、探針1に記録媒体4上を走査させ
る。この場合、探針が凸構造にさしかかると、探針と試
料との距離は接近するので、引力は増大し、カンチレバ
ーの先端は試料に引き込まれる方向に変位する。一方、
凹構造では引力は減少し、カンチレバーの先端は試料か
ら遠ざかる方向に変位する。凹凸情報は、カンチレバー
の変位を一定に保つように基板位置を制御するための帰
還制御信号から得た。得られた凹凸情報は、二値化処理
して、記録情報として再生した。
【0022】図7に示されるように、上記のように形成
された、並び方にばらつきのある記録ドット列に対し
て、再生初期状態では記録ドットが探針先端の中央付近
に位置するようにし、データ列に沿って探針を走査させ
て電流信号を検出したところ、ドリフトによって探針が
データ列から外れるまでの約10μmの距離に渡って、
ほぼ全ての記録ドットについて認識することが出来た。
上記実施例では、特に電圧印加によって記録を行う手段
と、原子間力を検出して再生を行う手段を用いたが、記
録及び再生手段に関しては、これに限定されるものでは
ない。また、非接触モードでの再生手段を用いたが、接
触モードでの再生も同様に実施することができる。カン
チレバーが検出する力は、探針と記録媒体との相互作用
によって生じる力であれば検出可能である。例えば、探
針と対向電極の間に、電圧を印加する手段を用いて探針
にかかる静電力を検出することもできる。また、探針を
磁性材料で構成するなどして記録媒体に対して磁界を作
用する手段を設ければ、探針にかかる磁気力を検出する
ことも可能である。このように、本発明の記録再生装置
は、走査型プローブ顕微鏡構成の記録再生装置一般に実
施することができる。
【0023】
【発明の効果】本発明は、以上のように記録媒体表面と
平行な一軸方向に長い先端を有する探針を備え、また、
その探針の先端を、その長軸が探針の走査方向と直行す
るように配置することにより、容易に探針を記録ドット
上に位置させることができ、記録ドットの読み取りの確
実性を向上させることができ、さらに、記録ドット列に
沿った走査方向に平行な探針先端の幅は、記録ドットの
間隔に対して十分狭くとれるので、記録再生時に記録ド
ットの高いセパレーションを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】探針及びカンチレバーを示す図である。
【図2】探針形状を示す図である。
【図3】実施例1における再生装置の構成図である。
【図4】実施例3における記録再生装置の構成図であ
る。
【図5】探針の軌跡と、信号強度を示す図である。
【図6】探針の軌跡と、信号強度を示す図である。
【図7】探針の軌跡と、信号強度を示す図である。
【図8】従来技術を説明するための図である。
【図9】従来技術を説明するための図である。
【符号の説明】
1:探針 2:カンチレバー 3:支持体 4:記録媒体 5:電極基板 6:基板ホルダー 7:変位機構 8:粗動機構 9:レーザー発光素子 10:偏位検出素子

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体表面に対向し且つ記録媒体表面に
    近接して配置された探針と、前記探針を保持する弾性部
    材と、前記探針に対して前記記録媒体の表面を走査させ
    るための走査手段と、前記探針と前記記録媒体に働く相
    互作用を用いて前記記録媒体に情報を書き込むための記
    録手段と、前記探針と前記記録媒体に働く相互作用を用
    いて前記記録媒体に記録された情報を読み取るための再
    生手段を備えた記録再生装置において、 前記探針が、記録媒体表面と平行な一軸方向に長い先端
    を有することを特徴とする記録再生装置。
  2. 【請求項2】前記探針の先端における長軸が、探針の走
    査方向と直行するように配置されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の記録再生装置。
  3. 【請求項3】前記探針の先端における長軸方向の長さ
    が、記録ドット径よりも長く、且つ記録ドット列の間隔
    よりも短いことを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の記録再生装置。
  4. 【請求項4】 前記探針が、二平面の交線からなる先端
    を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれ
    か1項に記載の記録再生装置。
  5. 【請求項5】 前記探針が、導電性を有する探針である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に
    記載の記録再生装置。
  6. 【請求項6】 前記記録手段が、前記探針と前記記録媒
    体とに電圧を印加する手段であることを特徴とする請求
    項1〜請求項5のいずれか1項に記載の記録再生装置。
  7. 【請求項7】 前記再生手段が、前記探針と前記記録媒
    体との間に流れる電流を検出する手段であることを特徴
    とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の記録
    再生装置。
  8. 【請求項8】弾性部材に保持された探針を、記録媒体表
    面に近接対向させて配置し、記録媒体の表面を走査させ
    ることにより前記探針と前記記録媒体に働く相互作用を
    検出し、前記記録媒体への情報の書き込みまたは情報の
    読み出しを行うようにした記録再生方法において、記録
    媒体表面と平行な一軸方向に長い先端を有する探針によ
    り情報の書き込みまたは情報の読み取りを行うようにし
    た記録再生方法。
  9. 【請求項9】前記探針の先端における長軸が、探針の走
    査方向と直行するように配置されていることを特徴とす
    る請求項8に記載の記録再生方法。
  10. 【請求項10】前記探針の先端における長軸方向の長さ
    が、記録ドット径よりも長く、且つ記録ドット列の間隔
    よりも短いことを特徴とする請求項8または請求項9に
    記載に記録再生方法。
  11. 【請求項11】 前記探針が、二平面の交線からなる先
    端を有することを特徴とする請求項9〜請求項10のい
    ずれか1項に記載の記録再生方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜請求項11のいずれか1項
    に記載の装置乃至は方法に用いる探針の形成方法におい
    て、前記探針がシリコン、或いはシリコン化合物を用
    い、結晶異方性エッチングを利用して形成されることを
    特徴とする探針の形成方法。
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