JPH09306052A - 情報再生装置および情報再生方法 - Google Patents

情報再生装置および情報再生方法

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JPH09306052A
JPH09306052A JP14828496A JP14828496A JPH09306052A JP H09306052 A JPH09306052 A JP H09306052A JP 14828496 A JP14828496 A JP 14828496A JP 14828496 A JP14828496 A JP 14828496A JP H09306052 A JPH09306052 A JP H09306052A
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recording dot
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JP14828496A
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English (en)
Inventor
Masabumi Kiyougaku
正文 教學
Shunichi Shito
俊一 紫藤
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】記録ドット列に対して直接トラッキングを行う
情報再生装置、方法において、複雑な探針駆動を行わず
にトラッキングを行えるようにする。 【解決手段】記録媒体表面に対向して近接配置された探
針を、記録媒体の表面を走査させて、記録媒体に記録ド
ット列として記録された情報を探針を用いて読み出す情
報再生装置において、探針は記録媒体と接触し得る稜を
有し、該稜が探針の走査方向に対して平行または垂直の
いずれにもならないように配置され、その情報再生方法
は、このように構成された探針を用い、情報の読み出し
に際して探針が記録ドットを検出する時間の間隔の変化
から、探針の移動方向の記録ドット列が並ぶ方向からの
ドリフト方向を検出し、その結果に基づいて探針位置を
走査方向に対して垂直方向にフィードバック制御し、記
録ドット列に対してトラッキングを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プローブを有する
情報再生装置において、記録ドット列に対して直接トラ
ッキング制御を行うための情報再生装置および情報再生
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】試料表面を原子的スケールの空間分解能
で観察することのできる、走査型プローブ顕微鏡が開発
されている。その代表的な、走査型トンネル顕微鏡(S
TM)は、探針と試料の距離を数nm以下に接近させた
ときに流れるトンネル電流を検出し、電子状態の分布を
含む表面像を構成する。また、走査型原子間力顕微鏡
(AFM)は、弾性体に保持された探針を試料に数nm
以下に接近させたときに探針と試料表面とに働く原子間
力を検出し、凹凸情報を含む表面像を構成する。
【0003】また、AFM構成を基に、探針を導電性に
することによって試料に電圧を印加することができるよ
うにし、試料表面の凹凸と同時に導電性の分布を測定す
ることができるようにしたAFM/STMが開発されて
いる(特開平3−277903号公報)。更に、探針に
磁性材料を用い、試料表面の磁気分布を測定する装置
や、探針を静電容量センサーとして用いて、試料表面の
静電容量分布を測定する装置などが開発されている。こ
れらの走査型プローブ顕微鏡を応用し、局所領域に記録
情報を書き込むことができる超高密度の記録再生装置が
考案されている。例えば、AFM/STMを応用すれ
ば、記録媒体上を探針にならわせ、電圧を印加すること
によって局所的に記録媒体の物理状態を変化させて記録
ドットを形成することができる。その一例として、電圧
印加により記録媒体に凹凸を形成する装置が特開平6−
96714号公報に示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記記録再生装置は、
通常先端の曲率半径が数十nm程度の鋭利な探針が用い
られている。鋭い探針を用いることにより、記録ドット
を数十nm程度と非常に小さくすることができ、高密度
の記録を達成している。ところが、図9に示されるよう
に、微小な記録ドットに対して鋭利な探針を用いて再生
を行うために、温度や振動などの外的擾乱の影響を受け
易く、探針の走査方向がドット列からドリフトしてい
き、再生が不安定となったり、或いはドット列から外れ
てしまうという問題が生じる。
【0005】そのため、記録ドット列に対して直接トラ
ッキングを行う方法が特開平4−212737号公報に
示されている。これは、探針を走査方向に対して垂直な
方向に一定の周波数で振動させ、走査方向と記録ドット
列方向とのずれに応じて変調された信号を検出し、トラ
ッキングを行う方法である。しかし、この方法において
も、駆動素子を走査周波数よりも速く振動させることが
必要となり、探針を走査させる駆動素子の変位速度は、
素子に固有の共振周波数で規定されていることから、高
速走査には対応しにくいという問題がある。
【0006】そこで、本発明は、上記従来のものにおけ
る課題を解決し、記録ドット列に対して直接トラッキン
グを行うことができる情報再生装置および情報再生方法
において、複雑な探針駆動を行わずにトラッキングを行
えるようにした情報再生装置および情報再生方法を提供
することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、情報再生装置および情報再生方法をつぎ
のように構成したものである。すなわち、本発明の情報
再生装置は、記録媒体表面に対向して近接配置された探
針を、該記録媒体の表面を走査させて、該記録媒体に記
録ドット列として記録された情報を前記探針を用いて読
み出す情報再生装置において、前記探針は前記記録媒体
と接触し得る稜を有し、該稜が探針の走査方向に対して
平行または垂直のいずれにもならないように配置されて
いることを特徴としている。また、本発明の情報再生方
法は、上記装置における探針を用い、前記情報の読み出
しに際して前記探針が記録ドットを検出する時間の間隔
の変化から、探針の移動方向の記録ドット列が並ぶ方向
からのドリフト方向を検出し、その結果に基づいて探針
位置を走査方向に対して垂直方向にフィードバック制御
し、前記記録ドット列に対してトラッキングを行うこと
を特徴としている。本発明においては、前記した記録ド
ット列に対するトラッキングを、記録ドット列として記
録された情報に対し、前記探針が検出する記録信号の、
検出時間の間隔の変化から、探針の移動方向の記録ドッ
ト列が並ぶ方向からのドリフト方向を検出するドリフト
検出手段と、ドリフト検出手段が検出したドリフト方向
に基づいて探針位置を走査方向に対して垂直方向にフィ
ードバック制御をすることによって、記録ドット列に対
してトラッキングを行う制御手段とにより行うように構
成することができる。このとき、前記稜と探針の走査方
向がなす角度は、45°よりも小さい値をとるように設
定することができる。また、前記稜を走査方向に垂直な
方向へ射影した長さは、走査方向に沿った記録ドット列
と、前記記録ドット列に隣合う記録ドット列との間隔を
越えないように設定することができる。一方、前記稜を
走査方向に平行な方向へ射影した長さは、走査方向に沿
った記録ドット列の記録ドットの間隔を越えないように
設定することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の内容を図に基づ
いて具体的に説明する。図3に示すように、探針は先端
部の稜が走査方向に対して角度θだけ傾けて斜めに配置
される。記録ドットが、この先端のどの部分を通過して
も信号検出可能であり、鋭利な先端を持つ探針に比べ
て、信号検出可能な領域を広くとることができる。ここ
で、走査方向をX、走査方向に垂直な方向をYで表す。
また、連続して形成されたドット列を与える。探針にド
リフトがない場合は、図4で示されるように、信号の検
出時刻をtiで表すと、検出される信号の時間間隔(t i
−ti-1)は一定の間隔δtである。ところが、探針が
Y方向にドリフトすれば、検出される信号の時間間隔
は、ドリフトがない場合に本来検出されるべき時間の間
隔(δt)よりも短くなる。逆に、−Y方向にドリフト
すれば、検出される信号の間隔は、δtよりも長くな
る。
【0009】このように、信号が検出される時間の間隔
の変化から、探針の走査方向に垂直な方向ヘのドリフト
を検出することができる。また、ドリフト方向の情報を
走査方向に垂直な方向の探針位置にフィードバックすれ
ばトラッキングを行うことができる。従って、トラッキ
ングに要する探針移動速さは、高々ドリフト速さ程度で
よいので、走査の速さを越えずに実施することができ
る。このとき、探針先端部の綾が走査方向となす角度θ
は、0°(平行)と90°(垂直)以外は任意にとるこ
とができる。ただし、θを小さくすればドリフト量に対
する信号検出時間の変化の割合を大きくすることができ
るので、ドリフト検出の感度を高くすることができる。
特に、走査方向の感度を走査方向に垂直な方向の感度よ
りも小さくするには、θは、少なくとも45°よりも小
さくする必要がある。また、探針が同時に隣合った複数
の記録信号を検出することがないようにするために、探
針先端部の稜を走査方向に垂直な方向への射影した長さ
が、走査方向に沿った記録ドット列と、前記記録ドット
列に隣合う記録ドット列との間隔を越えないようにする
ことが必要であり、探針先端部の稜を走査方向に平行な
方向へ射影した長さは、走査方向に沿った記録ドット列
の記録ドットの間隔を越えないようにすることが必要で
ある。
【0010】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。 [実施例1]図2に、本発明の実施例1における再生装
置に用いた探針の、上方及び側方から見た形状を示す。
探針は、4つの面で囲まれた、およそピラミッド形状を
している。ただし、4つの面は一点で交わらずに僅かに
ずれており、先端部で一軸方向に長い稜を形成してい
る。この探針は、図1に示されるように、支持部材とし
て用いた弾性体であるカンチレバーに保持されている。
図では、実際の長さの比率よりは強調した表現になって
いる。探針及びカンチレバーの製造方法は、米国特許第
5,221,415号明細書に示されている方法を応用
した。これは、半導体デバイス製造プロセス技術を使
い、単結晶シリコンの異方性エッチングを用いて探針形
状を形成し、窒化シリコンからなる探針及びカンチレバ
ーを一体成形する方法であり、フォトリソグラフィを使
ってパターニングした二酸化シリコンのマスクを被覆し
たシリコンウェハに、異方性エッチングにより探針の型
となる凹構造を形成する行程が含まれている。ここで、
マスク形状を長方形にすることによって、ピラミッドの
4つの面が一点で交わらずに、先端部に長方形の2辺の
長さの差に相当する長さを持つ綾を形成した。作成した
探針は、底辺の長さが約5μm、高さが約7μm、先端
部の稜の長さが約50nmであった。更に、導電性を持
たせるために探針及びカンチレバーの表面に、スパッタ
ー製膜によって約50nmの厚さにPt膜を形成した。
【0011】図7に実施例1における再生装置の主要部
の構成を示す。カンチレバー2はカンチレバー保持部3
に保持されている。探針1が記録媒体4に対向するよう
にカンチレバー保持部3を本体に固定した。この時、カ
ンチレバー2の長軸方向は、記録ドット列が並ぶ方向に
対して、垂直になるように配置した。従って、探針1の
先端部の綾は記録ドット列の並ぶ方向に対して、斜めに
配置されることになる。前記探針の先端部では、一様に
電流検出可能である。従って、探針が同時に隣合った2
つの記録信号を検出することがないようにするために
は、探針の先端部の綾の、走査方向に垂直な方向への射
影が、走査方向に沿った記録ドット列と、前記記録ドッ
ト列に隣合う記録ドット列との間隔を越えないことが必
要である。一方、探針の先端部の稜の、走査方向に平行
な方向への射影は、走査方向に沿った記録ドット列の記
録ドットの間隔を越えないことが必要である。
【0012】本実施例では、記録媒体を変位させること
によって、探針を記録媒体に対して相対的に走査できる
ようにした。そのために、記録媒体4を積載した基板5
はホルダー6に固定し、ホルダー6の底部は変位機構7
に固定した。変位機構7は粗動機構8を介して本体に固
定した。ここで、変位機構7は円筒型圧電素子からな
り、変位素子駆動回路13によって駆動され、基板5を
基板面に平行及び垂直な方向へ変位させることができ
る。記録媒体4を積載する基板5は導電性とし、記録媒
体4に電圧を印加するための一方の電極とした。基板5
は、石英ガラス基板の上に、Tiを真空蒸着法によって
5nm堆積させ、更にその上にAuを30nm同法によ
って蒸着したものを用いた。この基板上に、LB法によ
ってポリアミド酸を10層累積し、次に加熱処理をし、
ポリイミドの薄膜を形成し記録媒体4とした。膜厚は約
5nmであった。
【0013】記録媒体4は、特開昭63−161553
号公報に開示されているような電流電圧特性のスウィッ
チングにメモリー効果を有する有機化合物の累積膜であ
る。ポリイミド薄膜は、例えば数Vの電圧を数十μs以
下の時間、パルス的に印加することによって高抵抗状態
から低抵抗状態に遷移させることができる。
【0014】本実施例で再生を行った記録ドットは、上
記のように作成された記録媒体に対して、予め、例えば
特開平01−245445号公報に示されているような
走査型原子間力顕微鏡を応用した記録装置を用いて形成
された。記録用で用いた探針には、通常用いられる鋭利
な先端を持つものを用いた。記録時には、記録データは
2値化され、記録媒体上の座標で指定された記録点と対
応づけられたデータ列に変換される。ここで、記録点
は、一定間隔を持った格子状に設定された。この時、記
録点の間隔は十分な記録ドット間セパレーションを確保
するために60nmに設定した。探針が記録点に到達し
たとき、データがONであれば、記録媒体に、波高値5
V、時間1μsのパルス電圧を印加して記録を行った。
その結果、電圧印加部には周囲よりも低抵抗化した記録
ドットが格子点上に形成された。
【0015】次に、再生動作について説明する。本実施
例では、記録ドットは記録媒体上に局所的な導電性の変
化として記録されており、記録ドット部はその周りの部
分よりも導電性が高くなっている。そこで、探針1と電
極基板5との間に電圧印加回路14によって数百mV〜
数Vの直流バイアス電圧を加え、電流信号検出回路15
で記録媒体4に流れる電流を検出することによって記録
ドットを検出した。まず、粗動機構8を駆動して探針1
を記録媒体4に接触させる。このとき、探針1は先端部
の綾全体で記録媒体に接触する。次に、制御部11が変
位機構駆動回路13に対し、変位機構7を駆動させ、探
針1に記録面上を走査させる。このとき、電流信号検出
回路15が局所的に走査線上の前後の部分よりの大きな
電流を検出すれば、記録ドット(ON)として認識され
る。また、制御部11は記録ドット位置を基準として、
前後の記録点の位置を予測し、記録点近傍において電流
が検出されない場合は記録ドットがないものとし、OF
Fとして認識する。検出された電流信号は電流信号検出
回路15において、電流信号が電圧信号に変換され増幅
され、更にDC成分及び高周波ノイズはカットし、信号
成分の周波数帯域の信号のみ抽出し、ドリフト検出部1
6に出力される。
【0016】次に、トラッキングを行うための制御方法
について説明する。検出される電流信号は、探針の先端
部の稜の中央部を記録ドットが通過した時刻をピークに
分布する。ここでは、ピークでの時刻を信号検出時刻と
した。走査方向をX、走査方向に垂直な方向をYで表
す。探針がY方向にドリフトすれば、検出される信号の
時間間隔は、ドリフトがない場合に本来検出されるべき
時間の間隔δtよりも短くなる(図5)。逆に、−Y方
向にドリフトすれば、検出される信号の間隔は、ドリフ
トがない場合に本来観測されるべき時間の間隔δtより
も長くなる(図6)。このように、信号が検出される時
間の間隔の変化から、探針の走査方向に垂直な方向ヘの
ドリフト方向を検出することができる。検出したドリフ
ト方向の結果を探針位置の制御にフィードバックさせる
ことによってトラッキングを行うことができる。
【0017】ここまでは、走査速度に対するドリフトは
走査方向に垂直な方向のドリフトだけを考えたが、走査
方向に平行な方向にも同等に発生する。+X方向にドリ
フトが起こった場合、記録ドットの検出時間はドリフト
がない場合に本来観測されるべき時間の間隔よりも短く
なる。即ち、検出時間の間隔の変化に及ぼす影響は、−
Y方向のドリフトが起こった場合と同等である。逆に−
X方向にドリフトが起こった場合は、+Y方向のドリフ
トが起こった場合と同等の影響を及ぼす。ところで、探
針先端部の稜が走査方向(X)となす角度θを小さくな
るように探針を配置すれば、ドリフト量に対する信号検
出時間の変化を大きくすることができるので、ドリフト
検出の感度を高くすることができる。走査方向の感度を
走査方向に垂直な方向の感度よりも小さくするには、θ
は少なくとも45°よりも小さくする必要がある。従っ
て、θを45°よりも十分小さくとればX方向のドリフ
トの影響はY方向のドリフトの影響に対して相対的に無
視することができる。
【0018】次に、トラッキング動作について説明す
る。本実施例では、θ〜20°に設定し、検出信号の時
間間隔の変化を、すべてY方向のドリフトの影響に繰り
込むことにした。
【0019】まず、ドリフト検出部16は、電流信号検
出回路15が局所的に走査線上の前後の部分よりの大き
な電流を検出したときに、記録ドット(ON)からの信
号として認識するようにした。このとき、ある時間長だ
け規定レベルを越えた信号のみ記録ドットとして認識
し、それ以下の時間長の信号はノイズと判断させた。次
に、ドリフト検出部16は、ON信号が検出される時刻
から、記録ドットが検出される時間間隔を求め、その時
間間隔の変化から、探針が記録ドット列からずれる方向
を決定し、この結果を、制御部11に出力し、更にフィ
ードバック制御回路12に出力するようにした。フィー
ドバック制御回路12はずれ方向とは反対の方向に探針
が移動するように変位機構駆動回路13を制御するよう
にした。このようにして、探針位置制御を行ったとこ
ろ、ラスター走査における1ライン走査の範囲でのトラ
ッキングが可能であった。
【0020】[実施例2]実施例2では、探針を記録媒
体に非接触にした状態で記録ドットを検出した場合につ
いて示す。記録媒体にはn型Si基板を用い、Si基板
上に探針を接近させて電圧印加を行って酸化による局所
的な凸構造を形成し、これを記録ドットとした。この方
法に関しては、特開平4−321955号公報に詳述さ
れている。本実施例で再生を行った記録ドットは、予め
格子上に設定した記録点上に形成した。このとき、走査
方向には80nmの間隔で記録点を設定し、曲率半径が
20nm程度の鋭利な探針を用いて、約30nmの大き
さを持つ記録ドット列を形成した。以上のように形成さ
れた記録ドットに対して再生を行った。
【0021】図8に実施例2における再生装置の主要部
の構成を示す。本実施例では、凹凸信号の検出は、走査
型原子間力顕微鏡の原理に従い、探針1が受ける原子間
力の変化をカンチレバー2の変位として検出した。
【0022】本実施例における再生装置が、実施例1に
おける再生装置と異なるところは、電流を検出する機構
の変わりに、カンチレバーの変位を検出する機構が加わ
ったことであり、他の構成については同様である。そこ
で、実施例1における再生装置と共通する部分には同じ
記号を用いた。
【0023】カンチレバー2の変位検出には、レーザー
光による光てこ方を用いた。この方法では、カンチレバ
ー2の背面にレーザー光を照射し、反射光の反射角の偏
位を計測する。そのために、レーザー発光素子9及びレ
ーザー受光素子10を本体に固定し、レーザー発光素子
から射出されるレーザー光は、探針1を保持するカンチ
レバー2の自由端近傍に照射し、反射光がレーザー受光
素子10に入射するようにした。レーザー受光素子10
にはフォトダイオードからなる二分割センサーを用い
た。探針1が記録媒体4との相互作用によって力を受け
ると、弾性体であるカンチレバー2は探針1が受ける力
に応じて変位し、同時に反射レーザー光の反射角が偏位
する。レーザー受光素子10によって検出された信号
は、偏位信号検出回路17に送られ、カンチレバー2の
変位を計測する。
【0024】次に、再生動作に付いて説明する。まず、
粗動機構8を駆動して探針1を記録媒体4に接近させ
る。次に、変位機構駆動回路13は変位信号を受けて変
位機構7をZ駆動し、探針1は先端部の稜が一様に記録
媒体4から約2nmの距離を保つように帰還制御させ
る。実際には、カンチレバー2の変位が一定になるよう
に、基板5の位置が帰還制御されている。次に、変位機
構駆動回路13は変位機構7に基板5面に水平に変位さ
せ、探針1に記録媒体4上を走査させる。記録ドットで
ある凸構造上では、探針1と記録媒体4との距離は接近
するので引力は増大し、カンチレバー2の先端は記録媒
体4に引き込まれる方向に微小変位する。一方、凹構造
では引力は減少し、カンチレバー2の先端は記録媒体4
から遠ざかる方向に微小変位する。凹凸情報は、カンチ
レバー2の変位が一定になるように基板5の位置を制御
するための帰還制御信号から得た。
【0025】本実施例では、探針が検出する信号は凹凸
信号であるが、第1の実施例における電流信号を凹凸信
号に置き換えることによって同様にドリフト検出を行う
ことができ、探針を記録ドット列に対してトラッキング
を行うことができる。従って、凹構造を有する記録ドッ
トに対しても同様の制御手段でトラッキングを行うこと
が可能である。上記実施例では、原子間力を検出して再
生を行う手段を用いたが、カンチレバーが検出する力
は、探針と記録媒体との相互作用によって生じる力であ
れば検出可能である。例えば、探針と対向電極の間に、
電圧を印加する手段を用いて探針にかかる静電力を検出
することもできる。また、探針を磁性材料で構成するな
どして記録媒体に対して磁界を作用する手段を設けれ
ば、探針にかかる磁気力を検出することも可能である。
また、本実施例では非接触モードで再生を行ったが、接
触モードでの再生でも同様に実施することができる。ま
た、探針の保持部材に非弾性材料を用いて、電流を検出
するようにしたSTM構成をもつ再生装置においても、
同様のトラッキング動作を行うことができる。このよう
に、本発明の再生装置は、走査型プローブ顕微鏡構成の
再生装置一般に実施することができる。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明の探針は記録媒体
と接触し得る稜を有し、該稜が探針の走査方向に対して
平行または垂直のいずれにもならないように配置して構
成されているので、鋭利な先端を持つ探針に比べて、信
号検出可能な領域を広くとることができ、信号検出が容
易であり、安定した記録情報の再生を行うことができ
る。また、本発明においては、記録ドットに直接トラッ
キングを行うことができるので、再生すべき記録媒体に
はトラッキング用のトラックを設ける必要がなく、再生
すべき情報は記録媒体に高密度で記録させておくことが
できる。また、本発明においては、通常の直線的走査を
行いながら記録ドットからのずれを検出できるので、ず
れ検出のための探針の複雑な動作が不要であり、走査が
安定する。また、本発明においては、1回の走査で記録
ドット列に直接トラッキングを行うことができるので、
記録ドットの検出に要する時間を短くすることができ、
再生を高速化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の探針及びカンチレバーを示した図であ
る。
【図2】本発明における探針の形状を示した図である。
【図3】本発明の探針における走査方向に対する探針先
端の配置を示した図である。
【図4】本発明の探針による(a)信号波形、(b)先
端配置と記録ドット通過位置の関係を示した図である。
【図5】本発明の探針による(a)信号波形、(b)先
端配置と記録ドット通過位置の関係を示した図である。
【図6】本発明の探針による(a)信号波形、(b)先
端配置と記録ドット通過位置の関係を示した図である。
【図7】実施例1における基本構成図である。
【図8】実施例2における基本構成図である。
【図9】記録ドット列からの探針の位置ずれを示した図
である。
【符号の説明】
1:探針 2:カンチレバー 3:支持体 4:記録媒体 5:基板 6:ホルダー 7:変位機構 8:粗動機構 9:レーザー発光素子 10:レーザー受光素子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体表面に対向して近接配置された探
    針を、該記録媒体の表面を走査させて、該記録媒体に記
    録ドット列として記録された情報を前記探針を用いて読
    み出す情報再生装置において、前記探針は前記記録媒体
    と接触し得る稜を有し、該稜が探針の走査方向に対して
    平行または垂直のいずれにもならないように配置されて
    いることを特徴とする情報再生装置。
  2. 【請求項2】前記情報再生装置は、前記探針が記録ドッ
    トを検出する時間の間隔の変化から、探針の移動方向の
    記録ドット列が並ぶ方向からのドリフト方向を検出する
    ドリフト検出手段と、前記ドリフト検出手段が検出する
    ドリフト方向に基いて探針位置を走査方向に対して垂直
    方向にフィードバック制御をすることによって、記録ド
    ット列に対してトラッキングを行う制御手段とを備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
  3. 【請求項3】前記探針は、前記稜と探針の走査方向がな
    す角度が、45°よりも小さいことを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載の情報再生装置。
  4. 【請求項4】前記探針は、前記稜を走査方向に垂直な方
    向へ射影した長さが、走査方向に沿った記録ドット列
    と、前記記録ドット列に隣合う記録ドット列との間隔を
    越えないことを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の情報再生装置。
  5. 【請求項5】前記探針は、前記稜を走査方向に平行な方
    向へ射影した長さが、走査方向に沿った記録ドット列の
    記録ドットの間隔を越えないことを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の情報再生装置。
  6. 【請求項6】記録媒体表面に対向して近接配置された探
    針を、該記録媒体の表面を走査させて、該記録媒体に記
    録ドット列として記録された情報を前記探針を用いて読
    み出す情報再生方法において、前記探針として前記記録
    媒体と接触し得る稜を有し、該稜が探針の走査方向に対
    して平行または垂直のいずれにもならないように配置さ
    れている探針を用い、前記情報の読み出しに際して前記
    探針が記録ドットを検出する時間の間隔の変化から、探
    針の移動方向の記録ドット列が並ぶ方向からのドリフト
    方向を検出し、その結果に基づいて探針位置を走査方向
    に対して垂直方向にフィードバック制御し、前記記録ド
    ット列に対してトラッキングを行うことを特徴とする情
    報再生方法。
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