JP4691903B2 - ネマティック液晶表示素子の表示不良解決方法 - Google Patents

ネマティック液晶表示素子の表示不良解決方法 Download PDF

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Description

本発明はネマチック液晶表示素子において液晶材料注入時に発生する表示不良を解決する方法に関する。
ネマティック液晶表示素子においては、配向膜又はシール剤又はカラーフィルター又は液晶など、液晶表示装置を構成する様々な材料中に含まれる微量の不純物が、配向膜表面でクロマト現象を引き起こし、偏った分布をしながら吸着することが表示不良の原因になると考えられている。表示不良を押さえるために、末端基にアルケニル骨格を有する液晶分子のみを含有する液晶組成物を用いることで不純物が配向膜表面に吸着することを防止する方法(特許文献1参照)が知られている。しかし、この方法では、応答速度や粘度などの液晶物性の改良や液晶表示装置用の新規液晶を開発する際に、利用できる分子構造が末端にアルケニル骨格を有するものに限定されてしまうという問題があった。
又、液晶混合物にアミン又はエーテル又はベンゼン又はトルエン又はキシレン又はクロロホルム又はシリコンオイル又は脂肪族炭化水素を添加して、液晶の注入速度を速め、吸着を少なくする方法が開示(特許文献2参照)されている。しかし、この方法では、表示不良を軽減する効果はあるが、完全に表示不良を解決できないという問題があった。
さらに、ラビングによって活性化した配向膜表面を、加熱処理によって非活性化することで、不純物の吸着を防ぐ方法(特許文献3参照)も開示されている。しかし、この方法ではラビングを必要としないVA用配向膜を用いた表示素子には効果はないという問題があった。
一方、強誘電性液晶表示素子において、配向膜表面に液晶組成物を塗布することにより強誘電性液晶特有の層構造に由来するシェブロン構造による配向欠陥を制御する方法(特許文献4参照)が開示されている。この方法は、配向膜表面に塗布される液晶組成物が、強誘電性液晶と塗布した液晶組成物が接触する界面において、液晶相のSmA―SmC*相転移温度を変調させる機能を持つため、シェブロン構造による配向欠陥を制御するというものである。しかし、ネマティック液晶の場合、強誘電性液晶のような層構造を持たないため、配向膜表面にSmA―SmC*相転移温度を変調させる効果をもつ液晶組成物を塗布することは技術的な意味を有さない。さらに当該文献に記載されるような、配向膜に極性の高い液晶化合物を塗布した場合、配向膜表面における不純物のクロマト現象によるネマティック液晶表示素子の表示不良は防止できない。
特開平9−59626(3頁実施例1) 特開平9−26582(4頁実施例1、5頁実施例3及び5) 特開2001−305545(3頁実施例) 特開2003−98553(3頁実施例1)
本願発明の課題は、ネマチック液晶表示素子において、液晶表示装置を構成する材料由来の不純物の配向膜表面でのクロマト現象に起因するシミ・ムラ、焼き付き又は電圧保持率の低下に伴う表示不良などの表示不良を解決する方法を提供することである。
上記課題を解決するため本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、液晶表示素子の配向膜表面に有機化合物を付着させることによりネマティック液晶表示素子の表示不良を解決できることを見出し本願発明の完成に至った。
本発明は、対向する一対の基板の対向面に配向膜を有するネマチック液晶表示素子において、該配向膜にエーテル結合を有する有機化合物を付着させることによるネマチック液晶表示素子の表示不良解決方法を提供し、透明電極を有する一対の基板に液晶を狭持した構造を有し、対向する一対の基板の対向面の少なくとも一方に配向膜を有するネマチック液晶表示素子の製造において、該液晶を注入する前に該配向膜に有機溶媒に溶解させたエーテル結合を有する有機化合物を塗布する工程を有することを特徴とする当該製造方法を提供する。
又、本発明は、溶媒にエーテル結合を有する有機化合物を溶解させた溶液からなるネマティック液晶表示素子の表示不良防止剤を提供する。
本発明の表示不良解決方法は、ネマティック液晶表示素子の製造において液晶の注入工程で発生するの表示不良を抑えることが可能であるため、ネマチック液晶表示素子の特性改善及び効率的な製造に有用である。
本発明の方法において、エーテル結合を有する有機化合物は炭素、水素及び酸素により構成され、当該化合物の分子量は180から500であることが好ましく、分子量200から400であることがより好ましい。
又、エーテル結合を有する有機化合物は、25℃、1atmの雰囲気下において結晶相、液晶相、ガラス、準安定相のいずれの相で存在しても良いが、−30℃以上から120℃までの温度範囲において液晶相を示す化合物を用いることが好ましく、比誘電率の絶対値が10以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましい。
エーテル結合を有する有機化合物は具体的には一般式(I)
Figure 0004691903
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、炭素原子数1から18のアルキル基又は炭素原子数2から18のアルケニル基を表し、これらの置換基は直鎖状であっても分岐状であっても良いが、基中の一つ以上の−CH2−は酸素原子が相互に隣接しないものとして酸素原子により置換されていても良く、、
A及びBはそれぞれ独立して、トランス-1,4-シクロヘキシレン基、1,4-フェニレン基、トランス-1,4-シクロヘキセニレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、3,3’-スピロビシクロブチレン基又はビシクロ[2.2.2]オクタン-1,4-ジイル基を表し、
Z1及びZ2はそれぞれ独立して単結合、炭素原子数2から12の直鎖状又は分岐状アルキレン基、−CH=CH−、−C≡C−又は−O−を表すが、該アルキレン基中の一つ以上の−CH2−は酸素原子が相互に隣接しないものとして酸素原子により置換されていても良く、
nは1から3の整数を表すが、R1、R2、Z1及びZ2の少なくとも一つは基中に酸素原子を有し、B及びZ2が複数存在する場合は同一であっても異なっていても良い。)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(I)において、R1及びR2の少なくとも一方は炭素原子数1から18のアルコキシ基又は炭素原子数2から18のアルケニルオキシ基を表すことが好ましく、他の一方は炭素原子数1から18のアルキル基又は炭素原子数2から18のアルケニル基を表すことが好ましい。A及びBはそれぞれ独立してトランス-1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基を表すことが好ましい。Z1及びZ2は単結合又は炭素数が偶数の直鎖状アルキレン基を表すことが好ましい。nは1を表すことが好ましい。
一般式(I)で表される化合物は、さらに具体的には以下の式(2)から式(6)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 0004691903
(式中、R3及びR4はそれぞれ独立して、炭素原子数1から18のアルキル基又は炭素原子数2から18のアルケニル基を表す。)
本発明の方法において、エーテル結合を有する有機化合物を付着させる方法は、浸漬、スピンコート、噴霧、蒸着又は印刷等の方法が使用できるが、スピンコート、噴霧又は浸漬が好ましく、スピンコート又は噴霧がより好ましく、スピンコートが特に好ましい。
浸漬によりエーテル結合を有する有機化合物を付着させる場合、基板の片面をコーティングしエーテル結合を有する有機化合物を付着させた後剥離する方法が好ましく、この場合浸漬時間は30分以内であることが好ましく、10分以内であることがより好ましい。浸漬した後、溶媒を除去する方法には、加熱乾燥、真空乾燥又は気体噴射による方法がある。中でも、浸漬した後、すぐに窒素ガス又はアルゴンガスなどの不活性ガスをエアーナイフ又はエアーガンなどにより、勢いよく吹き付け溶媒を除去した後、1.3から1.3×10Paの真空状態、好ましくは1.3から6.7×102Paで完全に溶媒を除去することが好ましい。
浸漬、スピンコート又は噴霧によりエーテル結合を有する有機化合物を付着させる場合、エーテル結合を有する有機化合物を溶媒に溶解させた溶液を用いることが好ましい。用いる溶媒は、エーテル結合を有する有機化合物が最低0.2%溶解できる溶解能があれば、1種類又は2種類以上の溶媒を混合して用いてもよく、さらに引火点が高いほど好ましい。例えば、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、γ―ブチロラクトン(GBL)、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、2−メチルへキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、石油ベンジン、リグロイン、石油エーテル、ガソリン又はケロシン等があるが、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、2−メチルへキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、ドデカン、石油ベンジン、リグロイン、石油エーテル、ガソリン又はケロシン等の炭化水素系溶媒が好ましく、トルエン、ヘキサン、ケロシンがさらに好ましい。炭化水素系溶媒は単成分又は混合物のどちらでもよい。又、炭化水素系有機溶媒は脂肪族又は芳香族のどちらでもよい。アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、γ―ブチロラクトン(GBL)、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、アセトン等の極性溶媒とベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、2−メチルへキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、ドデカン、石油ベンジン、リグロイン、石油エーテル、ガソリン又はケロシン等の炭化水素系有機溶媒を混合した溶媒は、炭化水素系有機溶媒のみで使用するよりも引火性、比抵抗値又は印刷特性に優れている。本発明の表示不良防止剤を構成する溶媒の極性は、25℃における比誘電率の絶対値が10以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましい。エーテル結合を有する有機化合物の有機溶媒溶液の濃度は、0.2から10質量%であることが好ましく、0.2から2質量%以下であることがより好ましい。
本発明の方法において、配向膜は有機物、無機物又は有機物及び無機物の複合材のいずれにも適用してもよく、詳しくはポリイミド配向膜、ポリイミドLB膜、セルロース配向膜、シラン系カップリング剤の配向膜、ポリビニルアルコール配向膜、ポリアミド配向膜、エポキシアクリラート配向膜、シラノールオリゴマー配向膜、ポリアクリロニトリル配向膜、フェノール樹脂配向膜、ポリオキサゾール配向膜、環化ポリイソプレン配向膜又はSiO蒸着膜に適用でき、特にポリイミド配向膜又はポリアミド配向膜に適用することが好ましい。
本発明の方法は、配向膜が液晶分子を配向させる方向として、垂直方向および水平方向のいずれの場合にも有効であり、配向膜は、ラビング又は光配向による配向処理を行わない配向膜に対しても有効であるが、特に垂直配向膜に適用することが一番好ましい。
本発明の方法は、ネマチック液晶表示素子の液晶材料注入方法が真空注入法および滴下工法のいずれの場合にも適用できるが、滴下工法に適用することが一番好ましい。
本発明の方法は、ネマチック液晶表示素子がTN方式又はSTN方式又はIPS方式又はVA方式のいずれの場合にも適用できるが、VA方式に適用することが一番好ましい。
本発明の表示不良防止剤を構成する溶媒は、エーテル結合を有する有機化合物が最低0.2%溶解できる溶解能があれば、1種類又は2種類以上の溶媒を混合して用いてもよく、さらに引火点が高いほど好ましい。例えば、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、γ―ブチロラクトン(GBL)、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、2−メチルへキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、石油ベンジン、リグロイン、石油エーテル、ガソリン又はケロシン等があるが、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、2−メチルへキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、ドデカン、石油ベンジン、リグロイン、石油エーテル、ガソリン又はケロシン等の炭化水素系溶媒が好ましく、トルエン、ヘキサン、ケロシンがさらに好ましい。炭化水素系溶媒は単成分又は混合物のどちらでもよい。又、炭化水素系有機溶媒は脂肪族又は芳香族のどちらでもよい。アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、γ―ブチロラクトン(GBL)、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、アセトン等の極性溶媒とベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、2−メチルへキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、ドデカン、石油ベンジン、リグロイン、石油エーテル、ガソリン又はケロシン等の炭化水素系有機溶媒を混合した溶媒は、炭化水素系有機溶媒のみで使用するよりも引火性、比抵抗値又は印刷特性に優れている。本発明の表示不良防止剤を構成する溶媒の極性は、25℃における比誘電率の絶対値が10以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましい。
本発明の表示不良防止剤は、エーテル結合を有する有機化合物の20℃における比誘電率の絶対値が10以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましく、一般式(I)で表される化合物の有機溶媒溶液の濃度は、0.2から10質量%以下であることが好ましく、0.2から2質量%であることがより好ましい。
以下、実施例と比較例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
実施例中、測定した焼き付き値は次式より算出した。
Figure 0004691903
1a:セグメント1、0.5Vのオフセット電圧を加え120分後、駆動電圧印加時の透過率
2a:セグメント2、120分後、駆動電圧印加時の透過率
2i:セグメント2、初期の駆動電圧印加時の透過率
1i:セグメント1、初期の駆動電圧印加時の透過率
常識より、焼き付き値=1のときは焼き付きが生じていないと判断でき、焼き付き値<1のときは焼き付きが生じたと判断される。
測定はautronic社製 LCCS107を用い次の様に行った。焼き付き測定用液晶測定用のセルを二つの領域に分割し、セグメント1及びセグメント2とした。測定用液晶セルを70℃に保ち、駆動電圧2.06Vとなる周波数30Hzの矩形波電圧を二つのセグメントに加え透過率を測定した(初期)。これにセグメント1の電極部位にのみ、駆動電圧に0.5Vのオフセット電圧を120分間加えるアドレッシングを行った後、透過率の測定を行った。同時にオフセット電圧は印加しなかったセグメント2の透過率の測定を行った。
(実施例1)
ITO透明電極付ガラス基板を2枚用意した(以下、基板A、基板Bと称する)。
スピンコートにより透明電極面に垂直配向膜を約100nmの厚さで塗布した。塗布した配向膜は80℃で5分焼成した後、さらに220℃で2時間焼成した。
エーテル結合を有する有機有機化合物として式(2)
Figure 0004691903
で表される液晶化合物を2質量%となるようにトルエン有機溶媒に溶解した表示不良防止剤1を調製した。調整した表示不良防止剤1に、垂直配向膜付きガラス基板A及びBを10分浸し、配向膜表面に式(2)で表されるエーテル結合を有する有機化合物を吸着させた。10分後、ガラス基板を引き上げ、窒素ガスを吹き付けてトルエン有機溶媒を除去した後、さらに真空乾燥(6.7×10Pa)を1時間行った(以下、表示不良防止剤1による配向膜処理を行ったガラス基板を、それぞれガラス基板A1'、ガラス基板B1'と称する)。
ガラス基板上B'に、マイクロシリンジを用いて、下記ネマティック液晶組成物A
Figure 0004691903
を2.5μlを滴下した。ガラス基板B'の4角に紫外線硬化性接着剤を塗布、ガラス基板A'を張り合わせた後、紫外線を30秒照射して液晶表示素子1を作製した。
作製した液晶表示素子1の印加電圧を変化させ、液晶表示素子1を直交ニコル下で観察した。作成した液晶表示素子1は表示不良が無く均一な配向を有していた。
(実施例2)
実施例1で作成した表示不良防止剤1において、式(2)で表されるエーテル結合を有する有機化合物の濃度を、0.2質量%に変更した表示不良防止剤2を調製し、実施例1と同様にして液晶表示素子2を作製した。液晶表示素子2の印加電圧を変化させ、液晶セルを直交ニコル下で観察した。液晶表示素子2は表示不良が無く均一な配向を有していた。
(実施例3から6)
エーテル結合を有する有機有機化合物として式(3)から式(6)
Figure 0004691903
で表される化合物を用いて、各々0.2質量%トルエン溶液からなる表示不良防止剤3から6を調整し、以下、実施例1と同様にして液晶表示素子3から6を作製した。液晶表示素子3から6の印加電圧を変化させ、液晶セルを直交ニコル下で観察した。その結果、液晶表示素子3から6には表示ムラ等は観察されず、実施例1と同様に均一な配向を有する液晶表示素子が実現できた。
(実施例7及び8)
エーテル結合を有する有機化合物として、式(2)で表される化合物の0.2質量%ヘキサン溶液からなる表示不良防止剤7及び0.2質量%ベンゼン溶液からなる表示不良防止剤8を各々調製し、以下、実施例1と同様にして液晶表示素子7及び8を作製した。液晶表示素子7及び8の印加電圧を変化させ、液晶セルを直交ニコル下で観察した結果、実施例1と同様に均一な配向を有する液晶表示素子が実現できた。
(実施例9)
実施例1と同様にして作製した2枚の配向膜付ガラス基板(ガラス基板A、ガラス基板B)を、表示不良防止剤2を用いて実施例1と同様の方法で配向膜表面処理した(ガラス基板A'、ガラス基板B')。ガラス基板B'に、下記に示すVA用ネマティック液晶組成物B
Figure 0004691903
を2.5μlを滴下し、以下、実施例1と同様にして液晶表示素子9を作製した。液晶表示素子9の印加電圧を変化させ、液晶セルを直交ニコル下で観察した結果、実施例1と同様に均一な配向を有するVA液晶表示素子が実現できた。
(実施例10)
櫛歯IPS電極付ガラス基板及び対向ガラス基板にそれぞれスピンコート法でポリイミド配向膜を塗布した。塗布した配向膜は80℃で5分焼成した後、さらに180℃で1時間焼成した。
表示不良防止剤1を用いて実施例1と同様にして配向膜付きガラス基板の配向膜表面処理を行った櫛場IPS電極付ガラス基板に、下記に示すIPS用ネマティック液晶組成物C
Figure 0004691903
を、2.5μl滴下し、以下、実施例1と同様にして液晶表示素子10を作製した。液晶表示素子10の印加電圧を変化させ、液晶セルを直交ニコル下で観察した結果、実施例1と同様に均一な配向を有する液晶表示素子が実現できた。
(実施例11)
実施例1と同様のITO透明電極付ガラス基板を2枚用意した(ガラス基板A、ガラス基板B)。
スピンコートにより透明電極面にTN用ポリイミド配向膜を塗布した。塗布した配向膜は80℃で5分焼成した後、さらに180℃で1時間焼成した(ガラス基板ATN、ガラス基板BTN)。
ガラス基板BTNを、表示不良防止剤1を用いて実施例1と同様で配向膜表面処理した(ガラス基板BTN1')。ガラス基板BTN1'に、下記に示すTN用ネマティック液晶組成物D
Figure 0004691903
を、2.5μl滴下し、以下、実施例1と同様にして液晶表示素子11を作製した。液晶表示素子11の印加電圧を変化させ、液晶セルを直交ニコル下で観察した結果、実施例1と同様に均一な配向を有する液晶表示素子が実現できた。
(実施例11)
焼き付き測定用液晶セル(2セグメントの電極部位をもつ)の注入口から、表示不良防止剤1を充填した後10分間放置した。真空乾燥を2時間行い、溶媒を除去した後、TFT液晶組成物E
Figure 0004691903
を真空注入して実施例11の焼き付き測定用液晶セル1を作製し、焼き付き値の測定を行った結果、焼き付き値は0.990であった。
(比較例1) 焼き付き測定用液晶セルの注入口から、TFT液晶組成物Eを真空注入して比較例1の焼き付き測定用液晶セル2を作製し、焼き付き測定を行った。比較例1の表示素子は焼き付き値が0.972であり、実施例11の表示素子の0.990に較べて焼き付きによる表示不良が発生していることが解る。
(実施例12)
保持率測定用液晶セルの注入口から、表示不良防止剤1を充填した後10分間放置した。真空乾燥を2時間行い、溶媒を除去した後、TFT液晶組成物Eを真空注入し、実施例12の保持率測定用液晶セル1を作製し、保持率測定を行った(東陽テクニカ VHR-1A、80℃)。この表示素子の保持率は90.0%であった。
(比較例2)
保持率測定用液晶セルの注入口から、TFT液晶組成物Eを真空注入し、比較例2の保持率測定用液晶セル2を作製し、保持率測定を行った(東陽テクニカ VHR-1A、80℃)。比較例2の表示素子の保持率は82.6%であり実施例12の90.0%に較べ悪化してしまった。さらに、比較例2の表示素子は保持率低下による表示不良が観察された。

Claims (20)

  1. 対向する一対の基板の対向面に配向膜を有するネマチック液晶表示素子において、該配向膜にエーテル結合を有する有機化合物を、化学結合を伴うことなく付着させることによるネマチック液晶表示素子の表示不良解決方法。
  2. エーテル結合を有する有機化合物の分子量が180から500である請求項1記載の方法。
  3. エーテル結合を有する有機化合物の20℃における比誘電率の絶対値が10以下の範囲である請求項1記載の方法。
  4. エーテル結合を有する有機化合物が一般式(I)
    Figure 0004691903
    (式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、炭素原子数1から18のアルキル基又は炭素原子数2から18のアルケニル基を表し、これらの置換基は直鎖状であっても分岐状であっても良いが、基中の一つ以上の−CH2−は酸素原子が相互に隣接しないものとして酸素原子により置換されていても良く、
    A及びBはそれぞれ独立して、トランス-1,4-シクロヘキシレン基、1,4-フェニレン基、トランス-1,4-シクロヘキセニレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、3,3'-スピロビシクロブチレン基又はビシクロ[2.2.2]オクタン-1,4-ジイル基を表し、
    Z1及びZ2はそれぞれ独立して単結合、炭素原子数2から12の直鎖状又は分岐状アルキレン基、−CH=CH−、−C≡C−又は−O−を表すが、該アルキレン基中の一つ以上の−CH2−は酸素原子が相互に隣接しないものとして酸素原子により置換されていても良く、
    nは1から3の整数を表すが、R1、R2、Z1及びZ2の少なくとも一つは基中に酸素原子を有し、B及びZ2が複数存在する場合は同一であっても異なっていても良い。)で表される化合物である請求項1記載の方法。
  5. 一般式(I)においてnが1を表す請求項4記載の方法。
  6. エーテル結合を有する有機化合物の付着方法が、浸漬、スピンコート、噴霧、蒸着又は印刷である請求項1記載の方法。
  7. 浸漬、スピンコート又は噴霧において、エーテル結合を有する有機化合物の有機溶媒溶液を用いる請求項6記載の方法。
  8. 有機溶媒溶液中のエーテル結合を有する有機化合物の濃度が5質量%以下である請求項7記載の方法。
  9. 有機溶媒が炭化水素系有機溶媒を用いる請求項8記載の方法。
  10. 配向膜が有機物、無機物又は有機物及び無機物の複合材である請求項1記載の方法。
  11. 配向膜による液晶分子の配向方向が、基板面に対し垂直方向である請求項1記載の方法。
  12. 配向膜による液晶分子の配向方向が、基板面に対し水平方向である請求項1記載の方法。
  13. ネマチック液晶表示素子の液晶材料注入方法が滴下工法である請求項1記載の方法。
  14. ネマチック液晶表示素子がTN方式、STN方式、IPS方式又はVA方式である請求項1記載の方法。
  15. 透明電極を有する一対の基板に液晶を狭持した構造を有し、対向する一対の基板の対向面の少なくとも一方に配向膜を有するネマチック液晶表示素子の製造において、該液晶を注入する前に、該配向膜にエーテル結合を有する有機化合物を、化学結合を伴うことなく付着させる工程を有することを特徴とする当該製造方法。
  16. 溶媒にエーテル結合を有する有機化合物を溶解させた溶液からなる、請求項1記載の表示不良解決方法に用いられるネマチック液晶表示素子の表示不良防止剤。
  17. エーテル結合を有する有機化合物の分子量が180から500である請求項15記載の表示不良防止剤。
  18. エーテル結合を有する有機化合物が一般式(I)
    Figure 0004691903
    (式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、炭素原子数1から18のアルキル基又は炭素原子数2から18のアルケニル基を表し、これらの置換基は直鎖状であっても分岐状であっても良いが、基中の一つ以上の−CH2−は酸素原子が相互に隣接しないものとして酸素原子により置換されていても良く、A及びBはそれぞれ独立して、トランス-1,4-シクロヘキシレン基、1,4-フェニレン基、トランス-1,4-シクロヘキセニレン基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、3,3'-スピロビシクロブチレン基又はビシクロ[2.2.2]オクタン-1,4-ジイル基を表し、Z1及びZ2はそれぞれ独立して単結合、炭素原子数2から12の直鎖状又は分岐状アルキレン基、−CH=CH−、−C≡C−又は−O−を表すが、該アルキレン基中の一つ以上の−CH2−は酸素原子が相互に隣接しないものとして酸素原子により置換されていても良く、nは1から3の整数を表すが、R1、R2、Z1及びZ2の少なくとも一つは基中に酸素原子を有し、B及びZ2が複数存在する場合は同一であっても異なっていても良い。)で表される化合物である請求項16記載の表示不良防止剤。
  19. 20℃における比誘電率の絶対値が10以下の範囲である請求項16記載の表示不良防止剤。
  20. 有機溶媒溶液中のエーテル結合を有する有機化合物の濃度が10質量%以下である請求項16記載の表示不良防止剤。
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