JPH1153709A - 磁気ヘッド及びその製造方法並びにそれらを用いた磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気ヘッド及びその製造方法並びにそれらを用いた磁気記録再生装置

Info

Publication number
JPH1153709A
JPH1153709A JP19763297A JP19763297A JPH1153709A JP H1153709 A JPH1153709 A JP H1153709A JP 19763297 A JP19763297 A JP 19763297A JP 19763297 A JP19763297 A JP 19763297A JP H1153709 A JPH1153709 A JP H1153709A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
pair
cores
recording
head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19763297A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaya Sakaguchi
昌也 坂口
Takeshi Takahashi
高橋  健
Hiroyuki Hasegawa
博幸 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP19763297A priority Critical patent/JPH1153709A/ja
Publication of JPH1153709A publication Critical patent/JPH1153709A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディジタルVTRやハードディスクドライブ
等のデータ記録の高密度化、高速化に伴う狭トラック幅
化、高周波数化に適した磁気ヘッド及びその製造方法並
びに磁気記録再生装置を提供する。 【解決手段】 磁気ギャップ材1a、1bを介して対向
配置された一対の磁性体コア2a、2bの対向部の両横
側に、前記一対の磁性体コアをつなぐように、両磁性体
コアの対向部において連続している非磁性導電性材料1
0a、10bを形成し、磁性体コア対向部の端部での記
録磁界の広がりを抑えるように前記非磁性導電性材料1
0a及び10bの中に渦電流を発生させることにより、
記録磁界の広がりを抑える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体に対
する情報信号の記録、再生を行う磁気ヘッド及びその製
造方法と、前記磁気ヘッドを用いた磁気記録再生装置に
関し、特に、デジタルVTRやハードディスクドライブ
等に用いられる高密度磁気記録用の狭トラック磁気ヘッ
ド及びその製造方法と、前記磁気ヘッドを用いた磁気記
録再生装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタルVTRやハードディスクドラ
イブ等のように大容量の情報信号を記録、再生するに
は、狭トラック幅化や短波長化などの高密度磁気記録再
生技術が必要となる。
【0003】高密度磁気記録再生を実現するには、磁気
記録媒体の保持力を大きくし、それに合わせて磁気ヘッ
ドの飽和磁束密度(以下、「Bs」という。)を大きく
する必要がある。そこで、現在では、磁気ヘッドの材料
として、フェライト材料よりもBsが大きい種々の金属
磁性材料が用いられるようになっている。
【0004】図24は、金属磁性材料を用いた従来の磁
気ヘッドの一例を示す図である。同図に示された磁気ヘ
ッドは、一般にMIGヘッドと呼ばれているものであ
る。MIGヘッドにおける磁性体コアは、凸状のフェラ
イトコア5a、5bと、前記フェライトコア5a、5b
の突出端面及びこれに続く両側面を覆う金属磁性膜6
a、6bとからなる。さらに、両方の磁性体コアが、一
対のガラス質ブロック4a、4bによって相互に連結さ
れることにより、突出端面の間に磁気ギャップ材1を介
して対向配置される構成となっている。尚、図中20
は、コイル挿通用の窓穴である。
【0005】ところで、この種の磁気ヘッドは、図25
に示すように、フェライトコア5a、5bの対向部分を
形成する際の加工精度や、磁性体コアの突き合わせ精度
等の製造上の誤差によるトラックずれ(同図においてd
1及びd2で示す。)を生じやすい。また、金属磁性膜
6a、6bのエッジ部に、丸み6a1、6a2、6b
1、6b2が発生しやすく、かかる丸みが発生すること
によりトラック端がはっきりしなくなることから、トラ
ック端での記録時の記録磁界が広がり、記録にじみが生
じやすくなり、良好な記録特性を得ることが困難になる
という問題点があった。
【0006】かかる問題点を解決するため、磁気ギャッ
プ材を介して向き合うように磁性体コアを対向配置させ
た後に、種々の加工方法を用いてトラック端を規制し、
トラックずれや金属磁性膜のエッジ部の丸みを抑える方
法が試みられている。例えば、米国特許第4,110,
902号明細書にはワイヤ放電加工、米国特許第5,2
98,113号明細書にはバイト加工、特開平7−22
0218号公報には放電加工を用いてトラック端を規制
する方法等が開示されている。
【0007】また、記録にじみの発生等の問題点は、前
記のMIGヘッドだけではなく、フェライトにより磁性
体コアを形成したいわゆるフェライトヘッド、金属磁性
膜を積層して磁性体コアを形成したいわゆるLAMヘッ
ドや薄膜ヘッドの場合でも同様に発生する。例えば、薄
膜ヘッドの場合においても種々の方法が試みられてお
り、特開平6−349026号公報には、記録ヘッドの
上部コアのトラック端と、再生ヘッドの磁気シールド材
を兼ねた下部コアの一部を、イオンエッチングを用いて
加工し、トラック端を規制して記録磁界の広がりを抑え
る方法、特開平8−96325号公報には、反強磁性膜
や永久磁石膜を用いて記録ヘッドの下部コアの透磁率を
部分的に変化させることによって記録磁界の広がりを抑
える方法等が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法では、磁気ギャップの近傍部分における磁性体
コアの磁気飽和現象による記録磁界の広がりに対応する
ことができないという問題点を有していた。磁気ギャッ
プ近傍部分での磁性体コアの磁気飽和現象の影響は、狭
トラック幅化がすすむにつれて大きくなるため、高密度
磁気記録を実現するためには、前記影響への対応が必要
不可欠となる。
【0009】本発明は、上記の問題点に鑑み、高速高密
度記録のための高周波化、狭トラック幅化に対応するこ
とができる磁気ヘッド及びその製造方法並びにそれらを
用いた磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の第1番目の磁気ヘッドは、間に磁気ギャッ
プ材を介して対向配置された一対の磁性体コアを備えた
磁気ヘッドであって、前記一対の磁性体コアが磁気媒体
と対向する部分において、前記両磁性体コアが対向する
部分の少なくとも一方の端に、連続した非磁性導電性材
料を備えたことを特徴とする。
【0011】前記本発明の磁気ヘッドにおいては、非磁
性導電性材料は、Ag、Al、Au、Be、Ca、C
u、Ir、Mg、Mo、W及びZnの群(以下、「R」
という。)から選ばれる少なくとも一つの単体、あるい
は前記Rのうち少なくとも一種類を有する化合物、ある
いは前記Rのうち少なくとも一種類を有する混合物であ
ることが好ましい。その理由は、Rは単独で導電率が高
く、導電率が高い化合物や混合物を作製することも比較
的容易だからである。
【0012】前記本発明の磁気ヘッドにおいては、一対
の磁性体コアの、それぞれのトラック幅方向の幅が異な
る場合に、より好ましい効果を得ることができる。その
理由は、トラック幅方向の端が一致していないため、端
部での記録磁界の広がりが大きくなり、そのため、本発
明に係る磁気ヘッドにおいて形成される非磁性導電性材
料による記録にじみの抑制効果や、記録効率の改善効果
も大きくなるからである。
【0013】前記本発明の磁気ヘッドにおいては、一対
の磁性体コアは、フェライト及び金属磁性膜から形成さ
れ、前記一対の磁性体コアの少なくとも一方の、他の磁
性体コアとの対向部分に金属磁性膜が形成されている場
合に、より好ましい効果を得ることができる。その理由
は、金属磁性膜のエッジ部の丸みにより、コア対向部の
端部での記録磁界の広がりが大きくなり、そのため、本
発明に係る磁気ヘッドにおいて形成される非磁性導電性
材料による記録にじみの抑制効果や、記録効率の改善効
果も大きくなるからである。
【0014】前記本発明の磁気ヘッドにおいては、両磁
性体コアが対向する部分の少なくとも一方の端におい
て、間に磁気ギャップ材を介さずに前記非磁性導電性材
料と接続されている部分を有することが好ましい。その
理由は、磁気ギャップ材がないため、磁性体コアと非磁
性導電性材料とが近づき、そのため、非磁性導電性材料
による記録みじみの抑制効果や記録効率の改善効果が大
きくなるからである。
【0015】前記本発明の磁気ヘッドにおいては、一対
の磁性体コアが磁気媒体と対向する部分において、前記
一対の磁性体コアが対向する部分の近傍の少なくとも一
部を直線状に加工してトラック端を規制し、前記トラッ
ク端の少なくとも一方に非磁性導電性材料を有すること
が好ましい。その理由は、磁性体コアの突き合わせズレ
やMIGヘッドの場合の金属磁性膜のエッジ部分の丸み
等による記録磁界の広がりを抑えることができる上、非
磁性導電性材料によって、磁性体コアの磁気飽和現象等
による記録磁界の広がりの抑制や記録効率の改善が可能
となるからである。
【0016】前記本発明の磁気ヘッドにおいては、一対
の磁性体コアが磁気媒体と対向する部分において、前記
一対の磁性体コアが対向する部分の近傍の少なくとも一
部を円弧状に加工してトラック端を規制し、前記トラッ
ク端の少なくとも一方に非磁性導電性材料を有すること
が好ましい。その理由は、磁性体コアの突き合わせズレ
やMIGヘッドの場合の金属磁性膜のエッジ部分の丸み
等による記録磁界の広がりを抑えることができる上、非
磁性導電性材料によって、磁性体コアの磁気飽和現象等
による記録磁界の広がりの抑制や記録効率の改善が可能
となるからである。
【0017】次に本発明の第2番目の磁気ヘッドは、間
に磁気ギャップ材を介して対向配置された一対の磁性体
コアを備える磁気ヘッドであって、前記一対の磁性体コ
アが対向する部分において、磁気媒体と対向する面とは
逆側の面に、連続した非磁性導電性材料を有することを
特徴とする。
【0018】次に本発明の第3番目の磁気ヘッドは、請
求項1〜7のいずれかに記載の磁気ヘッドにおいて、前
記一対の磁性体コアが対向する部分において、磁気媒体
と対向する面とは逆側の面に、連続した非磁性導電性材
料を有することを特徴とする。
【0019】次に本発明の第1番目の磁気ヘッドの製造
方法は、一対の磁性体コアを、磁気ギャップ材を介して
向き合うように対向配置させる第一の工程と、両磁性体
コアを対向配置させた状態で、磁気媒体が対向する面と
なる側の、前記磁性体コアが対向する部分の少なくとも
一方の端に、非磁性導電性材料を形成する第二の工程と
を含むことを特徴とする。
【0020】次に本発明の第2番目の磁気ヘッドの製造
方法は、一対の磁性体コアを、磁気ギャップ材を介して
向き合うように対向配置させる第一の工程と、両磁性体
コアを対向配置させた状態で、磁気媒体が対向する面と
なる側の、前記磁性体コアが対向する部分の近傍の少な
くとも一部を直線状に加工してトラック端を規制する第
二の工程と、前記第二の工程において直線状に加工され
た部分の周囲に非磁性導電性材料を形成する第三の工程
とを含むことを特徴とする。
【0021】次に本発明の第3番目の磁気ヘッドの製造
方法は、一対の磁性体コアを、磁気ギャップ材を介して
向き合うように対向配置させる第一の工程と、両磁性体
コアを対向配置させた状態で、磁気媒体が対向する面と
なる側の、前記磁性体コアが対向する部分の近傍の少な
くとも一部を円弧状に加工してトラック端を規制する第
二の工程と、前記第二の工程において円弧状に加工され
た部分の周囲に非磁性導電性材料を形成する第三の工程
とを含むことを特徴とする。
【0022】前記本発明の第1〜3番目の磁気ヘッドの
製造方法においては、第一の工程の一対の磁性体コアを
対向配置させた後に、磁気媒体が対向する面を形成しな
い磁性体コアの対向部分にガラス質ブロックを形成する
工程を含むことが好ましい。その理由は、対向配置され
た状態における、両磁性体コアの接着強度を強化するこ
とが可能となるからである。
【0023】前記本発明の第1〜3番目の磁気ヘッドの
製造方法においては、第一の工程の一対の磁性体コアを
対抗配置させた後に、磁気媒体が対向する面を形成する
磁性体コアの対向部分にガラス質ブロックを形成する工
程を含むことが好ましい。その理由は、対向配置された
状態における、磁気媒体と対向する部分の両磁性体コア
の接着強度を強化することが可能となるからである。
【0024】次に本発明の磁気記録再生装置は、請求項
1から請求項9のいずれかに記載の磁気ヘッドを用いる
ものである。次に本発明の磁気記録再生装置は、請求項
10から請求項14のいずれかに記載の磁気ヘッドの製
造方法により製造された磁気ヘッドを用いるものであ
る。
【0025】前記した本発明の第1〜3番目の磁気ヘッ
ドによれば、連続した非磁性導電性材料を備えたことに
より、磁性体コア対向部の端部での記録磁界の広がりを
抑えるように前記非磁性導電性材料の中に渦電流を発生
させ、記録磁界の広がりを抑えることができ、その結
果、高速高密度記録のための高周波化、狭トラック幅化
ができる。また前記本発明の第1〜3番目の磁気ヘッド
の製造方法によれば、本発明の磁気ヘッドを効率よく合
理的に製造できる。さらに本発明の磁気記録再生装置に
よれば、磁性体コア対向部の端部での記録磁界の広がり
を抑えるように前記非磁性導電性材料の中に渦電流を発
生させ、記録磁界の広がりを抑えることができ、その結
果、高速高密度記録のための高周波化、狭トラック幅化
ができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第
1の実施の形態に係る磁気ヘッドにおける、磁気媒体が
対向する側の面(以下、「磁気媒体スライド面」とい
う。)の磁気ギャップ近傍の部分の構成を模式的に示す
図である。尚、本実施の形態では磁気ヘッドの一例とし
てフェライトヘッドを用いた場合について説明する。
【0027】同図1に示されるように、本実施の形態の
フェライトヘッドでは、一対の磁性体コア2a、2b
を、間に磁気ギャップ材1a、1bを介して対向配置
し、対向部の両横に非磁性導電性材料10a、10bを
形成している。この非磁性導電性材料10a、10b
は、磁性体コア2aと2bとをつなぐように形成されて
おり、両磁性体コア2a、2bの対向部においてそれぞ
れ連続している。
【0028】本実施の形態の磁気ヘッドでは、磁性体コ
ア2a、2bの対向部の端部に連続した非磁性導電性材
料10a、10bが存在する構成となっているため、磁
性体コア2a、2bの対向部の端部における記録磁界の
広がりを抑えるように、非磁性導電性材料10a、10
bの中に渦電流が発生する。この渦電流の発生により、
記録にじみが抑制できる。また、記録磁界の広がりが抑
えられるため、実際に記録に必要な領域での磁界の大き
さが増加することになり、記録効率を改善することが可
能となる。従来の磁気ヘッドの製造方法では、非磁性導
電性材料10a、10bが磁気ギャップ近傍で連続した
ものとなっていなかったため、渦電流は発生するもの
の、その発生量が少なく、記録磁界の広がりを抑えると
いう本発明の効果が得られなかったものである。なお、
本実施の形態の磁気ヘッドの製造方法については後述す
る。
【0029】ここで、磁気ギャップ材1a、1bとして
は、SiO2 、ガラス、クロム、クロム酸化物、アルミ
ナ及びそれらの化合物等を用いることができるが、非磁
性導電性材料10a、10bとしては、前記Rから選ば
れる少なくとも一つの単体、あるいは前記Rのうち少な
くとも一種類を有する化合物や、前記Rのうち少なくと
も一種類を有する混合物、それら以外でも非磁性で導電
性を示す材料であればよい。具体的には、前記化合物の
例として、Cu−Cd、Cu−Cr、Cu−Ag、Cu
−Zr、Al−Mg、Al−Zr等を挙げることがで
き、前記混合物の例としては、高分子材料中にRのうち
の少なくとも一種類を分散した導電性樹脂等を挙げるこ
とができる。
【0030】これらの非磁性導電性材料は、スパッタ
法、真空蒸着法、メッキ法、イオン打ち込み法、プラズ
マCVD法、ディップ法や塗布法等によって形成するこ
とができる。これらの形成方法はいずれも公知の技術で
あるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0031】尚、前記渦電流を大きくするほど、本発明
による記録磁界の広がりの抑制効果を大きくすることが
できる。ここで、非磁性導電性材料の導電率が大きく、
磁気ヘッドの使用周波数が高く、非磁性導電性材料が厚
く、かつ、磁性体コアの対向部の端部での記録磁界の広
がりが大きい場合ほど、非磁性導電性材料10a及び1
0b中に流れる渦電流が大きくなることから、本発明の
磁気ヘッドを用いることにより、狭トラック幅化や高周
波化に対応することが可能となる。
【0032】また、磁性体コア2a、2bの対向部近傍
が磁気飽和に近づくにつれて、端部での記録磁界の広が
りが大きくなるが、本発明の磁気ヘッドは、非磁性導電
性材料10a、10bの中に発生する渦電流を利用して
記録磁界の広がりを抑制するものであるから、磁性体コ
アにおける磁気飽和現象による記録磁界の広がりにも対
処することができる。
【0033】また、図2に示すように、トラック溝3の
加工精度や、磁性体コア2a及び2bの突き合わせ精度
などの製造上の誤差により発生するトラックずれd1、
d2が生じている場合や、磁性体コア2a、2bの対向
部分近傍にワレやカケが発生しているような場合には、
記録磁界の広がりが大きくなるが、本発明に係る磁気ヘ
ッドによれば、製造上の誤差が生じた場合の記録磁界の
広がりにも対応することが可能である。
【0034】尚、本実施の形態では、磁性体コアの突出
部の形状が長方形状である場合の例について説明した
が、磁性体コアの突出部の形状が台形状であり、磁性体
コアの幅が、磁性体コア対向部分に向けて序々に狭くな
るような形状の場合であっても、本発明の効果を得るこ
とは可能である。特に、このような場合には、記録磁界
の広がりがより大きくなるので、本発明の有効性がより
増加することとなる。
【0035】また、本実施の形態では、磁気ギャップ材
1a、1bと非磁性導電性材料10a、10bとの間に
何も存在しない場合について説明したが、両者の間にク
ロム化合物等の反応防止材料を形成しておくことや、例
えばメッキ法により非磁性導電性材料10a、10bを
形成するために必要な電極等を形成しておくことも可能
である。しかし、反応防止材料や、非磁性導電性材料の
形成方法については、公知の技術であるので、ここでの
詳しい説明は省略する。
【0036】また、本実施の形態では、磁性体コア2
a、2bの両横に磁気ギャップ材1a、1bが存在する
例を示したが、磁気ギャップ材の形成はどちらか一方の
横側のみとしてもよい。また、本実施の形態では磁気ギ
ャップ近傍の磁性体コアの形状が直線状である場合の例
について説明したが、例えば、磁性体コア2a及び2b
において、非磁性導電性材料10a及び10bとの境界
が、円形状に形成されている場合等、曲線状の場合であ
っても同様の効果が得られる。
【0037】また、本実施の形態ではフェライトヘッド
を用いた場合について説明したが、MIGヘッド、LA
Mヘッド、薄膜ヘッド等の他の磁気ヘッドの場合でも同
様の効果を得ることができるのはいうまでもない。
【0038】図3は、本発明の第2の実施の形態に係る
磁気ヘッドにおける、磁気媒体スライド面の磁気ギャッ
プ近傍の構成を模式的に示す図である。尚、本実施の形
態では磁気ヘッドの一例として薄膜ヘッドを用いた場合
について説明する。
【0039】同図に示されるように、本実施の形態の薄
膜ヘッドでは、一対の磁性体コア2a、2bのトラック
幅方向の幅w1、w2が異なっている。このような形状
のヘッドにおいては、磁性体コア2a,2bの対向部の
端部における記録磁界の広がりが一層大きくなり、特
に、薄膜ヘッドの場合は、磁性体コアに磁気飽和現象が
発生するほどの磁界がかかるため、記録磁界の広がりが
さらに大きくなる。そのため、本発明に係る磁気ヘッド
において形成される非磁性導電性材料10による記録に
じみの抑制効果や、記録効率の改善効果もより大きくな
るといえる。
【0040】また、同図に示されるように、本実施の形
態の薄膜ヘッドでは、トラック幅方向の幅が小さい方の
磁性体コア2aについて、磁気ギャップ対向面の逆側に
も非磁性導電性材料10を容易に形成できる。薄膜ヘッ
ドの場合は、通常、磁性体コア2aの上部には、重要な
部品が配置されることがないからである。このように、
磁気ギャップ対向面の逆側に非磁性導電材料10を形成
することにより、非磁性導電性材料10中の渦電流がよ
り流れやすくなる上、トラック幅方向の幅が小さい方の
磁性体コア2aの磁気ギャップ対向面の逆側での記録磁
界の広がりも抑えることができる。
【0041】なお、本実施の形態では、磁気ギャップ材
1が磁性体コア2a、2bの対向部にしか存在しない場
合について説明したが、それ以外の場合でも、本発明の
効果を得ることは可能である。例えば、図3の例で説明
すると、磁気ギャップ材1のトラック幅方向の幅を、磁
性体コア2bの幅と等しくするような場合もあるが、そ
のような場合でも本発明の効果を得ることはできる。
【0042】また、本実施の形態では、薄膜ヘッドを用
いた例について、両磁性体コアのトラック幅方向の幅が
異なる場合について説明したが、一対の磁性体コアのト
ラック幅方向の幅が異なる場合については、フェライト
ヘッド、MIGヘッド、LAMヘッド等の他の磁気ヘッ
ドでも本発明を適用することは可能である。
【0043】図4は、本発明の第3の実施の形態に係る
MIGヘッドにおける、磁気媒体スライド面の磁気ギャ
ップ近傍の構成を模式的に示す図である。同図に示され
るように、本実施の形態のMIGヘッドでは、一対のフ
ェライトコア5a、5bの対向面側に金属磁性膜6a、
6bを形成して一対の磁性体コアとしている。さらに金
属磁性膜6a、6bを、間に磁気ギャップ材1a、1b
を介して対向配置し、対向部の両横側に非磁性導電性材
料10a、10bを形成している。尚、4a、4bは、
ガラス質ブロックである。
【0044】ここで、MIGヘッドにおいては、前述の
如く、フェライトコア5a、5bの対向面側に金属磁性
膜6a、6bが形成されているため、金属磁性膜6a、
6bのエッジ部6a1、6a2、6b1、6b2に丸み
が生じる。このようなMIGヘッドの場合においては、
両磁性体コアの対向部の端部での記録磁界の広がりが一
層大きくなるため、本発明に係る磁気ヘッドにおいて形
成される非磁性導電性材料10a、10bによる記録に
じみの抑制効果や記録効率の改善効果も一層大きくなる
といえる。
【0045】図5は、本発明の第4の実施の形態に係る
磁気ヘッドにおける、磁気媒体スライド面の磁気ギャッ
プ近傍の構成を模式的に示す図である。尚、本実施の形
態では磁気ヘッドの一例としてフェライトヘッドを用い
た場合について説明する。同図に示されるように、本実
施の形態のフェライトヘッドでは、磁性体コア2a、2
bと非磁性導電性材料10a、10bとの間に磁気ギャ
ップ材1が存在せず、磁性体コア2a、2bの対向面に
のみ磁性キャップ材1a及び1bが形成されている。そ
のため、非磁性導電性材料10a、10bが磁性体コア
2a、2bにより近づくこととなり、磁性体コア2a、
2bの対向部の端部における記録磁界の広がりを抑制す
る効果や記録効率の改善効果がより大きくなる。なお、
本実施の形態では、フェライトヘッドを用いて、磁性体
コアと非磁性導電性材料との間に磁気ギャップ材が存在
しない場合について説明したが、MIGヘッド、LAM
ヘッド、薄膜ヘッド等のヘッドにおいても適用すること
は可能である。
【0046】図6は、本発明の第5の実施の形態に係る
MIGヘッドにおける、磁気媒体スライド面の磁気ギャ
ップ近傍の構成を模式的に示す図である。同図に示され
るように、本実施の形態のMIGヘッドでは、磁性体コ
アを磁気ギャップ材を介して対向配置し、トラック端を
規制するために直線状に加工した後、トラック端の両横
側に非磁性導電性材料10a、10bを形成している。
トラック端を規制する方法としては、例えば、従来の技
術において説明した米国特許第4,110,902号明
細書、米国特許第5,298,113号明細書、特開平
6−349026号公報に開示されている方法や、回転
砥石加工等の方法が使用できる。
【0047】ここで、磁性体コアを対向配置させた後に
トラック端を規制するための加工を行っているために、
磁性体コアの突き合わせズレや金属磁性膜のエッジ部分
の丸み等による記録磁界の広がりを抑えることができる
上、トラック端に形成された非磁性導電性材料10a、
10bによって、磁性体コアの磁気飽和現象等による記
録磁界の広がりの抑制や記録効率の改善が可能となる。
【0048】なお、本実施の形態では、MIGヘッドを
用いて、トラック端部を直線状に加工してトラック端を
規制し、加工したトラック端に非磁性導電性材料を形成
する場合について説明したが、フェライトヘッド、LA
Mヘッド、薄膜ヘッド等のヘッドに適用した場合でも同
様の効果が得られる。
【0049】図7は、本発明の第6の実施の形態に係る
MIGヘッドにおける、磁気媒体スライド面の磁気ギャ
ップ近傍の構成を模式的に示す図である。同図に示され
るように、本実施の形態のMIGヘッドでは、磁性体コ
アを磁気ギャップ材を介して対向配置し、トラック端を
規制するために円弧状に加工した後、トラック端の両横
側に非磁性導電性材料10a、10bを形成している。
トラック端規制の方法としては、特開平7−22021
8号公報に開示されている方法や、レーザー加工、イオ
ンエッチングによる加工法等が使用できる。また、前記
第5の実施の形態と同様、磁性体コアを対向配置させた
後にトラック端を規制するための加工を行っているため
に、磁性体コアの突き合わせズレや金属磁性膜のエッジ
部分の丸み等による記録磁界の広がりを抑えることがで
き、さらに、トラック端に非磁性導電性材料を形成する
ことにより、磁性体コアの磁気飽和現象等による記録磁
界の広がりの抑制や記録効率の改善が可能となってい
る。
【0050】なお、本実施の形態では、MIGヘッドを
用いて、トラック端部を直線状に加工してトラック端を
規制し、加工したトラック端に非磁性導電性材料を形成
する場合について説明したが、フェライトヘッド、LA
Mヘッド、薄膜ヘッド等のヘッドを用いた場合について
も同様の効果が得られる。
【0051】図8は、本発明の第7の実施の形態に係る
磁気ヘッドにおける、磁気媒体スライド面に近い側(以
下、「フロント側」という。)の磁性体コア対向部にお
いて、磁気ギャップ近傍を横側から見た構成を模式的に
示した図である。尚、本実施の形態では磁気ヘッドの一
例としてフェライトヘッドを用いた場合について説明す
る。
【0052】同図に示されるように、本実施の形態のフ
ェライトヘッドでは、磁気ギャップ材1a、1bを介し
て対向配置された一対の磁性体コア2a、2bについ
て、フロント側の磁性体コア対向部において、磁気媒体
スライド面と逆側の部分に非磁性導電性材料10cが形
成されている。この非磁性導電性材料10cは、一対の
磁性体コア2a及び2bをつなぐように形成されてお
り、磁性体コア対向部において連続である。
【0053】上述の如く、本実施の形態のフェライトヘ
ッドでは、非磁性導電性材料10cが、磁性体コア対向
部近傍で連続して形成されているため、記録磁界が、磁
性体コアのコイル側の領域に漏れることを抑えるよう
に、非磁性導電性材料10cの中に渦電流が発生する。
そのため、記録に必要な領域での磁界の大きさが増加
し、記録効率を改善することが可能となる。
【0054】なお、本実施の形態では、磁気ヘッドの一
例としてフェライトヘッドを用いて、フロント側の磁性
体コア対向部における磁気媒体スライド側の面と逆側に
非磁性導電性材料10cを形成する場合について説明し
たが、MIGヘッド、LAMヘッド等のヘッドの場合で
も適用は可能であり、同様の効果が得られる。
【0055】次に、本発明の磁気ヘッドの如く、磁気ギ
ャップ近傍の部分において連続した非磁性導電性材料が
形成された磁気ヘッドの具体的な製造方法について、図
9から図20を参照しながら説明する。まず、表面をラ
ップ処理等によって平行度よく、かつ平滑に加工処理さ
れた、例えばMn−Znフェライトからなる一対の基板
を用意する。それぞれに、図9に示すように、互いに平
行な複数条のトラック溝3a、3bが、回転砥石等によ
って形成され、これによって一対の磁性体コア2a、2
bができあがる。なお、磁性体コア2aには、コイル挿
通用の窓穴20が設けられる。
【0056】次に、上記一対の磁性体コア2a、2b
に、磁気ギャップを形成するための磁気ギャップ材(図
示せず)を付設する。そして、図示しない磁気ギャップ
材を介して磁性体コア2a、2bを図10に示すように
対向配置する。なお、この対向配置された状態は、磁気
ギャップ材同士の接着強度が十分であれば、特に補強を
要しないが、磁気ギャップ材同士の接着が十分でない場
合には、例えば、治具でサポートするような構成として
も良いし、接着剤で仮止めするような構成にしてもよ
い。
【0057】次に、図11に示すように、対向配置され
た状態にある一対の磁性体コア2a、2bの磁気媒体ス
ライド面方向からみた磁性体コア2a及び2bの対向部
の端部に非磁性導電性材料10を形成する。ここで、非
磁性導電性材料10として用いられる材料、及び形成方
法については、前記で説明した通りである。
【0058】さらに、図12に示すように、ガラス質ブ
ロック4が熱処理により充填された後、チップごとに
(例えば、図中一点鎖線で示される位置で)スライスさ
れ、窓穴20を利用してコイルが施される。スライスさ
れる一つのチップの幅は、利用目的等により若干異なる
が、本実施の形態では約200ミクロンである。
【0059】以上に説明したような製造方法を用いるこ
とにより、上記第1の実施の形態において説明した如
く、トラック端部に連続した非磁性導電性材料を有する
磁気ヘッドの製造が可能となる。なお、非磁性導電性材
料10を非常に厚く形成すれば、ガラス質ブロック4を
用いることなく製造することも可能である。
【0060】また、上記の製造方法において、磁気ギャ
ップ材を形成する前に金属磁性膜を形成することによ
り、上記第3の実施の形態として説明した如く、トラッ
ク端部に連続した非磁性導電性材料を形成したMIGヘ
ッドの製造が可能となる。
【0061】次に、トラック端部に連続した非磁性導電
性材料を有するLAMヘッドの製造方法について説明す
る。前記LAMヘッドは、先に説明した第1の実施の形
態をLAMヘッドに適用したものである。
【0062】本実施の形態に係るLAMヘッドの製造方
法においては、まず図13に示すように、基板7上に金
属磁性層8と非磁性層9を交互に形成する。次に、図1
4に示すように、それらを複数枚積層する。同図の例で
は、上記形成されたものを4枚積層し、最上の金属磁性
層の上部を基板7でカバーした形となっている。さら
に、それを、回転砥石等で切断して半分に分け、表面に
ラップ処理等を行うことによって、平行度よく、かつ平
滑に加工処理を行い、一対の磁性体コア2a、2bが作
製できる。
【0063】それぞれの磁性体コア2a、2bには、図
15に示すように、互いに平行な複数条のトラック溝
(非磁性導電性材料形成用の溝でもある)11a、11
bが、回転砥石等によって形成される。この際、磁性体
コア2aには、コイル挿通用の窓穴20が設けられる。
【0064】次に、一対の磁性体コア2a、2bに、磁
気ギャップを形成するための磁気ギャップ材(図示せ
ず)が付設され、この磁気ギャップ材を介して磁性体コ
ア2a、2bを対向配置する。
【0065】次に、図16に示すように、対向配置され
た状態にある一対の磁性体コア2a及び2bを磁気媒体
スライド面方向からみた両磁性体コアの対向部の端部に
非磁性導電性材料10を形成する。非磁性導電性材料と
して用いる材料及び形成の方法については、上述した通
りである。そして、チップごとに(例えば、図中一点鎖
線で示される位置で)スライスされ、窓穴20を利用し
てコイルが施される。スライスの幅については、使用目
的等により最適な幅は異なるが、本実施の形態では、約
200ミクロンとした。
【0066】なお、本実施の形態ではトラック溝(非磁
性導電性材料形成用の溝でもある)を磁性体コア2a、
2bの両方に設けたが、どちらか片方のみに設けるよう
にしてもよい。ただしこの場合は、一対の磁性体コアの
トラック幅方向の長さが異なる。また、磁性体コア対向
面の接着強度等によっては、ガラス質ブロック等を用い
て補強するための工程を加えてもよい。
【0067】また、これらの製造方法では、磁気媒体ス
ライド面方向からみたトラック端部に非磁性導電性材料
10を形成するだけではなく、上記第7の実施の形態に
て説明した如く、磁気媒体スライド面と逆側の面(図8
において10cで示される部分)に非磁性導電性材料を
形成することも可能である。形成の方法については、前
述の如く種々の方法を利用して行うことができる。
【0068】また、トラック溝加工を磁気ギャップ材形
成後に行うことによって、上記第4の実施の形態として
説明した如く、磁性体コアと非磁性導電性材料との間に
磁気ギャップ材が存在しない磁気ヘッドを製造すること
もできる。
【0069】次に、トラック端部に連続した非磁性導電
性材料を有する薄膜ヘッドの製造方法について説明す
る。本実施の形態に係る製造方法では、まず、下部コア
(図3において2bで示した部分)として金属磁性膜を
形成し、その上に磁気ギャップ材(図3において1で示
した部分)を形成する。次に、コイルおよび絶縁層を形
成し、上部コア(図3において2aで示した部分)とし
て金属磁性膜を形成する。これによって、一対の磁性体
コアが磁気ギャップ材を介して対向配置される。そし
て、下部コア及び上部コアを覆うように非磁性導電性材
料(図3において10で示される部分)を形成する。前
述の如く、通常薄膜ヘッドにおいては、上部コアの上部
には、重要といえるような部品は設置されておらず、非
磁性導電性材料としてかなりの厚さのものを形成するこ
とも可能である。
【0070】なお、再生用ヘッドとして磁気抵抗効果ヘ
ッド等を用いる場合は、上記した本発明の薄膜ヘッドの
下側に製造される。
【0071】以上、本実施の形態において説明した磁気
ヘッドの具体的な製造方法について説明したが、一対の
磁性体コアが対向配置された後に、トラック端を規制す
るための加工を行うことも可能である。トラック端を規
制するための加工は、回転砥石加工等によって直線状に
加工する方法や、レーザー加工、放電加工やイオンエッ
チングよる加工等によって円弧や任意の形状に加工する
方法等が用いられるが、いずれも公知の技術であるた
め、ここでの詳細な説明は省略する。
【0072】また、一対の磁性体コアを対向配置する際
に磁性体コア同士の接着強度が足りない場合には、図1
7に示すように、一対の磁性体コアが対向配置された状
態での、両磁性体コアの接着強度を十分に強化するため
に、磁気媒体スライド面を形成しない側(以下、「バッ
ク側」という。)における両磁性体コアの対向部の両横
側にガラス質ブロック21を形成することが可能であ
る。
【0073】もっとも、図17に示すようにバック側に
ガラス質ブロック21を形成した場合には、例えば回転
砥石加工のように、衝撃の強いトラック端加工を行う場
合には、磁気ギャップ対向部分の接着強度が足りない場
合が生じる。そのような場合には、図18に示すよう
に、対向配置された両磁性体コアの接着強度を十分に強
化するために、フロント側の磁性体コア対向部分の両横
側にガラス質ブロック4を形成することもできる。ただ
しこの場合は、トラック端を規制するための加工を行
い、その加工部分のトラック端に非磁性導電性材料を形
成する必要がある。
【0074】図19は、直線状に加工してトラック端を
規制した場合のMIGヘッドにおける、磁気媒体スライ
ド面の磁気ギャップ近傍の構成を模式的に示した図であ
る。また、図20は、円弧状に加工してトラック端を規
制した場合のMIGヘッドにおける、磁気媒体スライド
面の磁気ギャップ近傍の構成を模式的に示した図であ
る。トラック端規制において、直線状及び円弧状に加工
する方法については、前述した通り公知の技術であるの
で、ここでの詳細な説明は省略する。
【0075】最後に、本発明に係る磁気記録再生装置の
実施の形態について図21から図23を参照しながら説
明する。図21は、本発明に係る磁気ヘッドを搭載した
磁気テープ装置の一例を示す図である。ヘリカル走査す
る回転ドラム30に取り付けられた本発明の磁気ヘッド
31が、走行しつつある磁気テープ32と接触し、磁気
テープ32上に信号が記録される。同様にした、本発明
の磁気ヘッドあるいは再生用の別の磁気ヘッドと磁気テ
ープ32が接触して磁気テープ32上の信号が再生され
る。
【0076】本発明の磁気記録再生装置では、トラック
端での記録にじみが少なく、記録効率が良い磁気ヘッド
を用いているため、狭トラック幅化された高密度磁気記
録再生を行うことが可能である。また、高周波化がすす
むにつれて、トラック端での記録にじみの抑制効果、記
録効率の改善効果が増大する磁気ヘッドを用いているた
め、高周波化された高速磁気記録再生も行うことが可能
である。
【0077】図22は、上記本発明に係る磁気記録再生
装置を用いた場合の、磁気テープ上での記録信号の一例
を模式的に示す図である。図中の矢印は磁気テープ32
上での磁気ヘッドの走査方向を示し、36、37、38
の順に記録されるものとする。同図に示されるような、
少しずつ重ねて記録していく磁気記録再生装置の場合
は、特に図の下側トラック端の記録にじみが問題とな
る。
【0078】本実施の形態の説明においては、主にトラ
ックの両端部に非磁性導電性材料を有する磁気ヘッドに
ついて説明してきたが、同図に示されるような場合に
は、記録にじみの影響が大きい片方のトラック端部のみ
に非磁性導電性材料を有する磁気ヘッドでも、効果を得
ることは可能である。
【0079】図23は、本発明に係る磁気ヘッドを搭載
した磁気ディスク装置の一例を示す図である。磁気ヘッ
ド支持部40に取り付けられた本発明の磁気ヘッド31
が、回転する磁気ディスク41上を走行し、磁気ディス
ク41上に信号が記録再生される。本発明の磁気記録再
生装置では、トラック端での記録にじみが少なく、記録
効率が良い磁気ヘッドを用いているため、狭トラック幅
化された高密度磁気記録再生を行うことが可能である。
また、高周波化がすすむにつれて、トラック端での記録
にじみの抑制効果、記録効率の改善効果が増大する磁気
ヘッドを用いているため、高周波化された高速磁気記録
再生も行うことも可能となる。
【0080】なお、フェライトと金属磁性膜との界面
や、ガラスとの界面の反応を抑制するため等の反応防止
膜、製造上必要な下地膜や洗浄等については、いずれも
公知の技術であるため詳細な説明は省略したが、材料や
製造方法に合わせて適宜用いることはいうまでもない。
【0081】また、非磁性導電性材料の膜厚は、導電率
が大きいほど、また、使用周波数が高いほど薄くするこ
とが可能である。例えば、非磁性導電性材料としてAl
を用い、周波数20MHzで本発明の効果を得るには、
少なくとも3μm以上の膜厚が必要である。また、本発
明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本
発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えること
ができる。
【0082】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る磁
気ヘッドは、対向配置された一対の磁性体コアの対向部
分の磁気ギャップ近傍に、連続した非磁性導電性材料を
形成することにより、前記非磁性導電性材料の中に、記
録磁界の広がりを抑えるような渦電流を発生させるもの
であるから、前記渦電流の効果により、トラック端での
記録にじみの抑制と、記録効率の改善ができるという効
果を奏する。
【0083】なお、本発明による効果は、従来解決され
ていなかった、磁性体コアの磁気飽和現象による記録磁
界の広がりにも対応できるものである。また、周波数が
高くなるほど前記渦電流の効果も大きくなるため、高密
度磁気記録再生化のための狭トラック幅化と、高速磁気
記録再生化のための高周波化に適した磁気ヘッドを提供
することが可能になるという効果がある。
【0084】また、本発明に掛かる磁気ヘッドの製造方
法によれば、前述の本発明に係る磁気ヘッドの製造が可
能になるという効果がある。また、本発明に係る磁気記
録再生装置は、本発明に係る磁気ヘッドを用いるもので
あるから、狭トラック幅化と高周波化に対応することが
できる磁気記録再生装置を提供することができるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドに
おける、磁気媒体スライド面の磁気ギャップ近傍の部分
の構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドに
おいて、トラックずれが生じた場合について説明するた
めの図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜ヘッドに
おける、磁気媒体スライド面の磁気ギャップ近傍の部分
の構成を模式的に示す図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係るMIGヘッド
における、磁気媒体スライド面の磁気ギャップ近傍の部
分の構成を模式的に示す図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る磁気ヘッドに
おける、磁気媒体スライド面の磁気ギャップの近傍の部
分の構成を模式的に示す図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態に係るMIGヘッド
における、磁気媒体スライド面の磁気ギャップ近傍の部
分の構成を模式的に示す図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態に係るMIGヘッド
における、磁気媒体スライド面の磁気ギャップ近傍の部
分の構成を模式的に示す図である。
【図8】本発明の第7の実施の形態に係る磁気ヘッドに
おける、フロント側の磁性体コア対向部において、磁気
ギャップ近傍を横側から見た構成を模式的に示す図であ
る。
【図9】本発明の一実施の形態における磁気ヘッドの製
造方法を説明するための図である。
【図10】本発明の一実施の形態における磁気ヘッドの
製造方法を説明するための図である。
【図11】本発明の一実施の形態における磁気ヘッドの
製造方法を説明するための図である。
【図12】本発明の一実施の形態における磁気ヘッドの
製造方法を説明するための図である。
【図13】本発明の一実施の形態における磁気ヘッドの
製造方法を説明するための図である。
【図14】本発明の一実施の形態における磁気ヘッドの
製造方法を説明するための図である。
【図15】本発明の一実施の形態における磁気ヘッドの
製造方法を説明するための図である。
【図16】本発明の一実施の形態における磁気ヘッドの
製造方法を説明するための図である。
【図17】本発明の一実施の形態における磁気ヘッドの
製造方法を説明するための図である。
【図18】本発明の一実施の形態における磁気ヘッドの
製造方法を説明するための図である。
【図19】本発明の一適用例としてのMIGヘッドにお
ける、磁気媒体スライド面の磁気ギャップ近傍の構成を
模式的に示す図である。
【図20】本発明の一適用例としてのMIGヘッドにお
ける、磁気媒体スライド面の磁気ギャップ近傍の構成を
模式的に示す図である。
【図21】本発明に係る磁気ヘッドを搭載した磁気テー
プ装置の一例を示す図である。
【図22】磁気テープ上での記録信号の一例を模式的に
示す図である。
【図23】本発明に係る磁気ヘッドを搭載した磁気ディ
スク装置の一例を示す図である。
【図24】従来の磁気ヘッドの一例を示す図である。
【図25】従来の磁気ヘッドにおける記録媒体スライド
面の磁気ギャップ近傍の構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1、1a、1b 磁気ギャップ材 2a、2b 磁性体コア 3、3a、3b トラック溝 4、4a、4b ガラス質ブロック 5a、5b フェライトコア 6a、6b 金属磁性膜 6a1、6a2、6b1、6b2 金属磁性膜のエッジ
部 7 基板 8 金属磁性膜 9 非磁性層 10、10a、10b、10c 非磁性導電性材料 11a、11b トラック溝 20 コイル挿通用窓穴 21 ガラス質ブロック 30 回転ドラム 31 磁気ヘッド 32 磁気テープ 33、34 傾斜ポスト 35 固定ドラム 36、37、38 記録信号 40 磁気ヘッド支持部 41 磁気ディスク d1、d2 トラックずれ w1、w2 トラック幅方向の幅

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 間に磁気ギャップ材を介して対向配置さ
    れた一対の磁性体コアを備えた磁気ヘッドであって、前
    記一対の磁性体コアが磁気媒体と対向する部分におい
    て、前記両磁性体コアが対向する部分の少なくとも一方
    の端に、連続した非磁性導電性材料を備えたことを特徴
    とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記非磁性導電性材料は、Ag、Al、
    Au、Be、Ca、Cu、Ir、Mg、Mo、W及びZ
    nの群(以下、「R」という。)から選ばれる少なくと
    も一つの単体、あるいは前記Rのうち少なくとも一種類
    を有する化合物、又は前記Rのうち少なくとも一種類を
    有する混合物である請求項1に記載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記一対の磁性体コアは、それぞれのト
    ラック幅方向の幅が異なる請求項1に記載の磁気ヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】 前記一対の磁性体コアは、フェライト及
    び金属磁性膜から形成され、前記一対の磁性体コアの少
    なくとも一方の、他の磁性体コアとの対向部分に金属磁
    性膜が形成されている請求項1に記載の磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記一対の磁性体コアは、前記両磁性体
    コアが対向する部分の少なくとも一方の端において、間
    に磁気ギャップ材を介さずに前記非磁性導電性材料と接
    続されている部分を有する請求項1〜4のいずれかに記
    載の磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記一対の磁性体コアが磁気媒体と対向
    する部分において、前記一対の磁性体コアが対向する部
    分の近傍の少なくとも一部を直線状に加工してトラック
    端を規制し、前記トラック端の少なくとも一方に非磁性
    導電性材料を有する請求項5に記載の磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記一対の磁性体コアが磁気媒体と対向
    する部分において、前記一対の磁性体コアが対向する部
    分の近傍の少なくとも一部を円弧状に加工してトラック
    端を規制し、前記トラック端の少なくとも一方に非磁性
    導電性材料を有する請求項5に記載の磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 間に磁気ギャップ材を介して対向配置さ
    れた一対の磁性体コアを備える磁気ヘッドであって、前
    記一対の磁性体コアが対向する部分において、磁気媒体
    と対向する面とは逆側の面に、連続した非磁性導電性材
    料を有することを特徴とする磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかに記載の磁気ヘ
    ッドにおいて、前記一対の磁性体コアが対向する部分に
    おいて、磁気媒体と対向する面とは逆側の面に、連続し
    た非磁性導電性材料を有することを特徴とする磁気ヘッ
    ド。
  10. 【請求項10】 一対の磁性体コアを、磁気ギャップ材
    を介して向き合うように対向配置させる第一の工程と、
    両磁性体コアを対向配置させた状態で、磁気媒体が対向
    する面となる側の、前記磁性体コアが対向する部分の少
    なくとも一方の端に、非磁性導電性材料を形成する第二
    の工程とを含むことを特徴とする磁気ヘッドの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 一対の磁性体コアを、磁気ギャップ材
    を介して向き合うように対向配置させる第一の工程と、
    両磁性体コアを対向配置させた状態で、磁気媒体が対向
    する面となる側の、前記磁性体コアが対向する部分の近
    傍の少なくとも一部を直線状に加工してトラック端を規
    制する第二の工程と、前記第二の工程において直線状に
    加工された部分の周囲に非磁性導電性材料を形成する第
    三の工程とを含むことを特徴とする磁気ヘッドの製造方
    法。
  12. 【請求項12】 一対の磁性体コアを、磁気ギャップ材
    を介して向き合うように対向配置させる第一の工程と、
    両磁性体コアを対向配置させた状態で、磁気媒体が対向
    する面となる側の、前記磁性体コアが対向する部分の近
    傍の少なくとも一部を円弧状に加工してトラック端を規
    制する第二の工程と、前記第二の工程において円弧状に
    加工された部分の周囲に非磁性導電性材料を形成する第
    三の工程とを含むことを特徴とする磁気ヘッドの製造方
    法。
  13. 【請求項13】 前記第一の工程において、一対の磁性
    体コアを対向配置させた後に、磁気媒体が対向する面を
    形成しない磁性体コアの対向部分にガラス質ブロックを
    形成する工程を含む請求項10〜12のいずれかに記載
    の磁気ヘッドの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記第一の工程において、一対の磁性
    体コアを対抗配置させた後に、磁気媒体が対向する面を
    形成する磁性体コアの対向部分にガラス質ブロックを形
    成する工程を含む請求項10〜13のいずれかに記載の
    磁気ヘッドの製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1から請求項9のいずれかに記
    載の磁気ヘッドを用いる磁気記録再生装置。
  16. 【請求項16】 請求項10から請求項14のいずれか
    に記載の磁気ヘッドの製造方法により製造された磁気ヘ
    ッドを用いる磁気記録再生装置。
JP19763297A 1997-06-05 1997-07-23 磁気ヘッド及びその製造方法並びにそれらを用いた磁気記録再生装置 Pending JPH1153709A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19763297A JPH1153709A (ja) 1997-06-05 1997-07-23 磁気ヘッド及びその製造方法並びにそれらを用いた磁気記録再生装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14827397 1997-06-05
JP9-148273 1997-06-05
JP19763297A JPH1153709A (ja) 1997-06-05 1997-07-23 磁気ヘッド及びその製造方法並びにそれらを用いた磁気記録再生装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1153709A true JPH1153709A (ja) 1999-02-26

Family

ID=26478531

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19763297A Pending JPH1153709A (ja) 1997-06-05 1997-07-23 磁気ヘッド及びその製造方法並びにそれらを用いた磁気記録再生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1153709A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2016199917A1 (ja) * 2015-06-12 2017-11-24 日本カーバイド工業株式会社 画像表示装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2016199917A1 (ja) * 2015-06-12 2017-11-24 日本カーバイド工業株式会社 画像表示装置
US10302954B2 (en) 2015-06-12 2019-05-28 Nippon Carbide Industries Co., Inc. Image display device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06314408A (ja) 磁気ヘッド
JP2933491B2 (ja) 磁気ヘッドの製造方法
JPH1153709A (ja) 磁気ヘッド及びその製造方法並びにそれらを用いた磁気記録再生装置
KR930000067B1 (ko) 자기헤드
JP2002312907A (ja) 磁気ヘッドおよびその製造方法
JPS63211110A (ja) 磁気ヘツドの製造方法
JPH1049820A (ja) 磁気ヘッド
JP3104185B2 (ja) 磁気ヘッド
KR100193623B1 (ko) 자기헤드와 그의 제조방법
KR100244187B1 (ko) 복합 자기헤드 및 그 제조방법
KR970008603B1 (ko) 복합형 자기헤드
JP2000020908A (ja) 磁気ヘッド、その製造方法、および磁気記録再生装置
JPH05128465A (ja) 磁気ヘツド
JP2000173012A (ja) 磁気ヘッド及びその製造方法と磁気記録再生装置
JPH04245006A (ja) ハードディスク用磁気ヘッド
JPH05314422A (ja) 積層型磁気ヘッド
JPS62132206A (ja) 磁気消去ヘツド
JPH06119611A (ja) 磁気ヘッド
JPH064821A (ja) 磁気ヘッド及びその製造方法
JPH05182144A (ja) 薄膜磁気ヘッド
JPH09190608A (ja) 磁気ヘッド
JPH1049814A (ja) 磁気ヘッド
JPH0283807A (ja) 磁気ヘッドの製造方法
JP2000339617A (ja) 磁気ヘッドの製造方法
JPH0684128A (ja) 磁気ヘッド