JP2000020908A - 磁気ヘッド、その製造方法、および磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気ヘッド、その製造方法、および磁気記録再生装置

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JP2000020908A
JP2000020908A JP19073098A JP19073098A JP2000020908A JP 2000020908 A JP2000020908 A JP 2000020908A JP 19073098 A JP19073098 A JP 19073098A JP 19073098 A JP19073098 A JP 19073098A JP 2000020908 A JP2000020908 A JP 2000020908A
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Yoshiyasu Honma
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高密度磁気記録に対応可能な狭トラックの磁気
ヘッドを提供する。さらに、この磁気ヘッドを、歩留ま
り良く、低コストで作り得る製造方法を提供する。 【解決手段】磁気ギャップ材1を導電性の材料とし、ト
ラック幅TWを規制する切欠部14を放電加工により形
成することにより、ギャップ部エッジ8、9がシャープ
に形成される。それにより、磁気特性の劣化、すなわ
ち、フリンジの低減等がはかれ、実効トラック幅精度も
安定した、良好な特性の狭トラック磁気ヘッドを実現で
きる。また、高密度記録化に対応する狭トラック磁気ヘ
ッドを歩留まり良く、低コストで製造できる製造方法を
提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体に対し
て記録や再生を行う磁気ヘッドに関するものであり、特
に、ディジタルVTR等に用いられる高密度記録用の磁
気ヘッドおよびその製造方法、ならびに、この磁気ヘッ
ドを用いた磁気記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディジタルVTRのように大容量の情報
信号を記録再生するには、狭トラック化や、記録波形の
短波長化という高密度磁気記録再生技術が必要となる。
高密度磁気記録再生の実現のためには、磁気記録媒体は
その保磁力を大きくすることが必要であり、また、磁気
ヘッドの方はその飽和磁束密度(以下、Bsと略記す
る)を大きくすれば良いことが一般に知られている。し
かし、従来の磁気ヘッド材料として主流になっているフ
ェライト材料はBsが0.5T程度であって、それほど
大きくない。そのため、フェライト材料から構成された
従来の磁気ヘッドを、80kA/m以上の高保磁力を示
すメタルテ−プ等の磁気記録媒体に対して使用すると磁
気飽和が起こって、情報の記録が正しく行われないこと
がある。
【0003】そこで、現在ではフェライト材料よりもB
sの大きい材料の、例えば、Bsが約1.0Tのセンダ
スト合金膜や、Bsが約0.8〜1.1TのCo系アモ
ルファス膜、さらにはBsが1.3T以上のCo系超構
造窒化合金膜、あるいは、Fe系膜(超構造窒化膜、窒
化膜等)等の新材料を用いた磁気ヘッドの研究が行われ
ている。それらの中でも、特に、主コアがフェライト
(特に単結晶)からなり、少なくとも磁気記録媒体との
摺動面となるフロント部の磁気ギャップの両側に磁性薄
膜を配置した複合型磁気ヘッド、いわゆるメタルインギ
ャップヘッド(以下、MIGヘッドと略称する。)の研
究が盛んに行われている。
【0004】図19は、従来のMIGヘッドの構造の一
例を示す斜視図である。図19に示すように、従来のM
IGヘッド500では、一対の凸状の磁性体コア50
2、503が、磁気ギャップ材501(以下、単にギャ
ップ材と称する。)を介して対向配置されている。磁性
体コア502、503は、それぞれフェライトからなる
凸状のコア本体504、505と、そのコア本体50
4、505のそれぞれの表面に形成された高い飽和磁束
密度を有する磁性薄膜506、507とから構成されて
いる。そして、磁性薄膜506、507は、コア本体5
04、505の、ギャップ材501に面した突出端面
と、これに続く両側面とを覆うように形成されている。
また、ギャップ材501の材料には非磁性膜のSi
2、ZrO2、Ta25等が用いられている。さらに、
このように突き合わされて配置された磁性体コア50
2、503は、その両側に設けられた一対のガラス質ブ
ロック508、509によって相互に結合されている。
これらのガラス質ブロック508、509は、このMI
Gヘッド500の磁気記録媒体との摺動面における摺動
に対する強度を向上させる効果もある。また、このMI
Gヘッド500の中央付近にはコイル挿通用の巻線窓5
10が設けられている。
【0005】上述したMIGへッドは、磁性体コア50
2、503の突き合わせ精度等の製造上の誤差による位
置ずれにより、トラック幅を決めるギャップ部の長さ
(以下、ギャップ長と略記する)の精度が低下する。ま
た、ギャップエッジでの磁束の漏れ、いわゆるフリンジ
が増大するために、歩留まりの低下を引き起こしてい
た。さらにギャップエッジが直角でないため、ギャップ
エッジの端を一義的に決定することができず、組立時の
ヘッド高さ調整工程においても正確な位置決めが困難で
あり、ここでも歩留の低下を引き起こしていた。
【0006】この問題を解決するために、特開平7−2
20218号公報の例では、図20に示すように、磁性
体コアの磁気記録媒体との摺動面において、磁気ギャッ
プ材601を含むギャップ部の長手方向の長さであるギ
ャップ長を所定値にするために凹状部640に、切欠部
613、614を設けた磁気ヘッド600が示されてい
る。これにより、磁性体コア603、602の突き合わ
せ精度の影響によるギャップエッジのずれがなくなり、
トラック幅の精度が向上し、かつ、ギャップエッジでの
磁束の漏れ、いわゆるフリンジも大幅に低減する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この磁
気ヘッド600においては、ギャップ材601の材料と
磁性膜606、607の材料との性質が異なるため、切
欠部614の加工時に、異質材料の接合界面における加
工量に差ができていた。ギャップエッジを拡大して見る
と、図21に示すように、切欠部614とギャップ材6
01の境界部分、すなわちギャップエッジにおいて、磁
性体コア602、603の磁性膜606、607のエッ
ジ部700が、0.15〜2μm程度の曲率半径で丸く
なっていた。なお、この切欠部614に充填するガラス
質ブロックと、磁性膜606、607、およびギャップ
材601との間で生じる加熱充填時における反応を防止
するために、反応防止膜620が形成されている。この
エッジ部700が丸くなることにより、わずかではある
が、前述したような、磁束の漏れ、すなわちフリンジが
発生し、特性劣化を引き起こすという問題があり、さら
なる改善が望まれていた。
【0008】本発明の目的は、上記の問題点を解決する
ために、従来例を示す図21でのギャップ材の端部近傍
における両磁性膜の縁をほぼ直角にすることにより、磁
束の漏れをなくし、フリンジによる特性劣化をなくし、
磁気記録の高密度化に対応できるようにした高性能の磁
気ヘッドを提供することにある。また、本発明の別の目
的は、高性能な磁気ヘッドを、歩留まり良く、低コスト
で作製できる製造方法を提供することにある。そして、
本発明のさらに別の目的は、この磁気ヘッドを用いて、
狭トラックピッチに適した高密度磁気記録再生装置を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の磁気ヘッドは、非磁性のギャップ材を介し
て対向配置され、トラック幅を決めるギャップ部の長さ
(以下、ギャップ長と略記する)をあらかじめ所定値に
する凸状部が設けられ、前記凸状部の突出端面には磁性
膜が被着形成されている一対の磁性体コア半体と、前記
一対の磁性体コア半体を相互に結合するために、前記一
対の磁性体コア半体を対向配置して形成される両側の凹
部に設けられた一対のガラス質ブロックとからなり、前
記一対の磁性体コア半体の磁気記録媒体との摺動面に磁
気ギャップの両端部の前記磁性膜領域に形成した切欠部
を有する磁気ヘッドにおいて、前記ギャップ材が導電性
材料であり、かつ、前記切欠部にギャップ材が露出する
領域における前記切欠部の表面粗さが、その切欠部の磁
性膜上の表面粗さ以下であることを特徴とする。ギャッ
プ材に導電性材料を用いることにより、切欠部を形成し
たとき、切欠部におけるギャップ材のエッジ部における
両磁性膜の縁がほぼ直角になる。その結果トラックエッ
ジにおける磁束の漏れがなくなり、フリンジによる特性
劣化を防ぐことができる。
【0010】また、本発明の他の観点による磁気ヘッド
は、磁性膜と電気絶縁膜との積層膜から構成される磁性
体コア半体を非磁性のギャップ材を介して突き合わせた
一対の磁性体コア半体と、前記一対の磁性体コア半体の
磁気記録媒体との摺動面において、磁気ギャップ長を所
定の長さにする切欠部を磁気ギャップの両端部に有する
積層形の磁気ヘッドにおいて、少なくとも前記切欠部に
はガラス質ブロックが充填されており、かつ、前記ギャ
ップ材が導電性材料であり、かつ、前記切欠部に前記ギ
ャップ材が露出する領域における前記切欠部の表面粗さ
が、その切欠部の磁性膜上の表面粗さ以下であることを
特徴とする。このような構成により、積層形の磁気ヘッ
ドにおいても切欠部におけるギャップ材のエッジ部にお
ける両磁性膜の縁がほぼ直角になる。その結果トラック
エッジにおける磁束の漏れがなくなり、フリンジによる
特性劣化をなくすことができる。
【0011】上述した2つの構成の磁気ヘッドにおい
て、前記ギャップ材は複数の非磁性膜が積層されている
のが好ましい。さらに、前記切欠部が放電加工により形
成されるのが好ましい。さらに、前記ギャップ材を構成
するすべての材料の体積抵抗率が、磁性膜の体積抵抗率
以下であるのが好ましい。さらに、前記切欠部が巻線溝
にまで至るものであるのが好ましい。さらに、上述のよ
うな構成上の特徴を有する磁気ヘッドを用いることによ
り、狭トラックピッチに適した高密度磁気記録再生装置
が提供できる。
【0012】また、本発明の磁気ヘッドの製造方法は、
あらかじめ凸状部が設けられた各々の突出端面に磁性膜
が被着形成されている一対の磁性体コア半体の突出端面
同士を、導電性を有するギャップ材を介して、前記一対
の磁性体コア半体の磁性膜が電気的につながった状態に
突き合わせて接合する第一の工程と、放電加工により、
一方の磁性体コアの磁性膜からギャップ材に至り、そし
て、もう一方の磁性体コアの磁性膜に至る切欠部を磁気
ギャップの両端部に一つずつ形成して、磁気ギャップの
長さを所定値にする第二の工程と、前記切欠部の表面に
反応防止膜を被着形成する第三の工程と、少なくとも磁
気記録媒体との摺動面となるフロント部両側の凹部、お
よびフロント部の切欠部にガラス質ブロックを熱処理に
より充填する第四の工程とを備えたことを特徴とする。
このような製造方法により、切欠部におけるギャップ材
のエッジ部における両磁性膜の縁をほぼ直角に加工でき
るため、トラックエッジにおける磁束の漏れがなくな
り、フリンジによる特性劣化をなくした磁気ヘッドを作
製することができる。
【0013】本発明の他の観点による磁気ヘッドの製造
方法は、あらかじめ凸状部が設けられた各々の突出端面
に磁性膜が被着形成されている一対の磁性体コア半体の
突出端面同士を、導電性を有するギャップ材を介して突
き合わせる第一の工程と、前記一対の磁性体コア半体を
突き合わせた状態で、加圧熱処理して、前記ギャップ材
で接合し、前記一対の磁性体コア半体の磁性膜を電気的
につながった状態にする第二の工程と、放電加工によ
り、一方の磁性体コア半体の磁性膜からギャップ材に至
り、そして、もう一方の磁性体コア半体の磁性膜に至る
切欠部を磁気ギャップの両端部に形成して、磁気ギャッ
プの長さを所定値にする第三の工程と、前記切欠部表面
に反応防止膜を被着形成する第四の工程と、少なくとも
磁気記録媒体との摺動面となるフロント部両側の凹部、
およびフロント部の切欠部にガラス質ブロックを熱処理
により充填する第五の工程とを備えたことを特徴とす
る。
【0014】このような製造方法により、切欠部におけ
るギャップ材のエッジ部における両磁性膜の縁をほぼ直
角に加工できるため、トラックエッジにおける磁束の漏
れがなくなり、フリンジによる特性劣化をなくした磁気
ヘッドを作製することができる。また、一対の磁性体コ
ア半体がギャップ材で接合されているため、バックガラ
ス質ブロックによる接合工程を省略することができる。
【0015】本発明のさらに他の観点による磁気ヘッド
の製造方法は、磁性膜と電気的絶縁膜との積層膜から構
成される一対の磁性体コア半体を導電性を有するギャッ
プ材を介して電気的につながった状態に突き合わせ接合
する第一の工程と、放電加工により、一方の磁性体コア
半体の磁性膜からギャップ材に至り、そして、もう一方
の磁性体コア半体の磁性膜に至る切欠部を磁気ギャップ
の両端部に形成して、磁気ギャップの長さを所定値にす
る第二の工程と、前記切欠部表面に反応防止膜を被着形
成する第三の工程と、少なくとも磁気記録媒体との摺動
面となるフロント部両側の切欠部にガラス質ブロックを
熱処理により充填する第四の工程とを備えたことを特徴
とする。このような製造方法により、切欠部におけるギ
ャップ材のエッジ部における両磁性膜の縁をほぼ直角に
加工できるため、トラックエッジにおける磁束の漏れを
なくし、フリンジによる特性劣化をなくした磁気ヘッド
を作製することができる。
【0016】本発明のさらに他の観点による磁気ヘッド
の製造方法は、磁性膜と電気的絶縁膜との積層膜から構
成される一対の磁性体コア半体を導電性を有するギャッ
プ材を介して突き合わせる第一の工程と、前記一対の磁
性体コア半体が突き合わせた状態で、加圧熱処理し、前
記ギャップ材で接合し、前記一対の磁性体コア半体を電
気的につながった状態にする第二の工程と、放電加工に
より、一方の磁性体コアの磁性膜からギャップ材に至
り、そして、もう一方の磁性体コアの磁性膜に至る切欠
部を磁気ギャップの両端部に一つずつ形成して、磁気ギ
ャップの長さを所定値にする第三の工程と、前記切欠部
表面に反応防止膜を被着形成する第四の工程と、少なく
とも磁気記録媒体との摺動面となるフロント部両側の切
欠部にガラス質ブロックを熱処理により充填する第五の
工程とを備えたことを特徴とする。
【0017】このような製造方法により、切欠部におけ
るギャップ材のエッジ部における両磁性膜の縁をほぼ直
角に加工できるため、トラックエッジにおける磁束の漏
れをなくなり、フリンジによる特性劣化をなくした磁気
ヘッドを作製することができる。また、両磁性体コアが
ギャップ材で接合されているため、バックガラス質ブロ
ックによる接合工程を省略することができる。
【0018】上述した4つの磁気ヘッド製造方法におい
て、前記ギャップ材が複数の非磁性膜が積層されてなる
のが好ましい。さらに、前記ギャップ材を構成するすべ
ての材料の体積抵抗率が、磁性膜の体積抵抗率以下であ
るのが好ましい。さらに、前記切欠部が巻線溝にまで至
っているのが好ましい。さらに、上述のような特徴を有
する磁気ヘッドの製造方法により製造された磁気ヘッド
用いて、狭トラックピッチに適した磁気記録再生装置を
提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気ヘッドの好適
な実施例について、添付の図1ないし図18を参照しつ
つ説明する。 《実施例 1》図1は、図2のAで囲んだ部分を拡大し
た、実施例1の磁気ヘッドのギャップ部の部分拡大図を
示す。図2において、ギャップ材1をはさんで形成され
るギャップ部の長さTWを「ギャップ長」という。理解
を容易にするために、図1、図2におけるギャップ部の
幅は実際の磁気ヘッドのものよりも大きく図示してい
る。実施例1の磁気ヘッドが、図20および図21に示
した従来の磁気ヘッド半体と基本的に異なるところは、
切欠部14における磁性膜6、7のエッジ部8、9が略
直角になっていて、切欠部14の磁性膜6、7上の表面
10の粗さと、その切欠部14にギャップ材1が露出す
る部分の表面50の粗さとが同じにされている点であ
る。この表面粗さはほぼRmax0.1μm以下である。
切欠部14のガラス質ブロック30と磁性膜6、7との
界面には反応防止膜40が設けられている。
【0020】図2に全体の形状を示すように、磁気ヘッ
ド100は、ギャップ材1を介して対向配置された一対
の凸状の磁性体コア半体11、12をガラス質ブロック
30により接合してなるものである。図2において、ギ
ャップ材1を有する磁気ギャップの長手方向は磁気ヘッ
ドの外形に対してアジマス角だけ斜めになされている。
各凸状の磁性体コア半体11、12は、その大部分がフ
ェライトからなっていて、コア本体17、18の突出端
面、およびこれに続く両側面をそれぞれ高飽和磁束密度
の磁性膜6、7で覆っている。磁性体コア半体11、1
2には、磁性膜6、7の側面からくい込んで、前記磁性
膜6、7のみを磁気ギャップの端部近傍において、低部
の曲率半径がやや大きい略円弧状に切り込んだ切欠部1
3、14が設けられている。前記切欠部13、14によ
って磁気ヘッドの磁気記録媒体との摺動面での磁気ギャ
ップ長TWを所定値にする。尚、この切欠部13、14
は、円弧状であってもよいが、磁気ギャップの長手方向
に平行な部分を持たない形状が望ましい。
【0021】ギャップ材1は導電性の材料からなる。た
とえば磁性膜6,7がFe系膜で抵抗率が70μΩ・c
mであれば、前記ギャップ材1はそれよりも抵抗率の低
い材料が望ましい。その場合、金属材料が好適である。
たとえば、Au、Cr、Pt、Ag及びこれらの合金等
が使用できる。ギャップ材1を金属にすると、磁性膜
6、7とギャップ材1との光の反射率等の光学的な差が
なくなり磁気ギャップ材の視認が困難になる問題が発生
する。この場合はギャップ材1を、SiO2やAl23
と金属の材料とが粒状で混合しているグラニュラー構造
にし、視認を可能にすることもできる。前記ギャップ材
1を金属材料にすることにより、後で詳細に説明するよ
うに、図1で示した切欠部14の磁性膜6、7のエッジ
部8、9が略直角になり、切欠部14の磁性膜6、7上
の表面10の粗さと、その切欠部14にギャップ材1が
露出する部分の表面50の粗さとを同じにすることがで
きる。この場合の表面粗さは、ほぼRmax0.1μm以
下である。
【0022】尚、磁性膜6、7と前記ガラス質ブロック
30との界面には、反応防止膜40が設けられているの
で、磁性膜6、7、およびギャップ材1と、切欠部14
に充てんされるフロントガラス質ブロック30とが反応
することがない。従ってエッジ部が丸くなることがな
く、磁界の分布においても明瞭な境界を有する磁気ヘッ
ドを提供できる。
【0023】ここで、前記ギャップ材1として金属材料
を用いることにより、図1で示したように、切欠部14
の両磁性体コア半体11、12の突き合わせ部の磁性膜
6、7のエッジ部8、9が略直角になる理由について詳
細に述べる。切欠部14は、一般には、放電加工により
形成される。放電加工は放電により、被加工物を溶融し
て加工するものである。切欠部14の面を滑らかに形成
するためには、放電加工をする際に、前記磁性膜6、7
と磁気ギャップ材1とが、同電位になることが望まし
い。同電位にすると放電が均一化され、切欠部14の磁
性膜6、7上の表面10の粗さと、切欠部14内で磁気
ギャップ材1が露出する部分の近傍の表面50の粗さと
が同じなる。ギャップ材1の抵抗率が磁性膜6、7の抵
抗率よりも高い場合には、放電が磁性膜6、7のエッジ
に集中し、図19に示した従来の磁気ヘッドのように磁
性膜のエッジ700が丸まってしまうことになる。これ
は、従来の磁気ヘッドは、ギャップ材601としては主
にSiO2、ZrO2、Ta25、ガラス等の酸化物が用
いられており、これらの抵抗率が磁性膜506、507
の抵抗率に比べて非常に高いためである。
【0024】以上詳述したように、実施例1の磁気ヘッ
ドは、高い精度で磁気ギャップ長TWを規制することが
可能になる。それにより、高密度記録における、狭トラ
ック化に適した磁気ヘッドを歩留まり良く、低コストで
得ることができる。しかも、エッジ部が略直角であるの
で、記録再生におけるフリンジも大幅に低減できる。さ
らに、この磁気ヘッドを用いることにより、デジタルV
TRに適した高密度記録再生装置を提供できる。
【0025】磁性膜6、7の材質としては、センダスト
合金膜やCo系アモルファス膜、Co系超構造窒化膜、
Fe系超構造窒化膜、Fe系窒化膜等が使用可能であ
る。これらは、蒸着、イオンプレーティング、スパッタ
リング等の真空薄膜形成技術によって、コア半体17、
18に付設される。また、ギャップ材1も同様に真空薄
膜形成技術で磁性膜6、7の少なくともどちらか一方に
付設される。
【0026】上記実施例の磁気ヘッドは、切欠部13、
14を放電加工により形成した場合に効果が高いが、レ
ーザー等の他の加工法を用いた場合にも効果が得られる
ものである。これは、ギャップ材1が、磁性膜6、7に
より近い金属材料であるために、加工量を同等にできる
からである。反応防止膜40の形成は切欠部13、14
の表面のみでもかまわないし、図2に示すように、切欠
部以外の部分、すなわち磁性膜6、7とガラス質ブロッ
ク30の界面全域にわたって形成してもよい。また、ガ
ラス質ブロック30の成分によっては、この反応防止膜
40をなくすことも可能である。これは、本実施例のギ
ャップ材1が金属材料であることによるものである。従
来のギャップ材はSiO2、ZrO2、Ta25、ガラス
等が用いられているがこれらと、同質の材料であるガラ
ス質ブロック30が磁気ギャップ材1を浸食するため、
反応防止膜40は必要不可欠であった。
【0027】次に、本発明の実施例1の磁気ヘッドの製
造方法について、図4〜図10を参照して説明する。ま
ず、表面をラップ処理等により所望の平行度と平滑度を
有するように加工した、例えば、Mn−Znフェライト
よりなる一対の基板を用意する。それぞれの基板には、
図4に示すように、互いに平行なギャップ長を大略の値
にするための溝17a、18aが、回転砥石等により形
成され、これによって、一対のフェライト製のコア半体
17、18ができあがる。尚、コア半体17、18の少
なくとも一方にはコイル挿通用の巻線溝22が設けられ
る。
【0028】次に、図5に示すように、コア半体17、
18の突き合わせる側の面に、高飽和磁束密度の磁性膜
6、7が、真空薄膜形成技術によって、それぞれに被着
形成され、これによって一対の磁性体コア半体11、1
2が完成する。磁性膜6、7としては、センダスト合金
膜やCo系アモルファス膜、Co系超構造窒化膜、Fe
系超構造窒化膜、Fe系窒化膜等が使用可能である。こ
れらは、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング
等の真空薄膜形成技術によって形成される。
【0029】次に、磁性体コア半体11、12のいずれ
か一方、または、双方に、磁気ギャップを形成するため
の、膜状のギャップ材1が付設される。そして、このギ
ャップ材1をはさんで、磁性体コア半体11と12が、
図6に示すように、対向配置される。この時、ギャップ
材1は導電性のものを用いる。ギャップ材1の抵抗率
は、前記磁性膜6、7の抵抗率以下であるのが望まし
い。ギャップ材1の材料としては、Au、Cr、Pt、
Ag及びこれらの合金等の金属を用いることができる。
【0030】次に、図7において、磁性体コア半体11
と12の下部の突き合わせ部B(以下、バック突き合わ
せ部Bという)を接着するためのバックガラス棒23を
巻線溝22に挿入し、熱処理によってガラスを溶融させ
て、磁性体コア半体11と12を溶着する。この時、上
部の突き合わせ部F(以下、フロント突き合わせ部Fと
いう)において、磁性体コア半体11と12の磁性膜6
と7とが導電性のギャップ材1を挟んで、電気的につな
がっていることが必要である。図8に示すように、バッ
ク突き合わせ部Bがバックガラス質ブロック31で溶着
された状態にある磁性体コア半体11、12において、
放電電極25を孔55に挿入し、各々のフロント突き合
わせ部Fのギャップ材1の端部に近づけて放電を発生さ
せ、切欠部14を形成する。切欠部13も上記と同様の
方法で形成される。これにより、上面で所定のギャップ
長TWを維持した状態で巻線溝22にいたる切欠部1
3、14が形成される。
【0031】この時、図9の拡大図に詳細に示すよう
に、磁性膜6、7とギャップ材1とが電気的につながっ
ている。そのため、放電加工する際に、放電電極25と
切欠部14との間の放電が均一になり、フロント突き合
わせ部Fの磁性膜6、7のエッジ部8、9がほぼ直角に
なるように加工される。また、前記切欠部14の磁性膜
上の表面10の粗さと、切欠部14に露出するギャップ
材1と近傍の表面50の粗さとが同じになる。
【0032】この際、図8に示すように、放電電極25
を円柱形状にし、回転させながら放電加工をすることに
より、電極の摩耗が均一になる。また、放電電極25の
たわみも発生しないため、切欠部13、14の形状が一
定になる。放電電極25は直径が5μmから30μm程
度のものを使用するのが好ましい。直径が5μm未満で
は電極の強度がなくなり、加工中に折損しやすい。ま
た、30μmを越えたものでは、形状による絞り込み効
果の低下により電磁変換特性の劣化を生じる。すなわ
ち、磁性膜6、7の膜厚をかなり厚くしないとコア本体
にまで切欠部が至る場合があり、コア本体や磁性膜の界
面に損傷を与えるおそれがあるので好ましくない。また
膜厚を厚くすると磁性膜6、7の渦電流損失により、電
磁変換特性の劣化を引き起こす。放電電極25の直径
は、10〜20μmが適当である。放電加工では、一般
には絶縁オイル中で加工するが、純水中で加工すること
もできる。この場合は、後工程で、絶縁オイルの洗浄を
行う必要がなく、工程を簡略化できる。さらに、表面粗
さもエッチング効果により向上する。
【0033】次に、形成された切欠部13、14の表面
に反応防止膜40を形成する。反応防止膜40の素材と
しては、SiO2、ZrO2、Ta25、ガラス、Cr、
Cr酸化物あるいはこれらの複合体等を用いることがで
きる。成膜方法としては、一般にスパッタリングが用い
られる。スパッタリングでは、フロント突き合わせ部F
の上面からしかスパッタリングができないため、図8に
おいて縦の溝として形成された切欠部13、14の表面
に適正な膜質、膜厚で成膜することが難しい。すなわち
スパッタリングの場合ターゲットに対して垂直の面には
粒子が到達しにくいため、膜厚の制御が難しく、また、
膜の組成もターゲットと異なるものになりやすい。この
問題は、溶着された一対の磁性体コア半体11、12を
ターゲットに対して適当に傾けることによりかなり改善
できる。さらに、乾式の方法ではプラズマCVD、湿式
の方法では、ディッピング、めっき等の手段を用いれ
ば、上記の問題も解決でき、さらに良好に成膜できる。
【0034】次に、図10に示すように、各フロント突
き合わせ部F間の孔55にフロントガラス質ブロック3
0を熱を加えて充填する。切欠部13、14および磁性
膜6、7とフロントガラス質ブロック30との境界面
に、図9に示すように、反応防止膜40があるのでギャ
ップ材1および磁性膜6、7とフロントガラス質ブロッ
ク30とが反応することがなく、図21に示すようなギ
ャップエッジの広がりも発生せず、磁界の分布において
も明瞭な境界を有する磁気ヘッドを提供できる。
【0035】さらに、図6の工程で、ギャップ材1を貴
金属系のもの、例えば、AuやPt等にしておけば、熱
圧着により磁性体コア11と12とを溶着する事ができ
る。このようにすれば、バック突き合わせ部Bを溶着接
合するガラス棒23の熱処理工程が省略できる。すなわ
ちバックガラス質ブロック31とフロントガラス質ブロ
ック30とを同時に熱処理して、充填することができ
る。さらに、この場合には、図8に示すバック突き合わ
せ部Bの長さLを長くすることで、ギャップ材1の接着
強度を増加させ、バックガラス質ブロック31を不要に
することも可能である。すなわち、バック突き合わせ部
Bの面積を大きくすることで、その部分の熱圧着のみで
十分な磁気ヘッドの接合強度が得られるわけである。最
後に、図10に示すように、一点鎖線に沿って切断し、
3個の磁気ヘッドチップが得られる。各ヘッドチップの
巻線溝22の部分に巻線を施して磁気ヘッドが完成す
る。
【0036】上述したように、本実施例は特に、狭ギャ
ップ、狭トラックMIGヘッドを得るのに有効である
が、比較的トラック幅の広い磁気ヘッドにも適用できる
ものであり、ギャップ材のエッジの精度改善により、磁
気ヘッドの性能向上、および製造歩留まり向上を実現す
るものである。
【0037】《実施例 2》本発明の実施例2の磁気ヘ
ッドは、いわゆる積層型の磁気ヘッドに関するものであ
り、図3および図11を参照して説明する。図3に示す
ように、積層型の磁気ヘッドは、磁性膜60と電気的絶
縁膜61とを交互に積層した積層膜から構成される磁気
コア半体70、71の両側をそれぞれの非磁性の基板8
0、81で補強したものを、ギャップ材1を介して対向
配置し、ギャップ材1を含む磁気ギャップ部の両側をガ
ラス質ブロック90により接合してなるものである。磁
気ギャップ部においては、磁気コア半体70、71の側
面から前記磁性膜60を、円弧上に切り込み切欠部1
3、14を形成する。前記切欠部13、14によって、
磁気ヘッドが接する磁気記録媒体の摺動面でのトラック
幅を規定する磁気ギャップ長TWが定まる。
【0038】尚、この切欠部13、14は、必ずしも円
弧状である必要はないが、磁気ギャップ部の長手方向に
平行な部分を持たない形状が望ましい。また、このギャ
ップ材1は導電性の材料からなる。たとえば磁気コア半
体70、71を構成する磁性膜60がFe系膜で抵抗率
が70μΩ・cmであれば、前記ギャップ材1はそれよ
りも抵抗率の低い材料が望ましい。その場合、金属材料
が好適である。例えば、Au、Cr、Pt、Ag等が使
用できる。
【0039】ギャップ材1を金属にすると、ギャップ材
1と磁性膜60との光の反射率等の光学的な差がなくな
り、磁気ギャップの視認が困難になるという問題が発生
する。これに対処するため、ギャップ材1をSiO2
Al23と金属系の材料とのグラニュラー構造にし、視
認可能にすることもできる。前記ギャップ材1を金属材
料にすることにより、図11に詳細に示すように、切欠
部13における磁性膜60の各々のエッジ部8、9が略
直角になり、切欠部13の磁性膜60上の表面10の粗
さと、切欠部13に露出するギャップ材1の部分の表面
50の粗さとを同じにすることができる。この場合の表
面粗さはほぼRmax0.1μm以下である。
【0040】切欠部13には後工程でガラス質ブロック
が設けられるが、磁性膜60と前記ガラス質ブロック9
0との境界には、反応防止膜40が設けられているの
で、磁性膜60とフロントガラス質ブロック90が反応
することがなく、トラックエッジの広がりも発生せず、
磁界の分布においても明瞭な境界を有する磁気ヘッドを
提供できる。切欠部13は、電気的絶縁膜61から離れ
ているのが望ましい。そうすることによって、切欠部1
3の面粗さが均一化される。
【0041】以上述べたように本実施例の積層型の磁気
ヘッドにおいても、第1の実施例のMIG型ヘッドと同
様に、高い精度でトラック幅を決めるギャップ長TWを
所定の長さに規制することが可能になる。これにより、
高密度磁気記録における狭トラック化に適した磁気ヘッ
ドを歩留まり良く、低コストで製造することができる。
また、エッジ部が略直角になるので、記録再生フリンジ
も低減できる。さらに、その磁気ヘッドを用いることに
より、デジタルVTRに適した高密度記録再生装置を提
供できる。
【0042】次に、この積層型の磁気ヘッドの製造方法
について、図12〜図16を参照して説明する。まず、
図12に示すように、表面をラップ処理等により、所望
の平行と平滑度を有するように加工した非磁性基板80
の片面に、磁気コア半体となる磁性膜60と電気的絶縁
膜61とを、スパッタ等の真空薄膜形成技術により、交
互に形成し短冊状の基板91を作製する。次に、図13
に示すように、短冊状基板91の両面に、図示しない接
合膜を形成した後、いくつかの短冊状基板91を重ね
て、加圧固定し、熱処理して一体化させ、コア基板92
を作製する。次に、このコア基板92を、図14に示す
ように、A−A、B−Bのラインに沿って切断し、図1
5に示すような磁気コアブロック94を多数作製する。
【0043】次に、図16に示すように、各磁気コアブ
ロック94の1つの側面に溝96を回転砥石等で形成す
る。その溝96は積層された磁性膜60の両側にその磁
性膜60に接するか、もしくは食い込むように形成され
る。図3に示す磁気ヘッドは、食い込むように溝が形成
されたものである。溝96を形成したとき、残部の磁性
膜60の幅はトラック幅の大略値を決めるギャップ長と
なる。さらに、この磁気コアブロック94の少なくとも
一方には、コイル挿通用の巻線溝82が形成される。次
に、一対の磁気コアブロック94、94の対向面のいず
れか一方、または双方に、磁気ギャップを形成するため
の膜状のギャップ材1が付設される。そして、このギャ
ップ材1を介して一対の磁気コアブロック94、94が
溝96同士が対向するように配置される。この時、ギャ
ップ材1は導電性のものを用いる。ギャップ材1の抵抗
率は、磁性膜60の抵抗率以下が望ましい。ギャップ材
1の材料としては、Au、Cr、Pt、Ag等の金属を
用いることができる。
【0044】これ以後の工程は、前述した実施例1の磁
気ヘッドの製造方法と全く同じである。つまり、図6以
降の工程を経て、積層型の磁気ヘッドが完成されること
になる。
【0045】以上詳述したように、実施例2の積層型の
磁気ヘッドにおいても、磁気ギャップのエッジ部におい
て、図11に詳細に示すように、切欠部13の磁性膜6
0のエッジ部8、9が略直角になり、切欠部13の磁性
膜60上の表面10の粗さと、その切欠部13に露出す
るギャップ材1の表面50の粗さとを同じにすることが
できる。この場合の表面粗さはほぼRmax0.1μm以
下である。
【0046】尚、磁性膜60と前記ガラス質ブロック9
0との界面には、反応防止膜40が設けられているの
で、磁性膜60とフロントガラス質ブロック90が反応
することがない。したがって、トラックエッジの広がり
も発生せず、磁界の分布においても明瞭な境界を有する
積層型磁気ヘッドを提供できる。尚、この場合切欠部1
3は、電気的絶縁膜61からはなれていることが望まし
い。そうすることによって、切欠部13の面粗さが均一
化される。
【0047】《実施例 3》本発明の磁気ヘッドを用い
た磁気記録再生装置を実施例3として添付の図17およ
び図18を参照して説明する。この磁気記録再生装置に
おいては、図17に示すように、磁気テープ34は矢印
34Aの方向に走行しながら、ヘリカル走査する回転シ
リンダ33に取り付けられた磁気ヘッド32に接触し、
磁気テープ34上に信号が記録再生される。信号は信号
処理回路38により信号処理され、ステレオ音声信号、
ビデオ映像信号となる。信号は、図18に示すように、
磁気テープ34上に記録される。記録パターン65は、
磁気テープ34の長手方向に対して、ある角度をもち、
斜めに記録されることになる。TPはテープ上のトラッ
ク幅を示す。
【0048】本実施例の磁気記録再生装置に用いる磁気
ヘッドは、狭トラックで、トラックエッジが略直角であ
るため、フリンジ等のエッジでの磁束のにじみによる隣
接トラックへの誤記録も発生しない。つまり、図18に
示すように、隣接する記録パターン65によるデーター
抜けが生じるトラック間の間隙dがほとんど発生するこ
とがなく、磁気テープ34上での実効トラック幅が広く
なり、高密度記録に非常に有利になるものである。ま
た、回転シリンダ33に本発明の磁気ヘッド32を取り
付ける際、エッジが略直角であるため、磁気ヘッド32
のトラック端を一義的に決定することができ、トラック
高さ調整を精度良く行うことができる。
【0049】尚、本発明は上述した実施例のみに限定さ
れるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種
々の変更を加えることができる。例えば、ハードディス
ク装置等の磁気デスクを用いた磁気記録再生装置用の磁
気ヘッドにも適用できる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、磁気ギャップ材を導電
性にし、トラック幅を決める磁気ギャップ長を所定値に
する切欠部を放電加工により形成することにより、磁気
ギャップ部のエッジが略直角に形成される。したがっ
て、磁気ヘッドにおける磁気特性の劣化、すなわち、フ
リンジの低減等がはかれ、実効トラック幅の精度も安定
した良好な狭トラックヘッドを供給できる。また、高密
度化に対応する狭トラック化に適した磁気ヘッドを歩留
まり良く、低コストで製造することができる。また、記
録再生フリンジも低減でき、この磁気ヘッドを用いるこ
とにより、デジタルVTRに適した高密度記録再生装置
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例における磁気ヘッドの
摺動面の磁気ギャップエッジ部の拡大図である。
【図2】 本発明の第1の実施例における磁気ヘッドの
摺動面の一部分の平面図である。
【図3】 本発明の第2の実施例における磁気ヘッドの
摺動面の一部分の平面図である。
【図4】 本発明の第1の実施例における磁気ヘッドの
製造方法を説明するための基板の斜視図である。
【図5】 本発明の第1の実施例における磁気ヘッドの
製造方法を説明するための磁性体コアの斜視図である。
【図6】 本発明の第1の実施例における磁気ヘッドの
製造方法を説明するための磁性体コアを接着する前の斜
視図である。
【図7】 本発明の第1の実施例における磁気ヘッドの
製造方法を説明するための磁性体コアを接着した後の斜
視図である。
【図8】 本発明の第1の実施例における磁気ヘッドの
製造方法を説明するための切欠部を形成する工程を示す
斜視図である。
【図9】 本発明の第1の実施例における磁気ヘッドの
製造方法を説明するための磁気ギャップエッジの拡大図
である。
【図10】 本発明の第1の実施例における磁気ヘッド
の製造方法を説明するための切断工程を示す斜視図であ
る。
【図11】 本発明の第2の実施例における磁気ヘッド
の摺動面の磁気ギャップエッジ部の拡大図である。
【図12】 本発明の第2の実施例における磁気ヘッド
の製造方法を説明するための基板91の製作工程を示す
斜視図である。
【図13】 本発明の第2の実施例における磁気ヘッド
の製造方法を説明するためのコア基板92の製作工程を
示す斜視図である。
【図14】 本発明の第2の実施例における磁気ヘッド
の製造方法を説明するためのコア基板92の切断工程を
示す斜視図である。
【図15】 本発明の第2の実施例における磁気ヘッド
の製造方法を説明するための磁気コアブロック94の製
作工程を示す斜視図である。
【図16】 本発明の第2の実施例における磁気ヘッド
の製造方法を説明するための溝を形成する工程を示す斜
視図である。
【図17】 本発明の第3の実施例の磁気記録再生装置
の磁気ヘッドの周辺部の構成を示す斜視図である。
【図18】 図20に示す本発明の第3の実施例の磁気
記録再生装置を用いて記録した記録媒体の記録パターン
を模式的に示す図である。
【図19】 従来の磁気ヘッドチップの斜視図である。
【図20】 従来の磁気ヘッドの摺動面の一部分の平面
図である。
【図21】 従来の磁気ヘッドの摺動面の磁気ギャップ
エッジ部の拡大図である。
【符号の説明】
1 (磁気)ギャップ材 6、7 磁性膜 8、9 エッジ部 10 磁性膜上の表面粗さ 11、12 磁性体コア半体 13、14 切欠部 17、18 コア半体 25 放電電極 30 フロントガラス質ブロック 32 磁気ヘッド 33 回転シリンダ 34 磁気テープ 40 反応防止膜 50 ギャップ材と交わる部分の表面 60 磁性膜 61 電気的絶縁膜 65 記録パターン d データ抜け TP テープ上のトラック幅 TW ギャップ長
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D093 AA01 BB05 BB18 CA02 FA16 FA18 FA21 HA20 HB15 HB19 HC05 JA01 JB01 5D111 AA22 BB12 BB22 BB38 BB48 CC09 CC22 CC47 FF02 FF04 FF21 FF44 GG03 GG14 GG16 JJ08 JJ32 JJ35 KK01

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性の磁気ギャップ材を介して対向配
    置され、トラック幅を決める磁気ギャップ部の長さを所
    定値にする凸状部があらかじめ設けられ、前記凸状部の
    突出端面に、磁性膜が被着形成されている一対の磁性体
    コア半体と、 前記一対の磁性体コア半体を相互に結合するために、前
    記一対の磁性体コア半体を対向配置して形成される両側
    の凹部に設けられた一対のガラス質ブロックとを有し、 前記一対の磁性体コアの磁気記録媒体との摺動面におい
    て、磁気ギャップの両側の前記磁性膜の領域に設けた切
    欠部を有する磁気ヘッドにおいて、 前記磁気ギャップ材が導電性材料であり、 かつ、前記切欠部に前記磁気ギャップ材が露出する領域
    における前記切欠部の表面粗さが、その切欠部の磁性膜
    上の表面粗さ以下であることを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 磁性膜と電気的絶縁膜との積層膜を有す
    る磁性体コアを非磁性の磁気ギャップ材を介して突き合
    わせた一対の磁性体コア半体の、磁気記録媒体との摺動
    面となるフロント部において、トラック幅を決める磁気
    ギャップ部の長さを所定値にする切欠部を磁気ギャップ
    の両端部に有する磁気ヘッドにおいて、 前記切欠部には少なくともガラス質ブロックが充填され
    ており、 前記磁気ギャップ材が導電性材料であり、 前記切欠部に前記磁気ギャップ材が露出する領域におけ
    る前記切欠部の表面粗さが、その切欠部の磁性膜上の表
    面粗さ以下であることを特徴とする磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記磁気ギャップ材が複数の非磁性膜が
    積層されてなることを特徴とする請求項1または2に記
    載の磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記切欠部が放電加工により形成されて
    なることを特徴とする請求項1、2または3に記載の磁
    気ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記磁気ギャップ材を構成する材料の体
    積抵抗率が、磁性膜の体積抵抗率以下であることを特徴
    とする請求項1、2、3または4に記載の磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記切欠部が巻線溝にまで至ることを特
    徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の磁気ヘ
    ッド。
  7. 【請求項7】 あらかじめ凸状部が設けられた各々の突
    出端面に、磁性膜が被着形成されている一対の磁性体コ
    ア半体の突出端面同士を、導電性を有する磁気ギャップ
    材を介して、前記一対の磁性体コア半体の磁性膜が電気
    的につながった状態に突き合わせて接合する第一の工程
    と、 放電加工により、一方の磁性体コア半体の磁性膜から磁
    気ギャップ材に至り、 そして、もう一方の磁性体コア半体の磁性膜に至る切欠
    部をトラック幅を決める磁気ギャップの両端部に形成し
    て、磁気ギャップ長を所定値にする第二の工程と、 前記切欠部の表面に反応防止膜を被着形成する第三の工
    程と、 前記一対の磁性体コア半体の、少なくとも磁気記録媒体
    との摺動面となるフロント部両側の凹部、および前記フ
    ロント部の切欠部にガラス質ブロックを熱処理により充
    填する第四の工程と、 を備えたことを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 あらかじめ凸状部が設けられた各々の突
    出端面に、磁性膜が被着形成されている一対の磁性体コ
    ア半体の前記突出端面同士を、導電性を有する磁気ギャ
    ップ材を介して突き合わせる第一の工程と、 前記一対の磁性体コア半体を突き合わせた状態で、加圧
    熱処理して、前記磁気ギャップ材で前記一対の磁性体コ
    ア半体を接合し、前記一対の磁性体コア半体の磁性膜を
    電気的につながった状態にする第二の工程と、 放電加工により、一方の磁性体コア半体の磁性膜から磁
    気ギャップ材に至り、そして、もう一方の磁性体コア半
    体の磁性膜に至る切欠部を磁気ギャップの両端部に形成
    して、磁気ギャップ長を所定値にする第三の工程と、 前記切欠部表面に反応防止膜を被着形成する第四の工程
    と、 前記一対の磁性体コア半体の、少なくとも磁気記録媒体
    との摺動面となるフロント部両側の凹部、および前記フ
    ロント部の切欠部にガラス質ブロックを熱処理により充
    填する第五の工程と、 を備えたことを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 磁性膜と電気的絶縁膜との積層膜から構
    成される一対の磁性体コア半体を、導電性を有する磁気
    ギャップ材を介して電気的につながった状態に突き合わ
    せ接合する第一の工程と、 放電加工により、一方の磁性体コア半体の磁性膜から磁
    気ギャップ材に至り、そして、もう一方の磁性体コア半
    体の磁性膜に至る切欠部を磁気ギャップの両端部に形成
    して、磁気ギャップ部の長さを所定値にする第二の工程
    と、 前記切欠部表面に反応防止膜を被着形成する第三の工程
    と、 前記一対の磁性体コア半体の、少なくとも磁気記録媒体
    との摺動面となるフロント部両側の切欠部にガラス質ブ
    ロックを熱処理により充填する第四の工程と、を備えた
    ことを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 磁性膜と電気的絶縁膜との積層膜から
    構成される一対の磁性体コア半体を導電性を有する磁気
    ギャップ材を介して突き合わせる第一の工程と、 前記一対の磁性体コア半体を突き合わせた状態で、加圧
    熱処理して、前記磁気ギャップ材で接合し、前記一対の
    磁性体コア半体を電気的につながった状態にする第二の
    工程と、 放電加工により、一方の磁性体コア半体の磁性膜から磁
    気ギャップ材に至り、そして、もう一方の磁性体コア半
    体の磁性膜に至る切欠部を磁気ギャップの両端部に形成
    することにより磁気ギャップ部の長さを所定の値にする
    第三の工程と、 前記切欠部表面に反応防止膜を被着形成する第四の工程
    と、 前記一対の磁性体コア半体の、少なくとも磁気記録媒体
    との摺動面となるフロント部両側の切欠部にガラス質ブ
    ロックを熱処理により充填する第五の工程と、 を備えたことを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記磁気ギャップ材が複数の非磁性膜
    が積層されてなることを特徴とする請求項7、8、9、
    または10に記載の磁気ヘッドの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記磁気ギャップ材を構成する材料の
    体積抵抗率が、磁性膜の体積抵抗率以下であることを特
    徴とする請求項7、8、9、10または11に記載の磁
    気ヘッドの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記切欠部が巻線溝にまで至ることを
    特徴とする請求項7、8、9、10、11または12に
    記載の磁気ヘッドの製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至6のいずれかに記載の磁
    気ヘッドを用いることを特徴とする磁気記録再生装置。
  15. 【請求項15】 請求項7乃至13のいずれかに記載の
    磁気ヘッドの製造方法により製造された磁気ヘッドを用
    いることを特徴とする磁気記録再生装置。
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