JPH115298A - 画像形成装置のエッジ補間方法及びエッジ補間装置 - Google Patents
画像形成装置のエッジ補間方法及びエッジ補間装置Info
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Abstract
録速度の低下を招くこと無く充分なスムージング効果を
得る。 【解決手段】複数のインク吐出ノズルをライン状に配列
したラインインクジェットヘッドを設け、このインクジ
ェットヘッドの各インク吐出ノズルからのインク吐出量
を可変することで記録ドットのサイズを変更し、記録媒
体に対して多階調の2次元画像を形成するプリンタにお
いて、階調再現用に使用する各階調のサイズの記録ドッ
トを用いてエッジ補間を行う。例えば、階調値が0〜7
の8階調において、階調値が3の記録ドットをエッジ補
間の補間データとして使用する。
Description
ライン状に配列した記録ヘッドを設けた画像形成装置の
エッジ補間方法及びエッジ補間装置に関する。
としてLED(発光ダイオード)をライン状に配列した
LEDヘッドや記録素子として発熱低抗体をライン状に
配列したサーマルヘッドや記録素子としてインク吐出口
をライン状に配列したインクジェットヘッドなどのライ
ンヘッドを使用したプリンタでは、ヘッドの有する分解
能、すなわち、LEDヘッドの場合はLEDヘッドの各
LED素子にラスタ方向の間隔のまま、サーマルヘッド
の場合はサーマルヘッドの各発熱抵抗体のラスタ方向の
間隔のまま、インクジェットヘッドの場合はインクジェ
ットヘッドの各インク吐出ノズルのラスタ方向の間隔の
まま、同じ大きさのドットを記録媒体の上に記録するこ
とにより2値の画像を形成していた。これらのプリンタ
では、文字画像は単純にヘッドの分解能分の2値画像と
して、写真画像は組織的ディザ法、あるいは誤差拡散法
といった疑似階調処理により画像を再現していた。一
方、近年、これらのラインプリンタでは、多値の画像デ
ータを用い、1画素内を数段階の階調で表現できるもの
も出現して来ている。
ンタは、階調性は向上するが、解像性に関しては、文字
や線画等の斜線部においてジャギと呼ばれるギザギザが
発生する問題があった。特に解像度の低いラインヘッド
の場合にはジャギの発生が顕著であった。また、解像度
の低いラインヘッドにおいては、小画素でジャギの発生
する部分を補間すると、ドットとドットとの間に隙間が
発生してしまい、これが人間の視覚特性の弁別分解能以
下であると逆に画像がボケたように見えてしまう問題が
あった。
子写真方式の画像形成装置では、1画素の発光時間を制
御し、かつ、感光体上での光のエネルギー分布の重ね合
わせの効果及び感光体自体の解像性により、LED素子
の間隔よりもドット密度を見掛け上高くし、また、ドッ
ト位置を制御することによって記録した画像の斜線部の
ギザギザを減少させて印刷品質を向上させていた。この
ような技術は、エッジエンハンスメント技術と称して、
周辺の画素の分布が注目画素に対して何らかの影響を持
ち、印刷上の効果を与える手法で、電子写真方式の画像
形成装置ではよく用いられる手法である。
なハードウエア、そこで得られる特殊な画像コード及び
これをLEDで駆動する為に必要なドライバや駆動波形
を必要とし、さらに、印刷機構部を構成するエンジン部
の高速化に伴ってプロセスの限界あるいは電気的な限界
によって著しい効果をあげることことが困難であった。
ンタのように、各画素が単独で機能し、何ら他の画素に
対して影響を与えない独立要因が強いラインプリンタで
は、ドットとドットとの間における引き寄せ効果は得ら
れず、ドット間に隙間が発生してしまう問題があった。
また、多階調画像を扱う場合、1画素数ビットの多値画
像データに対して単独にパターンマッチングな手法を用
いると、そのパターン数が極端に増えてしまい、ハード
ウェア上において実現が困難となる問題があった。
な画像データを追加作成すること無く、多値の階調画像
のデータ構造を利用して画像のエッジ部を滑らかに再現
でき、これにより、高解像度の画像データを使用せず
に、また、記録速度の低下を招くこと無く充分なスムー
ジング効果を得ることができる画像形成装置のエッジ補
間方法を提供する。
特別な画像データを追加作成すること無く、多値の階調
画像のデータ構造を利用して画像のエッジ部を滑らかに
再現でき、これにより、高解像度の画像データを使用せ
ずに、また、記録速度の低下を招くこと無く充分なスム
ージング効果を得ることができる画像形成装置のエッジ
補間装置を提供する。
複数の記録素子をライン状に配列した記録ヘッドを設
け、この記録ヘッドの各記録素子による記録ドットのサ
イズを変更することで記録媒体に対して多階調の2次元
画像を形成する画像形成装置において、階調再現用の異
なるサイズの記録ドットを用いてエッジ補間を行うエッ
ジ補間方法にある。
ライン状に配列した記録ヘッドを設け、この記録ヘッド
の各記録素子による記録ドットのサイズを変更すること
で記録媒体に対して多階調の2次元画像を形成する画像
形成装置において、多値化した画像データからエッジ補
間用の多値データを生成し、この生成した多値データに
よる記録ドットを用いてエッジ補間を行うエッジ補間方
法にある。
像形成装置のエッジ補間方法において、パターンマッチ
ング処理により注目画素に対して最適なエッジ補間用の
多値データを生成することにある。請求項4記載の発明
は、複数の記録素子をライン状に配列した4つの記録ヘ
ッドを設け、この各記録ヘッドでシアン、マゼンタ、イ
エロー、ブラックの各色の記録を行うとともに各記録ヘ
ッドの各記録素子による記録ドットのサイズを変更する
ことで記録媒体に対して多階調のカラー2次元画像を形
成する画像形成装置において、多値の注目画素の画素値
がシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの1次のベタ
画像データ時のみ有効となるパターンマッチング処理に
より注目画素に対して最適なエッジ補間用の多値データ
を生成し、この生成した多値データによる記録ドットを
用いてエッジ補間を行うエッジ補間方法にある。
ライン状に配列した4つの記録ヘッドを設け、この各記
録ヘッドでシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各
色の記録を行うとともに各記録ヘッドの各記録素子によ
る記録ドットのサイズを変更することで記録媒体に対し
て多階調のカラー2次元画像を形成する画像形成装置に
おいて、多値の注目画素及び参照画素の画素値がシア
ン、マゼンタ、イエロー、ブラックの1次のベタ画像デ
ータ時のみ有効となるパターンマッチング処理により注
目画素に対して最適なエッジ補間用の多値データを生成
し、この生成した多値データによる記録ドットを用いて
エッジ補間を行うエッジ補間方法にある。
いずれか1記載の画像形成装置のエッジ補間方法におい
て、パターンマッチング処理により生成する多値データ
を、理想直線に対する注目画素が占める面積率により決
定することにある。請求項7記載の発明は、複数の記録
素子をライン状に配列した記録ヘッドを設け、この記録
ヘッドの各記録素子による記録ドットのサイズを変更す
ることで記録媒体に対して多階調の2次元画像を形成す
る画像形成装置において、階調再現用の異なるサイズの
記録ドットを用いてエッジ補間を行うとともに記録ドッ
トのサイズはエッジ補間よりも階調再現性を優先して決
定するエッジ補間方法にある。
ライン状に配列した記録ヘッドを設け、この記録ヘッド
の各記録素子による記録ドットのサイズを変更すること
で記録媒体に対して多階調の2次元画像を形成する画像
形成装置において、低階調用の微小サイズの記録ドット
を除く階調再現用の異なるサイズの記録ドットを用いて
エッジ補間を行うエッジ補間方法にある。
口をライン状に配列したインクジェットヘッドを設け、
このインクジェットヘッドの各インク吐出口から吐出す
るインク滴の量を変更して記録ドットのサイズを変更す
ることでインクジェットヘッドの各インク吐出口の並び
の方向と直交する方向に移動する記録媒体に対して多階
調の2次元画像を形成する画像形成装置において、階調
再現用の異なるサイズの記録ドットを用いてエッジ補間
を行うとともに記録媒体が移動する副走査方向に対して
後方側にあるエッジを補間するときには前方側にあるエ
ッジを補間する記録ドットに比べてサイズの大きい記録
ドットを使用するエッジ補間方法にある。
をライン状に配列した記録ヘッドを設け、この記録ヘッ
ドの各記録素子による記録ドットのサイズを変更するこ
とで記録媒体に対して多階調の2次元画像を形成する画
像形成装置において、エッジ検出フィルタを使用して注
目画素がエッジ部であるか否かを判定するエッジ判定手
段と、孤立点検出フィルタを使用して注目画素が孤立点
であるか否かを判定する孤立点判定手段と、平滑化フィ
ルタを使用して注目画素に対してエッジ補間用の多値デ
ータを生成する補間用多値データ生成手段と、エッジ判
定手段がエッジ部判定を行い、かつ孤立点判定手段が非
孤立点判定を行ったとき補間用多値データ生成手段が生
成するエッジ補間用の多値データを注目画素のデータと
して出力するセレクタとを設けたエッジ補間装置にあ
る。請求項11記載の発明は、請求項10記載の画像形
成装置のエッジ補間装置において、エッジ検出フィルタ
として、斜め方向のみのエッジを検出するフィルタを使
用することにある。
して説明する。 (第1の実施の形態)この実施の形態はパターンマッチ
ング処理によりエッジ補間処理を行う場合について述べ
る。
固定保持して図中矢印方向に回転する回転ドラム2に対
向して、回転の上流側からシアンインクを吐出する複数
のインク吐出ノズルをライン状に配列したシアンインク
用ラインインクジェットヘッド3、マゼンタインクを吐
出する複数のインク吐出ノズルをライン状に配列したマ
ゼンタインク用ラインインクジェットヘッド4、イエロ
ーインクを吐出する複数のインク吐出ノズルをライン状
に配列したイエローインク用ラインインクジェットヘッ
ド5、ブラックインクを吐出する複数のインク吐出ノズ
ルをライン状に配列したブラックインク用ラインインク
ジェットヘッド6を互いに平行に配置している。なお、
各インクジェットヘッド3〜6の配列の順序はこれに限
定するものでは無い。
で、プリンタ本体11は印刷機構部を構成するプリンタ
エンジン12とこのプリンタエンジン12を駆動制御す
るプリンタコントローラ13からなり、前記プリンタコ
ントローラ13はパーソナルコンピュータ等からなるホ
ストコンピュータ14のドライバ15に接続している。
をプリンタ本体11とのI/F特性に合わせてホストコ
ンピュータ14内のドライバ15からプリンタ本体11
にコードあるいはラスタのデータを転送する。前記プリ
ンタコントローラ13はホストコンピュータ14からの
コード化された画像データ、例えば、PDL等のページ
記述言語をビットマップに展開し、各画像処理を行った
後、プリンタコントローラ13内のページメモリに格納
する。前記プリンタエンジン12はプリンタコントロー
ラ13から送られて来るビットマップの画像データをエ
ンジンの駆動信号に変換し、各ラインインクジェットヘ
ッド3〜6を駆動するようになっている。
ストコンピュータ14とプリンタ本体11との接続部は
図2に示すように1対1の関係にある必要は無く、プリ
ンタをネットワークプリンタとして機能させ1対複数の
関係にあってもよい。また、プリンタコントローラ13
とプリンタエンジン12とのI/Fは基本的にプリンタ
のアーキテクチャーに依存するものであり規定化されて
いるものでは無い。
画像処理部を示したブロック図で、色変換処理部21、
UCR処理部22、疑似階調処理部23、スムージング
処理部24からなり、例えば、入力される各色8ビット
のモニタなどで標準的なRGB信号を前記色変換処理部
21においてプリンタでの色再現色のCMYの色に変換
する。
Y色から墨成分を抽出し、かつ、その後のCMY色を決
定し、最終的にCMYK色に変換する。次に前記疑似階
調処理部23において、各色毎に多値ディザ処理や多値
誤差拡散処理により、1画素のデータをプリンタの印刷
能力に合わせた各色2〜4ビット程度のデータに圧縮す
る。そして、最後に前記スムージング処理部24におい
て、各色毎にエッジ部を補間して線画のジャギを抑える
ようになっている。
を示すブロック図で、コントロール部31を備え、この
コントロール部31により、前述したシアンインク用ラ
インインクジェットヘッド3、マゼンタインク用ライン
インクジェットヘッド4、イエローインク用ラインイン
クジェットヘッド5及びブラックインク用ラインインク
ジェットヘッド6を駆動制御するようになっている。
記各インクジェットヘッド3〜6を所定の速度、所定の
タイミングで前記記録媒体1が移動する方向とは直交す
る方向、すなわち、前記回転ドラム2の回転軸方向に移
動させるヘッド移動用装置32、記録媒体1を用紙トレ
イからピックアップして前記回転ドラム2まで搬送する
用紙搬送モータ32、前記回転ドラム2を回転させるド
ラム用モータ33及び搬送されて来た記録媒体1を回転
ドラム2に巻付けて固定する用紙固定装置34を駆動制
御するようになっている。
は、前記コントロール部31で用紙搬送用モータ32、
ドラム用モータ33、用紙固定装置34を所定のタイミ
ングで駆動するとともに、プリンタコントローラ13か
らのビットマップの画像データをコントロール部31で
取込み、前記ヘッド移動用装置31及び各インクジェッ
トヘッド3〜6を駆動する。
ング処理部24は本発明の要部を構成し、その機能につ
いて、例えば、階調数が各色3ビット、8階調の場合を
例として説明する。先ずプリンタの能力として、各色3
ビットの画像が扱える場合、前記疑似階調処理部23に
おいて各色3ビットの多値の画像データを得ることがで
きる。これは、図5の(a) 〜(g) に示すように1画素に
つき各色7種類の可変ドットサイズを用い、これに白を
含めた計8階調を1画素内で再現できることを示してい
る。
濃度的にリニアな特性になるように各色毎に予めサイズ
が調整されている。また、最大階調値のドットサイズ
は、プリンタエンジン12の持つ純解像度の正方ピクセ
ルに対してこれを完全に覆うような円を形成するのが一
般的であるが、ここでは階調再現性を重視したドットの
サイズ構成を優先するため必ずしも最大階調ドットがプ
リンタエンジン12の持つ純解像度の正方ピクセルを覆
う形状とは限らない。そして、1画素につき複数のドッ
トサイズが持っている画素データをそのままスムージン
グ処理後の補間データとして利用するようになってい
る。
像データを0(白)、7(黒)、1〜6の値を中間階調
値として説明する。先ず、通常の2値プリンタにおける
スムージング処理の弦について述べる。2値プリンタに
おけるスムージング処理では、一般的にパターンマッチ
ングを応用したものが主流になっている。
素は、ファクシミリでよく行われているノーマルモード
−ファインモード変換やノーマルモード−スーパファイ
ンモード変換のように解像度自体を変更する方法や電子
写真方式のプリンタのエッジエンハンスメント技術のよ
うにプリンタの持つ正規の解像度以上の画素の分割を主
走査方向あるいは副走査方向を制御して疑似的に解像度
を上げる方法等があるが、パターンマッチング自体の基
本的原理は同じであり、補間によって元の画像データよ
り補間後の画像データは高解像度のデータ情報に変換さ
れる。
イズを簡単のため3×3サイズとして説明する。図6は
パターンマッチング用の3×3サイズのパターンブロッ
クを示している。図中eがスムージングの対象となる注
目画素でa〜d及びf〜iの8画素が参照画素である。
ここでは横方向を主走査方向3画素分、縦方向を副走査
方向3ライン分としている。
と8つの参照画素a〜d、f〜iの白/黒の出現パター
ンにより注目画素を補間するか否かの判定を行い、補間
する必要があれば注目画素の値を書換える。図7及び図
8に3×3マトリクスにおける補間が必要なパターン例
を示す。図7は注目画素に微小画素を追加するパターン
例を示し、図8は注目画素を微小削除するパターン例を
示している。
し、この補間パターンにこのマトリクスに対応する入力
された画素群のパターンが一致した場合に注目画素を適
当な補間値に変換する。なお、このスムージング処理で
は補間パターンと補間値との関係をROM等にテーブル
メモリとして持ち、各画素の位置情報をアドレスとして
入力することで補間値を出力する構成としても、また、
完全なゲート回路の論理演算による構成としてもよく、
簡単に実現できる。但し、2値のスムージング処理では
基本的に補間前の元の画像データより補間後の画像デー
タの情報量は増えることになる。
手法について述べる。多値画像データに対してパターン
マッチング処理を用いた場合、単純に計算すると、1画
素2値のデータを扱う場合、3×3のマトリクスサイズ
でのパターンマッチングの組合わせ数は、29 =51
2通りのパターンが存在する。これが1画素3ビットの
8値になると、89 =約134×106 通りのパタ
ーンが存在することになる。3×3のマトリクスサイズ
でこれだけのパターンが存在する訳だからスムージング
の制度を高めるためにこのパターンサイズをさらに大き
くした場合単純なパターンマッチングでの処理は現実的
には不可能になる。
おいてはスムージングの効果が視覚特性上少ないことに
着目し、中間階調値におけるスムージング処理は行わ
ず、ベタ濃度部に対してのみスムージング処理を行うこ
とで必要とするパターン数を減らし、しかも充分な効果
が得られるようにしている。
処理は、多値の注目画素の画素値が、各CMYKについ
ての1次のベタ画像データ(0及び7)時のみ有効とし
ている。これは、注目画素が中間階調値の場合はスムー
ジング処理を行わず、スルーすることを意味している。
また、各色毎のパターンマッチング処理は、多値の注目
画素及び参照画素の画素値が、各CMYKについての1
次のベタ画像データ(0及び7)時のみ有効としてい
る。これは、パターンマトリクス内に1画素でも中間階
調値が含まれる場合はスムージング処理を行わず、スル
ーすることを意味している。
るパターン数を大きく減らすことができる。特に、パタ
ーンマトリクス内に1画素でも中間階調値が含まれる場
合はスムージング処理を行わない方法では基本的に2値
のスムージングと同じパターンの組合わせ数で済み、2
値でのスムージング処理がそのまま応用できる。
補間値について述べる。これは階調再現用の多値画像デ
ータの構造をそのまま使用することで補間前の元の画像
データと補間後の画像データのサイズは不変となり、従
って、高解像度の画像データを付加したり、新たなメモ
リを付加すること無く、また、記録速度の低下も招くこ
と無く、充分なスムージング効果を得ることができる。
て説明する。図9は左下がりのエッジを示しており、注
目画素の元の値は0(白)である。この例において斜線
41はこのパターンにおける理想の直線であり、この直
線が注目画素と交差した部分の黒画素側の部分、すなわ
ち、図中斜線ハッチングの部分の注目画素に対する面積
比率を画像の階調の比率に換算して補間値を決定する。
なお、理想直線を求める方法については基本的には限定
しないが、図9の例で言えば、斜線41と交差する画素
より下側の黒画素の面積の合計と、理想直線から下側が
占める仮想黒領域の面積が等しくなるように設定するこ
とが望ましい。
中35%の面積を占めることから、通常、モニタなどの
輝度変調によって階調を再現できる装置においては、 INT(7×0.35+0.5)=2 により補間値として2を決定することになるが、面積変
調によって階調を再現する装置では、このドットのサイ
ズが階調再現用に優先されたサイズになっていることか
ら、面積的に各階調のドットサイズがリニアにはならな
い。そこで、予め測定により求めておいた各階調画素の
面積から斜めハッチングした面積率に最も近い面積率を
有する階調のドットを補間値として決定する。
9のパターンにおける補間処理により階調値として
「3」の値を選択する。なお、図10に示すようにパタ
ーンによっては補間により画素と画素の間に隙間ができ
るが、最近のプリンタヘッドの高解像度化、あるいはヘ
ッド駆動方法の工夫、また、インクの用紙への滲み込み
によるドット自体によるエッジ部のボケ効果等により、
この隙間の空間周波数が人間の視覚の弁別可能範囲より
も高くなっており、視覚の積分効果により支障なくエッ
ジが平滑化された滑らかな画像として認識されることに
なる。
00dpi程度のプリンタにおいては、その補間に低階
調部用の微小ドットを使用しない方がよい結果が得られ
る。以上は、簡単のために3×3マトリクスでのスムー
ジング処理について述べたがこれに限定するものでは無
く、スムージングの精度を上げるために5×5のパター
ンマトリクスやそれ以上のマトリクスサイズにも適用で
きるのは勿論である。
た場合のエッジ補間処理について述べる。ここでもプリ
ンタの再現能力として3ビットの画像が扱え、1画素に
つき7種類の可変ドットサイズを使用し、白を含めて8
階調を1画素内で再現できる場合を例として述べる。
出ノズルからのインク吐出量を可変制御して階調を再現
することになる。この場合、ラインインクジェットヘッ
ド及びインク自体の物理的特性上、吐出速度は一般的に
吐出量の大きい方が速度が速く、吐出量が小さい方が速
度が遅くなる傾向がある。このインク吐出の特性例を図
11に示す。なお、図11において、横軸は吐出体積を
示し、縦軸は吐出速度を示している。また、P1 ,P2
,P3 ,P4 ,P5 ,P6 ,P7 はそれぞれ第1階調
から第7階調を示している。
ある任意の1つのノズル51から記録紙52に対して飛
翔するインクの概念を示す図で、ノズル51から吐出す
るインク滴53は初期速度V0 で記録紙52に吐出され
る。このときインク53が記録紙52に到着するまでの
間にも記録紙52は副走査方向に速度Vd で移動してい
るので、吐出速度の増減により記録紙52上の基準位置
54からの変位量xは変化する。
をLとすれば、変位量xは、x=L×Vd /V0 で求め
ることができる。これは、L及びVd は基本的に印字中
はどの状態でも同じであるから、V0 が一定であれば変
位量xは常に一定となりエンジン解像度のピッチに一致
する。しかし、インクの吐出量によって速度V0 が変化
するので、エンジン解像度の基準ピッチに対して大きい
ドットと小さいドットでは印字ピッチがずれることにな
る。
量に対する吐出速度が一定の場合における理想的な系で
の印字例を示している。すなわち、大きいドットD1 も
小さいドットD2 も理想的な中心位置に印字している。
なお、図13の(a) は記録紙の移動に対して小さいドッ
トD2 が大きいドットD1 よりも先に印字する場合を示
し、図13の(c) は記録紙の移動に対して小さいドット
D2 が大きいドットD1 よりも後に印字する場合を示し
ている。
録紙への到達が大きいドットに比べて遅れるので、図1
3の(a) の理想的な系は図13の(b) に示すようにな
り、また、図13の(c) の理想的な系は図13の(d) に
示すようになる。すなわち、図13の(b) では小さいド
ットD2 が記録紙の移動方向と反対側に位置ずれを起こ
して後に印字する大きいドットD1 に接近して印字され
ることになる。また、図13の(d) では小さいドットD
2 が記録紙の移動方向と反対側に位置ずれを起こして先
に印字した大きいドットD1 から離れるように印字され
ることになる。
を先に印字する図13の(b) の場合は、小さいドットD
2 がドット間の間隔を狭める方向にずれるのでスムージ
ング効果としては良い効果となるが、大きいドットD1
よりも小さいドットD2 を後に印字する図13の(d) の
場合は、小さいドットD2 がドット間の間隔を広げる方
向にずれるのでスムージング効果としては悪影響を与え
ることになる。
ットD2 を後に印字する場合、すなわち、記録紙が移動
する副走査方向に対して後方側のエッジを小さいドット
で補間するときには、図13の(e) に示すように、本来
使用すべきドットサイズに比べて数段大きいサイズのド
ットD3 を使用してエッジ補間を行う。これにより、ド
ット間の間隔が開くのを防止でき、スムージング効果を
高めることができる。
ィルタリング処理を応用してエッジ補間処理を行う場合
について述べる。図14に示すように、前1ライン、現
1ライン、後1ラインの画像データを取込むフリップフ
ロップ回路群からなる3×3マトリクス抽出部61を設
け、このマトリクス抽出部61でフィルタリング処理に
必要な注目画素*を中心とした3×3画素を抽出するよ
うになっている。
抽出した3×3画素の情報を、エッジ検出フィルタリン
グ部62、孤立点検出フィルタリング部63及び平滑化
フィルタリング部64にそれぞれ供給するとともにディ
レイ回路65にも供給している。
図15の(a) に示す構成のエッジ検出フィルタを使用
し、抽出した3×3画素の情報をこのエッジ検出フィル
タでフィルタリング処理するようになっている。前記エ
ッジ検出フィルタは、水平線、垂直線の検出が中間階調
値における文字/線画等においてボケの原因となり易い
ため水平線及び垂直線については検出しない構成になっ
ている。そして、フィルタリング処理した結果を閾値判
定部66で閾値Th1と比較することで注目画素*がエッ
ジ部であるか否かの判定を行うようになっている。
図15の(b) に示す構成の孤立点検出フィルタを使用
し、抽出した3×3画素の情報をこの孤立点検出フィル
タでフィルタリング処理するようになっている。前記孤
立点検出フィルタは、前記エッジ検出フィルタが文字や
線のエッジ部の他に孤立点に対して非常に強い反応を示
すため、エッジ検出時よりも孤立点検出時に方が高い値
を示すフィルタを使用している。そして、フィルタリン
グ処理した結果を閾値判定部67で閾値Th2と比較する
ことで注目画素*が孤立点であるか否かの判定を行うよ
うになっている。
5の(c) に示す構成の平滑化フィルタを使用し、抽出し
た3×3画素の情報をこの平滑化フィルタでフィルタリ
ング処理し、エッジ部に対して平滑化処理を行ってスム
ージング補間データを作成するようになっている。前記
平滑化フィルタは、単純な均等平滑化では画像がボケす
ぎる恐れがあるため注目画素*を中心とする重み付けを
行っている。
ゲート68に供給している。前記ゲート68は、前記閾
値判定部66がエッジ部検出を行っても前記閾値判定部
67が孤立点判定を行ったときにはセレクタ69を制御
して前記ディレイ回路65からの出力を通過させ、前記
閾値判定部66がエッジ部検出を行い、かつ、前記閾値
判定部67が孤立点判定を行わないときにはセレクタ6
9を制御して前記平滑化フィルタリング部6465から
の出力を通過させ、さらに、前記閾値判定部66がエッ
ジ部検出を行わないときにはセレクタ69を制御して前
記ディレイ回路65からの出力を通過させるようになっ
ている。
クス抽出部61により注目画素*を中心とした3×3画
素の情報を抽出し、その情報をエッジ検出フィルタリン
グ部62、孤立点検出フィルタリング部63、平滑化フ
ィルタリング部64及びディレイ回路65にそれぞれ供
給する。エッジ検出フィルタリング部62ではエッジ検
出のフィルタリング処理を行い、その結果を閾値判定部
66で閾値Th1と比較して注目画素*がエッジ部か否か
の判定を行う。また、孤立点検出フィルタリング部63
では孤立点検出のフィルタリング処理を行い、その結果
を閾値判定部67で閾値Th2と比較して注目画素*が孤
立点か否かの判定を行う。
やエッジ検出が行われても孤立点検出が行われたときに
はセレクタ69はディレイ回路65を選択し注目画素*
の値がそのままスルーされて出力される。また、エッジ
検出が行われ、しかも孤立点検出が行われなかったとき
にはセレクタ69は平滑化フィルタリング部64を選択
し、平滑化フィルタによるスムージング処理により注目
画素*の値が補間データに変更されて出力される。
文字/線画等のエッジ部に対してのみ補間データが生成
されることになる。また、フィルタリング処理について
は、元々の画像データが多値化された後の圧縮されたビ
ット数であるため、例えば、実施の形態では3ビットで
あるため、計算自体は非常に軽くて済み、ロジックのみ
の構成で実現することも可能である。
値画像データの構造をそのまま使用しているので、補間
前の元の画像データと補間後の画像データのサイズは不
変となり、高解像度の画像データ及びメモリなどを付加
すること無く、また、記録速度の低下も招くこと無く、
充分なスムージング効果を得ることができる。
別な画像データを追加作成すること無く、多値の階調画
像のデータ構造を利用して画像のエッジ部を滑らかに再
現でき、これにより、高解像度の画像データを使用せず
に、また、記録速度の低下を招くこと無く充分なスムー
ジング効果を得ることができる画像形成装置のエッジ補
間方法を提供できる。
れば、特別な画像データを追加作成すること無く、多値
の階調画像のデータ構造を利用して画像のエッジ部を滑
らかに再現でき、これにより、高解像度の画像データを
使用せずに、また、記録速度の低下を招くこと無く充分
なスムージング効果を得ることができる画像形成装置の
エッジ補間装置を提供できる。
ク図。
画像処理部の構成を示すブロック図。
を示すブロック図。
す図。
ング例を示す図。
を示す図。
するための図。
間例を示す図。
ラフ。
置との関係を説明するための図。
間を説明するための図。
ク図。
を示す図。
Claims (11)
- 【請求項1】 複数の記録素子をライン状に配列した記
録ヘッドを設け、この記録ヘッドの各記録素子による記
録ドットのサイズを変更することで記録媒体に対して多
階調の2次元画像を形成する画像形成装置において、 階調再現用の異なるサイズの記録ドットを用いてエッジ
補間を行うことを特徴とする画像形成装置のエッジ補間
方法。 - 【請求項2】 複数の記録素子をライン状に配列した記
録ヘッドを設け、この記録ヘッドの各記録素子による記
録ドットのサイズを変更することで記録媒体に対して多
階調の2次元画像を形成する画像形成装置において、 多値化した画像データからエッジ補間用の多値データを
生成し、この生成した多値データによる記録ドットを用
いてエッジ補間を行うことを特徴とする画像形成装置の
エッジ補間方法。 - 【請求項3】 パターンマッチング処理により注目画素
に対して最適なエッジ補間用の多値データを生成するこ
とを特徴とする請求項2記載の画像形成装置のエッジ補
間方法。 - 【請求項4】 複数の記録素子をライン状に配列した4
つの記録ヘッドを設け、この各記録ヘッドでシアン、マ
ゼンタ、イエロー、ブラックの各色の記録を行うととも
に前記各記録ヘッドの各記録素子による記録ドットのサ
イズを変更することで記録媒体に対して多階調のカラー
2次元画像を形成する画像形成装置において、 多値の注目画素の画素値がシアン、マゼンタ、イエロ
ー、ブラックの1次のベタ画像データ時のみ有効となる
パターンマッチング処理により注目画素に対して最適な
エッジ補間用の多値データを生成し、この生成した多値
データによる記録ドットを用いてエッジ補間を行うこと
を特徴とする画像形成装置のエッジ補間方法。 - 【請求項5】 複数の記録素子をライン状に配列した4
つの記録ヘッドを設け、この各記録ヘッドでシアン、マ
ゼンタ、イエロー、ブラックの各色の記録を行うととも
に前記各記録ヘッドの各記録素子による記録ドットのサ
イズを変更することで記録媒体に対して多階調のカラー
2次元画像を形成する画像形成装置において、 多値の注目画素及び参照画素の画素値がシアン、マゼン
タ、イエロー、ブラックの1次のベタ画像データ時のみ
有効となるパターンマッチング処理により注目画素に対
して最適なエッジ補間用の多値データを生成し、この生
成した多値データによる記録ドットを用いてエッジ補間
を行うことを特徴とする画像形成装置のエッジ補間方
法。 - 【請求項6】 パターンマッチング処理により生成する
多値データを、理想直線に対する注目画素が占める面積
率により決定することを特徴とする請求項3乃至5のい
ずれか1記載の画像形成装置のエッジ補間方法。 - 【請求項7】 複数の記録素子をライン状に配列した記
録ヘッドを設け、この記録ヘッドの各記録素子による記
録ドットのサイズを変更することで記録媒体に対して多
階調の2次元画像を形成する画像形成装置において、 階調再現用の異なるサイズの記録ドットを用いてエッジ
補間を行うとともに記録ドットのサイズはエッジ補間よ
りも階調再現性を優先して決定することを特徴とする画
像形成装置のエッジ補間方法。 - 【請求項8】 複数の記録素子をライン状に配列した記
録ヘッドを設け、この記録ヘッドの各記録素子による記
録ドットのサイズを変更することで記録媒体に対して多
階調の2次元画像を形成する画像形成装置において、 低階調用の微小サイズの記録ドットを除く階調再現用の
異なるサイズの記録ドットを用いてエッジ補間を行うこ
とを特徴とする画像形成装置のエッジ補間方法。 - 【請求項9】 複数のインク吐出口をライン状に配列し
たインクジェットヘッドを設け、このインクジェットヘ
ッドの各インク吐出口から吐出するインク滴の量を変更
して記録ドットのサイズを変更することで前記インクジ
ェットヘッドの各インク吐出口の並びの方向と直交する
方向に移動する記録媒体に対して多階調の2次元画像を
形成する画像形成装置において、 階調再現用の異なるサイズの記録ドットを用いてエッジ
補間を行うとともに前記記録媒体が移動する副走査方向
に対して後方側にあるエッジを補間するときには前方側
にあるエッジを補間する記録ドットに比べてサイズの大
きい記録ドットを使用することを特徴とする画像形成装
置のエッジ補間方法。 - 【請求項10】 複数の記録素子をライン状に配列した
記録ヘッドを設け、この記録ヘッドの各記録素子による
記録ドットのサイズを変更することで記録媒体に対して
多階調の2次元画像を形成する画像形成装置において、 エッジ検出フィルタを使用して注目画素がエッジ部であ
るか否かを判定するエッジ判定手段と、孤立点検出フィ
ルタを使用して注目画素が孤立点であるか否かを判定す
る孤立点判定手段と、平滑化フィルタを使用して注目画
素に対してエッジ補間用の多値データを生成する補間用
多値データ生成手段と、前記エッジ判定手段がエッジ部
判定を行い、かつ前記孤立点判定手段が非孤立点判定を
行ったとき前記補間用多値データ生成手段が生成するエ
ッジ補間用の多値データを注目画素のデータとして出力
するセレクタとを設けたことを特徴とする画像形成装置
のエッジ補間装置。 - 【請求項11】 エッジ検出フィルタとして、斜め方向
のみのエッジを検出するフィルタを使用することを特徴
とする請求項10記載の画像形成装置のエッジ補間装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15873697A JP3398301B2 (ja) | 1997-06-16 | 1997-06-16 | 画像形成装置のエッジ補間方法及びエッジ補間装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP15873697A JP3398301B2 (ja) | 1997-06-16 | 1997-06-16 | 画像形成装置のエッジ補間方法及びエッジ補間装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH115298A true JPH115298A (ja) | 1999-01-12 |
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ID=15678219
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JP15873697A Expired - Fee Related JP3398301B2 (ja) | 1997-06-16 | 1997-06-16 | 画像形成装置のエッジ補間方法及びエッジ補間装置 |
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-
1997
- 1997-06-16 JP JP15873697A patent/JP3398301B2/ja not_active Expired - Fee Related
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