【発明の詳細な説明】
僅かに水溶性がある被覆材料で固形物を被覆するための工程および
僅かに水溶性がある被覆を持つパウダーを生成するための工程発明の分野
本発明は、被覆を形成する元の原材料の軟化温度よりも低い温度において、
無機及び有機固形物を、高分子化合物、ワックス及びグリースで被覆する新規な
処理に関する。この処理は、特に、Al、Cu、MgO、滑石(3MgO 4SiO2 H2O)、Mg(OH
)2、CaCO3、CaMg(CO3)2、MgCO3、Ca(OH)2、TiO2、Al2O3、SiO2、CaSO4、Al(OH)3
、セルロース繊維、紙、ガラス繊維、アルミナ繊維、髭結晶及び小板、SiC繊維
、髭結晶及び小板、TiN繊維及び髭結晶、酸化物、炭化物及び窒化物の形態にあ
る他のセラミック・パウダーそしてそれらの混合物等の有機及び無機物質の表面
被覆パウダーを調製するのに重要である。また、これは、表面被覆肥料の調製の
ためにも重要な処理であり、肥料の固化を防ぐために、及び/あるいはKNO3、KC
l、(NH4)2SO4、K2SO4、(NH4)H2PO4、(NH4)2HPO4、尿素等そしてそれらの混合物
等の遅効性肥料を得るために用いられる。
本発明は、高分子化合物、ワックスあるいはグリースで被覆された材料を生
産するための方法及び用途に関する。本発明は、種々の他の物質、主に、ミネラ
ル、プラスチック及びセルロースとの適合性及び性能が改善されたパウダーの生
成を可能にすると共に、生成コストを削減する。また、本発明は、非慣習的なそ
して安価な方法で二つ以上の異なる物質を接着することを可能にする。
本発明は、特に、肥料工業に重要であると共に、セメント(建設)産
業、製紙工業、繊維工業、化粧品工業、接着剤工業、塗装工業、窯業、プラスチ
ック及びゴム工業等におけるパウダー生成に重要である。発明の背景
表面改質パウダーの用途
ミネラルの選鉱及び生産、また、特に表面改質後の、プラスチック配合、製
紙工業、窯業、塗装工業等における用途に関する特許、論文、論評及び本がたく
さんある(例えば、「ミネラル処理」"Mineral Processing"; E.J.Pryor; Els
evier Publishing; Third Ed.; 1965)(例えば、「CaCO3充填材−市場傾向及び
開発」"CaCO3 Fillers‐Market Trends and Developments"; J.Revert'e i Vid
al; Industrial Minerals; November 1994、「プラスチツク配合−ミネラルと高
分子化合物との合体」"Plastic Compounding‐Where Mineral Meets Polymer";
M.O'Driscoll; Industrial Minerals; December 1994、「ミネラル充填材の表
面改質」R.Goodman; Industrial Minerals; February 1995、「プラスチック及
びゴムに対するマグネシウム水酸化物難燃剤(NHFR)」"Magnesium Hydroxide F
lame Retardant(NHFR)for Plastics and Rubber"; O.Kalisky et al; Chimic
a Oggi/Chemistry Today; June 1995を参照)。上記の文献は、多種多様な用途
に用いられる微細なパウダーの物理的性質、特に表面特性についての重要性を表
している。
粉砕
パウダーは、例えば、紙及びプラスチック産業での充填材及び難燃剤、セラ
ミックス及びセメントの原材料、化粧品の成分等として多数の用途にかなり用い
られている。パウダーを効果的に用いるためには、パウダ
ーの粒度分布を制御しなければならない。通常、減らさなければならない。また
、パウダーの表面特性も、パウダーが用いられる支持体の表面特性との適合性が
必要である。
粉砕技術としては、材料の研削あるいは磨砕が一般的な方法である。しかし
ながら、これらの方法は、特にサブミクロン範囲において粒子の高表面積率が凝
集の割合を増すので高いエネルギーの消費を必要とする。このような操作は、生
産性が低く、また、最終的に得られる微細パウダーの汚染を最小にすると共に高
い摩耗に耐える特別な材料から作られた設備を必要とするため高いコストとなる
。通常、この技術では二つの工程、乾式及び湿式の研削あるいは磨砕が用いられ
る。両タイプの工程の生産速度を増し、より良質の研削あるいは磨砕を得るため
に、通常、ヘキサメタ燐酸ナトリウム等の分散剤などを用いる。
微細なパウダーを得るためのもう一つの方法は、適当な反応物を作用させる
ことによって、パウダーの再結晶あるいは沈殿を制御することである。
上記の場合、微細なパウダーのスラリー全てが安定している、すなわち、微
細な粒子が凝集せず、長い期間の後でさえも固体が分離あるいは沈殿しないとい
うことが重要である。また、最終的な乾いた細かなパウダーがさらさらしている
ことが要求される。他の方法において、これを、高分子化合物、ワックスあるい
はグリースで微細な粒子を覆うことによって達成することが可能である。しかし
ながら、優れた被覆材料においては、貯蔵中にあるいは正規の使用で被覆が剥げ
るのを避けるために、通常、軟化温度が非常に高い。したがって、被覆材料が、
適用される時点の比較的に低い温度においては低い粘度を持ち、適用後にはその
粘度がかなり高くなる被覆材料の使用が望まれる。さらに、硬化工程の前にその
被覆が、特に被覆面に引き付けられる性質があることが望まれる。
同出願者によって、1995年4月6日に出願された最近のイスラエル特許
出願第IL113283号には、参照としてここにその説明が含まれるが、微細
なパウダーの生成を改善するために、あるカルボン酸塩の使用が開示されている
。
同出願者によって、1995年8月7日に出願された最近の特許出願IL1
14853号には、参照としてここにその説明が含まれるが、無機パウダーの表
面電荷を修正するための新規の方法が開示されている。また、本特許出願でのこ
れら文献の概要は本発明に関係がある。
ガラス繊維
ガラス繊維は、材料を強化するために大規模に用いられる。しかし、ガラス
繊維の効果的な適用は、表面特性を修正する能力、及び繊維を周囲と適合性があ
る材料に変質させる能力に依存するものである。これは、ガラス繊維がプラスチ
ックやセメントに適用されるときに特に明らかである。例えば、ポルトランド・
セメントを補強するためにガラス繊維を用いる試みは、アルカリ性のセメントが
ガラスを侵食し、その製品を分解するため失敗することになる(「E−ガラス繊
維で強化された、種々のセメント・マトリックス複合材料の耐久性」("Durabil
ity of E-Glass Fibre Reinforced Composites with Different Cement Matrice
s"; by K.Kolver and A.Bentur of the National Building Research Institu
te; the Technion‐Israel Institute of Technology; Haifa; Israel and I.O
dler of the Institute of Non-Metallic Materials; the Technical Universit
y-Clausthal; Clausthal,Germany)を参照)。
当然、上記の問題は、K.コルベル(K.Kolver)氏らの論文に表された方
法を含めて、種々の方法によって解決可能であるが、従来の技術で
は、単純に、安価に、且つ容易に実施可能な解決方法を提供することはできない
。MgO、Al2O3、SiC、TiN等の繊維、ウイスカ及び小板のような他の補強剤を用い
るときに同様の問題に突き当たる。
金属パウダー
金属パウダーは、プラスチック工業において大規模に用いられている。しか
し、金属パウダーは、それらが均等に分配されるべき疎水性のプラスチックに対
して、金属パウダー表面の適合性がないため、単に微細な粒子を、溶けた高分子
化合物、ワックスあるいはグリースに混ぜることによって表面改質金属パウダー
のマスターバッチを調製するという方法には欠点がある。結局、金属パウダーは
、使用前の保存温度で、被覆が高い粘度を示すべきであり、さもないと、被覆が
ずれる、あるいは微細な粒子が凝集してしまうことになる。
単純で安価な方法及び装置を用いて、解決しなければならないもう一つの課
題は、金属表面への被覆の粘着品質である。従来の技術では、所望の製品を得る
ために、高温において強力な高剪断撹拌機を用いる。しかしながら、この方法は
、未だに、比較的に低い粘度の高分子化合物にかなり限定されており、過熱設備
を必要とするばかりでなく、金属パウダーへの被覆の十分な粘着が得られない。
この問題を解決するもう一つのアプローチとしては、所望の表面に被覆を形成し
ながら、被覆の重合度を増加させることである。このアプローチは、非常に洗練
されており、工程中の異なるステップを非常に正確に同期化することを要求する
。
遅効性肥料
本発明者によって、最近、遅効性肥料の新しい生成方法の特許出願が行われ
た(米国特許出願第08/331,324号、出願日1994年1
0月28日)。この方法には、改善されたマグネサイト・セメントが用いられて
いる。また、この特許出願においては、水不溶性物質で被覆された水溶性肥料を
形成するという従来の技術を再検討する公報に言及している。
概して、このような肥料は、EP0276179において明らかにされたよ
うに、少なくとも二つの異なる層で被覆される。カルボン酸塩が各々の肥料の上
に被覆され、その後、この第一の層の上にワックスが被覆される。この第二の層
は、高温において適用されるか、あるいはワックスが低融点のものであるかの、
いずれかである。この問題は、尿素が遅効性肥料に変えられる場合、その低融点
が高融点のワックスの使用を不可能にするため、特に重要である。この第二層に
よって、農場の倉庫や畑の厳しい状況下で貯蔵中に、尿素顆粒の凝集が起こるか
もしれない。
第二被覆層が形成されるに好ましい比較的に低い温度において、低粘度のワ
ックスを用いて、工程中の後の段階で、これを、単純で安価な方法によって高粘
度層に変質させることを可能にすることが望まれるのは明白である。
CaCO3 パウダー
典型的で最も重要な例としては、粉末のCaCO3がある。プラスチック及び製
紙工業における主要な充填材としての性能を改善するために、方解石の表面特性
を知り、それを変更する方法を理解することが、最も重要である。さらに、電導
性及び熱伝導性を改善するためにAl、あるいは輝度を改善するためにTiO2のよう
な他の微細なパウダーを含む適当な高分子化合物、ワックスあるいはグリースで
方解石の表面被覆を効率的に行う工程が望まれている。
Mg(OH)2 パウダー
この材料は、プラスチックに難燃剤として用いられる、緩やかな塩基であり
、水とMgOとの加水分解によって生産されてもよい。原材料及び製品の表面が変
質される状態下で加水分解を行うことによって、生産速度をかなり向上させると
共に、脂肪酸塩及び/あるいは高分子化合物、ワックスあるいはグリースで既に
表面被覆された単一結晶を主に含むパウダーを得ることが可能になる。水滑石の
表面被覆の操作は、方解石の前記ケースと同様の方法で行うことが可能である。
Al(0H)3 パウダー
この材料は、種々の用途に用いられるが、プラスチックの難燃剤としての用
途があり、水とAl2O3との加水分解によって生成されてもよい。原材料及び製品
の表面が変質される状態下で加水分解を行うことによって、生産速度をかなり向
上させると共に、脂肪酸塩及び/あるいは高分子化合物、ワックスあるいはグリ
ースで既に表面被覆された単一結晶を主に含むパウダーを得ることが可能になる
。Al(OH)3の表面被覆の操作は、方解石及び水滑石の前記ケースと同様の方法で
行うことが可能である。
多くの物質、例えば、CaMg(CO3)2、MgCO3、滑石(3MgO 4SiO2H2O)、Ca(OH)2
、CaCO3、TiO2、Al2O3、SiO2及びCaSO4について、パウダー・ミネラルの親水性
面を疎水性のものに変えたいという要望がある。
驚くべきことに、有機及び無機パウダー(例えば、Al、Cu及びMnのような金
属、MgO、滑石(3MgO-4SiO2 H2O)、Mg(OH)2、CaCO3、CaMg(CO3)2、MgCO3、Ca(O
H)2、Al2O3、Al(OH)3、TiO2、SiO2、
CaSO4のような自然の、そして人工のミネラル、セルロース、ガラス、アルミナ
、MgO、SiC、TiC、TiNの繊維、ウイスカ及び/あるいは小板、KNO3、KCl、K2SO4
、(NH4)2SO4、(NH4)H2PO4、(NH4)2HPO4、尿素のような肥料、キナクリドン、鉄
あるいは銅のミネラル酸化物等のような無機及び有機ピグメント)の表面が、比
較的に低い温度において、液体あるいは低粘度の蝋様物質である「高分子化合物
溶液」で被覆可能であり、これらの被覆が、単純な、化学的あるいは物理的な相
互作用によって硬い高粘度物質に変質可能であることが発見された。
本発明の目的は、高品質の高分子化合物、ワックスあるいはグリースで被覆
された微細なパウダー、繊維、ウイスカ、小板及び/あるいは顆粒を生産するた
めの安価で単純な方法を提供することである。
さらに、本発明の目的は、適当なカルボン酸塩及び他の添加剤で覆うことに
よって、これらの粒子を改善する方法を提供することである。
さらに、本発明の目的は、通常の安価な原材料及び設備を用いることによっ
て、これらの被覆粒子を生産する方法を提供することである。
さらに、本発明の目的は、この新規の被覆方法によって得られたこれらの被
覆粒子の用途を実証することである。
本発明の他の目的及び利点は、説明が進むにつれ明らかになる。本発明の概要
驚くべきことに、非常に低い温度、すなわち、各々の純粋な高分子化合物の
軟化点よりもかなり低い温度において、カルボン酸に極度に溶解性があるポリエ
チレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、シリコンゴム、エチレン−アクリル酸共
重合体、エチレン−マレイン酸共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体のような
、また、他の多くの僅かに水溶性
の高分子化合物、ワックス及び/あるいはグリースのカルボン酸溶液が、かなり
容易に、また、経済的に、固体の表面、特に微細なパウダーの表面に薄膜あるい
は厚膜として延展可能であることが発見された。さらに、これらの低粘度液を、
その中にある高粘度物質を沈殿させるために、単に、適当な塩基性試薬、例えば
、アンモニア及び無機塩基の水溶液と反応させてカルボン酸をカルボン酸塩の形
態に変えることによって改質することも可能であることが発見された。択一的に
、適当なカルボン酸は、水性媒体にも溶かすことができ、所望の表面上に高分子
化合物の沈殿を生じさせることも可能である。
ここに用いた用語「僅かに水溶性である」は、被覆物質として用いられる高
分子化合物、ワックス、あるいはグリースは、不溶性であるか、あるいは単に僅
かに水溶性であるかのいずれかであることを意味する。
本発明は、高分子化合物、ワックスあるいはグリースの硬く接着性のある疎
水性の薄膜で、多くの微細なパウダーの親水性の表面を被覆することに関連する
、従来の技術に優る次の主要な改善に導くものである。
1.高分子化合物の延展を、従来の技術で必要とされるような加熱システムが
備えられた非常に強力な高剪断撹拌機を用いることなく、単純な撹拌機で行うこ
とができる。
2.微細な粒子を覆うために用いられる高分子化合物がかなり高い温度におい
てのみ溶解可能であっても、被覆処理を、比較的に低い温度、室温においてでさ
えも実行可能である。これは、多くの種類の高分子化合物の、より適した選択を
可能にする、すなわち、非常に高い軟化温度範囲を持つものであっても、比較的
に低融点範囲の物質を覆うことが可能となる。例えば、イーストマン・コダック
社のエポレン(Epolene)ワックスE-43で尿素顆粒を被覆するのには、尿素粒子
を融解させないで行うことは不可能である(この場合、適当な有機溶媒に溶
けた高分子化合物を適用することは経済的に無理がある)。高融点のワックスで
封入可能な、また、封入されるべき物質がかなり多種多様にあるが、高分子化合
物が水に乳化されない、あるいは不活性の溶媒が用いられない限り、これは不可
能である。これらは、工程の最後に高いコストをかけてリサイクルされなくては
ならず、また、環境及び製品の汚染を起こす可能性がある。
3.前記特許出願(IL114853)に説明された技術、あるいは他の適当
な技術あるいは表面処理に従って、前もって表面改質された表面を予め選択し、
高分子化合物の沈殿、及び通常それと共にカルボン酸塩の沈殿をその表面に向け
てやることが可能である。これは、完全な被覆がより少ない高分子化合物で得ら
れるので、被覆材の量をかなり節約することができる。
本発明は水あるいは水溶液に全く限定されない。被覆されるべきパウダーの
表面が塩基性(例えば、金属、金属酸化物及び金属水酸化物、及び金属炭酸塩)
である場合には、実際に溶媒がなくともカルボン酸との間に化学反応が生じるた
め、高分子化合物溶液からこれら活性表面上に、高分子化合物、ワックス及び/
あるいはグリースの沈殿を起こす。
本発明によれば、次の場合に有機溶媒が適用可能である(そして適用すべき
である)。
a.被覆パウダーの化学的性質が水性媒体の使用を禁じる。
b.生成される被覆に要求される品質が、無溶剤の操作で、あるいは水性媒体
で得ることが不可能である。
そして、当然、
c.溶媒の再生利用を含めて、これらの操作(a.及びb.)が経済的に採算
が取れることが好ましい。
したがって、本発明は、無機及び有機性固体の上に、及び/あるいは
間に、高分子化合物、ワックスとグリースを被覆するための新規の工程に関する
ものであり、この被覆は、通常、被覆を形成するこれらの元の原材料の軟化温度
よりもずっと低い温度において行われるものである。
本発明の工程は、特に、Al、Cu、Mn、MgO、滑石(3MgO 4SiO2 H2O)、Mg(OH)2
、CaCO3、CaMg(CO3)2、MgCO3、Ca(OH)2、TiO2、Al2O3、SiO2、CaSO4、Al(OH)3
等の無機物質、セルロース、ガラス、アルミナ、マグネシア、セラミック炭化物
の繊維、ウイスカ及び/あるいは小板、SiC及びTiC等、TiN等のセラミック窒化
物、そしてそれらの混合物の表面被覆パウダーの調製のために重要である。また
、これは、さらさらした表面被覆肥料、特に、KNO3、KCl、(NH4)2SO4、K2SO4、(
NH4)H2PO4、(NH4)2HPO4、尿素等、そしてそれらの混合物からなる遅効性肥料の
調製にも重要な工程である。
本発明は、特に、高分子化合物、ワックスあるいはグリースで覆われた物質
の生成方法及び用途に関する。本発明は、種々の他の材料、主に、ミネラル、プ
ラスチック及びセルロースとの性能及び適合性が改善されたパウダーを生産する
ことを可能にし、それらの生産コストを下げるものである。また、本発明は、新
規で安価な方法によって、二つ以上の異なる物質を接着することを可能にする。
本発明は、肥料工業に、また、セメント(建設)産業、製紙工業、化粧品工
業、接着剤工業、塗装工業、窯業、プラスチック及びゴム産業等におけるパウダ
ー生産に特に重要である。実施例の詳細な説明
適当な高分子化合物、ワックス及び/あるいはグリースを適当なカルボン酸
と混ぜることによる「高分子化合物溶液」の調製は単純撹拌機を用いて容易に行
える。溶解温度は、各々の高分子化合物、ワックスある
いはグリースの軟化温度よりも低くてもよいし、近くてもあるいはそれを超えて
もよい。当然、加熱システム付撹拌機を用いるコストを節約するため、もし可能
であるなら、室温において「高分子化合物溶液」を生成することが好ましい。「
高分子化合物溶液」は、後に、液体状態の温度で、あるいは流動点よりも低い温
度で、柔らかなペーストとして保存されてもよい。もう一つの可能性は、カルボ
ン酸混合物中で、各々の単量体、二量体及び/あるいは低重合体を重合すること
によって、その場所に所望の高分子化合物を調製することである。本発明におい
ては、多種多様な水不溶性あるいは僅かに水溶性の高分子化合物、共重合体、ブ
ロック共重合体、グラフト共重合体及びそれらの混合物が使用可能である。
カルボン酸は、酸及び/あるいは無水物及び/あるいはハロゲン化アシルの
形態において適用されてもよい。これらの形態を、ここでは全体的に「カルボン
酸化合物」として言及する。カルボン酸化合物は、主に、被覆に用いられる高分
子化合物、ワックス及び/あるいはグリースのための担体の役を務める。これら
の化合物が、固体の表面に被覆を沈殿させるために化学的に変化する形態、すな
わちカルボン酸塩、エステル及びアミドを、ここでは全体的に「カルボン酸誘導
体」として言及する。無水物は、後の操作において、それらが浸される水溶液中
の各々の酸よりも反応性が強い可能性があるという事実を認識すべきである。ハ
ロゲン化アシルは、ある特定の状態の下では反応性がより強く、腐食性がある。
一つ以上のCOOH基を含むカルボン酸を用いてもよいが、価格対性能比に基づいて
酸の適切な選択が行われるべきである。カルボン酸の炭素鎖が長ければ長いほど
、水への溶解度は低い。
カルボン酸、カルボン酸無水物及び/あるいはカルボン酸ハロゲン化物を各
々のカルボン酸塩に変化させるときに用いられる陽イオンの種類
によっては、工程の性能及び最終的な製品、すなわち、被覆された物の品質に顕
著な影響が現れることもある。例えば、Al+++、Ca++及びMg++は、これら陽イオ
ンが、水に僅かに溶けるパルミチン酸あるいはオレイン酸の塩を生成する間にプ
ロピオン酸の、非常に水溶性が高い塩を生成してしまうかもしれない。また、ア
ルカリ及びアンモニウム陽イオンは、石けんを生成し、支持体の表面に均等に被
覆を延展する助けとなるかもしれない。しかしながら、どのカルボン酸を、及び
/あるいはどの陽イオンを用いるかの選択を規定することは不可能である。種々
の成分を混ぜ合わせることで、時々、より良い価格対性能比が得られることがあ
る。
カルボン酸及び/あるいはカルボン酸塩及び/あるいはカルボン酸無水物及
び/あるいはハロゲン化アシルは、被覆生成中に、その場で、重合するかもしれ
ないし、あるいは重合しないかもしれない。あるいは被覆パウダーの生成中に部
分的に重合するかもしれない。この重合が起こるときは、重合開始剤の添加があ
っても、あるいはなくても、二量体化及び/あるいはオリゴマー形成及び/ある
いは重合化される。重合開始剤がもし添加されるなら、有機アゾ化合物、過カル
ボン酸塩等の有機過酸化水素化合物、過酸化水素、過硫酸塩、過炭酸塩及び過ホ
ウ酸塩等の無機過酸化物から選ぶ。
先に述べたように、支持体の表面を前処理することによって、適切な面に被
覆の的を絞ると共に、その面と被覆との化学結合を生じさせることが可能である
。
熟練者は、より適当な疎水性高分子化合物、ワックスあるいはグリースを選
択できるであろうが、多くの場合、高軟化温度及び高粘度の高分子化合物が好ま
しい。他の場合、支持体表面により良い結合を得るために、修正した、すなわち
、親水性あるいは疎水性の基が移植された高分
子化合物を用いる。また、高分子化合物の混合物を用いることも可能である。し
かしながら、この技術に熟練した者なら最適な選択が行えるであろう。
この技術に一般的に用いる他の添加剤を、有機及び無機の着色剤及びピグメ
ントから選ぶ。もちろん、他の、従来の添加剤も使用できる。望ましい操作方式
は、これらの添加剤を、適当なカルボン酸、「高分子化合物溶液」及び/あるい
は、被覆されるべき支持体に予め混ぜておくことである。
有機溶媒:
多くの場合、水及び水溶液には経済的及び技術的な利点が顕著であるけれど
も、多種多様な有機溶媒も、「高分子化合物溶液」から高分子化合物、ワックス
及び/あるいはグリースの沈殿を生じさせるために使用可能である。限定しない
が、例としては有機溶媒があり、これらは一般に、炭化水素(飽和及び不飽和、
環状及び非環状、線状及び分枝状、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエ
ン、キシレン等のハロゲン化物)、アルコール(例えば、メタノール、エタノー
ル、2−エチルヘキシルアルコール等)、アルデヒドあるいはケトン(例えば、
プロパナル(propanal)、アセトン、2−ブタノン、2−ヘキサノン(2-hexano
ne)等)、ニトリル(例えば、アセトニトリル等)、エーテル(例えば、エチル
エーテル、モノグリム(monoglyme)、ジグリム(diglyme)等)、エステル(例
えば、エチルアセテート、メチルアセテート、ブチルアセテート等)、アミド(
例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、及び/あるいはス
ルホンあるいはスルホキシド(例えば、スルホラン、ジメチルスルホキシド等)
のような官能基に従って分類される。一つ以上の官能基からなる一つ以上の溶媒
を用いることも可能で
ある(例えば、エチレン・グリコール、エチレン・グリコール・モノメチルエー
テル、ジエチレン・グリコール等)。さらに、有機溶媒の水溶液を、表面張力を
減らすために、あるいは特殊効果を得るために用いてもよい。
有機化学及び毎日の生産業務においては、溶媒をそれらの性質に応じて、次
のカテゴリーに従ってグループ分けするのが一般的である。極性/非極性及びプ
ロトン性/非プロトン性。種々の溶媒の特性が、結果的に、カルボン酸化合物と
の相互作用の種類に影響を与え、「高分子化合物溶液」の特性の修正へ、また、
高分子化合物、ワックス及び/あるいはグリースの沈殿へと導く。
極性あるいは非極性溶媒:
有機溶媒の極性は、官能基の種類によって、及び/あるいは疎水性炭化水素
部分の大きさによって影響を受ける。
プロトン性あるいは非プロトン性の溶媒:
有機溶媒の官能基の性質には、プロトン性(適用状態の下で陽子を寄付する
ことが可能である。例えば、アルコール等)、あるいは非プロトン性(適用状態
の下で陽子を寄付することが不可能である。例えば、ケトン、ニトリル、ジメチ
ルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド等)があるかもしれない。
これらのカテゴリーにおいて、トルエンは、非極性/非プロトン性の溶媒で
あるとみなされ、ジメチルスルホキシド(DMISO)は、極性/非プロトン性の溶媒
であるとみなされる(注記:水は、極性/プロトン性の溶媒であるとみなすこと
ができる)。プロトン性の溶媒は、カルボン
酸無水物及び/あるいはカルボン酸ハロゲン化物と反応する傾向が著しいため、
担体として機能することも、高分子化合物、ワックス及び/あるいはグリースを
溶解することもできない各々の生成物を生じて沈殿してしまう可能性がある。例
えば、アルコールは、カルボン酸無水物及び/あるいはカルボン酸ハロゲン化物
に反応して、各々のカルボン酸エステルを形成する。他方、(水のように)アル
コールは、カルボン酸とよく混ざり、物理的性質を変えるため、所望の被覆の形
成へと導くかもしれない。多くの場合、アミンは、カルボン酸、カルボン酸無水
物及び/あるいはカルボン酸ハロゲン化物と相互作用し、各々、カルボン酸塩あ
るいはアミドを形成するため、溶媒としてではなく、むしろ塩基性試薬として用
いられる。非プロトン性の溶媒を代表するアセトン、ジメチルスルホキシド、ジ
メチルアセトアミド及びアセトニトリルは、単に、適当なカルボン酸、カルボン
酸無水物及び/あるいはカルボン酸ハロゲン化物を溶解し、固体あるいはパウダ
ーに所望の被覆を生じる。
当然、このような溶媒の使用は、再生利用及び/あるいは正しい廃棄物処理
を必要とする。このような処理は、形成される微細なパウダーが高価である、及
び/あるいは水を用いる同種の代替的な選択肢がない場合に正当化できるかもし
れない。
ある場合には、水及び/あるいは有機溶媒は、また、酸あるいは塩基のよう
な適当な反応物の有無にかかわらず、高分子化合物、ワックス及び/あるいはグ
リースの化学変化を引き起こし、それらを沈殿させるかもしれない。しかし、こ
れは、カルボン酸化合物に影響を与えずに起こることはまずない。
「高分子化合物溶液」にあるいは溶媒に界面活性剤を添加することができる
し、または、先に述べたように、適当な塩基を、カルボン酸、カルボン酸無水物
及び/あるいはカルボン酸ハロゲン化物に反応させるこ
とによって、界面活性剤を形成することもできる。
多くの場合、高分子化合物、ワックス及び/あるいはグリースによって覆わ
れる固体あるいはパウダーは塩基性物質である。このような場合、これらの固体
あるいはパウダーを高分子化合物溶液に接触させることによって、カルボン酸化
合物と反応させ、高分子化合物、ワックス及び/あるいはグリースを固体あるい
はパウダーの表面に沈殿させることも可能である。他の場合、カルボン酸化合物
との反応を開始させて高分子化合物、ワックス及び/あるいはグリースの沈殿を
もたらすために、被覆されるべき固体あるいはパウダーの表面を、高分子化合物
溶液の適用の前に塩基性に変えることができる(例えば、フルオライド及び/あ
るいは塩基性ケイ酸塩で表面改質されたガラス)。上記に表された現象は、適当
な溶媒の存在あるいは不在で実行可能である。「高分子化合物溶液」からの固体
あるいはパウダーへの高分子化合物、ワックス及び/あるいはグリースの沈殿は
、水あるいは溶媒が用いられるときでさえ、時間がかかるかもしれないことに注
意すべきである。したがって、種々の方法で被覆工程を操作することが可能であ
る。例えば、被覆される固体を、最初に「高分子化合物溶液」に、後に溶媒及び
/あるいは適当な試薬に接触させる、最初に溶媒及び/あるいは試薬に、後に「
高分子化合物溶液」に接触させる、すべての成分が同時に添加する被覆工程中に
、「高分子化合物溶液」、溶媒及び/あるいは試薬の混合物に接触させる、ある
いは、「高分子化合物溶液」、溶媒及び/あるいは試薬が一緒に混ぜられ、適用
前に短時間撹拌の下に保たれた混合物に接触させることができる。ここでの短時
間を、高分子化合物、ワックス及び/あるいはグリースの沈殿工程が未だに起こ
りうる時間であると、最適に定義する。
特に重要な操作方式は、その場で同時に、製品の微細な粒子が形成されて、
沈殿する高分子化合物、ワックス及び/あるいはグリースによっ
て覆われるという連続的な(及び半連続的な)工程である。限定せずに、このよ
うな工程の例としては、カルシウム水酸化物のスラリー、「高分子化合物溶液」
及び二酸化炭素が浮選機の中に同時に送られるPCC(沈殿したカルシウム炭酸塩
)の生成がある。
この新規の技術を操作するための多数の選択肢があるため、各々の事例に応
じて、この技術に熟練した者は、最適な操作を行うことが可能である。
次の、非限定的な実施例の説明から、本発明による、上記すべての、そして
他の特性及び利点がより良く理解できる。
実験データ
原材料
カルボン酸あるいは脂肪酸
−アルドリッチ(Aldrich)のプロピオン酸 FA-1
−アルドリッチのカプリル酸 FA-2
−アルドリッチのカプリン酸 FA-3
−アルドリッチの2−エチルカプロン酸 FA-4
−アリゾナ・ケミカル社(Arizona Chemical Co.)
のトール油。 FA-5
−アルドリッチのラウリン酸 FA-6
−アルドリッチのパルミチン酸酸 FA-7
−アルドリッチのオレイン酸 FA-8
−アルドリッチのバレリアン酸 FA-9
−アルドリッチのニトリロ三酢酸(NTAH3) FA-10
−フルーカ(Fluka)の無水フタル酸 FA-11
−フルーカの無水マレイン酸 FA-12
−アルドリッチの2−エチルヘキサノイル・クロリド
(2-ethylhexanoyl chloride) FA-13
高分子化合物、ワックス及びグリース
−アーライド・シグナルのポリエチレン、等級 6-A POL-1
−アーライド・シグナルのポリエチレンアクリル酸共重合体、
等級 540-A POL-2
−アーライド・シグナルのポリエチレングリース、等級 1702 POL-3
−アーライド・シグナルのポリエチレンアクリル酸共重合体、
等級 5180 POL-4
−イーストマン・コダック社のエポレン・ワツクス、
等級 E-43 POL-5
−カルメル・オレフィンのLDPE、等級 Ipethene-900 POL-6
有機の溶媒
飽和及び不飽和炭化水素
−アルドリッチのトルエン
−アルドリッチのヘキサン
−アルドリッチのシクロヘキサン
アルコール
−アルドリッチのエタノール
−アルドリッチのジエチレン・グリコール
アルデヒドあるいはケトン
−アルドリッチのアセトン
−アルドリッチのエチルメチルケトン
エーテル
−アルドリッチのジグリム
−アルドリッチのモノグリム
エステル
−アルドリッチのエチルアセテート
ニトリル
−アルドリッチのアセトニトリル
アミド
−アルドリッチのジメチルアセトアミド
スルホンあるいはスルホキシド
−アルドリッチのスルホラン
−アルドリッチのジメチルスルホキシド
無機物質
−焼成MgO、ギリシャ・マグネサイトの製品、等級「ノーマルF」、「MgF」
−オーウェン−コーニングのガラス繊維、直径10から13ミクロン、
公称長L=4.5mm
−フルタロム(Frutarom)のカルシウム水酸化物(Ca(OH)2)
−フルタロムのカリウム硫酸塩(K2SO4)
−フルタロムのカリウム塩素イオン(KCl)
−アルドリツチのモノ・アンモニウムリン酸塩(MAP)
−ロテム・ファーテライザー社(Rotem Fertilizers Ltd)のトリプル
・スーパー・リン酸塩(TSP)
−d=1.2g/cm3の密度を持つMgSO4溶液、H2O/MgSO4比=3.1
−d=1.267から1.27g/cm3の密度を持つMgCl2溶液、
H2O/MgCl2比=2.61
−イスラエル、ポリクロム(Polychrom)のCaCO3パウダー(d50=
5ミクロン)、「ギルライト−10(Girulite-10)」
−イスラエル、ポリクロムのCaCO3パウダー(d50=18ミクロン)、
「ギルライト−40」
−フルーカのケイ酸ナトリウム溶液(14% NaOH及び27% SiO2)
−リーデル・デ・ハエン(Riedel-de Haen))の塩化第二鉄(FeCl3)
−リーデル・デ・ハエンの硫酸第一鉄(FeSO4 7H2O)
−スペイン、モニプレット&エストバン(Moniplet & Estban S.A)の
アルミニウム(Al)金属パウダー、等級Panreac/P.R.S
高純度の原材料であることが特に重要ではなく、市場で入手可能な素材を用
いることができる。
例1
カルボン酸での高分子化合物溶液の調合
カルボン酸及び/あるいはカルボン酸無水物及び/あるいはカルボン酸ハロ
ゲン化物に高分子化合物、グリース及びワックスを溶解するために、マグネチッ
ク・スターラ、ヒーター及び温度計が備えられたガラスビーカが用いられた。各
高分子化合物、グリース及びワックスの軟化温度よりも極めて低い温度範囲にお
いて最高30分間溶解を施した。比較的に低粘度の明瞭で透明な液体が得られた
。下記表1にいくつかの例を示す。
備考:
1.酸、酸無水物とまたハロゲン化アシル。
2.溶液の粘度は、例えば、温度を下げることによって、あるいは高分
子化合物濃度を増やすことによって、上げてもよい。特定な組合わせ(例えば、
高分子化合物と酸)及び成分の相対濃度に応じて、柔らかで安定なペーストを室
温において得ることが可能である。
例2
表面被覆Mg(OH)2微細パウダーの生成
表面被覆Mg(OH)2微細パウダーを次の方法で得た。
1バッチの原材料
−100gの焼成 MgO
−100gの50℃の水
−1.5gのプロピオン酸(FA-1)
−2.0gのMgSO4塩水
−2.0gの、トール油(FA-5)+エポレン・ワックス(POL-5)溶
液(各々80重量%及び20重量%)
温水とMgOをビーカに入れた(例1を参照)。試験中、温度を50℃に保ち
スラリーをかきまわした。その後、他の複数の試薬を、かきまわしたスラリーに
同時に加え、その混合物を40分間撹拌した。その後、スラリーをろ過し(上澄
みのpHは9.5から10の範囲にあった)、固形物を110℃のオーブンの中
で15時間乾燥した。乾いた固まりを微細なパウダーへと崩壊させた。
この微細なパウダーに対して次の試験を行った。
1.XRDによって、製品が水滑石(Mg(OH)2)であることが明らかになった。
2.SEMによって、0.5ミクロン(平均)の六角形結晶が確認された。
3.修正ハリモンド・チューブを用いた浮遊度試験(よく知られた浮遊度試験
−「ミネラル処理」"Mineral Processing"; E.J.Pryor;
Third Ed.; Elsevier Publishing Co.; 1965; pp.463-468を参照)によって、
100%表面被覆された生成物(すなわち、疎水性水滑石の微細な粒子)が明ら
かにされた。
例3
A.水中での表面被覆ガラス繊維の生成
表面被覆ガラス繊維を次の方法で得た。
1バッチの原材料
−100gのガラス繊維
−550gの50℃の水
−0.5gのケイ酸ナトリウム溶液
−2.0gのMgSO4塩水
−3.0gの、オレイン酸(FA-5)+エポレン・ワックス(POL-5)
高分子化合物溶液(各々80重量%及び20重量%)
−0.5gの焼成 MgO
温水とガラス繊維をビーカに入れた(例2を参照)。かきまわした混合物に
、10分後にケイ酸ナトリウム溶液とMgSO4塩水とを添加し、さらに2分間撹拌
した(そのとき混合物のpHは〜9であった)。高分子化合物溶液を添加し、混合
物をさらに6分間撹拌した。その後、MgO添加し、混合物をさらに2分間撹拌し
た。実験全体を50℃において行った。
ガラス繊維をろ過し、110℃のオーブンで15時間乾燥した。
乾いた固まりに、修正ハリモンド・チューブを用いた浮遊度試験(よく知ら
れた浮遊度試験−「ミネラル処理」"Mineral Processing"; E.J.Pryor; Third
Ed.; Elsevier Publishing Co.; 1965; pp.463-468を参照)を行った。その結
果、100%表面被覆の生成物(すなわち、
疎水性のガラス繊維)が明らかにされた。
B.有機溶媒中での表面被覆ガラス繊維の生成
表面被覆ガラス繊維を次の方法で得た。
1バッチの原材料
−100gのガラス繊維
−550gの有機溶媒
−3.0gの、プロピオン酸(FA-1)+エポレン・ワックス(POL-5)
高分子化合物溶液(各々80重量%及び20重量%)
有機溶媒とガラス繊維とをビーカに導入した(例2を参照)。混合物を10
分間撹拌し、高分子化合物溶液を添加し、混合物をさらに5分間撹拌した。実験
全体を30℃において行った。
ガラス繊維をろ過し、100℃の真空オーブン(30mmHg)で15時間乾燥
した。
乾いた固まりに、修正ハリモンド・チューブを用いた浮遊度試験(よく知ら
れた浮遊度試験−「ミネラル処理」"Mineral Processing"; E.J.Pryor; Third
Ed.; Elsevier Publishing Co.; 1965; pp.463-468を参照)を行った。
その結果、100%表面被覆の生成物(すなわち、疎水性ガラス繊維)が確
認された。
次の溶媒が用いられた。エタノール、ジエチレン・グリコール、モノグリム
、ジグリム、アセトニトリル、アセトン、エチルメチルケトン、エチルアセテー
ト、ジメチルスルホキシド、スルホラン。
もう一つの高分子化合物溶液で実験を繰り返した。
−3.0gの、オレイン酸(FA-5)+エポレン・ワックス(POL-5)
の高分子化合物溶液(各々80重量%及び20重量%)。
次の溶媒を用いた。ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、アセトニトリル
、アセトン、エチルメチルケトン、エチルアセテート。
得られた結果は、上記に得られたものと実用的に同じであった。
例4
表面被覆カルシウム炭酸塩の生成
イスラエル、ポリクロムのCaCO3パウダー(d50=5ミクロン)、「ギルラ
イト−10」を、次のようにいくつかの高分子化合物溶液によって被覆した。
400gのカルシウム炭酸塩と200gの水とを、レッチ(Retch)KM-1撹
拌機で混ぜ、次の素材を導入した。
1.pHが9.0から9.5の範囲に到達するまでCa(OH)2パウダー
2.4gのMgSO4塩水
3.表2で指定した高分子化合物溶液
スラリーを5分間さらに混ぜた。生成物をろ過し、110℃において
15時間乾燥した。乾燥した生成物をパウダーに崩壊させ、得られた被覆の品質
をチェックするために、修正ハリモンド・チューブ試験(よく知られた浮遊度試
験−「ミネラル処理」"Mineral Processing"; E.J.Pryor; Third Ed.; Elsevie
r Publishing Co.; 1965; pp.463-468を参照)を行った。試験された全試料は
、100%疎水性であることが確認された。
例5
遅効性肥料の生成
遅効性肥料の顆粒を、次のように三段階で調製した。
1.顆粒を生成し、マグネサイト・セメントによって被覆された物質を生成す
るために、肥料及び他の添加剤を混合する。
2.(段階1の)上記物質の顆粒化し、+3.5から2.0mmの大きさの顆粒
肥料を得るためにふるいがけする。
3.高分子化合物溶液で(段階2の)顆粒を被覆し、硬化する。
段階1
第一段階は、実験室用撹拌機、レッチ型KM-1で行われた。表3及び表4に表
された物質は、この段階の生成物である。
備考:
(1)イスラエル、ポリクロムのCaCO3パウダー(d50=18ミクロ
ン)「ギルライト−40」
(2)FeSO4 7H2Oを用いた。
段階2及び3
上記の段階の生成物をふるいにかけ、回転式造粒皿の中で、所望の顆粒を、
適当な高分子化合物溶液をかけることによって被覆した。その後、造粒機内で、
この顆粒にMgOの微細なパウダーを振りかけた。これにより、対応するカルボン
酸との化学反応が生じ、肥料の表面にカルボン酸塩及び高分子化合物の沈殿が起
こった。顆粒の表面はすぐに硬くなり、生成物はパッケージングを待つだけの状
態になった。しかし、マグネサイト・セメントは、更に7日間硬化し続けた。適
用された高分子化合物溶液(80重量%のカルボン酸と20重量%の高分子化合
物を含む)を表5に示す。
第3段階は、生じた肥料を、次のように評価することであった。
先の段階の被覆され、そして堅くなった肥料を、22℃の水に浸した(1:
10の重量比)。5日後に、ぬれた肥料から水を取り除き、それから24時間、
70℃で乾燥した。表6にその結果を示す。これには非被覆肥料の比較試験も含
む。
備考:
(1)試験における肥料の初期重量。
(2)水に5日間入れた後の乾燥肥料の重量。
例6
金属被覆高分子化合物の生成
原材料
−500gのLDPE(POL-6)
−4gの高分子化合物溶液(3gのトール油酸+1gのエポレン・ワッ
クスを含む)
−1gのアルミニウム金属パウダー
−1gのMgOパウダー
LDPE顆粒を造粒皿内で回転させた。その後、高分子化合物溶液をL
DPEに噴霧し、薄い接着性を持つ層を形成した。その後、この被覆顆粒に、均質
な金属被覆を施すために、アルミニウム・パウダーを振りかけた。最後に、MgO
の微細なパウダーを顆粒の上に振りかけ、被覆層の即時硬化を起こさせた。
この段階において、アルミニウムで均等に被覆されたLDPE顆粒が得られた。
顆粒からアルミニウム・パウダーをふき取ろうとする如何なる試みも無駄であっ
た。
上記すべての説明及び例は、具体的に示すために提供されており、本発明を
限定するものではない。本発明の範囲を超えることなく、種々の表面改質ミネラ
ルを提供するために、種々の手法、工程及び添加剤で多くの改良が行える。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1997年9月4日
【補正内容】
明細書
被覆材料で固形物を被覆するための工程および
被覆材料で表面を被覆した固形物を生成するための工程発明の分野
本発明は、被覆を形成する元の原材料の軟化温度よりも低い温度において、
無機及び有機固形物を、高分子化合物、ワックス及びグリースで被覆する新規な
処理に関する。この処理は、特に、Al、Cu、MgO、滑石(3MgO 4SiO2 H2O)、Mg(OH
)2、CaCO3、CaMg(CO3)2、MgCO3、Ca(OH)2、TiO2、Al2O3、SiO2、CaSO4、Al(OH)3
、セルロース繊維、紙、ガラス繊維、アルミナ繊維、髭結晶及び小板、SiC繊維
、髭結晶及び小板、TiN繊維及び髭結晶、酸化物、炭化物及び窒化物の形態にあ
る他のセラミック・パウダーそしてそれらの混合物等の有機及び無機物質の表面
被覆パウダーを調製するのに重要である。また、これは、表面被覆肥料の調製の
ためにも重要な処理であり、肥料の固化を防ぐために、及び/あるいはKNO3、KC
l、(NH4)2SO4、K2SO4、(NH4)H2PO4、(NH4)2HPO4、尿素等そしてそれらの混合物
等の遅効性肥料を得るために用いられる。
本発明は、高分子化合物、ワックスあるいはグリースで被覆された材料を生
産するための方法及び用途に関する。本発明は、種々の他の物質、主に、ミネラ
ル、プラスチック及びセルロースとの適合性及び性能が改善されたパウダーの生
成を可能にすると共に、生成コストを削減する。また、本発明は、非慣習的なそ
して安価な方法で二つ以上の異なる物質を接着することを可能にする。
本発明は、特に、肥料工業に重要であると共に、セメント(建設)産
業、製紙工業、繊維工業、化粧品工業、接着剤工業、塗装工業、窯業、プラスチ
ック及びゴム工業等におけるパウダー生成に重要である。発明の背景
表面改質パウダーの用途
ミネラルの選鉱及び生産、また、特に表面改質後の、プラスチック配合、製
紙工業、窯業、塗装工業等における用途に関する特許、論文、論評及び本がたく
さんある(例えば、「ミネラル処理」"Mineral Processing"; E.J.Pryor; Els
evier Publishing; Third Ed.; 1965 )(例えば、「CaCO3充填材−市場傾向及び
開発」"CaCO3 Fillers‐Market Trends and Developments"; J.Revert'e i Vid
al; Industrial Minerals; November 1994、「プラスチツク配合−ミネラルと高
分子化合物との合体」"Plastic Compounding‐Where Mineral Meets Polymer";
M.O'Driscoll; Industrial Minerals; December 1994、「ミネラル充填材の表
面改質」R.Goodman; Industrial Minerals; February 1995、「プラスチック及
びゴムに対するマグネシウム水酸化物難燃剤(NHFR)」"Magnesium Hydroxide F
lame Retardant(NHFR)for Plastics and Rubber"; O.Kalisky et al; Chimic
a Oggi/Chemistry Today; June 1995を参照)。上記の文献は、多種多様な用途
に用いられる微細なパウダーの物理的性質、特に表面特性についての重要性を表
している。
粉砕
パウダーは、例えば、紙及びプラスチック産業での充填材及び難燃剤、セラ
ミックス及びセメントの原材料、化粧品の成分等として多数の用途にかなり用い
られている。パウダーを効果的に用いるためには、パウダ
ーの粒度分布を制御しなければならない。通常、減らさなければならない。また
、パウダーの表面特性も、パウダーが用いられる支持体の表面特性との適合性が
必要である。
粉砕技術としては、材料の研削あるいは磨砕が一般的な方法である。しかし
ながら、これらの方法は、特にサブミクロン範囲において粒子の高表面積率が凝
集の割合を増すので高いエネルギーの消費を必要とする。このような操作は、生
産性が低く、また、最終的に得られる微細パウダーの汚染を最小にすると共に高
い摩耗に耐える特別な材料から作られた設備を必要とするため高いコストとなる
。通常、この技術では二つの工程、乾式及び湿式の研削あるいは磨砕が用いられ
る。両タイプの工程の生産速度を増し、より良質の研削あるいは磨砕を得るため
に、通常、ヘキサメタ燐酸ナトリウム等の分散剤などを用いる。
微細なパウダーを得るためのもう一つの方法は、適当な反応物を作用させる
ことによって、パウダーの再結晶あるいは沈殿を制御することである。
上記の場合、微細なパウダーのスラリー全てが安定している、すなわち、微
細な粒子が凝集せず、長い期間の後でさえも固体が分離あるいは沈殿しないとい
うことが重要である。また、最終的な乾いた細かなパウダーがさらさらしている
ことが要求される。他の方法において、これを、高分子化合物、ワックスあるい
はグリースで微細な粒子を覆うことによって達成することが可能である。しかし
ながら、優れた被覆材料においては、貯蔵中にあるいは正規の使用で被覆が剥げ
るのを避けるために、通常、軟化温度が非常に高い。したがって、被覆材料が、
適用される時点の比較的に低い温度においては低い粘度を持ち、適用後にはその
粘度がかなり高くなる被覆材料の使用が望まれる。さらに、硬化工程の前にその
被覆が、特に被覆面に引き付けられる性質があることが望まれる。
同出願者によって、1995年4月6日に出願された最近のイスラエル特許
出願第IL113283号には、参照としてここにその説明が含まれるが、微細
なパウダーの生成を改善するために、あるカルボン酸塩の使用が開示されている
。
ガラス繊維
ガラス繊維は、材料を強化するために大規模に用いられる。しかし、ガラス
繊維の効果的な適用は、表面特性を修正する能力、及び繊維を周囲と適合性があ
る材料に変質させる能力に依存するものである。これは、ガラス繊維がプラスチ
ックやセメントに適用されるときに特に明らかである。例えば、ポルトランド・
セメントを補強するためにガラス繊維を用いる試みは、アルカリ性のセメントが
ガラスを侵食し、その製品を分解するため失敗することになる(「E−ガラス繊
維で強化された、種々のセメント・マトリックス複合材料の耐久性」("Durabi1
ity of E-Glass Fibre Reinforced Composites with Different Cement Matrice
s"; by K.Kolver and A.Bentur of the National Building Research Institu
te; the Technion-Israel Institute of Technology; Haifa; Israel and l.Od
ler of the Institute of Non-Metallic Materials; the Technical University
-Clausthal; Clausthal,Germany)を参照)。
当然、上記の問題は、K.コルベル(K.Kolver)氏らの論文に表された方
法を含めて、種々の方法によって解決可能であるが、従来の技術では、単純に、
安価に、且つ容易に実施可能な解決方法を提供することはできない。MgO、Al2O3
、SiC、TiN等の繊維、ウイスカ及び小板のような他の補強剤を用いるときに同様
の問題に突き当たる。
金属パウダー
金属パウダーは、プラスチック工業において大規模に用いられている。しか
し、金属パウダーは、それらが均等に分配されるべき疎水性のプラスチックに対
して、金属パウダー表面の適合性がないため、単に微細な粒子を、溶けた高分子
化合物、ワックスあるいはグリースに混ぜることによって表面改質金属パウダー
のマスターバッチを調製するという方法には欠点がある。結局、金属パウダーは
、使用前の保存温度で、被覆が高い粘度を示すべきであり、さもないと、被覆が
ずれる、あるいは微細な粒子が凝集してしまうことになる。
単純で安価な方法及び装置を用いて、解決しなければならないもう一つの課
題は、金属表面への被覆の粘着品質である。従来の技術では、所望の製品を得る
ために、高温において強力な高剪断撹拌機を用いる。しかしながら、この方法は
、未だに、比較的に低い粘度の高分子化合物にかなり限定されており、過熱設備
を必要とするばかりでなく、金属パウダーへの被覆の十分な粘着が得られない。
この問題を解決するもう一つのアプローチとしては、所望の表面に被覆を形成し
ながら、被覆の重合度を増加させることである。このアプローチは、非常に洗練
されており、工程中の異なるステップを非常に正確に同期化することを要求する
。
遅効性肥料
本発明者に、最近、遅効性肥料の新しい生成方法の特許が付与された(米国
特許第5,630,861号、付与日1997年5月20日)。この方法には、
改善されたマグネサイト・セメントが用いられている。また、この特許において
は、水不溶性物質で被覆された水溶性肥料を形成するという従来の技術を再検討
する公報に言及している。
概して、このような肥料は、EP0276179において明らかにさ
れたように、少なくとも二つの異なる層で被覆される。カルボン酸塩が各々の肥
料の上に被覆され、その後、この第一の層の上にワックスが被覆される。この第
二の層は、高温において適用されるか、あるいはワックスが低融点のものである
かの、いずれかである。この問題は、尿素が遅効性肥料に変えられる場合、その
低融点が高融点のワックスの使用を不可能にするため、特に重要である。この第
二層によつて、農場の倉庫や畑の厳しい状況下で貯蔵中に、尿素顆粒の凝集が起
こるかもしれない。
第二被覆層が形成されるに好ましい比較的に低い温度において、低粘度のワ
ックスを用いて、工程中の後の段階で、これを、単純で安価な方法によって高粘
度層に変質させることを可能にすることが望まれるのは明白である。
CaCO3 パウダー
典型的で最も重要な例としては、粉末のCaCO3がある。プラスチック及び製
紙工業における主要な充填材としての性能を改善するために、方解石の表面特性
を知り、それを変更する方法を理解することが、最も重要である。さらに、電導
性及び熱伝導性を改善するためにAl、あるいは輝度を改善するためにTiO2のよう
な他の微細なパウダーを含む適当な高分子化合物、ワックスあるいはグリースで
方解石の表面被覆を効率的に行う工程が望まれている。
Mg(OH)2 パウダー
この材料は、プラスチックに難燃剤として用いられる、緩やかな塩基であり
、水とMgOとの加水分解によって生産されてもよい。原材料及び製品の表面が変
質される状態下で加水分解を行うことによって、生産速度をかなり向上させると
共に、脂肪酸塩及び/あるいは高分子化合物、
ワックスあるいはグリースで既に表面被覆された単一結晶を主に含むパウダーを
得ることが可能になる。水滑石の表面被覆の操作は、方解石の前記ケースと同様
の方法で行うことが可能である。
Al(OH)3 パウダー
この材料は、種々の用途に用いられるが、プラスチックの難燃剤としての用
途があり、水とAl2O3との加水分解によって生成されてもよい。原材料及び製品
の表面が変質される状態下で加水分解を行うことによって、生産速度をかなり向
上させると共に、脂肪酸塩及び/あるいは高分子化合物、ワックスあるいはグリ
ースで既に表面被覆された単一結晶を主に含むパウダーを得ることが可能になる
。Al(OH)3の表面被覆の操作は、方解石及び水滑石の前記ケースと同様の方法で
行うことが可能である。
多くの物質、例えば、CaMg(CO3)2、MgCO3、滑石(3MgO・4SiO2.H2O)、Ca(OH)2
、CaCO3、TiO2、Al2O3、SiO2及びCaSO4について、パウダー・ミネラルの親水性
面を疎水性のものに変えたいという要望がある。
驚くべきことに、有機及び無機パウダー(例えば、Al、Cu及びMnのような金
属、MgO、滑石(3MgO・4SiO2・H2O)、Mg(OH)2、CaCO3、CaMg(CO3)2、MgCO3、Ca(OH)2
、Al2O3、Al(OH)3、TiO2、SiO2、CaSO4のような自然の、そして人工のミネラル
、セルロース、ガラス、アルミナ、MgO、SiC、TiC、TiNの繊維、ウイスカ及び/
あるいは小板、KNO3、KCl、K2SO4、(NH4)2SO4、(NH4)H2PO4、(NH4)2HPO4、尿素
のような肥料、キナクリドン、鉄あるいは銅のミネラル酸化物等のような無機及
び有機ピグメント)の表面が、比較的に低い温度において、液体あるいは低粘度
の蝋様物質である「被覆溶液」で被覆可能であり、これらの被覆が、単純な、化
学的あるいは物理的な相互作用によって硬い
高粘度物質に変質可能であることが発見された。
本発明の目的は、高品質の高分子化合物、ワックスあるいはグリースで被覆
された微細なパウダー、繊維、ウイスカ、小板及び/あるいは顆粒を生産するた
めの安価で単純な方法を提供することである。
さらに、本発明の目的は、適当なカルボン酸塩及び他の添加剤で覆うことに
よつて、これらの粒子を改善する方法を提供することである。
さらに、本発明の目的は、通常の安価な原材料及び設備を用いることによっ
て、これらの被覆粒子を生産する方法を提供することである。
さらに、本発明の目的は、この新規の被覆方法によって得られたこれらの被
覆粒子の用途を実証することである。
本発明の他の目的及び利点は、説明が進むにつれ明らかになる。本発明の概要
驚くべきことに、非常に低い温度、すなわち、各々の純粋な高分子化合物の
軟化点よりもかなり低い温度において、カルボン酸に極度に溶解性があるポリエ
チレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、シリコンゴム、エチレン−アクリル酸共
重合体、エチレン−マレイン酸共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体のような
、また、他の多くの僅かに水溶性の高分子化合物、ワックス及び/あるいはグリ
ースのカルボン酸溶液が、かなり容易に、また、経済的に、固体の表面、特に微
細なパウダーの表面に薄膜あるいは厚膜として延展可能であることが発見された
。さらに、これらの低粘度液を、その中にある高粘度物質を沈殿させるために、
単に、適当な塩基性試薬、例えば、アンモニア及び無機塩基の水溶液と反応させ
てカルボン酸をカルボン酸塩の形態に変えることによって改質することも可能で
あることが発見された。択一的に、適当なカルボン酸は、水性媒体にも溶かすこ
とができ、所望の表面上に高分子化合物の沈殿を
生じさせることも可能である。
ここに用いた用語「僅かに水溶性である」は、被覆物質として用いられる高
分子化合物、ワックス、あるいはグリースは、不溶性であるか、あるいは単に僅
かに水溶性であるかのいずれかであることを意味する。
本発明は、高分子化合物、ワックスあるいはグリースの硬く接着性のある疎
水性の薄膜で、多くの微細なパウダーの親水性の表面を被覆することに関連する
、従来の技術に優る次の主要な改善に導くものである。
1.高分子化合物の延展を、従来の技術で必要とされるような加熱システムが
備えられた非常に強力な高剪断撹拌機を用いることなく、単純な撹拌機で行うこ
とができる。
2.微細な粒子を覆うために用いられる高分子化合物がかなり高い温度におい
てのみ溶解可能であっても、被覆処理を、比較的に低い温度、室温においてでさ
えも実行可能である。これは、多くの種類の高分子化合物の、より適した選択を
可能にする、すなわち、非常に高い軟化温度範囲を持つものであっても、比較的
に低融点範囲の物質を覆うことが可能となる。例えば、イーストマン・コダック
社のエポレン(Epolene)ワックスE-43で尿素顆粒を被覆するのには、尿素粒子
を融解させないで行うことは不可能である(この場合、適当な有機溶媒に溶けた
高分子化合物を適用することは経済的に無理がある)。高融点のワックスで封入
可能な、また、封入されるべき物質がかなり多種多様にあるが、高分子化合物が
水に乳化されない、あるいは不活性の溶媒が用いられない限り、これは不可能で
ある。これらは、工程の最後に高いコストをかけてリサイクルされなくてはなら
ず、また、環境及び製品の汚染を起こす可能性がある。
3.前もって表面改質された表面を予め選択し、高分子化合物の沈殿、及び通
常それと共にカルボン酸塩の沈殿をその表面に向けてやること
が可能である。これは、完全な被覆がより少ない高分子化合物で得られるので、
被覆材の量をかなり節約することができる。
本発明は水あるいは水溶液に全く限定されない。被覆されるべきパウダーの
表面が塩基性(例えば、金属、金属酸化物及び金属水酸化物、及び金属炭酸塩)
である場合には、実際に溶媒がなくともカルボン酸との間に化学反応が生じるた
め、被覆溶液からこれら活性表面上に、高分子化合物、ワックス及び/あるいは
グリースの沈殿を起こす。
本発明によれば、次の場合に有機溶媒が適用可能である(そして適用すべき
である)。
a.被覆パウダーの化学的性質が水性媒体の使用を禁じる。
b.生成される被覆に要求される品質が、無溶剤の操作で、あるいは水性媒体
で得ることが不可能である。
そして、当然、
c.溶媒の再生利用を含めて、これらの操作(a.及びb.)が経済的に採算
が取れることが好ましい。
したがって、本発明は、無機及び有機性固体の上に、及び/あるいは間に、
高分子化合物、ワックスとグリースを被覆するための新規の工程に関するもので
あり、この被覆は、通常、被覆を形成するこれらの元の原材料の軟化温度よりも
ずっと低い温度において行われるものである。
本発明の工程は、特に、Al、Cu、Mn、MgO、滑石(3MgO・4SiO2・H2O)、Mg(OH)2
、CaCO3、CaMg(CO3)2、MgCO3、Ca(OH)2、TiO2、AlO3、SiO2、CaSO4、Al(OH)3等
の無機物質、セルロース、ガラス、アルミナ、マグネシア、セラミック炭化物の
繊維、ウイスカ及び/あるいは小板、SiC及びTiC等、TiN等のセラミック窒化物
、そしてそれらの混合物の表面被覆パウダーの調製のために重要である。また、
これは、さらさらした表面被覆肥料、特に、KNO3、KCl、(NH4)2SO4、K2SO4、
(NH4)H2PO4、(NH4)2HPO4、尿素等、そしてそれらの混合物からなる遅効性肥料の
調製にも重要な工程である。
本発明は、特に、高分子化合物、ワックスあるいはグリースで覆われた物質
の生成方法及び用途に関する。本発明は、種々の他の材料、主に、ミネラル、プ
ラスチック及びセルロースとの性能及び適合性が改善されたパウダーを生産する
ことを可能にし、それらの生産コストを下げるものである。また、本発明は、新
規で安価な方法によって、二つ以上の異なる物質を接着することを可能にする。
本発明は、肥料工業に、また、セメント(建設)産業、製紙工業、化粧品工
業、接着剤工業、塗装工業、窯業、プラスチック及びゴム産業等におけるパウダ
ー生産に特に重要である。実施例の詳細な説明
適当な高分子化合物、ワックス及び/あるいはグリースを適当なカルボン酸
と混ぜることによる「被覆溶液」の調製は単純撹拌機を用いて容易に行える。溶
解温度は、各々の高分子化合物、ワックスあるいはグリースの軟化温度よりも低
くてもよいし、近くてもあるいはそれを超えてもよい。当然、加熱システム付撹
拌機を用いるコストを節約するため、もし可能であるなら、室温において「被覆
溶液」を生成することが好ましい。「被覆溶液」は、後に、液体状態の温度で、
あるいは流動点よりも低い温度で、柔らかなペーストとして保存されてもよい。
もう一つの可能性は、カルボン酸混合物中で、各々の単量体、二量体及び/ある
いは低重合体を重合することによって、その場所に所望の高分子化合物を調製す
ることである。本発明においては、多種多様な水不溶性あるいは僅かに水溶性の
高分子化合物、共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体及びそれらの混
合物が使用可能である。
カルボン酸は、酸及び/あるいは無水物及び/あるいはハロゲン化アシルの
形態において適用されてもよい。これらの形態を、ここでは全体的に「カルボン
酸化合物」として言及する。カルボン酸化合物は、主に、被覆に用いられる高分
子化合物、ワックス及び/あるいはグリースのための担体の役を務める。これら
の化合物が、固体の表面に被覆を沈殿させるために化学的に変化する形態、すな
わちカルボン酸塩、エステル及びアミドを、ここでは全体的に「カルボン酸誘導
体」として言及する。無水物は、後の操作において、それらが浸される水溶液中
の各々の酸よりも反応性が強い可能性があるという事実を認識すべきである。ハ
ロゲン化アシルは、ある特定の状態の下では反応性がより強く、腐食性がある。
一つ以上のCOOH基を含むカルボン酸を用いてもよいが、価格対性能比に基づいて
酸の適切な選択が行われるべきである。カルボン酸の炭素鎖が長ければ長いほど
、水への溶解度は低い。
カルボン酸、カルボン酸無水物及び/あるいはカルボン酸ハロゲン化物を各
々のカルボン酸塩に変化させるときに用いられる陽イオンの種類によっては、工
程の性能及び最終的な製品、すなわち、被覆された物の品質に顕著な影響が現れ
ることもある。例えば、Al+++、Ca++及びMg++は、これら陽イオンが、水に僅か
に溶けるパルミチン酸あるいはオレイン酸の塩を生成する間にプロピオン酸の、
非常に水溶性が高い塩を生成してしまうかもしれない。また、アルカリ及びアン
モニウム陽イオンは、石けんを生成し、支持体の表面に均等に被覆を延展する助
けとなるかもしれない。しかしながら、どのカルボン酸を、及び/あるいはどの
陽イオンを用いるかの選択を規定することは不可能である。種々の成分を混ぜ合
わせることで、時々、より良い価格対性能比が得られることがある。
カルボン酸及び/あるいはカルボン酸塩及び/あるいはカルボン酸無
水物及び/あるいはハロゲン化アシルは、被覆生成中に、その場で、重合するか
もしれないし、あるいは重合しないかもしれない。あるいは被覆パウダーの生成
中に部分的に重合するかもしれない。この重合が起こるときは、重合開始剤の添
加があっても、あるいはなくても、二量体化及び/あるいはオリゴマー形成及び
/あるいは重合化される。重合開始剤がもし添加されるなら、有機アゾ化合物、
過カルボン酸塩等の有機過酸化水素化合物、過酸化水素、過硫酸塩、過炭酸塩及
び過ホウ酸塩等の無機過酸化物から選ぶ。
先に述べたように、支持体の表面を前処理することによって、適切な面に被覆
の的を絞ると共に、その面と被覆との化学結合を生じさせることが可能である。
熟練者は、より適当な疎水性高分子化合物、ワックスあるいはグリースを選択
できるであろうが、多くの場合、高軟化温度及び高粘度の高分子化合物が好まし
い。他の場合、支持体表面により良い結合を得るために、修正した、すなわち、
親水性あるいは疎水性の基が移植された高分子化合物を用いる。また、高分子化
合物の混合物を用いることも可能である。しかしながら、この技術に熟練した者
なら最適な選択が行えるであろう。
この技術に一般的に用いる他の添加剤を、有機及び無機の着色剤及びピグメ
ントから選ぶ。もちろん、他の、従来の添加剤も使用できる。望ましい操作方式
は、これらの添加剤を、適当なカルボン酸、「被覆溶液」及び/あるいは、被覆
されるべき支持体に予め混ぜておくことである。
有機溶媒:
多くの場合、水及び水溶液には経済的及び技術的な利点が顕著であるけれど
も、多種多様な有機溶媒も、「被覆溶液」から高分子化合物、ワ
ックス及び/あるいはグリースの沈殿を生じさせるために使用可能である。限定
しないが、例としては有機溶媒があり、これらは一般に、炭化水素(飽和及び不
飽和、環状及び非環状、線状及び分枝状、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、
トルエン、キシレン等のハロゲン化物)、アルコール(例えば、メタノール、エ
タノール、2−エチルヘキシルアルコール等)、アルデヒドあるいはケトン(例
えば、プロパナル(propanal)、アセトン、2−ブタノン、2−ヘキサノン(2-
hexanone)等)、ニトリル(例えば、アセトニトリル等)、エーテル(例えば、
エチルエーテル、モノグリム(monoglyme)、ジグリム(diglyme)等)、エステ
ル(例えば、エチルアセテート、メチルアセテート、ブチルアセテート等)、ア
ミド(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、及び/ある
いはスルホンあるいはスルホキシド(例えば、スルホラン、ジメチルスルホキシ
ド等)のような官能基に従って分類される。一つ以上の官能基からなる一つ以上
の溶媒を用いることも可能である(例えば、エチレン・グリコール、エチレン・
グリコール・モノメチルエーテル、ジエチレン・グリコール等)。さらに、有機
溶媒の水溶液を、表面張力を減らすために、あるいは特殊効果を得るために用い
てもよい。
有機化学及び毎日の生産業務においては、溶媒をそれらの性質に応じて、次
のカテゴリーに従ってグループ分けするのが一般的である。極性/非極性及びプ
ロトン性/非プロトン性。種々の溶媒の特性が、結果的に、カルボン酸化合物と
の相互作用の種類に影響を与え、「被覆溶液」の特性の修正へ、また、高分子化
合物、ワックス及び/あるいはグリースの沈殿へと導く。
極性あるいは非極性溶媒:
有機溶媒の極性は、官能基の種類によって、及び/あるいは疎水性炭
化水素部分の大きさによって影響を受ける。
プロトン性あるいは非プロトン性の溶媒:
有機溶媒の官能基の性質には、プロトン性(適用状態の下で陽子を寄付する
ことが可能である。例えば、アルコール等)、あるいは非プロトン性(適用状態
の下で陽子を寄付することが不可能である。例えば、ケトン、ニトリル、ジメチ
ルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド等)があるかもしれない。
これらのカテゴリーにおいて、トルエンは、非極性/非プロトン性の溶媒で
あるとみなされ、ジメチルスルホキシド(DMISO)は、極性/非プロトン性の溶
媒であるとみなされる(注記:水は、極性/プロトン性の溶媒であるとみなすこ
とができる)。プロトン性の溶媒は、カルボン酸無水物及び/あるいはカルボン
酸ハロケン化物と反応する傾向が著しいため、担体として機能することも、高分
子化合物、ワックス及び/あるいはグリースを溶解することもできない各々の生
成物を生じて沈殿してしまう可能性がある。例えば、アルコールは、カルボン酸
無水物及び/あるいはカルボン酸ハロゲン化物に反応して、各々のカルボン酸エ
ステルを形成する。他方、(水のように)アルコールは、カルボン酸とよく混ざ
り、物理的性質を変えるため、所望の被覆の形成へと導くかもしれない。多くの
場合、アミンは、カルボン酸、カルボン酸無水物及び/あるいはカルボン酸ハロ
ゲン化物と相互作用し、各々、カルボン酸塩あるいはアミドを形成するため、溶
媒としてではなく、むしろ塩基性試薬として用いられる。非プロトン性の溶媒を
代表するアセトン、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド及びアセトニ
トリルは、単に、適当なカルボン酸、カルボン酸無水物及び/あるいはカルボン
酸ハロゲン
化物を溶解し、固体あるいはパウダーに所望の被覆を生じる。
当然、このような溶媒の使用は、再生利用及び/あるいは正しい廃棄物処理
を必要とする。このような処理は、形成される微細なパウダーが高価である、及
び/あるいは水を用いる同種の代替的な選択肢がない場合に正当化できるかもし
れない。
ある場合には、水及び/あるいは有機溶媒は、また、酸あるいは塩基のよう
な適当な反応物の有無にかかわらず、高分子化合物、ワックス及び/あるいはグ
リースの化学変化を引き起こし、それらを沈殿させるかもしれない。しかし、こ
れは、カルボン酸化合物に影響を与えずに起こることはまずない。
「被覆溶液」にあるいは溶媒に界面活性剤を添加することができるし、また
は、先に述べたように、適当な塩基を、カルボン酸、カルボン酸無水物及び/あ
るいはカルボン酸ハロゲン化物に反応させることによって、界面活性剤を形成す
ることもできる。
多くの場合、高分子化合物、ワックス及び/あるいはグリースによって覆わ
れる固体あるいはパウダーは塩基性物質である。このような場合、これらの固体
あるいはパウダーを被覆溶液に接触させることによって、カルボン酸化合物と反
応させ、高分子化合物、ワックス及び/あるいはグリースを固体あるいはパウダ
ーの表面に沈殿させることも可能である。他の場合、カルボン酸化合物との反応
を開始させて高分子化合物、ワックス及び/あるいはグリースの沈殿をもたらす
ために、被覆されるべき固体あるいはパウダーの表面を、被覆溶液の適用の前に
塩基性に変えることができる(例えば、フルオライド及び/あるいは塩基性ケイ
酸塩で表面改質されたガラス)。上記に表された現象は、適当な溶媒の存在ある
いは不在で実行可能である。「被覆溶液」からの固体あるいはパウダーへの高分
子化合物、ワックス及び/あるいはグリースの沈殿は、水あ
るいは溶媒が用いられるときでさえ、時間がかかるかもしれないことに注意すべ
きである。したがって、種々の方法で被覆工程を操作することが可能である。例
えば、被覆される固体を、最初に「被覆溶液」に、後に溶媒及び/あるいは適当
な試薬に接触させる、最初に溶媒及び/あるいは試薬に、後に「被覆溶液」に接
触させる、すべての成分が同時に添加する被覆工程中に、「被覆溶液」、溶媒及
び/あるいは試薬の混合物に接触させる、あるいは、「被覆溶液」、溶媒及び/
あるいは試薬が一緒に混ぜられ、適用前に短時間撹拌の下に保たれた混合物に接
触させることができる。ここでの短時間を、高分子化合物、ワックス及び/ある
いはグリースの沈殿工程が未だに起こりうる時間であると、最適に定義する。
特に重要な操作方式は、その場で同時に、製品の微細な粒子が形成されて、
沈殿する高分子化合物、ワックス及び/あるいはグリースによって覆われるとい
う連続的な(及び半連続的な)工程である。限定せずに、このような工程の例と
しては、カルシウム水酸化物のスラリー、「被覆溶液」及び二酸化炭素が浮選機
の中に同時に送られるPCC(沈殿したカルシウム炭酸塩)の生成がある。
この新規の技術を操作するための多数の選択肢があるため、各々の事例に応
じて、この技術に熟練した者は、最適な操作を行うことが可能である。
次の、非限定的な実施例の説明から、本発明による、上記すべての、そして
他の特性及び利点がより良く理解できる。
実験データ
原材料
カルボン酸あるいは脂肪酸
−アルドリツチ(Aldrich)のプロピオン酸 FA-1
−アルドリッチのカプリル酸 FA-2
−アルドリッチのカプリン酸 FA-3
−アルドリッチの2−エチルカプロン酸 FA-4
−アリゾナ・ケミカル社(Arizona Chemical Co.)
のトール油 FA-5
−アルドリッチのラウリン酸 FA-6
−アルドリッチのパルミチン酸酸 FA-7
−アルドリッチのオレイン酸 FA-8
−アルドリッチのバレリアン酸 FA-9
−アルドリッチのニトリロ三酢酸(NTAH3) FA-10
−フルーカ(Fluka)の無水フタル酸 FA-11
−フルーカの無水マレイン酸 FA-12
−アルドリッチの2−エチルヘキサノイル・クロリド
(2-ethylhexanoyl chloride) FA-13
高分子化合物、ワックス及びグリース
−アーライド・シグナルのポリエチレン、等級 6-A POL-1
−アーライド・シグナルのポリエチレンアクリル酸共重合体、
等級 540-A POL-2
−アーライド・シグナルのポリエチレングリース、
等級 1702 POL-3
−アーライド・シグナルのポリエチレンアクリル酸共重合体、
等級 5180 POL-4
−イーストマン・コダック社のエポレン・ワックス、
等級 E-43 POL-5
−カルメル・オレフィンのLDPE、等級Ipethene-900 POL-6
有機の溶媒
飽和及び不飽和炭化水素
−アルドリッチのトルエン
−アルドリッチのヘキサン
−アルドリッチのシクロヘキサン
アルコール
−アルドリッチのエタノール
−アルドリッチのジエチレン・グリコール
アルデヒドあるいはケトン
−アルドリッチのアセトン
−アルドリッチのエチルメチルケトン
エーテル
−アルドリッチのジグリム
−アルドリッチのモノグリム
エステル
−アルドリッチのエチルアセテート
ニトリル
−アルドリッチのアセトニトリル
アミド
−アルドリッチのジメチルアセトアミド
スルホンあるいはスルホキシド
−アルドリッチのスルホラン
−アルドリッチのジメチルスルホキシド
無機物質
−焼成 MgO、ギリシャ・マグネサイトの製品、等級「ノーマルF」、「MgF」
−オーウェン−コーニングのガラス繊維、直径10から13ミクロン、
公称長L=4.5mm
−フルタロム(Frutarom)のカルシウム水酸化物(Ca(OH)2)
−フルタロムのカリウム硫酸塩(K2SO4)
−フルタロムのカリウム塩素イオン(KCl)
−アルドリッチのモノ・アンモニウムリン酸塩(MAP)
−ロテム・フアーテライザー社(Rotem Fertilizers Ltd)のトリプル
・スーパー・リン酸塩(TSP)
−d=1.2g/cm3の密度を持つMgSO4溶液、H2O/MgSO4比=3.1
−d=1.267から1.27g/cm3の密度を持つMgCl2溶液、
H2O/MgCl2比=2.61
−イスラエル、ポリクロム(Polychrom)のCaCO3パウダー(d50=
5ミクロン)、「ギルライト−10(Girulite-10)」
−イスラエル、ポリクロムのCaCO3パウダー(d50=18ミクロン)、
「ギルライト−40」
−フルーカのケイ酸ナトリウム溶液(14% NaOH及び27% SiO2)
−リーデル・デ・ハエン(Riedel-de Haen)の塩化第二鉄(FeCl3)
−リーデル・デ・ハエンの硫酸第一鉄(FeSO4 7H2O)
−スペイン、モニプレット&エストバン(Moniplet & Estban S.A)の
アルミニウム(Al)金属パウダー、等級Panreac/P.R.S
高純度の原材料であることが特に重要ではなく、市場で入手可能な素材を用
いることができる。
例1
カルボン酸での被覆溶液の調合
カルボン酸及び/あるいはカルボン酸無水物及び/あるいはカルボン酸ハロ
ゲン化物に高分子化合物、グリース及びワックスを溶解するために、マグネチッ
ク・スターラ、ヒーター及び温度計が備えられたガラスビーカが用いられた。各
高分子化合物、グリース及びワックスの軟化温度よりも極めて低い温度範囲にお
いて最高30分間溶解を施した。比較的に低粘度の明瞭で透明な液体が得られた
。下記表1にいくつかの例を示す。
備考:
1.酸、酸無水物とまたハロゲン化アシル。
2.溶液の粘度は、例えば、温度を下げることによって、あるいは高分
子化合物濃度を増やすことによって、上げてもよい。特定な組合わせ(例えば、
高分子化合物と酸)及び成分の相対濃度に応じて、柔らかで安定なペーストを室
温において得ることが可能である。
例2
表面被覆Mg(OH)2微細パウダーの生成
表面被覆Mg(OH)2微細パウダーを次の方法で得た。
1バッチの原材料
−100gの焼成MgO
−100gの50℃の水
−1.5gのプロピオン酸(FA-1)
−2.0gのMgSO4塩水
−2.0gの、トール油(FA-5)+エポレン・ワックス(POL-5)溶
液(各々80重量%及び20重量%)
温水とMgOをビーカに入れた(例1を参照)。試験中、温度を50℃に保ち
スラリーをかきまわした。その後、他の複数の試薬を、かきまわしたスラリーに
同時に加え、その混合物を40分間撹拌した。その後、スラリーをろ過し(上澄
みのpHは9.5から10の範囲にあった)、固形物を110℃のオーブンの中で
15時間乾燥した。乾いた固まりを微細なパウダーへと崩壊させた。
この微細なパウダーに対して次の試験を行った。
1.XRDによって、製品が水滑石(Mg(OH)2)であることが明らかになった。
2.SEMによって、0.5ミクロン(平均)の六角形結晶が確認された。
3.修正ハリモンド・チューブを用いた浮遊度試験(よく知られた浮遊
度試験−「ミネラル処理」"Mineral Processing"; E.J.Pryor; Third Ed.; E
lsevier Publishing Co.; 1965; pp.463-468を参照)によって、100%表面
被覆された生成物(すなわち、疎水性水滑石の微細な粒子)が明らかにされた。
例3
A.水中での表面被覆ガラス繊維の生成
表面被覆ガラス繊維を次の方法で得た。
1バッチの原材料
−100gのガラス繊維
−550gの50℃の水
−0.5gのケイ酸ナトリウム溶液
−2.0gのMgSO4塩水
−3.0gの、オレイン酸(FA-5)+エポレン・ワックス(POL-5)
被覆溶液(各々80重量%及び20重量%)
−0.5gの焼成MgO
温水とガラス繊維をビーカに入れた(例2を参照)。かきまわした混合物に
、10分後にケイ酸ナトリウム溶液とMgSO4塩水とを添加し、さらに2分間撹拌
した(そのとき混合物のpHは〜9であった)。被覆溶液を添加し、混合物をさら
に6分間撹拌した。その後、MgO添加し、混合物をさらに2分間撹拌した。実験
全体を50℃において行った。
ガラス繊維をろ過し、110℃のオーブンで15時間乾燥した。乾いた固ま
りに、修正ハリモンド・チューブを用いた浮遊度試験(よく知られた浮遊度試験
−「ミネラル処理」"Mineral Processing"; E.J.Pryor; Third Ed.; Elsevier
Publishing Co.; 1965; pp.463-468を参
照)を行った。その結果、100%表面被覆の生成物(すなわち、疎水性のガラ
ス繊維)が明らかにされた。
B.有機溶媒中での表面被覆ガラス繊維の生成
表面被覆ガラス繊維を次の方法で得た。
1バッチの原材料
−100gのガラス繊維
−550gの有機溶媒
−3.0gの、プロピオン酸(FA-1)+エポレン・ワックス(POL-5
)被覆溶液(各々80重量%及び20重量%)
有機溶媒とガラス繊維とをビーカに導入した(例2を参照)。混合物を10
分間撹拌し、被覆溶液を添加し、混合物をさらに5分間撹拌した。
実験全体を30℃において行った。
ガラス繊維をろ過し、100℃の真空オーブン(30mmHg)で15時間乾燥
した。
乾いた固まりに、修正ハリモンド・チューブを用いた浮遊度試験(よく知ら
れた浮遊度試験−「ミネラル処理」"Mineral Processing"; E.J.Pryor; Third
Ed.; Elsevier Publishing Co.; 1965; pp.463-468を参照)を行った。
その結果、100%表面被覆の生成物(すなわち、疎水性ガラス繊維)が確
認された。
次の溶媒が用いられた。エタノール、ジエチレン・グリコール、モノグリム
、ジグリム、アセトニトリル、アセトン、エチルメチルケトン、エチルアセテー
ト、ジメチルスルホキシド、スルホラン。
もう一つの被覆溶液で実験を繰り返した。
−3.0gの、オレイン酸(FA-5)+エポレン・ワックス(POL-5)
の被覆溶液(各々80重量%及び20重量%)。
次の溶媒を用いた。ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、アセトニトリル
、アセトン、エチルメチルケトン、エチルアセテート。
得られた結果は、上記に得られたものと実用的に同じであった。
例4
表面被覆カルシウム炭酸塩の生成
イスラエル、ポリクロムのCaCO3パウダー(d50=5ミクロン)、「ギルラ
イト−10」を、次のようにいくつかの被覆溶液によって被覆した。
400gのカルシウム炭酸塩と200gの水とを、レッチ(Retch)KM-1撹
拌機で混ぜ、次の素材を導入した。
1.pHが9.0から9.5の範囲に到達するまでCa(OH)2パウダー
2.4gのMgSO4塩水
3.表2で指定した被覆溶液
スラリーを5分間さらに混ぜた。生成物をろ過し、110℃において15時
間乾燥した。乾燥した生成物をパウダーに崩壊させ、得られた被覆の品質をチェ
ックするために、修正ハリモンド・チューブ試験(よく知られた浮遊度試験−「
ミネラル処理」"Mineral Processing"; E.J.Pryor; Third Ed.; Elsevier Pub
lishing Co.; 1965; pp.463-468を参照)を行った。試験された全試料は、10
0%疎水性であることが確認された。
例5
遅効性肥料の生成
遅効性肥料の顆粒を、次のように三段階で調製した。
1.顆粒を生成し、マグネサイト・セメントによって被覆された物質を生成す
るために、肥料及び他の添加剤を混合する。
2.(段階1の)上記物質の顆粒化し、+3.5から2.0mmの大きさの顆粒
肥料を得るためにふるいがけする。
3.被覆溶液で(段階2の)顆粒を被覆し、硬化する。
段階1
第一段階は、実験室用撹拌機、レッチ型KM-1で行われた。表3及び表4に表
された物質は、この段階の生成物である。
備考:
(1)イスラエル、ポリクロムのCaCO3パウダー(d50=18ミクロ
ン)「ギルライト−40」
(2)FeSO4 7H2Oを用いた。
段階2及び3
上記の段階の生成物をふるいにかけ、回転式造粒皿の中で、所望の顆
粒を、適当な被覆溶液をかけることによって被覆した。その後、造粒機内で、こ
の顆粒にMgOの微細なパウダーを振りかけた。これにより、対応するカルボン酸
との化学反応が生じ、肥料の表面にカルボン酸塩及び被覆物質の沈殿が起こった
。顆粒の表面はすぐに硬くなり、生成物はパッケージングを待つだけの状態にな
った。しかし、マグネサイト・セメントは、更に7日間硬化し続けた。適用され
た被覆溶液(80重量%のカルボン酸と20重量%の被覆物質を含む)を表5に
示す。
第3段階は、生じた肥料を、次のように評価することであった。
先の段階の被覆され、そして堅くなった肥料を、22℃の水に浸した
(1:10の重量比)。5日後に、ぬれた肥料から水を取り除き、それから24
時間、70℃で乾燥した。表6にその結果を示す。これには非被覆肥料の比較試
験も含む。
備考:
(1)試験における肥料の初期重量。
(2)水に5日間入れた後の乾燥肥料の重量。
例6
金属被覆高分子化合物の生成
原材料
−500gのLDP(POL-6)
−4gの被覆溶液(3gのトール油酸+1gのエポレン・ワックスを含
む)
−1gのアルミニウム金属パウダー
−1gのMgOパウダー
LDPE顆粒を造粒皿内で回転させた。その後、被覆溶液をLDPEに噴霧し、薄い
接着性を持つ層を形成した。その後、この被覆顆粒に、均質な金属被覆を施すた
めに、アルミニウム・パウダーを振りかけた。最後に、MgOの微細なパウダーを
顆粒の上に振りかけ、被覆層の即時硬化を起こさせた。
この段階において、アルミニウムで均等に被覆されたLDPE顆粒が得られた。
顆粒からアルミニウム・パウダーをふき取ろうとする如何なる試みも無駄であっ
た。
上記すべての説明及び例は、具体的に示すために提供されており、本発明を
限定するものではない。本発明の範囲を超えることなく、種々の表面改質ミネラ
ルを提供するために、種々の手法、工程及び添加剤で多くの改良が行える。
請求の範囲
1.少なくとも一つの被覆材料で固形物を被覆するための工程であって、
(a)高粘度分子化合物、ワックス及びグリースからなるグループから少なくと
も一つの被覆材料を選択するステップ、
(b)カルボン酸、カルボン酸無水物及びカルボン酸ハロゲン化物からなるグル
ープから選んだ少なくとも一つのカルボン酸化合物を含む担体に前記被覆材料を
溶かすことによって被覆溶液を生成するステップ、
(c)この被覆溶液を固形物上に延展するステップ、及び
(d一つ(i)前記少なくとも一つのカルボン酸化合物をカルボン酸誘導体に変
化させること、及び
(ii)前記少なくとも一つのカルボン酸化合物を溶媒に溶かすことからな
るグループから選択される方法によって、前記固形物上に前記被覆材料を沈殿さ
せるステップ
からなる工程。
2.前記変化が、前記少なくとも一つのカルボン酸化合物に試薬を反応させるこ
とによってもたらされる請求項1に記載の工程。
3.前記試薬が、水、アンモニア、無機塩基、アルコール及びアミンからなるグ
ループから選択される請求項2に記載の工程。
4.前記溶媒が、水、線状飽和炭化水素、線状不飽和炭化水素、枝分れ飽和炭化
水素、枝分れ不飽和炭化水素、環状飽和炭化水素、環状不飽和炭化水素、芳香族
炭化水素、ハロゲン化炭化水素、アルコール、アルデヒド、ケトン、エーテル、
エステル、アミド、ニトリル、スルホン及びス
ルホキシドからなるグループから選択される請求項1に記載の工程。
5.前記被覆材料が、パラフィン、長鎖脂肪酸エステル、シリコン・ゴム、高分
子化合物、ポリオレフィン、ポリオレフィンの共重合体及びポリオレフィンのグ
ラフト共重合体からなるグループから選択される請求項1に記載の工程。
6.高分子化合物、ワックス及びグリースからなるグループから選択される少な
くとも一つの被覆材料で表面を被覆した固形物を生成するための工程であつて、
(a)カルボン酸、カルボン酸無水物及びカルボン酸ハロゲン化物からなるグル
ープから選んだ少なくとも一つのカルボン酸化合物を含む少なくとも一つの被覆
材料を担体に溶かすことによって被覆溶液を生成するステップ、
(b)この被覆溶液を固形物の表面に延展するステップ、及び
(c)(i)前記少なくとも一つのカルボン酸化合物をカルボン酸誘導体に変化
させること、及び
(ii)前記少なくとも一つのカルボン酸化合物を溶媒に溶かすことからな
るグループから選択される方法によって、前記固形物の表面に前記被覆材料を沈
殿させるステップ
からなる工程。
7.前記変化が、前記少なくとも一つのカルボン酸化合物を試薬で反応させるこ
とによってもたらされる請求項6に記載の工程。
8.前記試薬が、水、アンモニア、無機塩基、アルコール及びアミンから
なるグループから選択される請求項7に記載の工程。
9.前記溶媒が、水、線状飽和炭化水素、線状不飽和炭化水素、枝分れ飽和炭化
水素、枝分れ不飽和炭化水素、環状飽和炭化水素、環状不飽和炭化水素、芳香族
炭化水素、ハロゲン化炭化水素、アルコール、アルデヒド、ケトン、エーテル、
エステル、アミド、ニトリル、スルホン及びスルホキシドからなるグループから
選択される請求項6に記載の工程。
10.さらに、前記固形物を、金属、ミネラル、セラミックス、セルロース、ガ
ラス、肥料及びピグメントからなるグループから選択するステップを含む請求項
6に記載の工程。
11.前記金属が、アルミニウム、銅及びマンガンを含む請求項10に記載の工
程。
12.前記ミネラルがMgO、滑石、Mg(OH)2、CaCO3、CaMg(CO3)2、MgCO3、Ca(OH)2
、Al2O3、Al(OH)3、TiO2、SiO2、CaSO4、SiC、TiC及びTiNを含む請求項10に
記載の工程。
13.前記Al2O3、前記MgO、前記SiC、前記TiC及び前記TiNが、繊維、ウイスカ
及び小板からなるグループから選択される物理的形態を持つ請求項12に記載の
工程。
14.前記セルロース及び前記ガラスが、繊維、ウイスカ及び小板からなるグル
ープから選択される物理的形態を持つ請求項10に記載の工程。
15.前記のセラミックスが、酸化物、炭化物及び窒化物を含む請求項10に記
載の工程。
16.前記の肥料が、KNO3、KCl、K2SO4、(NH4)SO4、(NH4)H2PO4、(NH4)2HPO4及
び尿素を含む請求項10に記載の工程。
17.前記ピグメントが、キナクリドン、鉄の酸化物及び銅の酸化物を含む請求
項10に記載の工程。
18.前記固形物がMg(OH)2である請求項10に記載の工程。
19.前記固形物がMgOである請求項10に記載の工程。
20.前記固形物がCaCO3である請求項10に記載の工程。
21.前記固形物がCa(OH)2である請求項10に記載の工程。
22.前記固形物がAl2O3である請求項10に記載の工程。
23.前記固形物がAl(OH)3である請求項10に記載の工程。
24.前記固形物がTiO2である請求項10に記載の工程。
25.前記肥料が水溶性である請求項10に記載の工程。
26.前記肥料が、KNO3、KCl、(NH4)2SO4、K2SO4、(NH4)H2PO4、
(NH4)2HPO4及び尿素からなるグループから選択される請求項25に記載の工程。
27.前記固形物が、繊維、ウイスカ及び小板からなるグループから選択される
物理的形態を持つと共に、前記固形物が、ガラス、アルミナ、マグネシア及びセ
ラミック材料からなるグループから選択される請求項10に記載の工程。
28.前記固形物が、SiC、TiC及びTiNからなるグループから選択される請求項
27に記載の工程。
29.前記固形物がピグメントである請求項10に記載の工程。
30.前記ピグメントが、キナクリドン及び金属酸化物からなるグループから選
択される請求項29に記載の工程。
31.前記ピグメントが、酸化鉄及び酸化銅からなるグループから選択される請
求項30に記載の工程。
32.前記被覆材料が、パラフィン、長鎖脂肪酸エステル、シリコン・ゴム、高
分子化合物、ポリオレフィン、ポリオレフィンの共重合体及びポリオレフィンの
グラフト共重合体からなるグループから選択される請求項6に記載の工程。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C05G 3/10 C05G 3/10
C22B 1/242 C22B 1/242
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,
CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,H
U,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ
,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,
MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,R
O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM
,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN