JPH11514391A - 熱可塑性スターチ成分およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性スターチ成分およびその製造方法

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JPH11514391A JP9505528A JP50552897A JPH11514391A JP H11514391 A JPH11514391 A JP H11514391A JP 9505528 A JP9505528 A JP 9505528A JP 50552897 A JP50552897 A JP 50552897A JP H11514391 A JPH11514391 A JP H11514391A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、スターチを熱可塑化する方法、スターチを基礎とする成分および熱可塑化ポリマー成分を含有する溶融加工性ポリマー組成物、およびそのような組成物の製造方法に関する。本発明によれば、イソシアネート基と反応することができるヒドロキシル基を含有するスターチ成分が、溶解できるように、またはヒドロキシ酸ポリマーのメルト中でゲル化/可塑化できるように改質される。次に、ヒドロキシ酸ポリマー、特に乳酸ポリマーによって形成される熱可塑性成分と、スターチ成分とが反応して、溶融加工性、生物学的分解性のスターチを基礎とするポリマーが製造され、このポリマーが、接着剤として、ならびに、紙および厚紙の被覆に、射出成形および熱成形物品の製造に、使用される。

Description

【発明の詳細な説明】 熱可塑性スターチ成分およびその製造方法 本発明は、請求項1に記載の、スターチ(デンプン)を可塑化する方法に関す る。 本発明は、請求項6に記載の溶融加工可能なポリマー組成物にも関する。この 種の組成物は、一般に、スターチを基礎とする成分、および熱可塑性ポリマー成 分を含んで成る。 本発明はさらに、請求項25に記載の、溶融加工可能なポリマー組成物を製造 する方法にも関する。 環境への関心および緑化概念によって、再生資源を基礎とする製品に関する新 たな市場が形成されつつある。例えば、再生性、再使用性、堆肥化可能性、生分 解性、および環境への非ストレス性が、現在の条件となっている、包装、衛生、 および接着剤の工業分野において、これらの傾向が見られる。石油化学的に誘導 された製品を、精製バイオポリマーで置き換える傾向も高まってきている。 天然ポリマー、特にスターチの熱可塑化が、多数の特許および特許出願(例え ば、GB2190093A、US4673438,EP282451A3、EP 0298920A3、EP0304401A2、EP0326517A1)に開 示されており、それらは、一般に、水およびグリセロール、エチレングリコール 、およびそれらのオリゴマーのような可塑剤、ならびに他の助剤の存在下におけ る溶融加工によって、スターチの粒状構造を開くことを開示している。そのよう にして得られる製品が熱可塑性であり、生分解性であるとしても、それらの耐水 性は低く、そのことがそれらの用途を大きく制限する。この種の熱可塑性スター チ製品は、空気中の湿度が高い場合に水を吸収する傾向があり、それによってそ れらの機械的特性が変化する。それと反対に、低湿分量の場合には、製品中に含 まれる水が蒸発し、製品がより脆くなる。 例えば、EP0404723A2、EP0409788A3、EP04047 23A3、EP0404728A3、EP0408501A3、EP04085 02A3、EP0409782A3、EP0409781A3、FI90266 2、WO92/19680、FI921264およびEP0519367A1に 開示されているように、合成ポリマーと熱可塑性スターチとをブレンドすること によって、熱可塑性スターチの特性(耐水性および機械的特性)を向上させる試 みがなされている。使用される合成ポリマーが親水性であることが多く、それら が機械的特性を向上させるとしても、製品の耐水性は低いままである。前記特許 出願は、石油化学原料から製造される従来の熱可塑性ポリマー、ポリオレフィン 、およびポリエステルとのブレンディングによって、熱可塑性スターチの耐水性 を向上させることを開示している。このようにして得られるブレンドおよび混合 物は、不均質相(hetero phasic)であり、非生分解性成分の量が増加する場合 に、それらの生分解性が損なわれる。 下記特許出願および文献に記載のように、スターチは、合成の非生分解性ポリ マー(例えば、ポリ(カプロラクトン)、ポリラクチド)に加えて、生分解性合 成ポリマーとも混合されている:WO92/19680、EP0530987A 1、EP0535994A1、Koenig,M.F.およびHuang.S.J.,Biodegradable Po lymers/Starch Blends,Composites and Coatings,Polymer Materials Science E ngineering 67(1992)290-291。スターチは混合物の生分解性を増加させるが、本 質的にブレンドの機械的特性を減少させる。ブレンドされた物質も非均質である ことが多く、分散または層状構造から成る。 スターチ成分と合成ポリマーとのブレンディングを向上させるために、種々の カップリング反応が用いられている。特許出願DE4116404A1は、熱可 塑性スターチと、ポリオレフィンおよびエチレン−アクリレート−無水マレイン 酸コポリマーとの混合物を開示している。この混合物においては、コポリマーが エステル結合によって熱可塑性スターチに結合され、ブレンドの相溶性に寄与し ている。ブレンド中の非生分解性ポリエチレンの含有量は10〜35%であり、 コポリマーの含有量は10〜40%である。 特許出願WO93/23456によれば、天然ポリマーと合成ポリマーの反応 性ブレンディングによって、結果として、ポリマーの界面において2つのポリマ ーが互いに共有結合および物理的結合によって結合している組成物が生じる。ス ターチ、セルロース、タンパク質、アミノ酸、および脂質が、天然ポリマーとし て使用され、無水基を含有するポリマー、例えば、スチレン−無水マレイン酸コ ポリマー、またはマレエート化(maleated)エチレンプロピレンコポリマーが、 合成ポリマーとして使用されている。組成物においては、1つのポリマーが連続 相を構成し、他方のポリマーがその中に分散されている。分散相の粒子寸法は、 0.011〜100ミクロンである。 前記の研究の大多数において、スターチ成分は、天然スターチであるかまたは 、水および他の親水性可塑剤の存在下に可塑化することができる、または粒状形 態で使用することができるような種類のスターチ成分である。 特許出願WO92/16583の方法によれば、スターチ誘導体、エステルま たはエーテル、少量の可塑剤(水)、およびアルケノールホモ−またはコポリマ ー(ポリ(ビニルアルコール)の溶融加工によって製造される生分解性組成物が 開示されている。混合物中のアルケノールポリマーの量は、スターチ100部に 対して10〜200部である。この物質は、射出成形によるキャンドルカバー、 および包装用途の発泡製品を製造するために使用されている。スターチ誘導体の 最も好ましい置換度は、>0.8であり、アセテートに関しては0.8〜1.5が 好ましい。 熱可塑性スターチ製品は、スターチアセテートを適切な可塑剤で可塑化するこ とによっても製造されている。特許出願WO92/19675は、アミロース豊 富なスターチから製造されるスターチアシル誘導体、特にアセテートを開示して おり、生分解性可塑剤、例えば、クエン酸エチレンエステル、グリセロールアセ テート、および乳酸エステル、を用いてそれらをゲル化することを開示している 。生成物が、耐湿性、熱可塑性、環境友好性、半透明であること、およびキャス チングフィルムへ加工可能性であることが記載されている。しかし、アミロース 豊富な生成物を用いた場合にのみ良好な結果が得られ、このことは原料として適 切なスターチの選択の幅を狭める。 特許出願WO93/20110から、熱および圧力を用いて高寸法安定性の製 品に加工することができる生分解性ポリマー組成物が既知である。この組成物は 、アミロース豊富(最少50%)なスターチからエステル化され、少なくとも1 .5の置換度を有し、2,000g/モル未満、好ましくは100〜1,000g/ モルの分子量を有する軟化剤(シトレート、グリセリン酸エステル(glyceric e sters)、フタレート、ホスフェート、スクシネートなど)を用いて可塑化され るスターチから成る。 この技術の現状を要約すると、低コストの再生可能な原料から誘導される物質 のみから成り、または少なくとも実質的にそれらから成り、スターチを基礎とす る生分解性および溶融加工性組成物を、既知の解決策は結果として与えていない 、と結論付けることができる。 本発明の目的は、先行技術に関連する問題を取り除き、スターチを可塑化する 全く新規な方法を提供することである。本発明の他の目的は、新規な溶融加工性 のスターチ系ポリマー組成物、およびその製造方法を提供することである。 本発明は、スターチ成分を、熱可塑性成分と相溶性にして、本質的に均質なブ レンドを提供するという考えに基づいている。使用される熱可塑性成分は、本質 的にヒドロキシを末端基とする生分解性ヒドロキシ酸ポリエステルを含んで成る 。このことは、末端基が本質的に(または少なくとも主に)ヒドロキシル基から 成ることを意味する。本発明によれば、ポリエステルプレポリマーがジイソシア ネートと反応し、この反応が、スターチのヒドロキシル基と反応することができ るイソシアネートを末端基とするオリゴマーを与える。 従って、本発明は、スターチ成分とポリエステル系成分とを相溶性にすること ができるイソシアネートとヒドロキシル基との化学相溶性を利用している。本発 明によれば、既知の生分解性成分、例えば、スターチ、および、ポリマー成分と して、例えば、乳酸単位から成るポリエステル、のみを用いることによって良好 な機械的特性が達成される。 公開特許出願WO93/23456は、反応性ブレンディングの間に、天然ポ リマーと、官能基を有する合成ポリマーとの間に起こり得る化学反応を開示して いる。しかし天然ポリマーと合成ポリマーとの間のエステルまたはアミドおよび イミド結合の形成に関してのみ、より詳細な説明がなされているに過ぎない。さ らに、非生分解性合成ポリマーが全実施例に使用されている。先行技術生成物は 、不均質であり、連続相および分散相から成ることが明白である。 本発明に関しては、非常に少量の、ヒドロキシル酸を基礎とするオリゴマーの みでも、スターチ成分を熱可塑化し、均質構造を与えるのに充分であることが見 い出された。前記成分の間に形成されるウレタン結合が可能であることが、成分 の相溶性をさらに向上させる。このような理由から、生分解性または相溶性であ ることが既知である成分を使用する場合でさえも、例えばPCT出願WO92/ 19680から既知の解決策と同様に良好な、またはそれよりも良好な強さ特性 を達成することが本発明によって可能になる。 特に、スターチを可塑化する本発明の方法は、請求項1の特徴記述部分に記載 されていることを特徴とする。 溶融加工性ポリマー組成物を製造する本発明の方法は、請求項6の特徴記述部 分に記載されていることを特徴とする。 組成物の製造方法は、請求項25の特徴記述部分に記載されていることを特徴 とする。 本発明の好ましい用途は、請求項35〜39に記載されている。 前記のように、本発明の解決策は、スターチの熱可塑化を可能にする熱可塑性 成分を、スターチ成分と反応させるいう考えに基づいている。本発明をどのよう な特定の型にも限定するものではないが、熱可塑性成分とスターチ成分との反応 、またはそれらの組み合わされた効果が、おそらく、少なくとも部分的に、また は高程度にまで、スターチにグラフトされる熱可塑性成分を結果として生じると 考えることができる。 本質的にヒドロキシを末端基とする(即ち末端基が本質的にヒドロキシル基か ら成る)ヒドロキシ酸ポリエステルが、熱可塑性成分のために使用される。実際 には、いくつかのカルボキシル基が、少量(<10p−%、好ましくは<5p− %)の遊離ヒドロキシ酸、通常、乳酸の結果として、ヒドロキシ酸ポリエステル 中になお存在する。熱可塑性ポリエステルは、この用途において、その分子量が 、得られる生成物の分子量と比較して相対的に小さいので、「プレポリマー」ま たは「ヒドロキシ酸オリゴマー」としても設計される。プレポリマーのゴム状剛 性は、ε−カプロラクトンコモノマーを添加することによって、増加させること ができる。 本発明において、「均質構造」という語は、得られるポリマー組成物が、実際 的用途に関して、均一な微細構造を有することを意味する。このことは、組成物 の成分が、互いに「可溶性(溶解性)」であるという事実に付随するものである 。本発明の開示においては、「溶解性」という概念は、スターチ成分がポリエス テルメルトと同じ相に完全に入ること、および、溶解が、スターチ成分の粒状構 造中において、その成分とポリエステルとの界面においてのみ起こることができ 、組成物の成分が共に、相溶化熱可塑性メルトを形成し、そのメルト中で、成分 が互いに反応または相互作用すること、の両方を意味するものであると広く解釈 すべきである。スターチエステルおよびスターチエーテルが、可溶性スターチ成 分の例であり、一方、スターチおよびゲル化スターチが、プレポリマーと共に、 相溶化熱可塑性メルトを形成する。 「改質スターチ」、スターチの「改質形態」、および「スターチ成分」という 語は、前記定義に従って、ポリエステルメルト中において「溶解性」であるスタ ーチ系成分と同義語である。 本質的に凝集物を含まないフィルムは、巨視的に均質な組成物から形成するこ とができる。一般に、均質ポリマー構造は、少なくとも部分的に半透明である。 「相溶性」という語は、例えば、適度な長さの時間内に、相互に離れることな く、相互に反応することができる形態にすることによって、2つの異なるポリマ ーの相溶性を高めることを意味する。成分が、相互に、少なくとも部分的に、可 溶性および/または物理的相溶性である、巨視的に均質なブレンドを提供するこ とが目的である。従って、「相溶化」という語は、成分の相溶性を向上させるス ターチ成分のグラフトおよびスターチ成分とポリエステルとの化学反応を包含す る。この語は、スターチとポリエステルの物理的相溶性を改良する方法をも包含 する。 本発明において、「反応させる(bringing to react)」という語は、改質ス ターチ、即ちスターチ成分を、熱可塑性成分と接触させることを意味する。この 語は、スターチ成分がヒドロキシ基を含有し、プレポリマーが、そのような基と 反応することが既知であるイソシアネート基を含有するという事実と関連してい る。しかし、この語は、反応性基の反応のみが、またはその反応が常に、スター チ成分と熱可塑性成分との反応生成物を生じると理解すべきではない。 本発明によれば、スターチの内部可塑化を含んで成る相溶化が、容易に物質か ら離れる遊離する小分子成分を含有しない熱可塑性組成物を生じる。従って、本 質的に非移行性の製品を、本発明の解決策を用いて製造することができる。 本発明の方法は概ね、下記の工程から成る: − 分子量500〜15,000g/molを有するヒドロキシを末端基とするポリエ ステルを、ヒドロキシ酸モノマーおよびジオールから形成する工程、および − ヒドロキシ酸ポリマーメルト中において「可溶性」(ゲル化可能性/可塑化 可能性)であるスターチ成分およびジイソシアネートを用いて、随意の順におい てポリエステルを重合させる工程。 方法の開始時において、ヒドロキシル基を末端基とするプレポリマーの数平均 分子量は、GPCの一次検量に基づいて(ポリスチレン標準のみとの比較)50 0〜15,000g/molである。しかし、一般に、対応する方法で測定した数平 均分子量が500〜6,000g/molであるプレポリマーが使用される(「実際 の」分子量は、それらの値のほぼ半分である)。 プレポリマーの末端基は、ポリマーを、例えば脂肪族ジオールと反応させるこ とによって、ヒドロキシル基にされる。実際には、プレポリマーの製造の間に、 必要であれば、初めに水がヒドロキシル酸モノマーから除去され、次にそれがジ オールと共重合される。この反応の後、ポリエステルおよびスターチを、随意の オーダーにおいて、ジイソシアネートと反応させる。スターチ成分と接触するオ リゴマーの鎖長は、例えばスターチ成分を添加する時点を変化させることによっ て、調節することができる。 スターチと所望の熱可塑性ポリエステルとを結合させるために(例えば、グラ フトによって)、および塊状重合を充分に行うために、ヒドロキシ酸ポリマーに よって形成されるメルト中において、スターチが、前記定義による「可溶性」の 形態でなければならない、またはそのような形態にされなければならない。 1つの好ましい実施態様は、前記メルト中に溶解するスターチ誘導体、例えば 、エーテルまたはエステルを形成することを含んで成る。誘導体の置換度は、イ ソシアネート基と反応することができる少なくともいくつかの遊離ヒドロキシル 基が残されるように、調節される。一般に、エステル化、または例えばメチルエ ーテル化誘導体に関しては、このことは、置換度が3未満であることを意味する 。しかし、ヒドロキシプロピルスターチのような他の誘導体に関しては、もっと 高いモル置換度が可能である。 スターチは、初めにそれをゲル化することによって、ヒドロキシ酸ポリマーメ ルトと相溶性にするか、または可溶性にすることもできる。スターチのゲル化方 法は、例えば、Zobel,H.F.,Gelatinization of Starch and Mechanical Propert ies of Starch Pastes,in Starch,Chemistry and Technology(ed.Whistler,Be M iller,Paschall),pp.285-309,2nd Edition(1984),Academic Press,Inc.USAに開 示されている。 スターチは、さらに溶解させることができる、即ち、反応に充分なエネルギー を与えることによる熱可塑化によって、ヒドロキシ酸ポリマーのメルトと相溶性 にすることができる。従って、この種の熱可塑性スターチは、通常、ポリ−α− アンヒドログルコースおよび添加剤から成る分子分散均質混合物中の、天然およ び半結晶質構造の変換(分解)によって形成される生成物として定義される。そ のような分解工程は、スターチにエネルギーを与えることによって、行うことが できる。包含される物理的または化学的要素は、温度、剪断応力、剪断速度、滞 留時間、含水量、および適用されるエネルギーの結果量である。ローラーブレー ドを取り付けた、可変スピードモーターに接続された、バッチミキサー(ブラベ ンダー PL2000)中における、スターチの変形(straining)は、スターチまたは 可塑化塊(plasticized mass)への熱および機械エネルギーの投入に導く。 合計比エネルギー投入量(total specific energy input)は、式(1)によ って計算することができる: E=(W+q+・msλ)/・m (1) [式中: W=スクリューのトルクによる機械エネルギーの散逸 q=バレル壁を通過する熱伝達 ・msλ=凝縮蒸気からの潜熱] 通常の環境下においては、比機械エネルギー(SME=W/ msλ)が、合計 比エネルギーに対して最も寄与するものである。/1/押し出しコーンセモリナ、 小麦セモリナ、小麦粉、コーン粗粒子、およびポテトスターチは、重大なグラニ ュール損傷が起こる前に、500〜600kJ/kgより以上の比機械エネルギー( SME)投入量を必要とすることが報告されている。本発明においては、比機械 エネルギーは一般に500kJ/kg〜5000kJ/kgであり、通常は約1000kJ/k gである。 原則として、構造改質を評価するために、種々の方法が考えられる。DSCは 、スターチの熱力学的特性の測定を可能にする非常に感度の高い方法である。高 変換スターチは、ゲル化吸熱ピークを示さないが、部分的に損傷を受けたグラニ ュールは、減少した吸熱ピークを示す。ゲル化の標準的定義は、分子の開裂/崩 壊または解重合が全くまたはほとんど起こらない、熱および多量の水の存在下の 、スターチグラニュールの半結晶質の喪失である。DSC測定の間に、なお未変 換構造の構造(前工程段階の間)が次に崩壊されるので、DSCは、分解の程度 を求める間接的方法として用いることができる。 分解の程度を下記のように定義した: DG(%)=(1−HDSC/HDSCO)×100 (2) [式中: HDSC=分解サンプルの熱 HDSCO=天然スターチの熱(NatuReal(登録商標)大麦スターチに関して10. 2J/g)] 本発明においては、可塑化塊が、熱および機械エネルギー投入下に処理される。 結果として、スターチグラニュールの分子構造の溶融および無秩序化が起こり、 それによって、実質的に分解したスターチが得られる。図1は、実施例28に関 する分解サンプルのエンタルピーを示す。無傷天然スターチグラニュール(偏光 クロス、いわゆるMaltese Crossesによって可視)の減少数が、偏光顕微鏡下に 確認される(図2)。 参照:/1/.Mercier,C.およびFeillet,P.,Modification of carbohydrate co mponents by extrusion-cooking of cereal products,Cereal Chem.52(1975),pp .283-297.Ref.in Extrusion Cooking of Starch and Starchy Products.Extrus ion Cooking.Edited by Mercier,C.ら、American Association of Cereal Chemi sts,St.Paul-USA(1989)。 少なくとも1%、好ましくは約2〜90%の量のポリエステルが、本発明のス ターチ成分に添加される。5〜60%のポリエステルの添加が、生成物の溶融加 工にとって好ましい。 それらの高い反応性によって、実際に、全てのイソシアネート基が、反応混合 物中に存在するヒドロキシル基と反応する。結果として、ウレタン結合によって 、ポリエステルがスターチ成分に結合される。出発配合物が、カルボキシル基を 含有する場合、これらの基はアミド結合を形成する。カルボキシル基は、ヒドロ キシル基ほど反応性ではないので、所望のウレタン形成反応の進行を本質的に妨 害しない。 本発明の好ましい実施態様によれば、例えば加熱によって液状にされたイソシ アネートを末端基とするポリエステルと、改質スターチとを混合することによっ て、前記の重合/カップリング反応が行われる。溶解後、混合物を混合し、温度 を60℃より以上、好ましくは少なくとも約150℃、特に約1600℃〜22 0℃に上昇させ、最大捻り運動量が得られるまで、即ち、混合物の粘性が明らか に増加するまで、混合を継続する。粘性は通常、数オーダーの大きさによって増 加し、一方、運動量値は数10%で増加する。従って、混合物の粘性を示すブラ ベンダー運動量が、原料を含有する初期メルトの値の3倍の大きさに増加するま で、 混合が継続される。 得られる生成物は、無色、淡黄色〜淡褐色であり、色は使用されるスターチ成 分に依存する。生成物の強さ特性は、スターチおよびポリエステルの分子量に依 存する。一般に、生成物は、プラスチックと同様の硬さであり、例えば、プレス 成形(form pressing)、射出成形、および熱成形によって、加工することがで きる。シート材料に形成されたポリマー組成物は、半透明であり、存在するとす れば、小さい凝集物のみが可視的に認識されるだけである。かなり少量のポリエ ステルであっても、高置換度を有するスターチアセテート品質のような改質スタ ーチに対して、明確な熱可塑化効果を有することを、試験が示している。ポリエ ステルと、スターチおよびスターチ誘導体とを合わせることによって、これらの 物質を、生成物が例えば紙および板紙の被覆フィルムに使用される場合に好都合 な、より疎水性にすることができる。 多くの利益が、本発明によって得られる。従って、スターチを基礎とする成分 および化学的に反応した熱可塑性ポリエステル成分を含有する本発明のポリマー 組成物は、熱可塑性および均質であり、良好な機械的特性および良好な耐水性を 有する。ポリマー組成物は、再生できる天然資源から誘導され、生分解性/堆肥 化可能性である原料によって、主に形成される。さらに、スターチ成分とヒドロ キシ酸ポリマーとの相溶性が、疎水性を顕著に増加させる。本発明のポリマー組 成物は、「内的可塑化」されており、即ち、ポリエステルとスターチとの間のカ ップリング剤が、成分を化学結合させると考えられる。スターチ成分およびポリ エステル成分が互いに化学的に反応しなかったとしても、ポリエステルの分子量 が大きいので、最終生成物は非移行性(migration-free)である。従って、本発 明の場合、容易に移行し得るモノマー可塑剤が使用されない。 下記において、詳細な説明によって、およびいくつかの実施例を参照して、本 発明をより厳密に検査する。下記の説明および実施例は、添付図面に関連してい る。 図1Aは天然コーンスターチのエンタルピーを示し、図1Bは、実施例28に関 する分解サンプルのエンタルピーを示す。 図2は、実施例28に関する、偏光顕微鏡下の無傷天然スターチグラニュールの 数を示す。 図3は、実施例28に関するIRスペクトルを示す。 図4は、実施例29に関するIRスペクトルを示す。 図5は、実施例28に関するサンプルの細管レオメーター分析の結果を示す。プレポリマー製造 反応物の量に依存して、ポリエステルは、80〜99.0%のヒドロキシ酸モ ノマー、および20〜0.1%のジオールモノマーから成る。ヒドロキシ酸モノ マーは、脂肪族であっても芳香族であってもよい。ヒドロキシ酸モノマーは一般 に、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸またはラクトンから成る。脂肪族ヒド ロキシ酸モノマーは、L−乳酸モノマー、D−乳酸モノマー、またはそれらの混 合物(例えば、ラセミD,L−乳酸)であるのが好ましい。脂肪族ヒドロキシ酸 モノマーの他の例は、グリコール酸、α−ヒドロキシ−イソブタン酸、およびこ れらの化合物の相互混合物、ならびに乳酸との混合物である。特に記載すべき芳 香族ヒドロキシ酸は、L−マンデル酸、D−マンデル酸、またはそれらの混合物 (例えば、ラセミD,L−マンデル酸)、およびp−ヒドロキシ安息香酸である 。ゴム状剛性は、脂肪族ヒドロキシ酸モノマーと、1〜60重量%の環式脂肪族 ラクトン、例えばε−カプロラクトンモノマーとの共重合によって得られる。 ヒドロキシを末端基とするポリエステルプレポリマーの製造は、例えば、Hark onen,M.,Hiltunen,K.,Malin,M.およびSeppala,J.,による文献,Properties and Polymerization of Biodegradable Thermoplastic Poly(ester-urethane),J.M.S .-Pure Appl.Chem.A32(4),pp.857-862(1995)に記載のように行われる。 適切なヒドロキシ酸モノマーの縮合重合によるポリエステルの製造は、エステ ル化反応に適しているどのような装置中でも行うことができる。好ましい実施態 様によれば、ポリエステル化が溶融状態での塊状重合として行われ、それによっ て、縮合生成物として形成される水が、攪拌下にポリマーメルト中へ乾燥不活性 ガスを導入することによって、除去される。 実験室レベルにおいては、水の連続除去を可能にする「Rotavapor」型の装置 が、ポリエステル製造に使用される。 触媒の存在下にポリエステル化を行うのが好ましく、1つの好ましい実施態様 によれば、既知のポリエステル化触媒が使用される。この種の触媒は、例えば、 錫あるいは錫のアルキルまたはアルコキシ化合物であり、例えば、オクタン酸第 一錫である。 ポリエステル化生成物の分子量は、重合温度に依存する速度で増加する。重合 温度が210℃より高くなると、ポリマー鎖の分解が始まって、重合速度が制限 される。有害な副生物、即ちラクチドの形成は、220℃より高い温度において 実質的に増加する。前記の理由により、ポリエステル化の温度を、5℃〜50℃ /時の速度で140〜200℃の範囲の温度に、および0℃〜3℃/時の速度で2 00〜230℃の範囲の温度に、徐々に上昇させるのが好ましい。 好ましい代替法によれば、ポリエステル化が約160℃の温度において開始さ れ、次に温度が210℃に徐々に上昇される。同様に、圧力が220mbarから4 0mbarに徐々に減少され、縮合生成物が窒素の補助により連続的に除去される。 この標準的手順によって、約2,000〜8,000g/mol(例えば、約6,00 0g/mol)の数平均分子量、および約1.7の多分散性を有するポリエステル− プレポリマーが生成される。 ポリエステル化の最終段階において、所望であれば、圧力を減少させて、蒸留 によって除去することによって、低分子量部分を反応混合物から除去することが できる。プレポリマーの鎖の末端の官能化 スターチ成分と熱可塑性ポリマーとのカップリング剤として使用されるイソシ アネートは、ヒドロキシル基と最もよく反応する。通常、ヒドロキシ酸の重合の 間に、鎖の一方の末端基はカルボン酸であり、他方はヒドロキシルである。この 種のプレポリマーとジイソシアネートとのカップリングは困難であることが見い 出され、過剰の架橋が問題となる。本発明によれば、ポリマー鎖の両末端にヒド ロキシル基を有するプレポリマーを製造することによって、この問題が解決され ている。 本発明によれば、原料としての好適な脂肪族ジオールをヒドロキシ酸に添加す ることによって、ヒドロキシルを末端基とするプレポリマーが得られる。使用さ れるジオールは、例えば、エチレングリコールまたは1,4−ブタンジオールを 包含することができるが、他のジオールも可能である。好ましくは、脂肪族ジオ ールの量は、ヒドロキシル酸モノマーの量から計算して0.1〜10モル%であ り、共重合されるモノマーのヒドロキシル基とカルボキシル基とのモル比は1以 上である。1,4−ブタンジオールは、例えば、約1〜5モル%の量で使用され る。OHを末端基とするポリエステルの酸価は、20mg KO/g未満であるのが好 ましい。特に、プレポリマーの酸価は5mg KO/g未満である。 官能化ポリエステルの分子量は、未官能化ポリエステルの分子量よりも低い。スターチ成分およびその製造 本発明の組成物のスターチ成分は、0〜100%のアミロース濃度、および1 00〜0%のアミロペクチン濃度を有するいずれかの天然スターチを基礎とする ことができる。従って、スターチ成分は、大麦、イモ、小麦、オートムギ、マメ 、トウモロコシ、タピオカ、サゴ、イネ、および同様の根菜類または穀類から誘 導することできる。ゲル化によって天然スターチから製造されるスターチ、また は酸化、加水分解、架橋、カチオン化、エーテル化、およびエステル化によって 製造されるスターチ誘導体を包含することができる。スターチ成分は、少なくと もいくつかの遊離ヒドロキシル基を有するエステル化またはエーテル化スターチ であるのが好ましい。例として、3未満の置換度を有するスターチエステル(例 えば、スターチアセテート)を挙げることができる。 スターチおよび1種またはいくつかの脂肪族C2-24−カルボン酸によって形成 されるエステルから誘導されるスターチを基礎とする成分を、使用するのが好ま しいことが見い出された。この種のエステルのカルボン酸成分は、低級アルカン 酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、または酪酸、あるいはそれらの混合物から誘 導することができる。しかし、カルボン酸成分は、天然飽和または不飽和脂肪酸 からも誘導することができる。パルミチン酸、ステアリン酸、およびそれらの混 合物が、脂肪酸の例である。エステルは、長鎖カルボン酸成分およひ短鎖カルボ ン酸成分の両方を含むこともできる。アセテートおよびステアレートの混合エス テルが、後者のエステルの例である。 スターチの脂肪酸エステルの製造は、例えば、先行文献、Wolff,I.A.,Olds,D. W.およびHilbert,G.E.,The Acylation of Corn Starch,Amylose and Amylopecti n,J.Amer,Chem.Soc.73(1952)346-349、またはGros,A.T.およびFeuge,R.O.,Prope rties of Fatty Acid Esters of Amylose,J.Amer.Oil Chemists's Soc 39(1962) 19-24に記載されているように行うことができる。 スターチエステルの置換度は、約1〜2.95、特に約1.5〜2.9であるの が好ましい。 スターチアセテートは、スターチと、無水酢酸とを、触媒の存在下に反応させ ることによって製造することができる。使用される触媒は、例えば、50%水酸 化ナトリウムを含む。アセテートの製造の、当分野で既知の他の製造方法は、ス ターチアセテートの製造に適している。無水酢酸の量、触媒として使用されるア ルカリの量、および反応時間を変化させることによって、種々の置換度を有する スターチアセテートを製造することができる。大麦スターチは、実施例に使用さ れる模範的スターチである;同様の方法が、他のスターチ(他の天然スターチ、 加水分解スターチ、酸化スターチ、エーテル化スターチなど)に関しても適して いる。熱可塑化スターチ成分の製造 所望の最終生成物、即ち熱可塑化スターチまたはスターチ成分が、カップリン グ剤を介して、ポリエステルのポリマー鎖とスターチとを反応させることによっ て、製造される。カップリング剤は、鎖の末端およびスターチ中のヒドロキシル 基と、それぞれ反応する。本発明によれば、OHを末端基とするプレポリマー、 ジイソシアネート、およびプレポリマーのメルト中において完全に、または部分 的にのみ可溶性であるスターチ成分から、比較的短い重合時間を用いることによ って、相対的に高い分子量を有する生分解性スターチ誘導体を製造することがで きる。下記においてグラフトとも呼ばれるカップリング反応は、溶融状態におけ る塊状重合として行うのが好ましい。使用されるジイソシアネートは、脂肪族ま た は脂環式ジイソシアネートであるのが好ましい。天然スターチの粒状構造は、グ ラフト反応に関連して、少なくとも部分的に分解され(>50%、好ましくは8 0%を越える)、これによってスターチのゲル化/可塑化が生じる。 下記実施例においては、ヒドロキシを末端基とするポリエステルプレポリマー のグラフトを、ブラベンダープラスチコーダーPL2000装置による溶融ブレンディ ングとして行った。この工程はコンピューター制御され、カップリング反応の進 行は、ニーダーのトルクの変化および溶融塊の温度の変化を制御することによっ てモニターされた。 これらの実施例に使用されたスターチ成分は、溶融ブレンディング前に105 ℃で時間未満で乾燥されたスターチエステルおよび天然スターチを主に含んで成 る。ヒドロキシを末端とする乳酸オリゴマーを、1,000mbarの減圧(=真空 )下に、30℃で一夜維持した。イソシアネートと水との化学反応の可能性を最 少限にするために、乾燥を行った。1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを ジイソシアネートとして選択した。 原則的には、メルトブレンダーに全ての成分を同時に装填することが可能であ る。好ましい実施態様によれば、ポリエステルプレポリマーの鎖を増加させるた めに、および副反応を最少限にするために、メルトブレンダー中において、一般 に15分〜40分で、初めにジイソシアネートをヒドロキシルを末端基とするオ リゴマーと反応させる。スターチ成分を次に、そのようにして形成されたイソシ アネートを末端とするオリゴマーと混合させる。分解反応がある場合には、それ を最少限にするために、運動量最大が観察された時点から数分以内に、メルトブ レンダーから溶融塊が除去される。ブレンディング時間は1分〜48時間の範囲 であり、一般に約10分〜5時間、特に約15分〜2時間である。スターチ成分 がヒドロキシ酸メルトに溶解し、運動量示数がそれ以上増加しないことが確認さ れた段階で、混合を中止することが実際的に可能である。 ジイソシアネートの量は、OHを末端基とするオリゴマーの分子量から計算さ れる。ジイソシアネートのイソシアネート基と、ポリエステルのヒドロキシル基 とのモル比は、一般に1.0〜2.0に維持される。好ましいモル比は、使用され るスターチ成分、添加時間、および設定温度に依存する。グラフト反応が、約1 40〜約200℃、好ましくは約160℃〜180℃の温度において、得られる 生成物において遊離イソシアネート基が少なくとも本質的になくするまで行われ る。 反応は、触媒の存在下に行うことができる。好ましい触媒は、例えば、オクタ ン酸錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、および第三級アミ ン、例えば1,4−ジアザ(2,2,2)ビシクロ−オクタンである。触媒量は、 反応混合物の合計重量の多くとも2%である。ポリマー特性 ポリマーは溶融加工性であり、140℃〜200℃の温度および剪断速度20 0 1/sにおいて細管レオメーター分析によって求めたポリマーメルトの粘度は 、10〜5,000Pa・s、好ましくは50〜2,000Pa・sである。 特に乳酸から形成されたポリマーの一次分解メカニズム(primary decomposit ion mechanism)が、水性条件を必要とする加水分解であるという考えは、一般 に認められている。加水分解は、生分解の第一段階であり、微生物が低分子量加 水分解生成物を分解するのを容易にする。脂肪族エステル結合に加えて、ウレタ ン結合が、生分解構造であると一般に考えられている。 カップリング重合によって製造された生成物の機械的特性を求めた。実施例に 関連して記載されている表3は、引っ張り強さ、および弾性率が、非常に良好で あることを示している。対照サンプルを含むポリマーサンプルを、圧縮成型シー トから、片をのこで引く(sawing)ことによって得た。可塑化スターチのブレンディング、充填、および強化 新規スターチ生成物は、他の溶融加工性ポリマー(例えば、熱可塑性樹脂)と 溶融ブレンドすることができ、それによって、ブレンディング比率に依存して、 新規スターチポリマーの特性または他のポリマーの特性のどちらかが改質される 。新規スターチ生成物と溶融ブレンディングすることができるポリマーの例とし ては、ポリ(カプロラクトン)、ポリラクチド、およびポリ(エステル−ウレタ ン)を挙げることができ、これらは、ポリマーブレンドの機械的特性、生分解性 、お よび価格に影響を及ぼす。 新規ポリマー組成物は、充填剤または強化剤によって充填または強化すること もでき、これによって、例えば、可塑化スターチの耐熱性を高め、その機械的特 性を向上させ、または価格を低下させることが可能になる。好適な充填剤は、例 えば、天然スターチ、白亜(チョーク)、またはタルクである。好適な強化剤は 、例えば、乳酸を基礎とするポリマーのファイバー(例えば、ポリラクチドファ イバー)、セルロースパルプ(例えば、パインパルブ)、穀類源のセルロース繊 維物質(例えば、大麦殻のセルロースファイバー)、穀類ペントサン(例えば、 大麦殻のペントサン)、コットンファイバー、マニラアサファイバー、サイザル ファイバー、ラミーファイバー、リネンファイバー、ジュートファイバー、また は生分解性ガラスファイバーである。ファイバー物質は、組成物の衝撃強さを実 質的に向上させるだけでなく、物質の内部構造に不連続界面を与え、この界面相 が水の吸収および組成物の生分解を促進する。ポリマー組成物の用途 新規ポリマー組成物は、幅広い用途を有する。従って、それらは、射出成形片 、熱成形および吹き込み成形のパッケージおよびボトルの製造に使用することが できる。ポリマーは、紙または板紙から作られたバッグ、サック、およびフィル ムの皮膜として使用することができる。それらは、パッケージ、バッグ、および サックを作ることができる吹き込み成形フィルムまたは平面フィルムに形成する ことができる。ポリマーは、例えば、パッケージ充填物を製造するのに適してい る、発泡プラスチック製品、気泡プラスチックおよびフォームの製造に使用する こともできる。最後に、それらは放出制御(controlled-released)肥料および 薬剤の、皮膜またはマトリックスとして好適である。1つの特に好ましい実施態 様によれば、新規可塑化スターチが、メルトグルーの成分として使用される。 下記実施例は、本発明をさらに詳細に説明するものである。実施例1 スターチアセテートの製造 種々の置換度および分子量を有するスターチアセテートを、下記表に記載され ている試薬量を用いて製造した。 D.S.=置換度(測定方法:Wurzburg,O.B.,Acetylation,in Methods in Carbo hydrate Chemistry,Vol.IV,ed.R.L.Whistler,Academic Press,New York and Lon don,1964,p.288) a〜dは、種々の分子量の大麦スターチの質(表2) スターチおよび無水酢酸を、反応器に装填し、混合を開始した。混合物の温度 を60℃に上げ、50%水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加した。添加の間に 、反応混合物を40℃〜60℃に加熱した。NaOHの添加後、反応混合物の温度を 、表に示されている時間で、125℃に上昇させた。反応後、混合物を冷却し、 激しい攪拌下に約5倍の量の水を加えることによって沈殿させた。沈殿物を濾過 し、洗浄水のpHが>5になるまで、水洗した。沈殿物を噴霧乾燥した。 アセテート製造からの、使用されたスターチの分子量間の相対差を、ブランベ ンダー粘度測定値によって特徴付けた。測定は、ブラベンダービスコアミログラ フィー(Brabender-viscoamylography)を用いることによって行った。この器具 は、プログラムされた熱サイクル間に、スターチスラリーの粘度増加を平衡させ るために必要な運動量を測定する。この方法は、種々のスターチのゲル化、およ び形成パスタの特性を示すために、スターチ産業において広く使用されている。 分子量の減少は、粘度の低下として現れる。 結果を下記の表2に示す。 1 ブラベンダー粘度の測定条件: − 水性スラリーのスターチ含有量: 12% − 加熱サイクル: 初期温度30℃、1.5℃/分の速度で95℃に温度上昇 、15分間95℃に温度維持、1.5℃/分の速度で55℃に温度下降、10分間 55℃に温度維持。 − 回転速度: 75 1/分 − 測定面積: 700cmg − 略語: B1=最大粘度における運動量 C =温度が95℃に達したときの運動量 D =冷却サイクル開示時の運動量 E =温度が55℃に達したときの運動量 F =測定終了時の運動量 BU=ブラベンダー単位実施例2 ヒドロキシルを末端基とするポリ(乳酸)プレポリマーの製造 反応器として、2リットル「Rotavapor」型回転蒸発器を用いた。720gの L−乳酸、14.4gの1,4−ブタンジオール、および0.4gのオクタン酸第 一錫を、反応器に装填した。乾燥窒素を、反応混合物の液体表面より下に供給し 、反応器を絶対圧力190mbarに排気した。160℃の温度の油浴に、反応器を 部分的に浸漬し、100rpmの速度で回転を開始することによって反応混合物を 混合した。油浴の温度を、20℃/時の速度で200℃に、さらに、5℃/時の速 度で210℃に、定常的に上昇させた。次に、210℃の温度で、油浴中で、重 合をさらに4.5時間継続させた。1時間の重合の後に、圧力を130mbarに低 下させ、次に、1時間の間隔で、100mbarおよび65mbarに低下させた。圧力 を65mbarで2時間維持した後に直ぐに、開始から8.5時間後の重合の終了時 に圧力が20mbarになるまで、圧力を1時間の間隔で15mbarずつ3回減少させ た。全重合期間中、乾燥窒素を、反応混合物の表面より下で泡立たせた。重合の 間に形成された縮合水を、形成されたままの状態で回収した。 得られるポリマーの分子量をGPC装置(ゲル透過クロマトグラフィー)で分 析し、数平均分子量を、ポリスチレン標準と比較して4,300g/molであるこ とを求め、多分散性は1.7であった。13C−NMR分析は、ポリマー鎖の末端 基がほぼ完全にヒドロキシル基であること、ならびにポリマーが5.7重量%の L−ラクチドおよび5.6重量%のL−乳酸を含有することを示した。DSC− 分析(示差走査熱量分析)は、ポリマーのガラス転移温度が39℃であること、 および結晶質溶融ピークが認められないことを示し、このことはポリマーが完全 に非晶質であることを意味する。実施例3 L−乳酸およびε−カプロラクトンからの、ヒドロキシルを末端基とするプレ ポリマーの製造。 使用された反応器は、2リットル回転蒸発器であった。450gの乾燥L−乳 酸、63.3gのε−カプロラクトン(10モル%に相当する)、9.9gの1, 4−ブタンジオール、および0.26gのオクタン酸第一錫を、反応器に計量し ながら装填した。乾燥窒素を、反応混合物の表面より下に供給し、反応器を絶対 圧力230mbrに排気した。反応器を160℃の温度の油浴に部分的に浸漬した 。反応混合物を、100rpmの速度で回転を開始することによって混合した。油 浴の温度を、20℃/時の速度で200℃に、さらに、5℃/時の速度で210℃ に、上昇させた。圧力を、下記の段階によって1時間の間隔で減少させ:230 (開始)−180−130−100−80−60−50−40−30mbar、最後 に記載した圧力を、重合の終了まで維持した。窒素発泡を全重合期間中、維持し 、反応の間に形成された水を、形成されたままの状態で回収した。合計重合時間 は16時間であった。 得られるポリマーの分子量を、GPC装置で分析した。数平均分子量が、ポリ スチレン標準と比較して7,080g/molであることを求め、多分散性は1.6で あった。DSC−分析は、ポリマーのガラス転移温度が17℃であること、およ び結晶質溶融ピークが認められないことを示し、このことはポリマーが完全に非 晶質であることを意味する。実施例4 L−乳酸およびε−カプロラクトンからの、ヒドロキシルを末端基とするプレポ リマーの製造 L−乳酸の量が450g、ε−カプロラクトンの量が30.0g(5モル%に 相当する)、1,4−ブタンジオールの量が9.5g、およびオクタン酸第一錫の 量が0.24gであること以外は、実施例3と同様に重合を行った。合計重合時 間は24時間であった。得られるポリマーの分子量を、GPC装置で分析した。 数平均分子量が、ポリスチレン標準と比較して8,010g/molであることを求 め、多分散性は1.5であった。DSC−分析は、ポリマーのガラス転移温度が 28℃であること、および結晶質溶融ピークが認められないことを示し、このこ とはポリマーが完全に非晶質であることを意味する。実施例5 L−乳酸およびε−カプロラクトンからの、ヒドロキシルを末端基とするプレポ リマーの製造 L−乳酸の量が450g、ε−カプロラクトンの量が100.6g(15モル %に相当する)、1,4−ブタンジオールの量が10.6g、およびオクタン酸第 一錫の量が0.28gであること以外は、実施例3と同様に重合を行った。合計 重合時間は16時間であった。得られるポリマーの分子量を、GPC装置で分析 した。数平均分子量が、ポリスチレン標準と比較して8,410g/molであるこ とを求め、多分散性は1.5であった。DSC−分析は、ポリマーのガラス転移 温度が10℃であること、および結晶質溶融ピークが認められないことを示し、 このことはポリマーが完全に非晶質であることを意味する。実施例6 2,300g/molの「真」数平均分子量を有するL−乳酸から製造される、O Hを末端基とするオリゴマー40gを、デカンターに計量しながら装填した。デ カンターに3.7gの1,6−ヘキサメチレン−ジイソシアネートをさらに装填し た(noligo:nNCO=1:1.25)。成分をプレブレンドした。 60cm3のブレンディング室容量を有するメルトブレンダーW 50 EHを、設定温 度180℃、混合速度30 1/分で、検量した。ニーダーが回転している間に、 プレブレンドを混合室に計量しながら装填した。種々のブレンディングバッチの 混合時間が同等であるように、プレブレンドの供給をできる限り速く行った。投 入開口部(dosing opening)を5kgの重りで覆い、測定プログラムを開始した 。供給直後の、メルトの測定温度は179℃であった。40分後、27gのスタ ーチアセテート(表1、試験4)を溶融塊に添加した。スターチ成分の添加と共 に、溶融が起こるまで、瞬間的に運動量示数が20Nmに増加した。この後、運 動量示数だけが減少した。前記に基づいて、グラフトが少なくとも実質的な程度 には起こらなかったと推定することができる。測定の開始から60分後に、溶融 塊をメルトブレンダーから除去した実施例7 使用された1,6−ヘキサメチレン−ジイソシアネートの量が4.4g(noligo :nNCO=1:1.5)であること以外は、実施例6と同様に、溶融ブレンディン グを行った。メルトの温度が188℃であった57分後に、最大捻り運動量が見 い出された。合計ブレンディング時間は60分であった。DSCによって測定し たガラス転移温度は、54℃であった。製品の引っ張り強さ特性が、表3に示さ れている。実施例8 使用された1,6−ヘキサメチレン−ジイソシアネートの量が5.8g(noligo :nNCO=1:1.5)であること以外は、実施例6と同様に、溶融ブレンディン グを行った。メルトの温度が195℃であった55分後に、最大捻り運動量が見 い出された。合計ブレンディング時間は57分であった。DSCによって測定し たガラス転移温度は、55℃であった。製品の引っ張り強さ特性が、表3に示さ れている。実施例9 使用されたヒドロキシルを末端基とするオリゴマーの量が20g、スターチア セテートの量が40g、および1,6−ヘキサメチレン−ジイソシネートの量が 2.2g(noligo:nNCO=1:1.5)であること以外は、実施例7と同様であ った。メルトの温度が193℃であった50分後に、捻り運動量の最大値が見い 出された。合計ブレンディング時間は54分であった。DSCによって測定した ガラス転移温度は、53℃であった。製品の引っ張り強さ特性が、表3に示され ている。実施例10 使用されたヒドロキシルを末端基とするオリゴマーの量が20g、スターチア セテートの量が40g、および1,6−ヘキサメチレン−ジイソシネートの量が 2.9g(noligo:nNCO=1:2)であること以外は、実施例8と同様であっ た。メルトの温度が192℃であった47分後に、捻り運動量の最大値が見い出 された。合計ブレンディング時間は49分であった。DSCによって測定したガ ラス転移温度は、49℃であった。圧縮成型によって製造された製品の引っ張り 強さ特性が、表3に示されている。 サンプルに関して示されているパーセンテージは、供給材料中におけるスターチ アセテートの相対量を示す。使用されている略語は、E=曲げ弾性率、δmax= 最大応力。 供給材料中のスターチアセテートの濃度を計算した際に、ジイソシアネートの 量は含まれなかった。それに代わって、計算は、スターチ成分およびプレポリマ ーの量にのみ基づく。 表3の結果を考察すると、圧縮成型によって製造されたサンプルに関して、2 0〜30Mpaの有望な水準の破断点引っ張り強さが示されている。弾性率の値も 良好である。 比較のために、OHを末端基とする乳酸オリゴマーおよび前記と同様のスター チ誘導体を用いて、純粋な非相溶化混合物に関しても、引っ張り強さ試験を行っ た。2種の混合物に関して試験を行った;重量%で表して、40/60および6 0/40。どちらのオリゴマー/スターチ混合物も非常に脆く、そのために、試験 器具に固定された時に試験片が壊れた。 PEU/スターチ混合物の強さも試験した。表3の実験の混合物に対応する、 60重量%ポリ(エステルウレタン)(平均分子量約50,000g/mol)およ び40重量%スターチアセテートの混合物に関しては、実施例7および8よりも 、 弾性率が僅かに低く、最大応力がほぼ50%低いという結論が出された。ポリ( エステルウレタン)は10ページに記載した出版物に従って製造した。実施例11 スターチアセテートを5分後に添加したこと以外は、溶融ブレンディングを実 施例7(noligo:nHMD1=1:1.5)に記載のように行った。最大捻り運動量 が、メルトの温度が185℃であった30分後に観察された。合計ブレンディン グ時間は32分であった。DSCによって求めたガラス転移点は53℃であった 。実施例12 スターチアセテートを15分後に添加したこと以外は、実施例11と同様であ った。最大捻り運動量が、メルトの温度が186℃であった37分後に観察され た。合計ブレンディング時間は40分であった。DSCによって求めたガラス転 移点は、50℃であった。実施例13 スターチアセテートを30分後に添加したこと以外は、実施例12と同様であ った。最大捻り運動量が、メルトの温度が187℃であった45分後に観察され た。合計ブレンディング時間は48分であった。DSCによって求めたガラス転 移点は、48℃であった。 実施例7および11〜13は、ポリマー組成物の成分が、改質スターチの添加 時に関係なく、互いに反応することを示している。このことは、高置換度を有す るスターチアセテートに特に適用される。実施例14 より高い分子量のスターチアセテートを使用したこと以外は、実施例7と同様 であった(表1、試験1)。最大捻り運動量が、メルトの温度が193℃であっ た47分後に観察された。合計ブレンディング時間は47分であった。実施例7 と同様に、得られる生成物は均質であり、DSCによって求めたガラス転移点は 53℃であった。実施例15 既に30分経過後にスターチアセテートを添加したこと以外は、実施例14と 同様であった。最大捻り運動量が、メルトの温度が192℃であった40分後に 観察された。合計ブレンディング時間は42分であった。DSCによって求めた ガラス転移点は54℃であった。圧縮成型によって製造したサンプルの引っ張り 強さ係数は、弾性率が1409±157MPa、最大応力が24±3.4MPaであっ た。実施例16 1,6−ヘキサメチレンン−ジイソシアネートのモル量がOHを末端基とする オリゴマーの量の1.75倍であったこと以外は、実施例14と同様であった。 さらに、使用されたスターチアセテートを酵素を用いてさらに加水分解した(表 1、試験6)。最大捻り運動量が、メルトの温度が185℃であった46分後に 観察された。DSCによって求めた、得られる均質生成物のガラス転移点は49 ℃であった。圧縮成型によって製造したサンプルの引っ張り強さ係数は、弾性率 が1299±122MPa、最大応力が15±0.1MPaであった。実施例17 スターチアセテートの置換度がより低い(表1、試験5)こと以外は、実施例 8と同様であった。最大捻り運動量が、メルトの温度が189℃であった44分 後に観察された。合計ブレンディング時間は45分であった。DSCによって求 めたガラス転移点は49℃であった。実施例18 スターチアセテートを、既に20分経過後に添加したこと以外は、実施例17 と同様であった。最大捻り運動量が、メルトの温度が185℃であった24分後 に観察された。DSCによって求めたガラス転移点は45℃であった。実施例19 より低いブレンダー最終粘度(Brabender-end viscosity)およびより低い置 換度を有する酸水解スターチアセテート(表1、試験3)を使用したこと以外は 、実施例7と同様であった。最大捻り運動量が、メルトの温度が192℃であっ た48分後に観察された。合計ブレンディング時間は50分であった。DSCに よって求めたガラス転移点は54℃であった。実施例20 2,300g/molの数平均分子量を有し、L−乳酸から製造された、OHを末 端基とするオリゴマー20gを、デカンター中に計量した。デカンターに、2. 2gの1,6−ヘキサメチレン−ジイソシアネートを添加した(noligo:nNCO =1:1.5)。成分をプレミックスし、190℃の温度のブレンディング室に 入れ、ニーダーの回転速度は30 1/分であった。投入開口部(dosage opening )を5kgの重りで覆い、測定プログラムを開始した。表1の試験2に対応する スターチアセテート10gを、溶融塊に20分後に添加した。ブレンディングを 70分後に終了した。DSCによって求めたガラス転移点は50℃であった。実施例21 1,500g/molの数平均分子量を有し、D,L−乳酸から製造された、OHを 末端基とするオリゴマー30gを、デカンター中に計量した。デカンターに、5 .0gの1,6−ヘキサメチレン−ジイソシアネートを添加した(noligo:nNCO =1:1.5)。成分をプレミックスし、160℃の温度のブレンディング室に 入れ、ニーダーの回転速度は30 1/分であった。投入開口部を5kgの重りで 覆い、測定プログラムを開始した。20gのスターチパルミテート(D.S.=2 .0)を、25分後に溶融塊に添加した。最大運動量が、メルトの温度が173 ℃であった58分後に観察された。合計ブレンディング時間は61分であった。 DSCによって求めたガラス転移点は47℃であった。実施例22 2,300g/molの数平均分子量を有し、L−乳酸から製造された、OHを末 端基とするオリゴマー30gを、デカンター中に計量した。デカンターに、3. 3gの1,6−ヘキサメチレン−ジイソシアネートを添加した(noligo:nNCO =1:1.5)。成分をプレミックスし、160℃の温度のブレンディング室に 入れ、ニーダーの回転速度は30 1/分であった。投入開口部を5kgの重りで 覆い、測定プログラムを開始した。20gのスターチステアレート−パルミテー ト(スターチパルミテートとスターチステアレートとの混合エステル、パルミテ ート20.3重量%およびステレート17.6重量%、D.S.約2.3)を、30 分後に溶融塊に添加した。 最大運動量が、メルトの温度が178℃であった65分後に観察された。合計 ブレンディング時間は66分であった。DSCによって求めたガラス転移点は5 4℃であった。実施例23 2,300g/molの数平均分子量を有し、L−乳酸から製造された、OHを末 端基とするオリゴマー30gを、デカンター中に計量した。デカンターに、3. 8gの1,6−ヘキサメチレン−ジイソシアネートを添加した(noligo:nNCO =1:1.7)。成分をプレミックスし、180℃の温度のブレンディング室に 入れ、ニーダーの回転速度は30 1/分であった。投入開口部を5kgの重りで 覆い、測定プログラムを開始した。置換度がアセテートに関しては0.98およ びプロピオネートに関しては0.55であるスターチアセテート−プロピオネー ト20gを、溶融塊に30分後に添加した。最大捻り運動量が、メルトの温度が 193℃であった36分後に観察された。合計ブレンディング時間は41分であ った。DSCによって求めたガラス転移点は53℃であった。実施例24 2,300g/molの数平均分子量を有し、L−乳酸から製造された、OHを末 端基とするオリゴマー30gを、デカンター中に計量した。デカンターに、3. 3gの1,6−ヘキサメチレン−ジイソシアネートを添加した(noligo:nNCO =1:1.7)。成分をプレミックスし、180℃の温度のブレンディング室に 入れ、ニーダーの回転速度は30 1/分であった。投入開口部を5kgの重りで 覆い、測定プログラムを開始した。30分後、実施例6〜13に対応するスター チアセテート15gおよび実施例22に対応するスターチアセテート−パルミテ ート5gから成る混合物を溶融塊に添加した。最大捻り運動量が、メルトの温度 が188℃であった42分後に観察された。合計ブレンディング時間は43分で あった。DSCによって求めたガラス転移点は50℃であった。実施例25 実施例5に対応するプレポリマー20gを、デカンター中に計量した。デカン ターに、2.1gの1,6−ヘキサメチレン−ジイソシアネートを添加した。成分 をプレミックスした。60cm3のブレンディング室容量を有するメルトブレンダ ーW 50 EHを、温度180℃および混合速度30 1/分に関して検量した。ニー ダーが回転している間に、プレブレンドを、ブレンディング室に入れた。投入開 口部を5kg重りで覆い、測定プログラムを開始した。天然大麦スターチ(表2 )30gを、溶融塊に40分後に添加した。スターチ成分を添加したときに、溶 融が起こるまで、瞬間的にトルク値が38Nmに上昇した。57分の時点で、新た な最大トルクが観察され、そのときのメルト温度は188℃であった。合計ブレ ンディング時間は60分であった。DSCによって求めたガラス転移点は15℃ であった。バー(4mm×6mm×50mm)の予備引っ張り強さ係数を、20℃にお いて求めた:弾性率≦150MPa、最大応力6±1MPa、および極限伸び約60% 。実施例26 実施例4に対応するプレポリマーを使用したこと以外は、実施例25と同様に 溶融ブレンディングを行った。さらに、2.2gの1,6−ヘキサメチレン−ジイ ソシアネートを使用した。スターチ成分を添加したときに、溶融が起こるまで、 捻り値が瞬間的に37Nmに上昇した。新たな最大トルクが51分の時点で観察さ れ、そのときのメルトの温度は197℃であった。合計ブレンディング時間は5 2分であった。DSCによって求めたガラス転移点は30℃であった。バー(4 mm×6mm×50mm)の予備引っ張り強さ係数を、20℃において求めた:弾性率 1000MPa、最大応力23±7MPa、および極限伸び約2%。実施例27 20gの天然大麦を使用すること以外は、実施例26と同様に溶融ブレンディ ングを行った。スターチ成分を添加したときに、溶融が起こるまで、トルクが瞬 間的に20Nmに上昇した。新たな最大トルクが65分の時点で観察され、そのと きのメルトの温度は189℃であった。合計ブレンディング時間は66分であっ た。DSCによって求めたガラス転移点は33℃であった。バー(4mm×6mm× 50mm)の予備引っ張り強さ係数を、+20℃において求めた:弾性率1560 MPa、最大応力22±1MPa、および極限伸び約3%。実施例28 実施例3に対応するプレポリマーを使用すること以外は、実施例27と同様に 溶融ブレンディングを行った。さらに、1.6gの1,6−ヘキサメチレン−ジイ ソシアネートを使用した。スターチ成分を添加したときに、溶融が起こるまで、 捻り値が瞬間的に22Nmに上昇した。新たな最大トルクが65分の時点で観察さ れ、そのときのメルトの温度は191℃であった。合計ブレンディング時間は6 0分であった。DSCによって求めたガラス転移点は27℃であった。バー(4 mm×6mm×50mm)の予備引っ張り強さ係数を、+20℃において求めた:弾性 率750MPa、最大応力14±1MPa、および極限伸び約45%。 非グラフトプレポリマーをクロロホルム中で抽出した(12h)。クロロホル ム抽出において溶解しなかった成分のIRスペクトルが、図3に示されている。実施例29 180℃の温度のメルトブレンダー中において、実施例3に対応するプレポリ マー50gを計量した。プレポリマーが溶融した後、50 1/分の混合速度で測 定プログラムを開始し、2.8gの1,6−ヘキサメチレン−ジイソシアネートを ブレンディング室にピペットで加えた。ブレンディングトルク値が1時間上昇し た。ブレンディングをさらに1時間継続して、全てのイソシアネート基が確実に 反応するようにした。 この後、前記で製造したポリマーと天然大麦スターチとの混合物を、メルトブ レンダー(180℃、75 1/分)中で製造して、スターチの割合(48重量% )が実施例28と同じになるようにした。ポリエステル成分を、クロロホルムを 用いてブレンドから抽出した。抽出物の量は52%であった。前記のように、ク ロロホルム中で溶解しなかった部分に関して、IRスペクトルを行った。そのス ペクトルである図4は、大麦スターチのIRスペクトルに対応する。実施例30 実施例3に対応するプレポリマー20gを、デカンター中に計量した。デカン ターに、1.6gの1,6−ヘキサメチレン−ジイソシアネートを添加した。成分 を、プレミックスした。60cm3のブレンディング室容量を有するメルトブレン ダーW 50 EHを、温度180℃および混合速度50 1/分に関して検量した。ニ ーダーが回転している間に、プレブレンドをブレンディング室に入れた。投入開 口部を5kg重りで覆い、測定プログラムを開始した。20分後に、スターチア セテート(D.S.=2.26)20gを溶融塊に添加した。反応時間が短い(2 h)こと以外は、表1の試験1と同様に、スターチアセテートを製造した。最大 捻り運動量が27分の時点で観察され、その後、捻り運動量は非常にゆっくりと 減少した。合計ブレンディング時間は60分であった。バー(4mm×6mm×50 mm)の予備引っ張り強さ係数を、+20℃において求めた:弾性率500MPa、 最大応力18±3MPa、および極限伸び約4%。実施例31 実施例2に対応するプレポリマー24gを、デカンター中に計量した。デカン ターに、2.6gの1,6−ヘキサメチレン−ジイソシアネートを添加した。成分 を、プレミックスした。60cm3のブレンディング室容量を有するメルトブレン ダーW 50 EHを、温度180℃および混合速度50 1/分に関して検量した。ニ ーダーが回転している間に、プレブレンドをブレンディング室に入れた。投入開 口部を5kg重りで覆い、測定プログラムを開始した。20分後に、天然大麦ス ターチ16gを溶融塊に添加した。最大トルクが観察された後、直ぐにメルトブ レンディングを中止した。 ロッド(4mm×6mm×50mm)の予備引っ張り強さ係数を試験した:弾性率1 270MPa、最大応力23±2MPa、および極限伸び約2%。実施例32 数平均分子量2,300g/molを有し、L−乳酸から製造された、OHを末端 基とするオリゴマー30gを、デカンター中に計量した。デカンターに、3.3 gの1,6−ヘキサメチレン−ジイソシアネートを添加した(noligo:nNCO= 1:1.5)。成分を、プレミックスし、温度160℃およびニーダーの回転速 度30 1/分を有するブレンディング室に入れた。投入開口部を5kg重りで覆 い、測定プログラムを開始した。商品名COHPOL DL 20(Primalco Oy,Polymer di visionによって製造)で知られるヒドロキシプロピルスターチ20gを、30分 後に溶融塊に添加した。最大捻り運動量が35分の時点で観察され、そのときの メルトの温度は163℃であった。DSCによって求めたガラス転移点は49℃ であった。実施例33 数平均分子量2,300g/molを有し、L−乳酸から製造された、OHを末端 基とするオリゴマー28gを、デカンター中に計量した。デカンターに、4.1 gの1,6−ヘキサメチレン−ジイソシアネートを添加した(noligo:nNCO= 1:2)。成分を、プレミックスし、温度190℃およびニーダーの回転速度3 0 1/分を有するブレンディング室に入れた。投入開口部を5kg重りで覆い、 測定プログラムを開始した。ゲル化された天然大麦スターチ(下記参照)12g を、15分後に溶融塊に添加した。最大捻り運動量が37分の時点で観察され、 そのときのメルトの温度は194℃であった。得られる生成物は、淡褐色であり 、均質であり、非常に硬質であった。DSCによって求めたガラス転移点は51 ℃であった。 15%天然大麦スターチ水性スラリーを、過熱蒸気によって、供給コンテナか らパイプへ送ることによってゲル化した。それによって、スターチが約100℃ :ssaにおいてゲル化した。水研ぎ型(wet grinding type)のホモジナイザーに スラッジを即座に通すことによって、ゲル化スターチを均質化した。均質化は、 カッター中にスラリーを数回循環させることによって行った。均質化の後に、ゲ ル化スターチを貯蔵し、噴霧乾燥によって乾燥させた。乾燥後、サンプルをゲル 化天然大麦スターチから取り、ブラベンダー粘度を測定するために水性スラリー をそのサンプルから形成した。12%のスターチ含有量を有する水性スラリーの ブラベンダー粘度は、表2の測定環境において、下記の数値に対応した:B1= 512BU、C=345BU、D=274BU、E=512BU、およびF=3 52BU。実施例34 吸湿性試験 Valtion teknillisen tutkimuskeskus Bio-ja Elintarviketekniikan tutkimusyksikkoにおいて、吸水性を試験した。相対湿度が飽和塩水によって調 節された室中で、サンプルを平衡にした。塩は、LiCl、Mg(NO3)2、Na Cl、(NH4)2SO2、KNO3、およびK2SO4を包含する。相対湿度はそれぞ れ、12、33、56、77、91、および97%であった。室を20℃の温度 に維持し、吸収水の量を、7日後に重量的に求めた。 使用された対照サンプルは、天然大麦スターチ、および2.8の置換度を有す る実施例6〜13のスターチアセテートを含んで成った。試験されたグラフトは 、対照サンプルよりも吸湿性が低かった。従って、最大相対湿度においては、天 然大麦スターチの質量変化は約15%であり、スターチアセテートは5%であっ た。対応する条件において、実施例8の組成物は、2%より僅かに多く吸収し、 製造に際してかなり多くの前記スターチアセテートが使用された実施例10の組 成物は、1.5%を吸収した。実施例35 スターチの粒状構造の部分的分解を、DSCによって示す。 実施例28のサンプルを、DSCルツボ中で、水性懸濁液に形成した。該懸濁 液の含水量は約70%であった。10℃/分の速度で、懸濁液を10℃から10 0℃に加熱した。比較のために、図1は、同じ分析にかけた天然大麦スターチに 関する典型的DSCサーモグラムをも含む。サーモグラムの比較によって、実施 例28の天然大麦スターチの粒状構造が、ほぼ90%の分解を受けたことが明白 である。実施例36 生分解性試験 実施例7、10、14、17、および33によって製造したサンプルを、Valt ion teknillinen tutkimuskeskus Bio-ja Elintarviketekniikan tutkimusyksik ko(VTT Biotechnology and Food Research)において、いわゆるヘッドスペー ス試験によって、生分解性に関する予備試験にかけた。使用された対照サンプル は、表1の試験2および4のスターチアセテートを含んで成った。15mgのサン プルを、120mlヘッドスペースボトルに計量装填した。50mlの 培地(Modified Sturm Test(OECD 301 B);ASTM D 5209)、および好熱段階の堆 肥(compost)から製造される微生物接種原(microbial inoculum)を添加した 。ボトルを水浴上で55℃において66日間で培養し、生分解の間に形成される 二酸化炭素を、赤外線法に基づく分析器によってガススペース(gas space)か ら直接求めた。パーセンテージで示される生分解を、理論濃度に対する二酸化炭 素の割合から計算した。 対照サンプルの中で置換度の低いスターチアセテートを、最も可能性に富む生 分解にかけた;サンプルの二酸化炭素産生は、培養から14日後で約20%であ った。同じ日数の経過後、より高い置換度を有するスターチアセテートは、本質 的に全く生分解されなかった。培養から66日後においてさえも、対照サンプル の二酸化炭素産生において顕著な変化は見い出されなかった。実サンプルの中で 、実施例14の生成物は、最も急速に生分解され、培養14日以内で既に、ガス 産生が理論量のほぼ40%であった。該サンプルの二酸化炭素産生はさらに増加 し、66日後には、理論量の70%に達した。実施例33によって製造した生成 物も、僅かに遅く開始した後に、同じ産生レベルに達した。他のサンプルも培養 からわずか28日後に、実質的に生分解を開始した。実施例7および17によっ て製造された生成物は、試験期間中に、40〜50%の生分解に達した。最も遅 い生分解が、実施例10の生成物に関して見い出された。該生成物は、高置換度 を有するスターチアセテート60%から製造された。それのガス産生は、試験の 終了時において、理論値の約30%であり、この値は対照サンプルよりも顕著に 高い。実施例37 生分解性 実施例26によって製造したサンプルの生分解性を、Valtion teknillinen tu tkimuskeskus Bio-ja Elintarviketekniikan(Vtt Biotechnology and Food Res earch)において、いわゆるヘッドスペース試験によって、予備試験した。15m gのサンプルを、120mlヘッドスペースボトルに計量装填し、次に、50mlの 栄養培地(Modified Sturm Test(OECD 301 B);ASTM D 5209)、および好熱段階 の堆肥からの微生物接種原を添加した。ボトルを水浴上で55℃で培養し、生 分解の間に形成される二酸化炭素を、赤外線法に基づく分析器を用いてガススペ ースから直接求めた。生分解のパーセンテージを、理論濃度に対する二酸化炭素 の割合として計算した。生分解の正の対照標準のガス産生は、培養から30日後 に理論値の約60%であり、同期間における実サンプルの対応する値は、50% であった。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年8月25日 【補正内容】 請求の範囲(補正後) 1.スターチの可塑化方法であって、 − スターチを、少なくともいくつかの遊離ヒドロキシル基を含有し、ヒドロ キシ酸ポリマーメルト中において可溶性であるような改質形態にする; − そのように改質されたスターチと、ヒドロキシ酸ポリマーから成る熱可塑 性成分とを、高温において反応させる;および、 − 少なくとも本質的に均質な混合物が得られ、熱可塑性成分がウレタン結合 によってスターチ成分に少なくと部分的に結合するまで、反応を継続させる; ことを特徴とする方法。 2.スターチ成分が、ヒドロキシ酸ポリマーメルト中に、ゲル化可能/可塑化 可能である請求項1に記載の方法。 3.0〜100%のアミロース含有量および100〜0%のアミロペクチン含 有量を有する天然スターチ、ゲル化によってそれから製造されるスターチ、酸化 によって製造されるスターチ誘導体、3未満の置換度を有するエステル化スター チ誘導体、3未満の置換度を有するエーテル化スターチ誘導体、架橋スターチ誘 導体、ヒドロキシアルキル化スターチ誘導体、およびカチオン性スターチ誘導体 から成る群から、スターチ成分が選択される請求項1または2に記載の方法。 4.約99〜10%のスターチ成分、およびヒドロキシ酸の構造基から成るポ リエステルを少なくとも1%、好ましくは約2〜90%含有する混合物が形成さ れる請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。 5.熱可塑性成分の少なくとも一部が、ウレタン結合によってスターチにグラ フトされる請求項1に記載の方法。 6.スターチを基礎とする成分および熱可塑性ポリマー成分を含有する溶融加 工性ポリマー組成物であって、 − 熱可塑性ポリマー成分が、ヒドロキシ酸単位を含有するポリエステルを含 んで成る;および、 − ポリエステルと、スターチを基礎とする成分とが、少なくとも部分的にウ レタン結合によって化学的に結合して、少なくとも本質的に均質な混合物を形成 する; ことを特徴とする組成物。 7.ポリエステルと、スターチを基礎とする成分との間に、いくつかのアミド 結合を含有する請求項6に記載のポリマー組成物。 8.少なくとも約1%のポリエステルを含有し、均質および/または相溶化メ ルトを形成することができる請求項6または7に記載のポリマー組成物。 9.約98〜10%のスターチに基づく成分、および2〜90%、好ましくは 約5〜60%のポリエステルを含有する請求項6〜8のいずれか1つに記載のポ リマー組成物。 10.ポリエステルのメルト中において可溶性であり、ゲル化/可塑化され、 および、少なくともいくつかの遊離ヒドロキシル基を含有する、改質スターチか ら、スターチを基礎とする成分が誘導される請求項6〜9のいずれか1つに記載 のポリマー組成物。 11.0〜100%のアミロース含有量および100〜0%のアミロペクチン 含有量を有する天然スターチ、ゲル化によってそれから製造されるスターチ、酸 化によって製造されるスターチ誘導体、3未満の置換度を有するエステル化スタ ーチ誘導体、3未満の置換度を有するエーテル化スターチ誘導体、架橋スターチ 誘導体、ヒドロキシアルキル化スターチ誘導体、およびカチオン性スターチ誘導 体から成る群から、スターチを基礎とする成分が選択される請求項5〜10のい ずれか1つに記載のポリマー組成物。 12.スターチを基礎とする成分が、スターチおよび1種またはそれ以上の脂 肪族C2-24カルボン酸のエステルから誘導される請求項11に記載のポリマー組 成物。 13.エステルのカルボン酸成分が、酢酸、プロピオン酸、または酪酸、ある いはそれらの混合物から誘導される請求項12に記載のポリマー組成物。 14.エステルのカルボン酸成分が、天然飽和または不飽和脂肪酸から誘導さ れる請求項12に記載のポリマー組成物。 15.カルボン酸成分が、パルミチン酸、ステアリン酸、またはそれらの混合 物から誘導される請求項12に記載のポリマー組成物。 16.スターチを基礎とする成分が、長鎖カルボン酸成分または短鎖カルボン 酸成分の両方を含有する請求項13〜15に記載のポリマー組成物。 17.スターチ成分が、スターチと酢酸とステアリン酸の混合エステルである 請求項16に記載のポリマー組成物。 18.エステル化スターチの置換度が約1.5〜2.95である請求項12〜1 7のいずれか1つに記載のポリマー組成物。 19.ポリエステルが、脂肪族および場合によっては芳香族ヒドロキシ酸から 誘導される反復単位を80〜99.9%、およびジオールから誘導される単位を 20〜0.1%含有する請求項6〜18のいずれか1つに記載のポリマー組成物 。 20.ヒドロキシ酸誘導単位が、L−乳酸モノマー、D−乳酸モノマー、また はそれらの混合物、グリコール酸モノマー、α−ヒドロキシ−イソ酪酸モノマー 、またはそれらの混合物、およびこれらと乳酸モノマーとの混合物、L−マンデ ル酸モノマー、D−マンデル酸モノマー、およびこれらの混合物、またはp−ヒ ドロキシ安息香酸モノマーから誘導され、遊離ヒドロキシ酸モノマーおよびラク チドの濃度がポリマーに対して3重量%またはそれ以下である請求項19に記載 のポリマー組成物。 21.ポリエステルが、1〜60重量%の環式脂肪族ラクトン、例えばε−カ プロラクトンモノマーを、ゴム状剛性を増加させるコモノマーとして含有する請 求項19または20に記載のポリマー組成物。 22.ジオール単位が、脂肪族であり、例えばエチレングリコールまたは1, 4−ブタンジオールから誘導される請求項6〜21のいずれか1つに記載のポリ マー組成物。 23.生分解性である請求項6〜22のいずれか1つに記載のポリマー組成物 。 24.140〜200℃の温度および200 1/sの剪断応力において、細管 レオメーター分析によって求められるポリマーメルトの粘度が、10〜5,00 0Pa・s、好ましくは50〜2,000Pa・sである請求項6〜23のいずれか1つ に記載のポリマー組成物。 25.スターチを基礎とする成分および熱可塑性ポリマー成分を含有する溶融 加工性ポリマー組成物の製造方法であって、 − ヒドロキシ酸モノマーおよびジオールから、分子量500〜15,000 g/molを有するヒドロキシを末端基とするポリエステルを形成する;および − 該ポリエステルを、ジイソシアネート、およびスターチ成分中で可溶性で あり、ゲル化/可塑化できるスターチ成分と、随意の順で反応させる; ことを特徴とする方法。 26.ヒドロキシを末端基とするポリエステルを初めに、ジイソシアネートと 反応させて、ヒドロキシル末端基をイソシアネート基に変換し、イソシアネート を末端基とするポリエステルをスターチ成分と反応させる請求項25に記載の方 法。 27.ヒドロキシを末端基とするポリエステルを、ジイソシアネートおよびス ターチ成分と、同時に共重合させる請求項25に記載の方法。 28.ジイソシアネートとポリエステルのヒドロキシル基とのモル比が、1. 0〜2.0、好ましくは1.05〜2.0、特に約1.3〜2.0に維持される請求 項25〜27のいずれか1つに記載の方法。 29.共重合反応が、溶融相において、温度を140〜200℃に維持するこ とによって行われる請求項25〜28のいずれか1つに記載の方法。 30.得られるポリマー組成物が少なくとも本質的に遊離イソシアネート基を 含まなくなるまで、共重合が継続される請求項25〜29のいずれか1つに記載 の方法。 31.− スターチを基礎とする成分を初めに、少なくともいくつかの遊離ヒ ドロキシル基を含有し、ポリエステルメルト中において可溶性であり、ゲル化/ 可塑化できる形態にする; − スターチを基礎とする成分およびポリエステルから、混合物を形成する; − このようにして得られる混合物を、攪拌下に加熱する;および − 混合物の剛性が明らかに増加するまで、攪拌を継続する; ことを含んで成る請求項25に記載の方法。 32.熱可塑性樹脂とブレンドされた請求項6のポリマー組成物を含有するこ とを特徴とするポリマーブレンド。 33.可塑剤、充填剤および/または強化剤と混合された請求項6に記載のポ リマー組成物、あるいは、請求項31に記載のポリマーブレンド。 34.使用される充填剤が、スターチまたは改質スターチを含んでなる請求項 33に記載のポリマー組成物または混合物。 35.接着剤、特にホットメルトグルーの成分としての、請求項6に記載のポ リマー組成物の使用。 36.フィルム製造のための、請求項6に記載のポリマー組成物の使用。 37.射出成形物品、ならびに熱成形および吹き込み成形パッケージ、バッグ 、サック、およびボトルの製造のための、請求項6に記載のポリマー組成物の使 用。 38.紙および板紙を被覆するための、請求項6に記載のポリマー組成物の使 用。 39.制御的に放出される肥料または薬剤のマトリックスまたは皮膜としての 、請求項6に記載のポリマー組成物の使用。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 ペルトネン,ソイリ フィンランド、エフイーエン−05200ラヤ メキ、ソインツランティエ33番 (72)発明者 ヘイッキレ,エリナ フィンランド、エフイーエン−01670ヴァ ンター、イセンネンクヤ3エフ28番 (72)発明者 ヴオレンペー,ヤニ フィンランド、エフイーエン−00250ヘル シンキ、メッセニウクセンカツ7アー22番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.スターチの可塑化方法であって、 − スターチを、少なくともいくつかの遊離ヒドロキシル基を含有し、ヒドロ キシ酸ポリマーメルト中において可溶性であるような改質形態にする; − そのように改質されたスターチと、ヒドロキシ酸ポリマーから成る熱可塑 性成分とを、高温において反応させる;および、 − 少なくとも本質的に均質な混合物が得られるまで、反応を継続させる; ことを特徴とする方法。 2.スターチ成分が、ヒドロキシ酸ポリマーメルト中に、ゲル化可能/可塑化 可能である請求項1に記載の方法。 3.0〜100%のアミロース含有量および100〜0%のアミロペクチン含 有量を有する天然スターチ、ゲル化によってそれから製造されるスターチ、酸化 によって製造されるスターチ誘導体、3未満の置換度を有するエステル化スター チ誘導体、3未満の置換度を有するエーテル化スターチ誘導体、架橋スターチ誘 導体、ヒドロキシアルキル化スターチ誘導体、およびカチオン性スターチ誘導体 から成る群から、スターチ成分が選択される請求項1または2に記載の方法。 4.約99〜10%のスターチ成分、およびヒドロキシ酸の構造基から成るポ リエステルを少なくとも1%、好ましくは約2〜90%含有する混合物が形成さ れる請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。 5.熱可塑性成分の少なくとも一部が、ウレタン結合によってスターチにグラ フトされる請求項1に記載の方法。 6.スターチを基礎とする成分および熱可塑性ポリマー成分を含有する溶融加 工性ポリマー組成物であって、 − 熱可塑性ポリマー成分が、ヒドロキシ酸単位を含有するポリエステルを含 んで成る;および、 − ポリエステルと、スターチを基礎とする成分とが化学的に結合して、少な くとも本質的に均質な混合物を形成する; ことを特徴とする組成物。 7.ポリエステルが、ウレタン結合によって、少なくとも部分的に、スターチ を基礎とする成分に結合している請求項6に記載のポリマー組成物。 8.少なくとも約1%のポリエステルを含有し、均質および/または相溶化メ ルトを形成することができる請求項6または7に記載のポリマー組成物。 9.約98〜10%のスターチに基づく成分、および2〜90%、好ましくは 約5〜60%のポリエステルを含有する請求項6〜8のいずれか1つに記載のポ リマー組成物。 10.ポリエステルのメルト中において可溶性であり、ゲル化/可塑化され、 および、少なくともいくつかの遊離ヒドロキシル基を含有する、改質スターチか ら、スターチを基礎とする成分が誘導される請求項6〜9のいずれか1つに記載 のポリマー組成物。 11.0〜100%のアミロース含有量および100〜0%のアミロペクチン 含有量を有する天然スターチ、ゲル化によってそれから製造されるスターチ、酸 化によって製造されるスターチ誘導体、3未満の置換度を有するエステル化スタ ーチ誘導体、3未満の置換度を有するエーテル化スターチ誘導体、架橋スターチ 誘導体、ヒドロキシアルキル化スターチ誘導体、およびカチオン性スターチ誘導 体から成る群から、スターチを基礎とする成分が選択される請求項5〜10のい ずれか1つに記載のポリマー組成物。 12.スターチを基礎とする成分が、スターチおよび1種またはそれ以上の脂 肪族C2-24カルボン酸のエステルから誘導される請求項11に記載のポリマー組 成物。 13.エステルのカルボン酸成分が、酢酸、プロピオン酸、または酪酸、ある いはそれらの混合物から誘導される請求項12に記載のポリマー組成物。 14.エステルのカルボン酸成分が、天然飽和または不飽和脂肪酸から誘導さ れる請求項12に記載のポリマー組成物。 15.カルボン酸成分が、パルミチン酸、ステアリン酸、またはそれらの混合 物から誘導される請求項12に記載のポリマー組成物。 16.スターチを基礎とする成分が、長鎖または短鎖カルボン酸成分の両方を 含有する請求項13〜15に記載のポリマー組成物。 17.スターチ成分が、スターチと酢酸とステアリン酸の混合エステルである 請求項16に記載のポリマー組成物。 18.エステル化スターチの置換度が約1.5〜2.95である請求項12〜1 7のいずれか1つに記載のポリマー組成物。 19.ポリエステルが、脂肪族および場合によっては芳香族ヒドロキシ酸から 誘導される反復単位を80〜99.9%、およびジオールから誘導される単位を 20〜0.1%含有する請求項6〜18のいずれか1つに記載のポリマー組成物 。 20.ヒドロキシ酸誘導単位が、L−乳酸モノマー、D−乳酸モノマー、また はそれらの混合物、グリコール酸モノマー、α−ヒドロキシ−イソ酪酸モノマー 、またはそれらの混合物、およびこれらと乳酸モノマーとの混合物、L−マンデ ル酸モノマー、D−マンデル酸モノマー、およびこれらの混合物、またはp−ヒ ドロキシ安息香酸モノマーから誘導され、遊離ヒドロキシ酸モノマーおよびラク チドの濃度がポリマーに対して3重量%またはそれ以下である請求項19に記載 のポリマー組成物。 21.ポリエステルが、1〜60重量%の環式脂肪族ラクトン、例えばε−カ プロラクトンモノマーを、ゴム状剛性を増加させるコモノマーとして含有する請 求項19または20に記載のポリマー組成物。 22.ジオール単位が、脂肪族であり、例えばエチレングリコールまたは1, 4−ブタンジオールから誘導される請求項6〜21のいずれか1つに記載のポリ マー組成物。 23.生分解性である請求項6〜22のいずれか1つに記載のポリマー組成物 。 24.140〜200℃の温度および200 1/sの剪断応力において、細 管レオメーター分析によって求められるポリマーメルトの粘度が、10〜5,0 00Pa・s、好ましくは50〜2,000Pa・sである請求項6〜23のいずれか1 つに記載のポリマー組成物。 25.スターチを基礎とする成分および熱可塑性ポリマー成分を含有する溶融 加工性ポリマー組成物の製造方法であって、 − ヒドロキシ酸モノマーおよびジオールから、分子量500〜15,000 g/molを有するヒドロキシを末端基とするポリエステルを形成する;および − 該ポリエステルを、ジイソシアネート、およびスターチ成分中で可溶性で あり、ゲル化/可塑化できるスターチ成分と、随意の順で反応させる; ことを特徴とする方法。 26.ヒドロキシを末端基とするポリエステルを初めに、ジイソシアネートと 反応させて、ヒドロキシル末端基をイソシアネート基に変換し、イソシアネート を末端基とするポリエステルをスターチ成分と反応させる請求項25に記載の方 法。 27.ヒドロキシを末端基とするポリエステルを、ジイソシアネートおよびス ターチ成分と、同時に共重合させる請求項25に記載の方法。 28.ジイソシアネートとポリエステルのヒドロキシル基とのモル比が、1. 0〜2.0、好ましくは1.05〜2.0、特に約1.3〜2.0に維持される請求 項25〜27のいずれか1つに記載の方法。 29.共重合反応が、溶融相において、温度を140〜200℃に維持するこ とによって行われる請求項25〜28のいずれか1つに記載の方法。 30.得られるポリマー組成物が少なくとも本質的に遊離イソシアネート基を 含まなくなるまで、共重合が継続される請求項25〜29のいずれか1つに記載 の方法。 31.− スターチを基礎とする成分を初めに、少なくともいくつかの遊離ヒ ドロキシル基を含有し、ポリエステルメルト中において可溶性であり、ゲル化/ 可塑化できる形態にする; − スターチを基礎とする成分およびポリエステルから、混合物を形成する; − このようにして得られる混合物を、攪拌下に加熱する;および − 混合物の剛性が明らかに増加するまで、攪拌を継続する; ことを含んで成る請求項25に記載の方法。 32.熱可塑性樹脂とブレンドされた請求項6のポリマー組成物を含有するこ とを特徴とするポリマーブレンド。 33.可塑剤、充填剤および/または強化剤と混合された請求項6に記載のポ リマー組成物、あるいは、請求項31に記載のポリマーブレンド。 34.使用される充填剤が、スターチまたは改質スターチを含んでなる請求項 33に記載のポリマー組成物または混合物。 35.接着剤、特にホットメルトグルーの成分としての、請求項6に記載のポ リマー組成物の使用。 36.フィルム製造のための、請求項6に記載のポリマー組成物の使用。 37.射出成形物品、ならびに熱成形および吹き込み成形パッケージ、バッグ 、サック、およびボトルの製造のための、請求項6に記載のポリマー組成物の使 用。 38.紙および板紙を被覆するための、請求項6に記載のポリマー組成物の使 用。 39.制御的に放出される肥料または薬剤のマトリックスまたは皮膜としての 、請求項6に記載のポリマー組成物の使用。
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