JPH11513639A - 高温物充填容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 重合材料で形成された高温物充填容器が開示されている。この容器は、基部（４）、本体（２）、及び首部（１）を有し、本体（２）は、奇数個の離隔配置されたパネル（５）を有し、これが、前記容器内の内圧変化に応答する。非偶数（例えば５つ）のある与えられた壁厚みを持つ変形可能なパネルを有する一定容量の高温物充填容器は、偶数個（例えば６つ）の同じ厚みのパネルを持つ同容積の公知の高温充填ボトルが歪んで潰れてしまう前の容積減少よりかなり大きな減少に、予想外に適応する。

Description

【発明の詳細な説明】 高温物充填容器 本発明は、高温充填製品を収容するのに適したプラスチック容器に関する。 ここで、“容器”の語は、ボトルおよびジャーを含む（但し、これに制限され ない）あらゆるタイプの容器を意味する。 本発明は、特に、ポリエステル樹脂からブロー成形された高温充填ボトルに関 する（但し、他を排除するわけではない）。 高温物充填容器は、液体容器業界において広く知られている。一般には、高温 充填ボトルは、典型的には８０℃以上の高温液体製品で満たされた後、十分な滅 菌処理の為に液体を高温処理している間、密封されるボトルである。 一般に、高温充填ボトルは、ポリエステル樹脂及び他の適した重合体材料から ブロー成形され、本体（全体として筒状体である）と、肩部と、首部とから成る 。 ブロー成形されたポリエステル樹脂から製造された高温充填ボトルは、高温液 体との接触時には、さほど膨張しない。しかしながら、高温液体が冷めると、通 常、該液体は、 収縮し、それによって密封されたボトル内に部分的な減圧を発生する。この部分 的な減圧は、該ボトルの壁に内側へ向く力を生じさせる。この内側へ向く力がボ トルの構造によって抵抗を受けず、或いは、ボトルの形状が前記内側へ向く力に 応じて制御された態様で変形しないと、ボトルの壁は不定形の歪みを生じること となる。 多くの場合、高温充填ボトルの不定形の歪みは、そのボトルが損傷を受けた跡 と消費者が認識するような歪んだ又は曲がった形状を持ったボトルとなり、それ によって、そのボトルの市場性を失わせる結果を生ぜしめる。 高温充填ボトルの壁の不定形の歪みを防ぐために、高温充填ボトルの公知のタ イプのものでは、ボトルの筒状本体において直径方向に対向する対となって配置 された凹形パネルを、該本体周囲に間隔をおいて偶数個備えている。この凹形パ ネルは、ボトル内の高温液体が冷めた時の内部圧力変化に抵抗せず、ボトル内で 高温液体が冷めるにつれて密封ボトル内の高温液体が収縮した時に、内側に曲が るか又は変形することによって、内圧変化に応答する。 この公知タイプのボトルは、現在の高温充填ボトルの実用における典型的な容 積減少には応じることができるが、前記凹形パネルは、ボトル本体の大部分を構 成し、ボトルの周囲を包むラベルの取付けに適さない。市場において、 このことは、ボトルにとって重大な不利益である。 その結果、公知の高温充填ボトルの変更態様は、中央で隆起してラベルの接触 領域を形成するラベル取付け領域を持った凹形パネルを備える。 前記ラベル取付け領域の使用は、ラベルとの十分な接触を得るために必要であ る。しかしながら、前記ラベル取付け領域は、比較的固く、パネルによって応じ 得る容積が減少させられる（容積の減少に関する効果は、ラベル取付け領域及び パネルの凹み領域の相対的表面積に直接関係する）という不利益がある。 ラベル取付け領域を持つ商業的に利用可能な高温充填ボトルによって応じ得る 最大容積の減少量は、液体が高温物充填の温度（８０℃以上）から周囲温度に冷 えた時に、現在の高温充填においてに起きる液体の典型的な容積減少に近似して いるということが分かっている。その結果、実際には、商業的に利用可能な高温 充填ボトルのかなりのパーセンテージを占めるパネルは、容積の減少に適応する のに十分なほど内側へ移動させることができず、結果的には、これらのボトルは 、不定形の潰れ及び歪みを生じる。 この問題に対する一つの可能性ある解決策は、高温充填ボトルの壁の厚みを増 すことである。しかしながら、この解決策は、付加的な原材料と処理コストのた めに比較的高 い商業コストを伴う。 本発明の目的は、ボトルの壁の不定形の歪みの問題を無くす高温充填ボトルを 提供することにある。 本発明によれば、プラスッチク材料で形成された高温充填ボトルであって、該 容器が、基部と、本体と、首部とを備え、前記本体が、奇数個の離隔配置された パネルを有し、該パネルは、容器内の内圧の変化に応答する、前記高温充填ボト ルが提供される。 前記パネルは、使用時に、容器が８０℃以上の高温液体で満たされ、密封され 、該液体が周囲温度にまで冷まされて、容器によって決定された容積を減少させ た時に生じる、容器内での内圧の変化に応答することが好ましい。本発明は、非 偶数個の、ある与えられた壁厚みを持つ変形パネルを有する一定容積の高温物充 填容器が、偶数個の同じ厚みのパネルを持つ同容積の公知の高温充填ボトルが不 定形の形態で歪んで潰れてしまう前の容積減少よりかなり大きな減少に対応する ことができるという、出願人の予想しなかった発見に基づいている。 ８０℃以上（好ましくは８５℃以上）の温度の液体で満たされた５００mL入り ボトルの場合では、前記パネルは、高温液体が充填された容器が周囲温度まで冷 やされた時に、少なくとも２５mLの容積減少に対応するようにされている ことが好ましい。 ８０℃以上（好ましくは８５℃以上）の温度の液体で満たされた７５０mL入り ボトルの場合では、前記パネルは、高温液体が充填された容器が周囲温度まで冷 やされた時に、少なくとも３６mLの容積減少に対応するようにされていることが 好ましい。 ８０℃以上（好ましくは８５℃以上）の温度の液体で満たされた１リットル入 りボトルの場合では、前記パネルは、高温液体が充填された容器が周囲温度まで 冷やされた時に、少なくとも４５mLの容積減少に対応するようにされていること が好ましい。 前記容器は、ブロー成形されていることが好ましい。 前記本体は、筒状であることが望ましい。 前記パネルは、前記本体の周囲に離隔配置されていることが望ましい。 前記パネルは、均一な間隔で離隔配置されていることが好ましい。 前記本体は、５つのパネルを有していることが望ましい。 前記容器の容量が、１リットル未満であることが特に好ましい。 前記本体が、７つのパネルを有していることが好ましい。 前記容器の容量が１リットル以上であって、７つのパネ ルを有していることが好ましい。 前記パネルが、内側に曲がるか又は変形するようになっているパネル壁から構 成されていることが望ましい。 前記パネル壁は、凹形であることが望ましい。 他の実施形態では、前記パネルが、比較的固いラベル取付け領域と、該ラベル 取付け領域と前記本体の近側部とを相互に連結し、前記ラベル取付け領域を内側 へ移動可能とするヒンジ部とを有していることが望ましい。 前記パネルは、軸線方向に細長形であることが好ましい。 前記本体は、前記パネルを分離する複数の垂直帯域を有していることが望まし い。 前記本体は、前記パネルの上部及び／又は下部に水平帯域を有していることが 望ましい。 前記本体は、周囲方向及び／又は軸方向を補強するリブを有していることが望 ましい。 前記容器は、首部と本体との連接部分を有していることが好ましい。 前記首部と本体との連接部分が肩部であることが好ましい。 前記肩部は、切頭円錐形であることが好ましい。 前記切頭円錐形の肩部が、複数の離隔配置されたパネルを備えていることが好 ましい。 前記首部は、蓋を受けるために螺子部が設けられていることが好ましい。 前記重合体材料は、ポリエステル又はポリプロピレンのような何れかの適した 材料とすることができる。 本発明の実施形態について、更に添付図面を参照して説明する。 図１は、本発明に係る高温充填ボトルの好ましい一実施形態を示す側面図であ る。 図２は、図１のＡ−Ａ線に沿う拡大断面図である。 図３は、図１に示されたボトルと公知の６枚パネルのボトルとの前述の性能を 図示したグラフである。 図４は、本発明に係るボトルの他の好ましい実施形態を示す斜視図である。 図５は、図４の５−５線に沿う断面図である。 図１及び２に示されたボトルは、高温の液体が充填されるようにされており、 ｉ． 首部１ ｉｉ． 筒状本体２ ｉｉｉ．円錐台形の肩部の形態をし、首部と本体との連接部３と、 ｉｖ． 基部４と、を有している。 ボトルの主たる特徴は、本体２が５つのパネル（パネル 全体お数字５で示す）を有し、該パネルは、液体が８０℃以上の高温でボトルに 満たされた後、該ボトルが密封され、周囲温度にまで冷やされた時に生じるボト ルの内圧変化に適応し、ボトルの不定形の歪みを防ぐようにしていることてある 。 本体２は、パネル５を分離する垂直帯域６と、パネル５の上下に位置する水平 帯域７とを有する。この例では、“帯域（land）”の語は、一般的な意味におい て使用され、“柱（post）”としても言及される構造を含有する。 パネル５は、一般に、細長く、本体２の周面に均等に離隔されている。 各パネル５は、 ｉ． 図２に示されたような、横断面湾曲状で、ラベル取付け部を形成する中 央領域１１と、 ｉｉ．中央領域１１を囲み、中央領域１１と垂直及び水平帯域６，７を相互に 連結する外側領域１３と、を有している。 ボトル内に高温で充填された液体が周囲温度まで冷えて収縮すると、各パネル ５の外側領域１３は、ヒンジとして作用し、中央領域１１を内側へ移動させるこ とを可能とする。 ボトルは、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエ ステル樹脂をブロー成形することによって形成され得る。 本発明の性能を調査するために、出願人は、図１及び図２に示されたボトルと 、商業的に入手可能な６枚パネルの高温充填ボトルから選択した物とに関してコ ンピュータモデリングを実行した。このコンピュータモデリングの目的は、許容 できない形状にまで潰れる前に、ボトルが応じ得る容積の減少量を予想すること にあった。 そのコンピューターモデリングの結果は、図３に示されている。 図３を参照すれば、種々のプロットは、ボトルの外側に圧力がかけられた時の 、４本の密封された７５０ｍｌ入りボトルの容積の減少を示している。 図３の説明中の数ｉ，ｉｉ，ｉｉｉによって定義されたプロットは、３つの公 知の６枚パネルの高温充填ボトルの予測された性能を示し、図３の説明中の数ｉ ｖによって定義されるプロットは、本発明のより好ましい実施形態の予測された 性能を示している。 このグラフは、３つの公知の６枚パネルのボトルが２２〜２６ｍｌの範囲の容 積の減少で潰れたことを示している。この容積の減少は、８０℃の温度でボトル に機械的に高温で充填された広範囲の液体の、７５０ｍｌ容積の典型的な容積減 少に近似していることを示している。 このグラフはまた、図１及び２に示された本発明ボトルのより好ましい実施形 態が、３６ｍｌのオーダーのかなり高い容積減少で潰れることを示している。こ のボトルは、８０℃の温度でボトルに機械的に高温で充填された広範囲の液体の 、７５０ｍｌ容積の典型的な容積減少に適応することができる。 図４及び５に示されたボトルは、図１及び２に示されたボトルと概念的に同じ ものであり、同じ参照符号は、同部分を意味するものとして使用されている。 このボトルは、図１及び２に示されたボトルの形状と異なる全体形状を有して いる。 その主な構成の相違点は、このボトルが有している、本体２の垂直帯域６及び 水平帯域７と各パネル５とを相互に接続するヒンジが、図１及び２に示されたも のと異なる形態のヒンジ、であるところにある。 図５に最もよく表されているように、このヒンジは、ダブルＳ字型(double-S) である。 図４及び５に示されたボトルの性能は、市場で入手可能な６枚パネル高温充填 ボトルの性能に対して評価される。 図４及び５に示された幾つかのサンプルボトルが、ブロー成形され、そのサン プルボトルと従来の６枚パネルのボトルとを、標準の試験工程に従って試験した 。その結果は、 次の表に説明される。 ^＊＊ボトルの底から１７ｍｍ，１０９ｍｍ，１２９ｍｍでカットすることによっ て得られる部分質量 この表を参照すれば、“減圧負荷”の部分は、かなり高い内圧（４．７Ｈｇに 対して１０．４Ｈｇ）が図４及び５に示された高温充填ボトルを潰すのに必要と されることを示している。これらの図は、図４及び５に示された高温充填ボトル が、従来の６枚パネルのボトルよりも高温充填状態の下でかなり良い安定性を有 していることを示している。 多くの変更態様が、本発明思想の範囲内において上述のより好ましい実施形態 に為され得る。 例えば、図１，２及び図４，５に示されたボトルのラベル取付け領域１１は、 パネル５の表面積のかなり大きい割合を占めるが、本発明は、そのような配置に 制限されず、ラベル取付け領域が必要に応じて選択され得ることが、容易に理解 されよう。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９７年７月２日 【補正内容】 請求の範囲 １．重合体材料から形成された高温充填容器であって、該容器が、基部と、本体 と、首部とを有し、前記本体が奇数個の離隔配置されたパネルを備え、該パネル は、前記容器内の内圧の変化に反応することを特徴とする前記高温充填容器。 ２．前記パネルは、使用時に、容器が８０℃以上の高温液体で満たされ、密封さ れ、該液体が周囲温度にまで冷まされて、容器によって決定された容積の減少さ せた時に生じる、容器内での内圧の変化に反応することを特徴とする請求項１記 載の容器。 ３．前記本体が、筒状であることを特徴とする請求項１又は２に記載の容器。 ４．前記パネルが、前記本体の周囲に離隔配置されていることを特徴とする請求 項１から３の何れかに記載の容器。 ５．前記パネルが均一な間隔で離隔配置されていることを特徴とする請求項４記 載の容器。 ６．前記本体が５つのパネルを有していることを特徴とする請求項５記載の容器 。 ７．前記容器の容量が、１リットル未満であることを特徴とする請求項６記載の 容器。 ８．７つのパネルを有していることを特徴とする請求項５記載の容器。 ９．前記容器の容量が、１リットル以上であることを特徴とする請求項８記載の 容器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．重合体材料から形成された高温物充填容器であって、該容器が、基部と、本 体と、首部とを有し、前記本体が、前記容器内の内圧の変化に反応する奇数個の 離隔配置されたパネルを備えることを特徴とする前記高温物充填容器。 ２．前記パネルは、使用時に、容器が８０℃以上の高温液体で満たされ、密封さ れ、該液体が周囲温度にまで冷まされて、容器によって決定された容積の減少さ せた時に生じる、容器内での内圧の変化に反応することを特徴とする請求項１記 載の容器。 ３．前記本体が、筒状であることを特徴とする請求項１又は２に記載の容器。 ４．前記パネルが、前記本体の周囲に離隔配置されていることを特徴とする請求 項１から３の何れかに記載の容器。 ５．前記パネルが均一な間隔で離隔配置されていることを特徴とする請求項４記 載の容器。 ６．前記本体が５つのパネルを有していることを特徴とする請求項５記載の容器 。 ７．前記容器の容量が、１リットル未満であることを特徴とする請求項６記載の 容器。 ８．７つのパネルを有していることを特徴とする請求項５記載の容器。 ９．前記容器の容量が、１リットル以上であることを特徴とする請求項８記載の 容器。 10．前記パネルが、内側に曲がるか又は変形するようになっているパネル壁から 成ることを特徴とする請求項１から９の何れかに記載の容器。 11．前記パネル壁が凹形であることを特徴とする請求項１０に記載の容器。 12．前記パネルが、比較的固いラベル取付け領域と、該ラベル取付け領域と前記 本体の近側部とを相互に連結し、前記ラベル取付け領域を内側へ移動可能とする ヒンジ部とを有していることを特徴とする請求項１から９の何れかに記載の容器 。 13．前記本体が、前記パネルを分離する複数の垂直帯域を有していることを特徴 とする請求項１から１２の何れかに記載の容器。 14．前記本体は、前記パネルの上部及び／又は下部に水平帯域を有していること を特徴とする請求項１３に記載の容器。 15．前記本体は、周囲方向及び／又は軸方向を補強するリブを有していることを 特徴とする請求項１から１４の何 れかに記載の容器。 16．首部と本体との連接部分を有していることを特徴とする請求項１５に記載の 容器。 17．前記首部が、蓋を受けるために螺子部が設けられていることを特徴とする請 求項１から１６の何れかに記載の容器。