JPH11513601A - ケージと回転体を有する椎間インプラント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本椎間インプラントは上面とベース面（１１、１２）に開口部のあるフレーム状ケージ（１）を含み、該ケージは２つの側面（１３、１４）、１つの正面壁（１５）、および１つの後部壁（１６）を有している。回転体（２）は、回転可能にケージ（１）に取り付けられていて、その際に回転体（２）の外被面には螺旋状構造物（２１）が取り付けられている。該螺旋状構造物（２１）は、ケージ（１）の上面とベース面（１１、１２）から突き出ている。正面壁（１５）は、駆動工具を差し込むための開口部（１７）を呈していて、該工具によって回転体（２）をケージ（１）内で回転させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 ケージと回転体を有する椎間インプラント 本発明は、特許請求の範囲第１項の前提部分による椎間インプラントに関する ものである。 この様な椎間インプラントは、とりわけ腰の脊柱の範囲で椎体を融合させる場 合に用いられる。椎間スペースごとに１個から２個のインプラントが使用される 。 現行の技術水準では、種々のタイプのこの種の椎間インプラントが既に知られ ている。かかるインプラントは、もちろん以下の短所を有している： − インプラントを椎間範囲に差し込むには、適切な器具を用いて該当する椎を 延伸せねばならない；そして − 該当する椎の終端板（エンドプラッテ）内にインプラントが沈下する危険が ある。 ここでは、本発明は上記の短所を除去することが出来る。本発明の課題は、可 能な限り延伸器具を用いないで制御可能な方法で、しかも加える力を最小にして 、えぐり広げられた椎間スペースにねじ込むことの出来るところの椎間インプラ ントを作り出すことである。 この問題を解決するために、当初挙げた装置が特許請求の範囲の独立請求項１ の特徴部分の特徴によって形成されている。 これによって、インプラントを行うのに最小の力で十分であり、回転体の外被 面の、ケージの上面とベース面から突き出ている螺旋状構造物によってインプラ ントの制御された挿入が可能であるという長所を達成できる。このため侵襲の最 も少ない、かつ直視下手術技術が適用できる。 大きな支持面積を有するケージ状フレーム構造物は、インプラントが終端板内 に沈下するのを防止する。 ケージから突き出ている回転体の螺旋状構造物は、差し込み中にインプラント を回転させて、これを椎間スペース内にねじ込むことを可能にする。 別の望ましい実施形態は、インプラントの回転体が中空状に形成され、その正 面に封止カバーが取り付けられていることである。これによって骨屑または代替 骨材料を回転体内に容易に充填でき、数少ない操作によってインプラントを確実 に組み立てることが出来る。この場合ケージは、組立を可能にするために、二分 割式に形成されているのが合理的である。この様な用途では、回転体も長手溝の 形をした穿孔を備えていることが望ましく、そして骨が迅速に根づくのを可能に するためにケージの側面に長穴切取り部が設けられている。 該長手溝はＸ線撮影による骨の成長の検査を可能にする。終端板屑を中空回転 体内に侵入させるナイフエッジを長手切取り部に設けるのが望ましい。 回転体がシリンダ状の場合には、ケージは直方体状に形成されていてよく、そ して回転体が然るべく円錐状に形成されている場合はケージはくさび状に形成さ れていてよい。 インプラントの位置安定性もしくは隣接する椎体の回転安定性を向上させるた めに、ケージの上面とベース面は三次元構造（これは、長手条溝の形をしている のが望ましいが）を備えているのが合理的である。 これまでの技術水準に基づくインプラントと比べて本発明によるインプラント の以下のその他の利点が得られる： − スリップ安定性、 − 改善されたＸ線透過性；および − 回転体内にあるいは有るべき挿入された骨材料の圧縮性。 本発明とその実施形態を以下において実施例の一部模式図的な描写をもとにし てさらに詳しく説明することにする。 図１は本発明に従うインプラントのケージの透視画法による描写を示し、 図２は本発明に従うインプラントの開かれた回転体の透視画法による描写を示 し、 図３は本発明に従うインプラントの閉じられた回転体の透視画法による描写を 示し、 図４は本発明に従うインプラントの完全に組み立てた状態の透視画法による描 写を示し、 図５は図４のインプラントの側面図を示し、 図６は図４のインプラントの正面図を示し、 図７は本発明に従うインプラントの別の実施形態の分解された状態の透視画法 による描写を示し、そして 図８は図７のインプラントの組立てられた状態の側面図を示している。 図１から図３に分解図の形で示した椎間インプラントは、基本的には上面とベ ース面（１１、１２）に開口部のあるフレーム状ケージ１によって構成され、該 ケージはそれぞれ１つの長穴１９を呈する２つの側面１３と１４、孔１７を呈す る１つの正面壁１５、および１つの後部壁１６を有している。ケージ１の形状は この実施形態では直方体状であるが、ケージ１の形状は（図７と図８に示したよ うに）くさび状であっても良い。ケージ１は図１に示したように一体式か、ある いは多分割式（しかし図７と図８をもとに説明されているように二分割式が望ま しい）のいずれかで製造できる。 インプラントの差し込みと隣接する椎体の回転安定性を向上させるために、上 面とベース面１１、１２に三次元構造１８（長手条溝の形が望ましいが）を付与 することが出来る。 中空シリンダ状回転体２は、回転可能にケージ１に取り付けられている。この 目的のために、回転体２はその後部ベース面でジャーナル２５を呈し、該ジャー ナルはケージ１の後部壁１６の切取り部２６に差し込むことができる。回転体２ の外被面は少なくとも２ｍｍのピッチと０．８ｍｍから２．２ｍｍの深さ（望ま しくは１．５ｍｍから２．０ｍｍ）を有する雄ねじの形をした螺旋状構造物２１ を呈している。 回転体２の長さは上から回転体をケージ内に十分に挿入可能なようにケージの 内部寸法に合わされているので、その結果として回転体は他の保持手段なしにケ ージ内で回転可能に取り付けられて封止されている（図４と図６）。その正面２ ２に駆動工具を収容するのに用いられる六角開口部２７を有する取り外し可能な 封止カバー２３が回転体２に取り付けられている。これによって骨屑または代替 骨材料を充填することができる。封止カバー２３には、互いに向かい合っている 少なくとも２個の突起２８が取り付けられ、該突起は回転体２の正面２２の然る べき溝２９にかみ合うことができるので、封止カバー２３は正面２２と同一面に なるように沈めることができる。さらに回転体２には穿孔２４が設けられ、該穿 孔はナイフエッジを有する長手切取り部として形成されているのが望ましい。該 ナイフエッジはアンダカットしてあるのが望ましい。 ケージ１の正面壁１５は（図４から判るように）封止カバー２３の六角開口部 ２７に器具を差し込むための孔１７を備えている。これによって回転体２をケー ジ１内で回転させることができる。 図５から判るように、螺旋状構造物２１は雄ねじの形で回転体２の外被面上で ケージ１の上面とベース面１１、１２からそれぞれ１．０ｍｍから２．０ｍｍ突 き出ている。 図７と図８には本発明に基づくインプラントの別の実施形態が示してある。該 実施形態では、ケージ１は二分割式に、そして回転体２は切頭円錐としてそれぞ れ形成されている。図７と図８のインプラントの構造は図１から図６の実施形態 のインプラントの構造とほとんど同じであるが、ケージ１は異なっている。該ケ ージは２つの個別部品である上部１ａと下部１ｂによって構成されている。上部 １ａは４個の突起３０を備えていて、該突起は下部１ｂの然るべく４個の切取り 部３１と噛み合うことができるので、その結果として切頭円錐状の回転体２を簡 単かつ迅速に両方の個別部品１ａと１ｂの間で組み立て、回転可能に取り付ける ことができる。 ケージ１と回転体２はチタン、チタン合金、セラミックス、または生体適合性 のあるプラスチックによって製造されているのが望ましい。 以下において、図７と図８に基づくインプラントをもとにして臨床への適用に 関して詳細に記述することにする。 図７に示した中空回転体２は骨屑（ボーングラフトまたは代替骨材料）ととも に（場合によっては骨屑を圧縮した上で）充填され、封止カバー２３によって封 止される。このあと、充填された回転体２はケージ１の両方の個別部品１ａと１ ｂの間に挿入され、その際に回転体２のジャーナル２５は個別部品１ａと１ｂの 切取り部２６に入り、そして上と下から軽く圧力をかけることによって突起３０ が切取り部３１にはまり合って両方の個別部品１ａと１ｂは閉じられてケージ１ になる。こうしてインプラントは可能な限り延伸器具を用いることなく、えぐり 広げられた椎間スペース内にねじ込まれる。駆動工具（望ましくは六角レンチ） は、この場合、ケージ１の正面壁１３の孔１７を介して封止カバー２３の六角開 口部２７に差し込むことができるので、回転体２をケージ１内で容易に回転させ ることができ、そしてケージ１から突き出ている雄ねじの形をした螺旋状構造物 ２１のために椎間スペース内にねじ込むことができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．２つの側面（１３、１４）、１つの正面壁（１５）、および１つの後部壁（ １６）を有し、上面とベース面（１１、１２）に開口部のあるフレーム状ケージ （１）を備えた椎間インプラントにおいて、 Ａ）回転体（２）は回転可能にケージ（１）内に取り付けられていて、その際 に回転体（２）の外被面は螺旋状構造物（２１）を備えていること； Ｂ）該螺旋状構造物（２１）はケージ（１）の上面とベース面（１１、１２） から突き出ていること；および Ｃ）正面壁（１５）は駆動工具を差し込むための開口部（１７）を呈している こと（該駆動工具によって回転体（２）をケージ（１）内で回転させることが可 能である）を特徴とするインプラント。 ２．回転体（２）は中空状に形成され、その正面壁（２２）で封止カバー（２３ ）を呈しているのが望ましいことを特徴とする請求の範囲第１項に記載のインプ ラント。 ３．ケージ（１）は直方体状に、回転体（２）はシリンダ状にそれぞれ形成され ていることを特徴とする請求の範囲第１項または第２項に記載のインプラント。 ４．ケージ（１）がくさび状に、回転体（２）が円錐状にそれぞれ形成されてい ることを特徴とする請求の範囲第１項または第２項に記載のインプラント。 ５．ナイフエッジを有する長手切取り部の形が望ましい穿孔（２４）が回転体（ ２）に設けられていることを特徴とする請求の範囲第１項ないし第４項のいずれ か１項に記載のインプラント。 ６．ケージ（１）は二分割式に形成されていることを特徴とする請求の範囲第１ 項ないし第５項のいずれか１項に記載のインプラント。 ７．上面とベース面（１１、１２）には三次元構造（１８）（望ましくは長手条 溝の形）が設けられていることを特徴とする請求の範囲第１項ないし第６項のい ずれか１項に記載のインプラント。 ８．側面（１３、１４）に長穴切取り部（１９）が設けられていることを特徴と する請求の範囲第１項ないし第７項のいずれか１項に記載のインプラント。 ９．螺旋状構造物（２１）は雄ねじ、螺旋状条溝、または溝であることを特徴と する請求の範囲第１項ないし第８項のいずれか１項に記載のインプラント。 １０．螺旋状構造物（２１）はケージ（１）の上面とベース面（１１、１２）か ら１．０ｍｍないし２．０ｍｍ、望ましくは１．３５ｍｍないし１．７０ｍｍ突 き出ていることを特徴とする請求の範囲第１項ないし第９項のいずれか１項に記 載のインプラント。 １１．螺旋状構造物（２１）のピッチは少なくとも２ｍｍであることを特徴とす る請求の範囲第１項ないし第１０項のいずれか１項に記載のインプラント。 １２．螺旋状構造物（２１）の深さは０．８ｍｍないし２．２ｍｍの間、望まし くは１．５ｍｍないし２．０ｍｍの間であることを特徴とする請求の範囲第１項 ないし第１１項のいずれか１項に記載のインプラント。