JPH1151306A - ボイラの制御方法およびボイラ - Google Patents

ボイラの制御方法およびボイラ

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JPH1151306A
JPH1151306A JP21196497A JP21196497A JPH1151306A JP H1151306 A JPH1151306 A JP H1151306A JP 21196497 A JP21196497 A JP 21196497A JP 21196497 A JP21196497 A JP 21196497A JP H1151306 A JPH1151306 A JP H1151306A
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  • Control Of Steam Boilers And Waste-Gas Boilers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きい負荷変化率に対応することができるボ
イラの制御方法およびボイラを提供する。 【解決手段】 中間負荷における主蒸気の量に対するス
プレ水の比率であるスプレ配分を、火炉水壁4出口水の
流量が最小貫流流量を下回らない範囲で、定格負荷にお
けるスプレ配分よりも高く、例えば中間負荷における一
次スプレ水量調節弁23の開度を定格負荷における開度
よりも大きくして、蒸気の温度低下を抑制する。このよ
うにすると、負荷の大きさを変化させる際、蒸気通路に
蓄えられた熱量の蒸気温度に対する影響を抑えることが
できるから、負荷変化率を高くすることが可能になる。
また、予め中間負荷の大きさ毎に最適のスプレ配分を求
めて、そのデータを記憶装置50に入力しておき、入力
された中間負荷の大きさによりスプレ配分を決定できる
ようにしておくと操作性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電用蒸気タービ
ン等に蒸気を供給するためのボイラの制御方法およびボ
イラに係り、特に大きい負荷変化率に対応することがで
きるボイラの制御方法およびボイラに関する。
【0002】
【従来の技術】ボイラは発電用蒸気タービン等に蒸気を
供給するための装置である。このようなボイラを図5,
6により説明する。図5は代表的な貫流ボイラの主蒸気
系の水・蒸気系統図、図6は従来の貫流ボイラの制御系
統図の一部を示す図である。図5で、図示しない供給源
から供給された水はバルブ1を経て節炭器2に入る。節
炭器2で加温された水の一部は火炉入口連絡管3に、ま
た残りはスプレ配管22に流入する。なお、以下、火炉
入口連絡管3に流入する水をボイラ水、また、スプレ配
管22に流入する水をスプレ水という。
【0003】ボイラ水は火炉水壁4で加熱される間に大
部分が蒸気になり、蒸気と水(以下、火炉水壁出口水と
いう。)が混在した流体は火炉出口連絡管5を経て気水
分離器6に入る。そして、気水分離器6において蒸気と
水に分離され、水は図示しない経路を通り、節炭器2の
入口に戻る。また、蒸気は、一次過熱器入口連絡管7→
一次過熱器8→一次減温器入口連絡管9→一次減温器1
0→二次過熱器入口連絡管11→二次過熱器12→二次
減温器入口連絡管13→二次減温器14→三次過熱器入
口連絡管15→三次過熱器16→三次減温器入口連絡管
17→三次減温器18→四次(最終)過熱器入口連絡管
19→四次(最終)過熱器20→主蒸気管21を経て図
示しない高圧タービンに供給される。なお、蒸気は、上
記経路における一次過熱器8、二次過熱器12、三次過
熱器16および四次過熱器20において加熱される。
【0004】また、スプレ水は、一次スプレ水量調節弁
23、二次スプレ水量調節弁24、および三次スプレ水
量調節弁25によりそれぞれ流量を調整され、一次減温
器10、二次減温器14および三次減温器18の内部に
配置された図示しないスプレにより霧状にされて蒸気に
付加され、蒸気の温度を調節する。なお、スプレ水は常
時ある一定量が各減温器の内部に供給されるように計画
されており(コンスタントスプレともいう。)、通常、
定格負荷において安定状態にある時のスプレ水量は、一
次減温器10と二次減温器14と三次減温器18の合計
で主蒸気管21を流れる蒸気(以下、主蒸気という。)
の量の10%程度である。また、一次減温器10、二次
減温器14、三次減温器18のスプレ水量は、主蒸気の
量に対してそれぞれ4%、3%、3%の割合で配分さ
れ、この数値をスプレ配分という。
【0005】ところで、スプレ配分を大きくするとボイ
ラとしての制御裕度を高くできる。しかし、以下の理由
により上記のスプレ配分が選択されている。すなわち、
ボイラ水とスプレ水の水量の和が一定であるとき、スプ
レ水の量を増せばボイラ水の量は減少する。この結果、
燃焼条件、すなわち火炉の発熱量が同一という条件のも
とでは、ボイラ水の量が少くなることにより火炉水壁4
で発生する蒸気の量は減少し、蒸気の温度は上昇する。
このため、一次過熱器入口連絡管7等の配管および一次
過熱器8、一次減温器10等の容器を構成する金属材料
(以下、メタルという。)等は高温強度に優れた材料を
採用しなければならない。しかし、高温強度に優れた金
属材料は高価である。そこで、メタルの温度上昇値を所
定の値以下に抑え、実用的な材料を使用できるようにし
ている。
【0006】また、制御性の点から、一次スプレ水量調
節弁23、二次スプレ水量調節弁24および三次スプレ
水量調節弁25の仕様として定格負荷(100%負荷)
時のスプレ水量の2倍の水量を流すことができるものを
採用している。すなわち、定格負荷において安定な運転
状態にあるときの各スプレ水量調節弁の開度は略50%
である。ここで、ボイラに取り入れる水の量、すなわ
ち、バルブ1を通る水量は負荷の大きさとほぼ線形の関
係にある。そこで、中間負荷(定格負荷未満の負荷)に
おける各スプレ水量調節弁の開度を定格負荷の場合と同
一にすると、例えば50%負荷において安定なときのス
プレ水の量は定格負荷の約半分になり、制御裕度が定格
負荷の時と同等になる。そこで、中間負荷におけるスプ
レ配分も定格負荷と同じ値に設定するようにしている。
この結果、中間負荷においても、当該負荷で安定な状態
の時のスプレ水の量の2倍の量まで流すことができる。
【0007】次に、図6により、一次スプレ水量調節弁
23、二次スプレ水量調節弁24および三次スプレ水量
調節弁25のスプレ配分がそれぞれ4%、3%、3%で
あり、ボイラがほぼ安定状態にあるときの一次スプレ水
量調節弁23の制御手順について説明する。なお、貫流
ボイラの場合、構造上伝熱面積あたりの保有水量がきわ
めて少なく、負荷変動によって大きい圧力変動が生じや
すい。そこで、バルブ1、各スプレ水量調節弁および燃
料供給量は自動制御されるように構成されている。ま
た、制御装置Nには、予め知られている十分長い時間運
転した時に収束する各過熱器の入口温度および出口温度
の値が目標値として入力されている。
【0008】制御装置Nは、先ず二次過熱器12の出口
温度計31の出力と、負荷の大きさを表すMWD信号
(負荷要求信号、この場合は100%)に基づいて関数
で設定される二次過熱器12の出口温度目標値設定器3
2の出力とを比較する。そして、両者の差である偏差信
号33をPID調節器34で演算して二次過熱器補正信
号35とする。この二次過熱器補正信号35を二次過熱
器12の入口温度計画値設定器36の出力に加算し、二
次過熱器入口温度設定信号37とする。次に、二次過熱
器入口温度設定信号37と、一次減温器10の出口温度
計38の出力を比較し、両者の差である偏差信号39を
PID調節器40で演算してスプレ水量補正信号41と
する。そして、このスプレ水量補正信号41をMWD信
号に基づいて関数器42で設定されるスプレ水量設定信
号43に加算し、一次スプレ水量調節弁開度指令44に
して一次スプレ水量調節弁23を調節する。なお、二次
スプレ水量調節弁24および三次スプレ水量調節弁25
も上記と同様の制御が行われる。この結果、蒸気の温度
を一定に保つことができ、高圧タービンの出力を安定な
ものにできる。
【0009】次に、図7により負荷変化率3%/min
で定格負荷から50%負荷に移行させる場合について説
明する。なお、スプレ配分は、上記の場合と同じであ
る。先ず、制御装置Nに負荷変化率3%/minと、5
0%負荷において収束する各過熱器の入口温度および出
口温度を計画値(目標値)として入力する。すると、制
御装置Nは先ず単位時間ごとの各過熱器の入口温度およ
び出口温度を演算し、各部の温度が上記演算で求めた温
度になるように、各スプレ水量調節弁の開度を調節す
る。図7はこの場合における主蒸気温度偏差、一次過熱
器出口温度および三次スプレ弁の開度の時間の経過に伴
う変化を示す図である。同図から明らかなように、主蒸
気温度偏差はメタルの熱応力上の制限から設けられてい
る主蒸気温度偏差許容値の+8°Cよりも小さい+3〜
−10°Cの範囲で変化しており、上記のスプレ配分で
適切な運転がされたことが分かる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】近年の電力需要の特徴
は、日中の時刻による電力消費量の落差が拡大している
ことであり、発電設備には従来に増して高効率な運用
と、負荷変化により高速に対応することが要求されてい
る。そこで、スプレ配分を上記と同じ値にしておき、負
荷変化率8%/minで定格負荷から50%負荷に移行
させたところ、図8に示す結果になった。同図から明ら
かなように、主蒸気温度偏差は+13〜−25°Cの範
囲で変化し、主蒸気温度偏差許容値の+8℃を上回っ
た。また、三次スプレは全開(100%)や全閉(0
%)を生じた。各スプレ水量調節弁が全閉になると、各
減温器の温度は上昇し、次にスプレ水が流れて急冷され
ることにより発生する熱応力によって、最悪の場合は破
損する。したがって、このボイラは負荷変化率8%mi
nで運転することはできず、効率の良い運用ができない
ことになる。なお、容量が大きいスプレを採用すれば、
主蒸気温度の制御裕度を拡大することができる。しか
し、大きな容量を有するスプレは高価であり、ボイラの
価格上昇を招く。
【0011】本発明の目的は、上記従来技術における課
題を解決し、上記のボイラであっても大きい負荷変化率
に対応することができるボイラの制御方法およびボイラ
を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明者は、ボイラの熱収支を検討した。いま、火
炉水壁4や、各過熱器等の容器(以下、バンクとい
う。)に入るガスの顕熱をQGIN、バンクに入る蒸気の
顕熱をQLIN、バンクから出るガスの顕熱をQGOUT、バ
ンクから出る蒸気の顕熱をQLOUT、バンクの熱容量をC
M、バンクの温度をTとすると、バンクのヒートバラ
ンスは、式(1)で表される。 QGIN+QLIN−QGOUT−QLOUT=CM・dTM/dt ………(1) また、伝熱速度から、蒸気温度をTL、管内側総括伝熱
係数をhとすると、バンク温度TMは式(2)を満たす
必要がある。 QLOUT−QLIN=h・(TM−TL) ………(2) 静定時、すなわちある負荷で十分長い時間ボイラを運転
すると、上記式2の左辺および右辺のhは一定値にな
る。また、蒸気温度TLも目標値になるから、バンク温
度TMはおのずから所定の値になる。ここで、中間負荷
においては、火炉水壁4、各過熱器および節炭器2のヒ
ートフラックス(熱貫流率)が低下するから、各部の蒸
気温度は定格負荷の時よりも低下する。そこで、定格負
荷および50%負荷における火炉水壁4の中間部、上部
および一次過熱器8のバンクのメタル温度を測定したと
ころ、図3に示す結果が得られた。同図から明らかなよ
うに、定格負荷と50%負荷とでは、火炉水壁4の中間
部で60°C、上部で70°C、一次過熱器8で60°
C程度の差があった。
【0013】ところで、負荷が変化する際、蒸気が接触
する各部の配管および容器(以下、これらをまとめて蒸
気通路という。)は、負荷が大きくなる時には蒸気の温
度差に蒸気通路の熱容量を乗じた値の熱量を吸収し、負
荷が小さくなる時には同じだけの熱量を蒸気側に放出す
る。この熱量は、そのまま負荷変化の際の遅れとなって
現われる。すなわち、負荷変化率を8%/minにした
時に主蒸気温度偏差が主蒸気温度偏差許容値を超えたの
は、蒸気通路が吸収・放出する熱量が大きいためである
と考えられる。したがって、ボイラを効率良く運用する
ためには蒸気通路が保有する熱量の影響を抑えればよ
い。
【0014】上記の目的を達成するため、第1の手段
は、予め負荷に応じてボイラに取り入れる水の量と、主
蒸気の量に対するスプレ水の比率であるスプレ配分とを
定めておくボイラの制御方法において、中間負荷におけ
る前記スプレ配分を、火炉水壁出口水の流量が最小貫流
流量を下回らない範囲で、定格負荷における前記スプレ
配分よりも高くすることを特徴とする。
【0015】また、第2の手段は、予め負荷に応じてボ
イラに取り入れる水の量と、主蒸気の量に対するスプレ
水の比率であるスプレ配分とを定めておくボイラの制御
方法において、中間負荷における前記スプレ配分を、火
炉水壁出口水の流量が最小貫流流量以上かつスプレ水の
流量が当該流量を調節するスプレ水量調節弁を全開にす
るときの流量以内の範囲で、定格負荷における前記スプ
レ配分よりも高くすることを特徴とする。
【0016】さらに、第3の手段は、予め負荷に応じて
ボイラに取り入れる水の量と、主蒸気の量に対するスプ
レ水の比率であるスプレ配分とを制御装置に入力するよ
うにしたボイラにおいて、記憶装置を設け、火炉水壁出
口水の流量が最小貫流流量以上かつスプレ水の流量が当
該流量を調節するスプレ水量調節弁を全開にするときの
流量以内の範囲で、蒸気通路の温度を定格負荷における
蒸気通路の温度に近付けることができる前記スプレ配分
を中間負荷毎に予め求めて前記記憶装置に記憶させ、前
記制御装置は入力された中間負荷から前記スプレ配分を
前記記憶装置に記憶された当該中間負荷における前記ス
プレ配分にするように構成したことを特徴とする。
【0017】なお、ボイラの制御において、中間負荷は
例えば制御目標値を40%→60%→80%のごとく、
スキップするように切り換えて制御され、従って中間負
荷毎にスプレ配分を設定することは可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態に
係る貫流ボイラの制御系統図の一部で、一次スプレ水量
調節弁23の制御を説明するための図である。なお、図
5,6と同じものあるいは機能が同じものは同一符号を
付して説明を省略する。また、主蒸気系の水・蒸気系統
図は上記図5と同じである。50は記憶装置で、制御装
置Nに接続されている。そして、記憶装置50には、中
間負荷の大きさ毎に予め求めた以下を満足するスプレ配
分、すなわち、火炉水壁出口水の流量が最小貫流流量以
上かつスプレ水の流量が当該流量を調節するスプレ水量
調節弁を全開にするときの流量以内の範囲で、蒸気通路
の温度を定格負荷における蒸気通路の温度に近付けるこ
とができるスプレ配分(例えば50%負荷におけるスプ
レ配分は7%、3%、3%)が記憶されている。なお、
定格負荷のスプレ配分は上記従来の場合と同様、4%、
3%、3%が記憶されている。
【0019】以下、本実施の形態における動作を説明す
る。例えば、50%負荷の場合、制御装置Nに負荷の値
50%を入力する。すると、制御装置Nはバルブ1の開
度を設定すると共に、記憶装置50を参照して一次スプ
レ水量調節弁23、二次スプレ水量調節弁24、および
三次スプレ水量調節弁25の開度を調整し、スプレ配分
をそれぞれ7%、3%、3%にする。なお、以下の動作
は上記従来技術と同一であるから説明を省略する。50
%負荷時は定格負荷時に比べてヒートフラックスが低下
し、火炉水壁4、節炭器2、一次過熱器8、二次過熱器
12、三次過熱器16、四次過熱器20において、ボイ
ラ水あるいは蒸気が受け取る熱量は小さい。しかし、定
格負荷の時に比べてボイラ水の割合が約3%少ないた
め、火炉水壁4から一次過熱器8を流れる蒸気の流量が
減少し、各部の温度は図2に示すものとなる。図から明
らかなように、定格負荷および50%負荷の温度差は火
炉水壁4で中間部が20°C、上部で18°C、一次過
熱器8で18°C程度であり、従来よりもはるかに温度
差が縮まっている。
【0020】次に、負荷変化率を8%/minで定格負
荷から50%負荷まで変化させる場合について説明す
る。先ず、制御装置Nに変化率8%/minと、50%
負荷時に収束する各過熱器の入口温度および出口温度を
計画値(目標値)として入力する。すると、制御装置N
は記憶装置50を参照して50%負荷におけるスプレ配
分である7%、3%、3%を記憶すると共に、単位時間
ごとの各過熱器の入口温度、出口温度および一次スプレ
水量調節弁23の開度を演算する。そして、8%/mi
nの割合でバルブ1を閉めると共に、各部の温度が上記
演算で求めた温度になるように、各スプレ水量調節弁
(この場合は、スプレ配分が4%から7%に移行する一
次水量調節弁23)の開度をスプレ配分に応じて調節す
る。そして、最終的なスプレ配分を7%、3%、3%に
する。図4はこの時の各部の温度を示すものである。図
から明らかなように、主蒸気温度偏差は+7°C〜−1
2°Cの範囲に入っており、主蒸気温度偏差許容値内で
ある。また、三次スプレ水量調節弁25の全開および全
閉も発生していない。すなわち、50%負荷における蒸
気温度を、定格負荷における蒸気温度に近づけるように
して、蒸気通路の温度の変化幅を小さくした効果が明ら
かである。
【0021】本実施の形態では、記憶装置50を設けた
から、負荷変化率、例えば8%/minと目標とする中
間負荷の値を入力するだけでスプレ配分が自動的に決定
でき、操作が容易である。
【0022】なお、上記では、一次スプレ水の配分を大
きくする場合について説明したが、二次スプレ水あるい
は三次スプレ水のスプレ配分を高くしても良い。すなわ
ち、中間負荷の大きさが小さくなるにつれて各部のヒー
トフラックスが小さくなり、各部の温度変化幅は大きく
なる。そこで、中間負荷の大きさが小さく(例えば30
%)、火炉水壁4から二次過熱器8に至る蒸気通路の温
度低下を抑えようとする時には一次スプレ水の代りに二
次スプレ水のスプレ配分を大きくし、火炉水壁4から三
次過熱器16に至る蒸気通路の温度低下を抑えようとす
る時には一次スプレ水または二次スプレ水の代りに三次
スプレ水のスプレ配分を大きくすればよい。また、一次
スプレ水、二次スプレ水、三次スプレ水の総てあるいは
いずれか2つのスプレ配分を大きくしてもよい。ただ
し、いずれの場合も、危険防止のため、火炉水壁出口水
の流量が最小貫流流量を下回るほどスプレ配分を大きく
してはならない。また、スプレ配分はスプレ水量調節弁
が全開のときの流量以内にする必要があることはいうま
でもない。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
予め負荷に応じてボイラに取り入れる水の量と、主蒸気
の量に対するスプレ水の比率であるスプレ配分とを定め
ておくボイラの制御方法において、中間負荷における前
記スプレ配分を火炉水壁出口水の流量が最小貫流流量を
下回らない範囲で定格負荷における前記スプレ配分より
も高くすることにより、蒸気通路の温度を蒸気通路の温
度が最も高くなる定格負荷時の温度にできるだけ近付
け、蒸気温度に対する蒸気通路に蓄えられた熱量の影響
を抑える。この結果、大きい負荷変化率に対応すること
ができ、例えば発電設備を高効率に運用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る貫流ボイラの制御
系統図の一部を示す図である。
【図2】本発明における定格負荷時および50%負荷時
の各部の温度を示す図である。
【図3】従来の定格負荷時および50%負荷時の各部の
温度を示す図である。
【図4】本発明における定格負荷から50%負荷まで負
荷変化率8%/minで変化させた時の各部の状態を示
す図である。
【図5】貫流ボイラの主蒸気系の水・蒸気系統図であ
る。
【図6】従来の貫流ボイラの制御系統図の一部を示す図
である。
【図7】従来の定格負荷から50%負荷まで負荷変化率
3%/minで変化させた時の各部の状態を示す図であ
る。
【図8】従来の定格負荷から50%負荷まで負荷変化率
8%/minで負荷を変化させた時の各部の状態を示す
図である。
【符号の説明】
4 火炉水壁 8 一次過熱器 10 一次減温器 12 二次過熱器 14 二次減温器 16 三次過熱器 18 三次減温器 20 四次過熱器 22 スプレ配管 23 一次スプレ水量調節弁 24 二次スプレ水量調節弁 25 三次スプレ水量調節弁 50 記憶装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め負荷に応じてボイラに取り入れる水
    の量と、主蒸気の量に対するスプレ水の比率であるスプ
    レ配分とを定めておくボイラの制御方法において、中間
    負荷における前記スプレ配分を、火炉水壁出口水の流量
    が最小貫流流量を下回らない範囲で、定格負荷における
    前記スプレ配分よりも高くすることを特徴とするボイラ
    の制御方法。
  2. 【請求項2】 予め負荷に応じてボイラに取り入れる水
    の量と、主蒸気の量に対するスプレ水の比率であるスプ
    レ配分とを定めておくボイラの制御方法において、中間
    負荷における前記スプレ配分を、火炉水壁出口水の流量
    が最小貫流流量以上かつスプレ水の流量が当該流量を調
    節するスプレ水量調節弁を全開にするときの流量以内の
    範囲で、定格負荷における前記スプレ配分よりも高くす
    ることを特徴とするボイラの制御方法。
  3. 【請求項3】 予め負荷に応じてボイラに取り入れる水
    の量と、主蒸気の量に対するスプレ水の比率であるスプ
    レ配分とを制御装置に入力するようにしたボイラにおい
    て、記憶装置を設け、火炉水壁出口水の流量が最小貫流
    流量以上かつスプレ水の流量が当該流量を調節するスプ
    レ水量調節弁を全開にするときの流量以内の範囲で、蒸
    気通路の温度を定格負荷における蒸気通路の温度に近付
    けることができる前記スプレ配分を中間負荷毎に予め求
    めて前記記憶装置に記憶させ、前記制御装置は入力され
    た中間負荷から前記スプレ配分を前記記憶装置に記憶さ
    れた当該中間負荷における前記スプレ配分にするように
    構成したことを特徴とするボイラ。
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