【発明の詳細な説明】
抗精神病薬としての3−ベータ‐アミノアザビシクロ−オクタンまたは
−ノナンナフトアミド誘導体
本発明は、新規アザビシクロナフタレンカルボキシアミド誘導体、それらの調
製法、およびそれらの薬としての使用に関するものである。
これらの化合物は抗ドーパミン作用性および抗セロトニン作用性の薬であり、
したがって精神分裂症、その陽性および陰性症状;または例えば強迫神経症障害
、不安、うつ病、薬物し癖、晩期運動異常症(tardive dyskinesia)および胃腸
障害等の、抗ドーパミン作用および抗セロトニン作用性治療に感受性の中枢神経
系障害;を治療するための抗神経病薬として使用される。
抗ドーパミン作用性活性、特にサブクラスD2のドーパミン作用性レセプター
に対する抗ドーパミン作用性活性を保有している必要性は、精神分裂症治療にお
ける標準的アプローチを構成する(Carlsson A.,Am.J.Psychiatry,135,164
,1978)。しかしながら、この種作動メカニズムを有する大半の化合物は、好ま
しからぬ臨床的副作用特に錐体外路副作用を示す欠点がある[Acta Psychiatr.
Scand.1995,91(Suppl 388):24-30 参照]。
5−HT2サブクラスのセロトニン作用性レセプターを指向する拮抗活性を、
強力な抗ドーパミン作用性活性と同一分子内で実際に組み合わせると、これらの
錐体外路副作用を回避するための一条件が構成されるかもしれないということが
わかっている(H.Y.Meltzer,J.P.E.T.1989,251,238)。
米国特許第5,395,835 号公報中には、次式:
[式中、ナフタレン環系は可変性基Rにより種々に置換される]
にて表されるナフタミドが記載され、これらの生成物はD3 サブクラスの抗ドー
パミン作用性薬であり、ドーパミン作用性レセプターのブロッキングに応答する
、精神分裂病治療用または他の病変治療用の抗精神病薬として有用である。
欧州特許第539,281 号公報中には、次式:
[式中Zは、2−アミノメチル−N−アルキルピロリジン、2−アミノエチル−
N,N−ジエチルアミン、2−アミノエチルモルホリン、2−アミノエチル−N
,N−ジブチルアミンまたは4−アミノ−N−ブチル(またはN−ベンジル)ピ
ペリジンから誘導される残基を示す]
にて表されるナフトアミドが記載され、これらはドーパミン作用性系特にD3レ
セプターサブクラスに対して活性であり、抗精神病薬、精神刺激薬、抗自閉薬、
抗うつ薬、抗パーキンソン薬および抗高血圧薬として有用である。本発明化合物
に構造的に最も類似している化合物は、上記式中R=H、Y=CH3、X=H、
およびZ=4−アミノ−N−ベンジルピペリジンの場合に該当し、以下これらを
欧州特許539,281 化合物と呼称する。
欧州特許第585,116 号公報中には、次式:
にて表され、5−HT1Aセロトニン作用性レセプターに対して高度の親和性を有
する1−アルコキシナフタレン−2−カルボキシアミドが記載されている。
米国特許第4,536,580 号公報中には、次式:
[式中、Aは種々に置換されたピリミジンまたはベンゼン環を示す]
にて表される、神経弛緩性を有するノルトロパン(nortropane)ベンズアミド誘
導体が記載され、その最も強力な生成物は化合物No.64(tropapride)(Dr
ug of the Future,Vol.9,No.9,673)である。
欧州特許第416,521 号公報中には、次の構造式:
[式中、R2 はナフタレン環系であって炭素原子1から10個のアルキル基によ
り置換されているか、または非置換のいずれかである]
にて表されるナフタミドトロパンタイプの化合物が記載されている。これらの化
合物は心血管領域中で活性である。
WO 84/03281号特許中には、式:
[式中、R4 はトロパン(tropane)骨格であり、A−E結合により形成された
環は複素環でありキノリンを形成しうる]
にて表わされるアザビシクロアルキルベンザミドタイプの化合物が記載されてい
る。
しかし上記特許では、3−β−アミノトロパン骨格を芳香族1−アルコキシ−
2−ナフタミド系と結合させると2重活性を有する化合物:D2サブクラスに対
するドーパミン作用性拮抗剤であると同時に作用薬であり、またセロトニン作用
性拮抗剤であると同時に作用薬である化合物を提供しうることは開示も示唆もさ
れておらず、本発明はこれに基礎を置く。
ドーパミン作用性D2レセプターとの比較において、セロトニン作用性レセプ
ター間、限定はされないが特に5−HT2 レセプター間で本発明誘導体により表
現される最良のバランスが、錐体外路副作用を示す傾向の少ない治療効能との組
合せによって、ヒトにおけるこれら生成物の臨床的有利性の強調を可能にする(
Meltzer H.Y.Psychopharmacology,1989,99,18-27 and Meltzer H,Y.J.Clin.Psyc
hopharmacology,15 suppl.1:1s,1995)。
現在使用に供され、かつ上記定義の尺度に該当する最良化合物は、次の構造式
:
にて表されるリスペリドン(Risperidone)である。
本発明の目的は、置換1−アルコキシ−2−ナフトアミドの新規な置換3−β
−アミノトロパン−8−ベンジル誘導体、それらの調製法、薬剤として許容でき
るそれらの塩形態、それらを含む薬剤組成物、および人体治療における抗精神病
薬としてのそれらの適用に関する。
これらの新規化合物は、次の一般式I:
[式中、Arは例えばフエニルまたはヘテロアリール環等の芳香族残基を示し、
このフエニル環はC1-4アルキル、Cl、FもしくはBrハロゲン、またはC1-4
O−アルキルから選択された1つもしくは2つ以上の置換基で置換された環、ま
たは非置換環であり、nとしては1もしくは2が可能であり、したがって8−ア
ザビシクロ[3.2.1]オクタンまたは9−アザビシクロ[3.3.1]ノナ
ンを形成することができ、R1 は直鎖もしくは分岐C1-6アルキル基を示し、R2
およびR3はその芳香族環の炭素により支持された、同一もしくは異種であって
それぞれH、Cl、Br、F、C1-4アルキル、OH、CN、NO2、C1-4アル
キルチオ、NH2、C1-4アルキルアミノ、C1-4ジアルキルアミノ、アシルアミ
ノ、SO2NH2、C1-4SO2N−ジアルキルまたはC1-4SO2−アルキルであり
うる]
に該当する。
好ましくは、上記基Arは、ハロゲン置換または非置換のフエニル基であり、
置換基R1はメチルまたはエチルであることができ、4位の置換基R2はH、Br
、Cl、F、NO2、NH2、NMe2、CN、OCH3またはOHであることが好
ましく、したがって次の化合物に相当する。
・ 1−メトキシ−4−(N,N−ジメチルアミノスルホニル)−N−[8−
(フエニルメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]
−2−ナフタレンカルボキシアミド
・ 1,3−ジメトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビシクロ
[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド
・ 1−メトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビシクロ[3.
2.1]−オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド
・ 4−ブロモ−1−メトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビ
シクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミ
ド
・ 4−クロロ−1−メトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビ
シクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミ
ド
・ 1−メトキシ−4−(N,N−ジメチルアミノ)−N−[8−(フエニル
メチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフ
タレンカルボキシアミド
・ 4−アミノ−1−メトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビ
シクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミ
ド
・ 1−メトキシ−4−ニトロ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビ
シクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミ
ド
・ 4−シアノ−1−メトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビ
シクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミ
ド
・ 1,5−ジメトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビシクロ
[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド
・ 1,4−ジメトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビシクロ
[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド
・ 1−エトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビシクロ[3.
2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド
・ 4−ブロモ−1−エトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビ
シクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミ
ド
・ 4−アセトアミド−1−メトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−
アザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキ
シアミド
・ 4−アセトアミド−1−メトキシ−N−[8−(4−フルオロフエニルメ
チル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタ
レンカルボキシアミド
・ 4−アセトアミド−1−メトキシ−N−[8−(4−クロロフエニルメチ
ル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレ
ンカルボキシアミド
・ 4−アミノ−1−メトキシ−N−[8−(4−クロロフエニルメチル)−
8−アザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカル
ボキシアミド
・ 4−アミノ−1−メトキシ−N−[8−(4−フルオロフエニルメチル)
−8−アザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカ
ルボキシアミド
・ 4−アミノ−1−エトキシ−N−[8−(4−フルオロフエニルメチル)
−8−アザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカ
ルボキシアミド
・ 4−フルオロ−1−エトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザ
ビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシア
ミド
・ 4−フルオロ−1−メトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザ
ビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシア
ミド
・ 4−ブロモ−1−メトキシ−N−[9−(フエニルメチル)−9−アザビ
シクロ[3.3.1]ノニ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド
・ 4−アミノ−1−メトキシ−N−[9−(フエニルメチル)−9−アザビ
シクロ[3.3.1]ノニ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド
・ 4−ブロモ−1−メトキシ−N−[8−(4−フルオロフエニルメチル)
−8−アザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカ
ルボキシアミド
・ 4−ブロモ−1−メトキシ−N−[8−(4−クロロフエニルメチル)−
8−アザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカル
ボキシアミド
・ 4−メチルチオ−1−メトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−ア
ザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシ
アミド
・ 4−エチルチオ−1−メトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−ア
ザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシ
アミド
・ 4−エチルスルホニル−1−メトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−
8−アザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカル
ボキシアミド
・ 4−アミノスルホニル−1−メトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−
8−アザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカル
ボキシアミド
・ 4−ヒドロキシ−1−メトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−ア
ザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシ
アミド
・ 4−ヒドロキシ−1−エトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−ア
ザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシ
アミド
・ 1−メトキシ−N−[9−(フエニルメチル)−9−アザビシクロ[3.
3.1]ノニ−3β−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド
・ 1−エトキシ−4−ニトロ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビ
シクロ[3.2.1]オクチ−3β−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド
本発明化合物は、医薬的に許容できる無機または有機酸の付加により塩を形成
でき、かつ薬剤組成物中への配合ができるので、経口、注射または非経口的形態
で、各種通常のルートを経由して投与できる。
本発明化合物の抗ドーパミン作用性および抗セロトニン作用性の論証は、対応
レセプターを特定的にラベル化する放射性リガンドの置換により、これらレセプ
ターに対する上記化合物の親和性に基ずいて行われる(D2 レセプターの場合は
[3 H]YM-09151-2 および5−HT2 レセプターの場合には[3H]Ketanser
ine)。
特定結合を研究するこの方法は、Naunyn-Schmiedeberg の Arch.Pharmacol.
329,333-338,1985 および Mol.Pharmacol.21,301-314,1982中に記載があ
る。
対照物質との比較においてこれらの値を次表に例示する:
この研究から判ることは意外なことに、式I記載の構造を有する本発明化合物
は、対照物質:Sulpiride(常用抗精神病化合物)、Risperidone(H.Y.Meltzer
により定義される非定型的抗精神病化合物)、Tropapride(US 4,536,580)およ
びEP特許 539,281化合物(これらは5−HT2 親和性が少ないか、ま
たは全くない)との比較において、上記2種のレセプターD2 および5−HT2
に対して親和性を有していることである。
本発明化合物の有利性は、Tropapride またはEP特許539,281 化合物と比較
した際の5−HT2 セロトニン作用性レセプターに対して明示されるように、そ
の親和性が10から100倍大きいことから判り、かつドーパミン作用性および
セロトニン作用性レセプター間のバランスが一層優れているので、抗精神病効果
の力をもたせるためのみでなく、好ましからぬ副作用を排除するためにも、一層
優れた臨床的プロフィールを有する化合物の取得を可能にする。
ラットを用いた in vivo での抗精神病活性を示す試験は、W.Koek およびF.
C.Colpaert らによる J.Pharmacol.Exp.Ther.1993,267,181 中に記載の
方法に従った、メチルフェニデート(methylphenidate)により誘発される挙動
の抑制試験である。
得られた結果は、本発明化合物はステレオタイプの(stereotypical)顎噛咬
運動抑制を可能にするのみならず、またメチルフエニデートにより誘発されるす
べての挙動を正常化でき、かつ好ましからぬ副作用を伴わずにこれを達成できる
ことを示した。
この試験は、通常採用される試験である、アポモルフインの影響の拮抗作用よ
りも一層深く、これらの化合物の抗精神病活性の特色を示す。
以上のように本発明は精神分裂病の治療に特に有用な薬としての、一般式Iの
化合物に関するものである。
また本発明は、ヒト臨床治療に適切で、かつ活性成分の1日用量が0.1から
500mg、または一層具体的に0.1から100mgであるような、錠剤、カ
シェ剤カプセルまたはゼラチンカプセルのような投与モードに対応する処方を使
用して薬剤組成物中に配合される一般式I化合物の使用にも関する。
本発明の生成物は公知工程により得られ、その基幹工程は、式IIの1−アルコ
キシ−2−ナフトエ酸と式III にて表されるアミンとの間のアミド官能基の形成
にある。
R1 、R2 およびR3 は一般式I記載のそれらと同一である。これらの酸は化
学文献中に公知であるか、または置換安息香酸(サリチル酸タイプの)の類推に
より常法により調製される。
例えば、安息香酸II[式中、R1=CH3;R2=R3=H]の場合はMonatshe
f.Chem.1884,15,735 中に記載があり、[式中、R1 =CH3;R2=4−N
O2;R3=H]の場合はIndian Acad.Sci.Sect.A 1938,7, 261 中に記載が
あり、[R1=CH3;R2 =H;R3 =5−OCH3]の場合はJ.Chem.Soc.19
37,937-940 中に記載があり、[R1 =C2H5;R2 =R3 =H]の場合は Aus
tr.J.Chem.1974,27,2209 中に記載があり、[R1 =CH3;R2 =4−B
r;R3 =Hの場合]は J.Indian Chem.Soc.1936,13,645 中に記載がある
。
同様に、この酸II[式中、R1 =C2 H5;R2 =4−Br;R3 =H]の
場合が調製され、同じ文献で酸II[式中、R1 =CH3;R2 =4−Cl;R3
=H]の場合が調製され、酸II[式中、R1 =CH3;R2 =4−OH;R3 =H
]の場合は J.Am.Chem.Soc.1942,64,798-800 中に記載され、[R1 =C
H3;R2 =4−NH2;R3 =H]の場合は J.Chem.Soc.1922,1658 中
に記載され、同様に[R1 =CH3;R2 =4−OCH3;R3 =H]の場合は J
.Organomet.Chem.1969,20,251中に記載され;[R1 =CH3;R2 =3−
OCH3;R3 =H]の場合は J.Am.Chem.Soc.1952,74,1624 中に記載さ
れ、[R1 =CH3;R2 =4−NMe2 ;R3 =H]の場合はEP特許第585,1
16 号中に記載がある。酸II[式中、R1 =CH3;R2 =4−CN;R3 =H
]の場合は欧州特許第 539,281号公報に記載の4−アミノ誘導体から出発する標
準 Sandmeyer 反応により得られる。
酸II[式中、R1 =CH3;R2 =SCH3;SC2H5、SO2CH3、SO2
C2H5またはSO2−NH2の場合]は、ベルギー特許第 874,490号公報またはス
ペイン特許第 454,931号公報記載の方法に従って2−アルコキシ安息香酸を用い
、かつその4−SO2Cl誘導体を得るための硫酸クロロヒドリン(sulfuric ch
lorohydrin)との反応により得られ、この4−SO2Cl誘導体はジチオ誘導体
へと2量化還元され、そこからは塩基性媒体中でのアルキルハロゲン化物処理に
よりそのメチルチオまたはエチルチオ誘導体が得られる。対応するスルホニル置
換基は、過マンガン酸カリウムまたはメタクロロペル安息香酸等ペル酸を用いる
酸化により得ることができる。
式III(n=1)の3β−アミノ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
−8−ベンジルポリサイクリックアミンは上記方法(Eur.J.Med.Chim.1984
,19,105)に従って調製される。
式III(n=2)の3β−アミノ−9−アザビシクロ[3.2.1]ノナン
−9−ベンジルポリサイクリックアミンは、直接の類推および J.Org.Chem.2
6,395,1961中に記載の方法に従って調製される。
Arは式Iの場合に記載したと同じ特徴を有する。
酸IIとアミンIIIとの縮合は、酸IIをその酸クロライド例えば対応ナフ
テン酸の酸クロライドを介するかまたは酸IIとアルキル(例えばエチル)クロ
ロホルメートとの反応により得られる混合無水物を介する(メチレンクロライド
もしくは他の不活性溶剤中のトリエチルアミン等塩基の存在下0℃において)い
ずれかにより活性化後、式IIIのアミンと反応させて実施する。
4位のNH2誘導体は、通常の条件下すなわち無水酢酸単独でもしくはピリジ
ン中で、または別法としてトリエチルアミンもしくはK2CO3等塩基の存在下、
CH2Cl2もしくはTHF中でアセチルクロライドを用いてアセチル化できる。
この複素環のN−ベンジル官能基の脱ベンジル化は、中性もしくは酸性媒体中
の10%パラジウム(チヤコール上)を覆った水素の存在下、任意にオートクレ
ーブ中で加圧して実施できる。4位でハロゲン化された化合物の場合、α−クロ
ロエチルクロロホルメートを用いる脱アルキル化方法が、J.Org.Chem.1984,
49,2081に記載のように使用される。
置換ベンジルクロライドを用いる生成第2級アミンのアルキル化は、K2CO3
等塩基の任意の存在下、アセトニトリルを還流させることにより通常のように実
施できる。4位アニリンの脱アセチル化は、エタノール等水混合性溶剤中での、
例えば水性塩化水素酸等酸性媒体中で加熱すると生起しうる。
4位フッ素化も、Organic Syntheses Coll.Vol.II,299頁に示されるように
、対応ナフテン酸エステルを用いたジアゾニウムテトラフルオロボレートの分解
により通常のように実施できる。
このナフタレン環系の4位におけるフエノール誘導体は、10%パラジウム(
チヤコール上)の存在下の水素により、ベンジルもしくはベンジルカーボネート
基により保護した上記誘導体の水素化分解により、化合物I[式中、R1 =CH3
;R2 =OCH2Ph;R3 =H]から出発して得られ(T.N.Greene Protecti
ve Groups in Organic Synthesis 1991,156および 157頁)、この場合、このN
−ベンジル官能基は水素化分解条件には影響されない。
公知酸II[R1 =CH3 ;R2 =4−OH;R3 =Hの場合]は、アミド化
工程に先立って上記保護基の1つを用いて保護される。
次の実施例は、制限されない実施例として記載される。実施例1:
1−メトキシ−4−(N,N−ジメチルアミノスルホニル)−N−[8−(フエ
ニルメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−β−イル]−2−
ナフタレンカルボキシアミド・塩酸塩。(式I:R1=CH3;R2=4−SO2N
(CH3)2;R3=H;Ar=Ph;n=1)
段階1: メチル 1−メトキシ−4−(N,N−ジメチルアミノスルホニル)
−2−ナフタレンカルボキシレート。
4−アミノスルホニル−1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸2.0g(7.48
mmol;1eq)、ジメチルサルフエート3.0ml(32mmol;4.2
eq)および炭酸カリウム4.65g(33.7mmol;4.5eq)の混合
物をアセトン100ml中で一夜還流(refluxed)する。沈殿を濾過し、減圧下、
溶剤を蒸発する。残渣を酢酸エチル中に溶解させ、数回水洗し、Na2SO4上で
乾燥し、溶剤を減圧下で蒸発する。
純粋な生成物(95%)2.3gが得られる。
NMR(1H;CDCl3);2.79(s;6H;N−(CH3)2)、3.9
7(s;3H;C(O)OCH3)、4.10(s;3H;OCH3);7.59
−7.77(m;2H)、8.37(dd、J=7.7、1.6Hz;1H)、
8.56(s;1H) 8.70(dd、J=7.7、1.6Hz;1H)。
段階2: 1−メトキシ−4−(N,N−ジメチルアミノスルホニル)−2−ナ
フタレンカルボン酸
メチル 1−メトキシ−4−(N,N−ジメチルアミノスルホニル)−2−ナ
フタレンカルボキシレート(2.3g;7.13mmol;leq)の溶液をN
aOH428mg(10.71mmol;1.5eq)と共に50%エタノール
中で2時間還流する。次いで減圧下、溶剤を蒸発し、残渣を水中に溶解させ酢酸
エチルで1回抽出する。水性相に1N HClを加えてpH1−2にする。この
混合物をジクロロメタンで2回抽出し、乾燥、蒸発する。
純粋な酸(87%)1.92gが得られる。
NMR(1H;DMSO−d6);2.75(s;6H;N(CH3)2)、4.
08(s;3H;OCH3)、7.74−7.92(m;2H)、8.39(d
、J=7.9Hz;1H)、8.40(s;1H);8.65(d、J=7.9
Hz;1H)、13.57(s;1H;COOH)。
段階3: 1−メトキシ−4−(N,N−ジメチルアミノスルホニル)−N−[
8−フエニルメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−β−イル
]−2−ナフタレンカルボキシアミド・塩酸塩
ジクロロメタン20ml中のエチルクロロホルメート0.4ml(3.56m
mol、1.1eq)を、トリエチルアミン0.55ml(3.88mmol、
1.2eq)と共に1−メトキシ−4−(N,N−ジメチルアミノスルホニル)
−2−ナフタレンカルボン酸1.0g(3.24mmol、1eq)のジクロロ
メタン(70ml)溶液1.0gに加える。15分後、ジクロロメタン20ml
中の8−(フエニルメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−
β−アミン0.74g(3.4mmol;1.05eq)を0℃で添加する。全
ての出発材料が消費されるまで、この混合物をR.T.で撹拌する。この混合物
を3回水洗、次いで飽和Nacl水溶液で洗浄後、乾燥して蒸発する。シリカ上
のフラッシュクロマトグラフイー後、純粋な生成物1.45g(88%)が得ら
れる。
NMR(1H;CDCl3);1.65−1.87(m;4H);1.96−
2.15(m;4H)、2.93(s;6H;N(CH3)2)、3.32(m;
2H;H1 およびH5)、3.57(s;2H;N−CH2−Ph);4.00(
s;3H;OCH3)、4.48(m;1H;H3);7.22−7.42(m;
4H)、7.59−7.78(m;3H)、8.24(dd、J=7.7、2.
3;1H)、8.63(s;1H)、8.79(dd、J=7.7、2.3Hz
;1H)。塩の調製:
得られた塩基644mg(1.31mmol、1eq)をメチルエチルケトン
4ml中に溶解する。イソプロパノール中のHCl溶液(3.65N)0.36
mlを添加する。生成沈殿を濾過し、乾燥する。
収量:654g(92%)
m.p.:196℃
式:C28H34ClN3O4 S・0.1H2O
分子質量:塩基:507.66;塩:545.92
実施例2:
1,3−ジメトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビシクロ[3.
2.1]オクチ−3−β−イル]−2−ナフラレンカルボキシアミド・塩酸塩
(式I:R1 =CH3 ;R2 =3−OCH3 ;R3 =H;Ar=Ph;n=1)
ジクロロメタン20ml中のオキサリルクロライド溶液(0.412ml;4
.74mmol;1.1eq)を、DMF数滴と共に1,3−ジメトキシ−2−
ナフタレンカルボン酸(1.0g;4.31mmol;1eq)のジクロロメタ
ン(90ml)溶液中に0℃で添加する。次いでこの混合物をR.T.で1時間
撹拌する。
得られた溶液を、トリエチルアミン0.72ml(5.17mmol;1.2
eq)と共に8−(フエニルメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタ
ン−3−β−アミン(0.979g;4.52mmol;1.05eq)のジク
ロロメタン(20ml)溶液中に0℃で添加する。反応完結まで、この混合物を
R.T.で撹拌する。この反応混合物を水で3回、次いで飽和食塩水で洗浄する
。有機相を乾燥し、蒸発する。シリカ上のフラッシュクロマトグラグイーによる
精製後、純粋な生成物が得られる。
収量:0.375g(20%)
NMR(1H;CDCl3):1.67−1.89(m;4H);1.97−2
.12(m;4H)、3.31(m;2H;H1 およびH5)、3.60(s;
2H;N−CH2 −Ph);3.88(s;3H;OCH3)、3.98(s;
3H;OCH3)、4.45(m;1H;H3)、7.20−7.49(m;8H
);7.68(d、J=7.8Hz;1H)、7.99(d;J=7.8Hz;
1H)。塩の調製
:
得られた塩基355mg(0.82mmol;1eq)をメチルエチルケトン
4ml中に溶解する。イソプロパノール中HCl溶液(3.65N)0.23m
lを添加する。形成した沈殿を濾過、乾燥する。
収量:341mg(88%)
m.p.:124℃
式:C27H30N2 O3・ 0.9HCl・1H2O
分子質量:塩基:430.55;塩:481.38
実施例3:
1−メトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1
]オクチ−3−β−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =CH3 Ar=Ph
R2 =R3 =H n=1
C26H28N2O2
M.W.=400.53
m.p.℃=125
実施例4:
4−ブロモ−1−メトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビシクロ
[3.2.1]オクチ−3−β−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド・シ
ュウ酸塩
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =CH3 Ar=Ph
R2 =4−Br n=1
R3 =H
C28H29BrN2O6
M.W.=569.46
m.p.℃=193
* +0.1
EtOAc実施例5
:
4−クロロ−1−メトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビシクロ
[3.2.1]オクチ−3−β−イル)−2−ナフタレンカルボキシアミド・塩
酸塩
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =CH3 Ar=Ph
R2 =4−Cl n=1
R3 =H
C26H29Cl2N2O2
M.W.=472.44
m.p.℃=203
実施例6:
1−メトキシ−4−(N,N−ジメチルアミノ)−N−[8−(フエニルメチル
)8−アザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−β−イル]−2−ナフタレンカ
ルボキシアミド・シュウ酸塩
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =CH3 Ar=Ph
R2 =4−N(CH3)2 n=1
R3 =H
C31H36N3O8 M.W.=578.65 m.p.℃=165
(0.4H2 O) (585.85)
(1.5シュウ酸塩)
実施例7:
4−アミノ−1−メトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビシクロ
[3.2.1]オクチ−3−β−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド・ジ
オキサレート
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =CH3 Ar=Ph
R2 =4−NH2 n=1
R3 =H
C26H29N3O2 M.W.=488.45 m.p.℃=189
1.73 HCl (510.88)
(1.75 H2O)
実施例8:
1−メトキシ−4−ニトロ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビシクロ
[3.2.1]オクチ−3−β−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド・塩
酸塩
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =CH3 Ar=Ph
R2 =4−NO2 n=1
R3 =H
C26H28ClN3O4 M.W.=481.98 m.p.℃=192
(0.1H2 O) (483.78)
実施例9:
4−シアノ−1−メトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビシクロ
[3.2.1]−オクチ−3−β−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド・
塩酸塩
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =CH3 Ar=Ph
R2 =4−CN n=1
R3 =H
C27H28ClN3O2 M.W.=462.00 m.p.℃=174
(0.2H2 O) (465.59)
実施例10:
1,5−ジメトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビシクロ[3.
2.1]−オクチ−3−β−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド・塩酸塩
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =CH3 Ar=Ph
R2 =H n=1
R3 =5−OCH3
C27H31ClN2O3 M.W.=466.72 m.p.℃=216
(0.14H2 O) (469.24)
実施例11:
1,4−ジメトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビシクロ[3.
2.1]オクチ−3−β−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド・塩酸塩
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =CH3
R2 =4−OCH3 Ar=Ph
R3 =H n=1
C27H31ClN2O3
M.W.=467.01
m.p.℃=216
実施例12:
1−エトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビシクロ[3.2.1
]オクチ−3−β−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド・塩酸塩
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =C2H5 Ar=Ph
R2 =R3 =H n=1
C27H31ClN2O2 M.W.=451.01 m.p.℃=237
(0.1H2 O) (452.81)
実施例13:
4−ブロモ−1−エトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビシクロ
[3.2.1]オクチ−3−β−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド・塩
酸塩
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =C2H5 Ar=Ph
R2 =4−Br n=1
R3 =H
C27H30ClBrN2O2
M.W.=529.91
m.p.℃=215
実施例14:
4−アセトアミド−1−メトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビ
シクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミ
ド・塩酸塩
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =CH3 Ar=Ph
R2 =4−NHCOCH3 n=1
R3 =H
C28H32ClN3O2 M.W.=494.04 m.p.℃=249
(0.2H2O) (497.63)
実施例15:
4−アセトアミド−1−メトキシ−N−[8−(4−フルオロフエニルメチル)
−8−アザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカ
ルボキシアミド・塩酸塩
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =CH3 Ar=4+FPh
R2 =4−NHCOCH3 n=1
R3 =H
C28H31FClN3O3 M.W.=494.04 m.p.℃=249
(0.1H2O) (497.63)
実施例16:
4−アセトアミド−1−メトキシ−N−[8−(4−クロロフエニルメチル)−
8−アザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカル
ボキシアミド・塩酸塩
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =CH3 Ar=Ph
R2 =4−NHCOCH3 n=1
R3 =H
C28H21Cl2N3O3 M.W.=528.48 m.p.℃=255
(0.4H2 O) (535.68)
実施例17:
4−アミノ−1−メトキシ−N−[8−(4−クロロフエニルメチル)−8−ア
ザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシ
アミド・二塩酸塩
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =CH3 Ar=4−ClPh
R2 =4−NH2 n=1
R3 =H
C26H28ClN3O2・1.9 HCl M.W.=519.26 m.p.℃=239
(0.5H2O) (528.26)
実施例18:
4−アミノ−1−メトキシ−N−[8−(4−フルオロフエニルメチル)−8−
アザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキ
シアミド・二塩酸塩
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =CH3 Ar=4−FPh
R2 =4−NH2 n=1
R3 =H
C26H28FN3O2・1.95HCl
M.W.=504.63 m.p.℃=236
(0.6H2 O) (515.44)
実施例19:
4−アミノ−1−エトキシ−N−[8(フエニルメチル)−8−アザビシクロ[
3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド・二塩
酸塩
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =C2H5 Ar=Ph
R2 =4−NH2 n=1
R3 =H
C27H34Cl2N3O2 M.W.=503.49 m.p.℃=230
(1H2O) (521.505)
実施例20:
1−エトキシ−4−フルオロ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビシク
ロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =C2H5 Ar=Ph
R2 =4−F n=1
R3 =H
C27H30FClN2O2 M.W.=469.003 m.p.℃=223
(0.1H2 O) (470.804)
実施例21:
4−フルオロ−1−メトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビシク
ロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド・
塩酸塩
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =CH3 Ar=Ph
R2 =4−F n=1
R3 =H
C26H28FClN2O2 M.W.=454.98 m.p.℃=210
(0.1H2O) (456.77)
実施例22:
4−ブロモ−1−メトキシ−N−[9−(フエニルメチル)−9−アザビシクロ
[3.3.1]ノニ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =CH3 Ar=Ph
R2 =4−Br n=2
R3 =H
C26H27BrN2O2
M.W.=479.43
m.p.℃=142
実施例23:
4−アミノ−1−メトキシ−N−[9−(フエニルメチル)−9−アザビシクロ
[3.3.1]ノニ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド・二塩
酸塩
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =CH3 Ar=Ph
R2 =4−NH2 n=2
R3 =H
C27H33Cl2N3O2 M.W.=502.49 m.p.℃=260
(1.1H2O) (522.31)
実施例24:
4−ブロモ−1−メトキシ−N−[8−(4−フルオロフエニルメチル)−8−
アザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキ
シアミド・シュウ酸塩
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =CH3 Ar=4−FPh
R2 =4−Br n=1
R3 =H
C28H28BrFN2O6 M.W.=587.45 m.p.℃=149
(0.5H2 O) (596.46)
実施例25:
4−ブロモ−1−メトキシ−N−[8−(4−クロロフエニルメチル)−8−ア
ザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシ
アミド・シュウ酸塩
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =CH3 Ar=4−ClPh
R2 =4−Br n=1
R3 =H
C28H28BrClN2O6 M.W.=603.91 m.p.℃=138
(0.5H2O) (612.91)
実施例26:
4−メチルチオ−1−メトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビシ
クロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =CH3 Ar=Ph
R2 =4−SCH3 n=1
R3 =H
C27H30N2O2S
M.W.=446.61 m.p.℃=104
実施例27:
4−エチルチオ−1−メトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビシ
クロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =CH3 Ar=Ph
R2 =4−SC2H5 n=1
R3 =H
C28H32N2O2S
M.W.=460.64
m.p.℃=82
実施例28:
4−エチルスルホニル−1−メトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−ア
ザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシ
アミド
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =CH3 Ar=Ph
R2 =4−SO2C2H5 n=1
R3 =H
C28H32N2O4S M.W.=492.64 m.p.℃=119
(1.36H2O) (483.20)
実施例29:
4−アミノスルホニル−1−メトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−ア
ザビシクロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシ
アミド
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =CH3 Ar=Ph
R2 =4−SO2NH2 n=1
R3 =H
C26H29N3O4S M.W.=479.60 m.p.℃=199
(0.2H2O) (483.20)
実施例30:
4−ヒドロキシ−1−メトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビシ
クロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1 =CH3 Ar=Ph
R2 =4−OH n=1
R3 =H
C26H28N2O3 M.W.=416.52 m.p.℃=216
(0.1H2O) (418.33)
実施例31:
4−ヒドロキシ−1−エトキシ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビシ
クロ[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド
R1=C2H5 Ar=Ph
R2=4−OH n=1
R3=H
C27H30N2O3 M.W.=430.55実施例32
:
1−メトキシ−N−[9−(フエニルメチル)−9−アザビシクロ[3.3.1
]ノニ−3b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド・塩酸塩
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1=CH3 Ar=Ph
R2=H n=2
R3=H
C27H31ClN2O2 M.W.=451.01 m.p.℃=232
(0.25 H2O) (455.51)
実施例33:
1−エトキシ−4−ニトロ−N−[8−(フエニルメチル)−8−アザビシクロ
[3.2.1]オクチ−3−b−イル]−2−ナフタレンカルボキシアミド・塩
酸塩
対応試薬で出発する以外は実施例1の段階3と同様の方法で表題化合物が得ら
れる。
R1=C2H5 Ar=Ph
R2=4−NO2 n=1
R3=H
C27H30ClN3O4 M.W.=496.01 m.p.℃=187
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1997年8月6日
【補正内容】
請求の範囲
1. 一般式I:
[式中、Arはフエニル環を示し、このフエニル環は非置換、またはC1-4アル
キル、Cl、FもしくはBrハロゲンまたはC1-4O−アルキルから選択された
1つまたは2つ以上の置換基により置換されたものであり、
nは1または2が可能であり、したがって8−アザビシクロ[3.2.1]オ
クタンまたは9−アザビシクロ[3.3.1]ノナンを形成することが可能であ
り、
置換基R1は直鎖または分岐C1-6アルキル基であり、
上記芳香族環の炭素により支持された置換基R2 およびR3は同種または異種であ
ってそれぞれH、Cl、Br、F、C1-4アルキル、OH、CN、NO2、C1-4
S−アルキル、NH2、C1-4NH−アルキル、C1-4N−ジアルキル、NH−ア
シル、SO2NH2、C1-4SO2N−ジアルキルまたはC1-4SO2−アルキルであ
ることができる]
にて表される化合物、ならびに医薬剤として許容される無機または有機酸とのそ
の付加塩。
2. R1はメトキシまたはエトキシ、R2はハロゲンCl、BrもしくはF、
NH2、NMe2、OH、Ar、またはハロゲンClもしくはFにより置換され
たフエニルであることを特徴とする、請求項1記載の一般式Iの化合物。
3. 次の化合物、および医薬剤的に許容される無機または有機酸とのその付
加塩から選択されることを特徴とする、請求項1または2記載の一般式Iの化合
物。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 31/00 626 A61K 31/00 626P
626E
31/435 608 31/435 608
31/46 31/46
C07D 451/14 C07D 451/14