JPH11510164A - ポリヌクレオチドの粘膜送達 - Google Patents

ポリヌクレオチドの粘膜送達

Info

Publication number
JPH11510164A
JPH11510164A JP9507664A JP50766497A JPH11510164A JP H11510164 A JPH11510164 A JP H11510164A JP 9507664 A JP9507664 A JP 9507664A JP 50766497 A JP50766497 A JP 50766497A JP H11510164 A JPH11510164 A JP H11510164A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polynucleotide
composition
mucosal
binding protein
animal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9507664A
Other languages
English (en)
Inventor
キング,ダニー,エイチ
Original Assignee
マキシム ファーマシューティカルズ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by マキシム ファーマシューティカルズ filed Critical マキシム ファーマシューティカルズ
Publication of JPH11510164A publication Critical patent/JPH11510164A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/118Chlamydiaceae, e.g. Chlamydia trachomatis or Chlamydia psittaci
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/1703Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • A61K38/1709Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/22Hormones
    • A61K38/28Insulins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/50Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates
    • A61K47/51Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent
    • A61K47/62Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent the modifying agent being a protein, peptide or polyamino acid
    • A61K47/64Drug-peptide, drug-protein or drug-polyamino acid conjugates, i.e. the modifying agent being a peptide, protein or polyamino acid which is covalently bonded or complexed to a therapeutically active agent
    • A61K47/6415Toxins or lectins, e.g. clostridial toxins or Pseudomonas exotoxins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K48/00Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/87Introduction of foreign genetic material using processes not otherwise provided for, e.g. co-transformation

Abstract

(57)【要約】 GM1−結合蛋白及びこの結合蛋白に会合するポリヌクレオチドを含む、粘膜細胞、神経細胞、または他の細胞にポリヌクレオチドを送達するための組成物、及び、この組成物を動物に投与すること、及びポリヌクレオチドを発現させて、該動物にポリヌクレオチドの産物に対する免疫応答を起こさせることを含む、免疫性を調節する方法、及び、GM1結合蛋白及び機能性ポリヌクレオチドを動物に投与し、この動物においてポリヌクレオチドを発現させてポリヌクレオチドの機能が動物に治療効果を与えることを含む、遺伝子治療の方法。

Description

【発明の詳細な説明】 ポリヌクレオチドの粘膜送達 関連出願 本出願は、35USC(米国特許法)119(e)によって、1996年7月 26日に出願された暫定出願番号第60/001527号を優先権主張するもの である。 発明の分野 本発明は、脊椎動物の粘膜及び神経組織、及びGM1受容体が表在する他の組 織または細胞への、機能性ポリヌクレオチドの送達に関する。こうして送達され る機能性ヌクレオチドは、治療効果のある遺伝子であるか、または動物の免疫応 答を調節するために働く能力がある。この調節によって、動物において、続いて 起こる免疫応答の大きさを増強または低下させることが可能である。 発明の背景 粘膜は、呼吸・消化器及び泌尿生殖器系、目の結膜、内耳、及び全ての外分泌 腺の管路の、外部にさらされる表面を覆っている。粘膜はその分布のため、多数 の異物粒子及び侵入する微生物と常に接触している。これらの膜は、接触する粒 子及び微生物の大部分を取り込んで分解する能力がある。加えて、粘膜は特殊な 免疫系を有する。粘膜の免疫系細胞は、粘膜関連リンパ組織(MALT;mucosa -associated lymphoid tissues)を構成する。 MALT細胞は普通、多数の異物質と接触する。そうして接触するあらゆる異 物に対して完全に免疫応答すれば、例えば蛋白様の食物を摂取するような単純か つ生命維持に不可欠のプロセスが不可能になるであろう。従って、粘膜性免疫系 は、異物のエピトープ(抗原決定基)のほとんどを選択的に無視する能力を持っ ていなければならず、一方では他のいくつかの異物に対して強力に応答する。 ある異物のエピトープに対して獲得寛容性を発現する現象は、ある別の方法で 免疫原性物質が充分大量に摂取されると、感受性が低下することによって初めて 認められたことから、「経口寛容性」(oral tolerance)として知られている。 現在は、この「経口寛容性」は、MALT細胞をある異物に充分暴露することに よって、少なくとも一時的及び局所的に獲得され得ることが知られている。 多くの粘膜細胞では、原形質膜にガングリオシドGM1が相対的に多いという 特徴がある。GM1はシアロセラミドの一種であり、その親油性セラミド部分は 原形質膜のリン脂質二重層中に拡散してこの脂質二重層と結合し、一方GM1の オリゴ糖−シアル酸部分は膜外に突き出て、細胞表面に表在する。GM1は粘膜 細胞のみに限定されるものではない。実際にGM1は、体の多くの異なる細胞型 中にあるレベルで存在しているが、ニューロン膜及び粘膜細胞の膜に最も多く存 在する。 GM1は、原形質膜において、暴露されているそのオリゴ糖−シアル酸部分に 結合する蛋白に対する受容体として作用する能力がある。最も知られているGM 1結合蛋白は、コレラ菌(Vibrio cholcrae)の毒素であるコレラ毒素(CT )である。CTは二つのタイプのサブユニットで構成されている。サブユニット AのフラグメントA1にはADP−リボシル化活性があり、サブユニットBには GM1結合活性がある。ホロトキシン(holotoxin)は、5個のサブユニットBと 1個のサブユニットAからなるヘテロ6量体である。同族である大腸菌の熱に不 安定なエンテロトキシン(LT)は、構造及び機能がCTと非常に類似している 。 CTのADP−リボシル化活性及びGM1結合活性は両者とも、CTの全体の 毒素活性に必須である。ホロトキシンのサブユニットはA、B共に、単独ではイ ンビボでの毒素反応を起こさない。細胞では、サブユニットAのADP−リボシ ル化活性によって、NDAのADP−リボシル部分が、膜に結合するアデニル酸 シクラーゼの正のレギュレーターである、グアニン−ヌクレオチドの結合蛋白Gs のサブユニットαへ運ばれる。 この本文では主としてGM1結合蛋白の使用について論じるが、「ADP−リ ボシル化部分」もまた、あたかもこの語句が「GM1結合蛋白」という語句に代 用されているかのように、「GM1結合蛋白」という語句がここに掲載されてい るのと同じく、完全に本発明の一部と考えられることに注意するべきである。 類似の機能を持つADP−リボシル化酵素は他にも多数存在する。例えば、大 腸菌の熱に不安定なエンテロトキシン(LT)は、そのサブユニットA及びBも また、それぞれADP−リボシル化活性及びGM1結合活性を示すことから、二 重に類似している。 GM1はオリゴ糖部分を含有しそれが表在することから、多数のレクチン類及 びレクチン様分子とも結合する能力がある。また、セラミド部分の親油性の性質 によって、外因性のGM1は多くの細胞型の膜に容易に取り込まれる。 CTは粘膜性免疫系によって強力な反応を引き起こす。従って、ホロトキシン またはサブユニットA単独で、選択された他のエピトープに対する粘膜性免疫反 応を刺激するためのアジュバントとして使用されている。非常に驚くことは、C TBは、選択されたエピトープと結合した場合、送達されたエピトープに対する 獲得(「経口」)寛容性をもたらす強力な能力を有するという対照的な事実であ る。サブユニットBは単独で、結合したエピトープをMALTの近くに効率的に 送達するが、一般的にはそれ自身では免疫認識の増強を刺激しない。多くの場合 、このような免疫刺激のない送達の結果が獲得寛容性である。 粘膜性免疫系が全身性免疫に対する影響に加えて、粘膜性免疫が増強または低 下するという二つの現象から、粘膜性免疫のアジュバントとしてCTまたはCT Aを、及び獲得寛容性のイニシエーター及びメディエーターとしてCTBを含む 、組成物及び治療方法の開発にかなりの関心が寄せられている。 現在の方法及び組成物は、エピトープに対する獲得寛容性を得るために、エピ トープをMALTに送達するためのCTBと所望のエピトープとの共有結合を利 用している。この体系は、アレルギー、同種異系移植の拒絶反応、及び自己免疫 疾患の問題に関心のある者に特に評価されている。 同様に、獲得粘膜性免疫、ひいては全身性免疫の刺激を目的とする研究者らは 、粘膜性免疫を増強するため、選択した抗原をCTまたはCTAと結合させた。 両方の場合で、送達された蛋白エピトープ及びCTBとの結合が不安定である ことで、エピトープにMALT細胞が適切に暴露された効果及び期間が制限され ている。ここに記載した発明は、この問題を新規な方法で検討するものである。 本発明は、当技術の現在の状態における欠点を解決するという新規性を有する以 上に、遺伝子治療に適用する場合にも非常に有用である。 ここに記載するのは、ポリヌクレオチドとGM1または他の粘膜結合蛋白とで 複合体を形成させるかまたは結合させることによって、MALT細胞などの標的 細胞に活性なポリヌクレオチドを送達する発明である。送達される分子は、蛋白 質よりもむしろポリヌクレオチドであって、単一の蛋白質の送達よりも数百倍ま たは数千倍大きい単一の送達イベント(a simple delivery event)において効 果がある。これは、活性なポリヌクレオチドが、所望の蛋白の多数のコピーの最 終発現を指示し、コードし、または最終発現に他の影響を及ぼすことが可能であ るからである。さらに、活性なポリヌクレオチドは、発現が一時的であるならば 数時間から数日間、または、ポリヌクレオチドが送達される細胞のゲノム内へ安 定して組み込まれる場合は永久的に、そのように作用する能力がある。送達され る分子が単なる蛋白質である場合には、同様の結果にはとうてい到達しない。 本発明は、粘膜細胞を認識するだけではない結合蛋白を使用するので、遺伝子 治療の分野においても有用である。標的細胞の結合蛋白及び膜の決定基は、治療 効果のある遺伝子または他のポリヌクレオチドが標的細胞に正確かつ効率的に送 達されるように、選択及び/または操作され得る。結果として、標的細胞の一時 的なトランスフェクションまたは安定で永久的な形質転換が起こる。 発明の概要 本発明は、遺伝子治療及び免疫系の操作に新規なアプローチを導入するもので ある。本発明は、機能性ポリヌクレオチドを粘膜組織、神経組織、及びGM1受 容体が表在する他の組織または細胞に局在化させる能力を有する組成物に関する 。そうして送達される機能性ヌクレオチドは、治療効果のある遺伝子であるか、 または動物の免疫応答を調節するために働く能力がある。この調節によって、動 物において、続いて起こる免疫応答の大きさを増強または低下させることが可能 である。 本発明を具体的に表すものは、ポリヌクレオチドを粘膜細胞、神経細胞、及び 他の脊椎動物細胞または組織に送達する組成物である。この組成物は、活性なポ リヌクレオチドに会合(association)して脊椎動物の粘膜組織の決定基に親和 性を有する粘膜結合蛋白を含む。粘膜結合蛋白は、他の細胞型に対しても親和性 が あるので、本発明の組成物は、他の選択された細胞及び組織にも同様に、活性な ポリヌクレオチドを送達するのに効果的である。 本発明のさらに特別な態様では、蛋白成分として、粘膜結合蛋白である下記の 群の要素を使用する:CT、CTB、LT、細菌性線毛状蛋白(bacterial fimb riae proteins)、動物性レクチン、植物性レクチン、及びレクチン様蛋白。 本発明の好ましい態様では、粘膜結合蛋白はコレラ菌(Vibrio cholerae) のコレラ毒素である。この態様は、サブユニットA及びB、またはそのモノマー またはフラグメントから成るホロトキシンの使用を意図するものであり、また、 (結合)サブユニットBのみから成る、毒素の特別なフラグメントの使用も意図 する。さらに、ADP−リボシル化活性を示す他の分子は勿論、サブユニットA (A1及びA2)の両フラグメントまたはそれらの一方のフラグメントを含む、 (活性)サブユニットAのみの使用も意図する。 本発明の別の態様では、蛋白成分として、粘膜細胞を特異的に認識することが できる免疫グロブリンを使用する。この局面について、さらに特別な本発明の態 様では、免疫グロブリンはGM1受容体を認識し、これに結合する。 本発明のさらなる態様はポリヌクレオチド成分に関する。一つの態様では、ポ リヌクレオチドはDNAである。ポリヌクレオチドがDNAである場合、このD NAはゲノム由来のものであってもよい。あるいは、DNAはcDNAであって もよい。加えて、本発明によれば、DNAは組換えDNAであってもよい。本発 明はヌクレオチド成分として、DNAの全ての形態を意図する。 本発明のこの局面について、好ましい態様として、コード領域(coding regio n)に操作的に結合するプロモーター領域を含むDNAが挙げられる。コード領 域は、種々の蛋白ドメインを特定することが可能である。本発明の別の好ましい 態様では、DNAはアンチセンスメッセージをコードするものである。 本発明の別の態様では、ポリヌクレオチド成分はRNAである。従って、好ま しい態様では、RNAはmRNAである。別の好ましい態様では、RNAはアン チセンスである。ほかの態様では、RNAはリボザイムである。本発明はポリヌ クレオチド成分として、RNAの全ての形態を意図する。 本発明の組成物はいくつかの有用な剤形であってもよい。本発明は、組成物の 全ての有用な剤形を意図するものである。一つの態様では、組成物は、吸入によ る送達に使用されるような、霧状の分散剤の形態である。好ましい態様では、組 成物は、直腸坐剤または膣坐剤の形態である。別の好ましい態様では、組成物は 、クリーム、軟膏、または経皮貼付剤の形態である。 また本発明は、粘膜結合蛋白及びポリヌクレオチドが組成物を形成し得る全て の方法をも意図するものである。好ましい態様では、組成物は粘膜結合蛋白とポ リヌクレオチドとの混合物の形態である。この混合物は、静電気的または疎水性 の相互作用を利用する他の成分または、ポリヌクレオチド送達の障害の一つであ る粘液の効果を減じる他の成分によって安定化してもよい。別の態様では、粘膜 結合蛋白とポリヌクレオチドは互いに化学的に結合している。本発明のほかの態 様では、粘膜結合蛋白及びポリヌクレオチドを一緒にカプセルに封入する。 本発明の別の局面は、動物の免疫性を調節する方法である。この方法の第一段 階では、粘膜結合蛋白と免疫原をコードするポリヌクレオチドとを組み合わせて 動物に投与する。第二段階では、動物においてポリヌクレオチドを発現させ、こ れによって動物はポリヌクレオチドの産物に対して免疫応答を起こす。 本発明のこの局面について、好ましい態様では、調節によって動物の免疫応答 を増強する。本発明では、増強される免疫応答が、粘膜性または全身性であって もよく、または粘膜性と全身性の両方であってもよい。本発明のこの局面につい て、さらなる態様では、避妊に対する免疫応答を増強する。 本発明の別の好ましい態様では、調節よって動物の免疫応答を低下させる。本 発明では、低下させる免疫応答は、粘膜性または全身性であってもよく、または 粘膜性と全身性の両方であってもよい。本発明の好ましい態様では、経口寛容性 の場合と類似の方法で、アレルゲンに対して脱感作させるために免疫応答を低下 させる。別の好ましい態様では、臓器及び組織移植を許容するために免疫応答を 低下させる。本発明のさらに好ましい態様では、自己免疫疾患の治療に対する免 疫応答を低下させる。 本発明によれば、免疫応答の調節は、病原体またはアレルゲンに暴露する前に 実施してもよい。また本発明は、病原体またはアレルゲンに暴露した後に調節を 実施することも意図する。従って、本発明は、暴露の前でも後でも、及び処置さ れる動物を免疫するにせよ脱感作するにせよ、本発明組成物の、免疫応答を調節 するための全ての使用を包含する。 本発明の組成物は、種々の経路で投与することが可能である。一つの態様では 、投与形態は鼻及び/または肺経由のものである。好ましい態様では、投与形態 は経口投与である。さらに好ましい態様では、本発明の組成物は直腸または膣内 に投与される。もしくは、本発明の態様として、本発明の組成物を吸入によって 、眼科的に投与することによって、また経皮的に投与することによって投与する 形態も包含される。 本発明の別の局面は、あらゆるGM1細胞にポリヌクレオチドを送達するため に機能する組成物である。この組成物の結合蛋白成分は、GM1受容体に親和性 があり、この親和性によって、GM1受容体が表在するあらゆる細胞にポリヌク レオチドを送達する。 本発明のこの局面について、一つの態様では、結合蛋白は、CT、CTB、L T、LTB、細菌性線毛状蛋白、動物性レクチン、植物性レクチン、及びレクチ ン様蛋白からなる群より選択される。 好ましい態様では、結合蛋白は、コレラホロトキシン(サブユニットA及びB を有する)であるか、または、この毒素のいくつかのフラグメントを単独でまた は他の蛋白フラグメントと組み合わせて含有する、この毒素の誘導体である。 他の好ましい態様では、組成物の結合蛋白は免疫グロブリンである。 本発明によれば、ポリヌクレオチドのGM1送達は、遺伝子治療も目的として いる。そのような態様として、本発明は、GM1結合蛋白と機能性ポリヌクレオ チドとを組み合わせて動物に投与し、次にポリヌクレオチドを動物細胞において 発現させる、動物における遺伝子治療のための方法を開示するものである。この 方法によって、ポリヌクレオチドの機能が動物に治療効果を与える。 本発明のこの局面について好ましい態様では、動物細胞は送達された機能性ポ リヌクレオチドを一時的に発現する。 他の好ましい態様では、動物細胞が機能性ポリヌクレオチドによって安定的に 形質転換される。 発明の詳細な説明 粘膜組織は多くの感染性疾患が入り込む経路である。また粘膜組織は多くのア レルゲンの侵入及び刺激の主要部位でもある。本発明は、これらの医学的問題の 両方に取り組むものである。さらに、本発明は、遺伝子治療のため、ある細胞に ポリヌクレオチドを送達する新規な方法によって、他の重要な疾患及び症状への アプローチを提供する。 本発明は、粘膜性免疫にかかわる細胞を機能性ポリヌクレオチドの標的とする ことによって、脊椎動物の粘膜性及び全身性免疫系の調節を可能にするものであ る。次にポリヌクレオチドはこれらの細胞の内部に取り込まれ、そこで発現する 。ポリヌクレオチドの産物は、選択されたエピトープに対する体の正常な免疫応 答の大きさを増強するか低下させることが可能であり、従って、あるアレルゲン に対する体の反応性を小さくし、または本発明で特に使用されるパラメーターに よれば、ある病原体と闘うのにより有効である。このように免疫系の応答を調節 する能力も、本発明と自己免疫疾患の治療及び予防とを関連づけるものである。 粘膜結合蛋白とあるポリペプチドから成る組成物にはあることだが、特定のポ リペプチドアレルゲンまたは免疫原を一回だけ送達するよりもむしろ、単一のポ リヌクレオチドがその産物てある多数のコピーを発現することができるという事 実から、本発明は、標的細胞をあるアレルゲンまたは免疫原により多く暴露する ことを可能にするものである。細胞内でのポリヌクレオチドの発現期間によって 、及び活性なポリヌクレオチドであるポリペプチド産物が細胞内起源であること によって、粘膜細胞をペプチド産物に暴露する効果も改善される可能性がある。 本発明の粘膜結合蛋白はGM1が充分な濃度で表在するあらゆる細胞と実際に 結合することから、本発明はさらに、遺伝子治療に適用するためのポリヌクレオ チドの標的設定及び送達の新規な形態を形成する。治療効果のある遺伝子を送達 する現在の形態は、ウイルスのカプシド、陽イオン性脂質、作製された生きてい るウイルス、及び生体外トランスフェクションにおおむね限定されている。ほと んどは疑わしい物質を注入する必要がある。しかし、本発明は、吸入、経口投与 、点眼液または眼軟膏、点鼻液または点鼻軟膏、坐剤、浣腸剤、潅注剤、または 経 皮貼付剤、クリーム剤または軟膏による、治療効果のある遺伝子または他の機能 性ポリヌクレオチドの投与を可能にする。従って、遺伝子治療に本発明を使用す ることは、粘膜組織及び神経組織の疾患に対して、及びGM1受容体が表在する 組織及び細胞へポリヌクレオチドを送達することによって治療できる他の疾患に 対して、特に効果的である。 本発明は特に、脊椎動物の種々の細胞に機能性ポリヌクレオチドを送達するた めの組成物を開示するものである。本発明は、結合蛋白と機能性ポリヌクレオチ ドを含む。組成物の蛋白成分には、多数の脊椎動物細胞の決定基を認識し、これ に結合する性質がある。さらにこの蛋白成分には、動物の体内での迅速な分解か ら、自身及び関連する他の分子を保護する性質もある。また、結合蛋白には、機 能性ポリヌクレオチドと関連して、ポリヌクレオチドを標的細胞に送達するとい う重要な性質がある。 本発明は、樹状組織、及び、胃腸管、生殖管、肺及び鼻洞を含む肺気道、及び 目の結膜の組織を含む、いくつかの神経組織または粘膜組織のいずれかと特異的 に結合するかまたは会合する能力のある、あらゆる蛋白の使用を意図するもので ある。限定されない例として、下記の蛋白は全て、粘膜細胞に結合することが知 られている:少なくともコレラ毒素のサブユニットB、大腸菌熱不安定性エンテ ロトキシンのサブユニットB、百日咳菌(Bordetella pertussis)毒素のサブ ユニットS2、S3、S4及び/またはS5、ジフテリア毒素のフラグメントB 及び志賀菌毒素または志賀菌様毒素の膜結合サブユニットを含む、細菌性毒素膜 結合サブユニット。 本発明の範囲内と考えられる他の粘膜結合サブユニットには、細菌性線毛状蛋 白の大腸菌線毛(E.coli fimbria)K88、K99、987P、F41、CF A/I、CFA/II(CS1、CS2及び/またはCS3)、CFA/IV(CS 4、CS5及び/またはCS6)、線毛Pなどが含まれる。本発明の範囲内と考 えられる他の線毛には、百日咳菌線維状赤血球凝集素、コレラ菌毒素補調節(co regulate)ピリ線毛(TCP)、マンノース感受性赤血球凝集素(MSHA)、 フコース感受性赤血球凝集素(FSHA)などが含まれる。 本発明の範囲内と考えられる、さらに他の粘膜結合分子には、インフルエンザ 及びセンダイウイルス赤血球凝集素、及び免疫グロブリン分子またはそのフラグ メント、カルシウム依存性(C型)レクチン、セレクチン(selectin)、コレク チン(collectin)またはエスカルゴ(Helix pomatia)赤血球凝集素を含む動 物性レクチンまたはレクチン様分子を含む、ウイルス性接着蛋白が含まれる。粘 膜結合サブユニットを有する植物レクチンには、コンカナバリンA、小麦胚芽凝 集素、植物凝集素(フィトヘマグルチニン)、アブリン及びリシン(ricin)が 含まれる。 本発明では、神経細胞、粘膜細胞または他の脊椎動物細胞を特異的に認識し、 結合する能力のある他の蛋白質が意図される。特に、GM1受容体などの特有の 粘膜エピトープに対して親和性がある全ての免疫グロブリンは、本発明で意図さ れる粘膜結合蛋白成分の一部である。加えて、粘膜細胞に結合する性質を有する 、組換え蛋白、キメラ蛋白、または他の作製された蛋白質も、本発明の一部と意 図する。 本発明の好ましい態様では、粘膜結合蛋白は、コレラ菌(Vibrio cholerae )のコレラ毒素である。この態様は、サブユニットA及びBから成るホロトキシ ンの使用を意図し、また、単体または重合体の(結合)サブユニットBモノマー のみから成る毒素のフラグメントの使用も意図するものである。 本発明の態様では、さらに、組成物の蛋白成分として、CTまたはその類似体 の(活性)サブユニットAが使用される。本発明のこの局面は、本発明の蛋白成 分として、フラグメントA1のみ、またはフラグメントA2のみの使用を意図す るものである。加えて、A1のようにADP−リボシル化活性があるかまたはそ の補助となるような、他の酵素、ホルモン、コファクター(補助因子)、または 触媒も、本発明のこの局面についての態様である。本発明はさらに、天然であれ 合成であれ、いずれかのサブユニットの全部または一部を含むコレラ毒素の誘導 体の使用を意図する。 本発明の別の態様では、その蛋白成分として、粘膜細胞を特異的に認識するこ とができる免疫グロブリンを使用する。この局面について、さらに特別な本発明 の態様では、免疫グロブリンはGM1受容体を認識し、これに結合する。本発明 は、粘膜細胞の他の決定基に対して誘導される(raised)免疫グロブリンも意図 するものである。 コレラ毒素の結合性及び毒性は当業者にはよく知られている。類似の結合性を 有する他の蛋白質も多数知られている。さらに他の蛋白は作製することが可能で ある。同様に、GM1または粘膜細胞の他の特異的なエピトープに対する免疫グ ロブリンも誘導され得る。 本発明のさらなる態様はポリヌクレオチド成分に関するものである。一つの態 様では、ポリヌクレオチドはDNAである。ポリヌクレオチドがDNAである場 合、DNAはゲノム由来のものであってもよい。ゲノムDNAは、イントロンを 有するか有しないDNA、及びプロモーター配列、エンハンサー配列、及び他の シス作用構成分子を有するか有しないDNAであってもよい。またゲノムDNA は、実質的に組換えDNA技術によって操作されたゲノム由来のDNAも包含す る。ゲノムDNAは、動物、植物、菌類、原生生物、またはバクテリア由来のも のであってもよい。 もしくは、DNAはcDNAであってもよい。本発明では、cDNAは逆転写 酵素によってmRNAから直接調製されてもよく、または、DNAが逆転写酵素 を用いてmRNAから調製されず、むしろ、イントロンを除去し、操作の産物が cDNAの一般的特徴を有するような他の配列を加えるか除去するように操作す る場合は、cDNA様分子であってもよい。 加えて、本発明によれば、DNAは組換えDNAであってもよい。本発明では 、組換えDNAは、組換えDNA技術による操作を行ったいずれのDNAであっ てもよい。そのような技術としては、ランダム突然変異誘発、特定部位の突然変 異誘発、3’または5’エキソヌクレアーゼのトリミング(trimming)、リンカ ー連結、他のDNA配列との連結(ligation)、メチル化、脱メチル化、ポリア デニル化、外来フラグメントの挿入、及び内在性フラグメントの除去を挙げるこ とができるが、これらに限定されない。 また、本発明のDNAは、DNAの任意のフラグメントであってもよい。任意 のフラグメント形成のための最初のDNAは、DNAの増幅サンプルから選択さ れてもよく、またはゲノムDNAの任意のサンプルであってもよい。 従って、本発明のポリヌクレオチド成分は、蛋白産物をコードする配列のみに 限定されない。分子の塩基対の長さ及び分子の物理的構造に関係なく、あらゆる 機能性DNA配列が意図される。従って、DNAがプラスミドの形態であっても 、スーパーコイルまたは開環状、コンカテマー、線形、一本鎖、または二本鎖で あっても、本発明は、ポリヌクレオチド成分としてあらゆる機能性DNA配列を 意図するものである。 本発明のこの局面について、好ましい態様では、DNAはプロモーター領域と コード領域を有するものである。プロモーターを有する場合、あらゆる起源のプ ロモーターが意図される。 コード領域は特有のポリペプチドを特定することが可能である。そのようなコ ード領域はイントロンを含有していてもよく、またはイントロンのないものであ ってもよい。加えて、他の種類のコード領域を使用してもよい。他の種類のコー ド領域の限定されない例としては、アンチセンスメッセージをコードする配列ま たは、DNA結合蛋白または分子間相互作用を有する他の薬剤の、競争的標的を 形成する配列が挙げられる。 コード領域がポリペプチドを特定化する場合、本発明は、自然発生的及び組換 え型の両方の、全ての形態のコード領域を意図する。配列は、ランダムなまたは 特定部位の突然変異誘発に由来するものであってもよく、または非突然変異体の 配列であってもよい。またこの配列は、らせん、シート、シグナルペプチド、変 異ペプチド、標的ドメイン、保持(retention)ドメイン、疎水性ドメイン、親 水性ドメイン、フィンガー、ジッパー、ループ、コイル、活性部位、結合部位、 プロセシング部位、切断部位、オリゴマー化部分などの、種々の蛋白構造及びド メインを特定するものであってもよい。またこの配列は、公知または予想される 蛋白配列の任意のフラグメントを特定するものであってもよい。 本発明のこの局面をさらに具体的に表すものは、ウイルス由来のDNAである 。そのようなDNAは、DNAウイルスから直接精製したものでもよく、または ウイルスの宿主から精製したものでもよく、宿主は真核生物であっても原核生物 であってもよい。加えて、ウイルスのDNAはインビトロで合成してもよい。本 発明では、ウイルスのDNAとして、配列が完全なものであっても配列の一部ま たは一フラグメントのみが発現されていても、ウイルスのあらゆるDNA分子ま た は、ウイルスのRNAまたはDNA配列由来のあらゆるDNA分子が包含される 。 本発明の別の好ましい態様では、DNAはアンチセンスメッセージをコードす るものである。本発明では、アンチセンスメッセージは、別の状況では翻訳され るか翻訳を助ける他のポリヌクレオチド配列と相補的に結合する能力のある、あ らゆるポリヌクレオチド配列である。この定義は、例えば、MRNA、tRNA 、rRNA、または他のRNA分子、RNA分子の領域、または他の活性ポリヌ クレオチドと、アンチセンスハイブリッドを形成し得るポリヌクレオチドを包括 するものである。このようなアンチセンスメッセージに必須の性質は、アンチセ ンスメッセージが、他のポリヌクレオチドと結合して、そのポリヌクレオチドの 翻訳もしくは他の発現または活性を消失するか減衰する能力を有する配列である ことである。アンチセンスRNAをコードするDNAもまた本発明の範囲内であ る。 本発明の実施に必要なDNAの選択及び増幅技術はよく知られているので、当 業者は、過度の実験作業を行うことなく、ここで論じる種類のDNAポリヌクレ オチドを調製及び使用するであろう。 本発明の別の態様では、ポリヌクレオチド成分はRNAである。本発明は、由 来、構造、修飾、または精製方法にかかわらず、RNAの全ての機能的形態を意 図するものである。 好ましい態様では、このRNAはMRNAである。本発明では、MRNAは、 翻訳されるかまたはポリペプチド産物を生成するために翻訳され得る、あらゆる RNAである。従って、MRNAは、真核生物または原核生物の細胞から精製さ れるか、インビトロで合成され得る。本発明は、例えば3’末端または5’m7 Gキャップでのポリアデニル化などの、翻訳の効率に影響する修飾を受けている 、または受けていない、MRNA分子を意図するものである。 別の好ましい態様では、RNAはアンチセンスRNAである。本発明では、ア ンチセンスRNAは、別の状況では翻訳されるか翻訳を助ける他のポリヌクレオ チド配列と相補的に結合する能力のある、あらゆるRNA配列である。この定義 は、例えば、mRNA、tRNA、rRNA、または他のRNA分子、RNA分 子の領域、または他の活性ポリヌクレオチドと、アンチセンスハイブリッドを形 成し得るポリヌクレオチドを包括するものである。 ポリヌクレオチド活性によるアンチセンスの干渉またはポリヌクレオチド活性 の減衰の理論は、当業者間ではよく知られており、通常の技術者は所望の効果を 有するようなアンチセンスポリヌクレオチドを設計、単離、または作製すること ができるであろう。 本発明のこの局面をさらに具体的に表すものは、ウイルス由来のRNAである 。そのようなRNAは、RNAウイルスから直接精製したものでもよく、または ウイルスの宿主から精製したものでもよく、宿主は真核生物であっても原核生物 であってもよい。加えて、ウイルスのRNAはインビトロで合成してもよい。本 発明では、ウイルスのRNAとして、配列が完全なものであっても配列の一部ま たは一フラグメントのみが発現されていても、ウイルスのあらゆるRNA分子ま たは、ウイルスのRNAまたはDNA配列由来のあらゆるRNA分子が包含され る。 別の態様では、RNAはリボザイムである。本発明では、リボザイムは、自触 的であっても他触的であっても、触媒活性を有するあらゆるRNA分子である。 ここでは、本発明組成物のポリヌクレオチド成分として、あらゆるリボザイムの 使用が意図される。 またRNAの他の形態及び立体配座も本発明の一部である。限定されない例と して、RNAは、rRNA、tRNA、hnRNA、一本鎖、二本鎖、自己アニ ーリング型、ループ型、またはコンカテマーであってもよい。 加えて、本発明のポリヌクレオチド成分の態様にとして、自然界に存在するも のであっても合成されたものであっても、上記していないあらゆる機能性ポリヌ クレオチドが挙げられる。本発明が意図するそのようなポリヌクレオチドの限定 されない例として、リンカー、遺伝子、プロモーター、イントロン、エンハンサ ー配列、サイレンサー(silencer)配列、転置因子、RNA/DNAハイブリッ ド、RNA/DNAキメラ、ヌクレオチド類似体を含むDNA配列、ヌクレオチ ド類似体を含むRNA、種々のDNA配列の異種混合物、種々のRNA配列の異 種混合物、及びDNA及びRNA両配列の異種混合物が挙げられる。 本発明の組成物はいくつかの有用な剤形であってもよい。本発明は、組成物の 全ての有用な剤形を意図するものである。一つの態様では、組成物は、吸入によ る送達に使用されるような、霧状の分散剤の形態である。霧状の分散剤は、本発 明の組成物の液剤であってもよく、この組成物を含有する懸濁液であってもよい 。霧状またはエアゾール状分散剤の代表的な担体としては、ミグリオール(Mig lyol;登録商標)、フリゲン(Frigen;登録商標)(11/12/113/1 14)、及び緩衝生理食塩水が挙げられる。本発明組成物が体の他のGM1細胞 に循環血液によって吸収される場合と同様に、本発明組成物を吸入によって送達 する場合には、粘膜組織の広い範囲に迅速に分散する効果がある。 好ましい態様では、組成物は、直腸坐剤または膣坐剤の形態である。坐剤の不 活性部分の処方について、代表的な担体としては、ポリエチレングリコール、グ リセリン、ココアバター、イムハウセン(Imhausen)H、及びウィテップゾル( Witepsol;登録商標)Hが挙げられる。また、本発明組成物の送達に好適な他 の坐剤処方も本発明の一部と考えられる。坐剤によって本発明組成物を送達する 場合には、組成物を粘膜表面に接触させて近位の粘膜組織に放出する効果がある 。また、本発明の組成物は、遠位の粘膜組織にも拡散によって到達する。 加えて本発明は、液剤の形態の組成物も意図する。この液剤は、経口投与用、 または点眼剤または点鼻剤の眼内または鼻内投与用であってもよく、または浣腸 剤または潅注剤として使用してもよい。本発明の組成物が液剤の形態である場合 、この液剤は組成物の溶液であっても懸濁液であってもよい。使用の目的に応じ て、この溶液または懸濁液について、種々の好適な剤形がある。 液剤の形態の本発明組成物を経口投与によって送達する場合は、胃腸管粘膜を 組成物に暴露することが目的である。胃の極端なpHを阻止して安定化される好 適な量を投与することによって、組成物は胃腸管の全ての部分、特に上部胃腸管 に送達されるであろう。本発明は、液剤を経口投与する場合、組成物が胃腸管に 沿って一様に、効果的に送達されるように組成物を安定化する、全ての手段を意 図するものである。例えば、組成物が胃を通過した直後にのみ放出されるように 、被覆または放出制御物質を使用することができる。液剤の形態で経口投与する ために、組成物を微細な粒子で被覆するか、または懸濁液として投与してもよい 。 液体の形態の本発明組成物を点眼液によって送達する場合は、目の粘膜及び関 連組織を組成物に暴露することが目的となるであろう。点眼液の代表的な液剤担 体は、メトセル(Methocel;登録商標)65HG4000を含む緩衝生理食塩 水である。 液剤の形態の本発明組成物を点鼻液によって送達する場合は、鼻洞の粘膜及び 関連組織を組成物に暴露することが目的となるであろう。代表的な点鼻液の液剤 担体は、種々の形態の緩衝生理食塩水である。 さらに本発明の態様として、眼、鼻、膣、または直腸投与用のクリームの形態 の組成物が挙げられる。本発明の組成物をクリームの形態で所定の粘膜組織に適 用する場合は、組成物を組織に有効に送達するのに充分な時間、組成物を粘膜組 織に接触させることが目的である。また、クリーム剤には、組成物送達の障害で ある粘液を可溶化するか、もしくは粘液の効果を減じる性質もある。また、デオ キシリボヌクレアーゼ溶液などの粘液溶解剤をさらに加えてもよい。代表的なク リーム剤及び軟膏に使用される担体は、パラフィン油、ワセリン、グリセロール 、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール及びメトセル(登録商標)で ある。 また、本発明の態様として、樹状細胞及び他の細胞への局所適用または経皮送 達(transdermal delivery)に適した組成物が挙げられる。考えられる剤形に は、経皮貼付剤、クリーム剤、及び軟膏が含まれる。経皮送達は、組成物を迅速 にまたは経時的に徐々に、組織に近位の細胞から遠位の細胞まで放出することを 目的とする。そのような細胞としては、樹枝状突起及び他の神経組織、血液細胞 、及び平滑筋及び横紋筋細胞が挙げられる。 本発明の別の態様では、組成物は、経口投与用の固形の錠剤またはカプセル剤 の形態である。組成物をこの形態で使用する場合には、小腸粘膜を組成物に暴露 するために組成物を胃腸管に送達する効果がある。従って、組成物を小腸粘膜へ 最適に送達するために、この錠剤またはカプセル剤は、胃の極端なpHから組成 物を保護するのに効果的な物質、または組成物を経時的に放出するのに効果的な 物質から成るものであってもよい。酸抵抗性の錠剤及びカプセル剤に使用される 代表的な腸溶コーティングには、酢酸フタル酸セルロース、プロピレングリコー ル、及びソルビタンモノリエート(monoleate)が含まれる。 また、本発明は、粘膜結合蛋白とポリヌクレオチドとが組成物を形成し得る全 ての方法を意図するものである。好ましい態様では、ポリヌクレオチドと蛋白と を意図的に共有結合させることなく、ポリヌクレオチドと蛋白を混合する。この 態様では、蛋白とポリヌクレオチドとの会合を強め、かつ安定化するために、混 合物中に他の成分が含まれていてもよい。蛋白成分とポリヌクレオチド成分との 適当な混合割合は、混合物の所望の効果に合わせて、経験的に容易に決定するこ とができる。 結合蛋白とポリヌクレオチドを安定であるが非共有結合的につなぐ現在の方法 には、ポリカチオン性ポリリジン法(polycationic polylysine method)及びカ チオン性リポソーム法が含まれる。ポリリジン法では、初めに結合蛋白をポリリ ジン(polylysine)に化学的に結合させる。結合蛋白と結合したポリカチオン性 ポリリジンを、次にポリヌクレオチドと混合する。ポリリジンと核酸との間の静 電気的相互作用によって、容易に解離せず、従って標的細胞への送達に好適な、 安定な組成物が形成される。下記の2件の文献は引用することによって本発明に 取り入れられる:Wu,G.Y.,Wilson,J.M.,Shalaby,F.,Grossman,M.,Sh afritz,D.A.,and Wu,C.H.(1991)J.Biol.Chem.266:14338-14342;Chen, J.,Gamou,S.,Takayanagi,A.,Shimizu,N.(1994)FEBS Lett.338:167- 169。 この技術の限定されない別の例として、陽性に荷電した脂質を使用してポリヌ クレオチドと静電気的に相互作用する能力のあるリポソームの形成が挙げられる 。ポリヌクレオチドを脂質と混合すると、リポソームが形成される。次にリポソ ームの二元機能性成分(bifunctional component)が本発明の結合蛋白の誘導 体と化学的に結合する。組成物は、このようにポリヌクレオチドと蛋白との間に 共有結合を全く形成せずに、標的細胞にポリヌクレオチドを送達することができ る。下記の文献は引用することによって本発明に取り入れられる:Mizuno,M., Yoshida,J.,Sugita,K.,Inoue,I.,Seo,H.,Hayashi,Y.,Koshizaka,T. ,and Yagi,K.(1990)Cancer Res.50:7826-7829。 別の態様では、粘膜結合蛋白とポリヌクレオチドは互いに化学的に結合する。 様々な結合が考えられる。限定されない例として、蛋白のカルボキシ末端または アミノ末端で、または蛋白内のアミノ酸残基のR基で結合する。ポリヌクレオチ ドは5’末端または3’末端で結合してもよく、またはいくつかのポリヌクレオ チドの立体配座によって、ポリヌクレオチド配列と内部で結合してもよい。 本発明の別の好ましい態様では、粘膜結合蛋白とポリヌクレオチドとを一緒に カプセルに封入する。カプセル封入手段によって、組成物の成分間の会合を維持 し、また一方で、胃酸、消化酵素、過剰の粘液、またはこの他の、好ましい粘膜 組織へ最適に送達する際の障害から、組成物を保護するという、二つの役割を果 たすことができる。当業者間では、多種多様のカプセル封入手段がよく知られて いる。本発明は、特別な適用に好適なあらゆるカプセル封入手段の使用を意図す る。 本発明の別の局面は、動物の免疫性を調節する方法である。本発明では、免疫 性の調節には、免疫応答を増強または低下させることが含まれ、または後述の通 り、同時に増強及び低下させることも含まれる。この方法の第一段階では、粘膜 結合蛋白と免疫原をコードするポリヌクレオチドとを組み合わせて動物に投与す る。第二段階は、動物においてポリヌクレオチドを発現させ、これによって動物 はポリヌクレオチドの産物に対して免疫応答を起こす。 本発明のこの局面について、好ましい態様では、調節によって動物の免疫応答 を増強する。増強のための調節は、その免疫応答が、別の様式で起こる免疫応答 より迅速であることが特徴となり得る。また、抗原に暴露した後、免疫グロブリ ンの力価が上昇することも特徴となり得る。他の特徴としては、病原体に対する 抵抗性が上がること、病原体による感染期間が別な様式で起こる感染よりも短く なること、関連の病原体及び抗原に対する反応性が上昇すること、または抗原に 対する炎症応答が増すことが挙げられる。本発明では、増強される免疫応答は、 粘膜性または全身性であってもよく、または粘膜性と全身性の両方であってもよ い。CTなどの粘膜結合蛋白は、免疫応答を起こすポリヌクレオチドの送達に効 果的であることが知られている。これらの蛋白は、抗原をコードするポリヌクレ オチドの送達にも同様に効果的に使用される。 上記した免疫応答増強のインディケーターに加えて、粘膜性の免疫応答の増強 では、slgAを含む中和抗体の産生が増加することが特徴となり得る。さらに 、免疫ブロブリンIgE、IgG産生の増加、及び細胞媒介性免疫の増強が特徴 となり得る。 上記した免疫応答増強のインディケーターに加えて、全身性の免疫応答の増強 では、免疫グロブリンIgGを含む中和抗体の産生が増加することが特徴となり 得る。さらに、免疫ブロブリンIgA産生の増加、及び細胞媒介性免疫の増強が 特徴となり得る。 本発明のこの局面について、ほかの態様では、避妊に対する免疫応答を増強す る。これは、精子細胞に独特の決定基に対する特異的な獲得粘膜性免疫を意図す るものである。そのような免疫が起こった場合、そうして免疫された動物は精子 細胞の粘膜組織を除くように反応し、動物の卵子に受精可能な活動的な精子の数 が減少するであろう。 本発明の別の好ましい態様では、調節によって動物の免疫応答を低下させる。 免疫応答を低下させるための調節は、その免疫応答が、別の様式で起こる免疫応 答より小さいことが特徴となり得る。また、抗原に暴露した後、免疫グロブリン の力価が低下することも特徴となり得る。他の特徴としては、アレルゲンまたは 関連する病原体または抗原の寛容性が上がること、アレルギー症状が減じられる かまたは消失すること、炎症性サイトカインのダウンレギュレーションが起こる ことが挙げられる。本発明では、低下させる免疫応答は、粘膜性または全身性で あってもよく、または粘膜性と全身性の両方であってもよい。 本発明の好ましい態様では、アレルゲンに対して脱感作させるために免疫応答 を低下させる。本発明は様々な程度の脱感作を意図する。 アレルゲンに対する脱感作の一例として、経口寛容性の現象がよく知られてい る。典型的な経口寛容性では、比較的大量の特別な物質、例えばアレルゲンに暴 露した動物は、一定期間を越えるとにアレルゲンに対する免疫学的感受性が低下 する。このように発現する経口寛容性は、粘膜性免疫系及び全身性免疫系の両方 に現れる。 経口寛容性を発現するのに必要な投与量は、アレルゲンと結合した粘膜結合蛋 白を使用することによって、かなり減らすことができる。ヒトガンマグロブリン (HGG)を単純経口投与(給餌)によってまたは抗原に結合した粘膜結合蛋白 (CTB)を使用してマウスに送達する実験において、遅延型過敏症(DTH) (後期(late phase))に対して同レベルの寛容性を得るのに必要な抗原の量は 、CTBに結合した抗原より単純給餌の方が約200〜625倍大きかった。さ ら に、単純給餌による送達は、DTH応答の前期を短縮する効果はなく、一方、粘 膜結合蛋白に結合させ、比較的少量の投与量を送達した場合は、完全に効果があ った。下記の文献は引用することによって本発明に取り入れられる:Sun,J.- B.,Holmgren,J.,and Czerkinsky,C.(1994)Proc.Nat.Acad.Sci.USA 91:10795-10799。 さらに本発明は、蛋白アレルゲンまたは免疫原自身を送達せずに、粘膜性免疫 系がいくつかのアレルゲンまたは他の免疫原に対する身体の免疫応答を減じる能 力を利用する。むしろ本発明では、ポリヌクレオチドの産物または活性が身体の 免疫応答を低下させることができるように、活性なポリヌクレオチドを粘膜に送 達する。重要なことは、ポリヌクレオチドはそれ自身は免疫原、抗原、アレルゲ ン、またはハプテンではないが、代わりに、所望の免疫応答の低下に最終的に影 響するのは、ポリペプチド産物であるか、ポリヌクレオチドの他の活性体である ということである。 組成物の特別の蛋白成分は、免疫応答を増強または低下させる調節に大きな効 果があることから、本発明は、粘膜性または全身性のいずれかのタイプの免疫性 の調節は勿論、免疫応答を増強または低下させる、いずれかの種類の調節ができ る組成物を意図するものである。 別の好ましい態様では、臓器及び組織移植に対する寛容性を形成するために免 疫応答を低下させる。MHCクラスIの蛋白の外因性非自己シグナルには、免疫 応答を刺激する能力があるので、移植された臓器及び組織について、認識された 非自己のエピトープに関連する免疫応答を消失させるか、または少なくとも減じ るために、それらの遺伝子は本発明の組成物に使用する候補となる。 限定されない例として、MHCのI蛋白をコードする遺伝子を粘膜結合蛋白と 組み合わせて粘膜に送達すると、粘膜細胞において遺伝子は局所的に発現する。 非自己エピトープを含む遺伝子産物は、通常、重要な免疫応答を刺激する。代わ りに、その発現は粘膜細胞において生じる性質があることから、遺伝子はエピト ープに対する感受性を低下させ、感受性の低下が全身性及び粘膜性の両方の免疫 系でみられる。その直後に、動物に同一のエピトープが表在する移植物を移植す ると、移植された組織に対する免疫応答は、別な方法で移植された場合よりもか なり弱い。従って、被移植患者に免疫抑制剤を投与する必要性は勿論、拒絶反応 も減少する。 本発明のさらに好ましい態様では、自己免疫疾患の治療に対する免疫応答を低 下させる。外因性非自己エピトープは、免疫系によって認識され攻撃を受ける唯 一の決定基ではない。免疫系のある異常によって、動物自身の細胞及び組織に対 する誤った免疫反応が起こり、自己を非自己として誤って認識する。この現象が 、例えば全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosis)、I型糖尿 病、リウマチ性関節炎、及び多発性硬化症などの、自己免疫疾患の原因である。 このような疾患では、自己細胞の誤認された決定基に対して免疫系を脱感作させ ることによって、疾患が消失または改善する。従って、本発明は、本発明の組成 物を自己免疫疾患を処置または治療するために使用することを意図するものであ る。 また、本発明は、疾患の病原体のあるエピトープに対する免疫化を、病原体の 他のエピトープの脱感作と同時に行うことを意図する。免疫系において、このよ うに同時にアップレギュレーションとダウンレギュレーションを行う効果によっ て、一方で非生産性側副炎症が原因の「バイスタンダー組織(bystander tissue )」のダメージを軽減しながら、結局は病原体を制御または消失するために、効 果的な免疫防御が病原体に集中するであろう。異なるエピトープが一方で細胞媒 介性免疫応答を刺激し、他方で有害な炎症反応を刺激する場合、その疾患は、一 方のエピトープに対して上昇した感受性に対する免疫応答と、他方のエピトープ に対する非常に小さい応答性に対する免疫応答とを同時に調節することによって 、最善の治療がなされる。 本発明によれば、免疫応答の調節は、病原体またはアレルゲンに暴露する前に 実施することができる。暴露前に調節する本発明の適用について、限定されない 例としては、予防接種、移植前脱感作、及び予防的自己免疫抑止(preemtive au toimmune deterrence)が挙げられる。 病原体が判っていて、この病原体に対する予防接種をしようとする場合、本発 明の組成物の一部として、病原体のエピトープをコードする遺伝子を送達する。 この遺伝子は粘膜細胞内部に取り込まれ、そこで発現し、その結果粘膜性及び全 身性免疫系の両方で免疫が増強される。続いて、全身性免疫と同様に強力で特異 的な粘膜性免疫に、接触点で病原体が暴露される。このようにして疾患誘起剤と しての病原体の効果が低下・減少する。 また本発明は、病原体またはアレルゲンに暴露した後に実施される調節も意図 するものである。暴露後に調節する本発明の適用について、限定されない例とし ては、慢性感染に対する暴露後免疫化、ガン細胞に対する自己免疫反応を形成す るための免疫化、アレルギーに対する脱感作治療、及び自己免疫疾患において攻 撃を受けるエピトープに対する治療的脱感作が挙げられる。 自己免疫疾患と診断され、その原因が判明している場合、免疫系によって非自 己と誤認されているエピトープをコードするポリヌクレオチドを、CTBと複合 体を形成させるか、または結合させる。組成物を好適な投与量、動物に与え、そ の結果、自己免疫疾患のエピトープに対する粘膜性及び全身性免疫を低下または 消失させる。 従って、本発明では、暴露の前でも後でも、及び処置される動物を免疫するに せよ脱感作するにせよ、免疫応答を調節するための本発明組成物の全ての使用が 具体化される。 本発明の組成物は、種々の経路で投与することができる。一つの態様では、投 与形態は鼻経由のものである。本発明組成物が鼻に投与される場合は、鼻及び鼻 洞の粘膜及び関連組織を組成物に暴露することを目的とする。あるいは、本発明 の態様として、吸入によって本発明組成物を投与する形態が挙げられる。本発明 組成物が動物の他のGM1細胞に循環血液によって吸収される場合と同様に、吸 入によって本発明組成物が投与される場合には、組成物が粘膜組織の広い範囲に 迅速に分散する効果がある。さらに本発明の態様として、組成物の眼科的投与が 挙げられる。本発明組成物を眼科的に投与する場合には、目の粘膜及び関連組織 を組成物に暴露することを目的とする。 好ましい態様では、投与形態は経口投与である。本発明組成物を経口的に投与 する場合には、胃腸管の粘膜を組成物に暴露する効果がある。好適な量を投与す ることによって、組成物が胃腸管の全ての部分に送達される。本発明は、液剤の 経口投与の形態、固形の錠剤、またはカプセルの形態のいずれであっても、経口 送達のあらゆる手段を意図するものである。 さらに好ましい態様では、本発明の組成物は直腸または膣内に投与される。本 発明組成物を直腸または膣内に投与する場合には、粘膜表面を組成物に接触させ て、近位の粘膜組織に組成物を放出する効果がある。また、遠位の粘膜組織にも 、拡散によって本発明の組成物が到達する。 本発明の別の局面は、あらゆるGM1動物細胞にポリヌクレオチドを送達する ために機能する組成物である。組成物の結合蛋白成分がGM1受容体に対する親 和性を有する場合、この組成物はGM1受容体が表在するあらゆる細胞に送達さ れるであろう。 GM1ガングリオシドは、体中の細胞の原形質膜中に存在する。しかし、異な る細胞型の原形質膜中のGM1濃度には非常に差がある。ある臨界的なレベルの GM1濃度を有する細胞型においてのみ、GM1は実際にCTBに結合する受容 体として働く。異なる結合蛋白は、異なる方法でGM1またはGM1の集合体と 相互に作用する。この事実から、本発明を実施する者は、粘膜細胞を治療用遺伝 子の限定的な標的とすることのできる遺伝子治療組成物、または膜内である濃度 のGM1をプロセシングする他の細胞をより一般的に標的とすることのできる遺 伝子治療組成物を設計することが可能になる。従って、治療用遺伝子を送達する この形態によって、これまで利用できなかった標的細胞を選択する際の、精度の 範囲が拡大する。 本発明は、GM1細胞と特異的に結合するか会合する能力のあるあらゆる蛋白 質の使用を意図するものである。本発明では、GM1細胞は、その原形質膜中に ガングリオシドGM1を有する脊椎動物の細胞である。既に粘膜結合蛋白として 記載した多数の蛋白質は、GM1受容体を介して粘膜と結合することが知られて いるかそう信じられており、従って、本発明のこの局面においても好適に使用さ れる。同様に、上述した全ての種類のポリヌクレオチドもまた、本発明のこの局 面に好適であり、本発明のこの局面はそれらを意図するものである。 本発明の組成物が送達される細胞は、粘膜細胞のみに限定されない。他の多く の細胞に様々な濃度でGM1受容体が表在する。例えば、神経細胞はGM1を高 濃度含むことが知られている。表面のGM1の濃度が低い他の細胞は、本発明の 組成物を送達するために、GM1とプレインキュベーションし、ある時間安定化 し、最後に本発明組成物の投薬するという処理を施してもよい。異なる膜成分を 有する細胞では、GM1に対する親和性及びGM1の取り込み速度の程度が異な る。従って、外因性GM1の濃度及び安定化時間と共に、インキュベーションの 時間及び他の条件を調整し、標的細胞によるGM1の取り込みの効果を調節し、 それによって送達される組成物の最終的な投与量を調節するような方法で、本発 明を実施することができる。このように、本発明組成物の効果的送達を増強する ために、あらゆる細胞型に潜在的に、選択的な前処理を施すことができる。 同様に、GM1受容体を遮断し、本発明の組成物に対するGM1濃度が高い膜 の親和性を減じるために、抗GM1抗体を使用することができる。本発明は、所 望の結果を得るために、GM1に対する抗体またはGM1そのものを、単独また は組み合わせた前処理を行うことを考慮するものである。 両形態の前処理を行う限定されない例として、本発明の組成物を送達する最も 好ましい標的細胞であるGM1濃度が低い細胞を処理するために、細胞の二つの 主要な亜集団から成る組織を選択する。初めに、組織全体を好適な濃度の抗GM 1 IgGを含む溶液で処理する。IgGはGM1濃度が高い細胞の膜において 、大部分またはほとんど大部分の到達可能なGM1を占有する。過剰の抗体を洗 浄して除去した後、GM1を組織に加える。拡散勾配に従って、GM1は、GM 1が高濃度の膜内よりも、GM1が低濃度の膜内に浸入し、このように拡散した GM1はほとんど抗体による遮断を受けない。浸入しなかったGM1を除去する ために二回目の洗浄を行い、組織に本発明の組成物を投与する準備が整い、活性 なポリヌクレオチドが本来最もGM1濃度が低い細胞に特異的に送達される。 本発明の遺伝子治療の局面は、GM1−結合蛋白と機能性ポリヌクレオチドと を組み合わせて動物に投与し、次にポリヌクレオチドを動物細胞において発現さ せる、動物における遺伝子治療のための方法を開示するものである。この方法に よって、ポリヌクレオチドの機能が動物に治療効果を与える。 本発明のこの局面について好ましい態様では、動物細胞は送達された機能性ポ リヌクレオチドを一時的に発現する。一時的な発現の特徴は、発現が開始しても 結局停止することである。ある期間発現することが、細胞内での活性なポリヌク レオチドの安定性の機能である。ポリヌクレオチドの安定性に影響する因子とし ては、ポリヌクレオチドの性質及び構造、ポリヌクレオチドの細胞の一部の位置 、ポリヌクレオチドの局所領域における安定化蛋白または溶解酵素の利用性、及 び、温度、pH、及びいくつかのイオンの濃度などの他の物理的パラメーターが 挙げられる。 送達された遺伝子産物またはポリヌクレオチドの活性は長期間にわたると悪影 響を及ぼすこともあるので、適用される多くの場合で一時的な発現が好ましい。 従って、このような場合、安定ではなく、一時的に発現すると思われるポリヌク レオチドが適当である。宿主細胞でより安定または不安定になるポリヌクレオチ ドが当業者には知られており、通常の技術を有する者は、本発明を特別に実施す るために適当なポリヌクレオチドを選択することができるであろう。 他の好ましい態様では、動物細胞が機能性ポリヌクレオチドによって安定的に 形質転換される。安定な形質転換の特徴は、宿主細胞のゲノムにポリヌクレオチ ドが実際に組み込まれ、続いて細胞の寿命の期間を通して、ポリヌクレオチドの 遺伝子または他の活性が発現することである。 本発明のいくつかの使用では、ポリヌクレオチドによる細胞の安定な形質転換 が必要となるかまたは、安定な形質転換の利益を得るであろう。例えば、欠如し ているか非機能性の遺伝子を置換する、本発明に包含される治療の場合、細胞の 安定な形質転換が潜在的に欠点を治療し、ポリヌクレオチドの一時的な発現には 継続した治療が必要であろう。 ポリヌクレオチドを単独または組み合わせて宿主細胞のゲノム中により安定的 に組み込むと思われるポリヌクレオチドの特徴は、当業者には知られている。当 業者は、宿主細胞の安定的な取り込み及び形質転換の可能性を最大にするために 、送達されるポリヌクレオチドの所望の特徴を選択することができる。 実施例1.組成物の形成 コレラ毒素のサブユニットBの蛋白質(CTB)を、上述の通り、ポリ−L− リジンと結合させる。下記の文献は引用することによってここに取り入れられる :Jung,G.,Kohnlein,W.,and Fiders,G.(1981)Biochem.Biophys .Res.Commun.101:599-606。このCTB蛋白を、ポリ−L−リジンの154 倍過剰の1−エチ ル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを使用し、pH7.4 で、7倍モル過剰のポリ−L−リジンと反応させる。24時間後、共役した生成 物(conjugate product)をクロマトグラフィーで精製し、引用によってここに 取り入れられる下記の文献に記載の通り、ゲル遅延アッセイ(gel retardation assay)によってプラスミドDNAで滴定する:Wu.G.Y.,and Wu,C.H. (1987)J.Biol.Chem.262:4429-4432。次に、DNAと蛋白の複合体を使 用して、好ましい送達形態の組成物を調製する。 実施例2.免疫性の調節:増強 上述したポリリジン法によって、強力なプロモーター及び、トラコーマクラミ ジア(Chlamydia trachomatis)のA8及びVDIV蛋白のエピトープをコー ドするコード領域を含むDNA配列と、CTBとの複合体を形成させる。アジュ バントとして、組成物中に少量のコレラ毒素A(CTA)を加える。引用によっ てここに取り入れられる下記の二件の文献を参照のこと:Czerkinsky, C. , and Holmgren,J.(1995)The Immunologist 3/3:97-103; and All en,J.,Locksley,R.M.,and Stephens,R.S.(1991)J.Immunol.147 :674-679。クラミジアに感染していないボランティアに、膣坐剤によってこの組 成物を一度投与する。クラミジアに感染していない対照群には、プラセボの坐剤 を投与する。一週間間隔で6回、両群の被験者から血清及び膣粘膜のサンプルを 採取する。血清サンプルのELISAアッセイによって、A8/VDIVに対し て特異的なIgGが処置群で存在し、対照群では存在しないことが示される。粘 膜サンプルについての同様のアッセイでは、処置群ではA8/VDIVに特異的 なslgAの力価が高く、一方対照群ではそのような反応が見られないことが示 される。両群について、その後の追跡研究によって、対照群に比べて治療群では クラミジア感染症の発症率が低いことが示される。 実施例3.免疫性の調節:炎症反応の低下 上述したポリリジン法によって、強力なプロモーター及び、CTBとトラコー マクラミジアの熱ショック蛋白質(HPS57)の融合物をコードするキメラコ ード領域を含むDNA配列と、CTB蛋白との複合体を形成させる。クラミジア 感染症及び骨盤炎症性疾患(PID)を罹患する患者に、膣坐剤によってこの組 成物を一度投与する。同様に感染症を罹患している対照群には、プラセボの坐剤 を投与する。一週間間隔で6回、クラミジアの全溶解産物を使用して、両群の被 験者の前腕で、スクラッチテスト及びタイン試験を実施する。また両群の被験者 でPID症状の重さを調査する。処置群では、スクラッチテスト及び尖叉試験( tine test)において感受性が著しく低下し、PID症状も同様に減少すること が示される。対照群ではこのような結果は見られない。 実施例4.免疫性の調節:炎症性反応の同時の低下と増強 実施例2で得られたDNA構造物及び実施例3で得られたDNA構造物を両方 含有する膣坐剤を、クラミジアに感染しているボランティアに投与する。同様に 感染している対照群には、プラセボの坐剤を投与する。処置群の被験者では、P IDの症状が減少し、クラミジアに対する細胞媒介性免疫が増強する。粘液サン プルではA8/VDIVに対するslgA及びIgGの力価が高いが、クラミジ アの全溶解産物を使用したスクラッチテスト及び尖叉試験にはほとんど反応しな い。従って、PIDの特徴である、側副の「バイスタンダー組織」のダメージが 低減する。対照群では、これに匹敵する結果は得られない。 実施例5.臓器移植寛容性 哺乳類のプロモーターの制御下で、種々のMHC−1蛋白の一つをコードする DNAをそれぞれ含む、一組の組換えDNAプラスミドを作製する。得られるプ ラスミドの蓄えは、特徴を調べて目録を作成し、数バッチの各プラスミドは、上 述のポリリジン法を使用してCTBと複合体を形成させ、臓器寛容性治療用の蓄 えを作る。 臓器提供者をスクリーニングし、提供者のMHC−1の遺伝子型を調べる。ス クリーニングの結果を、上述の蓄えから選択した適当な寛容化組成物と照合する 。 提供された臓器を移植しようとする患者には、投与量の寛容化組成物を、吸入 による霧状分散剤として、直腸坐剤として、及び腸溶錠として経口的に投与する 。 患者は外生のMHC−1蛋白に対する「経口寛容性」を迅速に獲得し、提供され た臓器に対する非自己認識が大きく低下する。粘膜関連リンパ組織(MALT) での非自己MHC−1遺伝子がある期間、充分に発現することから、遺伝子では なくMHC−1蛋白自身を使用した経口寛容化のためのあらゆる慣用的なアプロ ーチによる場合よりも、後天的な寛容性が長く継続する。 実施例6.自己免疫疾患の治療 糖尿病の自己免疫形態の患者に、強力なウイルス性プロモーターの制御下で、 CTB及びヒトインシュリンを両方コードするキメラ遺伝子から成る組成物を経 口投与するが、ここでは上述のポリリジンによって、キメラ遺伝子のDNAはC TB蛋白と複合体を形成させた。キメラ遺伝子は小腸粘膜に送達され、そこで遺 伝子がMALTの細胞によって取り込まれる。この細胞は、CTB及びインシュ リンから成るキメラ融合蛋白を発現し、インシュリンエピトープに対する粘膜性 及び全身性免疫系が組み合わされて寛容化される。インシュリンに対する患者の 自己免疫は低下し、糖尿病の進行は遅延する。 長期試験に参加した他の非糖尿病患者にもこの組成物を投与する。このボラン ティアではその後の糖尿病の発症率が、他の同様の対照群よりも低い。 実施例7.遺伝子治療 LTBと、すい嚢胞性線維症(CF)を引き起こす突然変異遺伝子に対応する 非突然変異のmRNAとから成る組成物を調製する。この組成物をCF患者に1 日2回、経口投与及び吸入によって投与する。CF患者に不足している酵素が効 率的かつ一時的に作られる肺及び胃腸管の粘膜に組成物が局在化する。こうして 治療される患者は、CFの症状がかなり低減する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 脊椎動物の粘膜組織の決定基に対して親和性を有する粘膜結合蛋白、及び 前記結合蛋白と会合するポリヌクレオチドを含む、ポリヌクレオチドの粘膜送達 のための組成物。 2. 粘膜結合蛋白が、CT、CTB、LT、細菌性線毛状蛋白、動物性レクチ ン、植物性レクチン、及びレクチン様蛋白からなる群より選択される、請求の範 囲第1項に記載の組成物。 3. 粘膜結合蛋白が、コレラ毒素及びその誘導体からなる群より選択される、 請求の範囲第1項に記載の組成物。 4. 粘膜結合蛋白が抗体である、請求の範囲第1項に記載の組成物。 5. 抗体がGM1受容体に対するものである、請求の範囲第4項に記載の組成 物。 6. ポリヌクレオチドがDNAである、請求の範囲第1項に記載の組成物。 7. DNAがゲノム由来のものである、請求の範囲第6項に記載の組成物。 8. DNAがcDNAである、請求の範囲第6項に記載の組成物。 9. DNAが組換え型である、請求の範囲第6項に記載の組成物。 10. DNAがプロモーター領域及びコード領域を含有する、請求の範囲第6 項に記載の組成物。 11. DNAがアンチセンスメッセージをコードする、請求の範囲第6項に記 載の組成物。 12. ポリヌクレオチドがRNAである、請求の範囲第1項に記載の組成物。 13. RNAがmRNAである、請求の範囲第12項に記載の組成物。 14. RNAがアンチセンスである、請求の範囲第12項に記載の組成物。 15. RNAがリボザイムである、請求の範囲第12項に記載の組成物。 16. 霧状分散剤の形態である、請求の範囲第1項に記載の組成物。 17. 坐剤の形態である、請求の範囲第1項に記載の組成物。 18. 粘膜結合蛋白及びポリヌクレオチドが混合物の形態で存在する、請求の 範囲第1項に記載の組成物。 19. 粘膜結合蛋白とポリヌクレオチドとが化学的に結合している、請求の範 囲第1項に記載の組成物。 20. 粘膜結合蛋白及びポリヌクレオチドが一緒にカプセルに封入されている 、請求の範囲第1項に記載の組成物。 21. 粘膜結合蛋白と免疫原をコードするポリヌクレオチドとを組み合わせて 動物に投与すること、及び前記動物中で前記ポリヌクレオチドを発現させてそれ によって前記動物が前記ポリヌクレオチドの産物に対する免疫応答を起こすこと を含む、動物の免疫性を調節する方法。 22. 前記調節が免疫応答を増強することである、請求の範囲第21項に記載 の方法。 23. 前記増強する免疫応答が粘膜性である、請求の範囲第22項に記載の方 法。 24. 前記増強する免疫応答が全身性である、請求の範囲第22項に記載の方 法。 25. 前記免疫応答の増強が避妊のためである、請求の範囲第22項に記載の 方法。 26. 前記調節が免疫応答を低下させることである、請求の範囲第21項に記 載の方法。 27. 低下させる免疫応答が粘膜性である、請求の範囲第26項に記載の方法 。 28. 低下させる免疫応答が全身性である、請求の範囲第26項に記載の方法 。 29. 免疫応答の低下がアレルゲンに対する脱感作のためである、請求の範囲 第26項に記載の方法。 30. 免疫応答の低下が臓器及び組織移植の寛容化のためである、請求の範囲 第26項に記載の方法。 31. 免疫応答の低下が自己免疫疾患の治療のためである、請求の範囲第26 項に記載の方法。 32. 選択されるエピトープに対する暴露前の予防接種のための、請求の範囲 第21項に記載の方法。 33. 選択されるエピトープに対する暴露前の脱感作のための、請求の範囲第 21項に記載の方法。 34. 選択されるエピトープの免疫認識を暴露後に増強するための、請求の範 囲第21項に記載の方法。 35. 選択されるエピトープに対する暴露後の脱感作のための、請求の範囲第 21項に記載の方法。 36. 投与形態が鼻からのものである、請求の範囲第21項に記載の方法。 37. 投与形態が経口的である、請求の範囲第21項に記載の方法。 38. 投与形態が直腸からのものである、請求の範囲第21項に記載の方法。 39. 投与形態が膣からのものである、請求の範囲第21項に記載の方法。 40. 投与形態が吸入である、請求の範囲第21項に記載の方法。 41. 投与形態が眼科的なものである、請求の範囲第21項に記載の方法。 42. GM1受容体に対して親和性を有する結合蛋白、及び前記結合蛋白と会 合するポリヌクレオチドを含む、GM1動物細胞にポリヌクレオチドを送達する ための組成物。 43. 結合蛋白が、CT、CTB、LT、LTB、細菌性線毛状蛋白、動物性 レクチン、植物性レクチン、及びレクチン様蛋白からなる群より選択される、請 求の範囲第42項に記載の組成物。 44. 結合蛋白が、コレラ毒素及びその誘導体からなる群より選択される、請 求の範囲第42項に記載の組成物。 45. 結合蛋白が免疫グロブリンである、請求の範囲第42項に記載の組成物 。 46. GM1結合蛋白と機能性ポリヌクレオチドとを組み合わせて動物に投与 すること、及び前記動物の細胞中で前記ポリヌクレオチドを発現させてそれによ って前記ポリヌクレオチドの機能が前記動物に治療効果を与えることを含む、動 物の遺伝子治療の方法。 47. 前記動物の前記細胞が前記機能性ポリヌクレオチドを一時的に発現する ことによる、請求の範囲第46項に記載の方法。 48. 前記動物の前記細胞を前記機能性ポリヌクレオチドによって安定的に形 質転換する、請求の範囲第46項に記載の方法。
JP9507664A 1995-07-26 1996-07-19 ポリヌクレオチドの粘膜送達 Pending JPH11510164A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US152795P 1995-07-26 1995-07-26
US60/001,527 1995-07-26
PCT/US1996/012041 WO1997005267A2 (en) 1995-07-26 1996-07-19 Mucosal delivery of polynucleotides

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11510164A true JPH11510164A (ja) 1999-09-07

Family

ID=21696500

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9507664A Pending JPH11510164A (ja) 1995-07-26 1996-07-19 ポリヌクレオチドの粘膜送達

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP0840796A2 (ja)
JP (1) JPH11510164A (ja)
AU (1) AU6505796A (ja)
CA (1) CA2227871A1 (ja)
WO (1) WO1997005267A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005526769A (ja) * 2002-03-15 2005-09-08 ザ・ブリガーム・アンド・ウーメンズ・ホスピタル・インコーポレーテッド 治療剤を全身搬送するための中央気道投与

Families Citing this family (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU6553398A (en) * 1997-03-12 1998-09-29 Hybridon, Inc. Down-regulation of gene expression by colorectal administration of synthetic oligonucleotides
GB9713122D0 (en) * 1997-06-20 1997-08-27 Chiron Spa Novel method of DNA transfer into cells
PT1117435E (pt) * 1998-09-30 2008-02-21 Us Gov Univ Health Sciences Holotoxina da cólera mutante como adjuvante
US7384640B1 (en) 1999-09-30 2008-06-10 Wyeth Holdings Corporation Mutant cholera holotoxin as an adjuvant
US7041296B1 (en) * 1999-11-12 2006-05-09 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Methods of treating inflammatory bowel disease using cholera toxin B subunit
IL159209A0 (en) 2001-06-07 2004-06-01 Wyeth Corp Mutant forms of cholera holotoxin as an adjuvant
DE60234695D1 (de) 2001-06-07 2010-01-21 Univ Colorado Mutantenformen von cholera holotoxin als adjuvans
US7960139B2 (en) 2007-03-23 2011-06-14 Academia Sinica Alkynyl sugar analogs for the labeling and visualization of glycoconjugates in cells
WO2010009271A2 (en) 2008-07-15 2010-01-21 Academia Sinica Glycan arrays on ptfe-like aluminum coated glass slides and related methods
US11377485B2 (en) 2009-12-02 2022-07-05 Academia Sinica Methods for modifying human antibodies by glycan engineering
US10087236B2 (en) 2009-12-02 2018-10-02 Academia Sinica Methods for modifying human antibodies by glycan engineering
WO2011130332A1 (en) 2010-04-12 2011-10-20 Academia Sinica Glycan arrays for high throughput screening of viruses
US10130714B2 (en) 2012-04-14 2018-11-20 Academia Sinica Enhanced anti-influenza agents conjugated with anti-inflammatory activity
EP2885311B1 (en) 2012-08-18 2020-01-01 Academia Sinica Cell-permeable probes for identification and imaging of sialidases
US10086054B2 (en) 2013-06-26 2018-10-02 Academia Sinica RM2 antigens and use thereof
WO2014210564A1 (en) 2013-06-27 2014-12-31 Academia Sinica Glycan conjugates and use thereof
EP3041484B1 (en) 2013-09-06 2021-03-03 Academia Sinica Human inkt cell activation using glycolipids with altered glycosyl groups
KR20160104727A (ko) 2014-01-16 2016-09-05 아카데미아 시니카 암의 치료 및 검출을 위한 조성물 및 방법
US10150818B2 (en) 2014-01-16 2018-12-11 Academia Sinica Compositions and methods for treatment and detection of cancers
CN106415244B (zh) 2014-03-27 2020-04-24 中央研究院 反应性标记化合物及其用途
JP7093612B2 (ja) 2014-05-27 2022-06-30 アカデミア シニカ Bacteroides由来のフコシダーゼおよびそれを使用する方法
TWI670078B (zh) 2014-05-27 2019-09-01 中央研究院 抗cd20醣抗體及其用途
JP7062361B2 (ja) 2014-05-27 2022-05-06 アカデミア シニカ 抗her2糖操作抗体群およびその使用
US10118969B2 (en) 2014-05-27 2018-11-06 Academia Sinica Compositions and methods relating to universal glycoforms for enhanced antibody efficacy
US11332523B2 (en) 2014-05-28 2022-05-17 Academia Sinica Anti-TNF-alpha glycoantibodies and uses thereof
JP6899321B2 (ja) 2014-09-08 2021-07-07 アカデミア シニカAcademia Sinica 糖脂質を使用するヒトiNKT細胞活性化
US9975965B2 (en) 2015-01-16 2018-05-22 Academia Sinica Compositions and methods for treatment and detection of cancers
US10495645B2 (en) 2015-01-16 2019-12-03 Academia Sinica Cancer markers and methods of use thereof
CA2972072A1 (en) 2015-01-24 2016-07-28 Academia Sinica Novel glycan conjugates and methods of use thereof
TW201808978A (zh) 2016-03-08 2018-03-16 中央研究院 N-聚醣及其陣列之模組化合成方法
CN109963868B (zh) 2016-08-22 2023-11-14 醣基生医股份有限公司 抗体、结合片段及使用方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IL78775A (en) * 1985-05-15 1992-06-21 Biotech Australia Pty Ltd Oral vaccines
JPS63258493A (ja) * 1987-04-15 1988-10-25 Mitsui Toatsu Chem Inc 抗ガングリオシドgm↓1単クロ−ン性抗体、これを産生する細胞及びこれから成る試薬
PT92511A (pt) * 1988-12-07 1990-06-29 Univ Leicester Processo de preparacao de um hospedeiro transformado e de proteinas de fusao da subunidade b de toxina labil ao calor
DE69005572T2 (de) * 1989-09-08 1994-04-07 Takeda Chemical Industries Ltd Fusionsproteine und Herstellung davon.
IL96475A0 (en) * 1989-11-29 1991-08-16 Innovative Tech Center Chimeric proteins
US5433946A (en) * 1991-10-11 1995-07-18 Health Research Inc. Synthesis and utilization of therapeutic agents for the treatment of lysosomal storage diseases
US5643578A (en) * 1992-03-23 1997-07-01 University Of Massachusetts Medical Center Immunization by inoculation of DNA transcription unit
US5972336A (en) * 1992-11-03 1999-10-26 Oravax Merieux Co. Urease-based vaccine against helicobacter infection
WO1994023752A1 (en) * 1993-04-16 1994-10-27 University Of Portsmouth Enterprise Limited Drug delivery system
US5681571A (en) * 1993-10-08 1997-10-28 Duotol Ab Immunological tolerance-inducing agent

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005526769A (ja) * 2002-03-15 2005-09-08 ザ・ブリガーム・アンド・ウーメンズ・ホスピタル・インコーポレーテッド 治療剤を全身搬送するための中央気道投与

Also Published As

Publication number Publication date
CA2227871A1 (en) 1997-02-13
WO1997005267A3 (en) 1997-04-24
WO1997005267A2 (en) 1997-02-13
AU6505796A (en) 1997-02-26
EP0840796A2 (en) 1998-05-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11510164A (ja) ポリヌクレオチドの粘膜送達
US5849719A (en) Method for treating allergic lung disease
JP4663113B2 (ja) 抗原刺激顆粒球媒介炎症を予防または軽減するための免疫刺激オリゴヌクレオチドの使用
TW589378B (en) Pharmaceutical composition for the prevention and/or the treatment of allergy
JP5942296B2 (ja) 少なくとも1つのcxxcモチーフを含むポリペプチドと異種抗原とを含む医薬組成物、及びその使用
JP2001504702A (ja) ストレスタンパク質を含む組成物を使用する免疫応答
CA2631981A1 (en) Methods and compositions for needleless delivery of binding partners
US20020068090A1 (en) Calcium phosphate particles as mucosal adjuvants
JP2001523729A (ja) Ltbアジュバントを含むワクチン
US10426825B2 (en) Compositions, methods and therapies for administering antigen peptide
JP2007524688A (ja) T細胞免疫応答阻害剤
JP2004528266A (ja) 薬物送達用組成物
US10206976B2 (en) Protein particles comprising disulfide crosslinkers and uses related thereto
TW202222821A (zh) 用於預防及/或治療covid-19之組合物及方法
JP2003520568A (ja) 高度な抗原提示プラットフォーム
US20030152581A1 (en) Compound and method for the prevention and/or the treatment of allergy
JP2003511061A (ja) 変更された化学結合体化特性を有するab5毒素bサブユニット変異体
CN107249628A (zh) 针对猪流行性腹泻病毒的优化的合成共有dna疫苗的免疫原性
Wahren et al. DNA increases the potency of vaccination against infectious diseases
CN102458446A (zh) 用于治疗慢性阻塞性肺病和哮喘的组合物和方法
US20030049797A1 (en) Hybrid proteins for autoimmune disease
US8758759B2 (en) Transmucosal administration of aggregated antigens
JP2005529091A (ja) エオタキシン伝達炎症状態の処置および予防方法および組成物
CN117777304A (zh) 呼吸道相关病毒纳米蛋白颗粒及其制备方法和用途
WO2006072202A1 (fr) Plasmide d'immunotoxine de recombinaison rantes-dt390 ciblant des cellules th1 activees, son procede de production et ses utilisations